JP5665699B2 - 鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、モバイル端末の状態を知ることができ、且つ、モバイル端末を給電可能に支持し、外観性の向上及び電源供給線の保護を可能とした鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造を提供することを目的とする。
この構成によれば、モバイル端末支持部は、運転者の膝の間に配置され、上面部に給油口を備える燃料タンクの上面であって、モバイル端末の表示面を運転者側に向けて取り付け可能に配置されるとともに、モバイル端末の電源供給線は、給油口を塞ぐ燃料タンクキャップを覆うリッドによって燃料タンクの上面部において覆われるため、運転者は、モバイル端末支持部に支持されたモバイル端末の表示面を燃料タンクの上方側から視認することができ、モバイル端末の状態を知ることができるとともに、モバイル端末を給電可能に支持できる。さらに、電源供給線を、燃料タンクキャップを覆うリッドで覆うため、電源供給線を隠して外観性を向上できるとともに、電源供給線を保護できる。また、電源供給線は、リッドのヒンジの近傍を通ってモバイル端末に接続されるため、リッドの回動の際に電源供給線が撓む量が小さくなり、電源供給線を短くできるとともに、リッドの回動の際に電源供給線が邪魔になることを防止できる。
また、モバイル端末は、リッドの上面に配置されるとともに、リッドに開閉可能に取り付けられるクリアケースに覆われるため、クリアケースを介してモバイル端末の表示面を視認できるとともに、クリアケースによってモバイル端末を水や塵埃から保護できる。
さらに、前記リッド(390)には、錠機構(93)が設けられる構成であっても良い。
この場合、モバイル端末はリッドの下側に配置されたモバイル端末支持部に取り付けられるとともに、リッドには、透明な窓及び錠機構が設けられるため、リッドによってモバイル端末を水や塵埃から保護できるとともに、リッドの透明な窓からモバイル端末の表示面を視認できる。また、リッドを錠機構で施錠することで、モバイル端末を確実に支持できる。
この場合、タンクの上面部の凸条部に電源供給線が配置されるため、燃料から電源供給線を離すことができる。
また、モバイル端末は、リッドの上面のクリアケースに覆われるため、クリアケースを介してモバイル端末の表示面を視認できるとともに、クリアケースによってモバイル端末を水や塵埃から保護できる。
さらに、リッドによってモバイル端末を水や塵埃から保護できるとともに、リッドの透明な窓からモバイル端末の表示面を視認できる。また、リッドを錠機構で施錠することで、モバイル端末を確実に支持できる。
また、タンクの上面部の凸条部に電源供給線が配置されるため、燃料から電源供給線を離すことができる。
また、電源供給線は、リッドの下方で燃料タンクを貫通する貫通パイプを通ってタンク下面からタンクの上面部に延びるため、電源供給線の外側への露出を防止して外観性を向上できるとともに、電源供給線を安定して支持することができる。
なお、以下の実施形態では、モバイル端末として携帯電話を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、モバイル端末は、携帯型ナビゲーション装置やPDA(Personal Digital Assistants)であっても良い。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1(鞍乗り型車両)は、車体フレーム2を有し、この車体フレーム2は、前端を構成するヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から後方斜め下方に延ばしたメインフレーム4と、メインフレーム4の後端部から後方へ延ばした左右一対のシートレール5L,5Rと、メインフレーム4の前端部からほぼ下方そして後方へ延ばした左右一対のダウンフレーム6L,6Rと、メインフレーム4の後部から後方斜め下方そして下方に延ばすことでダウンフレーム6L,6Rの後端部にそれぞれ連結した左右一対のセンタフレーム7L,7Rと、シートレール5L,5R及びセンタフレーム7L,7Rのそれぞれに渡した左右一対のサブフレーム8L,8Rとを備えて構成されている。なお、図1においては、紙面手前側の、シートレール5L、ダウンフレーム6L、センタフレーム7L、サブフレーム8Lのみを示している。
トップブリッジ19にはバーハンドル21及びハンドルロック装置22が取り付けられている。そして、トップブリッジ19及びボトムブリッジ20にはカウル支持ステー23が取り付けられ、このカウル支持ステー23には、フロントカウル24が支持されるとともに、メータ25、インナカウル26、ウインカー支持ステー27及びフロント用のナンバープレート28が支持されている。ヘッドランプ29は、ステー(不図示)を介してカウル支持ステー23に取り付けられ、フロントカウル24の開口から前方に露出している。また、車両前部には、ウインカー支持ステー27を介して取り付けられる左右一対のフロントウインカー30、及び、前輪31の上方を覆うフロントフェンダ32が設けられている。
エンジン12の後部の下方のダウンフレーム6L,6Rには、シート16に着座した運転者が足を載せる左右一対のペダル76L,76R(紙面手前側の76Lのみ示す)が設けられている。また、ダウンフレーム6L,6Rの後部には、スタンド53が設けられている。
後輪46の上方には、リヤフェンダ54が設けられ、リヤフェンダ54には、テールランプ58及びリヤウインカー55が取り付けられている。
エアクリーナ65の奥側(車両右側面側)には、車両の各電装品に電力を供給するバッテリ75が配置されている。
