JP5666848B2 - 空孔構造光ファイバの製造方法および加減圧用コネクタ - Google Patents

空孔構造光ファイバの製造方法および加減圧用コネクタ Download PDF

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Description

本発明は、空孔構造光ファイバの製造方法およびこれに用いる加減圧用コネクタに関するものである。
空孔構造を有する空孔構造光ファイバとして、ホーリーファイバ(Holey Fiber:HF)あるいはフォトニッククリスタルファイバ(Photonic Crystal Fiber:PCF)と呼ばれるものや、フォトニックバンドギャップファイバ(Photonic BandGap Fiber:PBGF)や、ホールアシストファイバ(Hole Assisted Fiber:HAF)等がある。
HFとは、コア部の周囲のクラッド部に空孔を規則的に配列してクラッド部の平均屈折率を下げ、全反射の原理を用いて光の伝送を実現するタイプの光ファイバである。また、PBGFは、クラッド部に空孔をフォトニック結晶を形成するように配列してフォトニックバンドギャップを形成し、そこに結晶欠陥としてのコア部を導入して、光の伝送を実現するというタイプの光ファイバである。なお、PBGFは、コア部も空孔により形成される場合がある。また、HAFは、光の閉じ込めは、通常のソリッド型光ファイバと同じく、ゲルマニウム(Ge)などがドープされた中実のコア部とクラッド部とから形成され、全反射の原理で実現するが、クラッド部にさらに空孔を設けてクラッド部の平均屈折率を下げ、コア部への光の閉じ込め特性を向上させたタイプの光ファイバである。
これらの空孔構造光ファイバを製造する方法として以下のようなものがある。まず、母材にドリル装置などで空孔を形成する(特許文献1参照)か、空孔となる石英ガラス管の周囲をガラス材料で充填して(特許文献2参照)、空孔を有する母材を準備する。そして、この空孔を有する母材の空孔もしくは空孔となる石英ガラス管の内圧を制御しつつ線引きを行い、空孔構造光ファイバを製造する(特許文献3参照)。
しかし、特許文献1のようにドリル装置などで空孔を開ける場合には、ドリル装置の構造的な制約から、長さ400mm程度の空孔を開けるのが限界であるため、これよりも長い母材を作製することが困難である。このように、母材の長さが制約されてしまうと、一度に線引きできる空孔構造光ファイバの長さも制約されてしまうため、製造コストの低減が難しくなる。また、特許文献2のように空孔となる石英ガラス管を用いる場合は、その周囲を充填するガラス材料の切削加工等に多大の負荷を要するため、やはり製造コストの低減が難しくなる。
そこで、これらの空孔の長さや切削加工等の負荷等の課題を解決する方法が開示されている(特許文献4、5参照)。この方法は、まず、光ファイバのコア部となる部分と、長手方向の軸にそって延びる少なくとも1つ以上の空孔とを有するガラス棒(空孔形成ガラス棒)を酸水素火炎バーナなどを用いて加熱延伸して長尺化する。つぎに、延伸した空孔形成ガラス棒を、クラッド部と同じ材料のガラス管(クラッド形成用ガラス管)の内部に挿入し、この空孔形成ガラス棒とクラッド形成用ガラス管との隙間を加熱によりうめることで両者を一体化しつつ空孔構造光ファイバに線引きする。
特開2002−145634号公報 特開2003−342032号公報 特開2004−307250号公報 特開2005−022945号公報 特開2005−053756号公報
しかしながら、上述した空孔形成ガラス棒とクラッド形成用ガラス管とを加熱して一体化しつつ空孔構造光ファイバを線引きする方法を用いた場合、製造した空孔構造光ファイバのクラッド部の内部に気泡が残留し、これによって空孔構造光ファイバの長期信頼性が低下する場合があるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、長期信頼性が高い空孔構造光ファイバを製造できる空孔構造光ファイバの製造方法およびこれに用いる加減圧用コネクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、コア部と、前記コア部の外周に形成され、空孔を有するクラッド部とを備える空孔構造光ファイバの製造方法であって、コア部となる領域を有するとともに長手方向に伸びる空孔が形成された空孔形成ガラス棒を、クラッド部の一部を形成するためのクラッド形成用ガラス管の内部に挿入して母材を形成する母材形成工程と、前記形成した母材の前記空孔形成ガラス棒と前記クラッド形成用ガラス管との間に形成された空隙内を減圧するとともに前記空孔内を加圧しながら該母材を加熱し、前記空隙を消滅させながら空孔構造光ファイバを線引きする線引き工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、上記の発明において、前記線引き工程において、前記母材に第一接続部材を嵌合し、前記第一接続部材を外側から押圧して係止し、第一シールリングによって前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と外気との間を遮蔽した状態で、前記空隙と連通するように前記第一接続部材に形成された減圧用連通孔を通して減圧を行なうとともに、前記母材に第二接続部材を嵌合し、前記第二接続部材を外側から押圧して係止し、第二シールリングによって前記第二接続部材と前記母材との間を気密にして前記空孔と外気との間を遮蔽した状態で、前記空孔と連通するように前記第二接続部材に形成された加圧用連通孔を通して加圧を行なう、ことを特徴とする。
