JP2012132540A - 回転変速構造体、回転ロック変速構造体、及びチャック装置 - Google Patents

回転変速構造体、回転ロック変速構造体、及びチャック装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造でありながら、確実に回転速度を変化させて出力できる回転変速構造体、回転ロック変速構造体、及びチャック装置を提供することを目的とする。
【解決手段】減速ユニット100を、軸心L上に配置された出力リング190、ロックリング130、及びアウターリング200を備えるとともに、アウターリング200において偏心した第2収容凹部202によって軸心Lに対して偏心回転する偏心リング160と、偏心リング160の偏心回転を、外凸環状係合溝135、内凸環状係合溝163及びボール141と、外凸環状係合溝135、内凸環状係合溝163及びボール141によって変速して、出力リング190を介してインナースリーブ110から出力する構成とした。
【選択図】図5

Description

この発明は、例えば、回転速度を変化させることができる回転変速構造体、さらには変速した回転をロックできる回転ロック変速構造体、それらを備えたチャック装置に関する。
様々な技術分野において、回転速度を増減速させて伝達する機構は多く提案されている。例えば、特許文献1に記載の遊星歯車式差動装置もそのひとつである。このような遊星歯車式差動装置を用いることにより、入力された回転を所定の変速率で変速した回転として出力することができる。しかし、このような遊星歯車式の差動装置の場合、複数の歯車を精度よく加工して、複雑に組付ける必要があった。
実開平6−16751号公報
そこでこの発明は、簡易な構造でありながら、確実に回転速度を変化させて出力できる回転変速構造体、回転ロック変速構造体、及びチャック装置を提供することを目的とする。
この発明は、軸心上に配置された回転出力体、回転固定体、及び回転入力体を備えるとともに、前記軸心に対して偏心回転する偏心回転体と、該回転入力体から入力された入力回転によって前記偏心回転体を前記偏心回転する偏心回転手段と、該偏心回転体の偏心回転を、前記入力回転に対して変速した該偏心回転体の変速自転回転に変換する回転変速変換手段と、該回転変速変換手段によって自転回転しながら偏心回転する前記偏心回転体の変速自転回転を変速して、前記回転出力体における同軸心上の回転に変換して伝達する回転変速変換伝達手段とを備えた回転変速構造体であることを特徴とする。
上記変速は、増速あるいは減速とすることができる。
この構成により、簡易な構造でありながら、回転入力体から入力された回転を確実に変速して回転出力体から出力することができる。したがって、例えば、変速が減速である場合は、回転出力体からトルクアップした回転を回転出力体から出力することができる。つまり、小さな力で回転入力体を回転操作することで大きなトルクの回転を回転出力体から出力することができる。
この発明の態様として、前記回転出力体、前記回転固定体、前記回転入力体、及び前記偏心回転体をリング状に形成するとともに、前記偏心回転手段を、前記回転入力体における前記軸心に対して偏心した位置において、前記偏心回転体の自転回転可能な嵌合を許容する偏心嵌合凹部で構成し、前記回転変速変換手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転固定体との対向面に介在し、
入力された前記偏心回転体の偏心回転力を、前記偏心回転体の変速自転回転力に変速変換して出力する回転変速変換機構で構成するとともに、回転変速変換伝達手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転出力体との対向面に介在し、偏心回転及び自転回転する前記偏心回転体から入力された自転回転力を、偏心回転を吸収しながら変速して、前記回転出力体に伝達する回転変速変換伝達機構で構成することができる。
上記回転変速変換機構及び上記回転変速変換伝達機構は、係合溝と係合する球体とで構成する係合機構、あるいはクランク機構で構成することができる。
この構成により、前記軸心部分が開放された、つまり中空の回転変速変換伝達機構を構成することができる。
詳しくは、前記回転出力体、前記回転固定体、前記回転入力体、及び前記偏心回転体をリング状に形成するとともに、前記回転入力体における前記軸心に対して偏心した位置において、前記偏心回転体の自転回転可能な嵌合を許容する偏心嵌合凹部で前記偏心回転手段を構成するため、回転入力体を回転操作することによって偏心回転体を軸心から偏心した位置で偏心回転することができる。
また、前記回転変速変換手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転固定体との対向面に介在し、入力された前記偏心回転体の偏心回転力を、前記偏心回転体の変速自転回転力に変速変換して出力する回転変速変換機構で構成するとともに、回転変速変換伝達手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転出力体との対向面に介在し、偏心回転及び自転回転する前記偏心回転体から入力された自転回転力を、偏心回転を吸収しながら変速して、前記回転出力体に伝達する回転変速変換伝達機構で構成するため、回転入力体の回転操作による偏心回転体の偏心回転を、軸心を中心とする回転として回転出力体から出力することができる。
なお、前記回転変速変換手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転固定体との対向面に介在させ、回転変速変換伝達手段を、リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転出力体との対向面に介在させているため、軸心周りが開放された、つまり中空の回転変速変換伝達機構を構成することができる。
したがって、回転出力体に接続する例えばチャック本体等の回転出力対象を、軸心部分に装備する、つまり回転出力対象の外周側に回転変速変換伝達機構を装備することができる。
またこの発明の態様として、前記回転変速変換機構及び前記回転変速変換伝達機構を、前記偏心回転体及び前記回転出力体の対向面、並びに前記偏心回転体及び前記回転固定体の対向面のそれぞれに形成した環状の係合溝と、係合溝に係合する複数の係合体とで構成し、該係合溝を前記対向面のうち一方面において、径外方向に凸な外凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝と、前記対向面のうち他方面において、径内方向に凸な内凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝とで構成し、前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数を異ならせ、前記係合体を、前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数とを平均数備えることができる。
上記係合体は、球体やローラ体で構成することができる。
上記円弧溝は、球体である係合体の係合を許容する断面円弧溝形状やローラ状である係合体の係合を許容する断面溝形状等で構成し、上述の径外方向に凸な外凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝は正面視略雲形の溝、上述の径内方向に凸な内凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝は正面視略吹き出し型の溝とすることができる。
この構成により、確実に変速して回転を伝達することができる。
詳しくは、それぞれの対向面に形成した外凸環状係合溝と、内凸環状係合溝との両方に係合体が係合するため、簡易な構造で確実に、回転を出力することができる。
また、係合溝を外凸環状係合溝と、内凸環状係合溝とで構成しているため、偏心回転体の偏心量を径外方向に凸な外凸円弧溝と径内方向に凸な内凸円弧溝とによって吸収して、自転回転に変換して出力することができる。
また、前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数を異ならせ、前記係合体を、前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数とを平均数備えているため、出力する回転を簡易な構造で確実に変速することができる。例えば、回転固定体の側面に形成する係合溝における円弧溝の数より回転出力体に形成する係合溝における円弧溝の数を多く設定することで減速することができ、その逆の場合、増速することができる。
またこの発明の態様として、前記係合溝と前記係合体との係合状態における前記軸心方向の係合力を向上させる係合力向上手段を備えることができる。
