JP5667891B2 - 形状計測方法 - Google Patents
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また、格子の位相シフトを高速に行うことは困難であり、例えば高速で移動する物体の形状を計測することができない点に課題を残していた。
記
記
記
以下、格子投影用光源を構成する光源の数が5つの場合を例に、本発明による形状計測方法の原理について説明するが、5つの光源の場合に限定されないことに注意する。
(基準面を用いない場合)
図1は、本発明による形状計測方法に用いる形状計測装置を示す図である。この形状計測装置1は、等間隔かつ一列に並べられた5つの光源L−2、L−1、L0、L1およびL2からなる格子投影用光源11と、1次元格子が描かれた格子面12aを有する格子プレート12と、撮影手段13とを備える。
ここで、格子投影用光源11の5つの光源L−2、L−1、L0、L1およびL2における両端の光源間の中央位置(すなわち、L0の位置)を原点Oとし、5つの光源を通る方向にX軸を、該X軸に直交する方向に、互いに直交するY軸およびZ軸をとる(以下、LED面からZ軸方向の位置を「高さ」と称する)。計測対象物体21は、Z軸方向に配置される。
なお、原点Oの位置は、光源の数が5以外の場合にも上記と同様の方法、すなわち、4つ以上の光源における両端の光源間の中央位置として規定される。
ここで、Φは位相、agは振幅、bgは背景輝度、xgは格子面12aでのx座標、eは格子面12aの原点E(Φ=0)と点Cとの間の距離である。
まず、5つの光源のうち、中央のL0の点灯により1次元格子が投影された計測対象物体21上の位置S(x,y,z)における輝度I0は、近似的に次式で表される。
ここで、任意の点の輝度は、光源からの距離の自乗に反比例することを考慮している。また、図1に示すように、計測対象物体21上の1点Sには、図1における格子面12a上の1次元格子のG点の影が投影されている。
の関係がある。
光源L1による位置S(x,y,z)における輝度I1は,次のようにして求められる。
すなわち、光源をL0からL1に切り替えたことにより、計測対象物体21に投影される1次元格子の位相(アンラッピングされた位相)は、以下の式(4)で与えられる量だけシフトする。
この位相シフト量Ψは、以下のようにして求められる。すなわち、図1におけるΔL0L1Gと△SAGとが相似であるため、
となる。また、△SAL1と△FGL1とが相似であるため、
となる。式(5)および(6)から、
となる。また、式(4)および(7)から、
となる。こうして、光源をL0からL1に切り替えたときに、計測対象物体21に投影された1次元格子の位相シフト量Ψの値が求められた。この位相シフト量Ψは、zに依存することが分かる。
この式(9)において、
と置き直すと、
となる。
こうして、光源Lnを点灯したときの、位置S(x,y,z)における輝度Inを求めることができた。
なお、計測対象物体21の反射率rを考慮する場合は、aおよびbに反射率rを掛ければよいが、ここでは説明を簡単化するために省略する。
次に、高さzを求めるために、高さzと位相シフト量Ψまたは位相Φとの関係を求める。位相シフト量Ψが求められると、式(8)から、
が得られ、高さzを求めることができる。この場合、等位相線は等高線となっている。
また、式(12)から、
となり、位相Φが求められると、高さzが求められる。この場合、等位相線はxの関数となっており、等高線とはならない。
次いで、本発明による別の形状計測方法について説明する。この形状計測方法は、4つ以上の光源からなる格子投影用光源と、1次元格子を有する格子面を含む、格子投影用光源に平行に配置された格子プレートと、撮影手段であって、該撮影手段のレンズの中心が格子投影用光源を含み格子プレートに平行な光源面上に配置された撮影手段とを備える形状計測装置と、格子面に平行に配置された、基準面を含む基準平板とを用いて計測対象物体の形状を計測する方法であって、4つ以上の光源を順次点灯させて基準面に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、撮影手段により基準面を撮影するステップと、計測対象物体を格子プレートと基準平板との間に配置し、4つ以上の光源を順次点灯させて計測対象物体に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、撮影手段により計測対象物体を撮影するステップと、撮影された基準面の画像および計測対象物体の画像に対して位相解析処理を施して、計測対象物体の形状を求めるステップとを含む。ここで、4つ以上の光源は1次元格子を構成する直線に垂直な方向に等間隔に配置されており、光源面からの距離は、投影された1次元格子の、所定の位置での位相と、レンズ中心と所定の位置とを通る直線と基準面との交点における位相とに依存することを特徴とするものである。
以下、格子投影用光源を構成する光源の数が5つの場合を例に、本発明による別の形状計測方法の原理について説明するが、この場合についても5つの光源の場合に限定されないことに注意する。
この形状計測装置2を用いて、まず、この基準面14aに1次元格子を投影し、その位相ΦR分布を記録し、次いで、基準面14aの前に計測対象物体21を配置し、該計測対象物体21上の点Sにおける、投影された1次元格子の位相ΦSを求める。これにより、撮影手段13の各画素において、基準面14aと計測対象物体21上の点Sとの位相差(ΦS−ΦR)から、zまたは基準面14aからの高さhs=zR−zを求めることができる。以下に、その原理について説明する。
また、△SPOと△GQOとが相似であるため、
