JP5664602B2 - ショートアーク型水銀ランプ - Google Patents

ショートアーク型水銀ランプ Download PDF

Info

Publication number
JP5664602B2
JP5664602B2 JP2012154208A JP2012154208A JP5664602B2 JP 5664602 B2 JP5664602 B2 JP 5664602B2 JP 2012154208 A JP2012154208 A JP 2012154208A JP 2012154208 A JP2012154208 A JP 2012154208A JP 5664602 B2 JP5664602 B2 JP 5664602B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
lamp
irradiance
tip
short arc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012154208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014017134A (ja
Inventor
雅規 加藤
雅規 加藤
安田 幸夫
幸夫 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2012154208A priority Critical patent/JP5664602B2/ja
Priority to TW102120517A priority patent/TWI585818B/zh
Priority to US13/934,646 priority patent/US8841843B2/en
Priority to KR1020130077634A priority patent/KR101689922B1/ko
Priority to CN201310288845.0A priority patent/CN103545167B/zh
Priority to DE102013107327.1A priority patent/DE102013107327B4/de
Publication of JP2014017134A publication Critical patent/JP2014017134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5664602B2 publication Critical patent/JP5664602B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/04Electrodes; Screens; Shields
    • H01J61/06Main electrodes
    • H01J61/073Main electrodes for high-pressure discharge lamps
    • H01J61/0732Main electrodes for high-pressure discharge lamps characterised by the construction of the electrode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/04Electrodes; Screens; Shields
    • H01J61/06Main electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/84Lamps with discharge constricted by high pressure
    • H01J61/86Lamps with discharge constricted by high pressure with discharge additionally constricted by close spacing of electrodes, e.g. for optical projection
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2893/00Discharge tubes and lamps
    • H01J2893/0059Arc discharge tubes

