JP5669177B2 - EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びに発光増強剤 - Google Patents

EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びに発光増強剤 Download PDF

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本発明は、EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びに発光増強剤に関する。
3価ユーロピウム(EuIII)化合物は赤色発光材料として自発型ディスプレイ、高演色性発光灯等に用いられている。EuIII化合物としては、例えば、酸化イットリウム等によって賦活化されたEuIII等の無機化合物が従来から用いられているが、近年注目されている有機EL素子等においては発光層が樹脂等の有機媒体からなるため、このような無機化合物は発光層に対する相溶性が十分ではなかった。そこで、EuIIIに有機化合物が配位してなるEuIII錯体が開発されており、例えば、EuIIIにβ−ジケトン(L)が配位してなるトリスβ−ジケトナトEuIII錯体([EuL])が知られているが、[EuL]は発光強度が十分ではなかった。
また、[EuL]にさらに配位子(X)が配位してなる[EuL(X)](Xが二座配位子の場合)若しくは[EuL(X](Xが単座配位子の場合)についても開発がなされており、例えば、「Polyhedron」、2007年、26、1229−1238頁(非特許文献1)には、[EuL]にさらに配位子として2,4,6−トリ(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン(TPTZ)が配位してなるEu(TTA)TPTZ及びEu(BA)TPTZが記載されており、「Molecular Physics」、2003年、vol.101、no.7、1037−1045頁(非特許文献2)には、[EuL]にさらに配位子としてジメチルスルホキシド(DMSO)が配位してなるEu(NTA)DMSOが記載されている。
しかしながら、非特許文献1に記載のEu(TTA)TPTZ、Eu(BA)TPTZ及び非特許文献2に記載のEu(NTA)DMSOにおいても、発光強度は未だ十分ではなく、さらに、樹脂や有機溶媒等の有機媒体に対する相溶性も十分ではないため、樹脂と混合して発光素子に用いると経時によってEuIII錯体又は配位子である有機物が表面に析出するいわゆるブリードアウトが生じるという問題を有していた。
Channa R.De Silva et al.、「Polyhedron」、2007年、26、1229−1238頁 L.D.Carlos et al.、「Molecular Physics」、2003年、vol.101、no.7、1037−1045頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高い発光強度と優れた有機媒体への相溶性とを有する発光性EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びにトリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対する発光増強剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体にさらに特定の有機酸アニオンを配位してなるEuIII錯イオンと、該EuIII錯イオンの対カチオンとしての第4級アンモニウムカチオンとからなるEuIII錯塩が高い発光強度及び優れた有機媒体への相溶性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の発光性EuIII錯塩は、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体及び該錯体に配位している有機酸アニオンからなるEuIII錯イオンと、第4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
[式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とするものである。
また、本発明の発光増強剤は、トリスβ―ジケトナトEu III 錯体に対する発光増強剤であり、有機酸アニオンと第4級アンモニウムカチオンとを含有し、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
[式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の発光素子は、前記本発明の発光性EuIII錯塩を含有する発光層を備えることを特徴とするものである。
本発明において、前記第4級アンモニウムカチオンとしては、下記一般式(4)〜(5):
[式(4)中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(5)中、R10、R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、R12は炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基を示す。]
で表わされる第4級アンモニウムカチオンのうち少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体におけるβ−ジケトンとしては、下記一般式(6):
[式(6)中、R13、R14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−C(CH、−CF、−CFCF及び−(CFCFからなる群から選択されるいずれか1種を示す。]
で表わされるβ−ジケトンを用いることが好ましい。
なお、本発明によって高い発光強度が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の発光性EuIII錯塩においては、電荷を有する特定の有機酸アニオンをトリスβ−ジケトナトEuIII錯体にさらに配位させることによって錯体中の配位子場の非対称性が大きくなり高い発光強度を得ることが可能となるのに対して、従来の電荷を持たないDMSO等の配位子をトリスβ−ジケトナトEuIII錯体にさらに配位させてなるEuIII錯体においては、錯体中の配位子場の非対称性が本発明に比べて小さいため、高い発光強度が得られないと本発明者らは推察する。