上記係合力向上手段は、係合体を係合溝へ押し付けたり、係合体と係合溝とを吸着させる手段とすることができる。さらに詳しくは、軸心上に配置され、リング状の回転出力体、回転固定体、及び回転入力体における対向面のそれぞれに形成した係合溝と、係合溝同士の間に介在させて係合溝に係合する係合体の係合力を向上するために、回転出力体、回転固定体、及び回転入力体を軸心方向において互いに押し付けることによって係合力を向上する手段、あるいは、係合溝を形成する回転出力体、回転固定体、及び回転入力体や係合体のうち少なくとも一方を磁性体で構成して磁力によって係合力を向上する手段とすることができる。
この構成により、係合溝と係合体の係合力が向上するため、より確実に、回転入力体から入力された回転を変速して回転出力体から出力することができる。
またこの発明の態様として、前記係合体を、球体で構成することができる。
この構成により、簡易な構造で、効率よく、回転を変速しながら出力することができる。
またこの発明は、上述の回転変速構造体と、前記回転変速構造体における前記回転出力体からの一回転方向の回転を許容するが、他回転方向の回転をロックする回転ロック手段とで構成する回転ロック変速構造体であることを特徴とする。
これにより、回転変速構造体において、回転入力体を介して入力された回転を回転出力体から変速して出力される回転うち一方向の回転をロックすることができる。
したがって、所望の回転方向の回転力を得ることができる。
この発明の態様として、前記回転ロック手段に、所定条件に達することによって当該回転ロック手段におけるロックの作動を切り替える作動切替手段を備えることができる。
上記所定条件とは、所定の回転力や回転量とすることができる。
上述の回転ロック手段におけるロックの作動を切り替えるとは、回転ロック手段による他回転方向の回転をロックすることと、ロック解除することとを切り替える概念を含むものである。
この構成により、所定条件によって回転ロック手段によるロックを作動させることができ、所望の回転ロック状態を実現することができる。
またこの発明は、前記軸心上で回転可能な駆動軸を有する駆動装置に装着するチャック装置であって、前記軸心上に配置され、先端側に回転治具の基軸の挿入を許容する軸孔を有する略円筒状のチャック本体と、前記軸孔に連絡して前記チャック本体に対して移動可能に配置された複数のチャック爪と、前記チャック本体に回動可能に保持されるとともに、前記チャック本体に対する螺合によって前記複数のチャック爪を同期して移動させるナットリングとを備え、前記ナットリングに前記回転出力体を連結する態様で上述の回転ロック変速構造体を装着したことを特徴とする。
上記回転可能な駆動軸を有する駆動装置は、振動ドリルや電動ドライバ等の回転電動工具とすることができる。
上記回転治具とは、回転するドリル治具や、プラスやマイナスのドライバ治具とすることができる。なお、上記チャック爪はジョーともいう。
この構成により、確実に、チャック爪で回転治具の基軸を締め付けた締め付け状態でロックすることができる。またさらに、例えば、回転変速構造体を減速するように設定した場合、少ない力による回転入力操作によって、確実な締め付け及び開放を操作することができる。
詳しくは、回転変速構造体に対する回転入力操作によって入力された回転を変速して回転出力体に接続したナットリングから回転出力することができる。したがって、チャック爪の締付けや開放を回転変速構造体に対する回転入力操作で行うことができる。
また、例えば、所定の回転力を超える回転入力によってロックの作動を切り替える作動切替手段を回転ロック手段に備えた場合、チャック爪の締め付け状態において不用意な開放を規制し、ロック状態を保持することができる。
この発明によれば、簡易な構造でありながら、確実に回転速度を変化させて出力できる回転変速構造体、回転ロック変速構造体、及びチャック装置を提供することを目的とする。
チャック装置の斜視図。 チャック装置の縦断面図。 チャック装置の各構成要素の分解斜視図。 チャック装置の各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図。 減速ユニットの各構成要素の分解斜視図。 減速ユニットの各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図。 減速ユニットの各構成要素の組み付けについて説明する分解斜視図による説明図。 減速ユニットの縦断面図。 減速ユニットにおける押付リングの締め付けについての説明図。 減速ユニットにおける回転変速変換機構についての説明図。 偏心回転体の偏心回転についての説明図。 ロックユニットの各構成要素の正面側からの分解斜視図。 ロックユニットの各構成要素の背面側からの分解斜視図。 ロックユニットの各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図。 ロックユニットにおける規制切替機構について説明する縦断面図による説明図。 ロックユニットにおけるラチェット機構についての説明図。
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1はチャック装置1の斜視図を示し、図2はチャック装置1の縦断面図を示し、図3はチャック装置1の各構成要素の分解斜視図を示し、図4はチャック装置1の各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図を示している。
なお、図4において、バックスリーブ10、インナースリーブ20、アウタースリーブ30、及びキャップ50は断面図と正面図を示し、チャックボディユニット40は側面図と正面図を示し、減速ユニット100及びロックユニット300は断面図及び背面図を示している。
チャック装置1は、例えば、利用者が使用時に握るハンドル部を備えた電動工具(図示省略)における先端部分に配置されたスピンドルに装着される。このような電動工具では、チャック装置1にドリルビッドのような装着治具を装着し、本体内部に配置された正転及び逆転が選択可能なモータの回転駆動力をスピンドルに伝達する。そして、スピンドルの先端に装着されたチャック装置1は、モータの出力軸からの回転出力によって回転する構成である。
なお、電動工具は、一般的なコード付きの電動工具だけでなく、バッテリー式ハンドタイプの電動工具であってもよい。また装着治具についてもドライバやグラインダまたはルータ等その他のものであってもよい。さらに駆動源についても電動だけではなく圧縮空気や油圧駆動等であってもよい。
また、チャック装置1は、図3及び図4に示すように、後方(図3及び図4において左上)から前方(図3及び図4において右下)に向かって順に、バックスリーブ10、インナースリーブ20、アウタースリーブ30、チャックボディユニット40、ロックユニット300、減速ユニット100及びキャップ50を配置し、組付けて構成している。
そして、バックスリーブ10、インナースリーブ20、アウタースリーブ30、ロックユニット300、減速ユニット100及びキャップ50はリング状に形成され、チャックボディユニット40の長手方向に平行な軸心L上に配置されている。
バックスリーブ10は、後述するチャックボディユニット40の後胴部41の圧入を許容するセンター孔10aを正面視中心に備えたリング部10bと、リング部10bの内周縁部及び外周縁部においてチャックボディユニット40側向きに突出するフランジ部10c,10dとで構成している。
なお、外周側のフランジ部10dの外周面には、軸心Lに平行なリブ10eを複数備えている。また、外周側のフランジ部10dの前側先端部の内周面には、後述するインナースリーブ20の後端部における後側挿入部20aの嵌め込みを許容する嵌込溝10fを形成している。
インナースリーブ20は、バックスリーブ10のフランジ部10dと後述するアウタースリーブ30のスリーブ本体30aとの間に介在するスリーブであり、フランジ部10dやスリーブ本体30aと略同径の正面視リング状に形成している。
そして、インナースリーブ20は、バックスリーブ10の嵌込溝10fに挿入する後側挿入部20aをバックスリーブ10側の後端部に形成し、アウタースリーブ30のスリーブ本体30aの後端部内側に挿入する前側挿入部20bをアウタースリーブ30側の前端部に形成することによって、径外向きの断面凸型形状で形成している。
アウタースリーブ30は、円筒状のスリーブ本体30aの前側内周面に、径内側に突出する回転入力用係止凸部30bを周方向に等間隔で四箇所備えるとともに、アウタースリーブ30の外周面に、軸心Lに平行なリブ30cを複数備えている。
チャックボディユニット40は、上述したバックスリーブ10のセンター孔10aに圧入される後胴部41、第1フランジ部42、後中胴部43、第2フランジ部44、後述するロックユニット300の装着を許容する前中胴部45、並びに、減速ユニット100及びキャップ50の装着を許容する前胴部46とで後方からこの順で構成し、装着治具の基軸の挿入を許容するセンター孔40aが、正面視中央に形成され、長手方向に貫通している。