Landscapes

  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Description

この発明は、ショートアーク型水銀ランプに関するものであり、特に、発光管内に水銀と希ガスが封入されたショートアーク型水銀ランプに係わるものである。
通常、半導体露光、LCD露光用などの光源として、水銀と希ガスが封入されたショートアーク型水銀ランプが好適に使用されている。
特開2003−234083号公報(特許文献1)には、かかるショートアーク型水銀ランプの一例が開示されていて、希ガスとして、アルゴン、クリプトン、キセノンをそれぞれ封入して構成したものが記載されている。
この文献によると、これらの希ガスをそれぞれ同じ圧力で封入したランプでは、同様の条件で点灯した場合、アルゴンを封入したものが最も高い放射照度が得られることが示唆されている。
このように希ガスの種類によって放射照度が変動する理由は、簡単に言えば、ガスの熱伝導率による違いからもたらされるものであって、熱伝導率が高い方が水銀アークを収縮させることができるため、アークが細くなり、これによって電流密度が高くなって、より高輝度な光源が得られる、というわけである。この熱伝導率は、アルゴン>クリプトン>キセノンの順に高く、従って、照射面の放射照度においてもこの順に高くなる。
図7のアークの模式図を参照して、アルゴンガスを封入したランプ(A)のアークと、クリプトンガスを封入したランプ(B)に関して、アークの大きさを比較すると、アルゴンガスを封入したランプ(A)においては、陰極から陽極の間において、アークは陽極に向かいやや広がるものの、その幅(直径)は、押さえられており、陽極の先端面の中心に収縮するようアークが絞られる。これに対しクリプトンを封入したランプ(B)では、陰極先端から形成されるアークは陽極に向かって連続的に広がって、陽極の先端面のほぼ全域で、より広い範囲でアークを受けることになる。
このような知見から、従来、ショートアーク型水銀ランプには、高い輝度を実現できるとしてアルゴンを封入することが一般的であった。
ところが、アルゴンを封入したショートアーク型水銀ランプ、とりわけ、アルゴンを静圧で0.25MPa以上封入したランプにおいては、点灯時間が所定時間、例えば1500時間を経過すると、放射照度維持率が急激に低下することがある。
本発明者らが、このランプの急激な放射照度の低下の原因について鋭意検証したところ、ランプ電流が150A以下で点灯すると問題ないが、これが例えば180A以上になると顕著に発生することが判明した。
そして、放射照度維持率の低下が生じたランプには、図8で示されるように、陽極の先端面に凹凸Xが形成されていることが確認された。この理由は、アルゴンガスによりアークが絞られることで、アークが陽極先端面において局所的に集中して電流密度が高くなり、先端面が過熱して熱応力が発生することで、変形したためである、と考察される。
陽極の先端で変形が生じると、変形した部分にアークが集中して更に過熱され、陽極材料であるタングステンが蒸発して発光管に付着し、黒化が進む。このような一連の現象が、一定時間経過後、急速に進行することで、急激に放射照度が低下するものと考えられる。
このような現象は、アルゴン以外の、クリプトン、キセノンを封入したランプにおいては観測されていない。
すなわち、単にランプの寿命を延ばすことに主眼を置くと、アルゴンよりも熱伝導率が低い希ガスとして、例えばクリプトンを用いれば、この問題を解消することができる。
しかしながらその場合、先述したように、アルゴンのようにアークを細く絞ることができないので、照射面で高い放射照度が得られず、必要な初期放射照度が得られない、という別の問題が生じる。
特開2003−234083号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、発光管内に水銀及び希ガスが封入されたショートアーク型水銀ランプにおいて、希ガスとして、クリプトンを封入したものにおいても、アルゴンを封入した場合と同様の初期放射照度を得ながら、長時間点灯しても放射照度の急激な低下を抑制して、高水準の放射照度維持率を長期間にわたって確保することができる、ショートアーク型水銀ランプを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明では、発光管内に陰極と陽極とが対向配置さるとともに、該発光管内に水銀及び希ガスが封入されたショートアーク型水銀ランプにおいて、希ガスとして、クリプトンが封入され、前記陽極の先端側にテーパー面が形成されてなるとともに、前記陽極の先端には平坦な先端面が形成されてなり、前記陽極先端面の半径をr(mm)、前記陽極の軸方向横断面において、電極軸心とテーパー面のなす角度をθ(°)、前記陰極と前記陽極間の離間距離をd(mm)としたとき、1−r/(d×tanθ)≧0.66を満足することを特徴とする。
本発明によれば、希ガスとしてクリプトンを封入したショートアーク型水銀ランプにおいては、クリプトンがアルゴンよりも熱伝導率が低いためにアークが広がり、高い電流密度を得ることができないものの、陽極の先端部形状及び陽極と陰極との極間の関係が、陽極先端面の半径をr(mm)、前記陽極の軸方向横断面において電極軸心とテーパー面とのなす角度をθ(°)、陰極と陽極間の離間距離をd(mm)としたとき、1−r/(d×tanθ)≧0.66を満足することで、アークを絞らずとも放射光の取り出し量を増大することができるようになり、初期放射照度をアルゴン封入のランプと同等以上に得ることができるようになる。
しかも、希ガスとしてクリプトンを封入することで、アルゴンを封入したショートアーク型水銀ランプと比較して、アークが絞られて電流密度が高くなるという作用が小さくなるので、このようなアークが絞られないという作用を利用して、陽極先端にアークが集中することを緩和して、陽極材料であるタングステンの蒸発を抑制し、放射照度が急激に低下することを防止することができるようになる。
