JP5670650B2 - ロック機構、ロック機構を備えたチャック装置、及び締結治具 - Google Patents

ロック機構、ロック機構を備えたチャック装置、及び締結治具 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、電動ドライバや振動ドリルのような電動工具において、ドライバ治具やドリル治具等の回転治具の基軸を挿入して固定するチャック装置や、被締結部材を締結する締結治具、及びそれらにおけるロック機構に関する。
従来より、電動ドライバ等の先端に配置するチャック装置において、挿入された回転治具の基軸を爪(ジョー)で三方向から締め付けて固定し、締付け状態をロックするロック機構を備えたチャック装置が提案されている(特許文献1参照)。
このチャック装置は、チャック本体に対して軸方向が拘束された係止リングと、ラチェット本体に対して軸方向に移動可能な保持リングとを備えている。そして、前記係止リング及び前記保持リングのそれぞれの対向面に、緩み方向に対して噛合するラチェットギアが形成されている。
したがって、保持リングを軸方向に移動させ、係止リング及び保持リングのラチェットギアが噛合することによって、締付け固定状態において、締付け解除方向の回転を規制し、締付け状態をロックすることができるとされている。
しかし、保持リングを軸方向に移動させて、係止リング及び保持リングのラチェットギアを噛合させているため、保持リングが軸方向反対側に不用意に移動した場合、ロック状態が不用意に解除されるおそれがあった。
特開平6−277913号公報
そこでこの発明は、ロックされた固定状態が不用意に解除されることなく、確実に、固定状態をロックすることができるロック機構、ロック機構を備えたチャック装置、及び締結治具を提供することを目的とする。
この発明は、外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体と、該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体とで構成する螺合構造において、螺合する前記オス型ネジ体と前記メス型ネジ体との締め付け固定状態をロックするロック機構であって、前記オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材を備えるとともに、前記メス型ネジ体を、前記メス型ネジ部を内周面に備える前記メス型ネジ側ギア部材と、該メス型ネジ側ギア部材を螺入出操作するとともに、前記メス型ネジ側ギア部材に対して差動可能なメス型ネジ操作部とで構成し、該オス型ネジ側ギア部材及び該メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、螺合回転方向に噛合する噛合ギアと、前記螺合回転方向のうち螺出回転方向にのみ噛合するラチェットギアとを形成するとともに、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち一方が前記軸方向に噛合し、他方が径方向に噛合する構成とし、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する締め付けロック状態と、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合を解除するロック解除状態とを切り替えるロック切替手段を備えたことを特徴とする。
上記オス型ネジ体に備えたオス型ネジ部と、メス型ネジ体に備えたメス型ネジ部とは、ネジ山とネジ溝で構成し、螺合可能なネジ部とすることができる。
上記螺合回転方向はオス型ネジ体とメス型ネジ体とを螺入出するために回転させる回転方向であり、上記螺合回転入力方向はオス型ネジ体とメス型ネジ体とを螺入出するために回転入力する方向とすることができる。
上述の軸方向に噛合するということは、ギア歯の形成方向、つまりギア歯の高さ方向が軸方向であることをいう。これに対して、径方向に噛合するということは、ギア歯の形成方向、つまりギア歯の高さ方向が径方向であることをいう。
この発明により、ロックされた固定状態が不用意に解除されることなく、確実に、固定状態をロックすることができる。
詳しくは、ロック切替手段によって切り替えられたロック状態においては、軸方向と径方向の二方向において噛合ギア及びラチェットギアが噛合するため、軸方向においてラチェットギアのみが噛合するロック機構に比べて、締付け状態を、確実にロックすることができる。
この発明の態様として、前記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動によって、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を他方に対して相対変化させる相対変化手段を備え、前記ロック切替手段を、前記相対変化によって、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合状態を変化させる前記相対変化手段で構成することができる。
上述のオス型ネジ側ギア部材及びメス型ネジ側ギア部材のうち一方を他方に対して相対変化させるということは、少なくとも一方を他方に対して相対移動させることや、少なくとも一方を他方に対して相対変形させることをいう。
この発明により、メス型ネジ操作部をメス型ネジ側ギア部材に対して差動させることによって、相対変化手段がオス型ネジ側ギア部材及びメス型ネジ側ギア部材を相対変化させて、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合状態を切り替えることができる。したがって、この相対変形によって、ロック状態を切り替えて、確実に、締め付け固定状態をロックすることができる。
またこの発明の態様として、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材を前記軸方向の同軸上に配置するとともに、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、前記軸方向において対向する前記軸方向対向面と、径方向において対向する径方向対向面とを形成し、ギア歯方向が略放射状となる前記ラチェットギアを前記軸方向対向面に形成するとともに、ギア歯方向が前記軸方向となる前記噛合ギアを前記径方向対向面に形成し、前記相対変化手段を、前記ラチェットギア同士が接触する噛合位置と、離間する離間位置との間を、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を前記軸方向に相対移動させる前記軸方向相対移動手段で構成することができる。
この発明により、軸方向対向面に形成したラチェットギアと、径方向対向面に形成した噛合ギアとを、軸方向相対移動手段によるオス型ネジ側ギア部材及びメス型ネジ側ギア部材の軸方向の相対移動によって噛合させて、締め付け固定状態をロックすることができる。
またこの発明の態様として、前記離間位置にある前記メス型ネジ体の回転を補助する離間状態ベアリングを備えることができる。
この発明により、ロックされた締め付け固定状態を解除する際であっても、離間状態ベアリングのベアリング作用によりロックされた締め付け固定状態をスムーズに解除することができる。
またこの発明の態様として、前記軸方向対向面同士が対向する前記メス型ネジ側ギア部材側に向かって前記オス型ネジ側ギア部材を、付勢する付勢手段を備え、前記軸方向相対移動手段を、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記軸方向対向面が離間する方向に前記オス型ネジ側ギア部材を押し付ける押し付け手段と、前記メス型ネジ操作部に形成し、前記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動回転によって、所定の押し付け量に応じた押し付け位置に前記押し付けて案内する案内溝で構成することができる。
上記付勢手段は、コイルスプリング、皿バネ、板バネ、あるいはゴム製リングで構成することができる。
この発明により、付勢手段の付勢力によって、軸方向対向面に形成したラチェットギアの噛合状態を保持することができる。
また、案内溝によって所定の押し付け量となるように案内された押し付け手段により、付勢手段の付勢力に抗して、軸方向対向面同士を離間させて噛合状態を確実に解除することができる。
またこの発明の態様として、前記案内溝を、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除される第1押し付け量で形成されたロック解除位置、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する第2押し付け量で形成された締め付けロック位置、及び前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち前記ラチェットギアのみが噛合する第3押し付け量で形成された一方向締め付けロック位置に前記押し付け手段を案内する構成とし、第1押し付け量、第3押し付け量、第2押し付け量の順で押し付け量を大きく設定し、前記ラチェットギアを、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合高さを、第1押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第3押し付け量との差分より短いギア歯高さに形成し、前記噛合ギアを、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合幅を、第3押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第2押し付け量との差分より短い軸方向におけるギア歯長さで形成することができる。
上記第1押し付け量、第3押し付け量、及び第2押し付け量の順で押し付け量が小さくなるように設定されたうちの最も押し付け量の少ない第2押し付け量は、第3押し付け量より少ない押し付け量であれば押し付け量が0であってもよい。
この発明により、噛合ギア及びラチェットギアが噛合する締付けロック状態、ラチェットギアのみが噛合して一方向に回転がロックされ、他方向に回転可能な一方向締付けロック状態、噛合ギア及びラチェットギアの噛合が解除されたロック解除状態を切り替えることができる。
詳しくは、案内溝によって、第1押し付け量によるロック解除位置、第3押し付け量による一方向締め付けロック位置、及び第2押し付け量による締め付けロック位置に押し付け手段を案内することで、ロック解除状態、一方向締付けロック状態、及び締付けロック状態を切り替えることができる。
