JP5666439B2 - 可変速アクチュエータ - Google Patents

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Description

(技術分野)
本開示は、一般的に、電動機を含むバルブアクチュエータに関するものであり、より詳細には、このようなバルブアクチュエータの制御に関するものである。
(背景)
あらゆるタイプの発電、石油および石油化学製品、織物、および食品加工等の多くの産業においてバルブアクチュエータは幅広い応用を見出している。バルブアクチュエータにより提供される動作速度およびトルクは重要なパラメータである。一般的に、固定速度モータがギアセットに結合されて速度とトルクの丁度いい組合せをバルブに提供する。正確なモータおよびギアセットはメーカにより結合されなければならない。顧客の注文に対して迅速な対応時間を持ちたい場合、メーカは多種多様なモータおよびギアセットの在庫品を貯えなければならない。さらに、単一の汎用バルブアクチュエータ設計に対するしばしば数百もの異なるバリエーションのアセンブリに精通している専門従業員を採用しなければならない。
さらに、たとえ複数の顧客が全く同じ速度およびトルク特性を有するバルブアクチュエータを望んでいても、顧客は異なる電源しか利用できない場合が多い。一人の顧客が480V3相交流を60Hzで使用することを望んでおり、もう一人の顧客が110V単相交流を50Hzで使用することを望んでおり、さらにもう一人の顧客は24V直流しか利用できないことがある。既知のシステムは、在庫からすぐ入手できて、利用可能な電源が異なる顧客のニーズを満たすバルブアクチュエータを提供することはない。
現在、ユーザがバルブアクチュエータのトルクおよび速度特性を変えたい場合、アクチュエータは設備から取り外され、分解され、その後異なるギアセットおよび/またはモータと組み立てなければならない。必要とされているのは顧客のニーズを満たすために在庫品として貯えなければならないモータおよびギアセットの数を減少する方法である。さらに、組み立てるのに従業員を訓練しなければならないモデルの数を減少することも必要とされている。さらに、分解せずにアクチュエータにより送られる速度およびトルクの調節を可能にすることも必要とされている。
さらに、バルブは常に固定速度で操作されるため、固定速度バルブアクチュエータのプロセス・コントローラとしての有用性は限定されている。必要とされているのはバルブアクチュエータがプロセス・コントローラとして作動できるようにする方法である。
これらの問題を解決するための1つの試みは整流器およびチョッパを使用して直流モータへ送られる電流を制御することであった。これは単相または3相の高電圧または低電圧交流電流が使用されることを考慮して、モータの速度およびトルクを制御できるようにした。この試みのバリエーションは交流を整流し、次に、インバータを使用して交流モータを制御することであった。しかしながら、これらの試みはトルク・リミット・スイッチを使用する必要があった。オペレータはバルブアクチュエータにより送られる速度およびトルクを機械的に調節することができるが、オペレータは、せいぜい、バルブアクチュエータが超えてはならない最大トルクまたは速度を設定できるにすぎない。リミット・スイッチが無ければ、オペレータはバルブストロークの長さに亘って変動する速度またはトルク・プロファイルを設定することができない。ギアセットがバルブアクチュエータに含まれており、バルブアクチュエータのハウジング内に配置されていた。
以前の試みでは、ユーザが速度およびトルク・ポテンショメータを調節する必要があり、オペレータがバルブストロークの長さに亘って変動する速度またはトルク・プロファイルを設定することを許さない。これらの試みは嵩張るメカニカル・スイッチおよびトルク・リミットスイッチ無しでバルブアクチュエータの速度およびトルクを設定する方法を提供することはなく、バルブアクチュエータがプロセス・コントローラとして作動できる機構を提供することもない。
前記した問題を解決しようとする他の試みはスイッチド・リラクタンス・モータおよび直流モータを使用して可変速度を提供していた。しかしながら、それらのケースでは、バルブアクチュエータは電力損失が発生した場合にモータが回転するのを避けるための別個の制動構成を必要とする。必要とされているのは単純かつ本質的に制動能力を有する可変速度が可能なバルブアクチュエータである。
(発明の開示)
本発明の一実施例は可変速モータ、可変速モータに操作可能に接続されて可変速モータを操作するように構成可能な固体モータ・コントローラ、および可変速モータに操作可能に接続されたウォーム/ウォーム・ギアセットを含むバルブアクチュエータである。
本発明のもう1つの実施例はユニバーサル現場接続ブロック(universal field connection block)、電力供給を受けるように作動可能な電力変換装置、可変速モータ、電力変換装置に操作可能に接続されて可変速モータを操作するように構成可能な固体モータ・コントローラ、および可変速モータに操作可能に接続された制動装置を含むバルブアクチュエータであり、制動装置はギアセットを含んでいる。
本発明のさらにもう1つの実施例はハウジング、モータ・コントローラ、出力軸を有する可変速モータ、を備えたバルブアクチュエータを含み、可変速モータはモータ・コントローラにより制御されるように構成され、モータ・コントローラおよび可変速モータはハウジングおよびその外側の歯車列内で一体化されて出力軸に有効に結合されて動作するようになっている。
本発明の特定の実施例はバルブアクチュエータの操作方法を含んでおり、この方法は可変速モータに操作可能に接続された固体モータ・コントローラを含むバルブアクチュエータを提供するステップを含み、ギアセットが可変速モータに操作可能に接続されていて、バルブアクチュエータが操作される時に固体モータ・コントローラにより可変速モータが駆動される速度を固体モータ・コントローラ上で設定するステップと、停電時には可変速モータが負荷を逆駆動しないようにギアセットにより拘束するステップと、を含んでいる。
本発明のもう1つの実施例は電気駆動バルブアクチュエータを始動させる方法を含み、この方法はギアセットを含む電気駆動バルブアクチュエータに操作可能に接続された固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいてコマンド信号を受信するステップを含み、電気駆動バルブアクチュエータは可変速度が可能であり、さらに、固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいて帰還信号を受信するステップと、コマンド信号と帰還信号との間に差が有るかどうかを決定するステップと、電気駆動バルブアクチュエータを起動させてコマンド信号と帰還信号との間の差を最小限に抑えるステップと、を含んでいる。
本発明のもう1つの実施例はバルブを始動させるシステムであり、このシステムはバルブアクチュエータを含み、バルブアクチュエータはモータを含み、モータは出力軸を含み、さらに、モータに操作可能に接続されてモータを可変速度およびトルクで操作することができる固体モータ・コントローラ、およびモータの出力軸に結合されたウォーム/ウォーム・ギアセットを含んでいる。
(図面の簡単な説明)
