JP5667801B2 - 板壁 - Google Patents

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Description

本発明は、板壁であって、特に木造建築物に有効に適用可能な板壁に関する。
社寺等における伝統的木造建築物は、図9の正面図に示すように、柱1,1と梁3,3に設けられた四周の溝1t,3tにはめ込まれた板壁111を有している。そして、かかる板壁111は、コスト削減等の観点から高価な大判の板材を用いずに、複数枚の帯状の板材115,115…を組み合わせて構成される。詳しくは、これら板材115,115…は、その長手方向を水平方向に揃えながら、互いに隣り合う板材115,115同士が小端(こば)115k,115kにおいて当接されることにより、鉛直方向(上下方向)を整列方向として整列配置されている。そして、各板材115の上端面115uや下端面115dたる前記小端115kにはダボ121,121…が設けられ、これにより、整列方向に隣り合う板材115,115同士の長手方向(図示例では水平方向)の相対移動を規制している(特許文献1を参照)。
特開2000−248640号公報
このような板壁111は、地震時に耐震壁として機能する。よって、建築物の耐震性を高めるには、壁数を増やすことが有効であり、つまり耐震改修方法の一例として、木造建築物の室内に板壁111を増設することが挙げられる。但し、伝統的木造建築物では、開放感等の観点から間仕切りの少ない架構が望まれるところ、壁数が増えると、この要望に応え難くなる。
他方、板壁一枚当たりの耐力を高めることによっても、耐震性を高め得る。そして、これによれば、壁数を増やすこと無く、建築物の耐震性を高めることができる。
そこで、かかる板壁111の耐力につき本願出願人が鋭意検討したところ、板材115,115同士の連結にダボ121を用いずに、板材15,15同士の嵌合(かみ合わせ)構造を用いれば、板壁11の耐力を向上可能なことを知見した。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、板壁の耐力を向上することにより、建物等の耐震性を向上することにある。
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
複数の板材を有する板壁であって、
前記複数の板材は、前記板材の長手方向を鉛直方向及び水平方向のどちらか一方に揃えながら、互いに隣り合う前記板材同士が小端において当接されることにより、前記長手方向と直交する方向を整列方向として整列配置され、
互いに当接する前記小端同士のうちの一方の小端には、凸部が前記小端と一体に形成されているとともに、もう一方の小端には、前記凸部が嵌合する凹部が前記小端と一体に形成されており、
前記凸部と前記凹部との嵌合によって、前記整列方向に隣り合う前記板材同士の前記長手方向の相対移動が規制されるように構成されており、
前記板壁は、一対の鉛直材及び一対の水平材によってその内方に区画される空間に配置され、
前記板材の前記長手方向の両端部には、ほぞが設けられ、
前記板材の長手方向を水平方向に揃えながら複数の前記板材が整列配置される場合には、前記板材の前記長手方向の両端部のほぞが、これらほぞに対応させて前記一対の鉛直材に形成されたほぞ穴に嵌合することにより、前記一対の鉛直材に前記板材が固定され、
前記板材の長手方向を鉛直方向に揃えながら複数の前記板材が整列配置される場合には、前記板材の前記長手方向の両端部のほぞが、これらほぞに対応させて前記一対の水平材に形成されたほぞ穴に嵌合することにより、前記一対の水平材に前記板材が固定されることを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、板材の一方の小端には、凸部が前記小端と一体に形成されている。つまり、板材同士の連結にダボを用いず、板材相互のかみ合わせ(嵌合)により板壁の耐力を高めることができる。
また、板材の長手方向の両端部に設けられたほぞは、対応する鉛直材のほぞ穴又は水平材のほぞ穴に嵌合し、これにより、板材は鉛直材又は水平材に強固に固定される。よって、鉛直材又は水平材と板壁との一体性を高めることができて、板壁に生じる所謂対角線上での圧縮束が早期に破壊しない架構を形成するため、結果、耐震性に優れた板壁を構成可能となる。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の板壁であって、
前記凸部の前記長手方向の長さは、前記整列方向の長さ以上であることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、凸部が更に曲げ変形し難くなり、その結果、板壁の耐力を更に高めることができる。
請求項3に示す発明は、請求項1又は2に記載の板壁であって、
前記板材の厚み方向の前記凸部の長さは、前記板材の厚みと等しいことを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、凸部と凹部とを重ねた状態において、そのうちの一方を他方に対して板材の厚み方向に相対的にスライドすることにより、凸部と凹部とを嵌合させることができる。よって、板材同士を容易に連結することができる。