また、ラチェットギアの噛合状態及び付勢手段による付勢力によって、一方向締め付けロック位置から締め付けロック位置に自動的に案内し、一方向締付けロック状態から締付けロック状態に移行することができる。
またこの発明は、回転可能な駆動軸を有する駆動装置に装着するチャック装置であって、上述のロック機構を備え、前記駆動軸と同軸心上に配置され、先端側に回転治具の基軸の挿入を許容する軸孔を有する略円筒状のチャック本体と、前記軸孔に連絡して前記チャック本体に対して移動可能に配置され、外周にオス型ネジ部を備えた複数のチャック爪と、前記チャック本体に回動可能に保持されるとともに、前記複数のチャック爪の外周面に形成したオス型ネジ部と螺合するメス型ネジ部を内周面に備え、前記複数のチャック爪を同期して移動させるナットリングと、前記チャック本体に対して、前記軸心方向にスライド可能且つ回転固定されたロックフランジとを備え、前記ナットリング及び前記ロックフランジを、前記軸心方向に隣接させて前記チャック本体の外周部に配置するとともに、締め付け固定状態の前記ナットリングの緩め方向への前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転を拘束する回転拘束手段と、該回転拘束手段による、前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転の拘束を解除する拘束解除手段とを備え、前記チャック本体で前記オス型ネジ体を構成し、前記ロックフランジで前記オス型ネジ側ギア部材を構成し、前記ナットリングで前記メス型ネジ側ギア部材を構成し、前記回転拘束手段で前記噛合ギア及び前記ラチェットギアを構成し、前記拘束解除手段で前記ロック切替手段を構成したことを特徴とする。
上記回転可能な駆動軸を有する駆動装置は、振動ドリルや電動ドライバ等の回転電動工具とすることができる。
上記回転治具とは、回転するドリル治具や、プラスやマイナスのドライバ治具とすることができる。
上記回転治具の基軸は工具シャンクともいい、上記チャック爪はジョーともいう。
この発明により、チャック本体において、チャック爪による回転治具の基軸の締付け固定状態を、上述のロック機構によってロックするとともに、ロックされた締付け固定状態を解除することができる。
さらにまたこの発明は、ボルトと、ナットとを螺合して締結する締結治具であって、上述のロック機構を備え、前記ボルトを、外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体で構成し、前記ナットを、該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体と、該オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材と、前記メス型ネジ体に対して軸方向及び螺合回転入力方向が固定されたメス型ネジ側ギア部材とで構成したことを特徴とする。
この発明により、ボルトとナットで構成する締結治具における締付け固定状態を、上述のロック機構によってロックするとともに、ロックされた締付け固定状態を解除することができる。
この発明によれば、ロックされた固定状態が不用意に解除されることなく、確実に、固定状態をロックすることができるロック機構、ロック機構を備えたチャック装置、及び締結治具を提供することができる。
チャック装置の斜視図。 チャック装置の縦断面図。 チャック装置本体と、ロック機構の組み付けについて説明する斜視図。 チャック装置の各構成要素の正面と側面を併記した分解説明図。 チャック装置におけるロック機構の各構成要素の分解斜視図。 ロック機構の説明図。 ロック機構における主要構成要素についての説明図。 案内溝と押し付け量についての説明図。 ロック機構におけるロック解除状態についての説明図。 ロック機構におけるロック解除状態についての概念図による説明図。 ロック機構における一方向ロック状態についての説明図。 ロック機構における一方向ロック状態についての概念図による説明図。 ロック機構におけるロック状態についての説明図。 ロック機構におけるロック状態についての概念図による説明図。 別の構成のチャック装置におけるロック機構の各構成要素の分解斜視図。 別の構成のチャック装置についての説明図。 締結治具の各構成要素の正面と側面を併記した分解説明図。 締結治具の各構成要素の分解斜視図。 締結治具の一部断面斜視図。 締結治具の縦断面図。
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
なお、図4はチャック装置1の各構成要素の正面(背面)と側面(断面)を併記した分解説明図を示している。詳しくは、図4において、ロックギア34及び抜止めリング36は背面図を示し、その他の構成要素は正面図を示している。また、スラストベアリング21、ワッシャー22、ナットリング31、ナットギア32及びロックギア34は縦断面図を示し、その他の構成要素は側面図を示している。
また、図6(a)は回転制御体30の斜視図を示し、図6(b)はチャック本体10の縦断面図を示している。また、図7(a)は、回転制御体30を構成する主要構成要素であるナットリング31、ナットギア32、カムボール33及びロックギア34についての正面側左上方から見た分解斜視図を示し、図7(b)は、回転制御体30を構成する主要構成要素についての背面側右上方から見た分解斜視図を示している。
さらに、図8は案内溝314における深さtと押し付け量pについての説明図を示しており、図8(a)は案内溝314部分の拡大正面図を示し、図8(b),(c)は案内溝314部分の縦断面図を示している。
さらに、図9及び図10は回転制御体30におけるロック解除状態について、図11及び図12は一方向ロック状態について、図13及び図14はロック状態についての説明図をそれぞれ示している。なお、図10、図12及び図14は各状態の概念図を示している。
詳しくは、図9、図11及び図13の(a)は各状態における回転制御体30の正面図を示し、(b)は縦断面図を示している。図10、図12及び図14の(a)は各状態における案内溝314部分の断面図を示し、(b)は案内溝314部分の拡大正面図を示し、(c)はナットギア32とロックギア34のギアの状態についての拡大縦断面図を示している。
本発明のチャック装置1は、図示省略する電動工具の先端に装備されるものである。例えば、この電動工具は、利用者が使用時に握るハンドル部を備えたハウジング、及び該ハウジング前方に設けたスピンドルを備えている。
そして、チャック装置1はスピンドルの先端に装着され、チャック装置1で回転治具の基軸を締め付け固定するものである。なお、スピンドルは、ハウジング内部に設置された、正逆転回転可能なモータの回転駆動力によって回転する構成である。
上述の電動工具に装備されるチャック装置1は、図3に示すように、主要部品であるチャック本体10及び回転制御体30と、付属部品20とを組み付けて構成している。しかし、付属部品20は、チャック装置1において必須ではなく、代用品でもよく、後述の機能を奏するためには無くてもよい。
チャック本体10は、図4に示すように、チャックボディ11と、ジョー12とで構成している。
チャックボディ11は、後方側から、後胴部111、中胴部112、前胴部113とで構成し、中心に軸心L方向の挿入孔114を有する略円筒形状に形成している。
そして、チャックボディ11における周方向の三箇所に、中胴部112から前胴部113を介し、外周側から内周側に向かい、軸心Lに対して交叉する方向で挿入孔114に連通するジョー装着孔115を配置している(図4)。なお、3つのジョー装着孔115の径内側方向の延長線上の交点は軸心L上となるように形成している。
また、前胴部113における中間付近には、軸心L方向の周面ギア116を外周面に形成している。
ジョー12は、後述するナットギア32のネジ溝324と螺合するネジ溝12aを後方側の外側面に有する略円柱状に形成している。さらに、ジョー12の前側内側面は、略円柱状の軸心方向に対して交叉する方向で、軸心Lに対して略平行な押圧面12bを形成し、該押圧面12bの幅方向中央には、カーバイド製のチップ12cを装備している。このような構成のジョー12は、上述したように、軸心Lに対して周方向における三方向において、押圧面12bが軸心Lに平行となる姿勢で配置される。
上述のように構成したチャックボディ11のジョー装着孔115にジョー12を挿入してチャック本体10を構成する。このとき、ジョー12は、ネジ溝12aが径外側向きに露出するように、ジョー装着孔115に挿入される。
付属部品20は、図4に示すように、スラストベアリング21及び2枚のワッシャー22とで構成している。
スラストベアリング21は、周方向に複数のベアリングボール21aを遊嵌させたケージ21bで構成している。ワッシャー22は、鋼製の薄板状リング体であり、スラストベアリング21と同じ径で形成している。なお、付属部品20は、2枚のワッシャー22によってスラストベアリング21を前後方向から挟み込んで、上述のチャックボディ11の中胴部112の前面側(図4において右側)に当接するように、前胴部113に装着することとなる。
回転制御体30は、図4に示すように、軸心Lの後方から順に、ナットリング31、ナットギア32、カムボール33、ロックギア34、コイルスプリング35、抜止めリング36、及びスプリングキャップ37とで構成している。
ナットリング31は、図4及び図7に示すように、内部に円形開口315を有する略円筒状の円筒状本体311と、円筒状本体311の内面の後方において、中心すなわち軸心L方向に向かって突出するリブ部312を備えている。
さらに、ナットリング31は、利用者が直接操作するアウタースリーブ(図示省略)の内側に固定されて一体化されている。
さらに、リブ部312の周方向の三箇所において中心に向かって突出する突出部313を形成している。また、突出部313の前面(図4において右側)には後述するカムボール33が係止する案内溝314を形成している。なお、突出部313同士の間に、後述するナットギア32の遊嵌凸部329が周方向において遊嵌する遊嵌凹部316を構成している。
そして、円筒状本体311の軸心L方向の前方側の内周面には、後述する抜止めリング36の係止を許容する係止溝317を形成している。
なお、案内溝314は、図8(a)に示すように、締付回転方向R(正面視時計回り方向)の先端に配置した解除位置凹部314aと、締付回転方向Rの後端に配置した一方向ロック位置凹部314bと、一方向ロック位置凹部314bより締付回転方向Rの先側に配置したロック位置凹部314cと、これらを連結する連結溝部314dとを備えた円弧断面溝で形成している。
詳しくは、案内溝314の解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部314b、ロック位置凹部314c、及び連結溝部314dは、同円周上に配置されている。