また、本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、上記の発明において、前記線引き工程において、前記母材に第一接続部材を嵌合し、前記第一接続部材を外側から押圧して係止し、第一シールリングによって前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と前記空孔との間の気体の流通を遮蔽した状態で、前記空隙と連通するように前記第一接続部材に形成された減圧用連通孔を通して減圧を行なうとともに前記空孔と連通するように前記第一接続部材に形成された加圧用連通孔を通して加圧を行なう、ことを特徴とする。
また、本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、上記の発明において、前記線引き工程において、前記第一および第二接続部材の少なくともいずれか一つに冷却媒体を導入することを特徴とする。
また、本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、上記の発明において、前記空孔形成ガラス棒と前記クラッド形成用ガラス管との間の空隙の平均の幅を5mm以下とすることを特徴とする。
また、本発明に係る加減圧用コネクタは、上記発明のいずれか一つに記載の空孔構造光ファイバの製造方法において用いる加減圧用コネクタであって、前記母材に嵌合させるための嵌合部と、前記空隙と連通するように形成された減圧用連通孔とを有する第一接続部材と、前記第一接続部材を外側から押圧して係止するための第一押圧部材と、前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と外気との間を遮蔽するための第一シールリングと、前記母材に嵌合させるための嵌合部と、前記空孔と連通するように形成された加圧用連通孔とを有する第二接続部材と、前記第二接続部材を外側から押圧して係止するための第二押圧部材と、前記第二接続部材と前記母材との間を気密にして前記空孔と外気との間を遮蔽するための第二シールリングと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る加減圧用コネクタは、上記発明のいずれか一つに記載の空孔構造光ファイバの製造方法において用いる加減圧用コネクタであって、前記母材に嵌合させるための嵌合部と、前記空隙と連通するように形成された減圧用連通孔と、前記空孔と連通するように形成された加圧用連通孔とを有する第一接続部材と、前記第一接続部材を外側から押圧して係止するための第一押圧部材と、前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と前記空孔との間の気体の流通を遮蔽するための第一シールリングと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る加減圧用コネクタは、上記の発明において、前記第一および第二接続部材の少なくともいずれか一つは、冷却媒体を導入する導入路を有することを特徴とする。
本発明によれば、クラッド部の内部に気泡が無い、長期信頼性が高い空孔構造光ファイバを製造できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る製造方法により製造する空孔構造光ファイバの一例の模式的な断面図である。 図2は、実施の形態1に係る空孔構造光ファイバの製造方法のフロー図である。 図3は、準備した空孔形成ガラス棒の模式図である。 図4は、空孔形成ガラス棒の延伸工程を説明する説明図である。 図5は、加圧用ガラス管の溶着工程を説明する説明図である。 図6は、減圧用ガラス管の溶着工程および先端部の形成工程を説明する説明図である。 図7は、クラッド形成用ガラス管への挿入工程を説明する説明図である。 図8は、図7に示す母材のクラッド形成用ガラス管の部分の模式的な断面図である。 図9は、加圧用コネクタ・減圧用コネクタの装着工程および線引き工程を説明する説明図である。 図10は、母材に実施の形態2に係る減圧用コネクタ、加圧用コネクタを装着した状態を示す模式的な断面図である。 図11は、変形例1に係る減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。 図12は、変形例2に係る加圧用コネクタを示す模式的な断面図である。 図13は、変形例3に係る減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。 図14は、図13に示す接続部材のA−A線断面図である。 図15は、変形例4に係る加圧用コネクタを示す模式的な断面図である。 図16は、実施の形態2に係る加減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。 図17は、変形例5に係る加減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る空孔構造光ファイバの製造方法および加減圧用コネクタの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図において、同一または対応する要素には適宜同一符号を付している。
