JP5668483B2 - ロール状記録媒体 - Google Patents
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Description
媒体を芯に固着したロール状長尺媒体として、例えば特許文献1では長尺フィルムを両面テープで巻き芯に直接固着しているものが開示され、特許文献2では長尺インクフィルムが芯に直接熱溶着または両面テープで固着させたものが開示されている。
記録媒体を芯に固着したロール状記録媒体としては、例えば特許文献3にあるように熱可塑性樹脂でできた記録媒体を芯に直接熱溶着しているものがある。
この場合、固着するための粘着性物質、特に粘着テープの糊材が付着したままプリンター内を搬送されることになり、この粘着部分が装置内の部材に粘着して搬送不良を起こしたり、糊を付着させて装置の運動部分の動きを悪くする問題があった。
また、搬送駆動力で固着部分をはがすので、この固着部分において突然に駆動抵抗が大きくなり、駆動装置に大きな負担をかけて装置の寿命を短くする問題点もあった。この問題点はインクジェット記録装置に限らず記録媒体に記録する装置であれば起こりうる。
(発明1) 記録媒体を芯に巻きつけてなる記録媒体ロールにおいて、芯の表面に台状盛上り部を備え、記録媒体の芯側の面の末端部に台状盛上り部を備え、
前記芯の台状盛上り部と記録媒体の台状盛上り部は、記録媒体が引き出される方向と反対側の芯の台状盛上り部の側面に、記録媒体の台状盛上り部の側面が面として接して配置され、
前記面として接する芯の台状盛上り部の側面と記録媒体の台状盛上り部の側面を粘着させて固定されていることを特徴とする記録媒体ロール。
前記記録媒体の台状盛上り部が記録媒体側から粘着剤層とシートとを積層させたものであり、該粘着剤層の側面と前記芯の台状盛上り部の側面とを粘着させたものである発明1に記載の記録媒体ロールである。
発明3は、
前記芯の台状盛上り部が芯側から粘着剤層とシートとを積層させたものであり、該粘着剤層の側面と前記記録媒体の台状盛上り部の側面とを粘着させたものである発明1と発明2のいずれかに記載の記録媒体ロールである。
発明4は、
前記芯の台状盛上り部と前記記録媒体の台状盛り上がり部の少なくとも一方を記録媒体の横幅方向に断続的に配置させたものである発明1から3のいずれかに記載の記録媒体ロールである。
発明5は、
前記台状盛上り部を記録媒体の引き出し方向に位置を異ならせて配置させた発明1から4のいずれかに記載の記録媒体ロールである。
発明6は、
前記記録媒体が、芯側の面にセパレーター層を有しており、前記記録媒体の台状盛上り部がセパレーター層の上に設けられている発明1から5のいずれかに記載の記録媒体ロールである。
発明7は、
前記記録媒体がインクジェット記録用媒体である発明1から6のいずれかに記載の記録媒体ロールである。
また、台状盛り上がり部での引っかかりを利用して固定するので粘着剤による粘着面積も小さく、記録媒体が芯から外れるときの衝撃も小さく、駆動部材への衝撃も軽減できる。
図1は、ロール状記録媒体の実施形態の一例を示す図であり、記録媒体2の基材に直接設けた台状盛り上がり部21と芯の台状盛り上がり部11とを粘着して固定した状態を示す模式図である。
図1に示すロール状記録媒体10Aは、記録媒体2を記録面を外側にして芯1に巻きつけて供給する記録媒体ロールであり、芯1の表面には台状盛上り部11が設けられ、記録媒体2の末端部(巻き始め端部)の芯側の面にも台状盛上り部21が設けられている。前記芯の台状盛上り部11と記録媒体の台状盛上り部21は、記録媒体2が引き出される方向と反対の芯の台状盛上り部11の側面に、記録媒体の台状盛上り部21の側面が面として接するように配置され、前記面として接する芯の台状盛上り部11と記録媒体の台状盛上り部21の側面は粘着剤により固定されている。
記録媒体2が巻き取られて使い切るとき、記録媒体2は矢印の方向に引っ張られ、記録媒体の台状盛上り部21は芯の台状盛上り部11から剥ぎ取られ、記録媒体の進行とともに記録装置の記録媒体搬送路の中を移動していく。
粘着可能領域は台状盛り上がり部の側面にのみ存在し、記録媒体の表面には露出しないため、移動中に記録媒体が搬送部材や側面に貼り付く危険がほとんどなくなる。
芯1の外側表面には台状盛上り部11が表面に密着して設けられる。材質は何でもよく、芯に使用される部材でもよい。また粘着剤12をおいてその上にプラスチックなどのシート13を貼り付けてもよい。片面テープを貼り付けると粘着剤12とシート13の積層体が一度の工程で作成できる。
また、片面粘着テープの粘着剤も利用できる。
台状盛り上がり部の粘着剤領域は、図1に示すように、芯の台状盛り上がり部11の側面と記録媒体の台状盛り上がり部21の側面の双方に形成してもよいが、いずれか一方の台状盛り上がり部の側面に形成されていればよい。