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の板壁であって、
前記凸部の前記長手方向の一端面及び他端面のうちの少なくとも一方は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが小さくなるようにテーパー面に形成され、
前記テーパー面と、該テーパー面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記整列方向の相対移動が規制されることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、凸部の前記他端面は前記テーパー面に形成されている。よって、当該テーパー面により板材同士は前記整列方向に強固に連結され、同方向に離間し難くなる。これにより、板壁の一体性を高めることができる。
請求項5に示す発明は、請求項4に記載の板壁であって、
前記凸部の前記長手方向の一端面は、前記長手方向と直交する垂直面に形成され、
前記凸部の前記長手方向の他端面は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが小さくなるようにテーパー面に形成され、
前記垂直面及び前記テーパー面と、これら各面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記整列方向の相対移動が規制されることを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、凸部の前記他端面たるテーパー面に基づいて、板材同士は前記整列方向に強固に連結されて板壁の一体性を高めることが可能な一方、凸部の前記一端面の方は、テーパー面ではなく垂直面に形成されているので、凸部と凹部とを嵌合させる際に嵌合させ易くなる。
請求項6に示す発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の板壁であって、
前記凸部の前記長手方向の一端面及び他端面のうちの少なくとも一方は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが大きくなるようにテーパー面に形成されていることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、前記凸部の前記他端面たる上記テーパー面は、当該凸部の基端に向かうに従って同凸部の前記長手方向の長さが大きくなるように形成されている。よって、前記凸部の形状を末広がり形状にすることができて、結果、当該凸部の割れや欠けを有効に防ぐことができる。
請求項7に示す発明は、請求項6に記載の板壁であって、
前記凸部の前記長手方向の一端面は、前記長手方向と直交する垂直面に形成され、
前記凸部の前記長手方向の他端面は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが大きくなるようにテーパー面に形成され、
前記垂直面及び前記テーパー面と、これら各面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記長手方向の相対移動が規制されることを特徴とする。
上記請求項7に示す発明によれば、前記凸部の垂直面及びテーパー面と、これら各面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記長手方向の相対移動を有効に規制することができる。また、前記凸部の前記他端面たる上記テーパー面は、当該凸部の基端に向かうに従って同凸部の前記長手方向の長さが大きくなるように形成されている。よって、前記凸部の形状を末広がり形状にすることができて、結果、当該凸部の割れや欠けを有効に防ぐことができる。
請求項8に示す発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の板壁であって、
前記凸部は、該凸部の周囲の部位が切除されることにより、前記一方の小端に凸設されており、
前記凹部は、該凹部を形成すべき板材が前記凸部に対応する形状に切り欠かれることにより前記もう一方の小端に凹設されていることを特徴とする。
上記請求項8に示す発明によれば、前記凸部は、板材に一体不可分の部材として凸設される。そして、当該凸部は、もう一方の小端に凹設された凹部に嵌合する。よって、板材同士の連結にダボを用いずに済み、せん断力を負担する面積を大きく確保できることで、板壁の耐力を大きく確保することが可能となる。
また、請求項9に示す発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の板壁であって、
前記板材の前記長手方向において、当該板材の前記一方の小端に前記凸部が形成されている位置には前記もう一方の小端にも前記凸部が形成されており、当該板材の前記一方の小端に前記凹部が形成されている位置には前記もう一方の小端にも前記凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、板壁の耐力を向上することにより、建物等の耐震性を高めることができる。