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1に係る空孔構造光ファイバの製造方法について説明する。以下では、まず本実施の形態1に係る製造方法により製造する空孔構造光ファイバの構造を説明し、つぎに本実施の形態1に係る製造方法を説明する。
図1は、本実施の形態1に係る製造方法により製造する空孔構造光ファイバの一例の模式的な断面図である。図1に示すように、この空孔構造光ファイバ1は、ホールアシストファイバ(HAF)であって、コア部1aと、コア部1aの外周に形成されたクラッド部1bとを備える。
コア部1aは、ゲルマニウム(Ge)などの屈折率を高めるためのドーパントが添加された石英系ガラスからなる。クラッド部1bは、コア部1aよりも屈折率が低い石英系ガラス、たとえば屈折率調整用のドーパントを含まない純石英ガラスからなる。また、クラッド部1bは、コア部1aを囲むように形成された、長手方向に沿って伸びる10個の空孔1cを有している。
また、クラッド部1bは、内側領域1baと外側領域1bbとを有する。内側領域1baは、コア部1aとともに、空孔形成ガラス棒から形成された領域である。外側領域1bbは、クラッド形成用ガラス管から形成された領域である。
この空孔構造光ファイバ1は、コア部1aと、空孔1cが形成されて平均屈折率が低減されたクラッド部1bとの屈折率差によって、コア部1aに光を強く閉じ込めて伝送するものである。
ここで、クラッド部1bは、内側領域1baと外側領域1bbとを有するが、従来のように、ガラス棒をクラッド形成用ガラス管の内部に挿入し、このガラス棒とクラット形成用ガラス管とを加熱して一体化しつつ、空孔構造光ファイバに線引する場合に、ガラス棒とクラッド形成用ガラス管との隙間を減圧しない場合は、クラッド部の内側領域と外側領域との境界面に、製造時に気泡が残留し、長期信頼性が低くなる場合がある。
これに対して、この空孔構造光ファイバ1は、以下に説明する本実施の形態1に係る方法によって製造したものであるため、内側領域1baと外側領域1bbとの境界面での気泡の残留が防止される。その結果、空孔構造光ファイバ1は、長期信頼性が高いものとなる。
以下、本実施の形態1に係る空孔構造光ファイバの製造方法について説明する。図2は、本実施の形態1に係る空孔構造光ファイバの製造方法のフロー図である。図2に示すように、本実施の形態1に係る空孔構造光ファイバの製造方法は、空孔形成ガラス棒の準備工程(ステップS101)と、空孔形成ガラス棒の延伸工程(ステップS102)と、加圧用ガラス管の溶着工程(ステップS103)と、減圧用ガラス管の溶着工程(ステップS104)と、先端部の形成工程(ステップS105)と、クラッド形成用ガラス管への挿入工程(ステップS106)と、加圧用コネクタ・減圧用コネクタの装着工程(ステップS107)と、線引き工程(ステップS108)とを含むものである。なお、ステップS101〜S106は母材を形成するための工程であり、ステップS107は線引き工程において加減圧を行うための工程である。
以下、各工程について説明する。なお、各工程において示した数値は例示であり、本実施の形態1はこの数値に限定されるものではない。
(空孔形成ガラス棒の準備工程)
まず、ステップS101の空孔形成ガラス棒の準備工程について説明する。この準備工程では、はじめにたとえばVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法によって、Geを添加した石英からなる多孔質母材を合成する。つぎに、この多孔質母材を塩素含有雰囲気中で脱水・透明ガラス化する。これによって、中心部にGeを含んだコア部1aとなる領域と、その外周に形成された、クラッド部1bの内側領域1baとなる領域とを有するガラス棒を形成する。つぎに、このガラス棒を横型加工旋盤の双方チャックにセットし、チャックを同一周期で回転させつつ移動させて、酸水素火炎バーナにより加熱して外径50mmに延伸し、長さが400mmのコアガラス棒とする。なお、ガラス棒の延伸は酸水素火炎バーナに限らず、電気炉での加熱による方法でも良い。また、ガラス棒の断面屈折率分布形状は略矩形(ステップインデックス)であるが、周辺領域に多少のすそ形状をもたせた疑似矩形(疑似ステップインデックス)やガウス分布形状(屈折率分布係数αが略2であるグレーデッドインデックス)でも良い。つぎに、このガラス棒の所定の位置に長手方向に沿って内径が3mmの空孔を10個、ドリル装置を用いて穿孔加工によって形成し、空孔形成ガラス棒を形成する。なお、本実施の形態1では、空孔は、長手方向の中心軸に垂直な断面において、中心角が等しくなるように配置して形成する。