モータ・コントローラおよび可変速度が可能なモータを含む可変速度が可能なバルブアクチュエータの実施例の略図である。 図1に示す実施例への電力変換器およびギアセットの追加を示す図である。 本発明の実施例に従った電力変換器およびモータ・コントローラの合体を示す図である。 電力変換器が無い本発明の実施例を示す図である。 本発明の実施例に従ったバルブアクチュエータの一部として界磁接続端子を含む図である。 ギアセットの無い電力変換器の実施例を示す図である。 モータ・コントローラおよび可変速モータが個別のハウジング内にあり、ギアセットがハウジングの外部に配置されているバルブアクチュエータの実施例を示す図である。 本発明のバルブアクチュエータの実施例に従ったバルブアクチュエータ・コントローラを含む図である。 電力変換器がバルブアクチュエータ・コントローラと通信するモータ・コントローラの一部として一体化される本発明の実施例を示す図である。 モータ・コントローラが電力変換器からの入力を受信するバルブアクチュエータ・コントローラの一部として一体化される本発明の実施例を示す図である。 本発明の実施例に従った単一装置内の電力変換器、モータ・コントローラ、およびバルブアクチュエータ・コントローラの組合せを示す図である。 モータ・コントローラにより受信することができる異なる帰還信号の例を示す図である。 プロセス・コントローラとして作動するバルブアクチュエータの実施例を示す図である。
(発明を実施するための形態)
明細書は本発明と見なされるものを特に指摘しかつはっきりと主張する特許請求の範囲で終結されるが、当業者ならば添付図と共に本発明の下記の説明を読めば本発明を一層容易に理解し評価することができる。電動機を含むバルブアクチュエータが開示され、それはモータを可変速度で操作することができる固体モータ・コントローラと、負荷力が出力軸を逆駆動するのを防止するギアセットを含んでいる。バルブアクチュエータの速度とトルクは選択することができる。本発明はトルク・リミットスイッチまたは他のトルク専用トルク感知手段および独立した制動機構をバルブアクチュエータ内に設置する必要性を無くすことができる。
判り易く説明するために、同じ番号は図中の同じ要素を表すことができる。次に、図1において、バルブアクチュエータ100の特定の実施例はモータ・コントローラ20および可変速モータ10を含んでいる。モータ・コントローラ20は電源90からの入力から電気的入力を受ける。モータ・コントローラ20は可変速モータ10への電気的エネルギの出力を制御する。可変速モータ10はバルブ80に結合することができる。あるいは、モータ10をアクチュエータ・ギアボックス(回転または線形出力)に結合することができ、次に、それをバルブ80または他の被駆動負荷に結合することができる。
可変速モータ10は当技術分野で知られている任意適切なモータとすることができる。本発明により多数の可変速モータが予想される。適切なコントローラおよびコンバータを有するほぼ全ての交流モータが可変速度で機能することができる。可変速モータ10は単相および多相誘導電動機を含んでいる。多相誘導電動機には4つの一般的な設計グループAおよびB、C、D、およびFと付随するサブグループが含まれる。可変速モータ10は巻線形モータ、マルチスピード・モータ、定および可変トルク・モータ、およびユニバーサル・モータ等の他の交流モータとすることができる。ヒステリシスおよびリラクタンス設計の非励磁同期モータ、および直流励磁同期モータを含む同期モータを使用することができる。可変速モータ10はサーボモータ、ブラシレス・サーボモータ、およびリニアモータとすることもできる。
可変速モータ10は直流モータとすることもできる。適切な直流モータは、たとえば、分巻、直巻、複巻、およびブラシレス直流モータを含む。可変速モータ10はブラシまたはブラシレス直流リニアモータ、またはコアレスモータとすることができる。可変速モータ10は、リングモータまたはパンケーキモータが使用されるような場合、任意数の極を有することができる。可変速モータ10は限定角トルクモータ、または限定角トルクモータとして配線されたブラシレス直流モータとすることができる。可変速モータ10は永久磁石ステッパモータ(ディスク型モータ等)、磁石レス・ブラシレス・ステッパモータ(可変リラクタンス・モータ等)、およびスイッチド・リラクタンス・ブラシレス直流モータ(ハイブリッド永久磁石モータとしても知られる)を含むことができる。可変速モータ10は2、3、4、または5相モータ等のステッパモータ、および直流サーボモータを含むことができる。
モータの前述リストに限定的意味合いは無く、可変速モータ10として使用することができるさまざまなモータの例を提供するものである。任意の制御方法により可変速度で駆動できる任意のモータを可変速モータ10として使用することができる。さらに、サーボモータは特定タイプのモータとして記述されているが、モータ位置帰還は前記した任意のモータと一体化できることを理解しなければならない。
モータ・コントローラ20は可変速モータ10の速度およびトルクを制御することができる任意のコントローラとすることができる。一実施例では、モータ・コントローラ20は固体コントローラとすることができる。「コントローラ」という用語は、ここでは、コントローラおよびドライブの両方に関して使用される。モータ・コントローラ20は使用するモータのタイプに応じて変わる。ブラシ付き直流モータは主として「界磁」と呼ばれる巻線形固定子と「電機子」と呼ばれる巻線形回転子により構成される。ここで使用される「巻線」または「巻線形」という用語はワイヤ・ラッピングだけでなく、巻線用金属層およびフレーム(典型的には、鋼積層体(ferrous metal lamination)により構成される)に関しても使用される。たとえば、直巻直流モータに対して、電機子および界磁は直列接続される。モータ速度はモータに供給される電流にほぼ直接比例する。したがって、モータに供給される電圧を制御するとモータ速度が制御される。電流を制御するとモータ・トルクが制御される。モータ・コントローラ20はポテンショメータやレオスタット等の可変抵抗器を含むことができる。たとえば、トライアック、およびシリコン制御整流器(SCR)を使用することもできる。可変速モータ10と互換性のある任意適切な技術を使用することができる。
分巻直流モータは別々の界磁および電機子電源を有する。したがって、異なるタイプの制御が必要である。界磁が固定電源を有し電機子電源は変動する場合、これは電機子電圧制御と呼ばれる。電機子電圧制御は速度範囲にわたって一定トルクを提供する。界磁および電機子電源が固定している場合、これは分巻界磁制御と呼ばれる。分巻界磁制御は速度範囲にわたって一定馬力を提供する。複巻直流モータは直巻巻線および分巻巻線の両方を使用する。モータ・コントローラ20は電機子電圧制御、分巻界磁制御、または複巻モータ制御を提供することができる。
ブラシレス直流モータは巻線型電機子を持たず、代わりに永久磁石を回転子として使用する。ブラシの代わりに、界磁巻線(積層金属層)内の電流は必要に応じて前後に切り替えられて永久磁石回転子を回転させるために必要な交番磁界を生成する。切替速度を制御するのにPWMが一般的に使用されるが、モータ・コントローラ20は速度および/またはトルクを制御するのに任意適切な方法を使用することができる。
交流誘導電動機は巻線型固定子回転子を有し、かつ巻線すなわち導電性「バー」(かご形)を有することができるが、電力は固定子にしか供給されない。交流モータの速度は最も頻繁には電源周波数および電圧を変えることで制御される。本発明の特定の実施例では、モータ・コントローラ20は可変周波数ドライブ(VFD)を有することができる。VFDは本質的に交流を直流に変換し、次に直流電流を交流に反転し戻す。インバータが出力交流波の電圧および周波数を制御する。出力周波数が交流モータの速度を決定する。出力電圧がモータ・トルクを決定する。交流−直流変換を達成するのに使用できる適切な装置には、たとえば、ダイオード、整流器、サイリスタ、およびSCRが含まれる。直流電流を交流電流に反転するのに絶縁(分離とも言われる)ゲート・バイポーラトランジスタ(IGBT)等の半導体を使用することができる。あるいは、バイポーラトランジスタ、FET、MOSFET、およびトランジスタ−変圧器を使用することができる。同期電動機は誘導電動機と同様に制御される。モータ・コントローラ20は当技術分野で知られている交流モータの速度および/またはトルクを制御することができる任意適切なコントローラとすることができる。
