JP2006103995A - ガラスプリフォーム及びその製造方法並びに光導波材料 - Google Patents

ガラスプリフォーム及びその製造方法並びに光導波材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガラスプリフォームの加工精度や作製作業性の悪化を招くことなく且つ高い量産性を維持した上で、光導波材料の製品としての性能低下や機能阻害等を回避する。また、光導波材料の空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失を可及的に低減させる。
【解決手段】 ガラスプリフォーム5の全ての構成要素、即ち、ガラス外筒管と、クラッド部を形成すべき複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成すべき少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを、変形を伴わせて全て相互に融着し、且つその融着部に界面が存在しない状態とする。また、ガラスプリフォーム5の空孔の内面を、表面粗さRa値で70nm以下に形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラスプリフォーム及びその製造方法並びに光導波材料に係り、詳しくは、ガラスプリフォーム及びこれから得られる光導波材料の外周部の形態や性状を良好にするための技術に関する。
周知のように、フォトニッククリスタルファイバ、ホーリーファイバ、フォトニックバンドギャップファイバ等の光導波材料は、軸心上に配置されるコア部と該コア部を囲繞するクラッド部とからなり、ファイバ形状もしくはロッド形状を呈している(例えば、下記の特許文献1参照)。この場合、光導波材料のコア部は、無空孔状態または空孔を有する状態として形成されるのに対して、クラッド部は、主媒質と複数の空孔とから形成される。そして、クラッド部の複数の空孔は、光導波方向と平行に配列され、且つ軸心と直交する断面において周期的もしくはランダムに配列される。この種の光導波材料は、優れた光伝播特性を有することから、将来の光通信システムにおいて、重要な材料として注目されている。
一方、上記の光導波材料の製造方法としては、複数本のガラスキャピラリを束ねて線引きする方法が主流であり、詳述すると、この製造方法によれば、複数本の円筒状のガラスキャピラリを束ねて線引きする際に、その線引き時の加熱により複数本のガラスキャピラリを変形させ、これにより各ガラスキャピラリの相互間に生じる空隙を小さくすることが行なわれている。しかしながら、この製造方法では、各ガラスキャピラリの相互間における空隙を確実になくすことが困難である。そして、この空隙が線引き後も残存していると、光導波材料の製品としての性能が著しく低下したり、或いは全く機能しなくなるため、重要な問題となる。
このような問題を回避することを主目的としたものとして、下記の特許文献2によれば、光導波材料を線引き成形する前段階で、ガラス外筒管内に、コア部を形成すべきガラスロッドと、クラッド部を形成すべき複数本のガラスキャピラリとを配列させ、ガラス外筒管内を減圧状態に維持して加熱することにより、全てを相互に融着一体化してなるガラスプリフォームを製造する方法が開示されている。このような製造方法によれば、ガラスロッド及び各ガラスキャピラリの全ての相互間に空隙が生じないようにすることが可能となる。
また、下記の特許文献3によれば、光ファイバの元になるガラスロッドに、超音波ドリルを用いて数個〜数百個の空隙(空孔)を穿設してガラスプリフォームを作製する手法が開示されている。このような手法によっても、空孔の相互間に不要な空隙が存在しないガラスプリフォームを得ることができる。
特表2002−506533号公報 特開2004−43286号公報 特開2003−206149号公報
しかしながら、上記の特許文献2に開示されたガラスプリフォームのように、ガラス外筒管内を減圧し且つ加熱によりガラスロッド及び各ガラスキャピラリの全ての相互間に空隙が生じないように融着した場合であっても、例えばガラスの組成と融着作業時の作業温度との関係を最適条件とすることが困難であること等に起因して、各ガラスキャピラリの相互間などに界面が残存するという事態を招く。すなわち、各ガラスキャピラリが相互に融着したとしても、温度条件等が適切でなければ、それらの融着部においては、各ガラスキャピラリの材料であるガラスが軟化して相互に分離した状態で単に接触してつき合わされた状態となっているに過ぎず、その接触面が界面となって現れることになる。このような現象は、この種のガラスプリフォームにおける多数の融着部に生じているのが実情である。そして、このような界面が、線引き後の光導波材料にも残存していると、光導波材料の製品としての性能低下や機能阻害等の問題が、依然として未解決となる。
しかも、上述のようにガラスプリフォームの段階で界面が存在している場合に、仮に、光導波材料として界面が存在しないものを作製しようとしたならば、線引き成形を高温で行なう必要性が生じ、成形作業の複雑化を余儀なくされるばかりでなく、成形設備の熱による劣化が短期間で進行し、あるいは複雑な構成の成形設備による製造が必要となり、線引き成形に要するコストの高騰を招くおそれがある。
