JP5663952B2 - 室温硬化性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

室温硬化性シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオルガノシロキサンに、ロジン酸処理された炭酸カルシウムと脂肪酸処理された炭酸カルシウムとを含有する室温硬化性シリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは撥水性、耐候性、耐熱性等が優れることから、各種基材のコーティング剤や皮膜形成剤として使用されている。特定の室温硬化性シリコーンゴム組成物は、2液型などの多成分型として、大気中の湿分に依らずに、表層、内部とも全体がほぼ均一に硬化する特性を付与し、いわゆる深部硬化性に優れたシーリング材として用いられている。
従来では、例えば、炭酸カルシウム粉末を含み、ヒドロシリル化反応により硬化するシリコーンゴム組成物として、例えば、分子鎖末端にシラノール基を有するジオルガノポリシロキサンに、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物と、ロジン酸で表面処理された膠質炭酸カルシウムと、硬化促進剤とを含む室温硬化性シリコーンゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この室温硬化性シリコーンゴム組成物は、硬化後においても強度及びモジュラスを高くし、耐湿性及び耐温水性に優れ、高温多湿環境下でも物性の低下を抑制している。
また、シリコーンポリマーに、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウムを配合したシリコーン2成分型シーリング材組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このシリコーン2成分型シーリング材組成物は、2成分を混合した後の粘度上昇を緩やかとし、作業時間を十分確保しつつ、シリコーンゴムに対して接着性が良好であると共に、チキソ性に優れている。
特開平3−17158号公報 特開平3−56581号公報
しかしながら、従来の組成物を用いても粘度が十分ではなかったため、ディスペンシング装置などで吐出又は塗布する際に液ダレが起きる、という問題があった。そのため、塗布した組成物がドラム等不必要な部分に付着して製品の外観不良が生じていた。
そのため、シリコーンゴム組成物を好適に用いるため、更に高い粘度を有して作業性に優れ、硬化後においても高い強度を有すると共に、モジュラスが高く優れた耐湿性及び耐温水性を維持することが要求される。
本発明は、前記問題に鑑み、更に高い粘度を有して作業性に優れ、硬化後においても高い強度を有すると共に、モジュラスが高く優れた耐湿性及び耐温水性を維持することができる室温硬化性シリコーンゴム組成物を提供することである。
本発明は、次に示す(1)である。
(1) 分子鎖末端がシラノール基で封鎖され、25℃における平均粘度が700mPa・s以上20,000mPa・s以下であるポリオルガノシロキサン(A)と、
一般式R1Si(OR23(式中R1は一価炭化水素基またはOR2を、R2は一価炭化水素基を示す)で示されるアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)と、
BET比表面積が10m2/g以上202/g以下であり、平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下であり、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)と、
BET比表面積が30m2/g以上70m2/g以下であり、平均粒子径が0.03μm以下であり、表面がロジン酸処理された第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、
平均粒子径が0.05μm以下であり、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)と
硬化促進剤(F)と、
重質炭酸カルシウム(G)とを含み、
前記加水分解縮合物(B)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であり、
前記第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して55質量部以上80質量部以下であり、
前記第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して質量部以上30質量部以下であり、
前記第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、
前記硬化促進剤(F)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下であり、
前記重質炭酸カルシウム(G)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して10質量部以上100.0質量部以下であることを特徴とする室温硬化性シリコーンゴム組成物
本発明によれば、更に高い粘度を有して作業性に優れ、硬化後においても高い強度を有すると共に、モジュラスが高く優れた耐湿性及び耐温水性を維持することができる室温硬化性シリコーンゴム組成物を提供することができる。