そして、図8(b)に示すように、解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部314b及びロック位置凹部314cは、表面からそれぞれ深さta,tb,tcで形成するとともに、ta<tb<tcとなるように、つまり連結溝部314dに対して、解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部314b、ロック位置凹部314cの順で深くなるよう形成している。
したがって、図8(c)に示すように、解除位置凹部314aに係止するカムボール33が後述するロックギア34を押し付ける押し付け量paは、解除位置凹部314aの深さtaとロック位置凹部314cの深さtcとの差に等しくなる。つまり、深さtがもっとも深いロック位置凹部314cに係止するカムボール33からの軸心L方向の移動量となる。
同様に、一方向ロック位置凹部314bに係止するカムボール33がロックギア34を押し付ける押し付け量pbは、一方向ロック位置凹部314bの深さtbとロック位置凹部314cの深さtcとの差に等しくなる。
なお、最も深さの深いロック位置凹部314cに係止したカムボール33の押し付け量pcは、本実施形態において0としている。
ナットギア32は、図4及び図7に示すように、略円筒状のナット本体321と、ナット本体321前方に配置されたフランジ部322とを備え、ナットギア32の内部に正面視円形で前後方向に貫通する円形開口323を形成している。
なお、ナット本体321は、上述の円形開口315において、突出部313より径内側に嵌め込み可能な径で形成している。また、フランジ部322は、円筒状本体311の径内側に嵌め込み可能な径で形成している。
円形開口323を形成するナット本体321の内周面には、上述のジョー12のネジ溝12aに螺合するネジ溝324を、軸心L方向前側に向かって径が徐々に小さくなる先細り状に形成している。
ナット本体321及びフランジ部322の内周面におけるネジ溝324の軸心L方向前側には、円形開口323に向かって突出する内周面噛合ギア325を備えている。なお、内周面噛合ギア325のギア歯方向は、軸心L方向に対して平行に形成している。
フランジ部322の前面には、ギア歯方向が略放射状となるラチェットギア326を形成している。さらに、ギア歯方向が略放射状であるラチェットギア326における径方向中央付近には、正面視略円状の嵌合溝327(図4a部拡大図参照)を形成している。
さらには、フランジ部322において、上述の案内溝314に対向する位置には、案内溝314に係止するカムボール33の遊嵌を許容する案内規制孔328(図7(b))を備えている。
また、ナット本体321の外周における案内規制孔328同士の間には、径外側に突出し、上述の遊嵌凹部316に対して周方向に遊嵌する遊嵌凸部329を径方向の三箇所に備えている。
案内溝314に係止するとともに、案内規制孔328に遊嵌するカムボール33は鋼球であり、周方向に三箇所備えた案内溝314及び案内規制孔328の数に合せて3つ配置している。
ロックギア34は、図4,7に示すように、略円筒状の円筒状本体341と、円筒状本体341の後端に配置されたフランジ部342と、フランジ部342の内周縁に沿って後方に向かってわずかに突出する背面視リング状の背面リング突出部347を備え、円筒状本体341の内部に正面視円形で前後方向に貫通する円形開口343とを形成している。なお、背面リング突出部347は、ナットギア32の円形開口323に嵌合する径で形成している。
円形開口343を形成する円筒状本体341の内周面には、上述のチャックボディ11の周面ギア116に噛合する内周面ギア344を形成している。
フランジ部342の後面には、上述のフランジ部322に形成されたラチェットギア326に噛合するラチェットギア346を形成している。なお、フランジ部322に形成されたラチェットギア326と、フランジ部342に形成されたラチェットギア346とが噛合することにより、締付回転方向Rの回転方向に対して反対方向である開放回転方向R’の回転を規制することができる(図8(a)参照)。
さらには、背面リング突出部347の外周面には、内周面噛合ギア325に嵌合する外周面噛合ギア348を形成している。外周面噛合ギア348は、ギア歯方向が軸心L方向に平行であるが、フランジ部342からの背面リング突出部347の突出量に応じたギア歯幅で形成している(図4b部拡大図参照)。
また、ギア歯方向が略放射状であるラチェットギア346における径方向中央付近には、上述の嵌合溝327に嵌合する背面視略円状の嵌合凸部345(図4c部拡大図参照)が形成されている。なお、嵌合凸部345は、案内規制孔328に遊嵌されたカムボール33の中心と、軸心Lからの同じ径方向位置に配置されている。
コイルスプリング35は、コイル状に形成されたスプリングであり、後述するスプリングキャップ37を反力として、ロックギア34をナットギア32に向かって付勢する構成である。
抜止めリング36は、後述するスプリングキャップ37の外周面に形成した嵌込み溝37aに嵌め込み可能な正面視略C型の弾性体で構成している。
スプリングキャップ37は、上述の抜止めリング36が嵌め込まれる嵌込み溝37aを外周面に備えた所定の厚みで形成されたリング体であり、内部にコイルスプリング35の嵌め込みを許容する嵌め込み空間37bを有している。
上述したように、ナットリング31、ナットギア32、カムボール33、ロックギア34、コイルスプリング35、抜止めリング36及びスプリングキャップ37を組付けて回転制御体30を構成する(図6参照)。詳しくは、フランジ部322のラチェットギア326と、フランジ部342のラチェットギア346とが軸心L方向に対向するように配置して、案内規制孔328にカムボール33を挿入したナットギア32とロックギア34とをナットリング31の円形開口315に挿着する。
このとき、ナットギア32の遊嵌凸部329は、ナットリング31における突出部313同士の間に形成する遊嵌凹部316に遊嵌される。また、背面リング突出部347に形成された外周面噛合ギア348と、ナットギア32の内周面噛合ギア325とが径方向に対向して噛合する。
また、遊嵌凸部329と遊嵌凹部316とが遊嵌した状態では、突出部313に形成した案内溝314と案内規制孔328とが軸心L方向に対向することとなり、案内規制孔328に挿入したカムボール33は案内溝314とロックギア34の嵌合凸部345に軸心L方向前後から挟み込まれる態様となる。
さらに、ロックギア34より前側からコイルスプリング35と、嵌込み溝37aに抜止めリング36を嵌め込んだスプリングキャップ37とを、抜止めリング36が係止溝317に係止するように円形開口315に挿着する。
これにより、スプリングキャップ37は、係止溝317に係止された抜止めリング36により、円形開口315において軸心L方向に拘束される。したがって、スプリングキャップ37を反力として、コイルスプリング35は、ロックギア34をナットギア32に対して、すなわち軸心L方向の後ろ向きに付勢することとなる。
このコイルスプリング35の付勢力によって、ロックギア34のラチェットギア346とナットギア32のラチェットギア326とは噛合し、内周面噛合ギア325と外周面噛合ギア348は径方向に対向して噛合することとなる。
このように組み付けられた回転制御体30における、ナットギア32のラチェットギア326及びロックギア34のラチェットギア346、並びに内周面噛合ギア325と外周面噛合ギア348の噛合について、案内溝314に係止するカムボール33による押し付け量との関係に基づいて以下において詳述する。
上述したように、ラチェットギア326,346は、ギア歯高さ方向が軸心L方向と一致するため、カムボール33によって規制されるロックギア34の軸心L方向の位置によって、ラチェットギア326,346の噛合及び離間が切り替えられる。
これに対し、径方向に噛合する周面噛合ギア325,348は、ギア歯方向が径方向であるため、カムボール33によって規制されるロックギア34の軸心L方向の位置によって、外周面噛合ギア348に対して内周面噛合ギア325が軸心L方向にスライドして、周面噛合ギア325,348同士の噛合及び離間が切り替えられる。
ロックギア34の軸心L方向の位置を規制するカムボール33が係止する案内溝314の解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部314b及びロック位置凹部314cにおいて、深さtが最も浅い解除位置凹部314aでは、図9及び図10に示すように、軸心L方向に噛合するラチェットギア326,346、及び径方向に噛合する周面噛合ギア325,348がともに離間する。詳しくは、解除位置凹部314aは案内溝314において深さtが最も浅いため、解除位置凹部314aに係止するカムボール33の軸心L方向の位置が前側となる(上下方向が軸心Lである図10(a)では上側)。
したがって、カムボール33は、コイルスプリング35の付勢力に抗して、嵌合凸部345を軸心L方向前方に押し付ける。つまり、カムボール33がロック位置凹部314cに位置する場合と比較して、解除位置凹部314aに係止するカムボール33が嵌合凸部345を押し付ける押し付け量pが大きくなり、軸心L方向に噛合するラチェットギア326,346、及び径方向に噛合する周面噛合ギア325,348がともに離間する。この状態においては、ナットギア32とロックギア34とは、相対回転可能なロック解除状態となる。
これに対し、深さtが最も深いロック位置凹部314cにカムボール33が係止した場合は、図13及び図14に示すように、軸心L方向に噛合するラチェットギア326,346、及び径方向に噛合する周面噛合ギア325,348が噛合する。
詳しくは、ロック位置凹部314cは案内溝314において深さtが最も深いため、ロック位置凹部314cに係止するカムボール33の軸心L方向の位置が後側となる(上下方向が軸心Lである図14(a)では下側)。
したがって、カムボール33は、コイルスプリング35の付勢力に抗して、嵌合凸部345を軸心L方向前方に押し付けることがなくなる。よって、コイルスプリング35の付勢力により、軸心L方向のラチェットギア326,346、及び径方向の周面噛合ギア325,348がともに噛合する。この状態においては、ナットギア32とロックギア34とは、回転が固定されたロック状態となる。
解除位置凹部314aより深く、ロック位置凹部314cより浅い一方向ロック位置凹部314bにカムボール33が係止した場合は、図11及び図12に示すように、軸心L方向のラチェットギア326,346が噛合し、径方向の周面噛合ギア325,348は離間する。
詳しくは、一方向ロック位置凹部314bの深さtbは、ともに離間する解除位置凹部314aより深く、ともに噛合するロック位置凹部314cより浅いため、一方向ロック位置凹部314bに係止するカムボール33の軸心L方向の位置が中間位置となる。