このように、本発明によれば、希ガスとしてクリプトンを封入したことにより、アルゴンを封入したものと同等以上の高い初期放射照度を得ることができるとともに、陽極形状を所定の形状とすることにより放射照度維持率の急激な低下がなく、長い使用寿命のランプを得ることができるようになる。
本発明のショートアーク型水銀ランプの全体構造図。 陽極および陰極を表す部分拡大図。 陽極の先端部の径を小さくした形態を示す図。 陽極のテーパー角を大きくした形態を表す図。 電極形状及び封入ガスを変えて製作したランプ1〜ランプ9の初期放射 照度及び放射照度維持率の結果をまとめて示す表。 本発明ランプと比較例ランプの放射照度維持率を示すグラフ。 アルゴンを封入したランプのアークの大きさと、クリプトンを封入した ランプのアークの大きさを模式的に示した図。 従来技術のアルゴンを封入したショートアーク型水銀ランプの陽極先端 の変形形状を模式的に表した図。
図1は本発明にかかるショートアーク型水銀ランプの全体を示す図である。
ショートアーク型水銀ランプ1は、例えば石英ガラス等の透光性材料より構成される発光管2を備え、該発光管2は、中央部に形成された膨出した形状を有する発光部3と、該発光部3の両端からそれぞれ外方向に伸びる円筒状の封止部4、4とを備えている。また封止部4、4の端部には口金5、5が接続されている。
そして、前記発光管2の内部には水銀及びクリプトンが封入されると共に、一対の陰極6と陽極7が対向配置されており、この陰極6と陽極7は、いずれもタングステンを主成分として構成され、発光部3の中央において所定距離だけ離間して対向配置されている。
水銀は、紫外線を放射するための発光物質であり、例えば0.8〜5.0(mg/cm)の割合で封入される。
そして、本発明においては、封入される希ガスとして、クリプトン(Kr)が選択されていて、好ましくは0.25Mpa(2.5atm)以上封入される。
かかるショートアーク型水銀ランプより放射された光は、放射光を捉える凹面状の反射ミラーと共に光源装置として構成されることで、放射光を所定の光学系に向けて集光するものである。
ところで、図7を用いて説明したように、アルゴンを封入した従来のショートアーク型水銀ランプに対して、単に希ガスをクリプトンに置き換えた場合、アークは広がることになる。このため、上記したような光学系に組み込まれた場合、ランプからの光を反射ミラーで集光する際、ミラーの焦点位置に収束する放射量が低下することになり、理論的にはランプの効率が低下することになる。
しかしながら、本発明においては、陽極先端部の形状を所定の要件を満たす形状とすることで、従来、陽極によって遮光されて利用できなかった光を取り出すことを可能とし、クリプトンを封入ガスとしたことによりアークが広がった分の放射量低下を補填して、実質的に従来技術にかかるアルゴン封入のショートアーク型水銀ランプと遜色のない効率で放射光を利用できるようになる。
ところで、この種のショートアーク型水銀ランプでは、陰極の先端部の先端面は高い電流密度を得て、高輝度を得るために、陽極に比べて充分に小さな径のものが使用されており、また、先端のテーパー角も40〜70°と陽極に比べて小さくされている。このため、陰極形状を変更しても大幅な利用効率アップへの寄与は小さい。そこで、本発明では、陽極形状に着目して光の利用効率の向上を意図したものである。
以下、本発明にかかる陽極の形状について詳細に説明する。
図2は、ショートアーク型水銀ランプの陰極6及び陽極7を拡大して示した説明図である。このランプにおいては、陽極7は、その先端側にテーパー面7bが形成されるとともに、当該テーパー面7bの先端、即ち陽極7の先端には平坦な先端面7aが形成されていて、当該先端面7aが陰極6と対向配置されている。
しかして、前記一対の陰極6と陽極7の離間距離、すなわち極間距離dは、この種のショートアーク型水銀ランプにおいてはランプ入力などの仕様によって規定されていて、該極間距離d(mm)は同じ仕様のランプの場合、一定である。
このため、陽極7の寸法上変更可能な構成は、陽極先端面7aの大きさ、つまり、半径r(mm)と、軸方向横断面において、テーパー面(陽極先端における傾斜面)7bと電極軸心Lとのなす角度(以下、傾斜角度ともいう)θ(°)となるので、これらの条件を変更した場合に、クリプトンを封入したランプでの効率が良好となる陽極形状について検討することとした。なお、図2を参照してテーパー面7bの傾斜角度θを説明すると、電極軸心Lとテーパー面7bの稜線に沿った線分Aとの交点をOとしたとき、この交点Oを頂点として電極軸Lと線分Aのなす角度である。
そして、図2において、陽極先端面7aを底辺とし、電極軸心Lと線分Aの交点Oを頂点として結ぶ二等辺三角形で表されるハッチングで示めされた領域(以下、仮想陽極先端領域という)Sに存在する放射光は、陽極本体の陰になって光のケラレが生じ、外部に放射されることがなく、実質的に利用することができない。換言すると、この仮想陽極先端領域Sを小さくすることで、アークから放射される放射光量を増大することができる。なお、同図ではこの領域Sを平面的に示したが、実際のランプにおいては、先端面7aを底辺とし交点Oを頂点として、電極軸心Lを回転軸とした円錐体形状の領域である。
図2において、極間距離dを、線分Aと電極軸心Lの交点Oで分割して表すと、陰極6の先端と交点Oの距離dと、陽極7の先端と交点Oとの距離dの和となる。この距離d(mm)は、陽極先端面7aの半径r(mm)の関数で表すことができ、d=r/tanθである。
ここで、陰極先端と交点Oの距離dは、光軸上の点Oから放射される光が陽極で遮光されずに、有効に利用できる立体角Ω=2πcosθ以上を満足する仮想極間距離であり、実体的な極間距離dに対してこの仮想極間距離dが占める割合が大きいほど、理論上利用できる放射光が多くなる。
極間距離dは、d=d+dであるので、d=r/tanθ+dとなる。ここで、陰極先端と交点Oの距離dが、極間距離dにおいて占める割合(d/d)を表すと次式で表される。