図2はバルブアクチュエータ100が、さらに、電力変換器30およびギアセット40を含む本発明の実施例を例示している。電力変換器30は電源90からの電気的入力を受けて適切な電気供給をモータ・コントローラ20へ出力する。ギアセット40は可変速モータ10の出力軸に結合される。ギアセット40は、次に、バルブ80に結合される。
図3に示すもう1つの実施例では、電力変換器30はモータ・コントローラ20と同じハウジング内で一体化することができる。電力変換器30のいくつかまたは全ての機能はモータ・コントローラ20により達成することもできる。たとえば、モータ・コントローラ20としてVFDが使用される場合、VFDは単相交流を3相交流に変換する機能を実施することもできる。したがって、別個の位相変換器は必要ない。しかしながら、VFDをこの目的に利用するよりはユニバーサル電力変換器30に内蔵された別個の位相変換器を有することが望ましい。VFDは交流−直流変換および交流への反転も実施することができる。したがって、モータ・コントローラ20がVFDを含む場合、電力変換のこれらの側面はモータ・コントローラ20により実施することができる。
さらに、図4の実施例に示すように、電力変換器30が必要とされない状況もある。電力変換器30は電源90を1つの電圧からもう1つの電圧へ変えることができる変圧器(たとえば、可変変圧器)とすることができる。電力変換器30は交流−直流変換器、直流−直流変換器、直流−交流変換器、または位相変換器とすることもできる。電力変換器30はユニバーサル電力変換器として設計することもできる。このように、電力変換器は任意の一般的に使用されている電圧および電流タイプを取りいれて、それをモータ・コントローラ20が使用可能な形に変換することができる。代替実施例では、電力変換器はオンボード・ポジションまたはプロセス・コントローラに給電できる低電圧交流および/または直流電力を生成することができ、外部装置(たとえば、スイッチ、インジケータ、および状態信号)を駆動する電力源となることもできる。電源90は利用可能な任意の電源とすることができる。電源90のいくつかの例として、208−690V交流3相50または60Hz、120または230V交流単相、12V直流、24V直流、および48V直流が含まれる。本発明の実施例は24V直流から690V交流までの任意の電圧を受け入れることができる。
電力変換器30は単一装置または複数の装置とすることができる。たとえば、電力変換器30は前記した直流変換器、交流降圧または昇圧変圧器、または位相変換器を含むことができる。
次に、図5の実施例について、現場接続ブロック60もバルブアクチュエータ100内に含むことができる。現場接続ブロック60は電源90を電力変換器30またはモータ・コントローラ20のいずれかに接続するのに必要な任意の方法で設計することができる。現場接続ブロック60は電力変換器30および/またはモータ・コントローラ20と単一装置に一体化することもできる。現場接続ブロック60はユニバーサル電力変換器30で使用するユニバーサル接続ブロックとして設計することができる。その特定実施例では、現場接続ブロック60は適切なポスト、ラグ、カムロック、ピンおよびスリーブ・コネクタ、または電源90により送られる任意の電圧または電流値を処理する他の接続装置を有して設計することができる。現場接続ブロック60は単一接続機構または複数の接続機構を有することもできる。たとえば、現場接続ブロック60は交流および直流電線の両方に対してその上にラグを固定することができるポストの単一セットを有することができる。あるいは、現場接続ブロック60は直流電線に対するポストおよび/またはラグのセット、および交流電線に対するポストおよび/またはラグのセットを有することができる。現場接続ブロック60は交流または直流接続機構の複数セットを有することもできる。
現場接続ブロック60はオペレータが1つのタイプの電力に対して現場接続ブロック60を誤配線するのを防止するように設計することができるが、実際には異なるタイプの電力を供給する。たとえば、オペレータが480V交流3相を使用したい場合、誤って480V交流コネクタの2つを直流ラグのセットに接続すると、問題が生じる。現場接続ブロック60は供給される電流および電圧のタイプを自動的に感知して適切な予防措置をとるように設計することができる、あるいはどんな電流および電圧が供給されるかをユーザが確認できるようにする機構を提供することができる。自動感知は当技術分野で知られているセンサにより達成することができる。次に、現場接続ブロック60内のコントローラは適切な開閉装置と係合してオペレータの電源を電力変換器30の適切な部分に電気的に接続することができる。電力調整器モジュールは広い範囲の可能な入力電圧のいずれも受け入れることができ、モータの操作を許したり(安全限界内であれば)防止したりすることができる。接点中を電流が流れている間に開閉装置を変える試みを回避するために回路保護を付加することができる。
さらに、可変速モータ10が交流モータであり、かつ電源90が直流電源であれば、直流電力を直接モータ・コントローラ20に供給することが望ましく、次に、それは可変速モータ10を制御する一部として直流電力を交流電力に変換する。
バルブアクチュエータ100の現場接続ブロック60または任意他の部分は、サーキットブレーカ、およびサージプロテクタのような形の任意の必要な電流および電圧保護を含むことができる。
現場接続ブロック60に関して記述した構成および機能の全てを単一ハウジング内で電力変換器30、モータ・コントローラ20、および/またはバルブアクチュエータ・コントローラ50と一体化することができる。次に、その単一ハウジングをバルブアクチュエータ100の一部として内蔵することができる。さらに、現場接続ブロック60および電力変換器30は完全に一体化することができる。
ユニバーサル電力変換器30を使用することにより、バルブアクチュエータ・メーカは顧客が有する任意の電源90と互換性であってそのまま販売可能な定められたサイズ範囲のシングル・バルブアクチュエータ100を作ることができる。さらに、可変速モータ10を使用することにより、バルブアクチュエータ100は広範囲のバルブ80と互換性とすることができる。固体モータ・コントローラ20により定められたバルブ80に対する最適速度およびトルクの構成が許される。速度およびトルクはオペレータ、メーカ、代理店、または販売者により設定することができる。したがって、狭い範囲のバルブアクチュエータ100が広い範囲のバルブ応用のニーズを満たすことができる。狭い範囲のバルブアクチュエータ100は他のバルブアクチュエータでは以前不可能であった規模の経済性を達成するのに十分な大量生産を行うことができる。
バルブアクチュエータ100は随意ギアセット40を含むことができる。ギアセット40はバルブアクチュエータ100の一部として、あるいはバルブアクチュエータ100に結合することができる別個の部品として含むことができる。一実施例では、ギアセット40はウォームシャフトが可変速モータ10の出力軸に直接結合され、かつバルブアクチュエータ100の一部として一体化されるウォーム/ウォーム・ギアセットとすることができる。ウォーム/ウォーム・ギアセットは、モータが通電されていない時にバルブが位置を変えないように、バルブアクチュエータ100を本質的に制動または拘束する。しかしながら、ギアセット40は遊星ギアセットのような他のギアとすることができる。図6はギアセット40が存在しない実施例を示す。この実施例では、可変速モータ10の出力軸をバルブ80に直結することができる。