したがって、カムボール33は、コイルスプリング35の付勢力に抗して、嵌合凸部345を軸心L方向前方に向かって少し押し付ける。つまり、ロック位置凹部314cにカムボール33が係止する場合と比較して、一方向ロック位置凹部314bに係止するカムボール33が嵌合凸部345を押し付ける押し付け量pが大きくなるが、その押し付け量pは解除位置凹部314aに係止するカムボール33の押し付け量paより小さくなる。
よって、軸心L方向のラチェットギア326,346は噛合するが、径方向の周面噛合ギア325,348は離間することとなる。この状態においては、軸心L方向のラチェットギア326,346が開放回転方向R’に対して回転規制するラチェット形状であるため、ナットギア32とロックギア34とは、締付回転方向Rの一方向のみ相対回転可能な一方向ロック状態となる。
なお、上述のような、案内溝314における係止位置によるカムボール33が嵌合凸部345を押し付ける押し付け量pによって、軸心L方向のラチェットギア326,346、及び径方向の周面噛合ギア325,348の噛合及び離間を規制するために、以下に説明するような関係を設定している。
まず、軸心L方向のラチェットギア326,346について以下のように設定している。図14(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア326,346と、径方向の周面噛合ギア325,348とがともに噛合するロック状態において、ラチェットギア326,346による軸心L方向のギア噛合高さX1、つまり噛合状態におけるラチェットギア326,346の軸心L方向の重なり部分の高さが、最も押し付け量pの大きい解除位置凹部314aと、最も押し付け量pの小さいロック位置凹部314cとの深さの差(tc−ta)、つまり押し付け量の差(pa−pc)より低く設定している。
さらに、図10(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア326,346と、径方向の周面噛合ギア325,348とがともに離間するロック解除状態において、ラチェットギア326,346による軸心L方向の離間距離Y1を、最も押し付け量pの大きい解除位置凹部314aと、一方向ロック状態を構成する押し付け量pとなる一方向ロック位置凹部314bとの深さの差(tb−ta)、つまり押し付け量の差(pa−pb)より短くなるよう設定している。
また、径方向の周面噛合ギア325,348について以下のように設定している。
図14(c)に示すように、ロック状態において、周面噛合ギア325,348による軸心L方向のギア噛合幅X2、つまり噛合状態における周面噛合ギア325,348の軸心L方向の重なり部分の幅が、一方向ロック状態を構成する押し付け量pとなる一方向ロック位置凹部314bと、最も押し付け量pの小さいロック位置凹部314cとの深さの差(tc−tb)、つまり押し付け量の差(pb−pc)よりせまく設定している。
さらに、図10(c)に示すように、ロック解除状態において、周面噛合ギア325,348による軸心L方向の離間距離Y2を、最も押し付け量pの大きい解除位置凹部314aと、最も押し付け量pの小さいロック位置凹部314cとの深さの差(tc−ta)、つまり押し付け量の差(pa−pc)より短くなるよう設定している。
上述のように、軸心L方向のラチェットギア326,346、及び径方向の周面噛合ギア325,348、並びに案内溝314の各深さt、つまり押し付け量pを設定することにより、案内溝314に係止するカムボール33によって、軸心L方向のラチェットギア326,346、及び径方向の周面噛合ギア325,348の噛合及び離間を切り替え可能に構成している。
このように、各構成要素を組付けて構成したチャック本体10と回転制御体30とは、図3に示すように、間に付属部品20を挟んで組み付けてチャック装置1を構成する。
このとき、回転制御体30の内周面ギア344は、チャックボディ11の周面ギア116と噛合する。そして、回転制御体30のネジ溝324は、チャック本体10のジョー12のネジ溝12aと螺合する。したがって、回転制御体30のロックギア34は、内周面ギア344と周面ギア116の噛合により、チャック本体10に対して、回転方向R,R’に拘束され、軸心L方向にスライド可能となる。
この状態において、回転制御体30を締付回転方向Rに回転することにより、ナットギア32のネジ溝324とネジ溝12aとが螺合している3つのジョー12は、ジョー装着孔115を軸心Lに向かって前方に同期して移動する。
そして、図示省略するドリル治具の基軸に対して、径外側の三方向からチップ12cを介して押圧面12bが押圧する締め付け固定状態で固定することができる。
このような締付け固定状態において、さらに、図示省略するアウタースリーブを介してナットリング31を締付回転方向Rに回転させると、すでに基軸を締付けているジョー12のネジ溝12aと螺合しているナットギア32の回転は固定されているため、ナットリング31は、ナットギア32に対して締付回転方向Rの前側に差動回転する。
このナットギア32に対する締付回転方向Rの前側へのナットリング31の差動回転により、回転固定されたナットギア32の案内規制孔328に遊嵌するカムボール33は、図11(a)及び図12に示すように、案内溝314の一方向ロック位置凹部314bに移動する。
一方向ロック位置凹部314bに係止したカムボール33は、図12(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア326,346が噛合し、径方向の周面噛合ギア325,348が離間するため、ナットギア32とロックギア34とは締付回転方向Rにのみ回転可能な一方向ロック状態となる。
この状態においては、図11(a)に示すように、突出部313の締付回転方向Rの前側面が遊嵌凸部329の締付回転方向Rの後側面に接しているため、図示省略するアウタースリーブを介してナットリング31を締付回転方向Rに回転することによって、さらにジョー12に対してナットギア32を締付け方向に螺入することができる。しかし、軸心L方向のラチェットギア326,346が噛合しているため、開放回転方向R’の回転が規制されており、締付け固定状態はロックされることとなる。
なお、上述の一方向ロック状態では、図12(c)に示すように、ラチェットギア326,346と、ギア歯高さにおいて中間位置で噛合している。したがって、一方向ロック状態で、アウタースリーブを介した締付け操作、つまり締付回転方向Rの回転操作をやめると、ロックギア34はコイルスプリング35によってナットギア32に向かって付勢されているため、コイルスプリング35の付勢力によってラチェットギア326,346とが密着するロック状態に自動的に移行する。
詳しくは、コイルスプリング35の付勢力によって、ラチェットギア326,346が密着するように、ナットギア32に対してナットリング31が開放回転方向R’に差動回転し、一方向ロック位置凹部314bに係止していたカムボール33はロック位置凹部314cに移動する。
このように、カムボール33がロック位置凹部314cに係止し、ラチェットギア326,346が密着することにより、図14(c)に示すように、径方向の周面噛合ギア325,348も噛合してロック状態となる。
この状態においては、軸心L方向のラチェットギア326,346に加えて、径方向の周面噛合ギア325,348も噛合しているため、締付回転方向R及び開放回転方向R’の両方向の回転が規制されており、チャック装置1の締付け固定状態はロックされることとなる。
このような締め付け固定状態にあるチャック装置1のロックを解除し、ジョー12による基軸の締め付けを解除して回転治具を取り外す際には、図示省略するアウタースリーブを介してナットリング31を開放回転方向R’に回転させる。このとき、回転制御体30はロック状態にあるため、ナットリング31はナットギア32に対して、開放回転方向R’に差動回転する。
このナットギア32に対するナットリング31の差動回転により、ロック位置凹部314cに係止したカムボール33は、差動回転するナットリング31の案内規制孔328によって、図9及び図10に示すように、解除位置凹部314aに移動する。
解除位置凹部314aに係止した押し付け量paのカムボール33は、コイルスプリング35の付勢力に抗してロックギア34を軸心L方向前側に押し付けて移動させる。このカムボール33の押し付けにより、図10(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア326,346、及び径方向の周面噛合ギア325,348が離間する。したがって、回転制御体30のロック状態は解除され、ナットギア32とロックギア34とは相対回転可能なロック解除状態となる。
回転制御体30がロック解除することにより、ナットリング31を開放回転方向R’に回転させると、図9(a)に示すように、上述の開放回転方向R’の差動回転により、突出部313の開放回転方向R’の前側面が遊嵌凸部329の開放回転方向R’の後側面に接しているため、ネジ溝324がジョー12のネジ溝12aに螺合しているナットギア32は開放回転方向R’に回転し、ジョー12による回転治具の基軸の締め付けを解除することができる。
なお、上述のロック解除状態においては、解除位置凹部314aに係止したカムボール33は、ロックギア34の嵌合凸部345を軸心L方向前側に押し付けており、球体のカムボール33は背面視円形状の嵌合凸部345の表面を転動することとなる。
したがって、この状態のカムボール33は、チャックボディ11に回転固定されたロックギア34に対して相対回転するナットギア32にとってベアリングとして機能するため、相対回転による回転負荷を低減し、容易に開放回転方向R’に回転することができる。
次に、別の構成の回転制御体30’を備えたチャック装置1’について、図15及び図16とともに説明する。なお、図16(a)は、チャック装置1’の斜視図を示し、図16(b)は縦断面図を示している。
このチャック装置1’は、チャック本体10’、付属部品20’及び回転制御体30’で構成しているが、上述のチャック装置1との大きな違いは、上述のチャック装置1では単品構成であったナットリング31を複数部材で構成するとともに、上述のナットギア32に備えたネジ溝324を、ナットリング体31’に備えたことである。
さらには、上述の回転制御体30は、ナットギア32、ロックギア34、コイルスプリング35、抜止めリング36、及びスプリングキャップ37がナットリング31の内部に組付けられて構成していたが、本実施例の回転制御体30’は、チャック本体10’に装着した状態で組付けられる。
詳しくは、チャック本体10’は、図16(b)に示すように、チャックボディ11’と、ジョー12とで構成している。