以下、この発明について詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本発明の室温硬化性シリコーンゴム組成物について説明する。本発明は、分子鎖末端がシラノール基で封鎖され、25℃における平均粘度が500mPa・s以上20,000mPa・s以下であるポリオルガノシロキサン(A)と、一般式R1Si(OR23(式中R1は一価炭化水素基またはOR2を、R2は一価炭化水素基を示す)で示されるアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)と、BET比表面積が10m2/g以上25m2/g以下であり、平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下であり、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)と、BET比表面積が30m2/g以上70m2/g以下であり、平均粒子径が0.03μm以下であり、表面がロジン酸処理された第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、平均粒子径が0.05μm以下であり、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを含む室温硬化性シリコーンゴム組成物である。本発明の室温硬化性シリコーンゴム組成物では、前記加水分解縮合物(B)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であり、前記第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して40質量部以上80質量部以下であり、前記第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、前記第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。以下、本発明の室温硬化性シリコーンゴム組成物を、「本発明のシリコーンゴム組成物」という。
<ポリオルガノシロキサン>
本発明のシリコーンゴム組成物に含有されるポリオルガノシロキサン(A)は、その分子鎖両末端がシラノール基で封鎖された鎖状又は分岐状の重合体である。ポリオルガノシロキサン(A)の構造単位であるジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合する有機基は同一又は異なるものであってもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、1価の置換炭化水素基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へキシル基、ドデシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、β‐フェニルエチル基、β‐フェニルプロピル基などが挙げられる。1価の置換炭化水素基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロメチル等が挙げられる。
これらの中でも合成の容易さなどからメチル基、ビニル基又はフェニル基が好ましく、更に、ケイ素原子に結合する有機基がメチル基である場合の方が、他の有機基の場合と比較して、原料中間体の合成が容易であり、得られる重合体の重合度に比べて粘度が最も低く、硬化物の物性のバランスに好影響を与えるため、好ましい。このため、ポリオルガノシロキサン(A)としては、実質的に全てがメチル基であることが最も好ましい。また、硬化物に耐熱性が要求される場合、ケイ素原子に結合する有機基のうち、一部はフェニル基であることが好ましい。よって、ポリオルガノシロキサン(A)は、メチル基以外の有機基を含有する場合においても、上述より重合体中の全有機基数の約85%以上はメチル基であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A)は、硬化させて得られる硬化物の機械的強度と本発明のシリコーンゴム組成物の作製のし易さなどの観点から、その25℃における粘度は550mPa・s以上20,000mPa・s以下、好ましくは700mPa・s以上10,000mPa・s以下であり、更に好ましくは1,000mPa・s以上5,000mPa・s以下である。ポリオルガノシロキサン(A)の25℃における粘度は550mPa・sを下回ると、硬化物に機械的強度を付与することが困難であるからである。また、ポリオルガノシロキサン(A)の25℃における粘度が20,000mPa・sを越えると、硬化物の粘度が高くなり過ぎ、作業性に劣るものとなるからである。
<アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物>
本発明のシリコーンゴム組成物に含有されるアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)は、下記一般式(1)で示されるアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物であり、架橋剤となるものである。アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)は、本発明のシリコーンゴム組成物が硬化して得られる硬化物を良好な弾性体とすることができる。
1Si(OR23 ・・・(1)
ここで、式中R1は一価炭化水素基またはOR2を、R2は一価炭化水素基を示す。
上記一般式(1)中、R1およびR2は、1価の置換又は非置換の有機基であり、互いに同一又は異なるものであってもよい置換または非置換の1価の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、さらにアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子等の他の原子または基で置換された1価の置換炭化水素基等がある。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基などが挙げられる。さらにアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子等の他の原子または基で置換された1価の置換炭化水素基としては、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。これらの中でも、合成の容易さなどの観点から、メチル基、ビニル基又はフェニル基が好ましい。
また、R2はOR2の加水分解性から一般にメチル基及びエチル基などを挙げることができる。
アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)としては、ケイ酸エチル、ケイ酸プロピルなどのアルキルオルソシリケートおよびその部分加水分解物であるポリアルキルシリケート、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのアルコキシシランおよびその部分加水分解シロキサンなどが例示される。更に、これらのほか下記分子式で示されるカーボンファンクショナルシランとして知られている一群のアルコキシシラン及びこれらの部分加水分解シロキサンもまた有効に用いることができる。尚、以下の記載においてMeはメチル基、Etはエチル基を各々示す。
Figure 0005663952
アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)の含有量は、ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であり、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、更に好ましくは1.0質量部以上20質量部以下である。アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)の含有量が、0.1質量部未満であると、架橋反応が十分に行われず、本発明のシリコーンゴム組成物の硬化が遅くなるからである。また、アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)の含有量が、30質量部を超えると、架橋反応で消費されない過剰の架橋剤成分が本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の耐湿性・耐温水性に悪影響を及ぼし、硬化物の物性が低下するからである。
<膠質炭酸カルシウム>
本発明のシリコーンゴム組成物に含有される膠質炭酸カルシウムは、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを含む。
[第1の膠質炭酸カルシウム(C)]
第1の膠質炭酸カルシウム(C)は、表面がロジン酸処理されて得られる膠質炭酸カルシウムである。第1の膠質炭酸カルシウム(C)は、そのBET比表面積が、10m2/g以上25m2/g以下であり、好ましくは12m2/g以上20m2/g以下であり、更に好ましくは14m2/g以上18m2/g以下である。第1の膠質炭酸カルシウム(C)のBET比表面積が10m2/gを下回ると、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の強度を低下させるからである。また、第1の膠質炭酸カルシウム(C)のBET比表面積が20m2/gを越えると、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度が低くなり過ぎて作業性に劣るからである。
第1の膠質炭酸カルシウム(C)では、その平均粒子径は、0.05μm以上0.20μm以下であり、好ましくは0.06μm以上0.10μm以下であり、更に好ましくは0.07μm以上0.09μm以下である。第1の膠質炭酸カルシウム(C)の平均粒子径が0.05μmを下回ると、第一の膠質炭酸カルシウム(C)の分散が悪くうまく混練できず、増粘しにくい上に、本発明のシリコーンゴム組成物の外観が悪い。また、第1の膠質炭酸カルシウム(C)の平均粒子径が0.20μmを越えると、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の強度を低下させるからである。
第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して40質量部以上80質量部以下であり、好ましくは45質量部以上70質量部以下である。第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量が、40質量部未満であると、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の強度を低下させるからである。また、第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量が、80質量部を超えると、硬化が遅く、作業性が劣る。
[第2の膠質炭酸カルシウム(D)]
第2の膠質炭酸カルシウム(D)は、表面がロジン酸処理されて得られる膠質炭酸カルシウムである。第2の膠質炭酸カルシウム(D)は、そのBET比表面積は、30m2/g以上70m2/g以下、好ましくは35m2/g以上65m2/g以下であり、更に好ましくは40m2/g以上60m2/g以下である。第2の膠質炭酸カルシウム(D)のBET比表面積が30m2/gを下回ると、硬化物に優れた機械的強度を付与することができない。また、第2の膠質炭酸カルシウム(D)のBET比表面積が70m2/gを越えると、分散が悪く粘度が低くなり過ぎて実用上作業性に劣る。
第2の膠質炭酸カルシウム(D)の平均粒子径は、0.03μm以下、好ましくは0.01μm以上0.03μm以下であり、更に好ましくは0.02μm以上0.03μm以下である。第2の膠質炭酸カルシウム(D)の平均粒子径が0.03μmを越えると、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の強度を低下させるからである。
第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、好ましくは5質量部以上20質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以上15質量部以下である。第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量が、5質量部未満であると、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物の強度を低下させるからである。また、第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量が、30質量部を超えると、分散が悪く、本発明のシリコーンゴム組成物の外観が悪い。