(式1) d/d=1−r/(d×tanθ)
但し、
r:陽極先端面の半径(mm)
θ:陽極テーパー面の電極軸心に対する傾斜角度θ(°)
:陰極と陽極の離間距離(極間距離)(mm)
d:電極軸心上の点Oから放射される光が陽極で遮光されずに、利用できる
立体角Ω=2πcosθ以上を満足する仮想極間距離(mm)
以上のように、極間距離(d)が一定であるとき、陽極先端面7aの寸法(半径r)と、テーパー面7bと電極軸心Lのなす角度(θ)を種々変更すると、図2における光軸上の点Oから放射される光が陽極7で遮光されずに有効に利用できる仮想極間距離dを導き出すことができる。
図3は、図2で示した陽極形状に対して、陽極先端面7aの半径r(mm)の大きさを変えることなく、電極軸心Lに対するよりテーパー面7bの角度θを大きくなるよう変更したものである(θ>θ)。
無論、この例においても光軸上の点Oから放射される光が陽極で遮光されずに、有効に利用できる立体角Ω=2πcosθ以上を満足する仮想極間距離d(mm)は、d=d−(r/tanθ)となる。
図3に示す陽極構造と図2に示す陽極構造を比較すると明らかなように、テーパー面7bの電極軸心(L)に対する傾斜角度(θ)が大きいほど、仮想陽極先端領域Sが小さくなり、仮想極間距離d(mm)を大きな割合で形成することができる。
図4は、図2で示した陽極形状に対して、テーパー面7bの角度(θ)を変えることなく、陽極先端面7aの半径r(mm)をより小さくなるよう変更したものである(r<r)。
無論、この例においても光軸上の点Oから放射される光が陽極で遮光されずに、有効に利用できる立体角Ω=2πcosθ以上を満足する仮想極間d(mm)はd=d−(r/tanθ)となる。
図4と図2に示す陽極構造を比較すると明らかなように、陽極先端面7aの半径r(mm)が小さいほど仮想陽極先端領域Sが小さくなって、仮想極間距離d(mm)を大きな割合で形成することができる。
以上、図2〜図4で示した陽極の設計基準に基づいて、クリプトンを封入したショートアーク型水銀ランプに関し、従来技術にかかるアルゴンを封入したショートアーク型水銀ランプに対して100%以上の初期放射照度が得られる、陽極先端面7aの半径r(mm)及びテーパー面7bと電極軸心のなす角度θ(°)の大きさ(範囲)について検証を行った。
なお、d/dを大きくするためには上述したように、θを大きくすることと、rを小さくすることの2つの方法がある。つまり、θ=90°又はr=0を満足した場合、理論上d/d=1となり最大となる。
しかしながら、実際のランプにおいてはd/d=1となることはない。この理由は次の通りである。
図1を参照して、まず、陽極先端のテーパー面7bの傾斜角度θに関しては、θが70°以上となると、発光部2内の陽極7からの対流は、水平方向への流れが主流となり、発光部2の上方に向かうことができなくなる。このため、蒸発したタングステンがバルブ(発光部)2の中央部に付着しやすくなり、放射照度維持率が悪くなる。
次に、陽極先端面7aの半径r(mm)の大きさは、陽極先端面7aの電流密度が10(A/mm)以上となった場合、電極の溶けが発生しやすく、やはりこれが発光部2に付着し、放射照度維持率が悪くなることが経験的に知られている。
このような理由から、半径r及びテーパー面の傾斜角度θに関しては、この種のショートアーク型水銀ランプに適用可能な範囲を逸脱しないような上限範囲として、適宜に選択する必要がある。
従って、本発明者らは、上記経験的に定められた陽極の数値範囲を超えることなく、可能な範囲でパラメータを変更し、高い初期放射照度が得られる形状について検証実験を行った。
以下、検証実験に用いたランプの仕様を示す。
<ランプ仕様(1)>
発光管 材質:石英ガラス
陽極 材質:タングステン、最大径部直径:φ40mm
極間距離:8.5mm
入力電力:7.5kW
ランプ電流:200A
水銀密度:2.4mg/cc
希ガス ガス種:アルゴン(Ar)又はクリプトン(Kr)
封入圧力(静圧換算):0.46MPa(4.5atm)
上記の仕様として、希ガスの種類、陽極先端面の半径r(mm)及び陽極先端のテーパー部の傾斜角度θを変えて、ランプ1〜ランプ9を作製した。
ランプ1〜ランプ5は、いずれもアルゴンガスを封入したショートアーク型水銀ランプである。
ランプ1は従来技術にかかるランプであり、陽極先端面の半径rは6mm、先端のテーパー部の傾斜角度θは60°である。
このランプ1に関して上述した(式1)を適用してd/dを算出したところ0.59であった。
以下、同様にして、ランプ2〜5について、r(mm)、θ(°)を変化させて、d/d、即ち、1−r/(d×tanθ)を変化させたランプを作製し、それぞれの初期放射照度および放射照度維持率を検証した結果がそれぞれ図5に示されている。
図5においては、ランプ2〜5の初期放射照度は、ランプ1のものを基準(100)とした相対値で示されている。その結果を見ると、ランプ5を除いて初期放射照度はランプ1と同等もしくはそれ以上であって、これらランプ2〜4について初期放射照度は問題がない。
しかしながら、放射照度維持率を見ると、ランプ1〜5のいずれも、所定時間経過後に放射照度の急低下が発生し、長い使用寿命を得ることができなかった。
次いで、図5中のランプ6〜9は、本発明が対象とする、希ガスとしてクリプトンを封入したショートアーク型水銀ランプである。これらのランプ6〜9について以下検証する。
ランプ6の陽極形状は、従来技術のアルゴン封入のランプ1と同一であって、即ち、陽極先端面7aの半径r=6mm、先端テーパー面7bの傾斜角度θ=60°であり、このランプ6では、d/dは、ランプ1と同じ0.59である。
ランプ7、8は、陽極先端のテーパー面の傾斜角度θ=60°であって、ランプ1と同等であるが、先端面の半径rがそれぞれ異なり、ランプ7ではr=3.5mm、ランプ8ではr=5mmである。これらランプにおけるd/dは、それぞれ0.76と0.66である。
ランプ9は、先端面の半径r=6mmとランプ1と同等であるが、テーパー面の傾斜角度θ=65°としたものであり、このランプ9の場合、d/dは0.67となる。
<初期放射照度>
ランプ6は、クリプトンを用いたために初期放射照度がランプ1よりも低下してしまい、同一の放射量を得ることができなかった。つまり、陽極形状が同一のランプでは、クリプトンを封入したランプは、アルゴンを封入したランプとの比較で十分な初期照度が得られないことが実証されている。
ランプ7は、d/d=0.76であって、先に述べたように、理論上、利用できる光の量がランプ1やランプ6に比べて大きくなることになる。実際にその結果をみると、このランプ7の初期放射照度は相対値で103となり、ランプ1を上回る放射照度が得られた。
ランプ8においても、初期放射照度は相対値で100であり、ランプ1と同等の放射照度を得ることができた。
また、ランプ9においても、その初期放射照度は相対値で100であり、ランプ1のものと同じ初期放射照度が得られることが判明した。
以上により、ランプ7〜9においては、いずれも従来技術によるランプ1と同等以上の初期放射照度が得られることが分かる。
<放射照度維持率>
次いで、放射照度維持率を検証したところ、クリプトンを封入したランプ6〜9においては、いずれも、1500時間経過後においても放射照度の急激な低下が見られず、放射照度維持率は、アルゴン封入のランプ1〜5との比較において、長時間に及んで高水準が維持されて、長い使用寿命が得られることが判明した。
以上の結果を総合的に判断すると、希ガスとしてクリプトンを封入したショートアーク型水銀ランプにおいて、d/d(即ち、1−r/(d×tanθ))の値が、0.66以上である場合に、同じ封入圧でアルゴンを封入したショートアーク型水銀ランプと初期放射照度が同程度以上であり、かつ、放射照度維持率が長時間に及んで高水準に維持されることが分かる。
以下、一実施例について説明する。
<ランプ仕様(2)>
発光管 材質:石英ガラス
陽極 材質:タングステン
形状寸法:最大径部直径:φ35mm、先端面半径(r):4.4mm
電極間距離(d):7.5mm
入力電力:6.5kW
ランプ電流:215A
水銀密度:1.8mg/cc
希ガス ガス種:クリプトン(Kr)
封入圧力(静圧換算):0.36MPa(3.5atm)
テーパー面傾斜角度(θ):60°