特定の実施例では、中空軸、多極数、高トルク、低速「パンケーキ」モータを使用してバルブステムを受け入れ−ギアボックス無しで−バルブを直接駆動することができる。直接駆動、中空アクチュエータに対しては、それでも停止した時にアクチュエータを正しい位置に「固定する」必要がある。それはモータ・コントローラへのゼロ速度コマンドを介して、コントローラによりその位置に積極的に保持することができる。あるいは、中空軸設計は3ポジション・モータ/ハンドホイール・クラッチングシステムおよびソレノイド駆動ブレーキを使用することができる。第1のポジションはソレノイド・ブレーキを解放した運転またはソレノイド駆動ブレーキを係合した停止を含んでいる。第2のポジションは係合解除されるモータおよび係合されたブレーキ(すなわち、ソレノイドをオーバライドする)を含んでいる。第3のポジションは係合解除されるモータ、係合解除されるブレーキ(ソレノイドをオーバライドする)、および係合されるハンドホイールを含んでいる。ハンドホイールを操作するために、レバーがポジション3に移動され、ハンドホイールは所望のバルブ位置とされ、レバーはポジション1または2に移動されてバルブ位置を保持する。
図7はギアセット40がバルブアクチュエータ100内に存在するが、可変速モータ10およびモータ・コントローラ20は別個のハウジング70内に収納される実施例を例示している。電力変換器30もハウジング70内に存在することができる。一実施例では、ハウジング70はモータ・ハウジングである。たとえば、モータ・コントローラ20および電力変換器30はモータ・ハウジング内に配置することができる。あるいは、モータ・コントローラ20および電力変換器30はハウジング70上に配置することができる。このような実施例では、モータ・コントローラ20および電力変換器30はハウジング70内の孔を通って可変速モータ10に配線することができる。モータ・コントローラ20および電力変換器30はハウジング70が、NEMA4等の、任意所望のNEMA基準を有するように適切にカバーすることができる。さらに、図7の実施例では、電力変換器30は存在しなかったり、モータ・コントローラ20と一体化されて単一装置となることがある。バルブアクチュエータ・コントローラ50もハウジング70に配置することができる。モータ・コントローラ20もバルブアクチュエータ・コントローラ50内に一体化することもできる。
バルブ80は多回転バルブまたは1/4回転バルブとすることができる。バルブ80はグローブ、ゲート、スルース、バタフライ、プラグ、ボール、またはマルチ・ポート・バルブとすることができる。バルブ80はギアセット40の有るまたは無い可変速モータ10により操作することができる任意のバルブまたは他のアクチュエータ駆動負荷を含んでいる。
図8について、バルブアクチュエータ100はバルブアクチュエータ・コントローラ50を含むこともできる。特定の実施例において、バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブアクチュエータ100のアクチュエータ・ハウジング70内に配置される。しかしながら、バルブアクチュエータ・コントローラ50はアクチュエータ・ハウジング70の外部とすることもできる。たとえば、バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブアクチュエータ100近くの支持構造上に搭載し、導線でバルブアクチュエータ・コントローラ50をバルブアクチュエータ100に接続することができる。
図8に示すように、一実施例では、バルブアクチュエータ・コントローラ50はモータ・コントローラ20を制御する。モータ・コントローラ20は、図8に示すように、電力変換器30から独立したものとすることができ、あるいは、図9に示すように、電力変換器30をモータ・コントローラ20と同じ装置に一体化することができる。図8はバルブアクチュエータ・コントローラ50をモータ・コントローラ20から独立したものとして例示している。あるいは、バルブアクチュエータ・コントローラ50は電源90から直接受電し、バルブアクチュエータ・コントローラ50は出力信号および状態インジケータを電源90へ送ることができる。しかしながら、図10に示すように、モータ・コントローラ20はバルブアクチュエータ・コントローラ50と一体化して単一装置とすることができる。図11は電力変換器30も単一装置としてバルブアクチュエータ・コントローラ50およびモータ・コントローラ20と一体化できることを例示している。
図はモータ・コントローラ20を一体化してバルブアクチュエータ・コントローラ50とすることを示しているが、バルブアクチュエータ・コントローラ50は一体化されてモータ・コントローラ20になると見なすこともできる。同様に、モータ・コントローラ20および/またはバルブアクチュエータ・コントローラ50により実施される機能は電力変換器30が実施することもできる。
バルブアクチュエータ・コントローラ50は信号を受信して出力することができる。バルブアクチュエータ・コントローラ50はプロセス・コマンド信号、プロセス帰還信号、バルブ位置コマンド信号、バルブ位置帰還信号、およびモータ位置信号を受信することができる。バルブアクチュエータ・コントローラ50またはモータ・コントローラ20のいずれかはいかなる数の帰還信号も受信することができる。たとえば、図12に示すように、可変速モータ10は回転子(または電機子)位置信号、回転子速度信号、モータ電流信号、またはモータ・トルク信号等の帰還信号15を発生することができる。帰還信号15はバルブアクチュエータ100出力トルク、出力速度、および位置を導き出すのに使用することができる。同様に、帰還信号15はバルブ80トルク、速度、および位置を計算するのに使用することができる。ギアセット40は帰還信号16を発生するように構成することができる。帰還信号16はバルブアクチュエータ100出力トルク、速度、および/または位置を表示することができる。帰還信号16は、ウォームシャフトまたはウォームの速度および/またはトルク等の、歯車列の任意部分のデータを含むこともできる。さらに、バルブ80は帰還信号17を発生するように構成することができる。帰還信号17はバルブ80トルク、速度、および位置を直接表示することができる。図12は帰還信号15、16、および17を受信するモータ・コントローラ20を例示している。しかしながら、バルブアクチュエータ・コントローラ50は信号を受信することもできる。
バルブアクチュエータ・コントローラ50により送られる信号の例として、センサ、オペレータ、モータ・コントローラ20、可変速モータ10、およびバルブアクチュエータ100外部の他のシステムへのクエリ(queries)が含まれる。
バルブアクチュエータ・コントローラ50はポジション・コントローラまたはプロセス・コントローラとして作動することができる。ポジション・コントローラの実施例では、バルブアクチュエータ・コントローラ50は位置コマンド信号を受信するように構成することができる。位置コマンド信号はバルブの所望位置を表示することができる。コマンド信号は、プロセス・コントローラ、オペレータ、スイッチ、ポテンショメータ、プロセス機能ブロック、信号発生器、またはポジション・コントローラ等の任意の標準手段により発生することができる。次に、バルブアクチュエータ・コントローラ50は、帰還信号15を介して、可変速モータ10の回転子位置のモータ・コントローラ20の知識を使用してバルブ80の位置を決定することができる。帰還信号15は本質的に位置帰還信号のソースとして利用することができる。次に、バルブアクチュエータ・コントローラ50は位置コマンド信号と位置帰還信号との間に誤差(差)があるかどうかを決定することができる。誤差が検出されると、バルブアクチュエータ・コントローラ50は、次に、誤差を最小限に抑えるようにバルブアクチュエータ100を調節することができる。性能チューニング(たとえば、応答時間、許容オーバシュート、整定時間、および/または許容誤差)はユーザが構成することができ、あるいはメーカが予めデフォルト値に設定することができる。