[第3の膠質炭酸カルシウム(E)]
第3の膠質炭酸カルシウム(E)は、表面が脂肪酸処理されて得られる膠質炭酸カルシウムである。第3の膠質炭酸カルシウム(E)は、その平均粒子径が、0.05μm以下であり、好ましくは0.01μm以上0.04μm以下であり、更に好ましくは0.015μm以上0.035μm以下である。第3の膠質炭酸カルシウム(E)の平均粒子径が0.05μmを越えると、増粘効果が小さく、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度が上がらず、作業性に劣るからである。
第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、好ましくは5質量部以上20質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以上15質量部以下である。第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量が、5質量部未満であると、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度が低く作業性に劣る。また、第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量が、30質量部を超えると、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度が高くなり過ぎて作業性に劣るからである。
<硬化促進剤>
本発明のシリコーンゴム組成物に含有される硬化促進剤(F)は、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させるための縮合触媒である。硬化促進剤(F)としては、カルボン酸金属塩、有機スズ化合物、有機チタン酸エステル、チタンキレート化合物等の有機金属化合物等を挙げることができる。カルボン酸金属塩としては、例えば、オクタン酸、オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ、オクタン酸コバルト、オクタン酸マンガン、オクタン酸鉛、ナフテン酸スズ、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、オレイン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド等を挙げることができる。有機チタン酸エステルとしては、例えば、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等を挙げることができる。チタンキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセタト)チタン、1,3−プロピレンジオキシビス(アセチルアセトナト)チタン、1,3−プロピレンジオキシビス(エチルアセトアセタト)チタン等を挙げることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物に含有される硬化促進剤(F)の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上3.0質量部以下である。硬化促進剤(F)の含有量が、0.01質量部未満であると、触媒効果が得られないため、好ましくない。また、硬化促進剤(F)の含有量が、5.0質量部を超えると、硬化促進剤(F)を含有した分だけの効果又はそれ以上の効果が得られない上、硬化物の耐熱性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。
<重質炭酸カルシウム>
重質炭酸カルシウム(G)は、炭酸カルシウム粉末であり、可塑化戻りやミル収縮を防止して成形品の寸法を安定させ、かつ押出機の内壁と本発明のシリコーンゴム組成物との摩擦による摩耗屑の発生を防止し、成形品に黒い筋を発生させないようにする。重質炭酸カルシウム(G)は、粉砕炭酸カルシウムとも呼ばれ、白色石灰石を粉砕し、得られた粉砕物を分級することにより製造される。炭酸カルシウム粉末としては、重質炭酸カルシウムの他に軽質炭酸カルシウムがある。軽質炭酸カルシウムは沈降炭酸カルシウムとも呼ばれ、緻密質石灰石を炭酸ガスと反応させて得られた軽質炭酸カルシウムスラリ−を脱水し、乾燥させることにより得られる。炭酸カルシウム粉末として重質炭酸カルシウム(G)に代えて軽質炭酸カルシウムを用いてもよい。
重質炭酸カルシウム(G)は、BET比表面積が8m2/g未満であることが好ましい。また、重質炭酸カルシウム(G)は、その表面を脂肪酸で処理した重質炭酸カルシウムであることが好ましい。このとき、その吸油量(JIS K 5101)が15ml/100g以上50ml/100g以下の範囲内にあるものが好ましい。
重質炭酸カルシウム(G)としては、例えば、東洋ファインケミカル株式会社製あるいは白石工業株式会社製の、商品名:ホワイトンP−10、ホワイトンP−30、ホワイトンP−50、ホワイトンP−70、ホワイトンH、HAKUENKA−CC、HAKUENKA−CCR、Unibur−70、ホモカルDなどがある。
重質炭酸カルシウム(G)の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して10質量部以上100.0質量部以下であり、好ましくは50質量部以上100質量部以下であり、更に好ましくは70質量部以上90質量部以下である。重質炭酸カルシウム(G)の含有量が、10質量部未満であると、可塑化戻りやミル収縮防止の効果が不十分となるため、好ましくない。また、重質炭酸カルシウム(G)の含有量が、100質量部を超えると、ポリオルガノシロキサン(A)への配合が困難となるため、好ましくない。