また、第2フランジ部44の前側における前中胴部45において、後述するベアリングカバー330の回転係止凸部333の係合を許容する回転係止凹部49を周方向において等間隔に三箇所備えている。
さらに、第1フランジ部42、後中胴部43、第2フランジ部44、前中胴部45及び前胴部46にかけて、チャックボディユニット40の外側からセンター孔40aに向かって、つまり軸心Lに交差する方向のジョー装着孔47を周方向において等間隔に三箇所配置し、各ジョー装着孔47においてスライド可能にジョー48を挿着している。
なお、ジョー48は、図2に示すように、後述するロックユニット300におけるナットリング360のネジ溝360aと螺合するネジ溝48aを後方側の外側面に有する略円柱状に形成している。さらに、ジョー48の前側内側面は、略円柱状の軸心方向に対して交叉する方向で、軸心Lに対して略平行な押圧面48bを形成し、該押圧面48bの幅方向中央には、カーバイド製のチップ48cを装備している。このような構成のジョー48を、上述したように、軸心Lに対して周方向における三方向において、押圧面48bが軸心Lに平行となる姿勢でジョー装着孔47に挿着している。
緩み方向R’(図16参照)の回転を規制する、つまり回転をロックするロックユニット300についての詳細な説明は後述するが、ロックユニット300は、正面視リング状で、チャックボディユニット40の前中胴部45に装着可能であり、ロックユニット300の構成部品であるベアリングカバー330の回転係止凸部333を回転係止凹部49に係合することによって、ベアリングカバー330が前中胴部45に対して回転固定している。
そして、ロックユニット300の構成部品であるロックカバー380を減速ユニット100のロックリング130に接続し、ロックユニット300のナットリング360を減速ユニット100のインナースリーブ110に接続している。
入力された回転を減速して出力する減速ユニット100についての詳細な説明は後述するが、減速ユニット100は、正面視リング状で、チャックボディユニット40の前胴部46の後側に装着可能であり、減速ユニット100の構成部品であるアウターリング200をアウタースリーブ30に接続している。
キャップ50は、寝位の円錐台形状であり、正面視中央において軸心L方向に貫通し、前胴部46の先端の嵌着を許容する嵌着凹部51を備えている。
このような構成により、チャック装置1は、アウタースリーブ30を回転操作した回転によってアウターリング200から回転が減速ユニット100に入力され、減速ユニット100で減速された回転は、出力リング190を介してインナースリーブ110からトルクアップされて出力される。
そして、出力リング190に接続されたインナースリーブ110を介して、ナットリング360が回転するため、ナットリング360に螺合するジョー48がジョー装着孔47をスライドして、センター孔40aに挿入された装着治具の基軸を締め付けて固定することができる。
このようなチャック装置1の構成要素である減速ユニット100及びロックユニット300について、以下で詳細に説明する。
まず、減速ユニット100について、図5乃至図11とともに説明する。
なお、図5は減速ユニット100の各構成要素の分解斜視図を示し、図6は減速ユニット100の各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図を示し、図7は減速ユニット100の各構成要素の組み付けについて説明する分解斜視図による説明図を示している。
また、図8は減速ユニット100の縦断面図を示し、図9は減速ユニット100における押付リング210の締め付けについての説明図を示し、図10は減速ユニット100における回転変速変換機構についての説明図を示し、図11は偏心リング160の偏心回転についての説明図を示している。
さらに詳しくは、図6において、インナースリーブ110及びボールベアリングアッセンブリ170は側面図及び背面図を示し、ボールアッセンブリ120,140,180、アウターリング200及び押付リング210は断面図及び背面図を示している。
さらにまた、ロックリング130、及び偏心リング160は側面図並びに正面図及び背面図を示し、出力リング190は断面図並びに正面図及び背面図を示し、クリックスプリング150は側面図と正面図を示し、押付リング210は断面図及び正面図を示している。軸方向ベアリングボール220は、同心円状に配置した状態での側面図及び正面図を示している。
また、図7(a)はボールベアリングアッセンブリ170を偏心リング160に組み付けるとともに、クリックスプリング150をロックリング130の前側リング133に組付けた状態の正面側からの減速ユニット100の分解斜視図を示し、図7(b)は同状態の背面側からの減速ユニット100の分解斜視図を示している。
また、図9は、組付け状態の減速ユニット100において、アウターリング200の図示を省略するとともに、インナースリーブ110と押付リング210とを実線で図示し、減速ユニット100におけるその他の構成要素を点線で図示した状態の斜視図を示している。
また、図10(a)はロックリング130及び第2ボールアッセンブリ140の正面図及び偏心リング160の背面図を示し、図10(b)は偏心リング160及び第3ボールアッセンブリ180の正面図及び出力リング190の背面図を示している。
また、図11は、アウターリング200の第2収容凹部202に偏心リング160を収容した状態の背面図によるアウターリング200を回転した状態における偏心リング160の偏心回転について説明する説明図である。
なお、減速ユニット100は、図5及び図6に示すように、後方(図5及び図6において左上)から前方(図5及び図6において右下)に向かって順に、インナースリーブ110、第1ボールアッセンブリ120、ロックリング130、第2ボールアッセンブリ140、クリックスプリング150、偏心リング160、ボールベアリングアッセンブリ170、第3ボールアッセンブリ180、出力リング190、軸方向ベアリングボール220、アウターリング200、及び押付リング210を配置し、組付けて構成している。
そして、ロックリング130、第2ボールアッセンブリ140、クリックスプリング150、偏心リング160、ボールベアリングアッセンブリ170、第3ボールアッセンブリ180、出力リング190、アウターリング200、及び押付リング210はリング状に形成され、軸心Lを中心として配置されている。さらに、軸方向ベアリングボール220は、45個のボールを、軸心Lを中心として同心円状に配置している。
インナースリーブ110は、後述する第1ボールアッセンブリ120の嵌合を許容する前胴部111と、後述するロックユニット300に接続される後胴部112とで構成している。インナースリーブ110は、後胴部112を前胴部111より一回り大きな径で形成することで、片断面略L字状のリング体に形成している。
前胴部111の外周面の先端側には、後述する押付リング210の螺合を許容するネジ溝117を所定長さ形成するとともに、後述する出力リング190の嵌合凸部192の嵌め込みを許容する嵌込凹部118を形成している。
また、後胴部112の前面には、後述する第1ボールアッセンブリ120のゲージ122の係合を許容する正面視円形の係合溝112aを有している。さらに、後胴部112の内周面における周方向の三箇所であって、インナースプリング350のラチェット−カム機構部352に対応する位置には、カム溝113を形成している。なお、カム溝113は、後述するロックユニット300の一部を構成している。
カム溝113は、図13に示すように、ラチェット−カム機構部352の締め付け側のカムアーム353bのカム凸部353baが差動位置によっていずれかに係止する2つのカム溝115a,115bと、ラチェット片353cを備えた緩み側のカムアーム353bの先端におけるカム凸部353baが周方向に摺動して中心側に押圧するラチェット溝114とで構成している(図14e部拡大図参照)。
なお、2つのカム溝115a,115bの周方向の配置角度は、後述する差動角度に対応するとともに、ラチェット溝114において、係止するカム凸部353baが最も径外側になる位置と、最も径内側位置になる回転角度に対応している。
また、前胴部111の内周縁から径内側方向及び後胴部112側に向かって突出する差動凸部116を、周方向において等間隔に三箇所備えている。差動凸部116は、上述の軸心方向凹部364と、周方向に差動可能に遊嵌する構成である。なお、各差動凸部116の背面の中央には、後述するギャップクリアボール370を遊嵌状態で収容するボール収容凹部116aを形成している。
第1ボールアッセンブリ120は、ボール121と、ボール121の遊嵌する遊嵌孔を備えたゲージ122とで構成している。ゲージ122は、前側リング133の外径と略同じ内径で形成され、軸心L方向に薄いリング体である。そして、遊嵌孔は、ゲージ122を軸心L方向に貫通している。
なお、本実施形態において、ゲージ122における遊嵌孔及び遊嵌孔に遊嵌するボール121を21ずつ備えている。これにより、インナースリーブ110と後述するロックリング130との回転をスムーズにしている。