プロセス・コントローラの実施例において、バルブアクチュエータ・コントローラ50はプロセス・コマンド信号およびプロセス帰還信号を受信するように構成することができる。プロセス・コマンド信号は所望するプロセス変数設定点を表示する。プロセス帰還信号はプロセス変数の実際の状態を表示する。バルブアクチュエータ・コントローラ50は、次に、2つの信号間に誤差があるかどうかを決定し、構成された容認幅内に誤差を低減するようにバルブを調節する。バルブアクチュエータ・コントローラ50は比例制御、比例プラス積分制御、比例プラス積分プラス微分制御、または比例プラス微分制御等の任意タイプの制御応答を内蔵することができる。
バルブアクチュエータ100はバルブ80を固定速度または可変速度のいずれかで操作するように構成することができる。固定速度の実施例では、本発明のバルブアクチュエータ100は製造業の規模の経済性を改善して提供することができる。さらに、バルブアクチュエータ100は可変速度で作動するように構成することができる。
バルブアクチュエータ100はオペレータにより可変速度で作動するように構成することができる。オペレータはバルブ80が操作される速度にわたって無限に近い制御を行うことができる。オペレータはバルブアクチュエータ100が作動するための設定速度を選択することができ、あるいは速度プロファイルに入ることができる。速度プロファイルによりオペレータはバルブ80ストロークの異なる位置に対する異なるバルブ速度を指示することができる。オペレータは異なる速度およびバルブ80のストロークに沿った異なる場所で送ることができる許容トルクを設定することもできる。したがって、バルブ80のトルクおよび速度はバルブ80を最初に開く時は開く前に、最初に閉じる時は閉じる前に制限することができる。特定の実施例において、バルブアクチュエータ・コントローラ50および/またはモータ・コントローラ20は固体コントローラであり、トルク・リミットスイッチが速度またはトルクをいつ変えるべきかを確認する必要性を無くす。替わりに、帰還信号15を介したモータ位置およびトルクのモータ・コントローラ20の知識を使用してバルブ80のトルクおよび/または速度をいつ制限または変更するかを決定することができる。たとえば、トルクはモータ電流、電圧、温度、逆起電力、漏洩磁束、またはそれらの任意の組合せから推論することができる。したがって、バルブアクチュエータ・コントローラ50が固体コントローラであれば、オペレータは機械的スイッチを調節することなくバルブ・ストロークに沿った速度が増減する位置を変えることができる。
バルブ80の固定速度または速度プロファイルを変えるオペレータの能力はシステム全体の利得を決定する大きな柔軟性を提供することができる。たとえば、より高いバルブ速度はより高いシステム利得と同一視することができ、逆に、より低いバルブ速度はより低いシステム利得と同一視することができる。さらに、バルブ速度とシステム利得間の関係により、バルブアクチュエータ100の可変速度能力はオペレータに制御システムを微調整するツールを提供する。これはシステムが落ち着くようにするチューニング定数を見つけることが困難な敏感な制御システムにおいて特に有利である。
さらに、チューニング定数が選出されると、オペレータはチューニング定数を変えるのではなくバルブ80の速度を変えることができる。これは積分ワインドアップおよび当技術分野で知られている他の問題等のPIDコントローラに付随する問題を回避するチューニング定数の限定されたセットをオペレータが有するプロセスにおいて特に有利である。このようなシナリオにおいて、バルブ速度を調節することはコントローラ・チューニング定数を変えることよりも一層有益である。
たとえば、多くのオペレータはプロセスをシャットダウンしてバルブの保守を行おうと試みる。替わりに、オペレータは全体プロセスがシャットダウンされて必要ないかなる修理も一度に実施される一年の定められた時間までバルブを十分作動可能に保とうと試みる。したがって、バルブが焼付き開始すると、コントローラのチューニング定数を調節して焼き付くバルブを補償しようと試みるオペレータもいる。本質的に、オペレータはコントローラ・チューニング定数を変えて、予焼付きバルブ・プロセス状態に類似する実際の結果に近似させるために、バルブを指令して位置をより早くもしくはより大きく変えるよう試みることができる。あるいは、本発明の閉ループ・ポジション・コントローラは、コマンド速度を達成する試みにおける全電圧(最大tq)までずっと、必要に応じてモータ電圧を調節することができる。コントローラのタイミング・パラメータ内の時間またはKi定数を調節することにより、オペレータはバルブがより焼き付き易くなったらアクチュエータの挙動を調節することができる。
しかしながら、複雑または敏感なシステムに対しては、実際に安定なプロセスを提供するチューニング定数のセットは制限されていることがある。固定速度をただ変えるのではなく、バルブ80における速度を変えるようにバルブアクチュエータ・コントローラ50を調節することにより、バルブが有するどのような問題にも対応するようにバルブ速度プロファイルを調節したり生成したりすることができる。バルブが開放時だけ焼き付く場合は、バルブを最初に開く時により大きなトルク供給することができる。バルブがバルブ・ストロークの途中で焼き付く場合は、バルブが焼き付く範囲にわたって速度またはトルクを増すことができる。
バルブアクチュエータ100はバルブアクチュエータ・コントローラ50内で適切なロジックで設計されて、バルブ80を始動させる速度を決定することができる。このようなロジックはバルブアクチュエータ・コントローラ50がプロセス・コントローラとして機能している時にバルブアクチュエータ・コントローラ50内に一体化することができる。この実施例では、バルブアクチュエータ・コントローラ50はどの速度で可変速モータ10が作動してギアセット40を回転し、次に、バルブ80を始動させるか決定することができる。たとえば、バルブアクチュエータ・コントローラ50はプロセス変数設定点とプロセス変数帰還との間の差が大きい時にバルブ80は高速度で始動されるように設計することができる。同様に、プロセス信号間の誤差(差)が小さければ、バルブ80は低速度で作動される。バルブアクチュエータ・コントローラ50には誤差の定められた大きさに対応するように予め選出された速度の制限されたセットを設定することができる。あるいは、バルブアクチュエータ・コントローラ50は対応する誤差に応じてバルブ80を始動させることができる本質的に無限の速度を有することができる。
バルブアクチュエータ・コントローラ50はプロセス変数設定点変化への第1の応答によりバルブ80は高速で始動され、バルブ80の位置へのその後の変化は次第に低速で生じるように設計することができる。このようなアプローチは積分ワインドアップを回避するのに有用である。当業者ならばお判りのように、バルブアクチュエータ・コントローラ50はさまざまな方法で応答するように設計することができる。プログラミング・コントローラおよびコントローラ・ハードウェアが当技術分野で知られている。したがって、バルブアクチュエータ・コントローラ50内で使用される正確なソフトウエア、ハードウェア、および/またはファームウエアはここでは検討しない。