図1Aは、本実施形態に係る板壁11を正面視及び中心縦断面視で示す図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。 板壁11の中央部の拡大正面図である。 板壁11に水平外力が作用した際の、板材15に一体形成された嵌合凸部17の挙動を示す模式図である。 図4A及び図4Bは、実験に用いた試験片11s1,11s2及び試験装置の概略図である。 図5A及び図5Bは、実施例及び比較例の荷重−変位のグラフである。 その他の実施の形態の板壁11の正面図である。 その他の実施の形態の板壁11の正面図である。 図8A及び図8Bは、それぞれ、その他の実施の形態の板壁11の拡大正面図である。 従来(比較例)の板壁111の正面図である。 対角圧縮現象を示す板壁111の正面図である。
===本実施形態===
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る板壁11の説明図である。図1A中の左半部には板壁11を正面視で示し、同右半部には中心縦断面視で示している。また、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
なお、以下では、互いに直交する三方向を、板壁11の壁高方向、壁幅方向、及び壁厚方向とする。ここで、壁高方向は、鉛直方向たる上下方向を向いており、また壁幅方向及び壁厚方向は、それぞれ水平方向を向いている。なお、壁幅方向のことを左右方向とも言い、壁厚方向のことを前後方向とも言う。
また、図1A及び図1B中では、図の錯綜を防ぐ目的で、本来ハッチングで示すべき断面部もハッチング無しで示している。
本実施形態の建物は木造建築物であり、その木造軸組みは、左右一対の柱1,1(鉛直材に相当)と、上下一対の梁3,3(水平材に相当)とを有している。なお、下梁3は地覆でも良い。また、柱1及び梁3は、例えば檜材であるが、これ以外の木材でも良い。そして、柱1と梁3とは、互いの端部1e,3eにおいて、ほぞ及びほぞ穴等の適宜な嵌合構造や込栓4により相対移動不能に連結固定されており、これにより、矩形枠状の木造軸組みの内方には、正面視矩形状の空間が区間されている。
この矩形状の空間には、板壁11が設けられている。板壁11は、複数枚の略長方形の板材15,15…を有する。各板材15は、その長手方向を左右の水平方向に向け且つ幅方向を上下方向に向けながら、上下に隣り合う板材15と小端(こば)15kにおいて当接されており、これにより、前記長手方向と直交する方向たる上下方向を整列方向として各板材15,15…は整列配置されている。
また、各板材15の小端15kたる上端面15u及び下端面15dには、それぞれ嵌合凸部17又は嵌合凹部18が形成されている。そして、その上方及び下方に隣り合う板材15の小端15kには、上記の嵌合凸部17又は嵌合凹部18に対応させて、嵌合凹部18又は嵌合凸部17が形成されており、互いに対応する嵌合凸部17と嵌合凹部18との嵌合によって上下に隣り合う板材15,15同士が順次一体に連結されて全ての板材15,15…が一体化され、これにより全体として一枚の耐震用板壁11として機能する。なお、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の詳細については後述する。
かかる板壁11の各柱1,1への固定は、例えば、ほぞ15h及びほぞ穴1h等の嵌合構造によりなされる。すなわち、各板材15の長手方向たる左右方向の各端部15e,15eには、ほぞ15hが一体に形成されており、これに対応させて、柱1の溝状の大入れ1tの底面には、ほぞ穴1hが形成されている。そして、板材15の左右の各端部15e,15eが柱1の大入れ1tに入った状態で、各端部15e,15eのほぞ15hが大入れ1tの底面のほぞ穴1hに嵌るようになっており、これにより、柱1と板壁11とは鉛直方向のせん断力の伝達が可能な状態に連結される。
同様に、板壁11の各梁3,3への固定も、例えば、ほぞ15h1及びほぞ穴3h等の嵌合構造によりなされる。すなわち、上端の板材15の上端面及び下端の板材15の下端面には、それぞれ、ほぞ15h1が一体に形成されており、これに対応させて、上梁3及び下梁3の各大入れ3t,3tの底面には、それぞれ、ほぞ穴3hが形成されている。そして、上端の板材15の上端面が、上梁3の大入れ3tに入った状態で、同上端面のほぞ15h1が大入れ3tの底面のほぞ穴3hに嵌るとともに、下端の板材15の下端面が、下梁3の大入れ3tに入った状態で、同下端面のほぞ15h1が大入れ3tの底面のほぞ穴3hに嵌るようになっており、これにより、上梁3及び下梁3と板壁11とは水平方向のせん断力の伝達が可能な状態に連結される。
なお、図1Aの例では、上端の板材15と下端の板材15とを除き、それらの間に位置する各板材15,15…の平面形状は、上下方向の一つおきに同形となっている。すなわち、これらの板材15,15…は、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の形状まで考慮すると、2種類の外形形状の板材15に大別される。より詳しくは、上から二つ目、四つ目、六つ目、八つ目の板材15のグループと、上から三つ目、五つ目、七つ目の板材15のグループとの2種類の外形形状に大別される。但し、このように2種類に大別されなくても良い。つまり、板材15,15…は、上下方向の一つおきに同形となっていなくても良く、例えば、板材15の幅寸(図1Aの例では上下方向の長さ)や板厚(図1Bの例では前後方向の長さ)が、板材毎に異なっていても良い。