一方、上記の特許文献3に開示のように、ガラスロッドに超音波ドリルを用いて複数の空孔を穿設する手法によれば、上記のような界面が存在しないガラスプリフォームを作製することが可能であるものの、ガラスロッドに長手方向に均一な空孔を深く穿設することは極めて困難であることから、加工精度の悪化や作業能率の悪化を招くばかりでなく、量産性を図る上で大きな妨げとなり、却って問題が大きくなる。
更に、上記のように超音波ドリルを用いて空孔を形成した場合には、その空孔の内面の表面粗さ値Raが120nm程度となり、空孔は粗い内面状態となることから、以下に示すような問題をも招来する。すなわち、このガラスプリフォームを線引き成形する場合には、空孔の内面にクラックが発生し易くなり、あるいは、線引き成形を比較的低温で行なったならば、光導波材料の空孔の内面が不当に粗くなり、このため、空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失の増大を招くと共に、線引き成形作業の困難化、成形設備の複雑化や熱による早期劣化、あるいは線引き成形に要するコストの高騰を惹き起こすおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガラスプリフォームにおける各ガラスキャピラリ等の相互間の融着状態を適切にすることにより、加工精度や作業能率の悪化を招くことなく且つ高い量産性を維持した上で、光導波材料の製品としての性能低下や機能阻害等の不具合を回避することを第1の技術的課題とする。
また、ガラスプリフォームの空孔の内面における表面粗さ値Raを小さくして、線引き成形する場合に空孔の内面にクラックが発生することを抑制し、あるいは線引き成形を比較的低温でも良好に行なえるようにして、光導波材料の空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失を可及的に低減させることを第2の技術的課題とする。
上記第1の技術的課題を解決するために創案された本発明は、クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられ、ガラス外筒管の内孔に、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが充填されると共に、軸心と直交する断面でガラスキャピラリの空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームにおいて、前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが、変形を伴って全てが相互に融着され、且つそれらの融着部に界面が存在しないように一体化されていることを特徴とするものである。
この場合、上記の「ガラスロッド」としては、中実で無空孔のものが用いられ、また上記の「ガラスキャピラリ」としては、空孔を有する中空のものが用いられる。したがって、コア部を形成するのがガラスロッドである場合には、光導波材料として、コア部が無空孔状態のフォトニッククリスタルファイバやホーリーファイバ等が作製されるのに対して、コア部を形成するのがガラスキャピラリである場合には、光導波材料として、コア部が空孔を有するフォトニックバンドギャップファイバ等が作製される。また、上記の「クラッド部を形成するガラスキャピラリ」とは、ガラスプリフォームにおけるクラッド部に相当する部分を形成するガラスキャピラリを意味し、上記の「コア部を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリ」とは、ガラスプリフォームにおけるコア部に相当する部分を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリを意味する。更に、上記の「全てが相互に融着され」とは、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリ同士、及びこれらとコア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとの相互間、並びにこれらとガラス外筒管との相互間が、軟化することによって互いにつき合った状態とされていることを意味し、これらの各構成要素の全てが相互に全面で融着されている場合のみならず、各構成要素の全てが一部の面(または一部の面や全面)で融着されている場合をも含む。また、上記の「融着部に界面が存在しない」とは、上記の各構成要素が軟化して互いにつき合った状態にある場合に、隣接する各構成要素が、それらの相互間に接触面ないしは境界面のような界面と認識できる面を介在させることなく融着していること、換言すれば、隣接する各構成要素の境界が認識できない程度まで、各構成要素が軟化して融着していることを意味する。