図3は、準備した空孔形成ガラス棒の模式図である。図3に示すように、この空孔形成ガラス棒2は、クラッド部1bの内側領域1baとなる領域に、長手方向に伸びる空孔2aが10個形成されたものである。なお、コア部1aとなる領域は、空孔形成ガラス棒2の中心であり、空孔2aに囲まれた領域内に位置しているが、図3、およびそれ以降の各図では記載を省略している。
(空孔形成ガラス棒の延伸工程)
つぎに、ステップS102の空孔形成ガラス棒の延伸工程について説明する。図4は、空孔形成ガラス棒の延伸工程を説明する説明図である。はじめに、空孔形成ガラス棒2の両端を横型加工旋盤の双方チャックにセットし、チャックを同一周期で回転させつつ移動させて、酸水素火炎バーナBにて加熱し、空孔形成ガラス棒2を外径が24mmになるよう延伸し、長さを1500mmとする。つぎに、延伸した空孔形成ガラス棒2を、フッ酸水溶液、および硝酸と硫酸とからなる混酸水溶液で洗浄し、乾燥する。
なお、空孔形成ガラス棒2を効率よく延伸するために、空孔形成ガラス棒2の片端もしくは両端に、石英ガラスダミー棒や石英ガラスダミー管を溶着して、それらをチャックにセットしても良い。この場合、空孔形成ガラス棒2の少なくとも片端側では、石英ガラスダミー棒の溶着によって空孔2aを封止しないようにし、石英ガラスダミー管などを用いて空孔2aを外部に開放しておくことが望ましい。空孔形成ガラス棒2の両端で空孔2aを封止状態にすると、封止された空孔2a内の空気が加熱により膨張するため、長手方向で均一な空孔径を得にくくなるため好ましくない。また、空孔2aを外部開放とせずに、空気やAr、Nなどの不活性ガスを、空孔径/ガラス棒外径の変動を考慮した一定圧力で空孔2aに充填しながら、延伸を実施しても良い。
(加圧用ガラス管の溶着工程)
つぎに、ステップS103の加圧用ガラス管の溶着工程について説明する。図5は、加圧用ガラス管の溶着工程を説明する説明図である。この工程では、洗浄、乾燥した空孔形成ガラス棒2の一方の端部に、空孔2aが開放状態となるよう設計した外径24mm、内径18mmの石英ガラスからなる加圧用ガラス管3を溶着する。加圧用ガラス管3の長さに特に制限はない。
(減圧用ガラス管の溶着工程、先端部の形成工程)
つぎに、ステップS104の減圧用ガラス管の溶着工程およびステップS105の先端部の形成工程について説明する。図6は、減圧用ガラス管の溶着工程および先端部の形成工程を説明する説明図である。この工程では、はじめに、内径25mm、外径50mmであり、長さが空孔形成ガラス棒2と同じ1500mmである高純度合成石英ガラスからなるクラッド形成用ガラス管4を準備する。このクラッド形成用ガラス管4は、クラッド部1bの外側領域1bbを形成するためのものである。
つぎに、このクラッド形成用ガラス管4をフッ酸水溶液で洗浄、乾燥した後に、クラッド形成用ガラス管4の一方の端部に、孔4aが開放状態となるように、外径50mm、内径35mmの石英ガラスからなる減圧用ガラス管5を溶着する。減圧用ガラス管5の長さに特に制限はない。
そして、クラッド形成用ガラス管4のもう一方の端部に、石英ガラスからなるダミー棒を溶着し、先端部分を引き伸ばして溶断し、線引き開始時の先端部6を形成する。
上述したように、本実施の形態1では、クラッド形成用ガラス管4に減圧用ガラス管5を溶着している。しかしながら、減圧用ガラス管5を用いずに、クラッド形成用ガラス管4を長くして、空孔形成ガラス棒2の長さよりも長い部分を、減圧用ガラス管5の代わりとして使用することもできる。なお、クラッド形成用ガラス管4は高純度の石英ガラスであることが望ましいが、減圧用ガラス管5はクラッド形成用ガラス管4ほどには高純度である必要がないのでより安価である。したがって、クラッド形成用ガラス管4を長くするよりも、減圧用ガラス管5を用いたほうが製造コストを低減できる。同様に、加圧用ガラス管3を用いずに、空孔形成ガラス棒2を長くしてその一部を加圧用ガラス管3の代わりとして使用することもできるが、それほど高純度でなくてもよい加圧用ガラス管3を用いたほうが製造コストを低減できる。
(クラッド形成用ガラス管への挿入工程)
つぎに、ステップS106のクラッド形成用ガラス管への挿入工程について説明する。図7は、クラッド形成用ガラス管への挿入工程を説明する説明図である。この工程では、図5に示すように加圧用ガラス管3を溶着した空孔形成ガラス棒2を、クラッド形成用ガラス管4の孔4a内に挿入する。これによって、加圧用ガラス管3と減圧用ガラス管5とを備える母材7を形成する。
図8は、図7に示す母材7のクラッド形成用ガラス管4の部分の模式的な断面図である。なお、破線L1は、減圧用ガラス管5の内壁を示している。また、破線L2は、加圧用ガラス管3の内壁を示している。図8に示すように、空孔形成ガラス棒2の空孔2aは、加圧用ガラス管3側において外部に開放されている。
また、上述したように、空孔形成ガラス棒2の外径は24mmであり、クラッド形成用ガラス管4の孔4aの内径は25mmであるため、空孔形成ガラス棒2とクラッド形成用ガラス管4との間には平均の幅が0.5mmの空隙Gが形成されている。なお、この空隙Gの平均の幅は、製造容易性および偏心防止の観点から5mm以下であることが望ましい。
(加圧用コネクタ・減圧用コネクタの装着工程、線引き工程)
