JP5668347B2 - 屋外装置の吸熱構造 - Google Patents

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本発明は、屋外に設置される屋外装置内の熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造に関し、特に、相変化材料の相変化を利用して熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造に関するものである。
近年、電子部品の冷却に、熱を蓄熱する相変化材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらは、CPU等の電子部品と相変化材料とを熱的に接続し、電子部品が発生する熱を相変化材料で吸熱、すなわち相変化材料の相変化を用いて蓄熱することで、電子部品の冷却を行っている。
特開2004−319658号公報 特開2008−524832号公報
しかしながら、屋外に設置される屋外装置においては、日照等の外部要因によって入射される熱(以下、入射熱量と称す)への対策も必要となり、内部に収納された電子部品の発熱を相変化材料で吸熱して冷却するだけでは不十分であるという問題があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、入射熱量を相変化材料の相変化を用いて吸熱し、屋外筐体内を効率良く冷却することができる屋外装置の吸熱構造を提供することにある。
本発明に係る屋外装置の吸熱構造は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
請求項1記載の屋外装置の吸熱構造は、屋外に設置される屋外装置内の熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造であって、電子機器が配設された機器配設領域と、側板に沿った流路領域と、前記機器配設領域および前記流路領域の鉛直方向上方に位置し、相変化材料が封入されたPCM部材が配設された吸熱領域とを具備し、前記流路領域、前記吸熱領域および前記機器配設領域を気体が循環する循環経路が形成されていることを特徴とする。
さらに、請求項2記載の屋外装置の吸熱構造は、前記吸熱領域に配設された前記PCM部材の最大吸熱量は、想定される入射熱量の最大熱量よりも大きく設定されていることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の屋外装置の吸熱構造は、前記側板は、外側板と内側板との2重構造になっており、前記外側板と前記内側板との間の空間が前記流路領域として機能することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の屋外装置の吸熱構造は、前記PCM部材は、略板状の部材であり、その面が前記流路領域から流入して前記機器配設領域に排出される気体の流れに沿って配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項5記載の屋外装置の吸熱構造は、前記PCM部材は、その面が鉛直面と平行に配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項6記載の屋外装置の吸熱構造は、前記電子機器の発熱を吸熱するPCM部材が前記機器配設領域に配設されていることを特徴とする。
本発明に係る吸熱装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
請求項1記載の吸熱装置は、屋外に設置される屋外装置内の熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造であって、外天板と底板と外側板を備え密閉された屋外筐体と、屋外筐体の内部にあり、内天板と内側板で覆われ電子機器が配設された機器配設領域と、前記内天板は中央に開口を備え、前記外天板と前記内天板の間に位置し、前記開口の周囲に相変化材料が封入されたPCM部材が配設された吸熱領域とを具備し、前記内側板と前記底板とは所定の間隙を持って配置され、前記外側板と前記内側板は側板に沿った流路領域を形成する間隙を有し、入射熱量によって前記流路領域で暖められた気体が前記流路領域から前記吸熱領域に流入し、前記PCM部材によって冷却された気体が前記吸熱領域から前記開口を介して前記機器配設領域に流入し、前記流路領域から前記吸熱領域への気体の排出と前記吸熱領域から前記機器配設領域への気体の流入とに伴う前記流路領域と前記機器配設領域と気圧の差を利用して、前記内側板と前記底板との間隙を通って前記機器配設領域から前記流路領域に気体が流入する循環経路が形成されることを特徴とする。