以上の仕様で作製した実施例のショートアーク型水銀ランプでは、d/d(即ち、1−r/(d×tanθ))の値は、0.66である。
このランプの初期放射照度及び放射照度維持率を測定した。
比較例ランプとして、上記仕様(2)の実施例ランプにおける封入希ガスを、クリプトンからアルゴンに変えたランプを作製し、同じ点灯条件で点灯して、初期放射照度及び放射照度維持率を測定した。
上記実施例ランプと比較例ランプの放射照度を測定した結果が図6に表されている。
比較例のアルゴンガスを封入したショートアーク型水銀ランプ(図中△印)では、点灯時間が1500時間を経過すると放射照度が初期放射照度の30%近くにまで急激に低下した。
一方、本発明の実施例のクリプトンガスを封入したショートアーク型水銀ランプ(図中■印)では、比較例ランプと同等の初期放射照度が得られるとともに、点灯時間が3000時間を経過しても、初期放射照度に対して70%以上の高い放射照度を維持することができた。
以上説明したように、ショートアーク型水銀ランプにおいて、希ガスとしてクリプトン(Kr)を封入し、陽極形状として、実際の極間距離(d)に対して仮想極間距離(d)が占める割合(d/d、即ち、1−r/d×tanθ))を0.66以上とすることにより、アルゴン封入ランプと同等以上の初期放射照度が得られるとともに、点灯時間が3000時間を経過しても、急激な照度低下を招くことなく、初期放射照度に対して70%以上の高い放射照度が維持されて、従来技術と比較して2倍以上の長い使用寿命が得られるものである。
1 ショートアーク型水銀ランプ
2 発光管
3 発光部
4 封止部
5 口金
6 陰極
7 陽極
7a 先端面
7b テーパー部
r 先端面の半径
θ テーパー部の傾斜角度
d 極間距離
仮想極間距離
S 仮想陽極先端領域


