JP5670650B2 - ロック機構、ロック機構を備えたチャック装置、及び締結治具 - Google Patents
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Description
上記螺合回転方向はオス型ネジ体とメス型ネジ体とを螺入出するために回転させる回転方向であり、上記螺合回転入力方向はオス型ネジ体とメス型ネジ体とを螺入出するために回転入力する方向とすることができる。
詳しくは、ロック切替手段によって切り替えられたロック状態においては、軸方向と径方向の二方向において噛合ギア及びラチェットギアが噛合するため、軸方向においてラチェットギアのみが噛合するロック機構に比べて、締付け状態を、確実にロックすることができる。
この発明により、ロックされた締め付け固定状態を解除する際であっても、離間状態ベアリングのベアリング作用によりロックされた締め付け固定状態をスムーズに解除することができる。
上記付勢手段は、コイルスプリング、皿バネ、板バネ、あるいはゴム製リングで構成することができる。
また、案内溝によって所定の押し付け量となるように案内された押し付け手段により、付勢手段の付勢力に抗して、軸方向対向面同士を離間させて噛合状態を確実に解除することができる。
上記回転治具とは、回転するドリル治具や、プラスやマイナスのドライバ治具とすることができる。
上記回転治具の基軸は工具シャンクともいい、上記チャック爪はジョーともいう。
なお、図4はチャック装置1の各構成要素の正面(背面)と側面(断面)を併記した分解説明図を示している。詳しくは、図4において、ロックギア34及び抜止めリング36は背面図を示し、その他の構成要素は正面図を示している。また、スラストベアリング21、ワッシャー22、ナットリング31、ナットギア32及びロックギア34は縦断面図を示し、その他の構成要素は側面図を示している。
チャックボディ11は、後方側から、後胴部111、中胴部112、前胴部113とで構成し、中心に軸心L方向の挿入孔114を有する略円筒形状に形成している。
また、前胴部113における中間付近には、軸心L方向の周面ギア116を外周面に形成している。
スラストベアリング21は、周方向に複数のベアリングボール21aを遊嵌させたケージ21bで構成している。ワッシャー22は、鋼製の薄板状リング体であり、スラストベアリング21と同じ径で形成している。なお、付属部品20は、2枚のワッシャー22によってスラストベアリング21を前後方向から挟み込んで、上述のチャックボディ11の中胴部112の前面側(図4において右側)に当接するように、前胴部113に装着することとなる。
さらに、ナットリング31は、利用者が直接操作するアウタースリーブ(図示省略)の内側に固定されて一体化されている。
そして、円筒状本体311の軸心L方向の前方側の内周面には、後述する抜止めリング36の係止を許容する係止溝317を形成している。
なお、最も深さの深いロック位置凹部314cに係止したカムボール33の押し付け量pcは、本実施形態において0としている。
フランジ部342の後面には、上述のフランジ部322に形成されたラチェットギア326に噛合するラチェットギア346を形成している。なお、フランジ部322に形成されたラチェットギア326と、フランジ部342に形成されたラチェットギア346とが噛合することにより、締付回転方向Rの回転方向に対して反対方向である開放回転方向R’の回転を規制することができる(図8(a)参照)。
スプリングキャップ37は、上述の抜止めリング36が嵌め込まれる嵌込み溝37aを外周面に備えた所定の厚みで形成されたリング体であり、内部にコイルスプリング35の嵌め込みを許容する嵌め込み空間37bを有している。
図14(c)に示すように、ロック状態において、周面噛合ギア325,348による軸心L方向のギア噛合幅X2、つまり噛合状態における周面噛合ギア325,348の軸心L方向の重なり部分の幅が、一方向ロック状態を構成する押し付け量pとなる一方向ロック位置凹部314bと、最も押し付け量pの小さいロック位置凹部314cとの深さの差(tc−tb)、つまり押し付け量の差(pb−pc)よりせまく設定している。
チャックボディ11’は、図15に示すように、後方側から、後胴部111’、中胴部112’、前胴部113’とで構成し、前胴部113’の後ろ側の外周に、周面ギア116’を有する略円筒形状に形成している。その他の挿入孔114やジョー装着孔115、あるいはジョー12は上述のチャック本体10と同じ構成であるので説明を省略する。
ナット本体61は、内部に円形開口613を有する略円筒状の円筒状本体611と、円筒状本体611の後方外周面において、径外側に突出するフランジ部612を備えている。
詳しくは、ナットギア32’は、円筒カバー62と同じ径で形成し、リング本体322’の軸心L方向後ろ側面には、円筒カバー62の遊嵌切欠部622に嵌合する嵌合凸部329’を備えている。したがって、遊嵌切欠部622と嵌合凸部329’とが嵌合した円筒カバー62とナットギア32’とは、回転方向に一体化され、同回転することとなる。
このとき、ナット本体61のネジ溝614は、ジョー12のネジ溝12aに螺合する。
さらに、遊嵌切欠部622に嵌合凸部329’が嵌め込まれたナットギア32’と、円筒カバー62に圧入されたナット本体61とは、回転方向において一体化する。
もちろん、回転制御体30’における、ラチェットギア326’,346’におけるギア噛合高さX1及び離間距離Y1、周面噛合ギア325’,348’におけるギア噛合幅X2及び離間距離Y2、並びに案内溝634における各深さt,つまり押し付け量pの関係は、上述の回転制御体30における関係と同じである。
なお、図17は締結治具2の各構成要素の正面(背面)と側面(断面)を併記した分解説明図を示している。詳しくは、図17において、ナットロックギア54及びスプリングキャップ56は背面図を示し、その他の構成要素は正面図を示している。また、ロック機能付ボルト40は側面図を示し、その他の構成要素は縦断面図を示している。
さらに、図19は、締結治具2でプレートA,Bを締結した状態において、ロック機能付ナット50及びプレートA,Bについて縦断方向に切断した斜視図を示している。