チャックボディ11’は、図15に示すように、後方側から、後胴部111’、中胴部112’、前胴部113’とで構成し、前胴部113’の後ろ側の外周に、周面ギア116’を有する略円筒形状に形成している。その他の挿入孔114やジョー装着孔115、あるいはジョー12は上述のチャック本体10と同じ構成であるので説明を省略する。
これに加え、チャックボディ11’における前胴部113’の前方には、後述する回転制御体30’のストッパリング37’の係止を許容するストッパリング係止溝117’を備えている。このストッパリング係止溝117’は、上述の回転制御体30のナットリング31に形成した係止溝317と同じ機能を備えている。
付属部品20’は、上述の付属部品20のワッシャー22とスラストベアリング21とで構成している。上述の付属部品20と付属部品20’との違いは、付属部品20では、スラストベアリング21を軸心L方向前後からワッシャー22で挟み込んでベアリング効果を確保していたが、付属部品20’では、スラストベアリング21に装着されたベアリングボール21aがワッシャー22と、後述するナットリング体31’を構成するナット本体61のフランジ部612との間で転動するため、軸心L方向前側のワッシャー22を省略して構成した。
回転制御体30’は、ナットリング体31’、ナットギア32’、カムボール33、ロックギア34’、コイルスプリング35’及びストッパリング37’で構成している。なお、カムボール33とコイルスプリング35は、上述の回転制御体30におけるカムボール33とコイルスプリング35と同じ構成であるため、説明を省略する。
ナットリング体31’は、ナット本体61、円筒カバー62、操作リング63とで構成している。
ナット本体61は、内部に円形開口613を有する略円筒状の円筒状本体611と、円筒状本体611の後方外周面において、径外側に突出するフランジ部612を備えている。
また、円筒状本体611の内周面には、円形開口613に向かって突出するネジ溝614を備えている。このネジ溝614は、上述の回転制御体30のナットギア32に形成されたネジ溝324に該当し、ジョー12のネジ溝12aに螺合するギアである。
円筒カバー62は、円筒状本体611の圧入固定を許容する円筒形状のカバーであり、軸心L方向前側に、軸心L方向後向きに切り欠いた遊嵌切欠部622を、周方向における三箇所に備えている。なお、遊嵌切欠部622は、後述する操作リング63の連結レバー632を周方向に遊嵌する円周方向の幅で切り欠いて形成している。
操作リング63は、所定の厚みを有する正面視リング状のリング本体631と、リング本体631の外周面を径外側に突出させた連結レバー632とで構成している、なお、連結レバー632は、上述の遊嵌切欠部622に対応する周方向三箇所に形成している。このように、リング本体631から径外側向きに突出する態様で形成された連結レバー632は、図示省略するアウタースリーブの内部において連結され、アウタースリーブの回転操作によって回転する構成である。
また、リング本体631及び連結レバー632の軸心L方向前側面には、上述の回転制御体30のナットリング31に形成した案内溝314と同じ構成の案内溝634を備えている。
ナットギア32’は、所定の厚みを有する正面視リング状のリング本体322’に、内周面噛合ギア325’と、ラチェットギア326’と、案内規制孔328’とを備えて形成している。
詳しくは、ナットギア32’は、円筒カバー62と同じ径で形成し、リング本体322’の軸心L方向後ろ側面には、円筒カバー62の遊嵌切欠部622に嵌合する嵌合凸部329’を備えている。したがって、遊嵌切欠部622と嵌合凸部329’とが嵌合した円筒カバー62とナットギア32’とは、回転方向に一体化され、同回転することとなる。
さらに、回転制御体30のナットギア32に形成した内周面噛合ギア325に該当し、同様の構成の内周面噛合ギア325’は、リング本体322’の内周面に形成し、リング本体322’の正面視中央の円形開口323に向かって突出している。
リング本体322’の前面には、ギア歯方向が略放射状となるラチェットギア326’を形成し、リング本体322’において、上述の案内溝634に対向する位置には、案内溝634に係止したカムボール33の遊嵌を許容する案内規制孔328’を備えている。
円形開口343’を有する円筒状本体341’と円筒状本フランジ部342’とで構成し、内周面ギア344’、嵌合凸部345’、ラチェットギア346’、背面リング突出部347’、及び外周面噛合ギア348’を備えたロックギア34’は、上述の回転制御体30のロックギア34と同様の構成であるため、説明を省略する。
ストッパリング37’は、周方向の一部を切り欠いた切り欠き部371’が形成された平板リング状のストッパー材であり、切り欠き部371’を開いて、チャックボディ11’に形成されたストッパリング係止溝117’に係止することができる。
各構成要素が上述のような構成である回転制御体30’は、付属部品20’を介して、チャック本体10’に装着して組付けられる(図16参照)。
このとき、ナット本体61のネジ溝614は、ジョー12のネジ溝12aに螺合する。
また、ロックギア34’の内周面ギア344’はチャックボディ11’の周面ギア116’に噛合し、ロックギア34’はチャックボディ11’に対して、軸心L方向にスライド可能な状態で回転が拘束される。
さらに、遊嵌切欠部622に嵌合凸部329’が嵌め込まれたナットギア32’と、円筒カバー62に圧入されたナット本体61とは、回転方向において一体化する。
また、回転制御体30’において軸心L方向前方に配置され、ストッパリング係止溝117’に係止したストッパリング37’を反力としてコイルスプリング35はロックギア34’をナットギア32’に向かって付勢する。
もちろん、回転制御体30’における、ラチェットギア326’,346’におけるギア噛合高さX1及び離間距離Y1、周面噛合ギア325’,348’におけるギア噛合幅X2及び離間距離Y2、並びに案内溝634における各深さt,つまり押し付け量pの関係は、上述の回転制御体30における関係と同じである。
また、図示省略するアウタースリーブを回転操作することによって、操作リング63の連結レバー632は円筒カバー62の遊嵌切欠部622において遊嵌しているため、ナットギア32’に対して回転方向に差動することができる。
したがって、チャック装置1’の回転制御体30’は、ナットギア32’の案内規制孔328’に遊嵌したカムボール33を案内溝634における係止位置に案内して、上述の回転制御体30における一方向ロック状態、ロック状態及びロック解除状態を実現し、上述の回転制御体30と同様の効果を奏することができる。
続いて、ロック機構を備えた締結治具2について、図17乃至20とともに説明する。
なお、図17は締結治具2の各構成要素の正面(背面)と側面(断面)を併記した分解説明図を示している。詳しくは、図17において、ナットロックギア54及びスプリングキャップ56は背面図を示し、その他の構成要素は正面図を示している。また、ロック機能付ボルト40は側面図を示し、その他の構成要素は縦断面図を示している。
また、図18において二点鎖線で示すプレートA,Bは、締結治具2によって締結される被締結材であり、締結治具2の構成要素には含まれない。
さらに、図19は、締結治具2でプレートA,Bを締結した状態において、ロック機能付ナット50及びプレートA,Bについて縦断方向に切断した斜視図を示している。
締結治具2は、ロック機能付ボルト40、平ワッシャー45、及びロック機能付ナット50とで構成している。しかし、平ワッシャー45は、締結治具2において必須ではなく、代用品でもよく、後述する機能を奏すればなくてもよい。
ロック機能付ボルト40は、図17に示すように、ボルト頭部41と、ボルト軸部42とで構成している。
ボルト頭部41は背面視円形であり、図示省略するが、ボルト頭部41の背面には、締め付け治具である六角ナットを挿入する背面視六角断面の六角挿入穴を備えている。
ボルト軸部42は、軸心L方向に長い円柱状であり、外周面にネジ溝42aを備えている。
さらに、ボルト軸部42は、図17における正面図に示すように、軸心L方向に平行な方向に、ネジ溝42aを切り欠いて形成した係合溝43を、周方向における三箇所に形成している。
平ワッシャー45は、締結する際のプレートBに対するロック機能付ナット50の回転を確保するためのワッシャーであり、ボルト軸部42の挿通を許容する平板リング状に形成している。
ロック機能付ナット50は、六角ナットリング51、ナットギア52、カムピン53、ナットロックギア54、ディッシュスプリング55及びスプリングキャップ56で構成している。
六角ナットリング51は、上述のナットリング31と同様の構成であり、内部に円形開口515を有する略六角筒状の六角筒本体511と、六角筒本体511の内面の後方において、中心すなわち軸心L方向に向かって突出するリブ部512を備えている(図17及び図18参照)。
さらに、リブ部512における周方向の三箇所に、中心に向かって突出する突出部513を備えている。また、リブ部512の前面(図4において右側)には後述するカムピン53が係止する案内溝514を形成している。なお、突出部513同士の間を後述するナットギア52の遊嵌凸部529が周方向において遊嵌する遊嵌凹部516を構成している。
なお、案内溝514は、上述の案内溝314と同じ構成であり、詳しくは、解除位置凹部514aは解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部514bは一方向ロック位置凹部314b、ロック位置凹部514cはロック位置凹部314c、及び連結溝部514dは連結溝部314dと同じ構成である。
ナットギア52は、上述のナットギア32と同様の構成であり、ナット本体521はナット本体321、フランジ部522はフランジ部322、及び円形開口523は円形開口323と同様の構成である。
なお、円形開口523を形成するナット本体521の内周面に形成されるネジ溝524は、上述のネジ溝324と異なり、ボルト軸部42のネジ溝42aに螺合するため、軸心L方向に平行に形成されている。
また、内周面噛合ギア525は内周面噛合ギア325、ラチェットギア526はラチェットギア326、嵌合溝527は嵌合溝327、案内規制孔528は案内規制孔328、及び遊嵌凸部529は遊嵌凸部329と同様の構成である。
案内溝514に係止するカムピン53は両端部が半球状のピン体であり、両端の半球状部分が軸心L方向となるように、各案内規制孔528に遊嵌している。
ナットロックギア54は、上述のロックギア34と同様の構成であり、円筒状本体541は円筒状本体341、フランジ部542はフランジ部342、円形開口543は円形開口343、嵌合凸部545は嵌合凸部345、ラチェットギア546はラチェットギア346、背面リング突出部547は背面リング突出部347、及び外外周面噛合ギア548は外周面噛合ギア348と同じ構成である。