図2は、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の説明図であり、板壁11の中央部を拡大正面視で示している。
板材15,15同士を一体に連結する嵌合凸部17及び嵌合凹部18は、それぞれ、板材15の小端15kに、板材15の一部として一体不可分に形成されている。すなわち、嵌合凸部17は、その周囲の部位が切除されることにより板材15の小端15kに凸設されており、他方、嵌合凹部18は、板材15の一部が嵌合凸部17の形状に又は相似形状などに切り欠かれることにより小端15kに凹設されている。そして、嵌合凸部17の寸法は、嵌合凹部18と同寸又は若干大きめに形成されており、嵌合時には互いの間に隙間が形成されないようになっている。よって、同嵌合に基づいて、上側の板材15と下側の板材15とが、その長手方向たる水平方向の左右の相対移動を規制された状態に一体化される。そして、かかる嵌合が、上下方向に並ぶ全ての板材15,15…について順次繰り返されることにより、図1Aで既述したように、全ての板材15,15…が連結一体化されて一枚の板壁11をなし、柱1や梁3から入力される地震力等の水平外力を受け止めて木造建築物の耐震性を高めるようになっている。
なお、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の形状は、それぞれ、壁厚方向(図2の紙面を貫通する方向)の全厚に亘る何れの断面においても同形に維持されている。よって、嵌合させる際には、正面視で嵌合凸部17と嵌合凹部18とを互いに重ねた状態において、壁厚方向にスライドさせることにより容易に嵌合させることができる。
ところで、以上のように、本実施形態において板材15,15同士の連結にダボ121(図9)を用いずに、嵌合凸部17及び嵌合凹部18からなる嵌合構造を用いている理由は、板壁11の耐力を向上するためである。以下、詳しく説明する。
図3の本実施形態の嵌合凸部17は、一方の板材15(図3では下側の板材15)に対しては、当該板材15と一体不可分たる板材15の一部になっている。よって、直接板材15,15同士がかみ合うことにより、水平力に対してせん断負担面積を大きく確保することが可能となり、その結果、大きな水平外力の作用下でも上下に隣り合う板材15,15同士は水平方向に相対移動し難くなり、板壁11としての水平耐力が向上する。また板壁11としての面内せん断剛性及び耐力が向上することは、後述の実験によっても確認されている。
また、図2の例では、嵌合凸部17の左右方向の一端面17e1を、左右方向と直交する垂直面に形成し、同方向の他端面17e2を、嵌合凸部17の先端17sから基端17bに向かうに従って嵌合凸部17の左右方向の長さが短くなるように、テーパー面に形成している。そして、このように構成していれば、当該テーパー面17e2によって、板材15,15同士は、前記整列方向に離間不能に強固に連結され、これをもって、板壁11の一体性を高めることができる。一方、嵌合凸部17の一端面17e1の方は、上述の如きテーパー面ではなく垂直面に形成されている。よって、嵌合凸部17と嵌合凹部18とを嵌合させる際に嵌合させ易くなる。
なお、場合によっては、嵌合凸部17の一端面17e1の方も、他端面17e2と逆勾配のテーパー面にしても良く、つまり、互いに逆の傾きのテーパー面を嵌合凸部17の左右方向の両端面17e1,17e2に形成しても良い。この場合、嵌合作業の作業性については、上述の構成より劣ることになるが、板壁11の一体性については、上述よりも高めることができる。
更に、図2の例では、上述のテーパー面17e2を具備した嵌合凸部17と、この嵌合凸部17が嵌合可能な嵌合凹部18との双方が、各小端15kに形成されている。すなわち、小端15kにおいて嵌合凸部17ではない部位が嵌合凹部18となっており、これにより、嵌合凸部17と嵌合凹部18とが左右方向(板材15の長手方向)に交互に所定ピッチPで形成されている。
そして、かかる構成によれば、上述の整列方向に離間不能な嵌合状態が左右方向の全長に亘って確保されるので、板材15,15同士の連結を強固にできて板壁11の一体性を高め得て、結果、板壁11の耐震性のより一層の向上を図れる。
また望ましくは、木材からなる板材15の繊維方向を、板材15の長手方向たる左右方向に沿わせていると良い。そして、このようにすれば、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の圧縮強度や圧縮剛性を、板材15の長手方向たる左右方向に関して高めることができる。すなわち、嵌合凸部17や嵌合凹部18が互いに板材15の繊維方向に圧縮されることで力が伝達されるために初期剛性が高くなる。これにより、水平外力が板壁11に作用した際の嵌合凸部17及び嵌合凹部18の潰れやめり込み等の圧縮変形量の低減を図れ、結果、上下に隣り合う板材15,15同士の左右方向の相対移動を確実に規制することができる。