このような構成によれば、ガラス外筒管と、コア部を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリと、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリとからなる各構成要素の相互間が、界面の存在しない状態で融着一体化されていることから、このガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料も、界面が全く存在していない状態に維持される。これにより、融着部に界面が存在していた従来のガラスプリフォームを母材として線引き成形する場合のように、光導波材料の製品としての性能が低下したり、或いは機能阻害を招く等の問題が好適に回避される。しかも、ガラスプリフォームに界面が存在しないようにする手法として、融着が有効に利用されていることから、ガラスロッドに超音波ドリルを用いて複数の空孔を穿設する従来の手法のように、長手方向に均一な空孔を深く穿設することが困難になるという不具合が回避され、加工精度や作業能率を良好に維持しつつ、高い量産性を確保することが可能となる。更に、ガラスプリフォームの段階で界面が存在していなければ、光導波材料として界面が存在しない高品位のものを、低温での線引き成形により容易に作製することができ、成形設備の熱による劣化が低減され、或いは簡易な成形設備による製造が可能となり、線引き成形に要するコストの低廉化が図られる。
この場合、上記のガラスキャピラリ及びガラスロッドが、多成分系ガラス、好ましくは硼珪酸ガラスやソーダライムガラスからなると、光導波材料の線引き成形のみならずガラスプリフォームの成形をも低温で行なうことができ、これによっても、成形設備の熱による劣化低減や、成形設備による製造の簡易化、ひいては成形に要するコストの低廉化が図られる。加えて、一般的な製造方法であるダンナー法やダウンドロー法を採用することができるため、様々な形態のガラスプリフォームを容易に或いは安価に製造することができると共に、このように様々な形態のガラスプリフォームを容易に得ることが可能であるため、空孔の周期的な配列の制御を低温で容易に行なうことができ、これにより光導波材料の非線形光学効果、分散等の特性の制御を容易に行なうことが可能となる。
また、ドーパント材がドープされたコア部を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリと、ガラス外筒管と、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリとからなる各構成要素が、変形を伴って全て相互に界面を有さずに融着されてなるガラスプリフォームを得るようにすれば、簡素な線引き成形によって、光増幅作用あるいは非線形光学効果が高められた光導波材料を製造することができ、ファイバ増幅器やファイバレーザに有効利用することが可能となる。この場合、ドーパント材として、ネオジウム、エルビウム、イッテルビウムなどの希土類元素を用いれば、光導波材料にレーザ発振等の機能が付与されるという利点を享受できる。また、光導波材料のコア部の径を、10〜100μm程度に大きくすれば、ハイパワーのレーザを発振できるという利点が得られる。更に、光導波材料のクラッド部が、Endless single-mode導波を可能とする構造であれば、つまり各ガラスキャピラリの空孔が線引き成形により細径とされた各空孔間の距離をΛ、空孔径をdとした場合に、d/Λ≦0.43を満たすクラッド構造であれば、発振されるレーザが乱れのないシングルモードの光になるという利点を享受できる。
上記の構成において、ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが、全ての相互間に空隙を有していないことが好ましい。
このようにすれば、ガラスプリフォームには、ガラスキャピラリであった構成部分の空孔のみが周期的に配列され、その他の部位には空隙が何ら存在しない状態となることから、線引き成形後の光導波材料にも当然の事ながら、ガラスキャピラリの構成部分の空孔であった部位のみが細径の空孔となって周期的に配列され、その他の空隙(インタースティシャルサイト)は全く存在しなくなる。したがって、光導波材料における光伝播特性等の性能の向上等が期待でき、優れた機能を発揮し得る光導波材料を提供することが可能となる。しかも、ガラスプリフォームの段階で、各ガラスキャピラリの相互間に空隙が存在していなければ、線引き成形時の加熱温度を低く抑えても、インタースティシャルサイトが存在しない光導波材料を得ることができるため、線引き成形の容易化あるいは成形設備の簡易化等を図ることが可能となる。
上記の構成において、コア部を形成するガラスロッドに相当する部位またはガラスキャピラリに相当する部位を基準として、外周部が研削または研磨されていることが好ましい。
このようにすれば、ガラス外筒管、コア部を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリ、及び複数本のガラスキャピラリからなる各構成要素が、変形を伴って全て相互に融着されることに起因して、ガラスプリフォームの外周面が径方向に不均一に収縮変形することにより、その外周面が真円ではなくなったり、波打った形状になるなどして、外径精度の悪化を招く条件が揃っていても、このガラスプリフォームの外周部には、研削または研磨が施されているため、光導波材料の品質低下等の問題を未然に防止できる。すなわち、変形を伴う融着を行なうことのみによって、このガラスプリフォームの外周面に生じていた径方向に不均一な収縮変形や、真円度の狂い、更には波打ち形状等は、研削または研磨によって修正され、平滑で且つバラツキのない真円形状の外周面を得ることが可能となる。そして、このように優れた外径精度を有するガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料も、必然的に平滑で且つバラツキのない真円形状の外周面(ガラスプリフォームと略相似形の外周面)を有することになる。