本発明によれば、高い発光強度と優れた有機媒体への相溶性とを有する発光性EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びにトリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対する発光増強剤を提供することが可能となる。
実施例1〜3で得られたEuIII錯塩の励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。 比較例1で得られたEuIII錯体の励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。 比較例2で得られたEuIII錯体の励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。 実施例7で得られたEuIII錯塩の各有機酸塩濃度における発光スペクトルのピーク強度を示すグラフである。 実施例8で得られたEuIII錯塩の各有機酸塩濃度における発光スペクトルのピーク強度を示すグラフである。 実施例9で得られたEuIII錯塩の各有機酸塩濃度における発光スペクトルのピーク強度を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の発光性EuIII錯塩について説明する。本発明の発光性EuIII錯塩は、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体及び該錯体に配位している有機酸アニオンからなるEuIII錯イオンと、第4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
[式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とするものである。
本発明にかかるトリスβ−ジケトナトEuIII錯体は、中心金属としての3価ユーロピウム(EuIII)1分子に対して、配位子としてのβ−ジケトンが3分子配位してなる錯体である。前記β−ジケトンとは、下記一般式(7):
で表わされるβ−ジケトン構造を分子中に少なくとも1つ有し、酸素原子を介してEuIIIに2箇所で配位する二座配位子である。このようなβ−ジケトンとしては、発光性EuIII錯塩の発光強度がより向上する傾向にあるという観点から、下記一般式(6):
[式(6)中、R13、R14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−C(CH、−CF、−CFCF及び−(CFCFからなる群から選択されるいずれか1種を示す。]
で表わされるβ−ジケトンであることが好ましい。このようなβ−ジケトンとしては、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン;1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタジオン;2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン等が挙げられ、これらのβ−ジケトンの中でも、発光性EuIII錯塩の発光強度が特に向上する傾向にあるという観点から、下記式(8);
で表わされる1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオンが特に好ましい。
本発明にかかる有機酸アニオンは、前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体にさらに配位するアニオンであり、下記一般式(1)〜(3):
[式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種である。
本発明において、一般式(1)〜(3)で表わされる有機酸アニオンはそれぞれ前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対して1モル当量で配位し、前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体と前記有機酸アニオンとからなるEuIII錯イオンを形成する。このときの配位原子は、前記一般式(1)〜(2)で表わされる有機酸アニオンにおいては酸素原子であり、前記一般式(3)で表わされる有機酸アニオンにおいては窒素原子である。本発明にかかる有機酸アニオンが前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体にさらに配位することにより、本発明の発光性EuIII錯塩は高い発光強度を有する。
前記一般式(1)〜(2)中のR1、R2、R3、R4は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基である。このような脂肪族炭化水素基の炭素数が前記下限未満では、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下し、また、有機酸アニオンと第4級アンモニウムカチオンとが有機酸塩となった際の結晶性が高くなるために樹脂との相溶性が低くなる。他方、炭素数が前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下し、また、有機酸アニオンの分子量が大きくなるために系内のEuIIIの含有率が低下する。また、このような脂肪族炭化水素基の炭素数としては、同様の観点で、より高い効果が得られる傾向にあることから8であることがより好ましい。
また、前記一般式(1)〜(2)中の前記脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽和炭化水素基であっても脂肪族不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、ブチル基、ブテニル基、ペンチル基、ペンテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプチル基、ヘプテニル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、オクテニル基、ノニル基、ノネニル基、デシル基、デセニル基等が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素基の中でも、2−エチルヘキシル基、オクチル基、3−オクテニル基が好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