なお、図1において、符号72はバーハンドル21に設けたスロットルグリップ(不図示)からキャブレタ63へ延ばしたスロットルケーブル、符号73はバーハンドル21に設けたクラッチレバーからパワーユニット14へ延ばしたクラッチケーブルをそれぞれ示している。
図2及び図3に示すように、燃料タンク10の前部の上面には、上端から一段窪んだ平面視で略矩形の凹面部80(上面部)が形成されており、燃料タンク10内に連通する給油口81は凹面部80の中央に形成されている。給油口81は燃料キャップ82(燃料タンクキャップ)によって開閉可能に塞がれる。
燃料タンク10の上面には、凹面部80及び燃料キャップ82を覆う板状のリッド90が取り付けられている。リッド90は凹面部80を完全に覆う大きさを有している。
凹面部80の側縁部80Aと燃料キャップ82との間には、上方に突出する凸条部84が形成されている。凸条部84は凹面部80の前縁部から後縁部まで連続して延びており、凸条部84の上面には、下方に窪んだ溝部84Aが形成されている。
キーシリンダ93Aの左右の両側には、リッド90の閉状態で凹面部80に当接する弾性部94,94が設けられている。
図4及び図5に示すように、リッド90の上面には、箱型のクリアケース100(モバイル端末支持部)が取り付けられており、クリアケース100には、モバイル端末としての携帯電話110を収容することができる。
蓋部102は透明な樹脂により構成されており、蓋部102を介してクリアケース100の外側からクリアケース100の内側を視認可能になっている。
ケース本体部101には、平板状の携帯電話110を、その上面の表示面110Aが蓋部102に対向するように、かつ、防振可能に携帯電話110を保持するゴムケース部105(図6)が設けられている。
ケース本体部101の底部には開口101Aが設けられ、錠機構93の上面のキー穴は開口101Aから外側に露出している。すなわち、蓋部102を開けた状態では、錠機構93を操作してリッド90を開閉し、燃料キャップ82にアクセスして燃料タンク10に給油することができる。
図3及び図6に示すように、携帯電話110に電力を供給する電源コード104(電源供給線)は、燃料タンク10の前部の下方から燃料タンク10の前面に沿って上方に引き出され、リッド90の隙間からリッド90前部の下方に入り、凸条部84の溝部84Aを通って凹面部80の後縁部まで延び、その後、内側に屈曲してリッド支持部83の後方に回り込んでいる。このように、電源コード104を、凹面部80より上方の凸条部84に設けたため、給油時等に給油口81の周囲に燃料がこぼれたとしても、電源コード104を燃料から離しておくことができる。さらに、溝部84Aに電源コード104が嵌め込まれているため、電源コード104のバタツキを防止でき、電源コード104が給油作業の邪魔になることを防止できる。
また、凸条部84は、給油口81の周囲にこぼれた燃料が燃料タンク10の外側に流れることを防止する壁部として機能する。
電源コード104は、バッテリ75に接続されて燃料タンク10の下方に配置されたハーネス(不図示)から分岐して引き出されている。
図7に示すように、リッド90の後部でヒンジ91近傍には、クリアケース100内とリッド90の下方とを連通させる配線通し孔95が形成されており、配線通し孔95には、貫通孔を有するゴム製のグロメット96が設けられている。電源コード104は、凸条部84からヒンジ91側へ屈曲し、ヒンジ91の後方のリッド90の下方を通り、ヒンジ91と凹面部80との間の隙間を通って前方へ延び、グロメット96を通ってクリアケース100内に導入されている。クリアケース100内に導入された電源コード104は、携帯電話110の仕様(接続端子の形状や電圧等)に対応したアダプタ(不図示)を介して携帯電話110の充電用端子に接続される。ここで、上記アダプタは、種々の携帯電話に対応して複数種のアダプタが用意される。
また、携帯電話110が燃料タンク10の上面側に配置され、運転者に近いため、運転者は携帯電話110の着信音を聞くことができる。
さらに、クリアケース100は、前部の前ヒンジ部を中心に前方側へ開くため、後方の運転者側から携帯電話110をクリアケース100内に容易に出し入れできる。
また、携帯電話110は、リッド90の上面に配置されるとともに、リッド90に開閉可能に取り付けられるクリアケース100に覆われるため、クリアケース100を介して携帯電話110の表示面110Aを視認できるとともに、クリアケース100によって携帯電話110を水や塵埃から保護できる。
また、リッド90で覆われる凹面部80の凸条部84に電源コード104が配置されるため、燃料から電源コード104を離すことができる。
以下、図8を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、電源コード104が、燃料タンク10内を貫通して設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なっている。
図8に示すように、燃料タンク10には、タンク上面の凹面部80とタンク下面86とを上下に貫通する貫通パイプ87が設けられている。貫通パイプ87は、燃料キャップ82と側縁部80Aとの間に配置されている。貫通パイプ87の上端87Aは、凹面部80の上面から突出しており、給油口81の周囲にこぼれた燃料が貫通パイプ87に侵入することが防止されている。貫通パイプ87は、凹面部80及びタンク下面86の貫通部に溶接されて設けられている。
[第3の実施の形態]
以下、図10を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、クリアケース100が設けられずに、携帯電話110がリッド90の裏面側に取り付けられる点が、上記第1の実施の形態と異なっている。