Claims (1)

  1. 発光管内に陰極と陽極とが対向配置さるとともに、該発光管内に水銀及び希ガスが封入され、水銀が0.8〜5.0mg/cm 封入され、ランプ電流180A以上で点灯されるショートアーク型水銀ランプにおいて、
    希ガスとして、クリプトンが0.25MPa以上封入され、
    前記陽極は先端側にテーパー部が形成されてなるとともに、前記陽極の先端には平坦な先端面が形成されてなり、
    前記陽極先端面の半径をr(mm)、
    前記陽極の軸方向横断面において、電極軸心とテーパー面のなす角度をθ(°)、
    前記陰極と前記陽極間の離間距離をd(mm)としたとき、
    1−r/(d×tanθ)≧0.66を満足することを特徴とするショートアーク型水銀ランプ。
JP2012154208A 2012-07-10 2012-07-10 ショートアーク型水銀ランプ Active JP5664602B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012154208A JP5664602B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 ショートアーク型水銀ランプ
TW102120517A TWI585818B (zh) 2012-07-10 2013-06-10 Short arc mercury lamp
US13/934,646 US8841843B2 (en) 2012-07-10 2013-07-03 Short arc type mercury lamp
KR1020130077634A KR101689922B1 (ko) 2012-07-10 2013-07-03 쇼트 아크형 수은 램프
CN201310288845.0A CN103545167B (zh) 2012-07-10 2013-07-10 短弧型水银灯
DE102013107327.1A DE102013107327B4 (de) 2012-07-10 2013-07-10 Quecksilberlampe vom Kurzbogentyp, die Kr enthält und deren Anode einen konischen Endbereich mit einer ebenen vorderen Endfläche umfasst

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012154208A JP5664602B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 ショートアーク型水銀ランプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014017134A JP2014017134A (ja) 2014-01-30
JP5664602B2 true JP5664602B2 (ja) 2015-02-04