したがって、この光導波材料を外径基準で接続部品に嵌め合わせて他部品と接続する場合等においては、接続部品と光導波材料との嵌め合いにガタツキが生じ難くなり、しかも円滑に嵌め合わせを行なうことが可能となり、光部品としての品質の向上が図られると共に、光伝播機能の阻害等の問題が生じ難くなる。更に、ガラスプリフォームの外周部を研削または研磨することにより、未研削または未研磨の場合に比してその外周面の表面粗さ(例えば十点平均粗さRz)を小さくして鏡面とすることができるため、線引き成形時の加熱による外周面でのクラックの発生を抑制できると共に、外周面における失透物等の異物の発生が低減される。以上に加えて、コア部の形成部位を基準として外周部が研削または研磨されていることから、ガラスプリフォームひいては光導波材料のコア部を、確実に径方向中心に位置させることができるため、優れた同心度を確保することができ、上述の外径精度及び真円度の向上と相俟って、光導波材料を外径基準で他部品と接続する場合に、接続面での両者の心ズレを抑制することができると共に、接続損失や導波損失を可及的に低減することが可能となる。更に、これに伴って、この光導波材料をファイバ増幅器やファイバレーザに使用した場合には、ソースからの入力光パワーの損失及び出力の低下等の不具合を、より一層的確に回避することが可能となる。
この場合において、ガラスキャピラリは、少なくとも一端が封止されていてもよく、また少なくとも一端が開放されていてもよい。
すなわち、ガラスプリフォームを線引き成形する際には、線引き成形前にガラスキャピラリの先端(下端)が仮に開放されていても、線引き成形時にそのガラスキャピラリの先端は封止される。したがって、上記一方の例のようにガラスキャピラリの少なくとも一端が封止されている場合には、その封止されている側を後端(上端)とし、且つ他方側を先端として線引き成形すれば、ガラスキャピラリの空孔内に気体が閉じ込められて逃げることができなくなるため、空孔のサイズや空孔の断面形状が大気圧の影響を受け難くなると共に、線引き成形に伴って空孔が径方向に潰れる等の不具合が生じなくなる。これに対して、上記他方の例のようにガラスキャピラリの少なくとも一端が開放されている場合には、その開放されている側を後端とし、且つ他方側を先端として線引き成形すれば、後端の開放部を通じてガラスキャピラリの空孔内の圧力を変化させること(加圧または減圧すること)により、空孔の径を所望の大きさに調整することが可能となる。
上記第1の技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられ、ガラス外筒管の内孔に、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが充填されると共に、軸心と直交する断面でガラスキャピラリの空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームの製造方法において、前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを、加熱により変形を伴わせて全てを相互に融着し、且つそれらの融着部に界面が存在しないように一体化する融着工程を含むことを特徴とするものである。
このような方法によれば、融着工程で、ガラス外筒管と、コア部を形成するガラスロッドまたはガラスキャピラリと、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリとからなる各構成要素の相互間が、界面の存在しない状態で融着一体化されることになるため、このガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料も、界面が全く存在しない状態となる。したがって、これに対応する構成についての作用効果として既に述べたように、光導波材料の製品としての性能低下の回避あるいは機能阻害の回避がなされると共に、長手方向に均一な空孔を深く穿設することが困難になるという不具合が回避され、加工精度や作業能率を良好に維持しつつ、高い量産性を確保することが可能となる。
上記の方法において、融着工程で、前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを、全ての相互間に空隙を有しないようにすることが好ましい。
このようにすれば、融着工程の実行により、ガラスプリフォームには、ガラスキャピラリであった構成部分の空孔のみが周期的に配列され、その他の部位には空隙が何ら存在しない状態となる。そして、これに対応する構成については、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
上記の方法において、融着工程での作業温度Tと、ガラス材質の軟化点の温度Taとの関係は、Ta−50℃≦T≦Ta+120℃となるように設定されていることが好ましい。換言すれば、融着工程での作業を、ガラスプリフォームの各構成要素におけるガラス材質の軟化点(粘度107.6dPa・s)の温度Taに対して、−50〜+120℃の温度範囲で行なうことが好ましい。