ロックリング130は、径外側に突出する嵌合凸部132を径方向において等間隔に四箇所配置した後側リング部131と、後側リング部131よりひとまわり径が小さく、外周面にクリックスプリング150の嵌着を許容する前側リング133とを一体構成している。
そして、前側リング133の前面には、径外方向に凸な外凸円弧溝135aを周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝135を形成し、背面には、第1ボールアッセンブリ120のボール121の径合する背面視円形の円形溝137を形成している。
なお、外凸環状係合溝135は、後述する第2ボールアッセンブリ140のボール141の径よりわずかに大きな径の円弧断面溝で形成している。また、外凸環状係合溝135は、20の外凸円弧溝135aを周方向に連続して環状を構成している。
また、前側リング133の側周面の4箇所には、クリックスプリング150の嵌合凹部153と嵌合して後述するクリックスプリング150の相対回転を拘束する嵌合凸部136を形成している。
さらには、後側リング部131の外周に配置した嵌合凸部132は、後述するロックユニット300の側周部381に形成した切欠き凹部383に嵌合するように周方向において等間隔に四箇所備えている。
第2ボールアッセンブリ140は、ボール141と、ボール141の遊嵌する遊嵌孔を備えたゲージ142とで構成している。ゲージ142は、後述する前側リング133の外径と略同じ内径で形成され、軸心L方向に薄いリング体である。そして、遊嵌孔は、ゲージ142を軸心L方向に貫通している。なお、本実施形態において、ゲージ142における遊嵌孔及び遊嵌孔に遊嵌するボール141を21ずつ備えている。
クリックスプリング150は、ロックリング130の前側リング133に嵌着するリング体であり、リング本体151と、後述するアウターリング200のクリック溝204に係止するカム凸部152aを先端部に備えたカムアーム152とで、所望の弾性を有するバネ鋼材で構成している。
なお、カムアーム152は、リング本体151における周方向の4箇所に形成し、先端部のカム凸部152aは径外側向きに凸な円弧形状で形成している。また、カムアーム152の基部には、凸部152aとクリック溝204との係合状態におけるカムアーム152による付勢力を調整するための径内側向きに凸な付勢力調整部152bを形成している。
さらに、リング本体151の周方向4箇所に、上述のロックリング130における嵌合凸部136に嵌合する嵌合凹部153を形成している。
偏心リング160は、外周面にボールベアリングアッセンブリ170が嵌合する外周円弧溝161を形成した、前側リング133と略同外径のリング体である。そして、径外方向に凸な外凸円弧溝162aを周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝162を前面に形成し、径内方向に凸な内凸円弧溝163aを周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝163を背面に形成している。
なお、外周円弧溝161は、後述するボールベアリングアッセンブリ170のボール171の径よりわずかに大きな径の円弧断面溝で形成している。
また、外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝163は、22の外凸円弧溝162a及び内凸円弧溝163aを周方向に連続して環状を構成している。そして、外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝163は、第2ボールアッセンブリ140や第3ボールアッセンブリ180のボール141,181の径よりわずかに大きな径の円弧断面溝で形成している。
ボールベアリングアッセンブリ170は、ボール171と、ボール171の遊嵌する遊嵌孔を備えたベアリングゲージ172とで構成している。ベアリングゲージ172は、前側リング133よりひとまわり大きな径で形成され、径方向に薄いリング体である。そして、遊嵌孔は、ベアリングゲージ172を径方向に貫通する構成である。
なお、本実施形態において、ベアリングゲージ172における遊嵌孔及び遊嵌孔に遊嵌するボール171を30ずつ備えている。
第3ボールアッセンブリ180は、第2ボールアッセンブリ140と同様の構成であり、ボール181と、ボール181の遊嵌する遊嵌孔を備えたゲージ182とで構成している。なお、本実施形態において、ゲージ182における遊嵌孔及び遊嵌孔に遊嵌するボール181を23ずつ備えている。
出力リング190はリング体であり、径内方向に凸な内凸円弧溝191aを周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝191を背面に形成している。
なお、内凸環状係合溝191は、24の内凸円弧溝191aを周方向に連続して環状を構成している。そして、内凸環状係合溝191は、第3ボールアッセンブリ180のボール181の径よりわずかに大きな径の円弧断面溝で形成している。
また、リング状の出力リング190の内周面には、上述のインナースリーブ110の前胴部111に形成した嵌込凹部118に嵌合する嵌合凸部192を周方向において等間隔に三箇所配置している。
さらにまた、出力リング190の正面の外側角部には、後述する軸方向ベアリングボール220の係合を許容する外周側係合溝193を備えている。
アウターリング200は、後方側の円筒部200aと、前側の先絞り部200bとで構成している。
なお、円筒部200aには、上述のアウタースリーブ30の回転入力用係止凸部30bと嵌合する嵌合スリット203aを周方向に四箇所形成している。
そして、円筒部200aの内側に、出力リング190の収容を許容する第1収容凹部201、外周にボールベアリングアッセンブリ170が嵌めこまれた偏心リング160の収容を許容する第2収容凹部202、前側リング133の収容を許容する第3収容凹部203を備えている(図6a部拡大図参照)。
なお、第1収容凹部201と第3収容凹部203は、アウターリング200と同心上に形成しているが、第2収容凹部202は所定量偏心して形成している(図11参照)。
また、第1収容凹部201の内周面には、出力リング190の外周側係合溝193に係合した軸方向ベアリングボール220の係合を許容する内周面溝201aを形成している。
軸方向ベアリングボール220は、45個備えており、出力リング190の外周側係合溝193と、アウターリング200の第1収容凹部201の内周面溝201aとの間で挟まれるように係合している。
さらに、円筒部200aの内側の後端部に、上述のクリックスプリング150の凸部152aが係合するクリック溝204を形成している。なお、クリック溝204は、回転方向に対称な溝形状が周方向に連続して形成され、両回転方向に凸部152aが係合解除することができる形状である。
押付リング210は、インナースリーブ110の前胴部111に形成したネジ溝117に螺合するネジ溝211を内周面に形成したリング体であり、押付リング210の螺入出のための治具を挿入するための治具用穴212を正面の二箇所に備えている。
なお、押付リング210は、回転する出力リング190を後方(図8において左側)に押し付けた際の押付リング210と出力リング190との摩擦を低減するため、高強度の樹脂や、フッ素コーティングのような低摩擦の表面処理を施している。
このように構成することによって、アウターリング200の内側に、インナースリーブ110の前胴部111、ロックリング130の前側リング133、第2ボールアッセンブリ140、クリックスプリング150、偏心リング160、ボールベアリングアッセンブリ170、第3ボールアッセンブリ180、出力リング190、軸方向ベアリングボール220及び押付リング210が組み付けられて減速ユニット100を構成することができる。
このとき、ロックリング130と偏心リング160との間では、図10(a)に示すように、前側リング133の前面に形成した外凸環状係合溝135と、偏心リング160の背面に形成した内凸環状係合溝163との間に、第2ボールアッセンブリ140のボール141が係合することとなる。
なお、外凸環状係合溝135を20個の外凸円弧溝135aによって形成するとともに、内凸環状係合溝163を22個の内凸円弧溝163aによって形成している。そして、第2ボールアッセンブリ140のボール141を、外凸円弧溝135aと内凸円弧溝163aの個数の平均値である21個備えている。
また、偏心リング160と出力リング190との間では、図10(b)に示すように、偏心リング160の前面に形成した外凸環状係合溝162と、出力リング190におけるリングフランジ部162の背面に形成した内凸環状係合溝191との間に、第3ボールアッセンブリ180のボール181が係合することとなる。