前記一般式(3)中のRは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基である。このような炭化水素基の炭素数が前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する。また、前記一般式(3)中の前記炭化水素基としては、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、エチレン基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基等が挙げられる。このようなRとしては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
このような有機酸アニオンの中でも、発光性EuIII錯塩の発光強度がより向上するという観点から、前記一般式(2)及び前記一般式(3)で表わされる有機酸アニオンが好ましく、前記一般式(2)で表わされる有機酸アニオンとしては、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸及びジオクチルリン酸がより好ましく、前記一般式(3)で表わされる有機酸アニオンとしては、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチルべンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾールがより好ましい。また、発光性EuIII錯塩の空気中での安定性及び水に対する安定性がより向上し、発光がより長時間持続するという観点からは、1H−ベンゾトリアゾールが特に好ましい。これらの有機酸アニオンとしては、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、下記の第4級アンモニウムカチオンとの有機酸塩として用いてもよい。
本発明にかかる第4級アンモニウムカチオンは、前記EuIII錯イオンの対カチオンである。本発明の発光性EuIII錯塩は、前記EuIII錯イオンの対カチオンとして前記第4級アンモニウムカチオンを備えることにより有機溶媒や樹脂等の有機媒体への優れた相溶性を有する。このような第4級アンモニウムカチオンとしては、発光性EuIII錯塩の有機媒体への相溶性がより優れる傾向にあるという観点から、下記一般式(4)〜(5):
[式(4)中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(5)中、R10、R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、R12は炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基を示す。]
で表わされる第4級アンモニウムカチオンのうち少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記一般式(4)中のRは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。このような炭化水素基の炭素数が前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する。また、前記一般式(4)中のRとして選択され得る脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽和炭化水素基であっても脂肪族不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、エチレン基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ブテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、ペンテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプチル基、ヘプテニル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、オクテニル基、ノニル基、ノネニル基、デシル基、デセニル基等が挙げられる。
前記一般式(4)中のR、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10(より好ましくは4〜8)の脂肪族炭化水素基である。このような脂肪族炭化水素基の炭素数が前記下限未満では、発光性EuIII錯塩の樹脂や有機溶媒等の有機媒体に対する相溶性が低下し、他方、前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する。また、前記一般式(4)中のR、R及びRとして選択され得る脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽和炭化水素基であっても脂肪族不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、前記一般式(4)中のRとして選択され得る脂肪族炭化水素基として挙げたものの中で炭素数が4〜10のものが挙げられる。
前記一般式(5)中のR10、R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。このような脂肪族炭化水素基の炭素数が前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する。また、前記一般式(5)中のR10又はR11として選択され得る脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽和炭化水素基であっても脂肪族不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、エチレン基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素基の中でも、メチル基が好ましい。
前記一般式(5)中のR12は、炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基である。このような脂肪族炭化水素基の炭素数が前記下限未満では、発光性EuIII錯塩の樹脂や有機溶媒等の有機媒体に対する相溶性が低下し、他方、前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する。また、前記一般式(5)中のR12として選択され得る脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽和炭化水素基であっても脂肪族不飽和炭化水素基であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、デシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基等が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素基の中でも、ドデシル基、テトラデシル基が好ましい。