このようにすれば、融着工程で、各ガラスキャピラリの空孔に不当な変形などが生じない条件で加熱による融着が行なわれることに加えて、その融着部に界面が存在しない状態とすることが効率良く且つ確実に実行される。ちなみに、従来においては、ガラスキャピラリが熱による不当な変形を受けないことを重視し、その安全性を見込んで、例えばガラス材質の軟化点の温度が785℃である場合には、融着工程での作業温度が725℃に、つまりガラス材質の軟化点の温度よりも融着工程での作業温度の方が60℃程度低く設定されるのが通例であり、これが原因となって、融着部に界面が存在するという結果を招いていた。しかしながら、本発明者等が鋭意研究に努めた結果、上記従来の設定温度よりもガラス材質の軟化点の温度に近い場合であっても、ガラスキャピラリには致命的となるような変形は生じないことを知見するに至った。そして、上記のようにTa−50℃≦Tであれば、融着部に界面が存在しなくなり、且つ、T≦Ta+120℃であれば、ガラスキャピラリ、特にその空孔に致命的な変形が生じないことが確認された。なお、ガラスキャピラリの変形に対する安全性を考慮すれば、T≦Ta+50℃であることが好ましい。
この場合、融着工程では、底部が封止されたガラス外筒管内に、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを配列し、ガラス外筒管内を減圧状態に維持しつつガラス外筒管を加熱することが好ましい。このようにすれば、ガラスキャピラリやガラスロッドの外周面の軸直角断面形状(軸心と直交する断面形状)が円形であっても、ガラスキャピラリとガラスロッドとが相互に、及び各ガラスキャピラリ同士が相互に、変形を伴って融着することによって、ガラスキャピラリとガラスロッドとの相互間、及び各ガラスキャピラリの相互間に、空隙及び界面がなくなると同時に、融着前に各ガラスキャピラリが整列した状態で配置されていなくても、これらのガラスキャピラリが最も安定した密接状態に自動的に修正配列され、軸直角断面において規則性の高い周期的配列構造を有するガラスプリフォームが容易に得られることになる。
上記の方法において、融着工程の実行後に、少なくとも一端部を軸心と直交する方向に切断する切断工程を実行し、その後、前記コア部を形成するガラスロッドに相当する部位またはガラスキャピラリに相当する部位を基準として、外周部を研削または研磨する研磨工程を実行することが好ましい。
このようにすれば、切断工程の実行により、コア部及びクラッド部の構成部分が切断面に露出して、コア部となるガラスロッド部分またはガラスキャピラリの空孔の位置を明瞭に知得できるようになり、外周部の研削を行なう場合の中心位置を厳密に特定できることになる。しかも、このような状態にあるコア部の構成部分を基準として、外周部に対する研磨工程を実行すれば、ガラスプリフォームひいては光導波材料のコア部を、確実に径方向中心に位置させることが可能となる。そして、これに対応する構成については、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
上記の方法において、研磨工程で、前記外周部を真円に研削または研磨することが好ましい。
このようにすれば、ガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料の真円度が可及的に向上し、この光導波材料を外径基準で他部品と接続する場合に、接続損失ないしは導波損失をより確実に低減することが可能となる。
上記の方法において、研磨工程の実行後に、前記ガラスキャピラリに相当する部位の一端または他端を封止することが好ましい。
このようにすれば、ガラスプリフォームの線引き成形時に、ガラスキャピラリの空孔に相当する部位を適正な径にすることができる。そして、これに対応する構成については、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
この場合において、光導波材料としては、既述の構成を備えたガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることが好ましい。
このような光導波材料によれば、既に述べたように界面を有しない構造であることから、製品としての高い性能や良好な機能を確保できる等の種々の利点を享受することが可能となる。
また、光導波材料としては、既述の製造方法により得られたガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることが好ましい。
このような光導波材料によっても、既に述べたように界面を有しない構造であることから、製品としての高い性能や良好な機能を確保できる等の種々の利点を享受することが可能となる。
上記第2の技術的課題を解決するために創案された本発明は、クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられると共に、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームにおいて、前記空孔の内面が、表面粗さRa値で70nm以下に形成されていることを特徴とするものである。なお、この場合の表面粗さ値Raは、「触針式表面形状測定器 Dektak 3030ST(Veeco社製)」を使用して測定される値である。