なお、外凸環状係合溝162を22個の外凸円弧溝162aによって形成するとともに、内凸環状係合溝191を24個の内凸円弧溝191aによって形成している。そして、第3ボールアッセンブリ180のボール181を、外凸円弧溝162aと内凸円弧溝191aの個数の平均値である23個備えている。
また、アウターリング200の内側に、インナースリーブ110の前胴部111、ロックリング130の前側リング133、第2ボールアッセンブリ140、クリックスプリング150、偏心リング160、ボールベアリングアッセンブリ170、第3ボールアッセンブリ180、出力リング190、軸方向ベアリングボール220及び押付リング210が組み付けられた減速ユニット100において、軸心Lに対して偏心した第2収容凹部202に収容された偏心リング160は、アウターリング200を回転させることによって、アウターリング200と同心軸上に配置したその他の構成要素に対して、図11に示すように、偏心回転することとなる。
ここで、減速ユニット100におけるアウターリング200を回転入力体、ロックリング130を回転固定体及び出力リング190を回転出力体とし、アウターリング200に回転が入力されると、図11に示すように、第2収容凹部202に収容された偏心リング160は偏心回転する。
そして、偏心回転する偏心リング160の内凸環状係合溝163と、回転固定されたロックリング130の外凸環状係合溝135との両方に第2ボールアッセンブリ140のボール141が係合しているため、偏心リング160の偏心回転を、回転固定された外凸環状係合溝135を反力として偏心リング160に自転回転に変換することができる。したがって、偏心リング160は、第2収容凹部202において、自転回転しながら偏心回転することとなる。
そして、第2収容凹部202において、自転回転しながら偏心回転する偏心リング160の外凸環状係合溝162と、出力リング190の内凸環状係合溝191の両方に第3ボールアッセンブリ180が係合しているため、第3収容凹部203において自転回転可能に収容された出力リング190は、自転回転しながら偏心回転する偏心リング160の偏心分を吸収しながら、自転回転することとなる。
なお、回転固定されたロックリング130における外凸環状係合溝135の外凸円弧溝135aの波数、第2ボールアッセンブリ140のボール141の個数、偏心リング160における内凸環状係合溝163の内凸円弧溝163aの波数、第3ボールアッセンブリ180のボール181の個数、並びに出力リング190における内凸環状係合溝191の内凸円弧溝191aの波数を段階的に大きく設定しているため、減速ユニット100では、アウターリング200に入力された回転に比べて、出力リング190を介してインナースリーブ110から出力する回転を減速することができる。つまり、アウターリング200に入力された回転をトルクアップし、出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
また、図9に示すように、押付リング210をインナースリーブ110における前胴部111のネジ溝117に対して螺入することによって、ロックリング130、第2ボールアッセンブリ140、偏心リング160、第3ボールアッセンブリ180、及び出力リング190を、インナースリーブ110における後胴部112と押付リング210とで挟み込むことができる。
したがって、押付リング210のインナースリーブ110に対する螺入出によって、ロックリング130、第2ボールアッセンブリ140、偏心リング160、第3ボールアッセンブリ180、出力リング190及びの軸心Lの密着度合いを調整することができる。
そのため、押付リング210を螺入することによって、前側リング133の外凸環状係合溝135、第2ボールアッセンブリ140のボール141及び偏心リング160の内凸環状係合溝163、並びに、偏心リング160の外凸環状係合溝162、第3ボールアッセンブリ180のボール181及び出力リング190の内凸環状係合溝191の係合力を向上することができる。したがって、アウターリング200から入力された回転を確実に減速し、出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
なお、このように、インナースリーブ110に対して螺入した押付リング210は、出力リング190を偏心リング160側に押し付けるが、軸方向ベアリングボール220を外周側係合溝193に係合しているため、出力リング190の回転を阻害することなく、出力リング190はスムーズに回転することができる。
上述したように、減速ユニット100は、軸心L上に配置された出力リング190、ロックリング130、及びアウターリング200を備えるとともに、アウターリング200において偏心した第2収容凹部202によって軸心Lに対して偏心回転する偏心リング160と、偏心リング160の偏心回転を、入力回転に対して変速した偏心リング160の変速自転回転に変換する外凸環状係合溝135、内凸環状係合溝163及びボール141と、外凸環状係合溝135、内凸環状係合溝163及びボール141によって自転回転しながら偏心回転する偏心リング160の変速自転回転を変速して、出力リング190における同軸心L上の回転に変換して伝達する外凸環状係合溝162、内凸環状係合溝191及びボール181とを備えたことにより、アウターリング200から入力された回転を変速して出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
したがって、トルクアップした回転を出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。つまり、小さな力でアウターリング200を回転操作することで大きなトルクの回転を出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
また、出力リング190、ロックリング130、アウターリング200、及び偏心リング160をリング状に形成するとともに、アウターリング200における軸心Lに対して偏心した位置に形成した第2収容凹部202で、偏心リング160を自転回転可能に収容し、リング状の偏心リング160と、リング状のロックリング130との対向面に外凸環状係合溝135及び内凸環状係合溝163を形成しているため、入力された偏心リング160の偏心回転力を、偏心リング160の変速自転回転力に変速変換して出力することができる。
また、リング状の偏心リング160と、リング状の出力リング190との対向面に外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝191を形成し、偏心回転及び自転回転する偏心リング160から入力された自転回転力を、偏心回転を吸収しながら変速して、出力リング190に伝達できるとともに、軸心L部分が開放された、つまり中空の減速ユニット100を構成することができる。
詳しくは、出力リング190、ロックリング130、アウターリング200、及び偏心リング160を、リング状に形成するとともにアウターリング200における軸心Lに対して偏心した位置に形成した第2収容凹部202に収容するため、アウターリング200を回転操作することによって偏心リング160を軸心Lに対して偏心した位置で偏心回転することができる。
また、リング状の偏心リング160と、リング状のロックリング130との対向面に外凸環状係合溝135及び内凸環状係合溝163を形成し、入力された偏心リング160の偏心回転力を、偏心リング160の変速自転回転力に変速変換して出力する。そして、リング状の偏心リング160と、リング状の出力リング190との対向面に外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝191を形成し、偏心回転及び自転回転する偏心リング160から入力された自転回転力を、偏心回転を吸収しながら変速して、出力リング190に伝達するため、アウターリング200の回転操作による偏心リング160の偏心回転を、軸心Lを中心とする回転として出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
なお、リング状の偏心リング160と、リング状のロックリング130との対向面に外凸環状係合溝135及び内凸環状係合溝163を形成し、リング状の偏心リング160と、リング状の出力リング190との対向面に外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝191を形成しているため、軸心L周りが開放された、つまり中空の減速ユニット100を構成することができる。