芯の台状盛り上がり部11と記録媒体の台状盛り上がり部21の双方に粘着剤領域を形成する場合には、各台状盛り上がり部における粘着能力がある領域が互いに少なくとも一領域は当接するように、粘着剤層の厚みや粘着剤の塗布領域を調整して配置することが好ましい。これにより、双方の粘着能力を生かすことができる。
芯の台状盛り上がり部11及び記録媒体の台状盛り上がり部21の粘着能力領域は、それぞれ、芯1あるいは記録媒体2に対向する上面(頂上台地)や側面の該上面に近い領域(側面頂上部)には存在させないように注意する必要がある。このような形態を作るには上記の片面粘着テープを使用するのが最も有効である。
図2はその一具体例の模式的断面図である。図2において、記録媒体2は、基材2Aと、基材2Aの一方の面に設けられたインク受容層2Bからなる。この記録媒体2のインク受容層2Bがある記録面とは反対の面に剥離層32とセパレーター基材31が設けられる。
セパレーター基材31として厚み50μmのPETフィルムの片面に不揮発分重量比でシリコーン樹脂粘着剤(FS XA−2541、ダウ・コーニング・アジア株式会社製)/シリコーンゴム(シラスコン RTV4086A、ダウ・コーニング・アジア株式会社製)/シリコーンゴム(シラスコン RTV4086B、ダウ・コーニング・アジア株式会社製)=24.8/37.6/37.6に混合し、トルエンを用いて不揮発分30.0%に調整したものをメイヤーバーを用いて乾燥膜厚30μmになるように塗布し、165℃、2時間熱風中で乾燥、キュアさせて、セパレーター基材31に剥離層32を設けてなるセパレーター層3付き記録媒体2を作製した。
このセパレーター付き媒体3を、インク受容層2Bを有する長尺インクジェット記録媒体のインク受容層2Bのある側とは反対の面に貼り付けて、セパレーター層3付き記録媒体2であるロール状記録媒体10Bとした。
(粘着剤の作成)
メチルアクリレート87g、2−ヒドロキシエチルアクリレート13g、2−ブタノン60g、酢酸エチル60gを混合し、60℃、24時間窒素雰囲気下で攪拌した後、エポキシ系樹脂として、アクリロイル基付加クレゾールノボラック樹脂(日本化薬株式会社製、CNA−147) 24g、熱硬化剤として、ザイロック型フェノール樹脂(三井化学株式会社、ミレックスXLC−4L) 5g、硬化促進剤として、イミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PHZ) 0.2g(固形分換算値)を加えて粘着剤とした。
例えば、厚み125μmの粘着剤層と厚み75μmのシートからなる片面粘着テープを、芯の台状盛上り部11および記録媒体の台状盛上り部21として使用すれば、約50μmの長さで固着することになる。
この片面粘着テープはセパレーターを剥がすことにより一緒に記録媒体2から剥がれていく。
Claims (8)
- 記録媒体を芯に巻きつけてなる記録媒体ロールにおいて、芯の表面に台状盛上り部を備え、記録媒体の芯側の面の末端部に台状盛上り部を備え、
前記芯の台状盛上り部と記録媒体の台状盛上り部は、記録媒体が引き出される方向と反対側の芯の台状盛上り部の側面に、記録媒体の台状盛上り部の側面が面として接して配置され、
前記芯の台状盛上り部の前記記録媒体に対向する面と、前記記録媒体の台状盛上り部の前記芯に対向する面は、それぞれ、粘着が可能な面とはなっておらず、
前記面として接する芯の台状盛上り部の前記側面と記録媒体の台状盛上り部の前記側面を粘着させて固定されていることを特徴とする記録媒体ロール。 - 前記記録媒体の台状盛上り部が記録媒体側から粘着剤層とシートとを積層させたものであり、該粘着剤層の側面と前記芯の台状盛上り部の側面とを粘着させたものである請求項1記載の記録媒体ロール。
- 前記芯の台状盛上り部が芯側から粘着剤層とシートとを積層させたものであり、該粘着剤層の側面と前記記録媒体の台状盛上り部の側面とを粘着させたものである請求項1又は2に記載の記録媒体ロール。
- 前記面として接する芯の台状盛上り部の前記側面と記録媒体の台状盛上り部の前記側面の少なくとも一方が、粘着剤の塗布または粘着剤の貼り付けにより粘着が可能な面となっている、請求項1に記載の記録媒体ロール。
- 前記芯の台状盛上り部と前記記録媒体の台状盛り上がり部の少なくとも一方を記録媒体の横幅方向に断続的に配置させた、請求項1から4の何れか一項に記載の記録媒体ロール。
- 前記台状盛上り部を記録媒体の引き出し方向に位置を異ならせて配置させた、請求項1から5の何れか一項に記載の記録媒体ロール。
- 前記記録媒体が、芯側の面にセパレーター層を有しており、前記記録媒体の台状盛上り部がセパレーター層の上に設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録媒体ロール。
- 前記記録媒体がインクジェット記録用媒体である請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録媒体ロール。
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