以上説明してきた嵌合凸部17及び嵌合凹部18による板壁11の水平耐力向上効果を、実験によっても確認しているので、その結果等について以下に説明する。
図4A及び図4Bは、実験に用いた試験片11s1,11s2及び試験装置の概略図である。図4Aには、実施例たる嵌合凸部17及び嵌合凹部18の場合を示し、図4Bには比較例たるダボ121の場合を示している。
図4Aに示す実施例の試験片11s1は、図2の板壁11において二点鎖線の部位を切り出したものに概ね相当する。また、図4Bに示す比較例の試験片11s2も、その外形寸法としては、上述の実施例と同寸である。すなわち、どちらの試験片11s1,11s2も、板材15の長手方向と直交する整列方向に並ぶ三枚の板材15,15,15を有する。
そして、実施例にあっては、整列方向の中央の板材15の両脇に、それぞれ一枚の板材15,15が、嵌合凸部17及び嵌合凹部18によって取り付けられており、他方、比較例にあっては、中央の板材15の両脇に、それぞれ一枚の板材15,15がダボ121を介して取り付けられている。
なお、何れの板材15,15…も、その厚みは全面に亘り47mmの均等厚である。また、嵌合凸部17及び嵌合凹部18の寸法は互いに同寸であり、詳しくは次の通りである。先ず、嵌合凸部17の高さたる上下方向の長さL1は15mmであり、嵌合凸部17の基端17b側の左右方向の長さL2bが177mm、同先端17s側の左右方向の長さL2eが180mmである。そして、このように先端17s側の長さL2eの方を基端17b側の長さL2bよりも長くすることにより、図2に示すように、嵌合凸部17の左右方向の両端面のうちの一方の面17e1を、左右方向と直交した垂直面にしながらも、もう一方の面17e2を、同垂直面から所定勾配(左右方向の長さ:上下方向の長さ=6:15)だけ傾いたテーパー面にしている。
他方、ダボの寸法にあっては、上下方向×左右方向×壁厚方向を、それぞれ60mm×24mm×24mmとしている。
一方、試験装置は、固定ヘッド91,91と可動ヘッド93とを有する。そして、固定ヘッド91,91に、試験片11s1(11s2)の両脇の各板材15,15を固定するとともに、可動ヘッド93の方には中央の板材15を固定した状態で、可動ヘッド93を板材15の長手方向に沿って例えば2mm/分の速度でスライドさせることにより、中央の板材15に対して同方向の荷重を負荷し、その際の荷重値をロードセルで計測しつつ可動ヘッド93のスライド量を計測する。そして、計測された荷重値及びスライド量を、それぞれ、荷重−変位グラフの荷重値及び変位量として同グラフにプロットする。なお、スライド量の最大値は40mmであり、つまり40mmまでスライドさせた後に、除荷した。
図5A及び図5Bに、実施例及び比較例の実験結果をそれぞれ示す。各図とも、左側にはグラフの全体を示すとともに、右側には、初期剛性がわかるようにグラフの初期変位の部分を拡大して示している。また、ここでは、上述の実験を、実施例について3回、比較例については2回行っており、よって、図5Aには3本のグラフが示され、図5Bには2本のグラフが示されている。
また、同実験では、上述の実施形態の内容に対応させて、板壁11の板材15には檜材を用いる一方、比較例のダボ121には、檜よりも堅い白樫を用いている。なお、実施例の嵌合凸部17及び嵌合凹部18は、当然ながら板材15と同じ檜材である。
以下、実験結果について、図5A及び図5Bのグラフを参照しながら説明する。
先ず、各試験片11s1,11s2の耐力であるが、これは、グラフの最初の荷重ピーク値で評価した。そして、図5Aの実施例の場合は、3つのグラフのピーク値の平均値が107.7kNであり、また、図5Bの比較例の場合は、2つのグラフのピーク値の平均値が35.3kNであった。このことから、実施例の試験片11s1は、比較例の試験片11s2よりも格段に高い耐力を示すことがわかる。
ちなみに、図5A及び図5Bの右側の初期剛性のグラフを見ると、実施例の方が比較例よりも初期剛性が格段に高くなっているが、これは、嵌合凸部17が、繊維方向同士の圧縮によって力を伝達するためと推察される。
ここで、図9及び図1Aを参照しながら、本実施形態の板壁11を用いた耐震改修方法について、既存の木造建築物の場合を例に説明する。この耐震改修は、既存の木造建築物を解体修理などする際に一緒に行われる。
先ず、建築物から図9に示す既存の柱1及び梁3を解体する際に、既存の板壁111を柱1及び梁3から外す。すなわち、板壁111を構成する既存の板材115,115…及びダボ121,121…を柱1及び梁3から外す。
次に、予め作成しておいた図1Aの板材15,15…を現場に搬入する。そして、嵌合凸部17と嵌合凹部18とを嵌合することにより板材15,15同士を順次連結していき、板壁11に組み立てる。これにより、連結構造が、ダボ121から、板材15に一体の嵌合凸部17及び嵌合凹部18に変更され、その耐震性が向上される。