図13について、バルブアクチュエータ・コントローラ50を温度プロセス・コントローラとして使用する一例が記述される。反応容器200はその側面周りに加熱ジャケット210を有する。反応容器200の入力および出力は図示されていない。パイプ220が加熱ジャケット210に温水を供給する。加熱ジャケット210内の温水からの熱は反応容器200へ伝達される。新鮮な温水の流量が大きいほど、反応容器200の温度は高くなる。温水の流量はバルブ80により制御される。バルブ80の入口はパイプ260に接続される。加熱ジャケット210中を循環した温水はパイプ270を経て出てゆく。バルブ80はバルブアクチュエータ100により回転される。信号240はバルブアクチュエータ・コントローラ50へ送られるプロセス・コマンド信号であり、反応容器200に対する温度設定点を表示している。信号源は図13には示されていない。信号240および250は0−20または5−20mA信号、0−10または0−50mV信号、0−5、1−5、または0−10V直流信号、またはデジタル通信バス(Modbus、Foundation Fieldbus、Profibus、ASi、DeviceNet、Internet、Ethernet(登録商標)等)上のデジタル・メッセージ、または任意他のコントローラ信号形式とすることができる。信号250は温度センサ230からバルブアクチュエータ・コントローラ50へ送られるプロセス帰還信号である。
簡単にするために、この例では、バルブ80の位置は温水の異なる流量に校正されるものと仮定する。実際には、少なくとも1つの温水流量センサおよび他のセンサはバルブアクチュエータ・コントローラ50へ信号を供給することもきる。さらに、任意数の温度センサ230を使用することができる。
小さな温度変化が温度センサ230により感知されると、バルブアクチュエータ・コントローラ50はそれに応答してバルブ80の位置を比較的低速で対応する少量だけ変えることができる。あるいは、大きな温度降下が感知されると、バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブ80を比較的高速でより大きく開くことができる。バルブアクチュエータ・コントローラ50は、非常に低速、低速、中速、高速、非常に高速、等の定められた速度セットを有することができ、それは信号240および信号250間の差の程度によって決まり、バルブ80を始動させるのにどの速度が使用されるかを決定する。バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブ80を始動させることができる本質的に無限数の速度を有することもできる。バルブアクチュエータ・コントローラ50は信号240および信号250間の差だけでなく、信号240自体の変化も感知するように構成することができる。たとえば、温度設定点がオペレータにより劇的に増加されると、バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブ80をゆっくり開いて反応容器200の温度を徐々に高めることができる。しかしながら、信号250の変化が信号250および240間の誤差の源であれば、バルブアクチュエータ・コントローラ50はバルブ80に位置を迅速に変えさせることができる。
バルブアクチュエータ・コントローラ50は主としてソフトウエア、ハードウェア、ファームウエア、またはその組合せとすることができる。バルブアクチュエータ・コントローラ50はPCとインターフェイスする、または、他の制御ハードウェアおよびソフトウエアとインターフェイスするように設計することができる。当技術分野で知られているように、モータ・コントローラ20およびバルブアクチュエータ・コントローラ50は電源90または別個の電源から受電することができる。
本発明は下記の特定実施例および概念も含んでいる。
1.可変速モータと、
前記可変速モータに操作可能に接続されて前記可変速モータを操作するように構成可能な固体モータ・コントローラと、
前記可変速モータに操作可能に接続されたギアセットと、
を含むバルブアクチュエータ。
2.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータはモータ位置帰還の有る交流同期リラクタンスモータ、モータ位置帰還の無い交流同期リラクタンスモータ、モータ位置帰還の有る直流ブラシレスモータ、およびモータ位置帰還の有る直流ブラシレスモータからなるグループから選出されるバルブアクチュエータ。
3.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータは単相誘導電動機、多相誘導電動機、巻線型誘導電動機、多速度モータ、定トルク・モータ、可変トルク・モータ、ユニバーサル・モータ、同期ヒステリシス・モータ、直流励磁同期電動機、サーボモータ、ブラシレス・サーボモータ、およびリニアモータからなるグループから選出される交流モータであるバルブアクチュエータ。
4.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータは分巻、直巻、複巻、ブラシレス直流モータ、リニアモータ、ブラシレス・リニアモータ、コアレスモータ、リングモータ、パンケーキモータ、限定角トルクモータ、永久磁石ステッパモータ、可変リラクタンスモータ、スイッチド・リラクタンスモータ、およびサーボモータからなるグループから選出される直流モータであるバルブアクチュエータ。
5.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、さらに、電力変換器を含むバルブアクチュエータ。
6.請求項5記載のバルブアクチュエータであって、前記電力変換器は交流交流変換、直流直流変換、交流直流変換、直流交流変換、および位相変換を含む上記の機能の1つ以上を実施するように作動可能であるバルブアクチュエータ。
7.請求項5記載のバルブアクチュエータであって、前記電力変換器および前記固体モータ・コントローラは単一装置として一体化されるバルブアクチュエータ。
8.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、さらに、前記モータ・コントローラを制御するように作動可能であるアクチュエータ・コントローラを含むバルブアクチュエータ。
9.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記固体モータ・コントローラは前記可変速モータの前記速度およびトルクを変えるように作動可能であるバルブアクチュエータ。
10.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記固体モータ・コントローラは前記可変速モータが操作される予め選出された速度およびトルクのセットを有するバルブアクチュエータ。
11.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記固体モータ・コントローラはユーザにより制限される予め選出されたトルクを有するバルブアクチュエータ。
12.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータが操作される前記速度およびトルクはオペレータにより調節することができるバルブアクチュエータ。
13.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記固体モータ・コントローラは前記可変速モータが操作される予め選出された速度およびトルク・プロファイルのセットを有するバルブアクチュエータ。
14.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記ギアセットは前記バルブアクチュエータに不可欠であるバルブアクチュエータ。
15.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記ギアセットは前記固体モータ・コントローラを収容するハウジングの外部にあるバルブアクチュエータ。