なお、内周面凸部544は、軸心L方向後側に凸な略ホームベース形状であり、円形開口543に向かって突出するように形成している。そして、上述のボルト軸部42に形成した係合溝43に対して軸心L方向に係合可能に構成している。
ディッシュスプリング55は、軸心L方向前側に向かって先細りの略台形な側面形状で形成し、後述するスプリングキャップ56を反力として、ナットロックギア54をナットギア52側に付勢するスプリングである。
スプリングキャップ56は、所定の厚みで形成されたリング体であり、内部にディッシュスプリング55の嵌め込みを許容する嵌め込み空間56aを有している。
上述したように、六角ナットリング51、ナットギア52、カムピン53、ナットロックギア54、ディッシュスプリング55、及びスプリングキャップ56を組付けてロック機能付ナット50を構成する(図19,20参照)。
詳しくは、フランジ部522のラチェットギア526と、フランジ部542のラチェットギア546とが軸心L方向に対向するように配置して、案内規制孔528にカムピン53を挿入したナットギア52とナットロックギア54とを六角ナットリング51の円形開口515に挿着する。
このとき、ナットギア52の遊嵌凸部529は、六角ナットリング51における突出部513同士の間に形成する遊嵌凹部516に遊嵌される。また、背面リング突出部547に形成された外周面噛合ギア548と、ナットギア52の内周面噛合ギア525とが径方向に対向して噛合する。
また、遊嵌凸部529と遊嵌凹部516とが遊嵌した状態では、突出部513に形成した案内溝514と案内規制孔528とが軸心L方向に対向することとなり、案内規制孔528に挿入したカムピン53は案内溝514とナットロックギア54の嵌合凸部545に軸心L方向前後から挟みこまれる態様となる。
さらに、ナットロックギア54より前側からディッシュスプリング55とスプリングキャップ56を、六角筒本体511に圧入する。
これにより、スプリングキャップ56は、円形開口515において軸心L方向に拘束される。したがって、スプリングキャップ56を反力として、ディッシュスプリング55は、ナットロックギア54をナットギア52に対して、すなわち軸心L方向の後ろ向きに付勢することとなる。
このディッシュスプリング55の付勢力によって、ナットロックギア54のラチェットギア546とナットギア52のラチェットギア526とは噛合し、外周面噛合ギア548と内周面噛合ギア525は径方向に対向して噛合することとなる。
このように組み付けられたロック機能付ナット50における、ナットロックギア54のラチェットギア546及びナットギア52のラチェットギア526、並びに外周面噛合ギア548と内周面噛合ギア525の噛合について、案内溝514に係止するカムピン53による押し付け量との関係は、上述の回転制御体30における関係と同じであるため、説明を省略する。
このように構成したロック機能付ボルト40とロック機能付ナット50とでプレートA,Bを締結することによって、締結状態をロックすることができる。
以下において詳述する。ロック機能付ボルト40とロック機能付ナット50とでプレートA,Bを締結するためには、まず、プレートA,Bのボルト穴Aa,Baにロック機能付ボルト40のボルト軸部42を貫通させ、反対側から突出するボルト軸部42にロック機能付ナット50を螺入する。
このとき、ロック機能付ナット50の内周面凸部544は、ボルト軸部42の係合溝43に係合する。そして、ロック機能付ナット50のネジ溝524は、ロック機能付ボルト40のネジ溝42aと螺合する。したがって、ロック機能付ナット50のナットロックギア54は、内周面凸部544と係合溝43の噛合により、ロック機能付ボルト40に対して、軸心L方向にスライド可能な状態で、回転方向R,R’に拘束される。
また、ロック機能付ナット50を締付回転方向Rに回転させてロック機能付ボルト40に対して螺入することにより、ボルト頭部41とロック機能付ナット50とで挟まれるプレートA,Bを締結することができる。
このような締結状態において、さらに、六角ナットリング51を締付回転方向Rに回転させると、すでに締結状態にあるナットギア52の回転は固定されているため、六角ナットリング51は、ナットギア52に対して締付回転方向R前側に差動回転する。
このナットギア52に対する締付回転方向R前側の差動回転により、回転固定されたナットギア52の案内規制孔528に遊嵌するカムピン53は、図12に示すように、案内溝514の一方向ロック位置凹部514bに係止することとなる。
一方向ロック位置凹部514bに係止したカムピン53は、図12(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア526,546が噛合し、径方向の内周面噛合ギア525と外周面噛合ギア548とが離間するため、ナットギア52とナットロックギア54とは締付回転方向Rにのみ回転可能な一方向ロック状態となる。
この状態においては、図12(b)に示すように、突出部513の締付回転方向Rの前側面が遊嵌凸部529の締付回転方向Rの後側面に接しているため、六角ナットリング51を締付回転方向Rに回転することによって、さらにボルト軸部42に螺入することができる。しかし、軸心L方向のラチェットギア526,546が噛合しているため、開放回転方向R’の回転が規制されており、締結状態はロックされることとなる。
なお、上述の一方向ロック状態では、図12(c)に示すように、ラチェットギア526,546は、ギア歯高さにおいて中間位置で噛合している。したがって、一方向ロック状態で、締付回転方向Rの回転操作をやめると、ナットロックギア54はディッシュスプリング55によってナットギア52に向かって付勢されているため、ディッシュスプリング55の付勢力によってラチェットギア526,546が密着するロック状態に自動的に移行する。
詳しくは、ラチェットギア526,546が密着するように、ディッシュスプリング55の付勢力によって、ナットギア52に対して六角ナットリング51が開放回転方向R’に差動回転し、一方向ロック位置凹部514bに係止していたカムピン53はロック位置凹部514cに移動する。
このように、カムピン53がロック位置凹部514cに係止し、ラチェットギア526,546が密着することにより、図14(c)に示すように、径方向の周面噛合ギア525,548も噛合してロック状態となる。この状態においては、軸心L方向のラチェットギア526,546に加えて、径方向の周面噛合ギア525,548も噛合しているため、締付回転方向R及び開放回転方向R’の回転が規制されており、締結治具2の締結状態はロックされることとなる。
このような締結状態にある締結治具2のロックを解除し、締結治具2を取り外す際には、六角ナットリング51を開放回転方向R’に回転させる。このとき、ロック機能付ナット50はロック状態にあるため、六角ナットリング51はナットギア52に対して、開放回転方向R’に差動回転する。
このナットギア52に対する六角ナットリング51の差動回転により、ロック位置凹部514cに係止したカムピン53は、差動回転する六角ナットリング51の案内規制孔528によって、図10に示すように、解除位置凹部514aに移動する。
解除位置凹部514aに係止した押し付け量のカムピン53は、ディッシュスプリング55の付勢力に抗してナットロックギア54を軸心L方向前側に押し付けて移動させる。このカムピン53の押し付けにより、図10(c)に示すように、軸心L方向のラチェットギア526,546、及び径方向の周面噛合ギア525,548が離間する。
したがって、ロック機能付ナット50のロック状態は解除され、ナットギア52とナットロックギア54とは相対回転可能なロック解除状態となる。
ロック機能付ナット50がロック解除することにより、六角ナットリング51を開放回転方向R’に回転させると、図10(b)に示すように、上述の開放回転方向R’の差動回転により、突出部513の開放回転方向R’の前側面が遊嵌凸部529の開放回転方向R’の後側面に接しているため、ネジ溝524がネジ溝42aに螺合しているナットギア52は開放回転方向R’に回転し、ロック機能付ナット50を螺出することができる。
なお、上述のロック解除状態においては、解除位置凹部514aに係止したカムピン53は、ナットロックギア54の嵌合凸部545を軸心L方向前側に押し付けており、端部が半球状のカムピン53は背面視円形状の嵌合凸部545の表面を摺動することとなる。
したがって、この状態のカムピン53は、チャックボディ11に回転固定されたナットロックギア54に対して相対回転するナットギア52にとってベアリングとして機能し、相対回転による回転負荷を低減し、容易に開放回転方向R’に回転することができる。
上述したような構成の回転制御体30及びロック機能付ナット50は、以下に示す作用効果を奏することができる。
なお、以下の本発明における作用効果の説明において、回転制御体30’における構成要素は、回転制御体30における構成要素と同じであるため、回転制御体30’における符号の記載を省略する。
回転制御体30及びロック機能付ナット50は、外周面にオス型ネジ部(12a,42a)を備えたオス型ネジ体(12,42)と、オス型ネジ部(12a,42a)に螺合するメス型ネジ部(324,524)を内周面に備えたメス型ネジ体とで構成する螺合構造(1,2)において、螺合するオス型ネジ体(12,42)とメス型ネジ体との締め付け固定状態(締結状態)をロックするロック機構である。
そして、回転制御体30及びロック機能付ナット50は、オス型ネジ体(12,42)に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材(34,54)と、メス型ネジ体に対して螺入出する方向である軸方向(L)及び螺合回転入力方向(R,R’)が固定されたメス型ネジ側ギア部材(32,52)とを備え、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)のそれぞれに、螺合回転方向に噛合する噛合ギア(325,348,525,548)と、螺合回転方向のうち螺出回転方向にのみ噛合するラチェットギア(326,346,526,546)とを形成するとともに、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)のうち一方が、軸方向(L)に噛合し、他方が径方向に噛合する構成とし、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合する締め付けロック状態と、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合を解除するロック解除状態とを切り替えるロック切替手段(33,314,53,514)を備えたことにより、ロックされた締め付け固定状態(締結状態)が不用意に解除されることなく、確実に、締め付け固定状態(締結状態)をロックすることができる。