このような構成によれば、例えば従来の空孔(内面の表面粗さ値Raは120nm程度)と比較して、空孔の内面の表面粗さ値Raが極端に小さくなる。これにより、このガラスプリフォームを線引き成形する場合には、空孔の内面にクラックが発生し難くなり、あるいは、線引き成形を比較的低温で行なっても、光導波材料の空孔の内面は粗くならず、この結果、空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失を低減させることができる。このような事項を勘案すれば、上記空孔の内面の表面粗さRa値は、10nm以下であることが、より好ましい。このような内面の空孔を有するガラスプリフォームは、既に述べたように、複数本のガラスキャピラリやガラスロッドを融着一体化させることによっても作製できるが、これ以外に、ガラスプリフォームの元になるこれと略同径のガラスロッドに、複数の空孔を穿設し、その空孔の内面を例えば上記融着一体化の場合と同様の条件で軟化させてその内面の表面粗さ値Raを小さくすること、あるいは内面の表面粗さ値Raを小さく維持しつつ空孔を穿設することが可能な空孔穿設手段を用いて作製すること等が考えられる。
このような構成においても、空孔の全ての相互間に界面が存在していないことが好ましい。
このようにすれば、ガラスプリフォームが界面の全く存在しない状態となることから、このガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料も、界面が全く存在していない状態として作製され、これに対応する構成については、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
また、このような構成においても、空孔の形成部位以外の部位に空隙が存在していないことが好ましい。
このようにすれば、ガラスプリフォームには空孔のみが周期的に配列され、その他の部位には空隙が何ら存在しない状態となることから、線引き成形後の光導波材料にはインタースティシャルサイトが全く存在しなくなり、これに対応する構成については、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
そして、光導波材料としては、これらの構成を備えたガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることが好ましい。
このようにすれば、光導波材料の空孔の内面が粗くならないことから、空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失を可及的に低減させることが可能な光導波材料を得ることが可能となる。
以上のように本発明によれば、ガラスプリフォームの各構成要素のそれぞれの相互間が、界面の存在しない状態で融着一体化されていることから、このガラスプリフォームを線引き成形して得られる光導波材料も、界面が全く存在しない状態となり、光導波材料の製品としての性能低下や機能阻害等の問題が好適に回避されると共に、融着が有効に利用されていることから、超音波ドリルを用いる場合のように長手方向に均一な空孔を深く穿設することが困難になるという不具合が回避され、加工精度や作業能率を良好に維持しつつ、高い量産性を確保することが可能となる。しかも、このようなガラスプリフォームを母材として、界面が存在しない高品位の光導波材料を、低温での線引き成形により容易に作製することができ、成形設備の熱による劣化が低減され、あるいは簡易な成形設備による製造が可能となり、線引き成形に要するコストの低廉化が図られる。
また、本発明によれば、従来のガラスプリフォームと比較して、空孔の内面の表面粗さ値Raが70nm以下と極端に小さくなることから、このガラスプリフォームを線引き成形する場合には、空孔の内面にクラックが発生し難くなり、あるいは、線引き成形を比較的低温で行なっても、光導波材料の空孔の内面は粗くならず、これに伴って、空孔の内面状態の悪化に起因する導波損失を低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態に係るガラスプリフォームが作製されていく過程をそれぞれ示す概略図、図4は、そのガラスプリフォームを線引きして光導波材料を作製する過程を示す概略図である。
図1は、ガラスプリフォームを作製する際の第1段階の工程を実行している状態を例示するものである。図1(a)に示すように、ガラスプリフォームの作製は、先ず、底部が封止されたガラス外筒管1の内孔に、一本の円柱状のガラスロッド2と、複数本(237本)の円筒状のガラスキャピラリ3とをランダムな配列状態となるように挿入する。この時点において、図1(b)に示すように、ガラス外筒管1の内孔には、ガラスロッド2とガラスキャピラリ3とが概ね充満された状態にあり、且つガラスロッド2は、複数本のガラスキャピラリ3の略中央部に位置するように挿入されている。
この場合、ガラス外筒管1、ガラスロッド2、及びガラスキャピラリ3は、全てがアルカリホウケイ酸ガラスからなると共に、ガラス外筒管1は、外径が60mm、内径が17mmであり、ガラスキャピラリ3は、外径が1.00mm、内径が125μmであり、ガラスロッド2は、外径が1.00mmである。尚、この時点において、ガラスキャピラリ3は、両端部が封止されていることが好ましい。また、これらの各構成要素におけるガラス材質の軟化点の温度は785℃である。