ボルト頭部41は背面視円形であり、図示省略するが、ボルト頭部41の背面には、締め付け治具である六角ナットを挿入する背面視六角断面の六角挿入穴を備えている。
さらに、ボルト軸部42は、図17における正面図に示すように、軸心L方向に平行な方向に、ネジ溝42aを切り欠いて形成した係合溝43を、周方向における三箇所に形成している。
案内溝514に係止するカムピン53は両端部が半球状のピン体であり、両端の半球状部分が軸心L方向となるように、各案内規制孔528に遊嵌している。
さらに、ナットロックギア54より前側からディッシュスプリング55とスプリングキャップ56を、六角筒本体511に圧入する。
以下において詳述する。ロック機能付ボルト40とロック機能付ナット50とでプレートA,Bを締結するためには、まず、プレートA,Bのボルト穴Aa,Baにロック機能付ボルト40のボルト軸部42を貫通させ、反対側から突出するボルト軸部42にロック機能付ナット50を螺入する。
したがって、ロック機能付ナット50のロック状態は解除され、ナットギア52とナットロックギア54とは相対回転可能なロック解除状態となる。
なお、以下の本発明における作用効果の説明において、回転制御体30’における構成要素は、回転制御体30における構成要素と同じであるため、回転制御体30’における符号の記載を省略する。
この発明のオス型ネジ部は、ネジ溝12a,42aに対応し、
以下同様に、
オス型ネジ体、チャック本体、あるいはボルトは、ジョー12、ボルト軸部42に対応し、
メス型ネジ部は、ネジ溝324,524,614に対応し、
メス型ネジ体は、回転制御体30及びロック機能付ナット50に対応し、
メス型ネジ側ギア部材、あるいはナットリングは、ナットギア32,32’,52に対応し、
螺合構造、チャック装置、あるいは締結治具は、チャック装置1,1’、締結治具2に対応し、
ロック機構は、回転制御体30,30’、ロック機能付ナット50に対応し、
オス型ネジ側ギア部材、あるいはロックフランジは、ロックギア34,34’、ナットロックギア54に対応し、
噛合ギアは、内周面噛合ギア325,325’,525、外周面噛合ギア348,348’,548に対応し、
軸方向は、軸心L方向に対応し、
ロック切替手段、相対変化手段、拘束解除手段、あるいは軸方向相対移動手段は、カムボール33、カムピン53、あるいは案内溝314,514,634に対応し、
メス型ネジ操作部は、ナットリング31、ナットリング体31’、あるいは六角ナットリング51に対応し、
軸方向対向面は、フランジ部322,342,342’,522,542、あるいはリング本体322’に対応し、
径方向対向面は、ナット本体321,521の内周面、背面リング突出部347,347’,547に対応し、
離間状態ベアリングあるいは押し付け手段は、カムボール33、又はカムピン53に対応し、
付勢手段は、コイルスプリング35、又はディッシュスプリング55に対応し、
ロック解除位置は、解除位置凹部314a,514aに対応し、
締め付けロック位置は、ロック位置凹部314c,514cに対応し、
一方向締め付けロック位置は、一方向ロック位置凹部314b,514bに対応し、
チャック爪は、ジョー12に対応し、
ナットは、ロック機能付ナット50に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
2…締結治具
12…ジョー
12a…ネジ溝
30,30’…回転制御体
31…ナットリング
31’…ナットリング体
32,32’…ナットギア
33…カムボール
34,34’…ロックギア
35,35’…コイルスプリング
42…ボルト軸部
42a…ネジ溝
50…ロック機能付ナット
51…六角ナットリング
52…ナットギア
53…カムピン
54…ナットロックギア
55…ディッシュスプリング
314,514,634…案内溝
314a,514a…解除位置凹部
314b,514b…一方向ロック位置凹部
314c,514c…ロック位置凹部
321,521…ナット本体
322,342,342’,522,542…フランジ部
322’…リング本体322’
324,524,614…ネジ溝
325,325’,525…内周面噛合ギア
326,346,326’,346’,526,546…ラチェットギア
347,347’,547…背面リング突出部
348,348’,548…外周面噛合ギア
L…軸心
X1…ギア噛合高さ
X2…ギア噛合幅
Y1,Y2…離間距離
pa…第1押し付け量
pc…第2押し付け量
pb…第3押し付け量
Claims (8)
- 外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体と、
該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体とで構成する螺合構造において、螺合する前記オス型ネジ体と前記メス型ネジ体との締め付け固定状態をロックするロック機構であって、
前記オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材を備えるとともに、
前記メス型ネジ体を、
前記メス型ネジ部を内周面に備える前記メス型ネジ側ギア部材と、
該メス型ネジ側ギア部材を螺入出操作するとともに、前記メス型ネジ側ギア部材に対して差動可能なメス型ネジ操作部とで構成し、
該オス型ネジ側ギア部材及び該メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、螺合回転方向に噛合する噛合ギアと、前記螺合回転方向のうち螺出回転方向にのみ噛合するラチェットギアとを形成するとともに、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち一方が前記軸方向に噛合し、他方が径方向に噛合する構成とし、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する締め付けロック状態と、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合を解除するロック解除状態とを切り替えるロック切替手段を備えた