また、偏心リング160及び出力リング190の対向面、並びに偏心リング160及びロックリング130の対向面のそれぞれに形成した環状の係合溝と、係合溝に係合する複数のボール141,181とを備え、係合溝を対向面のうち一方面において、径外方向に凸な外凸円弧溝135a,162aを周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝135,162と、対向面のうち他方面において、径内方向に凸な内凸円弧溝163a,191aを周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝163,191とで構成し、外凸円弧溝135a,162aの波数と内凸円弧溝163a,191aの波数とを異ならせ、ボール141,181を外凸円弧溝135a,162aの波数と内凸円弧溝163a,191aの波数とを平均数備えることにより、確実に変速して回転を伝達することができる。
詳しくは、それぞれの対向面に形成した外凸環状係合溝135,162と、内凸環状係合溝163,191との両方にボール141,181が係合するため、簡易な構造で確実に、回転を伝達することができる。
また、偏心リング160の偏心量を径外方向に凸な外凸環状係合溝135,162と径内方向に凸な内凸環状係合溝163,191とによって吸収して、自転回転に変換して伝達することができる。
また、外凸円弧溝135a,162aの波数と内凸円弧溝163a,191aの波数を異ならせ、ボール141,181を、外凸円弧溝135a,162aの波数と内凸円弧溝163a,191aの波数との平均数備えているため、伝達する回転を簡易な構造で確実に減速することができる。なお、円弧溝の波数やボールの個数を調整することによって、増速することもできる。
また、係合溝135,162,163,191とボール141,181との係合状態における軸心L方向の係合力を向上させる押付リング210を備えたことにより、より確実に、アウターリング200から入力された回転を変速して出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
詳しくは、係合溝135,162,163,191とボール141,181の係合力が向上するため、より確実に、アウターリング200から入力された回転を変速して出力リング190を介してインナースリーブ110から出力することができる。
またボール141,181は球体のボールであるため、簡易な構造で、効率よく、回転を減速しながら伝達することができる。
また、ロックリング130に回転固定されたクリックスプリング150のカムアーム152の凸部152aが適宜の付勢力を作用させながらアウターリング200のクリック溝204に係合しているため、ロックリング130に対してアウターリング200の回転方向の遊びを規制することができる。また、カムアーム152に付勢力調整部152bを形成したことによって、カムアーム152の凸部152aがクリック溝204に作用させる付勢力を調整できるため、より適切にロックリング130に対するアウターリング200の遊びを規制することができる。
次に、ロックユニット300について、図12乃至図16とともに説明する。図12はロックユニット300の各構成要素の正面側からの分解斜視図を示し、図13はロックユニット300の各構成要素の背面側からの分解斜視図を示している。
また、図14はロックユニット300の各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図を示し、図15はロックユニット300における規制切替機構について説明する縦断面図による説明図を示し、図16はロックユニット300におけるラチェット機構についての説明図を示している。
なお、図14において、ロックカバー380は断面図と正面図を示し、ラバーリング320とインナースプリング350は断面図と背面図を示し、ベアリングカバー330とナットリング360は断面図と正面図及び背面図を示し、ベアリングボール340は所定個数を配置した状態の側面図と正面図を示している。さらに、図14において、減速ユニット100を構成するインナースリーブ110について側面図と正面図及び背面図を図示している。
また、図15(a)はロックカバー380の噛合ギア384とベアリングカバー330の噛合ギア335とが離間したフリー状態のロックユニット300の断面図を示し、図15(b)はロックカバー380の噛合ギア384とベアリングカバー330の噛合ギア335とが噛合したロック状態のロックユニット300の断面図を示している。
さらに、ロックユニット300におけるラチェット機構についての説明図である図16における図16(a)はラチェットフリー状態におけるカム凸部353baとカム溝113との背面図を示し、図16(b)は同状態のラチェット片353cとラチェットギア334との背面図を示している。そして、図16(c)はラチェット状態におけるカム凸部353baとカム溝113との背面図を示し、図16(d)は同状態のラチェット片353cとラチェットギア334との背面図を示している。
なお、ロックユニット300は、ロックメインユニット310と、ロックカバー380と、減速ユニット100を構成するインナースリーブ110の後胴部112に形成したカム溝113とで構成し、ロックメインユニット310は、ラバーリング320、ベアリングカバー330、24個のベアリングボール340、インナースプリング350、ナットリング360、及びギャップクリアボール370で構成している。
さらに詳しくは、ロックユニット300は、図12及び図14に示すように、後方(図12及び図14において左上)から前方(図12及び図14において右下)に向かって順に、ロックカバー380、ラバーリング320、ベアリングカバー330、24個のベアリングボール340、インナースプリング350、ナットリング360、3個のギャップクリアボール370及びインナーカムリング110を配置し、組付けて構成している。
そして、ロックカバー380、ラバーリング320、ベアリングカバー330、インナースプリング350、ナットリング360及びインナースリーブ110はリング状に形成され、軸心Lを中心として配置されている。そして、24個のベアリングボール340及び3個のギャップクリアボール370は、軸心Lを中心として同心円上に配置している。
ロックカバー380は、背面側のリング部382と、リング部382の外周縁から正面側に突出する側周部381とで構成している。側周部381の先端側端部には、上述の減速ユニット100の後側リング部131の外周面に形成した嵌合凸部132の嵌合を許容する切欠き凹部383を、嵌合凸部132に対応する位置であり、周方向において等間隔な四箇所に形成している。
また、リング部382の正面側の内周縁側には、ギア歯方向が放射状であり、後述するベアリングカバー330のリング部331の背面に形成した噛合ギア335と噛合する噛合ギア384を形成している。
ラバーリング320は、ロックカバー380の側周部381とリング部382との断面隅角部内側に配置可能な断面略直角三角形状のリング体であり、弾性を有するラバーで構成している。
ベアリングカバー330は、チャックボディユニット40における前中胴部45に装着できる貫通孔を有するリング部331と、リング部331から前方に突出する側周部332とで構成する断面略L型のリング体である。
さらに、リング部331における貫通孔の周縁部には、回転係止凹部49に係止する回転係止凸部333を等間隔に三箇所で形成するとともに、リング部331の内周面の前方部分に、インナースプリング350におけるラチェット片353cが係止するラチェットギア334を形成している。
なお、ラチェットギア334は、3の倍数である75個のギア歯で構成している。また、ラチェットギア334は、緩み方向、すなわち電動工具1を前方正面から見て反時計回り方向(図16矢印R’方向)に対しては回転拘束し、締め付け方向すなわち電動工具1を前方正面から見て時計回り方向(図16矢印R方向)には回転可能なギア歯形状で形成している。
また、リング部331の背面側の内周縁には、ギア歯方向が放射状であり、上述のロックカバー380の噛合ギア384に形成した噛合ギア384に噛合する噛合ギア335を形成している。
ベアリングボール340は、ベアリングカバー330のリング部331と側周部332との断面隅角部内側に配置する鋼球である。
インナースプリング350は、ベアリングカバー330の断面隅角部内側に配置したベアリングボール340を挟み込む挟込リング部351と、挟込リング部351の周方向における三箇所から前方に突出するラチェット−カム機構部352とで構成している。
ラチェット−カム機構部352は、図12のa部拡大図に示すように、後述するナットリング360の係止外周溝363に嵌め込む嵌込片353aと、該嵌込片353aより後方側で周方向に広がり、インナースリーブ110のカム溝113に係止するカム凸部353baを先端部に備えたカムアーム353bと、締め付け方向と反対側の緩み方向、すなわち正面視反時計回り方向(矢印a方向)のカムアーム353bにおけるカム凸部353baの後方側で反時計回り方向に突出するラチェット片353cとで構成している。
なお、インナースプリング350は、インナースリーブ110のカム溝113にカム凸部353baがカムアーム353bの付勢力によって付勢しながら係止すべく弾性を有するバネ鋼材で構成している。