図10に示すように、燃料タンク10の凹面部80には、凹面部80及び燃料キャップ82を覆う板状のリッド390が取り付けられている。リッド390は凹面部80を完全に覆う大きさを有している。
リッド390は、ヒンジ91、板ばね92、錠機構93及び弾性部94,94を有し、錠機構93が凹面部80の係合部85に係合することで閉状態にロックされる。
リッド390の上面には、ヒンジ91と錠機構93との間に亘る開口391が形成されており、この開口391は透明板392(透明な窓)によって塞がれている。
すなわち、支持部材393を開閉することで、モバイル収容部394内に携帯電話110を出し入れできる。モバイル収容部394内には、平板状の携帯電話110を、その上面の表示面110Aが透明板392に対向するように、かつ、防振可能に携帯電話110を保持する保持部(不図示)が設けられている。ここで、この保持部は、上記第1の実施の形態のゴムケース部105を支持部材393に接着して構成しても良い。
上記第3の実施の形態では、電源コード104は、凸条部84を通るものとして説明したが、これに限らず、第2の実施の形態のように貫通パイプ87を設け、貫通パイプ87に電源コード104を通しても良い。
10 燃料タンク
80 凹面部(上面部)
81 給油口
82 燃料キャップ(燃料タンクキャップ)
84 凸条部
86 タンク下面
87 貫通パイプ
90,390 リッド
91 ヒンジ
93 錠機構
100 クリアケース(モバイル端末支持部)
104 電源コード(電源供給線)
110 携帯電話(モバイル端末)
110A 表示面
392 透明板(透明な窓)
394 モバイル収容部(モバイル端末支持部)
Claims (4)
- 鞍乗り型車両(1)に運転者のモバイル端末(110)のモバイル端末支持部(100)を備えるモバイル端末支持構造において、
前記モバイル端末支持部(100)は、運転者の膝の間に配置され、上面部(80)に給油口(81)を備える燃料タンク(10)の上面であって、モバイル端末(110)の表示面(110A)を運転者側に向けて取り付け可能に配置されるとともに、前記モバイル端末(110)の電源供給線(104)は、前記給油口(81)を塞ぐ燃料タンクキャップ(82)を覆うリッド(90)によって前記燃料タンク(10)の上面部(80)において覆われ、
前記モバイル端末支持部(100)は、リッド(90)の上面に取り付けられてモバイル端末(110)を収容する開閉可能なクリアケース(100)を備え、
前記リッド(90)は後部のヒンジ(91)を中心に後側に開かれ、
前記電源供給線(104)は、燃料タンク(10)の前面に沿って上方に引き出され、前記リッド(90)と前記上面部(80)との隙間から前記リッド(90)の前部の下方に入るとともに上面部(80)の側部を通って後方に通された後、内側に屈曲してヒンジ(91)の後方に回り込み、ヒンジ(91)と前記上面部(80)と前記リッド(90)との隙間を通って前方へ延び、ヒンジ(91)の近傍に設けられた配線通し孔(95)を通って前記クリアケース(100)内に導入されることを特徴とする鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造。 - 鞍乗り型車両(1)に運転者のモバイル端末(110)のモバイル端末支持部(394)を備えるモバイル端末支持構造において、
前記モバイル端末支持部(394)は、運転者の膝の間に配置され、上面部(80)に給油口(81)を備える燃料タンク(10)の上面であって、モバイル端末(110)の表示面(110A)を運転者側に向けて取り付け可能に配置されるとともに、前記モバイル端末(110)の電源供給線(104)は、前記給油口(81)を塞ぐ燃料タンクキャップ(82)を覆うリッド(390)によって前記燃料タンク(10)の上面部(80)において覆われ、
前記モバイル端末(110)は前記リッド(390)の下側に配置された前記モバイル端末支持部(394)に収容され、当該モバイル端末支持部(394)は前記モバイル端末(110)を支持する支持部材(393)と前記リッド(390)に設けられる透明な窓(392)を備え、
前記リッド(390)は後部のヒンジ(91)を中心に後側に開かれ、
前記電源供給線(104)は、燃料タンク(10)の前面に沿って上方に引き出され、前記リッド(390)と前記上面部(80)との隙間から前記リッド(390)の前部の下方に入るとともに上面部(80)の側部を通って後方に通された後、内側に屈曲してヒンジ(91)の後方に回り込み、ヒンジ(91)と前記上面部(80)と前記リッド(390)との隙間を通って前方へ延び、ヒンジ(91)の近傍で前記支持部材(393)を貫通する配線通し孔(396)を通って前記モバイル端末支持部(394)内に導入されることを特徴とする鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造。 - 前記リッド(390)には、錠機構(93)が設けられることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造。
- 前記リッド(90,390)で覆われる上面部(80)には、前記リッド(90,390)側に突出する凸条部(84)が設けられ、前記電源供給線(104)は、凸条部(84)の上面に沿って配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のモバイル端末支持構造。
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