ロック機構。 - 前記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動によって、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を他方に対して相対変化させる相対変化手段を備え、
前記ロック切替手段を、
前記相対変化によって、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合状態を変化させる前記相対変化手段で構成した
請求項1に記載のロック機構。 - 前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材を前記軸方向の同軸上に配置するとともに、
前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、
前記軸方向において対向する前記軸方向対向面と、径方向において対向する径方向対向面とを形成し、
ギア歯方向が略放射状となる前記ラチェットギアを前記軸方向対向面に形成するとともに、ギア歯方向が前記軸方向となる前記噛合ギアを前記径方向対向面に形成し、
前記相対変化手段を、
前記ラチェットギア同士が接触する噛合位置と、離間する離間位置との間を、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を前記軸方向に相対移動させる前記軸方向相対移動手段で構成した
請求項2に記載のロック機構。 - 前記離間位置にある前記メス型ネジ体の回転を補助する離間状態ベアリングを備えた
請求項3に記載のロック機構。 - 前記軸方向対向面同士が対向する前記メス型ネジ側ギア部材側に向かって前記オス型ネジ側ギア部材を、付勢する付勢手段を備え、
前記軸方向相対移動手段を、
前記付勢手段の付勢力に抗して、前記軸方向対向面が離間する方向に前記オス型ネジ側ギア部材を押し付ける押し付け手段と、
前記メス型ネジ操作部に形成し、前記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動回転によって、所定の押し付け量に応じた押し付け位置に前記押し付けて案内する案内溝で構成した
請求項3または4に記載のロック機構。 - 前記案内溝を
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除される第1押し付け量で形成されたロック解除位置、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する第2押し付け量で形成された締め付けロック位置、及び
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち前記ラチェットギアのみが噛合する第3押し付け量で形成された一方向締め付けロック位置に前記押し付け手段を案内する構成とし、
第1押し付け量、第3押し付け量、第2押し付け量の順で押し付け量を大きく設定し、
前記ラチェットギアを、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合高さを、第1押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第3押し付け量との差分より短いギア歯高さに形成し、
前記噛合ギアを、
前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合幅を、第3押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第2押し付け量との差分より短い軸方向におけるギア歯長さで形成した
請求項5に記載のロック機構。 - 回転可能な駆動軸を有する駆動装置に装着するチャック装置であって、
請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載のロック機構を備え、
前記駆動軸と同軸心上に配置され、先端側に回転治具の基軸の挿入を許容する軸孔を有する略円筒状のチャック本体と、
前記軸孔に連絡して前記チャック本体に対して移動可能に配置され、外周にオス型ネジ部を備えた複数のチャック爪と、
前記チャック本体に回動可能に保持されるとともに、前記複数のチャック爪の外周面に形成したオス型ネジ部と螺合するメス型ネジ部を内周面に備え、前記複数のチャック爪を同期して移動させるナットリングと、
前記チャック本体に対して、前記軸心方向にスライド可能且つ回転固定されたロックフランジとを備え、
前記ナットリング及び前記ロックフランジを、前記軸心方向に隣接させて前記チャック本体の外周部に配置するとともに、
締め付け固定状態の前記ナットリングの緩め方向への前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転を拘束する回転拘束手段と、
該回転拘束手段による、前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転の拘束を解除する拘束解除手段とを備え、
前記チャック本体で前記オス型ネジ体を構成し、
前記ロックフランジで前記オス型ネジ側ギア部材を構成し、
前記ナットリングで前記メス型ネジ側ギア部材を構成し、
前記回転拘束手段で前記噛合ギア及び前記ラチェットギアを構成し、
前記拘束解除手段で前記ロック切替手段を構成した
チャック装置。 - ボルトと、ナットとを螺合して締結する締結治具であって、
請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載のロック機構を備え、
前記ボルトを、外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体で構成し、
前記ナットを、該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体と、該オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材と、前記メス型ネジ体に対して軸方向及び螺合回転入力方向が固定されたメス型ネジ側ギア部材とで構成した
締結構造。
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