このような第4級アンモニウムカチオンとしては、発光性EuIII錯塩の樹脂や有機溶媒等の有機媒体に対する相溶性がより向上するという観点から、テトラオクチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムが好ましい。さらに、これらの中でも、発光性EuIII錯塩の空気中での安定性及び水に対する安定性がより向上し、発光がより長時間持続するという観点から、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムが特に好ましい。また、このような第4級アンモニウムカチオンとしては、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、前記有機酸アニオンとの有機酸塩として用いてもよい。
本発明の発光性EuIII錯塩の合成方法は特に制限されず、例えば、先ず前記有機酸アニオンと前記第4級アンモニウムカチオンとからなる有機酸塩及びトリスβ−ジケトナトEuIII錯体をそれぞれ合成し、得られた有機酸塩とトリスβ−ジケトナトEuIII錯体とを溶媒中で混合する方法が挙げられる。
前記有機酸塩を合成する方法としては、例えば、前記有機酸アニオンと、前記有機酸アニオンに対して0.5〜1.5モル当量の前記第4級アンモニウムカチオンとを水溶液中に溶解して得られた溶液を、20〜80℃程度で1時間〜10日間程度放置して水相と油相に分相せしめた後、回収した油相を常圧又は減圧下、90〜110℃で1〜4時間乾燥せしめることで有機酸塩を得る方法が挙げられる。
また、前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体を合成する方法としては、例えば、先ず溶媒中に3価のユーロピウムからなる化合物を溶解せしめ、次いで前記ユーロピウムに対して3モル当量のβ−ジケトンを滴下して得られた溶液を室温(25℃程度)にて24時間攪拌することにより、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体の白色結晶を前記溶液中に得る方法が挙げられる。前記3価のユーロピウムからなる化合物としては、特に制限されず、酢酸ユーロピウム(Eu(CHCOO))、塩化ユーロピウム(EuCl)、硝酸ユーロピウム(Eu(NO)、炭酸ユーロピウム(Eu(CO)、シュウ酸ユーロピウム(Eu(C)、硫酸ユーロピウム(Eu(SO)等が挙げられる。また、前記溶媒としては、水、アルコール、酢酸エチル、アセトン等が挙げられる。
有機酸塩とトリスβ−ジケトナトEuIII錯体とを溶媒中で混合する方法としては、特に制限されず、本発明においては、溶媒中で混合するだけで容易に本発明の発光性EuIII錯塩を得ることができる。前記溶媒としては、水及び有機溶媒が挙げられ、前記有機溶媒としては、メタノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、前記有機酸塩がより溶解し易い傾向にあるという観点から、有機溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒としては、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、樹脂を含有する樹脂溶液であってもよく、また、酸化防止剤や可塑剤等の添加剤をさらに含有していてもよい。
本発明の発光性EuIII錯塩において、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対して配位する有機酸アニオンは1モル当量であるが、本発明においては、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対して有機酸アニオンを過剰に添加することも可能である。このような有機酸アニオンのトリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対する添加量としては、0.9〜4.0モル当量であることが好ましい。有機酸アニオンの添加量が前記下限未満では、発光性EuIII錯塩の発光強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、例えば、有機酸塩とトリスβ−ジケトナトEuIII錯体とを樹脂溶液中で混合して本発明の発光性EuIII錯塩を得る場合、錯塩を形成しない有機酸塩の濃度が高くなって樹脂の透明性や樹脂強度等に悪影響を及ぼす傾向にある。
本発明の発光性EuIII錯塩において、前記第4級アンモニウムカチオンの添加量としては、発光性EuIII錯塩の樹脂や有機溶媒等の有機媒体に対する相溶性がより向上するという観点から、第4級アンモニウムカチオンがモノカチオンである場合には前記有機酸アニオンに対して0.5〜1.5モル当量であることが好ましい。
次に、本発明の発光増強剤について説明する。本発明の発光増強剤は、有機酸アニオンと第4級アンモニウムカチオンとを含有し、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
[式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とするものである。本発明の発光増強剤は前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体と前記本発明のEuIII錯塩を形成することにより、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体の発光強度を高める。
本発明にかかる有機酸アニオン及び第4級アンモニウムカチオンとしては、前記本発明の発光性EuIII錯塩において有機酸アニオン及び第4級アンモニウムカチオンとして挙げたものと同様のものをそれぞれ用いることができる。