ナットリング360は、内周面にジョー48のネジ溝48aと螺合するネジ溝360aが形成された後リング部361と、後リング部361の前側に備え、後リング部361より一回り径の大きな前リング部362とで構成している。
なお、前リング部362の外周面には、図3に示すように、周方向において等間隔に三箇所配置し、嵌込片353aの嵌め込みを許容する係止外周溝363を形成している。
また、前リング部362の係止外周溝363と係止外周溝363との中間部分には、前側端面から後方に向かう軸心方向凹部364を形成している。なお、軸心方向凹部364は、後述するインナースリーブ110の差動凸部116に対して周方向に広く形成している。また、各軸心方向凹部364の前面において、差動凸部116が締め付け位置(正面視右側)にある際におけるギャップクリアボール370が係合する、正面視円形の係合凹部364aを形成している。
さらに、ギャップクリアボール370は、上述の差動凸部116の各背面に形成され、ボール収容凹部116aに遊嵌状態で収容される。なお、ボール収容凹部116aに収容されたギャップクリアボール370は、図15に示すように、差動凸部116の背面からわずかに後方に突出する態様で収容される。
このように構成したロックカバー380、ラバーリング320、ベアリングカバー330、ベアリングボール340、インナースプリング350、ナットリング360、ギャップクリアボール370及びインナースリーブ110を組み付けることによりロックユニット300を構成することができる。
なお、このとき、ナットリング360及びインナースリーブ110を、少ない回転力で差動回転させるために、ナットリング360と、インナースリーブ110との間に軸方向のわずかな隙間、すなわちギャップGを設けて組み付けている(図15参照(b))。また、軸心方向凹部364に形成した係合凹部364aは、上述のギャップGを低減し、ロック解除時における軸方向の遊びを消化するために、ギャップGに対応する深さで形成している。
したがって、ロックユニット300では、インナースリーブ110から締付方向Rの回転(図16参照)が入力された場合、図16(c)に示すように、カム凸部353baがカム溝115bとラチェット溝114における規制位置となるため、図16(d)に示すように、ラチェット片353cがラチェットギア334に噛み合った状態となる。よって、締付方向Rの回転は許容するもの、緩み方向R’の回転をロックするロック状態とすることができる。
そして、このロック状態において、カムアーム353bの弾性を超える緩み方向R’の回転がインナースリーブ110から入力されると、図16(a)に示すように、カム凸部353baがカム溝115aとラチェット溝114における開放位置となるため、図16(b)に示すように、ラチェット片353c径内側に付勢されてラチェットギア334と噛み合い状態が解消する。よって、締付方向R及び緩み方向R’のいずれの回転も許容するラチェットフリー状態とすることができる。
また、ロックユニット300と、上述の減速ユニット100とを減速ユニット100の嵌合凸部192と、ロックユニット300の差動凸部116とを嵌合するとともに、減速ユニット100の嵌合凸部132と、ロックユニット300の切欠き凹部383とを嵌合して組付け、減速ロックユニット2を構成することができる。
この減速ロックユニット2は、減速ユニット100のアウターリング200から入力された回転を減速して出力リング190を介してインナースリーブ110から出力するため、ロックユニット300は、嵌合凸部192を介して減速ユニット100によって減速された回転を入力することができる。また、減速ユニット100のロックリング130は、嵌合凸部132及び切欠き凹部383を介してロックカバー380に固定されるため、ロックリング130とロックカバー380とを一体化することができる。
しかし、図15(a)に示すように、ラバーリング320によって、ベアリングカバー330はロックカバー380に対して離間する方向に付勢されているため、ロックカバー380の噛合ギア384とベアリングカバー330の噛合ギア335とは噛合していない。したがって、この状態においては、ロックユニット300によるロック機能は減速ユニット100に及ばないこととなる。
逆に、ベアリングカバー330がラバーリング320の付勢力に抗してロックカバー380の噛合ギア384と、ベアリングカバー330の噛合ギア335とが噛合する場合(図15(b)参照)、ロックリング130は、一体化されたロックカバー380によって回転固定される。
このような、減速ロックユニット2を、アウタースリーブ30とともに、チャックボディユニット40に装着し、チャック装置1を構成することによって、確実に、ジョー48で装着治具の基軸を締め付けた締め付け状態でロックすることができるとともに、締め付け状態を確実に開放することができる。また、少ない力による回転入力操作によって、確実な締め付け及び開放を操作することができる。
また、減速ロックユニット2に対する回転入力操作によって入力された回転を変速して出力リング190に伝達し、インナースリーブ110を介して接続したナットリング360から回転出力することができる。したがって、ジョー48による締付けや開放を減速ロックユニット2に対する回転入力操作で行うことができる。
詳しくは、アウタースリーブ30に入力された回転操作は、アウタースリーブ30の回転入力用係止凸部30bと、アウターリング200の嵌合スリット203aとが嵌合しているため、アウターリング200に伝達される。そして、上述したような減速ユニット100における減速作用によって、アウターリング200から入力された回転は減速されて出力リング190を介してインナースリーブ110から出力される。
さらに、出力リング190の嵌合凸部192と嵌合された差動凸部116によって、減速ユニット100から入力された減速回転はロックユニット300に入力される。
このときの減速回転が締付方向Rの回転であれば、差動凸部116と遊嵌する軸心方向凹部364によって、ナットリング360が締付方向Rに回転して、ネジ溝360aがチャックボディユニット40のジョー装着孔47に挿入したジョー48のネジ溝48aと螺合して、ジョー48が前方中央に向かって前進し、センター孔40aに挿入された装着治具の基軸を締め付けて固定することができる。
なお、この状態において、上述したように、ロックユニット300は締付方向Rの回転は許容するもの、緩み方向R’の回転をロックするロック状態にある。
しかし、ベアリングカバー330の噛合ギア335とロックカバー380の噛合ギア384とが螺合していないため、ロックユニット300による回転規制は、減速ユニット100に作用しない状態である。
そして、さらなる締付方向Rの回転が入力されると、既に装着治具の基軸を締め付けたジョー48は前進できず、締め付け状態にあるジョー48を反力とし、ネジ溝48aとネジ溝360aとの螺合力によって、ナットリング360は後方に移動する。
このナットリング360の後方移動によって、インナースプリング350、ベアリングボール340及びベアリングカバー330は後方に押し付けられ、図15(b)に示すように、ベアリングカバー330の噛合ギア335とロックカバー380の噛合ギア384とが螺合することとなる。
すると、切欠き凹部383及び嵌合凸部132の嵌合によりロックカバー380とロックリング130とが一体化されているため、ロックユニット300のロック状態が減速ユニット100に及ぶこととなる。したがって、ジョー48で装着治具の基軸を締め付けた締め付け状態が緩むことのないロック状態を確保することができる。
なお、このような構造によって、ロック状態を確保できるチャック装置1では、減速ユニット100の減速作用を利用しているため、少ない力での回転操作をトルクアップして、確実な締め付け状態を確立することができる。
さらには、このロック状態に移行するためのインナースリーブ110から入力される締付方向Rの回転は、インナースリーブ110とナットリング360との間に設けた軸方向のギャップGによって、各構成部品による摩擦等による組み付け状態で生じる差動負荷の発生を抑制しているため、ギャップGを設けていない場合に比べて小さな回転力の入力でロック状態に移行することができる。
また、ロックユニット300では緩み方向R’の回転をロックするロック状態であるものの、ジョー48が装着治具の基軸を締め付けた状態からのさらなる回転入力によるラバーリング320の付勢力に抗したベアリングカバー330の噛合ギア335とロックカバー380の噛合ギア384が噛合するまでは、ロックユニット300のロック状態が減速ユニット100に及ばないため、それまでは自由に、締付方向R及び緩み方向R’の回転操作が可能であり、利用者にとって利用しやすい構成である。