つぎに、ステップS107の加圧用コネクタ・減圧用コネクタの装着工程およびステップS108の線引き工程について説明する。図9は、加圧用コネクタ・減圧用コネクタの装着工程および線引き工程を説明する説明図である。この工程では、加減圧用コネクタとして、別体として構成された減圧用コネクタ10および加圧用コネクタ20を用いる。そして、母材7の加圧用ガラス管3を減圧用コネクタ10に挿通して、減圧用ガラス管5に減圧用コネクタ10を嵌合させて係止する。つぎに、加圧用ガラス管3に加圧用コネクタ20を嵌合させて係止する。
つぎに、母材7を公知の線引き炉にセットする。そして、真空ポンプに接続した減圧用コネクタ10の吸気管10aから、母材7の空孔形成ガラス棒2とクラッド形成用ガラス管4との間に形成された空隙G内のガスGAS1を吸気して、空隙G内を減圧する。これとともに、ガス供給管に接続した加圧用コネクタ20の供給管20aから加圧用のガスGAS2を供給して、空孔形成ガラス棒2の空孔2a内を加圧する。なお、加圧用のガスGAS2としては、たとえばAr、Nなどの不活性ガスが好ましい。そして、これらの加減圧とともに、線引き炉のヒータHによって母材7を加熱溶融する。この加熱溶融によって空隙Gを消滅させながら、空孔形成ガラス棒2とクラッド形成用ガラス管4とを溶融一体化して、この一体化した部分から空孔構造光ファイバ1を線引きする。
このように、空隙G内を減圧するとともに空孔2a内を加圧しながら母材7を加熱溶融し、空隙Gを消滅させながら空孔構造光ファイバ1を線引きすることによって、空孔2aの形状を維持しつつ、空隙G内に存在したガスGAS1が気泡として残留することが防止される。その結果、製造した空孔構造光ファイバ1は、クラッド部1bの内側領域1baと外側領域1bbとの境界面で気泡の無い、長期信頼性が高いものとなる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る製造方法によれば、長期信頼性が高い空孔構造光ファイバを製造できる。
(減圧用コネクタ、加圧用コネクタの構成)
つぎに、本発明の実施の形態2として、実施の形態1で用いる減圧用コネクタ10、加圧用コネクタ20の具体的構成の一例について説明する。図10は、母材7に本実施の形態2に係る減圧用コネクタ10、加圧用コネクタ20を装着した状態を示す模式的な断面図である。
はじめに、減圧用コネクタ10について説明する。この減圧用コネクタ10は、接続部材11と、押圧部材としての袋ナット12、13と、シールリング14、15とを備えている。
接続部材11は、減圧用ガラス管5に嵌合させるための嵌合部11aと、吸気管10aに連通するとともに減圧用ガラス管5と加圧用ガラス管3との間の空隙を介して空隙Gと連通するように形成された減圧用連通孔11b、11cと、加圧用ガラス管3を挿通させるための挿通孔11dとを有する。さらに、接続部材11は、袋ナット12、13をそれぞれ螺合するための螺旋部11e、11fと、シールリング14、15をそれぞれ配置するための凹部11g、11hとを有している。また、接続部材11は、外側から加わる力により弾性変形するよう適度な硬度を有する材料、たとえばテフロン(登録商標)を含むプラスティック材料からなることが好ましい。また、接続部材11は、線引き炉や石英ガラス管からの輻射熱や熱伝導により高温になる場合があるため、耐熱性の高い材料、たとえばバイトンなどの高分子化合物材料からなるものとすることがさらに好ましい。
袋ナット12、13は、シールリング14、15を押圧するための円環状突起部12a、13aをそれぞれ有している。なお、袋ナット12、13は、線引き炉や石英ガラス管からの輻射熱や熱伝導により高温になる場合があるため、耐熱性の高い材料からなるものが好ましい。
シールリング14、15は、平板形状である。また、シールリング14、15は、気密性を確保するために、必要な弾性変形や塑性変形を生じ得る程度の材料硬度を備えることが必要である。また、耐熱性の高い材料であることが好ましい。これらを実現できる材料として、テフロン(登録商標)を含むプラスティック材料やバイトン(登録商標)などの高分子化合物材料、あるいはアルミニウムなどの比較的柔らかい金属材料が適用可能である。
この減圧用コネクタ10は、以下のように使用する。まず、接続部材11の凹部11g、11hに、シールリング14、15をそれぞれ配置し、減圧用ガラス管5に接続部材11を嵌合部11aによって嵌合する。つぎに、接続部材11の螺旋部11e、11fに袋ナット12、13をそれぞれ螺合することによって接続部材11を外側から押圧して、減圧用ガラス管5と加圧用ガラス管3とに、接続部材11を係止する。また、袋ナット12、13をそれぞれ螺合することによって、円環状突起部12a、13aがシールリング14、15をそれぞれ押圧する。これによって、シールリング14、15が減圧用ガラス管5、加圧用ガラス管3にそれぞれ密着するので、接続部材11と減圧用ガラス管5との間、および接続部材11と加圧用ガラス管3との間を気密にし、空隙Gと外気との間を遮蔽することができる。そして、減圧用連通孔11b、11cを通して、図9に示すように、真空ポンプに接続した吸気管10aから空隙G内のガスGAS1を吸気することによって、空隙G内を減圧することができる。