詳しくは、ロック切替手段(33,314,53,514)によって切り替えられたロック状態においては、軸方向(L)と径方向の二方向において噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合するため、軸方向(L)においてラチェットギアのみが噛合するロック機構に比べて、締付け状態を、確実にロックすることができる。
また、メス型ネジ体を、メス型ネジ部(324,524)を内周面に備えるメス型ネジ側ギア部材(32,52)と、メス型ネジ側ギア部材(32,52)を螺入出操作するとともに、メス型ネジ側ギア部材(32,52)に対して差動可能なメス型ネジ操作部(31,51)とで構成し、メス型ネジ操作部(31,51)のメス型ネジ側ギア部材(32,52)に対する差動によって、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)のうち一方を他方に対して相対変化させる相対変化手段(33,314,53,514)を備えたことにより、メス型ネジ操作部(31,51)をメス型ネジ側ギア部材(32,52)に対して差動させることによって、相対変化手段(33,314,53,514)がオス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)を相対変化させ、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合状態を切り替えることができる。したがって、この相対変形によって、ロック状態を切り替えて、確実に、締め付け固定状態(締結状態)をロックすることができる。
また、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)を軸方向(L)の同軸上に配置するとともに、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)のそれぞれに、軸方向(L)において対向する軸方向対向面(322,342,522,542)と、径方向において対向する径方向対向面(321の内周面,347,521の内周面,547)とを形成し、ギア歯方向が略放射状となるラチェットギア(326,346,526,546)を軸方向対向面(322,342,522,542)に形成するとともに、ギア歯方向が軸方向(L)となる噛合ギア(325,348,525,548)を径方向対向面(321の内周面,347,521の内周面,547)に形成し、相対変化手段(33,314,53,514)を、ラチェットギア(326,346,526,546)同士が接触する噛合位置と、離間する離間位置との間を、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)のうち一方を軸方向(L)に相対移動させるため、軸方向対向面(322,342,522,542)に形成したラチェットギア(326,346,526,546)と、径方向対向面(321の内周面,347,521の内周面,547)に形成した噛合ギア(325,348,525,548)とを、オス型ネジ側ギア部材(34,54)及びメス型ネジ側ギア部材(32,52)の相対移動によって噛合させて、締め付け固定状態(締結状態)をロックすることができる。
また、離間位置にあるメス型ネジ体の回転を補助する離間状態ベアリング(33,53)を備えたことにより、ロックされた締め付け固定状態(締結状態)を解除する際であっても、離間状態ベアリング(33,53)のベアリング作用によりロックされた締め付け固定状態(締結状態)をスムーズに解除することができる。
また、軸方向対向面(322,342,522,542)同士が対向するメス型ネジ側ギア部材(32,52)側に、オス型ネジ側ギア部材(34,54)を付勢する付勢手段(35,55)を備え、軸方向相対移動手段(33,314,53,514)を、付勢手段(35,55)の付勢力に抗して、軸方向対向面(322,342,522,542)が離間する方向にオス型ネジ側ギア部材(34,54)を押し付ける押し付け手段(33,53)と、メス型ネジ操作部(31,51)に形成し、メス型ネジ操作部(31,51)のメス型ネジ側ギア部材(32,52)に対する差動回転によって、所定の押し付け量pに応じた押し付け位置に押し付けて案内する案内溝(314,514,634)で構成するため、付勢手段(35,55)の付勢力によって、軸方向対向面(322,342,522,542)に形成したラチェットギア(326,346,526,546)の噛合状態を保持することができる。
また、案内溝(314,514,634)によって所定の押し付け量pとなるように案内された押し付け手段(33,53)により、付勢手段(35,55)の付勢力に抗して、軸方向対向面(322,342,522,542)同士を離間させて噛合状態を確実に解除することができる。
また、案内溝(314,514,634)を、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合が解除される第1押し付け量paで形成されたロック解除位置(314a,514a)、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合する第2押し付け量pcで形成された締め付けロック位置(314c,514c)、及び噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)のうちラチェットギア(326,346,526,546)のみが噛合する第3押し付け量pbで形成された一方向締め付けロック位置(314b,514b)に押し付け手段(33,53)を案内する構成とし、第1押し付け量pa、第3押し付け量pb、第2押し付け量pcの順で押し付け量を大きく設定し、ラチェットギア(326,346,526,546)を、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合するロック状態における軸方向(L)のギア噛合高さX1を、第1押し付け量paと第2押し付け量pcとの差分より低く、且つ噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合が解除されるロック解除状態における軸方向(L)の離間距離Y1を第1押し付け量paと第3押し付け量pbとの差分より短いギア歯高さに形成し、噛合ギア(325,348,525,548)を、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合するロック状態における軸方向(L)のギア噛合幅X2を、第3押し付け量pbと第2押し付け量pcとの差分より低く、且つ噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合が解除されるロック解除状態における軸方向(L)の離間距離Y2を第1押し付け量paと第2押し付け量pcとの差分より短い軸方向(L)におけるギア歯長さで形成することにより、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)が噛合する締付けロック状態、ラチェットギア(326,346,526,546)のみが噛合して一方向には回転がロックされ、他方向に回転できる一方向締付けロック状態、噛合ギア(325,348,525,548)及びラチェットギア(326,346,526,546)の噛合が解除されたロック解除状態を切り替えることができる。
詳しくは、案内溝(314,514,634)によって、第1押し付け量paによるロック解除位置(314a,514a)、第3押し付け量pbによる一方向締め付けロック位置(314b,514b)、及び第2押し付け量pcによる締め付けロック位置(314c,514c)に押し付け手段(33,53)を案内することで、ロック解除状態、一方向締付けロック状態、及び締付けロック状態を切り替えることができる。
また、ラチェットギア(326,346,526,546)の噛合状態及び付勢手段(35,55)による付勢力によって、一方向締め付けロック位置(314b,514b)から締め付けロック位置(314c,514c)に自動的に案内し、一方向締付けロック状態から締付けロック状態に移行することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のオス型ネジ部は、ネジ溝12a,42aに対応し、
以下同様に、
オス型ネジ体、チャック本体、あるいはボルトは、ジョー12、ボルト軸部42に対応し、
メス型ネジ部は、ネジ溝324,524,614に対応し、
メス型ネジ体は、回転制御体30及びロック機能付ナット50に対応し、
ス型ネジ側ギア部材、あるいはナットリングは、ナットギア32,32’,52に対応し、
螺合構造、チャック装置、あるいは締結治具は、チャック装置1,1’、締結治具2に対応し、
ロック機構は、回転制御体30,30’、ロック機能付ナット50に対応し、
オス型ネジ側ギア部材、あるいはロックフランジは、ロックギア34,34’、ナットロックギア54に対応し、
噛合ギアは、内周面噛合ギア325,325’,525、外周面噛合ギア348,348’,548に対応し、
軸方向は、軸心L方向に対応し、
ロック切替手段、相対変化手段、拘束解除手段、あるいは軸方向相対移動手段は、カムボール33、カムピン53、あるいは案内溝314,514,634に対応し、
メス型ネジ操作部は、ナットリング31、ナットリング体31’、あるいは六角ナットリング51に対応し、
軸方向対向面は、フランジ部322,342,342’,522,542、あるいはリング本体322’に対応し、
径方向対向面は、ナット本体321,521の内周面、背面リング突出部347,347’,547に対応し、
離間状態ベアリングあるいは押し付け手段は、カムボール33、又はカムピン53に対応し、
付勢手段は、コイルスプリング35、又はディッシュスプリング55に対応し、
ロック解除位置は、解除位置凹部314a,514aに対応し、
締め付けロック位置は、ロック位置凹部314c,514cに対応し、
一方向締め付けロック位置は、一方向ロック位置凹部314b,514bに対応し、
チャック爪は、ジョー12に対応し、
ナットは、ロック機能付ナット50に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、案内溝314(514,634)によって、コイルスプリング35(55)の付勢力に抗して、ラチェットギア326,346(326’,346’,526,546)を軸心L方向に噛合させるとともに、周面噛合ギア325,348(525,548)を、軸心L方向にスライドさせて、噛合と離間とを切替えたが、ラチェットギアを径方向に噛合させ、噛合ギアを軸心L方向に噛合させるように、ギアの噛合と離間との切り替えを径方向の変化によって実現してもよい。