本発明の発光増強剤としては、前記有機酸アニオンと前記第4級アンモニウムカチオンとを含有していればよく、特に制限されないが、前記有機酸アニオンと前記第4級アンモニウムカチオンとからなる有機酸塩を含有していることが好ましい。発光増強剤がこのような有機酸塩を含有している場合には、各種有機溶媒や樹脂に対する相溶性がより優れる傾向にあり、また、有機酸塩は難揮発性の塩であるため加熱による昇華が起こりにくくなる傾向にある。そのため、例えばトリスβ−ジケトナトEuIII錯体及び本発明の発光増強剤を含有する発光素子を製造する場合、発光性EuIII錯塩の単離等の工程を要することなく、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体及び本発明の発光増強剤を樹脂溶液中で混合することで容易に発光強度が高い発光性EuIII錯塩を得ることができ、また、前記有機酸塩はブリードアウトしにくく、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対して過剰に添加することもできるため厳密な添加量の制御が不要となる。よって、発光素子の製造工程を簡略化することができる。
このような有機酸塩としては、固体状であっても液体状であってもよく、有機溶媒に溶解していてもよい。前記有機溶媒としては、メタノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサン等が挙げられる。
本発明の発光増強剤の製造方法としては、特に制限されず、例えば、前記本発明の発光性EuIII錯塩において有機酸塩を合成する方法として挙げた方法と同様の方法を用いることができる。本発明の発光増強剤において、有機酸アニオンに対する第4級アンモニウムカチオンの添加量としては、前記本発明の発光性EuIII錯塩において述べたとおりである。
次に、本発明の発光素子について説明する。本発明の発光素子は、前記本発明の発光性EuIII錯塩を含有する発光層を備えることを特徴とするものである。このような高い発光強度と優れた有機媒体への相溶性とを有する本発明の発光性EuIII錯塩を含有することにより、本発明の発光素子は高い発光強度を有すると共に透明性の高い優れた外観を有する。
前記発光層は、前記本発明の発光性EuIII錯塩と基材としての透明な樹脂とを含有する。このような樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、塩素含有ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。前記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。前記塩素含有ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。前記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及びこれらの重合体又は共重合体等が挙げられる。前記スチレン樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。前記ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂としては、PET樹脂、PEN樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、より透明性が優れる傾向にあるという観点並びに工業的な量産性、耐久性、コスト及び加工適性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ボリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。
本発明にかかる発光層において、前記発光性EuIII錯塩の含有量は特に制限されないが、前記樹脂に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。発光性EuIII錯塩の割合が前記下限未満では、発光素子の発光強度が十分に得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、発光性EuIII錯塩がブリードアウトする傾向にある。
本発明にかかる発光層としては、前記樹脂及び前記発光性EuIII錯塩の他にさらに酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。また、本発明の発光素子の構造としては、特に制限されず、本発明にかかる発光層を備えていればよく、公知の発光素子の構造を適宜採用することができる。
本発明の発光素子の製造方法としては、特に制限されず、例えば、前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体と、前記有機酸アニオン及び前記第4級アンモニウムカチオンからなる有機酸塩と、前記樹脂とを溶媒中で混合して溶解せしめ、得られた組成物を成形して発光層を形成し、本発明の発光素子を得る方法が挙げられる。
前記溶媒としては、前記本発明の発光性EuIII錯塩の製造方法において有機酸塩とトリスβ−ジケトナトEuIII錯体とを混合する際に用いる有機溶媒として挙げたものと同様のものを用いることができ、混合方法としては、前述のとおりである。また、前記成形方法としては、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ベンジルジメチルドデシルアンモニウムジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸(BzBEHS)の合成>
塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム0.02mol(6.8g)とジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム0.02mol(8.89g)とを容量200mlのビーカーの中でアセトン25mlと純水25mlとの混合溶媒に溶解せしめて混合溶液(反応液)を得た。得られた反応液を大気中にて室温(25℃)で7日間放置して水相と油相とに分相せしめ、次いで、60℃の熱風乾燥炉中で4時間放置してアセトンを完全に揮発せしめた後、分液ロートで水相を除去して油相を得た。得られた油相を純水100mlで3回洗浄した後に減圧下(約40mmHg)、90℃で4時間減圧乾燥を施し液状化合物としてBzBEHSを得た。収率は95質量%であった。
<べンジルジメチルドデシルアンモニウムベンゾトリアゾール(BzBTA)の
合成>
塩化べンジルジメチルドデシルアンモニウム0.2mol(60.8g)、1H−べンゾトリアゾール0.2mol(23.6g)及び水酸化ナトリウム0.2mol(8g)を純水500mlに加えた混合溶液(反応液)を固形分が認められなくなるまで70℃で加熱しながら攪拌した。攪拌を停止して反応液を油相と水相とに分相せしめ、室温に冷却して固体状の油相を得た。この固体状の油相を取り出し、80℃で24時間乾燥した後に100mlのヘキサンに溶解してから室温に冷却しBzBTAの結晶を得た。収率は96質量%であった。