なお、この減圧用コネクタ10は、母材の線引きの度に着脱して、何度も使用することが可能である。この場合、減圧用コネクタ10を着脱する度に、袋ナット12、13の円環状突起部12a、13aは押圧と開放による変形を受けるために、形状変形や材質劣化、傷などが発生しやすく、使用するにつれて気密性が十分に保てなくなる可能性がある。そこで、円環状突起部12a、13aの代わりに円環状のスペーサなどの別部材を用いて、このスペーサを交換できるようにしても良い。
つぎに、加圧用コネクタ20について説明する。この加圧用コネクタ20は、接続部材21と、押圧部材としての袋ナット22と、シールリング24とを備えている。
接続部材21は、加圧用ガラス管3に嵌合させるための嵌合部21aと、供給管20aに連通するとともに加圧用ガラス管3を介して空孔2aと連通するように形成された加圧用連通孔21bとを有する。さらに、接続部材21は、袋ナット22を螺合するための螺旋部21eと、シールリング24を配置するための凹部21gとを有している。なお、接続部材21の好ましい材質は、接続部材11と同様である。
袋ナット22は、シールリング24を押圧するための円環状突起部22aを有している。また、シールリング24は平板形状である。なお、袋ナット22、シールリング24の好ましい材質は、それぞれ袋ナット12、シールリング14と同様である。
この加圧用コネクタ20は、以下のように使用する。まず、接続部材21の凹部21gに、シールリング24を配置し、加圧用ガラス管3に接続部材21を嵌合部21aによって嵌合する。つぎに、接続部材21の螺旋部21eに袋ナット22を螺合することによって接続部材21を外側から押圧して、加圧用ガラス管3に接続部材21を係止する。また、袋ナット22を螺合することによって、円環状突起部22aがシールリング24を押圧する。これによって、シールリング24が加圧用ガラス管3に密着するので、接続部材21と加圧用ガラス管3との間を気密にし、空孔2aと外気との間を遮蔽することができる。そして、加圧用連通孔21bを通して、図9に示すように、ガス供給管に接続した供給管20aから空孔2a内にガスGAS2を供給することによって、空孔2a内を加圧することができる。
なお、この加圧用コネクタ20は、母材の線引きの度に着脱して、何度も使用することが可能である。したがって、減圧用コネクタ10の場合と同様に、円環状突起部22aの代わりに円環状のスペーサなどの別部材を用いて、このスペーサを交換できるようにしても良い。
また、本実施の形態では、減圧用コネクタ10と加圧用コネクタ20とを別体にしているので、たとえば空孔形成ガラス棒2とクラッド形成用ガラス管4との中心軸がずれていた場合でも、この軸ずれを調整する調整代があるため、調整が容易である。
(変形例)
つぎに、実施の形態1で用いることができる減圧用コネクタ、加圧用コネクタの変形例について説明する。
(変形例1)
図11は、変形例1に係る減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。この変形例1に係る減圧用コネクタ30は、図10に示す減圧用コネクタ10とは、接続部材31の凹部31g、31hおよびシールリング34、35の形状が相違するので、以下ではその相違点について説明する。
図11に示すように、シールリング34、35は、径方向の外側に向かって厚さが減少している傾斜部を有している。また、凹部31g、31hは、シールリング34、35の形状に合わせて、径方向の外側に向かって深さが減少している傾斜部を有している。これによって、接続部材31に袋ナット12を螺合して、シールリング34を押圧すると、傾斜部においては、シールリング34は凹部31gから、減圧用ガラス管5に押し付ける方向に応力を受ける。したがって、接続部材31と減圧用ガラス管5との気密性を一層高くすることができる。同様に、接続部材31に袋ナット13を螺合すると、シールリング35は凹部31hから、加圧用ガラス管3に押し付ける方向に応力を受けるため、接続部材31と加圧用ガラス管3との気密性を一層高くすることができる。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る加圧用コネクタを示す模式的な断面図である。この変形例2に係る加圧用コネクタ40は、図10に示す加圧用コネクタ20とは、接続部材41の凹部41gおよびシールリング44の形状が相違する。すなわち、図12に示すように、シールリング44は、径方向の外側に向かって厚さが減少している傾斜部を有している。また、凹部41gは、シールリング44の形状に合わせて、径方向の外側に向かって深さが減少している傾斜部を有している。したがって、この加圧用コネクタ40は、変形例1に係る減圧用コネクタ30の場合と同様に、接続部材41に袋ナット22を螺合して、シールリング44を押圧すると、傾斜部においては、シールリング44は凹部41gから加圧用ガラス管3に押し付ける方向に応力を受ける。その結果、接続部材41と加圧用ガラス管3との気密性を一層高くすることができる。
(変形例3)
図13は、変形例3に係る減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。この変形例3に係る減圧用コネクタ50は、図11に示す減圧用コネクタ30とは、接続部材51が冷却媒体を導入する導入路51iを有する点が相違するので、以下ではその相違点について説明する。