さらに、請求項2記載の吸熱装置は、前記PCM部材は、略板状の部材であり、その面が前記流路領域から流入して前記機器配設領域に排出される気体の流れに沿って、前記開口に対して放射状に配置されていることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の吸熱装置は、前記内側板は、前記屋外筐体への入射熱量が大きいところのみに配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の吸熱装置は、前記電子機器の発熱を吸熱するPCM部材が前記機器配設領域に配設されていることを特徴とする。
本発明に係る屋外装置の吸熱構造の実施の形態の構成を示す縦断面図である。 図1に示す吸熱領域および流路領域の構成を示す断面斜視図である。 図1に示す吸熱領域の構成を示す断面斜視図である。 図1に示すPCM部材の他の配設例を説明する説明図である。 図1に示す電子機器および吸熱ユニットの構成を示す斜視図である。 図5に示す電子機器および吸熱ユニットにおいて導風路を取り除いた状態を示す斜視図である。 図5に示す吸熱ユニットの構成を示す水平方向から見た内部構成図である。 図1に示す吸熱装置の気体循環経路を説明するための鉛直方向上部から見た横断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
本実施の形態の屋外装置の吸熱構造は、屋外に設置される屋外装置1内の熱を、相変化材料(以下、PCM:phase change materialと称す)の相変化による蓄熱作用を用いて吸熱して、屋外装置1内を冷却するための装置である。なお、PCMは、潜熱蓄熱材とも呼称され、物質の相が変化、例えば物質が固体から液体に相転移するときに必要とされる潜熱を熱エネルギーとして蓄える材料であり、PCMを用いることで、他の動力(エネルギー)を用いることなく、効果的に冷却を行うことができる。PCMとしては、パラフィン類等が用いられ、目標の冷却温度に応じて相変化温度の異なる材料を用いることができる。
屋外装置1は、図1乃至図3を参照すると、底板11と、外天板12と、4枚の外側板13とからなる矩形状の屋外筐体を有し、無停電電源装置等の電子機器3が内部に収納されている。本実施の形態では、矩形状の屋外筐体を採用したが、屋外筐体の形状は、内部に収納する電子機器やデザインに応じて任意に設定することができ、例えば、屋外筐体の形状を円柱状にしたり、外天板12を半球状にしたりしても良い。
外天板12の下方には、屋外装置1の屋外筐体内を上下に仕切る内天板14が配設され、底板11と内天板14との間の領域は、電子機器3が配設される機器配設領域15となり、内天板14と外天板12との間の領域は、PCMが配設され、熱を吸熱することで空気を冷却する吸熱領域16となる。
外側板13の内側には、所定の間隔を置いて内側板17が配設されている。すなわち屋外装置1の屋外筐体の側板は、外側板13と内側板17との2重構造になっており、外側板13と内側板17との間の空間は、側板に沿って形成された流路領域18となる。なお、本実施の形態では、4枚の外側板13のそれぞれに対応して4枚の内側板17を配設するように構成したが、屋外装置1の設置状況に応じて、例えば日光が当たる外側板13のみに内側板17を配設するようにしても良く、また、外側板13の一部のみに対応して内側板17を配設するようにしても良い。さらに、内側板17にメンテナンス用のドアが形成されている場合には、当該ドアと内側板17とを接続し、内側板17がドアと共に開閉されるように構成すると、機器配設領域15へのアクセス性が向上する。
内天板14と外側板13との間には間隙が形成され、内天板14の外縁部において流路領域18と吸熱領域16とが連通している。また、内天板14の中央部分には、開口19が形成され、吸熱領域16と機器配設領域15とを連通している。さらに、内側板17と底板11と間には間隙が形成され、機器配設領域15と流路領域18とが連通している。これにより、流路領域18、吸熱領域16および機器配設領域15を気体が循環する循環経路が形成されることになる。