<ベンジルジメチルドデシルアンモニウムジ(2−エチルヘキシル)リン酸(BzBEHP)の合成>
臭化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム0.2mol(76.9g)とジ(2−エチルヘキシル)リン酸0.2mol(64.4g)とを容量500mlのビーカーの中で混合・攪拌した後、1mol/lの炭酸ナトリウム水溶液200mlを攪拌しながら少量ずつ添加した。得られた混合溶液(反応液)を大気中にて温度25℃で1日間放置して水相と油相とに分相せしめ、分液ロートで水相を除去して油相を得た。得られた油相を1mol/lの炭酸ナトリウム水溶液200mlで洗い、次いで、純水200mlで3回洗浄した後に減圧下(約40mmHg)、90℃で4時間減圧乾燥を施し液状化合物としてBzBEHPを得た。収率は93質量%であった。
<テトラオクチルアンモニウムべンゾトリアゾール(TOABTA)の合成>
臭化テトラオクチルアンモニウム0.2mol(109.2g)、1H−べンゾトリアゾール0.2mol(23.6g)及び水酸化ナトリウム0.2mol(8g)を純水500mlに加えた混合溶液(反応液)を固形分が認められなくなるまで70℃で加熱しながら攪拌した。攪拌を停止して反応液を油相と水相とに分相せしめ、分液ロートで水相を除去して油相を得た。得られた油相を1mol/lの炭酸ナトリウム水溶液500mlで洗い、次いで、純水500mlで3回洗浄した後に減圧下(約40mmHg)、90℃で4時間減圧乾燥を施し高粘度液状化合物としてTOABTAを得た。収率は95質量%であった。
<テトラオクチルアンモニウムジ(2−エチルヘキシル)リン酸(TOABEHP)の合成>
1H−べンゾトリアゾールの代わりにジ(2−エチルヘキシル)リン酸0.2mol(64.4g)を用い、水酸化ナトリウムを用いなかったこと以外はTOABTAの合成と同様にして高粘度液状化合物としてTOABEHPを得た。収率は92質量%であった。
<トリオクチルメチルアンモニウムベンゾトリアゾール(TOMABTA)の合成>
臭化テトラオクチルアンモニウムの代わりに臭化トリオクチルメチルアンモニウム0.2mol(89.6g)を用いたこと以外はTOABTAの合成と同様にして高粘度液状化合物としてTOMABTAを得た。収率は96質量%であった。
<ナトリウムべンゾトリアゾール(NaBTA)の合成>
1H−べンゾトリアゾール0.05mol(6g)と水酸化ナトリウム0.05mol(2g)を純水10mlに加え、約18mlの混合溶液(反応液)を得た。得られた反応液を固形分が認められなくなるまで70℃で加熱しながら攪拌し、反応液の体積が約10mlになるまで加熱・攪拌を続けた。その後、反応液を室温で冷却し、10mlのアセトンを加えて得られた白色沈殿をろ過して室温で放置、乾燥せしめ、NaBTA3.6gを得た。
<スペクトルの測定方法>
励起スペクトル及び発光スペクトルは、日立F−4500型分光発光光度計を用いて測定した。1cm角の石英製分光セルを用い、励起側のスリット幅を2.5mm、発光側のスリット幅を1.0mmとした。各実施例及び比較例における励起スペクトルは検出波長を612nmとし、励起光波長を250〜450nmの範囲で変化させて記録した。発光スペクトルは励起波長を330nmとし、発光波長が450〜700nmの範囲で記録し、発光スペクトルのピーク強度を測定した。なお、各測定毎にローダミン101のエタノール溶液(塩酸0.1%)を用いて発光スペクトルを測定し、スペクトル強度の変化がないことを確認しているため、各実施例及び比較例において励起スペクトル及び発光スペクトルの量子化率の補正は行っていない。
(実施例1)
ユーロピウム(III)1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオネート([Eu(FOD)])(アヅマックス(株)製)の酢酸エチル溶液にBzBEHSを添加し、[Eu(FOD)]濃度が0.2mmol/l、BzBEHS濃度が0.2mmol/lの発光性EuIII錯塩の酢酸エチル溶液を得た。また、前記酢酸エチル溶液に代えてそれぞれアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサンを用いたこと以外は前記発光性EuIII錯塩の酢酸エチル溶液と同様にして発光性EuIII錯塩の各溶液をそれぞれ得た。
(実施例2)
BzBEHSに代えてBzBTAを用いたこと以外は実施例1と同様にして発光性EuIII錯塩の各溶液をそれぞれ得た。
(実施例3)
BzBEHSに代えてBzBEHPを用いたこと以外は実施例1と同様にして発光性EuIII錯塩の各溶液をそれぞれ得た。
(実施例4)
BzBEHSに代えてTOABTAを用いたこと以外は実施例1と同様にして発光性EuIII錯塩の各溶液をそれぞれ得た。
(実施例5)
BzBEHSに代えてTOABEHPを用いたこと以外は実施例1と同様にして発光性EuIII錯塩の酢酸エチル溶液を得た。
(実施例6)
BzBEHSに代えてTOMABTAを用いたこと以外は実施例1と同様にして発光性EuIII錯塩の酢酸エチル溶液を得た。
(比較例1)
BzBEHSを加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてEuIII錯体の各溶液をそれぞれ得た。
(比較例2)
BzBEHSに代えてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてDMSOの濃度が0.4mmol/lのEuIII錯体の各溶液をそれぞれ得た。
(比較例3)
BzBEHSに代えてトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてTOPOの濃度が0.4mmol/lのEuIII錯体の各溶液をそれぞれ得た。
(比較例4)
BzBEHSに代えてNaBTAを用いたこと以外は実施例1と同様にしてEuIII錯塩の酢酸エチル溶液を得ようとしたが、NaBTAが酢酸エチルに溶けなかったため、得ることができなかった。
<発光スペクトル特性の評価>
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた溶液について、励起スペクトル及び発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルのピーク強度を表1に示す。また、図1に実施例1〜3で得られたEuIII錯塩、図2に比較例1で得られたEuIII錯体、図3に比較例2で得られたEuIII錯体の各酢酸エチル溶液の励起スペクトル及び発光スペクトルをそれぞれ示す。図1〜3において、左図は励起スペクトルを示し、右図は発光スペクトルを示す。