Family

ID=49781636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012154208A Active JP5664602B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 ショートアーク型水銀ランプ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8841843B2 (ja)
JP (1) JP5664602B2 (ja)
KR (1) KR101689922B1 (ja)
CN (1) CN103545167B (ja)
DE (1) DE102013107327B4 (ja)
TW (1) TWI585818B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6375776B2 (ja) * 2014-08-20 2018-08-22 岩崎電気株式会社 ショートアーク型放電ランプ
JP5778840B1 (ja) 2014-09-25 2015-09-16 株式会社日立製作所 電力変換ユニットおよび電力変換装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6059733A (ja) * 1983-09-13 1985-04-06 Ushio Inc 半導体露光装置
DE29823366U1 (de) * 1998-08-06 1999-07-08 Patent-Treuhand-Gesellschaft für elektrische Glühlampen mbH, 81543 München Elektrode für eine Hochdruckentladungslampe mit langer Lebensdauer
US6559600B1 (en) * 1998-11-17 2003-05-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Discharge lamp, light source and projecting display unit
JP3623137B2 (ja) * 1998-11-17 2005-02-23 松下電器産業株式会社 放電ランプと光源装置
JP2000306546A (ja) * 1999-04-21 2000-11-02 Ushio Inc ショートアーク放電ランプ
JP2002251979A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 Orc Mfg Co Ltd ショートアーク型放電灯
JP4054198B2 (ja) 2002-02-07 2008-02-27 株式会社オーク製作所 ショートアーク型放電灯の電極およびショートアーク型放電灯
JP4251474B2 (ja) * 2002-07-23 2009-04-08 ウシオ電機株式会社 ショートアーク放電ランプおよび光源装置
JP4714418B2 (ja) * 2004-03-02 2011-06-29 ウシオ電機株式会社 放電ランプ
DE102006061375B4 (de) * 2006-12-22 2019-01-03 Osram Gmbh Quecksilber-Hochdruckentladungslampe mit einer Wolfram und Kalium enthaltenden Anode, die eine Kornzahl größer 200 Körner pro mm2 und eine Dichte größer 19,05g/cm3 aufweist
JP4924678B2 (ja) * 2009-09-02 2012-04-25 ウシオ電機株式会社 ショートアーク型放電ランプ
CN201749838U (zh) * 2010-07-29 2011-02-16 爱思普特殊光源(深圳)有限公司 一种超高压短弧水银灯
JP5552446B2 (ja) 2011-01-24 2014-07-16 トヨタ自動車株式会社 エンジンの潤滑装置

Also Published As

Publication number Publication date
TW201403657A (zh) 2014-01-16
CN103545167B (zh) 2016-12-28
TWI585818B (zh) 2017-06-01
KR101689922B1 (ko) 2016-12-26
US20140015404A1 (en) 2014-01-16
US8841843B2 (en) 2014-09-23
DE102013107327A1 (de) 2014-01-16
JP2014017134A (ja) 2014-01-30
KR20140007747A (ko) 2014-01-20
DE102013107327B4 (de) 2019-06-27
CN103545167A (zh) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4741190B2 (ja) ショートアーク型高圧放電ランプ
JP5316436B2 (ja) 放電ランプ
KR100528232B1 (ko) 쇼트 아크 방전 램프
JP4750550B2 (ja) メタルハライドランプ
JP5664602B2 (ja) ショートアーク型水銀ランプ
US8305003B2 (en) Mercury lamp and mercury lamp lighting apparatus
JP5434606B2 (ja) ショートアーク型放電ランプ
KR102469050B1 (ko) 방전 램프
JP2005216514A (ja) ショートアーク型高圧放電ランプ
US8253335B2 (en) Arc shaped discharge chamber for high intensity discharge automotive lamp
CN109390208B (zh) 短弧型放电灯
US8188664B1 (en) Compact high intensity discharge lamp with textured outer envelope
JP2007149516A (ja) 放電ランプ
JP2009230904A (ja) ショートアーク型放電ランプ
JP5704301B2 (ja) ショートアーク型放電ランプ
CN107430980B (zh) 高强度放电灯
JP6562298B2 (ja) 放電ランプ
JP6375776B2 (ja) ショートアーク型放電ランプ
JP2005340136A (ja) ショートアーク型放電ランプ
JP2008300080A (ja) ショートアーク水銀ランプ
JP2009004203A (ja) 超高圧水銀ランプ
KR20170041150A (ko) 쇼트 아크형 방전 램프
JP2006344550A (ja) 放電ランプ
JP2010257703A (ja) 放電ランプおよびその製造方法
CN102983057A (zh) 玻璃气体发光二极管电极结构

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5664602

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250