次いで、図2(a)に示すように、融着工程として、ガラスロッド2及びガラスキャピラリ3を充填したガラス外筒管1の内部を、図外の真空ポンプを用いて−750mmHgに減圧し、且つその真空圧に保持した状態で、加熱装置4によってガラス外筒管1を底部から開口端に向かって順次740℃まで加熱していくことにより、径方向に収縮変形を生じさせる。この場合におけるガラス外筒管1の初期の加熱に伴う収縮変形により、図2(b)に示すように、複数本のガラスキャピラリ3は規則的に整列した状態となる。そして、このような状態からガラス外筒管1が更に加熱されることにより、ガラスキャピラリ3とガラスロッド2とが相互に、及び各ガラスキャピラリ3同士が相互に、変形を伴って融着すると同時に、ガラス外筒管1と各ガラスキャピラリ3との間も融着する。更に、この融着が進行することにより、ガラス外筒管1、各ガラスキャピラリ3及びガラスロッド2の全ての相互間に界面及び空隙がなくなり、軸直角断面において各ガラスキャピラリ3の空孔に相当する部分が規則性の高い周期的配列構造を有するガラスプリフォームの原型が得られる。
このような段階から、ガラスプリフォームの原型を室温まで徐冷し且つ常圧に戻した状態で、切断工程においてその原型の両端を軸直角方向に切断した後、光導波材料のコア部に相当する部分(ガラスロッド2に相当する部分)を中心として当該ガラスプリフォームを回転させながら外周研削機を用いて研磨工程を実行して、その外周部を研削または研磨することにより、図3に示すような界面の存在しないガラスプリフォーム5、つまり、ガラス外筒管1、各ガラスキャピラリ3及びガラスロッド2の境界が全く存在しないガラスプリフォーム5が得られる。
このガラスプリフォーム5は、ガラスからなる円柱状体5aの中心軸上の正確な位置に、コア部に相当する無空孔の部分2a(ガラスロッド2に相当する部分)が存在し、その周囲のクラッド部に相当する部分3aに、複数の空孔6(各ガラスキャピラリ3の空孔に相当する空孔6)が高い規則性をもって周期的に配列されている。これらの空孔6の内面は、触針式表面形状測定器 Dektak 3030ST(Veeco社製)を使用して測定した表面粗さRa値が、10nm以下(実測値2.4nm)である。
そして、このガラスプリフォーム5の外周面5xは、符号Aで示す領域に拡大して示すように、研削または研磨加工によって、波打ち等のない平滑面とされ且つ真円度や同心度に優れた円周面とされている。詳述すると、このガラスプリフォーム5は、外周面5xの最大径と最小径との差が2〜8μm、この実施形態では5μmとされている。これに対して、上記のガラスプリフォーム5の外周面が研削または研磨されていない状態では、その外周面は波打った形状になり、且つその最大径と最小径との差が60μm程度となる。
更に、この実施形態に係るガラスプリフォーム5は、電気炉に投入された状態で、図4に示すように、ローラ7で引っ張りながら線引き成形され、これにより外径が1.25mm、空孔の径が4μm、各空孔の相互間距離が22μm、コア部の径が40μmの端面未加工の光導波材料8が得られる。この光導波材料8の軸直角断面の形態は、図3に示す形状と略相似形となり、そのコア部と外周円との偏心量は0.5〜1.5μm、この実施形態では1μmとされている。これに対して、外周面が研削または研磨されていないガラスプリフォームを同様に線引き成形して得られる光導波材料のコア部と外周円との偏心量は4.3μm程度となる。
なお、本発明は、上記実施形態に係るガラスプリフォームに限定されるわけではなく、以下に示すようなものであってもよい。すなわち、ガラス外筒管1、各ガラスキャピラリ3及びガラスロッド2として、軟化点の温度が760℃のソーダライムガラスからなるものを使用すると共に、ガラスロッド2として、ネオジウムが1.2質量%ドープしたものを使用し、且つガラスキャピラリ3として96本を使用する。尚、上記のドーパント材は、ネオジウムに限定されるわけではなく、エルビウム、イッテルビウムなどであってもよく、またドープされる量も、1.2質量%に限定されるわけではなく、2質量%で以下であればよい。そして、上記と同様の初期の手順を経た後、融着工程として、ガラスロッド2及びガラスキャピラリ3を充填したガラス外筒管1の内部を、真空ポンプを用いて−750mmHgに減圧し、且つその真空圧に保持した状態で、加熱装置4によってガラス外筒管1を底部から開口端に向かって順次720℃まで加熱していくことにより、径方向に収縮変形を生じさせる。この後においても、上記と同様の手順を経てガラスプリフォーム5の作製を完了し、更にその後、このガラスプリフォーム5を母材として上記と同様の線引き成形を行なうことにより、外径が0.25mm、空孔の径が4.4μm、各空孔の相互間距離が11.5μm、コア部の径が37μmの端面未加工の光導波材料8を得る。このようにして得られた光導波材料8は、ファイバ増幅器やファイバレーザに好適に使用することができる
図1(a)は、本発明の実施形態に係るガラスプリフォームを作製する際の初期工程を実行している状態を示す概略斜視図、図1(b)は、そのガラスプリフォームの作製途中の状態を示す概略平面図である。 図2(a)は、本発明の実施形態に係るガラスプリフォームを作製する際の融着工程を実行している状態を示す概略斜視図、図2(b)は、そのガラスプリフォームの作製途中の状態を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係るガラスプリフォームの完成品の端面を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係るガラスプリフォームを用いて光導波材料を線引き成形している状態を示す概略斜視図である。 従来のガラスプリフォームの端面を示す概略平面図である。
符号の説明
1 ガラス外筒管
2 ガラスロッド
3 ガラスキャピラリ
5 ガラスプリフォーム
5x ガラスプリフォームの外周面(外周部)