励起スペクトル及び発光スペクトルの測定では、全ての溶媒において、BzBEHS(図1、実施例1)、BzBTA(図1、実施例2)、BzBEHP(図1、実施例3)、TOABTA(実施例4)、TOABEHP(実施例5)、TOMABTA(実施例6)、DMSO(図3、比較例2)及びTOPO(比較例3)をそれぞれ[Eu(FOD)]に添加しても励起スペクトル及び発光スペクトルのピーク波長はこれらを添加する前の[Eu(FOD)]溶液の波長(図2、比較例1)と比べて変化しないことが確認された。また、表1に示した結果から明らかなように、本発明の発光性EuIII錯塩(実施例1〜6)は、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサンに溶け、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体である[Eu(FOD)](比較例1)よりも高い発光強度を有することが確認された。一方、対カチオンがナトリウムであるEuIII錯塩(比較例4)は酢酸エチルには溶けず、有機媒体への相溶性が劣ることが確認された。また、BTA、BEHPを含む有機酸塩をトリスβ−ジケトナトEuIII錯体に添加して得られた発光性EuIII錯塩(実施例2〜6)はほとんどの溶媒中で高い発光強度を示した。一方、従来の中性配位子であるDMSOや、同じく中性配位子であるTOPOを配位子として有するEuIII錯体(比較例2〜3)は発光強度が劣るものがほとんどであった。
<トリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対する有機酸アニオンの添加量の評価>
(実施例7)
[Eu(FOD)]のヘキサン溶液にBzBEHSを添加し、[Eu(FOD)]濃度が0.2mmol/l、BzBEHS濃度が40、80、120、160、200、240、280、320、360μmol/lの発光性EuIII錯塩のヘキサン溶液を得た。
(実施例8)
ヘキサンに代えて酢酸エチル、BzBEHSに代えてBzBEHPを用いたこと以外は実施例7と同様にして発光性EuIII錯塩の溶液を得た。
(実施例9)
ヘキサンに代えて酢酸エチル、BzBEHSに代えてBzBTAを用いたこと以外は実施例7と同様にして発光性EuIII錯塩の溶液を得た。
実施例7〜9で得られた溶液について、各有機酸塩濃度における発光スペクトルを測定した。得られた結果を図4A〜図4Cに示す。図4A〜図4Cにおいて、発光スペクトルのピーク強度の値(Iem/Iem、)は、発光スペクトルのピーク強度(Iem)と、[Eu(FOD)]濃度が0.2mmol/lの有機酸を含まないヘキサン溶液の発光スペクトルのピーク強度(Iem、)との比として示す。
図4A〜図4Cに示す結果から明らかなように、発光性EuIII錯塩の溶液において有機酸塩濃度が200μmol/l付近でグラフが屈曲点示していることから、有機酸塩(CXA)由来の本発明にかかる有機酸アニオン(XA)とトリスβ−ジケトナトEuIII錯体([Eu(FOD)])とが以下の反応式で示されるように1:1のモル比で反応していることが確認された。
反応式:[Eu(FOD)]+CXA → C+[Eu(FOD)XA]
また、これらの有機酸塩が[Eu(FOD)]に対して1モル当量を超えて過剰に添加されていても発光スペクトルのピーク強度がほとんど減少しないことから、有機酸塩を過剰に添加しても発光強度に悪影響を及ぼしにくいことが確認された。
<発光性EuIII錯塩の安定性評価>
(実施例10)
水とアセトニトリルとの混合比(質量比)が1:9である溶媒中に[Eu(FOD)]及びBzBTAを添加し、[Eu(FOD)]濃度が0.2mmol/l、BzBTA濃度が0.2mmol/lである発光性EuIII錯塩の溶液を得た。
(比較例5)
BzBTAを加えなかったこと以外は実施例10と同様にしてEuIII錯体の溶液を得た。
(比較例6)
BzBTAに代えてTOPOを用いたこと以外は実施例10と同様にしてEuIII錯体の溶液を得た。
実施例1〜3で得られた溶液について、発光スペクトルを測定した後に空気中において室温で1カ月間放置し、再び発光スペクトルを測定して発光性EuIII錯塩の空気中における安定性を評価した。また、実施例10及び比較例5〜6で得られた溶液について、発光スペクトルを測定した後に空気中において室温で1週間放置し、再び発光スペクトルを測定して水分を含む溶媒中での安定性を評価した。各評価は、先ず、それぞれの溶液について以下の式により発光スペクトルの維持率を算出した。
維持率=1カ月間(又は1週間)放置後の発光スペクトルのピーク強度/放置前の発光スペクトルのピーク強度×100
次いで、得られた各維持率を以下の評価基準に基づいて評価した。得られた結果をそれぞれ表2及び表3に示す。
(安定性の評価基準)
95%以上:A
51〜95%未満:B
50%以下:C
表2に示す結果から明らかなように、本発明の発光性EuIII錯塩(実施例1〜3)は空気中で1ヶ月間放置しても安定性を維持できることが確認された。さらに、表3に示す結果から明らかなように、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体にBzBTAを添加して得られた本発明の発光性EuIII錯塩(実施例10)は水が混入した溶媒中でも安定性を維持できることが確認された。一方、トリスβ−ジケトナトEuIII錯体のみ(比較例5)及び中性配位子であるTOPOを配位子として有するEuIII錯体(比較例6)は水が混入した溶媒中で安定性を維持できないことが確認された。
<樹脂中における発光特性及び相溶性の評価>
(実施例11)
ポリビニルブチラール(PVB)0.4gと[Eu(FOD)]4mgとをテトラヒドロフラン40mlに溶解せしめ、次いで、BzBEHS8mgを添加して溶解せしめた。この溶液を内径76mmのシャーレに注ぎ、室温にて4時間乾燥後、さらに120℃にて30分間乾燥せしめ、発光性EuIII錯塩を含むPVBフィルムを得た。
(実施例12)
BzBEHSに代えてBzBTAを用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(実施例13)
BzBEHSに代えてBzBEHPを用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(実施例14)
BzBEHSに代えてTOABTAを用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(比較例7)