なお、このようなロック状態において、回転入力が規制された緩み方向R’にアウタースリーブ30を回転操作するとき、上述したように、カムアーム353bの弾性を超える緩み方向R’の回転がインナースリーブ110から入力されると、カム凸部353baがカム溝115aとラチェット溝114における開放位置となり、ラチェット片353cが径内側に付勢されてラチェットギア334との噛み合い状態が解消してラチェットフリー状態となる。よって、締付方向R及び緩み方向R’のいずれの回転も許容するフリー状態とすることができる。
なお、ジョー48が装着治具の基軸を締め付けた状態での使用によって、締め付け状態が固着した場合であっても、回転入力が規制された緩み方向R’へのアウタースリーブ30の回転操作によって、差動凸部116とナットリング360とが緩み方向R’に差動回転する。この差動回転によって、軸心方向凹部364の係合凹部364aに係合していたギャップクリアボール370は、係合凹部364aから外れ、軸心方向凹部364の表面を軸方向後方に押し付けることとなる。
このように、ギャップクリアボール370によるナットリング360の後方への押し付けにより、ギャップGは低減され、インナースリーブ110に対するロックメインユニット310の遊びは解消されるため、緩み方向R’の回転入力であっても、減速ユニット100が機能し、小さな回転力で、ジョー48の固着状態を解消して、締付方向R及び緩み方向R’のいずれの回転も許容するフリー状態とすることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の回転出力体は、インナースリーブ110及び出力リング190に対応し、
以下同様に、
回転固定体は、ロックリング130に対応し、
回転入力体は、アウターリング200に対応し、
偏心回転体は、偏心リング160に対応し、
偏心回転手段及び偏心嵌合凹部は、第2収容凹部202に対応し、
回転変速変換手段及び回転変速変換機構は、外凸環状係合溝135,162及びボール141に対応し、
回転変速変換伝達手段及び回転変速変換伝達機構は、内凸環状係合溝163,191及びボール181に対応し、
回転変速構造体は、減速ユニット100に対応し、
係合溝は、外凸環状係合溝135,162又は内凸環状係合溝163,191に対応し、
係合体及び球体は、ボール141,181に対応し、
係合力向上手段は、インナースリーブ110のネジ溝117及び押付リング210に対応し、
回転ロック手段は、ロックユニット300に対応し、
回転ロック変速構造体は、減速ロックユニット2に対応し、
作動切替手段は、ロックカバー380における噛合ギア384、ベアリングカバー330における噛合ギア335及びラバーリング320に対応し、
チャック本体は、チャックボディユニット40に対応し、
軸孔は、センター孔40aに対応し、
チャック爪は、ジョー48に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の減速ユニット100において、アウターリング200の第2収容凹部202に収容することによって偏心回転した偏心リング160の偏心回転力をロックリング130の前側リング133、偏心リング160の外凸環状係合溝162及び内凸環状係合溝163、出力リング190の内凸環状係合溝191、第2ボールアッセンブリ140のボール141、並びに第3ボールアッセンブリ180のボール181で減速した回転に変換して出力したが、ギア機構を用いて減速する構成であってもよい。
また、減速ユニット100を入力した回転を減速してロックユニット300に伝達するために、ロックユニット300と組付けて減速ロックユニット2を構成したが、例えば、同じ構成を用いて、ナット等の締め付けるものに転用してもよい。これにより、小さな力で回転入力するだけで、トルクアップされて確実に螺入出することができる。
減速ユニット100におけるインナースリーブ110のカム溝113をロックユニット300の構成の一部として用いたが、カム溝113を有する別部材をロックユニット300に備えて構成してもよい。
1…チャック装置
2…減速ロックユニット
40…チャックボディユニット
40a…センター孔
48…ジョー
100…減速ユニット
110…インナースリーブ
113…カム溝
117…ネジ溝
130…ロックリング
133…前側リング
135,162…外凸環状係合溝
135a,162a…外凸円弧溝
141,181…ボール
160…偏心リング
162…外凸環状係合溝
162a…外凸円弧溝
163,191…内凸環状係合溝
163a,191a…内凸円弧溝
190…出力リング
200…アウターリング
202…第2収容凹部
210…押付リング
300…ロックユニット
320…ラバーリング
330…ベアリングカバー
335…噛合ギア
360…ナットリング
380…ロックカバー
384…噛合ギア
R…締付方向
L…軸心

Claims (8)

  1. 軸心上に配置された回転出力体、回転固定体、及び回転入力体を備えるとともに、
    前記軸心に対して偏心回転する偏心回転体と、
    該回転入力体から入力された入力回転によって前記偏心回転体を前記偏心回転する偏心回転手段と、
    該偏心回転体の偏心回転を、前記入力回転に対して変速した該偏心回転体の変速自転回転に変換する回転変速変換手段と、
    該回転変速変換手段によって自転回転しながら偏心回転する前記偏心回転体の変速自転回転を変速して、前記回転出力体における同軸心上の回転に変換して伝達する回転変速変換伝達手段とを備えた
    回転変速構造体。
  2. 前記回転出力体、前記回転固定体、前記回転入力体、及び前記偏心回転体をリング状に形成するとともに、
    前記偏心回転手段を、前記回転入力体における前記軸心に対して偏心した位置において、前記偏心回転体の自転回転可能な嵌合を許容する偏心嵌合凹部で構成し、
    前記回転変速変換手段を、
    リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転固定体との対向面に介在し、
    入力された前記偏心回転体の偏心回転力を、前記偏心回転体の変速自転回転力に変速変換して出力する回転変速変換機構で構成するとともに、
    回転変速変換伝達手段を、
    リング状の前記偏心回転体と、リング状の前記回転出力体との対向面に介在し、
    偏心回転及び自転回転する前記偏心回転体から入力された自転回転力を、偏心回転を吸収しながら変速して、前記回転出力体に伝達する回転変速変換伝達機構で構成した
    請求項1に記載の回転変速構造体。
  3. 前記回転変速変換機構及び前記回転変速変換伝達機構を、
    前記偏心回転体及び前記回転出力体の対向面、並びに前記偏心回転体及び前記回転固定体の対向面のそれぞれに形成した環状の係合溝と、係合溝に係合する複数の係合体とで構成し、
    該係合溝を
    前記対向面のうち一方面において、径外方向に凸な外凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した外凸環状係合溝と、
    前記対向面のうち他方面において、径内方向に凸な内凸円弧溝を周方向に連続して環状に配置した内凸環状係合溝とで構成し、
    前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数を異ならせ、
    前記係合体を、前記外凸円弧溝の配置数と内凸円弧溝の配置数とを平均数備えた
    請求項2に記載の回転変速構造体。
  4. 前記係合溝と前記係合体との係合状態における前記軸心方向の係合力を向上させる係合力向上手段を備えた
    請求項3に記載の回転変速構造体。
  5. 前記係合体を、球体で構成した
    請求項3または4に記載の回転変速構造体。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の回転変速構造体と、
    前記回転変速構造体における前記回転出力体からの一回転方向の回転を許容するが、他回転方向の回転をロックする回転ロック手段とで構成する
    回転ロック変速構造体。
  7. 前記回転ロック手段に、
    所定条件に達することによって当該回転ロック手段におけるロックの作動を切り替える作動切替手段を備えた
    請求項6に記載の回転ロック変速構造体。
  8. 前記軸心上で回転可能な駆動軸を有する駆動装置に装着するチャック装置であって、
    前記軸心上に配置され、先端側に回転治具の基軸の挿入を許容する軸孔を有する略円筒状のチャック本体と、
    前記軸孔に連絡して前記チャック本体に対して移動可能に配置された複数のチャック爪と、
    前記チャック本体に回動可能に保持されるとともに、前記チャック本体に対する螺合によって前記複数のチャック爪を同期して移動させるナットリングとを備え、
    前記ナットリングに前記回転出力体を連結する態様で請求項6の回転ロック変速構造体を装着した
    チャック装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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