16.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記ギアセットはバルブのバルブ・ステムと直接噛み合うように作動することができるバルブアクチュエータ。
17.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記ギアセットはバルブまたはアクチュエータ駆動負荷に直接結合することができる中空軸またはリニアモータと直接噛み合うように作動することができるバルブアクチュエータ。
18.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記ギアセットは3ポジション・モータ/ハンドホイール・クラッチング・システムおよびソレノイド駆動ブレーキを有する中空軸と直接噛み合うように作動することができるバルブアクチュエータ。
19.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、さらに、バルブアクチュエータ・コントローラを含むバルブアクチュエータ。
20.請求項19記載のバルブアクチュエータであって、前記バルブアクチュエータ・コントローラは前記バルブアクチュエータに不可欠であるバルブアクチュエータ。
21.請求項19記載のバルブアクチュエータであって、前記バルブアクチュエータ・コントローラは信号を送受信するように作動することができるバルブアクチュエータ。
22.請求項21記載のバルブアクチュエータであって、前記受信信号はコマンド信号および帰還信号、プロセス変数設定点信号および位置信号、およびプロセス変数帰還信号およびモータ置位置信号を含むバルブアクチュエータ。
23.請求項19記載のバルブアクチュエータであって、前記バルブアクチュエータ・コントローラはバルブの始動を制御することによりプロセスの比例制御、比例プラス積分制御、比例プラス微分制御、または比例プラス積分プラス微分制御が可能であるバルブアクチュエータ。
24.請求項19記載のバルブアクチュエータであって、前記バルブアクチュエータ・コントローラはバルブが始動される前記速度およびトルクを決定するロジックを含むバルブアクチュエータ。
25.請求項19記載のバルブアクチュエータであって、前記モータ・コントローラは前記バルブアクチュエータ・コントローラ内に一体化されるバルブアクチュエータ。
26.請求項1記載のバルブアクチュエータであって、さらに、前記モータ・コントローラに操作可能に接続される現場接続ブロックを含むバルブアクチュエータ。
27.請求項26記載のバルブアクチュエータであって、前記現場接続ブロックは前記モータ・コントローラに操作可能に結合される電力変換器に操作可能に接続されるバルブアクチュエータ。
28.請求項26記載のバルブアクチュエータであって、前記現場接続ブロックはユニバーサル現場接続ブロックであるバルブアクチュエータ。
29.ユニバーサル現場接続ブロックと、
給電を受けるように作動できる電力変換器と、
可変速モータと、
前記電力変換器に操作可能に接続されて前記可変速モータを操作するように構成可能な固体モータ・コントローラと、
前記可変速モータに操作可能に接続され、ギアセットにより構成される制動装置と、
を含むバルブアクチュエータ。
30.ハウジングと、
モータ・コントローラと、
出力軸を有する可変速モータと、を含むバルブアクチュエータであって、前記可変速モータは前記モータ・コントローラにより制御するように構成され、
前記モータ・コントローラおよび前記可変速モータは前記ハウジング内に一体化され、さらに、
前記ハウジングの外側で前記出力軸に有効に結合された歯車列を含むバルブアクチュエータ。
31.請求項30記載のバルブアクチュエータであって、さらに、前記モータ・コントローラに有効に結合された電力変換器を含むバルブアクチュエータ。
32.請求項30記載のバルブアクチュエータであって、前記ハウジングはモータ・ハウジングであるバルブアクチュエータ。
33.請求項32記載のバルブアクチュエータであって、前記モータ・ハウジングはアクチュエータ・ハウジングの内部にあるバルブアクチュエータ。
34.バルブを始動させるシステムであって、前記システムは、
バルブアクチュエータを含み、前記バルブアクチュエータは、
出力軸を含むモータと、
前記モータに操作可能に接続されて前記モータを可変速度およびトルクで操作することができる固体モータ・コントローラと、
前記モータの前記出力軸に結合されたギアセットと、
を含むシステム。
35.バルブアクチュエータを操作する方法であって、前記方法は、
可変速モータに操作可能に接続された固体モータ・コントローラを含むバルブアクチュエータを提供するステップであって、前記可変速モータにはギアセットが操作可能に接続されているステップと、
前記バルブアクチュエータが操作される時に前記固体モータ・コントローラにより前記可変速モータが駆動される前記速度を前記固体モータ・コントローラ上で設定するステップと、
停電時に前記可変速モータが負荷を逆駆動しないように前記ギアセットにより拘束するステップと、
を含む方法。
36.請求項35記載の方法であって、さらに、前記バルブアクチュエータが操作される時に前記可変速モータにより発生される前記トルクを前記固体モータ・コントローラ上で設定するステップを含む方法。
37.電気駆動バルブアクチュエータの始動方法であって、前記方法は、
ギアセットを含む前記電気駆動バルブアクチュエータに操作可能に接続された固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいてコマンド信号を受信するステップであって、前記電気駆動バルブアクチュエータは可変速度が可能である前記ステップと、
前記固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいて帰還信号を受信するステップと、
前記コマンド信号と前記帰還信号間に差があるかどうか決定するステップと、
前記電気駆動バルブアクチュエータを始動させることにより前記コマンド信号と前記帰還信号間の任意の差を最小限に抑えるステップと、
を含む方法。
38.請求項37記載の方法であって、前記コマンド信号はプロセス変数設定点信号を含み、前記帰還信号はプロセス変数帰還信号を含む方法。
39.請求項38記載の方法であって、前記電気駆動バルブアクチュエータを始動させることにより前記コマンド信号と前記帰還信号間の任意の差を最小限に抑えるステップは前記電気駆動バルブアクチュエータを一定速度で始動させるステップを含む方法。
40.請求項39記載の方法であって、前記一定速度は前記バルブアクチュエータ・コントローラにより決定される方法。
41.請求項39記載の方法であって、前記一定速度はオペレータにより設定される方法。
42.請求項38記載の方法であって、前記電気駆動バルブアクチュエータを始動させることにより前記コマンド信号と前記帰還信号間の任意の差を最小限に抑えるステップは前記電気駆動バルブアクチュエータを一定トルクで始動させるステップを含む方法。
43.請求項38記載の方法であって、前記電気駆動バルブアクチュエータを始動させることにより前記コマンド信号と前記帰還信号間の任意の差を最小限に抑えるステップはバルブ・ストロークの長さにわたって前記電気駆動バルブアクチュエータを可変速度で始動させるステップを含む方法。
44.請求項43記載の方法であって、前記可変速度または最大許容速度はユーザにより決定される方法。
45.請求項43記載の方法であって、前記可変速度は前記バルブアクチュエータ・コントローラにより決定される方法。
46.請求項37記載の方法であって、前記コマンド信号は位置コマンド信号を含み、前記帰還信号はモータ位置信号を含む方法。