このように、本発明のシリコーンゴム組成物は、分子鎖末端がシラノール基で封鎖され、25℃における平均粘度が500mPa・s以上20,000mPa・s以下であるポリオルガノシロキサン(A)と、一般式R1Si(OR23(式中R1は一価炭化水素基またはOR2を、R2は一価炭化水素基を示す)で示されるアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)と、BET比表面積が10m2/g以上20m2/g以下であり、平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下であり、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)と、BET比表面積が30m2/g以上70m2/g以下であり、平均粒子径が0.03μm以下であり、表面がロジン酸処理された第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、平均粒子径が0.05μm以下であり、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを含む。本発明のシリコーンゴム組成物では、加水分解縮合物(B)の含有量を、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下とし、第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量を、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して40質量部以上80質量部以下とし、第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量を、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下とし、第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量を、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下としている。ロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)を用いることで、本発明のシリコーンゴム組成物の作業時間が長くなり、硬度を高くすると共に、引張り応力(モジュラス)が高くなり、熱反応による初期接着は下がり、耐温水性を上昇させることができる。また、脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)を用いることで、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度を上昇させることができる。尚、モジュラスとは、物体に外力を与えた時、その原形を保つために抵抗しようとする力であり、引張り方向に特定の伸びを与えた時の引張り応力をいう。
シリコーンゴム組成物の成分として、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)を含めると、その分、シリコーンゴム組成物中に含まれるロジン酸処理された膠質炭酸カルシウムの含有量が減少することになる。本発明のシリコーンゴム組成物では、ロジン酸処理された膠質炭酸カルシウムとして、粒径が従来から用いられている大きさの膠質炭酸カルシウムのように第1の膠質炭酸カルシウム(C)の他に、第1の膠質炭酸カルシウム(C)のように従来から用いられているロジン酸処理された膠質炭酸カルシウムより平均粒子径が小さい第2の膠質炭酸カルシウム(D)を所定量添加して、本発明のシリコーンゴム組成物に含まれるロジン酸量を補うようにしている。このため、本発明のシリコーンゴム組成物は、第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)を用いてシリコーンゴム組成物中に含まれるロジン酸量を調整しつつ、第3の膠質炭酸カルシウム(E)を含めることで、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)との相互の効果を効率良く得られるようにしている。従って、本発明のシリコーンゴム組成物は、第3の膠質炭酸カルシウム(E)により、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度を上昇させ、第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)により、本発明のシリコーンゴム組成物の作業時間を長くでき、硬度を上昇させると共に、モジュラスが高くなり、熱反応による初期接着を下げ、耐温水性を上昇させることができる。このため、本発明のシリコーンゴム組成物によれば、更に高い粘度を有して作業性に優れ、硬化後においても高い強度を有すると共に、モジュラスが高く優れた耐湿性及び耐温水性を維持することができる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、ポリオルガノシロキサン(A)、アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)、第1の膠質炭酸カルシウム(C)、第2の膠質炭酸カルシウム(D)及び第3の膠質炭酸カルシウム(E)の他に、その用途に応じて、更に、顔料、耐熱剤、難燃剤、内部離型剤、有機発泡剤、可塑剤等を含有することができる。これらの中の2種類以上を含有してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記各成分及び必要に応じて配合した顔料、耐熱剤などを湿気を遮断した状態で混合し、密閉容器中に保存したものを使用時に空気中の湿気にさらすことによって硬化させる、いわゆる一液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物として用いることができる。また、本発明の組成物は、上記各成分及び顔料、耐熱剤などのうち、一部の成分を別の容器中に保存し、使用時にそれらを混合する、いわゆる二液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物として用いることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。