そうしたら、修理後の既存の柱1及び梁3を再度軸組みする前に、これら柱1及び梁3の溝状の大入れ1t,3tに、それぞれ複数のほぞ穴1h,1h…,3h,3h…を形成する(図1A)。そして、柱1及び梁3を軸組みする際には、これら柱1及び梁3の各ほぞ穴1h,1h…,3h,3h…に板壁11のほぞ15h,15h…,15h1,15h1…を嵌めて柱1及び梁3に板壁11を取り付け、以上をもって、板壁11の耐震改修化工事が終了する。
ちなみに、上述では、既存の板壁111のみを新しい板壁11に交換し、既存の柱1及び梁3の方はそのまま流用していたが、何等これに限るものではなく、例えば、既存の木造建築物に対して新たに柱1及び梁3を追設し、その追設された柱1及び梁3に対して、本実施形態に係る板壁11を取り付けても良い。
更には、既存の木造建築物ではなく、新築の木造建築物に対して本実施形態の板壁11を適用可能であるのも言うまでもない。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、図1Aに示すように、板壁11の板材15の長手方向を水平方向に揃えていたが、何等これに限るものではない。例えば、図6の板壁11の正面図に示すように、板材15の長手方向を上下方向(鉛直方向)に揃えても良い。そして、この構成によっても、上述と同じ理屈で、板壁11の水平耐力を高めることができて、建築物の耐震性を向上可能となる。すなわち、水平外力F0が板壁11に作用した場合に、図6に示すように、水平外力F0は、板壁11の内力を介して上下方向の剪断力F1に変換されるので、当該剪断力F1によって板材15,15同士が上下方向に相対移動することになるが、この時、この上下方向の相対移動を、嵌合凸部17が嵌合凹部18との嵌合によって規制するので、当該嵌合凸部17は、上述の実施形態と同様の耐力向上効果を奏することができる。
ちなみに、この場合についても、嵌合凸部17の正面視の形状は、せん断負担面積向上等の観点から、板材15の整列方向に平行な方向の長さよりも、板材15の長手方向に平行な方向の長さの方が長い形状に形成されていると良い。すなわち、この場合は、板材15の長手方向が上下方向を向いていることから、嵌合凸部17の形状は、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長く設定されている。
上述の実施形態では、図2に示すように嵌合凸部17の形状は全体として正面視略矩形状であり、且つ左右方向の他端面17e2にテーパー面17e2を有していたが、嵌合凸部17の形状は何等これに限るものではない。例えば、図7に示すように、嵌合凸部17における左右方向の両端面17e3,17e4が、左右方向と直交する垂直面に形成された矩形の嵌合凸部17であっても良いし、更には、正面視で三角形状や台形状の嵌合凸部17であっても良い。なお、これらの場合にも、嵌合凹部18は、嵌合凸部17の形状に対応して、その同形又は相似形状等の凹形状に形成されているのは言うまでもない。
また、場合によっては、図8Aに示すように、嵌合凸部17の他端面17e2のテーパー面を、図2のテーパー面とは逆勾配のテーパー面に形成しても良い。詳しくは、図8Aに示すように、嵌合凸部17の左右方向の一端面17e1を、左右方向と直交する垂直面に形成し、嵌合凸部17の左右方向の他端面17e2を、嵌合凸部17の先端17sから基端17bに向かうに従って嵌合凸部17の左右方向の長さが大きくなるようにテーパー面17e2に形成しても良い。このようにすれば、嵌合凸部17の正面視形状をその基端17b側が広がった形状にできて、当該嵌合凸部17の割れや欠けを有効に防止可能となる。
更に場合によっては、上述のテーパー面17e2に加えて、図8Bに示すように、嵌合凸部17の一端面17e1の方も、上記他端面17e2とは逆勾配のテーパー面にしても良く、つまり、互いに逆の傾きのテーパー面を嵌合凸部17の左右方向の両端面17e1,17e2に形成しても良い。この場合、図8Bの嵌合凸部17の正面視形状は、その基端17b側がより一層広がった形状となり、その結果、当該嵌合凸部17の割れや欠けを、より効果的に抑制可能となる。なお、これら図8A及び図8Bのどちらの場合も、嵌合凹部18は、嵌合凸部17の形状に対応して、その同形又は相似形状等の凹形状に形成されているのは言うまでもない。
上述の実施形態では、建物の架構の柱1や梁3、板壁11に係る板材15を木製としていたが、その素材は何等木材に限るものではない。例えば、コンクリート製や樹脂製、金属製でも良い。
上述の実施形態では、図1Aに示すように、全ての嵌合凸部17,17…の正面視の形状を同形状としていたが、何等これに限るものではなく、嵌合凸部毎に正面視の形状を異ならせても良い。
また、少なくとも一つの嵌合凸部17の長手方向が、板材15の長手方向と平行な方向を向いていれば、それ相応の曲げ剛性の向上効果を奏し得るので、少なくとも一つの嵌合凸部17の長手方向が、板材15の長手方向と平行な方向を向いていれば良い。
但し、図1Aのように全ての嵌合凸部17,17…に関して、板材15の長手方向(図1Aでは左右方向)に係る嵌合凸部17の長さL2が、板材15の整列方向(図1Aでは上下方向)に係る嵌合凸部17の長さL1以上になっている方が、板壁11の耐力をより確実に高めることができることから、好ましいのは言うまでもない。