屋外装置1の屋外筐体外から日照等の要因によって熱、すなわち入射熱量が作用すると、以下に示すメカニズムによって、図1および図3に矢印で示すように、流路領域18、吸熱領域16および機器配設領域15からなる循環経路を循環する気流が発生する。
まず、屋外装置1の屋外筐体に対して入射熱量が作用すると、入射熱量によって、外天板12と内天板14との間隙である吸熱領域16の空気と、外側板13と内側板17との間隙である流路領域18の空気とが暖められる。吸熱領域16で暖められた空気は、吸熱領域16に配設されているPCMによって吸熱されて冷却される。また、暖められた空気は上昇するため、流路領域18で暖められた空気は、内天板14と外側板13との間隙、すなわち内天板14の外縁部から吸熱領域16に暖気として流入する。流路領域18から吸熱領域16に流入した暖気は、吸熱領域16に配設されているPCMによって吸熱されて冷却される。
次に、冷却された空気は下降すると共に、吸熱領域16には、流路領域18から暖気が流入してくるため、PCMによって吸熱されて冷却された空気は、内天板14の中央部分に形成された開口19を通って、吸熱領域16から機器配設領域15に冷気として流入する。
さらに、機器配設領域15では、開口19を通って吸熱領域16から冷気が流入してくるため、気圧が高くなると共にも、流路領域18では、内天板14と外側板13との間隙を通って吸熱領域16に暖気が排出されるため、気圧が低くなる。従って、内側板17と底板11との間隙を通って機器配設領域15から流路領域18に空気が流入して、再び入射熱量によって暖められ、流路領域18、吸熱領域16および機器配設領域15からなる循環経路を循環する気流が形成されることになる。
PCMは、熱伝導性の良い部材、例えばアルミラミネートパック等に封入され、略板状のPCM部材4として吸熱領域16に配設され、流路領域18から流入された暖気は、PCM部材4が配設された吸熱領域16を通ることで、熱がPCM部材4に吸熱されて冷却され、冷却された空気が開口19を通って冷気として機器配設領域15に排出される。
PCM部材4は、吸熱領域16を流れる気流、すなわち内天板14の外縁部から開口19に向かう気流に沿って、すなわちPCM部材4の面が気流を妨げない向きに配設されている。この構成により、吸熱領域16を流れる気流は、PCM部材4の面に吹き付けられることなく、PCM部材4の面に沿って流れることになる。従って、PCM部材4の偏った小面積で集中して吸熱が行われることなく、大面積に分散させて吸熱を行わせることができ、PCM部材4に封入されたPCMを有効に使って吸熱効果を向上させることができる。
また、PCM部材4は、その面を鉛直面に平行に配設すると好適である。すなわち暖気は、上昇する傾向にあるため、PCM部材4を鉛直面に平行に配設することで、上昇する暖気がPCM部材4の面に沿って流れることになり、大面積に分散させて吸熱を行わせることができる。
本実施の形態では、図2および3に示すように、鉛直面(鉛直方向の直線を含む平面)に対して平行な11枚のPCM部材4が面平行に等間隔で並べられており、当該11枚のPCM部材4が正方形の開口19の4辺に対応してそれぞれ設けられ、11枚のPCM部材4は、PCM部材4の面が内天板14の外縁部から開口19に気流に沿うように配設されている。また、内側板17には、流路領域18を上昇して吸熱領域16に流入する暖気を11枚のPCM部材4が配設されている箇所に導くガイド板20が形成されている。従って、流路領域18からの暖気は、PCM部材4が配設されている箇所に流入し、効率よくPCM部材4によって吸熱されて冷却される。さらに、各PCM部材4は、熱伝導性の良い部材、例えばアルミ等の金属で構成され、屋外装置1の屋外筐体や内天板14に熱的に接続されたコの字状のホルダ21によって上下を保持されている。従って、PCM部材4と屋外装置1の屋外筐体とは、ホルダ21を介して熱的に接続されていることになり、PCM部材4に蓄熱された熱を屋外装置1の屋外筐体外に放熱することができる。
なお、PCM部材4は、PCM部材4の面が内天板14の外縁部から開口19に向かう気流に沿うように配設されていれば良く、図4に示すように、放射状に配設しても良い。なお、図4は、図1に示すPCM部材4の他の配設例を説明する説明図であり、鉛直方向上方から内天板14におけるPCM部材4の配設されたパターンを見た図である。この場合には、内天板14の外縁部の全体にPCM部材4が配設されているため、PCM部材4が配設されている箇所に導くガイド板20を設ける必要はない。また、図4に示す例では、同一形状のPCM部材4を配設することで、汎用性を向上させている。