図14は、図13に示す接続部材51のA−A線断面図である。図13、14に示すように、この減圧用コネクタ50は、接続部材51が、気体や液体等の冷却媒体を導入する導入路51iと、導入口51j、排出口51kとを有する。この減圧用コネクタ50は、冷却媒体を導入口51jから導入し、導入路51iに流通させ、排出口51kから排出させることによって、線引き炉や石英ガラス管からの輻射熱や熱伝導により接続部材51が温度上昇することが抑制される。その結果、接続部材51やシールリングの熱による変形劣化が抑制される。
(変形例4)
図15は、変形例4に係る加圧用コネクタを示す模式的な断面図である。この変形例4に係る加圧用コネクタ60は、図12に示す加圧用コネクタ40とは、接続部材61が冷却媒体を導入する導入路61iを有する点が相違する。すなわち、図15に示すように、この加圧用コネクタ60は、接続部材61が、冷却媒体を導入する導入路61iと、不図示の導入口、排出口とを有する。したがって、この加圧用コネクタ60は、変形例3に係る減圧用コネクタ50の場合と同様に、冷却媒体を導入路61iに流通させることによって、接続部材61やシールリングの熱による変形劣化が抑制される。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3に係る加減圧用コネクタについて説明する。本実施の形態3に係る加減圧用コネクタは、加圧と減圧を1つのコネクタで行うことができるものである。
図16は、実施の形態2に係る加減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。図16に示すように、この加減圧用コネクタ70は、接続部材71と、押圧部材としての袋ナット72と、シールリング74とを備えている。なお、図16に示すように、加圧用ガラス管3と減圧用ガラス管5とは、その端部がほぼ一致するような長さに設定されているが、一致していなくてもよい。
接続部材71は、減圧用ガラス管5に嵌合させるための嵌合部71aと、吸気管70aに連通するとともに減圧用ガラス管5と加圧用ガラス管3との間の空隙を介して空隙Gと連通するように形成された減圧用連通孔71b、71cと、供給管70bに連通するとともに加圧用ガラス管3を介して空孔2aと連通するように形成された加圧用連通孔71mとを有する。さらに、接続部材71は、袋ナット72をそれぞれ螺合するための螺旋部71eと、シールリング74を配置するための凹部71gとを有している。また、接続部材71の好ましい材質は、実施の形態1の接続部材11と同様である。
シールリング74は、実施の形態1のシールリング14と同様に平板形状である。また、袋ナット72、シールリング74の好ましい材質は、それぞれ実施の形態1の袋ナット12、シールリング14と同様である。
この加減圧用コネクタ70は、以下のように使用する。まず、接続部材71の凹部71gに、シールリング74を配置し、減圧用ガラス管5に接続部材71を嵌合部71aによって嵌合する。つぎに、接続部材71の螺旋部71eに袋ナット72を螺合することによって接続部材71を外側から押圧して、減圧用ガラス管5に接続部材71を係止する。また、袋ナット72を螺合することによって、接続部材71がシールリング74を押圧する。これによって、シールリング74が加圧用ガラス管3に密着するので、接続部材71と加圧用ガラス管3との間を気密にし、空隙Gと空孔2aとの間の気体の流通を遮蔽することができる。そして、減圧用連通孔71b、71cを通して、真空ポンプに接続した吸気管70aから空隙G内のガスGAS1を吸気することによって、空隙G内を減圧することができる。また、これと同時に、加圧用連通孔71mを通して、ガス供給管に接続した供給管70aから空孔2a内にガスGAS2を供給することによって、空孔2a内を加圧することができる。
(変形例5)
図17は、変形例5に係る減圧用コネクタを示す模式的な断面図である。この変形例5に係る加減圧用コネクタ80は、図16に示す加減圧用コネクタ70とは、接続部材81が冷却媒体を導入する導入路81iを有する点が相違する。すなわち、図17に示すように、この加減圧用コネクタ80は、接続部材81が、冷却媒体を導入する導入路81iと、不図示の導入口、排出口とを有する。したがって、この加減圧用コネクタ80は、変形例3に係る減圧用コネクタ50の場合と同様に、冷却媒体を導入路81iに流通させることによって、接続部材81やシールリングの変形劣化が防止される。
なお、上記実施の形態では、製造する空孔構造光ファイバがHAFである場合について説明したが、本発明は他の空孔構造光ファイバの製造にも適用できるものである。
また、上記実施の形態において、接続部材の構造は、母材や加圧、減圧用ガラス管の形状に応じて適宜設計することができる。
また、上記実施の形態において、延伸工程を行わずに、または延伸工程と組み合わせて、たとえば特許文献4、5と同様に複数の空孔形成ガラス棒を縦列接続して、より長い空孔形成ガラス棒を形成してもよい。
また、本発明は上記実施の形態に限られない。上記各実施の形態の構成要素を適宜組み合わせたものも本発明に含まれる。たとえば、実施の形態2の加減圧コネクタにおいて、シールリングおよび接続部材を、変形例1、2のような傾斜部を有するものに置き換えてもよい。また、実施の形態1および変形例1〜4の減圧用コネクタ、加圧用コネクタを適宜組み合わせて、加減圧コネクタを構成してもよい。