例えば、いわゆる一液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物として用いる場合、ポリオルガノシロキサン(A)、アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)、第1の膠質炭酸カルシウム(C)、第2の膠質炭酸カルシウム(D)、第3の膠質炭酸カルシウム(E)及び必要に応じて顔料等のその他の成分を、湿気を遮断した状態で室温で混合し、密閉容器中に保存したものを使用時に空気中の湿気にさらすことによって硬化させることで本発明のシリコーンゴム組成物を得ることができる。また、いわゆる二液型の室温硬化性シリコーンゴム組成物として用いる場合、ポリオルガノシロキサン(A)、アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)、第1の膠質炭酸カルシウム(C)、第2の膠質炭酸カルシウム(D)、第3の膠質炭酸カルシウム(E)及び必要に応じて顔料等のその他の成分のうち一部の成分を除いて湿気を遮断した状態で室温で混合し、残りの他の成分を別の容器中に保存し、使用時にそれらを混合し、空気中の湿気にさらすことによって硬化させることで本発明のシリコーンゴム組成物を得ることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物の製造装置としては、ニーダーミキサーや2軸連続混練押出機などシリコーンゴム組成物の製造に使用されている従来公知の混練機が使用できる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、ガラス、プラスチック、金属等の各種基材に対して良好な作業時間を維持しつつ良好な接着性を発現し、硬化後は、長期間の接着耐水性に優れ、温水浸漬等の苛酷な環境下においても接着力を保持し、ゴム物性も殆んど低下しないシリコーンゴムとなり得る。本発明のシリコーンゴム組成物は、このような特性を有することから、水周りの部材や屋外で使用される建築用部材のシーリング材や接着剤として好適であり、これら部材の生産性を向上させることができる。例えば、本発明のシリコーンゴム組成物は、複層ガラスユニットの二次シール材、中間プラスチックフィルムを有する複層ガラスユニットの二次シール材として有効に用いることができる。
複層ガラスが例えば2枚のガラス板を用いて形成されている場合、複層ガラスを構成する2枚のガラス板は通常その4辺の周辺部に、乾燥剤の入れられた金属スペーサーを配設し、ガラスと金属スペーサーの間にはブチル樹脂などの一次シール材を配置して水分の浸入を防止している。シリコーンゴム組成物などは、金属スペーサーの外周辺部と2枚のガラス板との間に二次シール材として用いられ、スペーサーとガラス板とを接着固定して、一次シール材を保護している。このため、二次シール材は高いモジュラスを有することが好ましい。また、建物保証の長期化という観点からも、使用される二次シールには、長期の接着耐久性、特に接着耐水性が要求される。サッシを覆うためにこの複層ガラスが使用される際、サッシ内の水抜きに支障があった場合、二次シールが水に浸漬する虞があり、長期間浸水状態で屋外環境に放置される虞がある。また、金属薄膜を蒸着した熱線反射中間プラスチックフィルムを有する複層ガラスユニットや、熱線反射ガラスを有する複層ガラスユニットにおいては、金属薄膜蒸着層を有する難接着基材への接着性も要求される。また、複層ガラスの製造工程において、二次シール材の硬化速度は製造工程時間に大きく寄与する。このため、本発明のシリコーンゴム組成物は、更に高い粘度を有して作業性に優れ、硬化後の強度を高くできると共に、高モジュラスで優れた耐湿性及び耐温水性を維持することができるので、複層ガラスユニットの二次シール材として好適に用いることができる。
また、本発明のシリコーンゴム組成物は、ガラス、陶磁器などの無機物;アルミニウム、銅、ステンレススチール、鉄、トタン、ブリキ、黄銅、亜鉛などの金属;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS、ナイロン、塩化ビニル樹脂などの有機樹脂;モルタル、コンクリート、木などに良好に接着する上、硬化後においても強度が高く、高いモジュラスを有するため、温水浸漬などの過酷な環境下でも、優れた耐湿性及び耐温水性を維持でき、接着は極めて良好に維持される。このため、本発明のシリコーンゴム組成物は、浴槽ユニットのシール材、例えば自動車や車両(新幹線、電車)の照明部品用接着剤やシール材、建築用シーリング材及びコーティング材、電気・電子部品の接着剤、シーリング材及びコーティング材としても好適に用いることができる。また、本発明のシリコーンゴム組成物は、エッジシーラント等のガラス、プラスチック、金属製品の接着剤及びシーリング材としても好適に用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<1.シリコーンゴム組成物の作製>
(実施例1)
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたシロキサンポリマー(A)−1(粘度:5,000mPa・s)100質量部に、アルコキシシラン(B)を2質量部と、表面がロジン酸で処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)(平均粒径:80nm、BET比表面積が14m2/g以上18m2/g以下)を70質量部と、表面がロジン酸で処理された第2の膠質炭酸カルシウム(D)(平均粒径:30nm、BET比表面積が46m2/g以上56m2/g以下)を10質量部と、表面が脂肪酸で処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)(BET比表面積が25m2/g以上35m2/g以下)を10質量部と、重質炭酸カルシウム(F)を60質量部と、硬化促進剤(G)を0.1質量部とを均一に混合し、脱泡処理して本発明のシリコーンゴム組成物を得た。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の添加量(質量部)を表1に示す。
(実施例2、3)