本実施の形態の吸熱領域16では、PCMの相変化による蓄熱作用を用いて入射熱量の吸熱を行っているため、全てのPCMが相変化した後は、入射熱量の吸熱を行うことができなくなってしまい、吸熱できる熱量は、PCMの蓄熱量に左右される。従って、PCM部材4の枚数やPCM部材4に封入するPCM量、すなわち吸熱領域16に配設されたPCM部材4の最大吸熱量は、想定される入射熱量の最大熱量よりも大きく設定され、一過的(過渡的)に作用される入射熱量をPCMに全て吸熱して蓄熱した後、次回に入射熱量が作用されるまでの間に、PCMに蓄熱された熱が自然に放熱されるように構成されている。すなわち、入射熱量が日照を要因としたものだとすると、屋外装置1の設置場所によって最大の日照時間を把握することが必要であり、日照時間が一過的(過渡的)に入射熱量が作用される期間となり、それ以外の時間がPCMに蓄熱された熱を自然に放熱する期間となる。
単位時間当たりの入射熱量に最大の日照時間を乗算した値が想定される入射熱量の最大熱量となり、例えば、単位時間当たりの入射熱量が150(W/h)で、最大の日照時間が2(h)の場合、想定される入射熱量の最大熱量は、300(W)となる。ここで、相変化温度が32℃で吸熱温度範囲が20℃〜40℃の80(W/kg)の蓄熱能力を有するPCMを用いる場合には、少なくとも300(W)/80(W/kg)=3.75(kg)以上のPCMをPCM部材4に封入して吸熱領域16に配設すれば良いことが判る。
機器配設領域15に配設されている電子機器3には、図5および図6を参照すると、電子機器3で発生する熱をPCMの相変化による蓄熱作用を用いて吸熱する吸熱ユニット5と、電子機器3で発生した熱で暖められた空気を吸熱ユニット5に導く導風路6とが取り付けられている。本実施の形態では、電子機器3の横に吸熱ユニット5を並べて配置するように構成したが、電子機器3に対する吸熱ユニット5の配置位置は、任意である。さらに、本実施の形態では、吸熱ユニット5と導風路6とを別体として構成したが、吸熱ユニット5と導風路6とを一体として構成しても良く、電子機器3と吸熱ユニット5とを直接接続するようにしても良い。
電子機器3は、図6を参照すると、機器筐体30内にLSI等の発熱部品が実装された回路基板31が配設され、機器筐体30には、機器外部から取り入れた空気を回路基板31に吹き付けて冷却する冷却ファン7が取り付けられていると共に、回路基板31によって暖められた空気が暖気として排出される暖気排出口32が形成されている。
吸熱ユニット5は、図7を参照すると、熱伝導性の良い部材、例えばアルミ等の金属で構成されたユニット筐体50を有し、ユニット筐体50の対向する側板には、暖気流入口51と、冷気排出口52とが形成されている。電子機器3の暖気排出口32とユニット筐体50の暖気流入口51とを接続する導風路6に導かれて、暖気排出口32を通って電子機器3から排出された暖気が、暖気流入口51を通って吸熱ユニット5内に流入される。なお、本実施の形態では、吸熱ユニット5の筐体が幅の狭い縦長の直方体で構成され、長手方向の対向面の下方側に暖気流入口51と、冷気排出口52とがそれぞれ形成されている。
PCMは、熱伝導性の良い部材、例えばアルミラミネートパック等に封入され、略板状のPCM部材8として暖気流入口51から冷気排出口52に至る流路に配設されている。暖気流入口51から吸熱ユニット5内に流入された暖気は、PCM部材8が配設された領域(以下、PCM領域と称す)を通ることで、熱がPCM部材8に吸熱されて冷却され、冷却された空気(以下、冷気と称す)が冷気排出口52を通って吸熱ユニット5外に排出される。なお、PCM部材8の枚数やPCM部材8に封入するPCM量は、蓄熱する熱量に応じて適宜設定される。
屋外装置1に収納する電子機器3は、無停電電源装置等のように一過的(過渡的)に発熱するタイプの機器であることが望ましい。すなわち、本実施の形態では、PCMの相変化による蓄熱作用を用いて吸熱を行っているため、全てのPCMが相変化した後は、吸熱を行うことができなくなってしまい、吸熱できる熱量は、PCMの蓄熱量に左右される。従って、電子機器3で一過的(過渡的)に発生した総熱量を全て蓄熱できる量のPCMを用い、発生した総熱量をPCMに全て吸熱して蓄熱した後、次回に電子機器3で熱が発生するまでの間に、PCMに蓄熱された熱が自然に放熱されるように構成されている。すなわち、電子機器3の最大の発熱時間を把握することが必要であり、発熱時間が一過的(過渡的)に発生熱量が作用される期間となり、それ以外の時間がPCMに蓄熱された熱を自然に放熱する期間となる。