1 空孔構造光ファイバ
1a コア部
1b クラッド部
1ba 内側領域
1bb 外側領域
1c、2a 空孔
2 空孔形成ガラス棒
3 加圧用ガラス管
4 クラッド形成用ガラス管
4a 孔
5 減圧用ガラス管
6 先端部
7 母材
10、30、50 減圧用コネクタ
10a、70a 吸気管
11、21、31、41、51、61、71、81 接続部材
11a、21a、71a 嵌合部
11b、11c、71b 減圧用連通孔
11d 挿通孔
11e、11f、21e、71e 螺旋部
11g、11h、21g、31g、31h、41g、71g 凹部
12、13、22、72 袋ナット
12a、13a、22a 円環状突起部
14、15、24、34、35、44、74 シールリング
20、40、60 加圧用コネクタ
20a、70b 供給管
21b、71m 加圧用連通孔
51i、61i、81i 導入路
51j 導入口
51k 排出口
70、80 加減圧用コネクタ
B 酸水素火炎バーナ
G 空隙
GAS1、GAS2 ガス
H ヒータ
L1、L2 破線
S101〜S108 ステップ

Claims (7)

  1. コア部と、前記コア部の外周に形成され、空孔を有するクラッド部とを備える空孔構造光ファイバの製造方法であって、
    コア部となる領域を有するとともに長手方向に伸びる空孔が形成された空孔形成ガラス棒を、クラッド部の一部を形成するためのクラッド形成用ガラス管の内部に挿入して母材を形成する母材形成工程と、
    前記形成した母材の前記空孔形成ガラス棒と前記クラッド形成用ガラス管との間に形成された空隙内を減圧するとともに前記空孔内を加圧しながら該母材を加熱し、前記空隙を消滅させながら空孔構造光ファイバを線引きする線引き工程と、
    を含み、
    前記線引き工程において、前記空隙内を減圧する第一接続部材と前記空孔内を加圧する第二接続部材とが別体で構成され、前記第一接続部材および前記第二接続部材は前記母材の長手方向において互いに異なる位置に設けられる
    ことを特徴とする空孔構造光ファイバの製造方法。
  2. 前記線引き工程において、
    前記母材に前記第一接続部材を嵌合し、前記第一接続部材を外側から押圧して係止し、第一シールリングによって前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と外気との間を遮蔽した状態で、前記空隙と連通するように前記第一接続部材に形成された減圧用連通孔を通して減圧を行なうとともに、
    前記母材に前記第二接続部材を嵌合し、前記第二接続部材を外側から押圧して係止し、第二シールリングによって前記第二接続部材と前記母材との間を気密にして前記空孔と外気との間を遮蔽した状態で、前記空孔と連通するように前記第二接続部材に形成された加圧用連通孔を通して加圧を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空孔構造光ファイバの製造方法。
  3. 前記母材形成工程は、前記空孔形成ガラス棒の一端に、前記母材を構成し前記空孔内を加圧するための加圧用ガラス管を溶着する加圧用ガラス管溶着工程を含み、
    前記線引き工程において、前記第一接続部材の上部および前記第二接続部材の下部において前記加圧用ガラス管との間を気密にすることを特徴とする請求項1または2に記載の空孔構造光ファイバの製造方法。
  4. 前記線引き工程において、前記第一および第二接続部材の少なくともいずれか一つに冷却媒体を導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空孔構造光ファイバの製造方法。
  5. 前記空孔形成ガラス棒と前記クラッド形成用ガラス管との間の空隙の平均の幅を5mm以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の空孔構造光ファイバの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の空孔構造光ファイバの製造方法において用いる加減圧用コネクタであって、
    前記母材に嵌合させるための嵌合部と、前記空隙と連通するように形成された減圧用連通孔とを有する第一接続部材と、
    前記第一接続部材を外側から押圧して係止するための第一押圧部材と、
    前記第一接続部材と前記母材との間を気密にして前記空隙と外気との間を遮蔽するための第一シールリングと、
    前記母材に嵌合させるための嵌合部と、前記空孔と連通するように形成された加圧用連通孔とを有する第二接続部材と、
    前記第二接続部材を外側から押圧して係止するための第二押圧部材と、
    前記第二接続部材と前記母材との間を気密にして前記空孔と外気との間を遮蔽するための第二シールリングと、
    を備えることを特徴とする加減圧用コネクタ。
  7. 前記第一および第二接続部材の少なくともいずれか一つは、冷却媒体を導入する導入路を有することを特徴とする請求項6に記載の加減圧用コネクタ。
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