となる。式(16)および(17)から、
となる。また、△SPRと△VORとが相似であるため、
となる。式(18)および(19)から、
となる。この式(20)から、高さzは、
となる。
こうして、式(21)から、カメラの画素の基準面14aにおける位相ΦRおよび計測対象物体21上の点Sの位相ΦSから、点Sのz座標を求めることができる。また、等位相差(ΦS−ΦR)線は等高線となる。
続いて、高さzを求めるために必要な、位相Φおよび位相シフト量Ψを求める方法について説明する。
上述のように、従来の位相シフト法が、図1または図2の格子を直接動かすことにより、位相2πを整数Nで割って、全ての位置にて位相を2π/Nずつシフトさせるのに対し、本発明の位相シフト法においては、5つのLEDを順次点灯および消灯させることにより、計測対象物体Oに投影される1次元格子の位相を、式(14)で示される位相シフト量Ψにて等間隔に5回シフトさせる(初期位置を含めて)位相シフトを行う。この位相シフト量Ψは、通常、2πを5等分したものでない。また、式(14)から明らかなように、zの値によって位相シフト量Ψは異なる。こうした本発明の位相シフト法を、「光ステッピング法」と呼ぶことにする。
となる。ここで、未知数はΦ、Ψ、aおよびbの4つであり、これらの式から位相Φのラッピングされた値φおよびΨのラッピングされた値ψは、それぞれ以下の式(27)および(28)のようになる。
これらの式(27)および(28)から、ラッピングされた位相φおよび位相シフト量ψを求めることができる。
なお、式(13)を解くのに、式(22)〜(26)の5つの式を用いたが、未知数の数が4つであるため、この5つの式のうちの4つを用いれば、4つの未知数を求めることができるのは言うまでもない。
ここで、高さzとΨ、Φ、ΦSおよびΦRとの関係について、具体的に調べる。
上記した式(14)、式(15)および式(21)は、位相(および位相シフト量)と高さとの関係を表しており、ΨおよびΦ、または(ΦS−ΦR)が求められれば、これらのいずれかの式を用いて高さzを求めることができる。しかし、実際には、式(27)および式(28)で表されるtanΦ、cosΨ、tanΦSおよびtanΦRとして求まる。これらの位相(および位相シフト量)はラッピングされており、2mπ≦Φ≦2(m+1)πあるいはqπ≦Ψ≦(q+1)πなどに制限されて出力される。ここで、mおよびqは整数である。一般には、m=0およびq=0の場合に制限されている。そこで、tanΦ、cosΨ、tanΦSおよびtanΦRを用いて、これらと高さzとの関係を具体的に求める。
となる。この式(29)を、式(12)に代入してxを消去すると、
が得られる。この式(30)で与えられるzとtanΦとの関係を図5に示す。
一方、図5あるいは図6においては、tanΦあるいは(ΦS−ΦR)が単調増加もしくは単調減少するzの範囲は狭いため、ダイナミックレンジは狭く、分解能が高いと言える。
上記の本発明の形状計測方法に、全空間テーブル化手法を適用することにより、計測対象物体21の形状計測を更に高速に行うことができる(例えば、特開2008−281491参照)。すなわち、図2に示すように、格子面12aに平行に配置された2次元格子が描かれた(または投影された)基準面14aを有する基準平板14を用意し、該基準平板14をZ軸方向に所定の微少量だけ移動させながら基準面14aを撮影し、撮影された画像に対して位相解析処理を施すことにより、撮影手段13の各画素に対して、Ψ、Φおよび(ΦS−ΦR)とzとの関係をテーブルとして予め求めておく。こうして予め用意しておいた各画素に対するテーブルを参照することにより、各画素に対して得られた位相から高さzの値を求めることができる。
また、本発明による形状計測方法では、光源や格子面の配置等に、種々の拘束条件を設けたが、このような基準面14aを用いた位相解析により、5個のLEDの明るさ分布に多少のムラがある場合、点光源が完全な点ではなくて多少の面積がある場合、1次元格子やLEDの間隔が一定ではなく少々異なる場合、撮影手段13のレンズの位置がLED面から少々外れる場合、平行に配置された各構成が平行から多少ずれる場合、および1次元格子の輝度分布が余弦波から多少ずれる場合のように、計測された位相と高さzとの関係が単調に変化して1対1の対応関係がありさえすれば、これらの誤差を打ち消し、計測対象物体21の形状を精度良く求めることができる。
以下、本発明による形状計測の手順について説明する。
まず、図1に示した形状計測装置1を用いて、4つ以上の光源を順次点灯させて、計測対象物体21に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら計測対象物体21を撮影する。
次いで、撮影された画像に対して光ステッピング法により位相解析処理を施して、計測対象物体21の形状を求める。
まず、図2に示した形状計測装置2を用いて、4つ以上の光源を順次点灯させて、基準面14aに投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、撮影手段13により基準面14aを撮影する。
次いで、計測対象物体21を格子プレート12と基準平板14との間に配置し、4つ以上の光源を順次点灯させて計測対象物体21に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、撮影手段13により計測対象物体21を撮影する。
つづいて、撮影された基準面14aの画像および計測対象物体21の画像に対して、光ステッピング法により位相解析処理を施して、計測対象物体21の形状を求める。