上述した実施例1で用いた各成分以外に、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたシロキサンポリマー(A)−2(粘度:500mPa・s)を配合した。上述した各成分を表1に示す配合比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明のシリコーンゴム組成物を各々作製した。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表1に示す。
(実施例4、5)
上述した実施例1、2で用いた各成分において、第1の膠質炭酸カルシウム(C)と第2の膠質炭酸カルシウム(D)とを表1に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明のシリコーンゴム組成物を各々作製した。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表1に示す。
(実施例6)
上述した実施例2で用いた各成分において、第1の膠質炭酸カルシウム(C)と第2の膠質炭酸カルシウム(D)とを表1に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明のシリコーンゴム組成物を作製した。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表1に示す。
(比較例1−3)
上述した実施例1から3で用いた各成分中において、第2の膠質炭酸カルシウム(D)と第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを混合せず、第1の膠質炭酸カルシウム(C)の配合比を表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を各々作製した。このシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例4−6)
上述した実施例1から3で用いた各成分中において、第2の膠質炭酸カルシウム(D)を混合しないで第1の膠質炭酸カルシウム(H)を混合し、第3の膠質炭酸カルシウム(E)の配合比を表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を各々作製した。このシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例7−9)
上述した実施例1から3で用いた各成分中において、第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第3の膠質炭酸カルシウム(E)を混合しないで第2の膠質炭酸カルシウム(D)を表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を各々作製した。このシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例10−12)
上述した実施例1から3で用いた各成分中において、第2の膠質炭酸カルシウム(D)を混合しないで第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第3の膠質炭酸カルシウム(E)を表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を各々作製した。このシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例13)
上述した実施例1で用いた各成分中において、シロキサンポリマー(A)−1を混合しないでシロキサンポリマー(A)−2を表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を作製した。このシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例14)
上述した実施例1で用いた各成分において、第1の膠質炭酸カルシウム(C)と第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明のシリコーンゴム組成物を作製した。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
(比較例15)
上述した実施例1で用いた各成分において、第1の膠質炭酸カルシウム(H)を混合し、第1の膠質炭酸カルシウム(C)と第2の膠質炭酸カルシウム(D)と第3の膠質炭酸カルシウム(E)とを表2に示す配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明のシリコーンゴム組成物を各々作製した。この本発明のシリコーンゴム組成物における各成分の質量部を表2に示す。
上記表1、2に示す各実施例、比較例の各成分の詳細は以下のとおりである。
・シロキサンポリマー(A)−1:SS−10、信越化学社製
・シロキサンポリマー(A)−2:SS−70、信越化学社製
・アルコキシシラン(B):メチルトリエトキシシラン、信越化学社製
・第1の膠質炭酸カルシウム(C):表面がロジン酸で処理された炭酸カルシウム(平均粒径:80nm、BET比表面積:14m2/g以上18m2/g以下、商品名「白艶華TDD」、白石カルシウム社製)
・第1の膠質炭酸カルシウム(H):表面がロジン酸で処理された炭酸カルシウム(平均粒径:50nm、BET比表面積:23m2/g以上29m2/g以下、商品名「白艶華DD」、白石カルシウム社製)
・第2の膠質炭酸カルシウム(D):表面がロジン酸で処理された炭酸カルシウム(平均粒径:30nm、BET比表面積:46m2/g以上56m2/g以下、商品名「白艶華O」、白石カルシウム社製)
・第3の膠質炭酸カルシウム(E):表面が脂肪酸で処理された炭酸カルシウム(BET比表面積が25m2/g以上35m2/g以下、商品名「ピスコエクセル30」、白石カルシウム社製)
・重質炭酸カルシウム(F):スーパーS、白石カルシウム社製
・硬化促進剤(G):ジブチルスズジラウレート、昭和化学社製
<2.評価>
上記のようにして得られた各シリコーンゴム組成物の粘度、チキソ性、ワークライフタイム、3時間後硬度、最終硬度、耐温水接着性を各々評価した。