単位時間当たりの発生熱量に最大の発熱時間を乗算した値が想定される発生熱量の最大熱量となり、例えば、単位時間当たりの発生熱量が200(W/h)で、最大の発熱時間が1(h)の場合、想定される入射熱量の最大熱量は、200(W)となる。ここで、相変化温度が48℃で吸熱温度範囲が30℃〜60℃の95(W/kg)の蓄熱能力を有するPCMを用いる場合には、少なくとも200(W)/95(W/kg)≒2.11(kg)以上のPCMをPCM部材8に封入して吸熱ユニット5に配設すれば良いことが判る。このように、屋外装置1の屋外筐体内をPCMで冷却するに当たり、屋外筐体外から作用する入射熱量と、収納された電子機器3から発生する発生熱量とを分けて考えることにより、それぞれのPCMの使用量を最適化できる。
暖気流入口51から冷気排出口52に至る流路には、PCM領域の下流側に、暖気流入口51から冷気排出口52へ直線的に抜ける気流を防止する遮風部材53が設けられている。これにより、暖気流入口51から流入した暖気が直線的に冷気排出口52から排出されることがないため、暖気流入口51から流入した暖気の吸熱ユニット5内での滞留時間が増加し、PCMが相変化するための反応時間を確保することができる。
また、PCM領域の下流側の、遮風部材53と冷気排出口52との間には、暖気流入口51の断面積Xよりも小さい断面積Yの狭窄流路54が形成されている。狭窄流路54によっても、吸熱ユニット5におけるPCM領域の気圧が高められ、暖気流入口51から流入した暖気の吸熱ユニット5内での滞留時間が増加し、PCMが相変化するための反応時間を確保することができる。なお、狭窄流路54は、吸熱ユニット5におけるPCM領域の下流であれば、どのように形成しても良く、例えば、遮風部材53と上板との間に狭窄流路54を形成するようにしても良い。
本実施の形態では、遮風部材53として、下板から延設されている板状部材が用いられ、暖気流入口51から冷気排出口52に至る流路は、遮風部材53によって鉛直方向にカーブするように構成されている。従って、暖気は、側面の下方側に形成された暖気流入口51から流入し、PCM領域で冷却されながら上方に流れ、遮風部材53を越えた後に、側面の下方側に形成された冷気排出口52に向かうようになり、暖気流入口51から流入した暖気をPCM領域内に拡散させることができる。
PCM部材8は、暖気流入口51から冷気排出口52に至る流路に対して平行になるように配設されている。この構成により、吸熱ユニット5内の気流は、PCM部材8の面に吹き付けられることなく、PCM部材8の面に沿って流れることになる。従って、PCM部材8の偏った小面積で集中して吸熱が行われることなく、大面積に分散させて吸熱を行わせることができ、PCM部材8に封入されたPCMを有効に使って吸熱効果を向上させることができる。
また、PCM部材8は、鉛直面に平行に配設すると好適である。すなわち暖気は、上昇する傾向にあるため、PCM部材8を鉛直面に平行に配設することで、上昇する暖気がPCM部材8の面に沿って流れることになり、大面積に分散させて吸熱を行わせることができる。
本実施の形態では、図7に示すように、鉛直面(鉛直方向の直線を含む平面)に対して平行な4枚のPCM部材8が面平行に等間隔で並べられており、当該4枚のPCM部材8が上下に2段、計8枚のPCM部材8が配設されている。各PCM部材8は、熱伝導性の良い部材、例えばアルミ等の金属で構成され、ユニット筐体50に熱的に接続されたコの字状のホルダ55によって上下を保持されている。従って、PCM部材8とユニット筐体50とは、ホルダ55を介して熱的に接続されていることになり、PCM部材8に蓄熱された熱を吸熱ユニット5外に放熱することができるようになっている。
図8は、電子機器3および吸熱ユニット5を鉛直方向上部から見た横断面図であり、電子機器3と吸熱ユニット5とは、機器配設領域15に収納されるように構成されており、図8を参照すると、吸熱ユニット5の冷気排出口52から排出された冷気は、図8に矢印で示すように、冷却ファン7によって電子機器3内に取り入れられ、回路基板31に吹き付けられる。このように、吸熱ユニット5から排出された空気が電子機器3内に流入すると共に、電子機器3内で暖められた空気が導風路6を通って吸熱ユニット5内に流入する循環気流が、気流発生手段である冷却ファン7によって形成され、空気が熱を搬送する媒体となって電子機器3が冷却されることになる。