上述の実施形態では、板材15の厚み方向(つまり、壁厚方向)の嵌合凸部17の長さを、板材15の厚みと同厚にし、これにより嵌合凸部17が板材15の板面から正面方向に露出していたが、何等これに限るものではない。例えば、板材15の厚み方向の嵌合凸部17の長さを、板材15の厚みよりも小さくしても良く、その場合には、板材15の小端15kに嵌合凸部17が埋設され、正面からは、嵌合凸部17が見えなくなる。ちなみに、この場合、嵌合凸部17と嵌合凹部18との嵌合作業の作業性の観点からは、嵌合凸部17の左右方向の両端面を、互いに平行に形成していると良く、つまり、嵌合凸部17の正面形状を、矩形状か或いは平行四辺形状にすると良い。
上述の実施形態では、図1Aに示すように、板材15毎に、その長手方向の両端部15e,15eにほぞ15tを一体に有している板壁11を例示したが、その際、作用効果については述べていなかったので、ここで、その作用効果について説明する。
図9に、比較例の板壁111の正面図を示す。この比較例のように、一般に板壁111に係る板材115,115…は、その長手方向の両端部115e,115eにほぞを有していない。よって、左右一対の柱1,1にあってもほぞ穴は形成されておらず、つまり大入れ1tのみが上下に沿った溝状に形成されている。そして、板材115の長手方向の両端部115e,115eが当該大入れ1tに差し込まれて左右一対の柱1,1に固定されている。また、同様に、上下一対の梁3,3にもほぞ穴が形成されておらず、大入れ3tのみが左右に沿った溝状に形成されており、これに対応して、上端の板材115の上端面115mや下端の板材115の下端面115nもほぞを有しておらず、もって、上端の板材115の上端面115m及び下端の板材115の下端面115nが、それぞれ大入れ3t,3tに差し込まれて上下一対の梁3,3に固定されている。
このような構成において、図10に示すような水平外力Fが作用すると、柱1及び梁3からなる木造軸組は、図10の二点鎖線のように、比較的容易に平行四辺形状に変形してしまう。すなわち、せん断力を受けた軸組内で板全体が四辺でせん断力を伝達することができないため、対角方向に圧縮力を受けて抵抗する際に、対角両端の隅角部に圧縮力が集中しその結果、対角両端の板の繊維に直交方向に横圧縮が発生してつぶれ、対角長さが短くなることによって木造軸組は容易に平行四辺形状に変形してしまう。すると、所謂対角圧縮現象によって、図10に示す木造軸組の四つの内角θ1,θ2,θ3,θ4のうちの鈍角の方の内角θ1,θ3につき、その対角線上に生じている圧縮束の影響により梁材3と柱材1の交点付近に圧縮束からの応力が作用し、これにより、当該部位が破損し易くなる。
これに対して、図1Aの本実施形態の板壁11にあっては、各板材15,15…は、その長手方向たる左右方向の各端部15e,15eにほぞ15tを有しており、これらほぞ15t,15t…に対応させて、左右の各柱1,1の大入れ1tの底面には、ほぞ穴1h,1h…が断続的に形成されている。また、上端の板材15の上端面及び下端の板材15の下端面にも、それぞれ、複数のほぞ15h1,15h1…が断続的に形成されており、これに対応させて、上梁3及び下梁3の各大入れ3t,3tの底面には、それぞれ、複数のほぞ穴3h,3h…が断続的に形成されている。
よって、上述の図10の水平外力Fが作用した際にも、ほぞ15tとほぞ穴1tとの嵌合によって、板材15の両端部15e,15eの柱1,1に対する鉛直方向の応力伝達が可能となるとともに、同じく、ほぞ15h1とほぞ穴3hとの嵌合によって、上端の板材15の上端面と上梁3との水平方向の応力伝達、及び下端の板材15の下端面と下梁3との水平方向の応力伝達が可能となる。これにより、上述の圧縮束の水平方向及び鉛直方向の分力を梁材3及び柱材1に効果的に伝達することが可能となり、水平外力Fの値を図9に示す架構形式よりも大きく設定することができる。その結果、板壁11の面内せん断剛性及び耐力はより向上する。
すなわち、各々の板材15の両端部が柱1にほぞ差しされていることで、鉛直方向のせん断力が伝達され、上下端の板材15が梁3にも前記同様に嵌合されていることにより水平方向のせん断力が伝達される。そのため、従来の板壁111のように、ただ溝1t,3tにはまっているだけだと、筋かいのように対角方向の圧縮力で四周の軸組に力を伝達することになり、両端隅角部の板材15が繊維直交方向につぶれて、剛性・耐力が上がらないという欠点があるが、これを解決して剛性・耐力を向上させることを可能としている。
ちなみに、上述では、耐力の改善効果について、板材15の長手方向を水平方向に揃えながら複数の板材15,15…が上下方向に並んで配置された場合を例に説明したが(図1A)、何等これに限るものではない。すなわち、図6に示すように、板材15の長手方向を上下方向(鉛直方向)に揃えながら複数の板材15,15…が水平方向(左右方向)に並んで配置された場合についても、ほぞ15h1とほぞ穴1hとの嵌合及びほぞ15hとほぞ穴3hとの嵌合によって、耐力が改善されるのは言うまでもない。
1 柱、1e 端部、1h ほぞ穴、1t 大入れ、
3 梁、3e 端部、3h ほぞ穴、3t 大入れ、4 込栓、
11 板壁、11s1 試験片、11s2 試験片、
15 板材、15k 小端、15e 端部、15h ほぞ、15h1 ほぞ、
15u 上端面、15d 下端面、