上記2つの形状計測方法に対して、位相解析処理に全空間テーブル化手法を適用する場合には、位相と空間座標とを関連づけるテーブルを予め画素毎に作成しておき、該テーブルを参照して、各画素の位相から空間座標(即ち、計測対象物体21上の点Sの座標)を求めるようにする。
11 格子投影用光源
12 格子プレート
12a 格子面
13 撮影手段
14 基準平板
14a 基準面
21 計測対象物体
L―2,L―1,L0,L1,L2 光源
U 撮影装置の画素
V 撮影装置のレンズの中心
Claims (4)
- 4つ以上の光源からなる格子投影用光源と、1次元格子が描かれた格子面を含む、前記格子投影用光源に平行に配置された格子プレートとを備える形状計測装置を用いて計測対象物体の形状を計測する方法であって、
前記4つ以上の光源を順次点灯させて前記計測対象物体に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら前記計測対象物体を撮影するステップと、
前記撮影された画像に対して位相解析処理を施して、前記計測対象物体の形状を求めるステップと、
を含み、前記4つ以上の光源は前記1次元格子を構成する直線に垂直な方向に等間隔に配置されており、前記格子投影用光源を含み前記格子プレートに平行な光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、前記1次元格子の位相シフト量または位相に依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、更に、前記1次元格子を構成する直線に垂直な方向の前記4つ以上の光源間の間隔と、前記1次元格子の周期と、前記光源面と前記格子面との間の距離とに依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離zは、以下の式(A)で与えられることを特徴とする形状計測方法。
記
- 4つ以上の光源からなる格子投影用光源と、1次元格子が描かれた格子面を含む、前記格子投影用光源に平行に配置された格子プレートとを備える形状計測装置を用いて計測対象物体の形状を計測する方法であって、
前記4つ以上の光源を順次点灯させて前記計測対象物体に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら前記計測対象物体を撮影するステップと、
前記撮影された画像に対して位相解析処理を施して、前記計測対象物体の形状を求めるステップと、
を含み、前記4つ以上の光源は前記1次元格子を構成する直線に垂直な方向に等間隔に配置されており、前記格子投影用光源を含み前記格子プレートに平行な光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、前記1次元格子の位相シフト量または位相に依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、更に、前記1次元格子を構成する直線に垂直な方向の前記4つ以上の光源間の間隔と、前記1次元格子の周期と、前記光源面と前記格子面との間の距離とに依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離zは、以下の式(B)で与えられることを特徴とする形状計測方法。
記
- 4つ以上の光源からなる格子投影用光源と、1次元格子を有する格子面を含む、前記格子投影用光源に平行に配置された格子プレートと、撮影手段であって、該撮影手段のレンズの中心が前記格子投影用光源を含み前記格子プレートに平行な光源面上に配置された撮影手段とを備える形状計測装置と、前記格子面に平行に配置された、基準面を含む基準平板とを用いて計測対象物体の形状を計測する方法であって、
前記4つ以上の光源を順次点灯させて前記基準面に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、前記撮影手段により前記基準面を撮影するステップと、
前記計測対象物体を前記格子プレートと前記基準平板との間に配置し、前記4つ以上の光源を順次点灯させて前記計測対象物体に投影される1次元格子の位相をシフトさせながら、前記撮影手段により前記計測対象物体を撮影するステップと、
撮影された前記基準面の画像および前記計測対象物体の画像に対して位相解析処理を施して、前記計測対象物体の形状を求めるステップと、
を含み、前記4つ以上の光源は前記1次元格子を構成する直線に垂直な方向に等間隔に配置されており、前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、投影された前記1次元格子の、前記計測対象物体上の所定の位置での位相と、前記レンズ中心と前記計測対象物体上の所定の位置とを通る直線と前記基準面との交点における位相とに依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離は、更に、前記光源面と前記格子面との間の距離と、前記4つ以上の光源における両端の光源間の中央位置から前記レンズの中心までの距離と、前記光源面と前記基準面との間の距離と、前記1次元格子の周期とに依存し、
前記光源面から前記計測対象物体上の所定の位置までの距離zは、以下の式(C)で与えられることを特徴とする形状計測方法。
記
- 前記位相解析処理は、全空間テーブル化手法に基づいて位相と空間座標とを関連づけるテーブルを予め画素毎に作成しておき、該テーブルを参照して、各画素の位相から空間座標を求めることにより行う、請求項3に記載の形状計測方法。
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