8 光導波材料

Claims (17)

  1. クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられ、ガラス外筒管の内孔に、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが充填されると共に、軸心と直交する断面でガラスキャピラリの空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームにおいて、
    前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが、変形を伴って全てが相互に融着され、且つそれらの融着部に界面が存在しないように一体化されていることを特徴とするガラスプリフォーム。
  2. 前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが、全ての相互間に空隙を有していないことを特徴とする請求項1に記載のガラスプリフォーム。
  3. 前記コア部を形成するガラスロッドに相当する部位またはガラスキャピラリに相当する部位を基準として、外周部が研削または研磨されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスプリフォーム。
  4. 前記ガラスキャピラリに相当する部位の少なくとも一端が封止されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスプリフォーム。
  5. 前記ガラスキャピラリに相当する部位の少なくとも一端が開放されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスプリフォーム。
  6. クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられ、ガラス外筒管の内孔に、クラッド部を形成する複数本のガラスキャピラリと、コア部を形成する少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとが充填されると共に、軸心と直交する断面でガラスキャピラリの空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームの製造方法において、
    前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを、加熱により変形を伴わせて全てを相互に融着し、且つそれらの融着部に界面が存在しないように一体化する融着工程を含むことを特徴とするガラスプリフォームの製造方法。
  7. 前記融着工程で、前記ガラス外筒管と、前記複数本のガラスキャピラリと、前記少なくとも一本のガラスロッドまたはガラスキャピラリとを、全ての相互間に空隙を有しないようにすることを特徴とする請求項6に記載のガラスプリフォームの製造方法。
  8. 前記融着工程での作業温度Tと、ガラス材質の軟化点の温度Taとの関係が、
    Ta−50℃≦T≦Ta+120℃ となるように設定したことを特徴とする請求項6または7に記載のガラスプリフォームの製造方法。
  9. 前記融着工程の実行後に、少なくとも一端部を軸心と直交する方向に切断する切断工程を実行し、その後、前記コア部を形成するガラスロッドに相当する部位またはガラスキャピラリに相当する部位を基準として、外周部を研削または研磨する研磨工程を実行することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のガラスプリフォームの製造方法。
  10. 前記研磨工程で、前記外周部を真円に研削または研磨することを特徴とする請求項9に記載のガラスプリフォーム。
  11. 前記研磨工程の実行後に、前記ガラスキャピラリに相当する部位の一端または他端を封止することを特徴とする請求項9または10に記載のガラスプリフォームの製造方法。
  12. 請求項1〜5の何れかに記載のガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることを特徴とする光導波材料。
  13. 請求項6〜11の何れかに記載の製造方法により得られたガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることを特徴とする光導波材料。
  14. クラッド部とコア部とを有する光導波材料の線引き成形に用いられると共に、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列された形態をなすガラスプリフォームにおいて、
    前記空孔の内面が、表面粗さRa値で70nm以下に形成されていることを特徴とするガラスプリフォーム。
  15. 前記空孔の全ての相互間に界面が存在していないことを特徴とする請求項14に記載のガラスプリフォーム。
  16. 前記空孔の形成部位以外の部位に空隙が存在していないことを特徴とする請求項14または15に記載のガラスプリフォーム。
  17. 請求項14〜16の何れかに記載のガラスプリフォームを線引き成形することによって作製され、軸心と直交する断面で空孔が周期的に配列されてなることを特徴とする光導波材料。
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