BzBEHSを加えなかったこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(比較例8)
BzBEHSに代えてTOPOを用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(比較例9)
BzBEHSに代えて1H−ベンゾトリアゾール(HBTA)を用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(比較例10)
BzBEHSに代えてジ(2−エチルヘキシル)リン酸(HBEHP)を用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得た。
(比較例11)
BzBEHSに代えてNaBTAを用いたこと以外は実施例11と同様にしてPVBフィルムを得ようとしたが、NaBTAがテトラヒドロフランに溶けなかったため、得ることができなかった。
実施例11〜14及び比較例7〜11で得られたPVBフィルムに対して、紫外線ランプで365nmの光を照射して発光強度を観察した。発光強度は比較例7で得られたPVBフィルムの発光強度を基準として以下の評価基準により評価した。得られた結果を表4に示す。
(発光強度の評価基準)
A:比較例7で得られたPVBフィルムよりも発光強度が高い
B:比較例7で得られたPVBフィルムと同程度の発光強度
C:比較例7で得られたPVBフィルムよりも発光強度が低い
また、実施例11〜14及び比較例7〜11で得られたPVBフィルムについて、フィルムの外観を以下の評価基準により評価した。得られた結果を前記発光強度の評価結果と併せて表4に示す。
(フィルム外観の評価基準)
A:フィルムが透明である
B:フィルム表面の一部にまだらに吹き出しが観察される
C:フィルム表面の全体にわたって白濁が観察される。
表4に示す結果から明らかなように、実施例11〜14のPVBフィルムにおいて、BzBEHS(実施例11)、BzBTA(実施例12)、BzBEHP(実施例13)、TOABTA(実施例14)の添加量が[Eu(FOD)]に対して1モル当量以上であったにも拘わらず、フィルムの外観は透明でブリードアウトは認められなかった。さらに、実施例11〜14のPVBフィルムにおいては比較例7のPVBフィルムよりも明瞭な赤の発光が観察され、発光強度が十分に高いことが確認された。一方、比較例8〜11のPVBフィルムは、発光強度及び/又は樹脂への相溶性が劣るものであった。
以上説明したように、本発明によれば、高い発光強度と優れた有機媒体への相溶性とを有する発光性EuIII錯塩及びそれを用いた発光素子、並びにトリスβ−ジケトナトEuIII錯体に対する発光増強剤を提供することが可能となる。
また、本発明の発光性EuIII錯塩及びトリスβ−ジケトナトEuIII錯体の発光増強剤は優れた有機媒体への相溶性を有すると共に、加熱による昇華がおこりにくく、また、水や空気に対する安定性に優れるため、容易に透明性及び発光強度が高く且つ高い発光強度が持続する発光素子を製造することができ、非常に有用である。

Claims (6)

  1. トリスβ−ジケトナトEuIII錯体及び該錯体に配位している有機酸アニオンからなるEuIII錯イオンと、第4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
    [式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
    で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とする発光性EuIII錯塩。
  2. 前記第4級アンモニウムカチオンが下記一般式(4)〜(5):
    [式(4)中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(5)中、R10、R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、R12は炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基を示す。]
    で表わされる第4級アンモニウムカチオンのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の発光性EuIII錯塩。
  3. 前記トリスβ−ジケトナトEuIII錯体におけるβ−ジケトンが、下記一般式(6):
    [式(6)中、R13、R14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−C(CH、−CF、−CFCF及び−(CFCFからなる群から選択されるいずれか1種を示す。]
    で表わされるβ−ジケトンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光性EuIII錯塩。
  4. 有機酸アニオンと第4級アンモニウムカチオンとを含有し、且つ、前記有機酸アニオンが下記一般式(1)〜(3):
    [式(1)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(2)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示す。]
    で表わされる有機酸アニオンのうちの少なくとも1種であることを特徴とするトリスβ―ジケトナトEu III 錯体に対する発光増強剤。
  5. 前記第4級アンモニウムカチオンが下記一般式(4)〜(5):
    [式(4)中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜10の脂肪族炭化水素基を示す。]
    [式(5)中、R10、R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を示し、R12は炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基を示す。]
    で表わされる第4級アンモニウムカチオンのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のトリスβ―ジケトナトEu III 錯体に対する発光増強剤。
  6. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発光性EuIII錯塩を含有する発光層を備えることを特徴とする発光素子。
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