また、上述の説明において、案内溝314(514,634)における解除位置凹部314a、一方向ロック位置凹部314b及びロック位置凹部314cは、表面からそれぞれ深さta,tb,tcで形成して、一方向ロック位置凹部314bにおける深さtbを、ロック位置凹部314cの深さtcと同じ深さで形成したナットリング31を構成することもできる。
この場合のナットリング31では、ロック状態に移行する際に一方向ロック状態にならないため、ラチェットギア326,346(526,546)によるラチェット音が生じない、したがって、ラチェット音を不快に感じる利用者にとって、満足度の高いロック機構を構成することができる。
また、一方向ロック位置凹部314bにおける深さtbを調整することによって、一方向ロック状態におけるラチェットギア326,346(526,546)によって生じるラチェット音を調整することができる。
このような場合であっても、その他の構成についてそのままで、一方向ロック位置凹部314bにおける深さtbの異なるナットリング31を装着することによって、上述のような効果を達成できる。したがって、上述のような効果を奏するために、複数の回転制御体30を構成する場合と比較してコストダウンを図ることができる。
1…チャック装置
2…締結治具
12…ジョー
12a…ネジ溝
30,30’…回転制御体
31…ナットリング
31’…ナットリング体
32,32’…ナットギア
33…カムボール
34,34’…ロックギア
35,35’…コイルスプリング
42…ボルト軸部
42a…ネジ溝
50…ロック機能付ナット
51…六角ナットリング
52…ナットギア
53…カムピン
54…ナットロックギア
55…ディッシュスプリング
314,514,634…案内溝
314a,514a…解除位置凹部
314b,514b…一方向ロック位置凹部
314c,514c…ロック位置凹部
321,521…ナット本体
322,342,342’,522,542…フランジ部
322’…リング本体322’
324,524,614…ネジ溝
325,325’,525…内周面噛合ギア
326,346,326’,346’,526,546…ラチェットギア
347,347’,547…背面リング突出部
348,348’,548…外周面噛合ギア
L…軸心
X1…ギア噛合高さ
X2…ギア噛合幅
Y1,Y2…離間距離
pa…第1押し付け量
pc…第2押し付け量
pb…第3押し付け量

Claims (8)

  1. 外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体と、
    該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体とで構成する螺合構造において、螺合する前記オス型ネジ体と前記メス型ネジ体との締め付け固定状態をロックするロック機構であって、
    前記オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材を備えるとともに、
    前記メス型ネジ体を、
    前記メス型ネジ部を内周面に備える前記メス型ネジ側ギア部材と、
    該メス型ネジ側ギア部材を螺入出操作するとともに、前記メス型ネジ側ギア部材に対して差動可能なメス型ネジ操作部とで構成し、
    該オス型ネジ側ギア部材及び該メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、螺合回転方向に噛合する噛合ギアと、前記螺合回転方向のうち螺出回転方向にのみ噛合するラチェットギアとを形成するとともに、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち一方が前記軸方向に噛合し、他方が径方向に噛合する構成とし、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する締め付けロック状態と、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合を解除するロック解除状態とを切り替えるロック切替手段を備えた
    ロック機構。
  2. 記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動によって、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を他方に対して相対変化させる相対変化手段を備え、
    前記ロック切替手段を、
    前記相対変化によって、前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合状態を変化させる前記相対変化手段で構成した
    請求項1に記載のロック機構。
  3. 前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材を前記軸方向の同軸上に配置するとともに、
    前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のそれぞれに、
    前記軸方向において対向する前記軸方向対向面と、径方向において対向する径方向対向面とを形成し、
    ギア歯方向が略放射状となる前記ラチェットギアを前記軸方向対向面に形成するとともに、ギア歯方向が前記軸方向となる前記噛合ギアを前記径方向対向面に形成し、
    前記相対変化手段を、
    前記ラチェットギア同士が接触する噛合位置と、離間する離間位置との間を、前記オス型ネジ側ギア部材及び前記メス型ネジ側ギア部材のうち一方を前記軸方向に相対移動させる前記軸方向相対移動手段で構成した
    請求項2に記載のロック機構。
  4. 前記離間位置にある前記メス型ネジ体の回転を補助する離間状態ベアリングを備えた
    請求項3に記載のロック機構。
  5. 前記軸方向対向面同士が対向する前記メス型ネジ側ギア部材側に向かって前記オス型ネジ側ギア部材を、付勢する付勢手段を備え、
    前記軸方向相対移動手段を、
    前記付勢手段の付勢力に抗して、前記軸方向対向面が離間する方向に前記オス型ネジ側ギア部材を押し付ける押し付け手段と、
    前記メス型ネジ操作部に形成し、前記メス型ネジ操作部の前記メス型ネジ側ギア部材に対する差動回転によって、所定の押し付け量に応じた押し付け位置に前記押し付けて案内する案内溝で構成した
    請求項3または4に記載のロック機構。
  6. 前記案内溝を
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除される第1押し付け量で形成されたロック解除位置、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合する第2押し付け量で形成された締め付けロック位置、及び
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアのうち前記ラチェットギアのみが噛合する第3押し付け量で形成された一方向締め付けロック位置に前記押し付け手段を案内する構成とし、
    第1押し付け量、第3押し付け量、第2押し付け量の順で押し付け量を大きく設定し、
    前記ラチェットギアを、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合高さを、第1押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第3押し付け量との差分より短いギア歯高さに形成し、
    前記噛合ギアを、
    前記噛合ギア及び前記ラチェットギアが噛合するロック状態における前記軸方向のギア噛合幅を、第3押し付け量と第2押し付け量との差分より低く、且つ前記噛合ギア及び前記ラチェットギアの噛合が解除されるロック解除状態における前記軸方向の離間距離を第1押し付け量と第2押し付け量との差分より短い軸方向におけるギア歯長さで形成した
    請求項5に記載のロック機構。
  7. 回転可能な駆動軸を有する駆動装置に装着するチャック装置であって、
    請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載のロック機構を備え、
    前記駆動軸と同軸心上に配置され、先端側に回転治具の基軸の挿入を許容する軸孔を有する略円筒状のチャック本体と、
    前記軸孔に連絡して前記チャック本体に対して移動可能に配置され、外周にオス型ネジ部を備えた複数のチャック爪と、
    前記チャック本体に回動可能に保持されるとともに、前記複数のチャック爪の外周面に形成したオス型ネジ部と螺合するメス型ネジ部を内周面に備え、前記複数のチャック爪を同期して移動させるナットリングと、
    前記チャック本体に対して、前記軸心方向にスライド可能且つ回転固定されたロックフランジとを備え、
    前記ナットリング及び前記ロックフランジを、前記軸心方向に隣接させて前記チャック本体の外周部に配置するとともに、
    締め付け固定状態の前記ナットリングの緩め方向への前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転を拘束する回転拘束手段と、
    該回転拘束手段による、前記ナットリング及び前記ロックフランジの相対回転の拘束を解除する拘束解除手段とを備え、
    前記チャック本体で前記オス型ネジ体を構成し、
    前記ロックフランジで前記オス型ネジ側ギア部材を構成し、
    前記ナットリングで前記メス型ネジ側ギア部材を構成し、
    前記回転拘束手段で前記噛合ギア及び前記ラチェットギアを構成し、
    前記拘束解除手段で前記ロック切替手段を構成した
    チャック装置。
  8. ボルトと、ナットとを螺合して締結する締結治具であって、
    請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載のロック機構を備え、
    前記ボルトを、外周面にオス型ネジ部を備えたオス型ネジ体で構成し、
    前記ナットを、該オス型ネジ部に螺合するメス型ネジ部を内周面に備えたメス型ネジ体と、該オス型ネジ体に対して螺合回転方向が固定されたオス型ネジ側ギア部材と、前記メス型ネジ体に対して軸方向及び螺合回転入力方向が固定されたメス型ネジ側ギア部材とで構成した
    締結構造。
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