17 嵌合凸部、
17e1 端面、17e2 端面、17e3 端面、17e4 端面、
17b 基端、17s 先端、
18 嵌合凹部、
91 固定ヘッド、93 可動ヘッド、
111 板壁、115 板材、115k 小端、115m 上端面、115n 下端面、121 ダボ

Claims (9)

  1. 複数の板材を有する板壁であって、
    前記複数の板材は、前記板材の長手方向を鉛直方向及び水平方向のどちらか一方に揃えながら、互いに隣り合う前記板材同士が小端において当接されることにより、前記長手方向と直交する方向を整列方向として整列配置され、
    互いに当接する前記小端同士のうちの一方の小端には、凸部が前記小端と一体に形成されているとともに、もう一方の小端には、前記凸部が嵌合する凹部が前記小端と一体に形成されており、
    前記凸部と前記凹部との嵌合によって、前記整列方向に隣り合う前記板材同士の前記長手方向の相対移動が規制されるように構成されており、
    前記板壁は、一対の鉛直材及び一対の水平材によってその内方に区画される空間に配置され、
    前記板材の前記長手方向の両端部には、ほぞが設けられ、
    前記板材の長手方向を水平方向に揃えながら複数の前記板材が整列配置される場合には、前記板材の前記長手方向の両端部のほぞが、これらほぞに対応させて前記一対の鉛直材に形成されたほぞ穴に嵌合することにより、前記一対の鉛直材に前記板材が固定され、
    前記板材の長手方向を鉛直方向に揃えながら複数の前記板材が整列配置される場合には、前記板材の前記長手方向の両端部のほぞが、これらほぞに対応させて前記一対の水平材に形成されたほぞ穴に嵌合することにより、前記一対の水平材に前記板材が固定されることを特徴とする板壁。
  2. 請求項1に記載の板壁であって、
    前記凸部の前記長手方向の長さは、前記整列方向の長さ以上であることを特徴とする板壁。
  3. 請求項1又は2に記載の板壁であって、
    前記板材の厚み方向の前記凸部の長さは、前記板材の厚みと等しいことを特徴とする板壁。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の板壁であって、
    前記凸部の前記長手方向の一端面及び他端面のうちの少なくとも一方は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが小さくなるようにテーパー面に形成され、
    前記テーパー面と、該テーパー面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記整列方向の相対移動が規制されることを特徴とする板壁。
  5. 請求項4に記載の板壁であって、
    前記凸部の前記長手方向の一端面は、前記長手方向と直交する垂直面に形成され、
    前記凸部の前記長手方向の他端面は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが小さくなるようにテーパー面に形成され、
    前記垂直面及び前記テーパー面と、これら各面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記整列方向の相対移動が規制されることを特徴とする板壁。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の板壁であって、
    前記凸部の前記長手方向の一端面及び他端面のうちの少なくとも一方は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが大きくなるようにテーパー面に形成されていることを特徴とする板壁。
  7. 請求項6に記載の板壁であって、
    前記凸部の前記長手方向の一端面は、前記長手方向と直交する垂直面に形成され、
    前記凸部の前記長手方向の他端面は、前記凸部の基端に向かうに従って前記凸部の前記長手方向の長さが大きくなるようにテーパー面に形成され、
    前記垂直面及び前記テーパー面と、これら各面に対応して形成された前記凹部の面との当接係合によって、隣り合う前記板材同士の前記長手方向の相対移動が規制されることを特徴とする板壁。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の板壁であって、
    前記凸部は、該凸部の周囲の部位が切除されることにより、前記一方の小端に凸設されており、
    前記凹部は、該凹部を形成すべき板材が前記凸部に対応する形状に切り欠かれることにより前記もう一方の小端に凹設されていることを特徴とする板壁。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の板壁であって、
    前記板材の前記長手方向において、当該板材の前記一方の小端に前記凸部が形成されている位置には前記もう一方の小端にも前記凸部が形成されており、当該板材の前記一方の小端に前記凹部が形成されている位置には前記もう一方の小端にも前記凹部が形成されていることを特徴とする板壁。
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