なお、吸熱ユニット5の冷気排出口52と電子機器3の冷却ファン7とを近接させて配置することで、吸熱ユニット5の冷気排出口52から排出された冷気を電子機器3内に効率よく取り入れることができる。また、屋外装置1の屋外筐体が完全に密閉されている場合には、熱を搬送する媒体として空気以外の気体を用いることができ、空気よりも熱の搬送効率が良い気体を使用することで、冷却効率を高めることができる。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
本発明に係る屋外装置の吸熱構造は、無停電電源装置等の各種電源装置に限らず、屋外に設置される装置の屋外筐体内を冷却する装置及び方法として利用される。
1 屋外装置
3 電子機器
4 PCM部材
5 吸熱ユニット
6 導風路
7 冷却ファン
8 PCM部材
11 底板
12 外天板
13 外側板
14 内天板
15 機器配設領域
16 吸熱領域
17 内側板
18 流路領域
19 開口
20 ガイド板
22 ホルダ
30 機器筐体
31 回路基板
32 暖気排出口
50 ユニット筐体
51 暖気流入口
52 冷気排出口
53 遮風部材
54 狭窄流路
55 ホルダ

Claims (4)

  1. 屋外に設置される屋外装置内の熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造であって、
    外天板と底板と外側板を備え密閉された屋外筐体と、
    屋外筐体の内部にあり、内天板と内側板で覆われ電子機器が配設された機器配設領域と、
    前記内天板は中央に開口を備え、前記外天板と前記内天板の間に位置し、前記開口の周囲に相変化材料が封入されたPCM部材が配設された吸熱領域とを具備し、
    前記内側板と前記底板とは所定の間隙を持って配置され、
    前記外側板と前記内側板は側板に沿った流路領域を形成する間隙を有し、
    入射熱量によって前記流路領域で暖められた気体が前記流路領域から前記吸熱領域に流入し、前記PCM部材によって冷却された気体が前記吸熱領域から前記開口を介して前記機器配設領域に流入し、前記流路領域から前記吸熱領域への気体の排出と前記吸熱領域から前記機器配設領域への気体の流入とに伴う前記流路領域と前記機器配設領域と気圧の差を利用して、前記内側板と前記底板との間隙を通って前記機器配設領域から前記流路領域に気体が流入する循環経路が形成されることを特徴とする屋外装置の吸熱構造。
  2. 屋外に設置される屋外装置内の熱を吸熱する屋外装置の吸熱構造であって、
    外天板と底板と外側板を備え密閉された屋外筐体と、
    屋外筐体の内部にあり、内天板と内側板で覆われ電子機器が配設された機器配設領域と、
    前記内天板は中央に開口を備え、前記外天板と前記内天板の間に位置し、前記開口の周囲に相変化材料が封入されたPCM部材が配設された吸熱領域とを具備し、
    前記内側板と前記底板とは所定の間隙を持って配置され、
    前記外側板と前記内側板は側板に沿った流路領域を形成する間隙を有し、
    前記吸熱領域から前記開口を介して前記機器配設領域に気体が流入し、前記機器配設領域から前記間隙を介して気体が流出する循環経路が形成され、気体が暖気と冷気による気圧の差を利用して循環し、
    前記PCM部材は、略板状の部材であり、その面が前記流路領域から流入して前記機器配設領域に排出される気体の流れに沿って、前記開口に対して放射状に配置されていることを特徴とする屋外装置の吸熱構造。
  3. 前記内側板は、前記屋外筐体への入射熱量が大きいところのみに配設されていることを特徴とする請求項1乃至2記載の吸熱構造。
  4. 記電子機器の発熱を吸熱するPCM部材が前記機器配設領域に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の屋外装置の吸熱構造。
JP2010161802A 2010-07-16 2010-07-16 屋外装置の吸熱構造 Expired - Fee Related JP5668347B2 (ja)

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