47.請求項46記載の方法であって、前記モータ位置信号はモータ・コントローラから送られる方法。
48.請求項46記載の方法であって、前記モータ位置信号は前記バルブアクチュエータ・コントローラからのクエリの結果である方法。
49.請求項37記載の方法であって、前記バルブアクチュエータ・コントローラは比例制御、比例プラス積分制御、比例プラス微分制御、または比例プラス積分プラス微分制御が可能である方法。
50.請求項37記載の方法であって、前記バルブアクチュエータ・コントローラは前記電気駆動バルブアクチュエータのハウジング内に一体化されている方法。
51.請求項37記載の方法であって、前記帰還信号はそれから速度、トルク、または位置を決定することができる信号を含む方法。
詳細に開示してきたが、下記の特許請求の範囲により前記した技術および実施例はより完全に説明され本発明が記述される。当業者ならば本発明の精神および範囲を逸脱することなく前記した技術および実施例に数多くの多様な変更を行うことができる。

Claims (11)

  1. バルブに操作可能に接続可能な出力軸を有する可変速モータと、
    前記可変速モータに操作可能に接続されていて、前記バルブのバルブストロークの実質的に全範囲にわたって連続的に可変の速度とトルクを前記バルブに出力するように前記可変速モータを動作させるように構成された固体モータ・コントローラであって、固体バルブアクチュエータ・コントローラからの位置コマンド信号、位置帰還信号、プロセス・コマンド信号、プロセス帰還信号及びモータ位置信号のうちの少なくとも一つの信号に応じて制御される、前記固体モータ・コントローラと、
    前記可変速モータの前記出力軸に操作可能に接続されるギアセットを含む制動装置と、
    電源から電気入力を受けて前記固体モータ・コントローラに電力を出力するように構成された電力変換器であって、該電力変換器は任意の通常使用されている電圧および電流を前記固体モータ・コントローラが使用可能な形に変換可能なように構成されているユニバーサル電力変換器である、前記電力変換器と、
    前記ユニバーサル電力変換器と前記電源とを動作可能に電気的に接続するユニバーサル現場接続ブロックであって、前記電源から前記ユニバーサル電力変換器に送られる任意の電圧または電流値を伝達する接続装置を含む、前記ユニバーサル現場接続ブロックと、
    前記可変速モータと、前記固体モータ・コントローラと、前記ユニバーサル現場接続ブロックと、前記ギアセットと、前記ユニバーサル電力変換器とを一体に収納するハウジングと
    を含むバルブアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータはモータ位置帰還の有る交流同期リラクタンスモータ、モータ位置帰還の無い交流同期リラクタンスモータ、モータ位置帰還の有る直流ブラシレスモータ、およびモータ位置帰還の無い直流ブラシレスモータからなるグループから選出されるバルブアクチュエータ。
  3. 請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータは単相誘導電動機、多相誘導電動機、巻線型モータ、多速度モータ、定トルク・モータ、可変トルク・モータ、ユニバーサル・モータ、同期ヒステリシス・モータ、直流励磁同期電動機、サーボモータ、ブラシレス・サーボモータ、およびリニアモータからなるグループから選出される交流モータであるバルブアクチュエータ。
  4. 請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記可変速モータは分巻、直巻、複巻、ブラシレス直流モータ、リニアモータ、ブラシレス・リニアモータ、コアレスモータ、リングモータ、パンケーキモータ、限定角トルクモータ、永久磁石ステッパモータ、可変リラクタンスモータ、スイッチド・リラクタンスモータ、およびサーボモータからなるグループから選出される直流モータであるバルブアクチュエータ。
  5. 請求項1記載のバルブアクチュエータであって、前記固体バルブアクチュエータ・コントローラは前記ハウジングに一体化されているバルブアクチュエータ。
  6. 請求項記載のバルブアクチュエータであって、前記固体バルブアクチュエータ・コントローラは前記バルブアクチュエータに不可欠であるバルブアクチュエータ。
  7. 請求項記載のバルブアクチュエータであって、前記固体モータ・コントローラは前記固体バルブアクチュエータ・コントローラ内に一体化されるバルブアクチュエータ。
  8. バルブアクチュエータを操作する方法であって、前記方法は、
    請求項1に記載のバルブアクチュエータを提供するステップと、
    前記バルブアクチュエータが操作される時に前記固体モータ・コントローラにより前記可変速モータが駆動される際の速度プロファイルを前記固体モータ・コントローラ上で設定するステップと、
    停電時に前記可変速モータが負荷を逆駆動しないように前記ギアセットにより拘束するステップと、
    を含む方法。
  9. 電気駆動バルブアクチュエータの始動方法であって、前記方法は、
    電源からユニバーサル現場接続ブロックとさらにユニバーサル電力変換器を介して固体モータ・コントローラに電力を供給するステップであって、前記ユニバーサル電力変換器は任意の通常使用されている電圧および電流を前記固体モータ・コントローラが使用可能な形に変換するように構成されていて、前記ユニバーサル現場接続ブロックは前記電源から前記ユニバーサル電力変換器に送られる任意の電圧または電流を伝達する接続装置を含み、前記固体モータ・コントローラと前記ユニバーサル現場接続ブロックと前記ユニバーサル電力変換器とがハウジング内に一体に構成されている、該電力を供給するステップを含み、
    前記電気駆動バルブアクチュエータは、固体バルブアクチュエータ・コントローラを有し、前記固体バルブアクチュエータ・コントローラが前記電気駆動バルブアクチュエータの固体モータ・コントローラに動作可能に接続されていて、前記固体モータ・コントローラが前記電気駆動バルブアクチュエータの可変速モータに動作可能に接続されていて、前記固体バルブアクチュエータ・コントローラ、前記固体モータ・コントローラが前記可変速モータを、バルブのバルブストロークの実質的に全範囲にわたって速度とトルクを連続的に可変できるように動作させ、前記電気駆動バルブアクチュエータが前記可変速モータの出力軸に結合されたギアセットを含み、
    さらに、前記方法は、
    前記固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいてコマンド信号が受信されるステップと、
    前記固体バルブアクチュエータ・コントローラにおいて帰還信号を受信するステップと、
    前記コマンド信号と前記帰還信号間に差があるかどうか決定するステップと、
    前記電気駆動バルブアクチュエータを作動させて、前記コマンド信号と前記帰還信号間の差を最小限に抑えるステップであって、前記固体バルブアクチュエータ・コントローラが、前記コマンド信号と前記帰還信号間の差に応じて前記電気駆動バルブアクチュエータの固体モータ・コントローラにより前記バルブのバルブストロークの実質的に全範囲にわたって速度とトルクを連続的に可変させて前記差を最小限に抑えるステップと、
    を含む方法。
  10. 請求項記載の方法であって、前記コマンド信号はプロセス変数設定点信号を含み、前記帰還信号はプロセス変数帰還信号を含む方法。
  11. 請求項記載の方法であって、前記コマンド信号は位置コマンド信号を含み、前記帰還信号はモータ位置信号を含む方法。
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