(粘度)
得られたシリコーンゴム組成物について、BS型粘度計、7号ローターを用いて1rpmで25℃における粘度を測定した。試験結果を表1、2に示す。25℃における粘度が剪断速度60sec-1において1500Pa・s以上であれば作業性が良好であると判断した。
(チキソ性)
JIS A 5758に準じて、スランプ、フリップ性を確認した。試験結果は以下のように評価し、試験結果を表1、2に示す。チキソ性は5.0以上であれば作業性が良好であると判断した。
○:5.0以上のもの
△:4.0以上5.0未満のもの
×:4.0未満のもの
(ワークライフタイム)
フロートガラス上に、シリコーンゴム組成物を塗布してから硬化するまでの時間を確認した。試験結果を表1、2に示す。ワークライフタイムは35分以上50分以下であれば作業性が良好であると判断した。
(3時間後硬度)
フロートガラス上に、シリコーンゴム組成物を塗布した後、硬化物の3時間後の硬度を確認した。試験結果を表1、2に示す。硬化物の3時間後の硬度は25以上であれば強度が良好であると判断した。
(最終硬度)
フロートガラス上に、シリコーンゴム組成物を塗布し、最終的に硬化した硬化試験片の硬度を確認した。試験結果を表1、2に示す。硬化試験片の硬度は50以上70以下であれば強度が良好であると判断した。
(耐温水接着性)
JIS A 5758 5・12項に準じて、フロートガラス上に、このシリコーンゴム組成物を塗布した。その後、このシリコーンゴム組成物を20℃、55%R.H.の雰囲気中で7日間、更に50℃で7日間静置して硬化させ、硬化試験片を調製した。この試験片について50mm/分の速度で引張接着試験を行うと共に、これを80℃の温水中に7日間浸漬後、同様の引張接着試験を行った。引張接着試験における破壊形態を目視で確認した。試験結果は以下のように評価し、試験結果を表1、2に示す。凝集破壊(CF)が硬化試験片の全体における80%以上であれば耐温水接着性が良好であると判断した。
○:CFが硬化試験片の全体の80%以上のもの
△:CFが硬化試験片の全体の70%以上80%未満のもの
×:CFが硬化試験片の全体の70%以下のもの
Figure 0005663952
Figure 0005663952
表1に示すように、実施例1から6では、得られたシリコーンゴム組成物は何れも粘度が少なくとも1600Pa・s以上であり、チキソ性も5.0以上であり、ワークライフタイムも35分以上50分以下の範囲内にあった。よって、実施例1から6のシリコーンゴム組成物は何れも作業性が良好であることが確認された。また、得られたシリコーンゴム組成物を3時間硬化させた後の硬度は25以上あり、シリコーンゴム組成物を硬化させて得られた硬化試験片の最終硬度は50以上70以下の範囲内にあった。よって、実施例1から6では、得られたシリコーンゴム組成物は強度が高いことが確認された。また、実施例4では、得られたシリコーンゴム組成物から得られた硬化試験片の耐温水接着性は、硬化試験片の全体における70%以上80%未満の破壊形態がCFであったが、実施例1から3、5、6では、得られたシリコーンゴム組成物から得られた硬化試験片の耐温水接着性は、硬化試験片の全体における80%以上の破壊形態がCFであった。よって、実施例1から6では、得られたシリコーンゴム組成物から得られた硬化物は耐温水接着性に優れていることが確認された。
これに対して、表2に示すように、比較例1から15では、粘度、チキソ性、ワークライフタイム、3時間硬化させた後の硬度、硬化物の最終硬度、耐温水接着性の何れか1つ以上が各条件を満たさなかった。よって、比較例1から15のシリコーンゴム組成物及びこれから得られる硬化物は、シリコーンゴム組成物の作業性や硬化物の強度や硬化物の耐温水接着性の少なくとも1つは満たさないことが確認された。
よって、実施例1から6より得られたシリコーンゴム組成物の方が、比較例1から15より得られたシリコーンゴム組成物に比べて作業性に優れ、硬化物の強度も高く、耐温水接着性に優れることから、シリコーンゴム組成物としての信頼性が高いことが判明した。従って、実施例1から6のように、ポリオルガノシロキサン(A)と、アルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)と、膠質炭酸カルシウムとを含み、膠質炭酸カルシウムとして、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)及び第2の膠質炭酸カルシウム(D)と表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)を用い、表面がロジン酸処理された膠質炭酸カルシウムとして、粒子径が異なるものを2つ用いる。これにより、得られるシリコーンゴム組成物は、更に粘度を高くして作業性に優れ、硬化後の強度を高くすると共に、モジュラスが高く耐湿性及び耐温水性を向上させることができることから、複層ガラスユニットの二次シール材など水周りの部材や屋外で使用される建築用部材のシーリング材や接着剤として信頼性の高いシリコーンゴム組成物を得ることができることが判明した。
以上のように、本発明に係る室温硬化性シリコーンゴム組成物は、更に粘度を高くして作業性に優れ、硬化後の強度を上昇させると共に、優れた耐湿性及び耐温水性を有するため、複層ガラスユニットの二次シール材など水周りの部材や屋外で使用される建築用部材のシーリング材や接着剤として用いるのに適している。

Claims (1)

  1. 分子鎖末端がシラノール基で封鎖され、25℃における平均粘度が700mPa・s以上20,000mPa・s以下であるポリオルガノシロキサン(A)と、
    一般式R1Si(OR23(式中R1は一価炭化水素基またはOR2を、R2は一価炭化水素基を示す)で示されるアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物(B)と、
    BET比表面積が10m2/g以上202/g以下であり、平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下であり、表面がロジン酸処理された第1の膠質炭酸カルシウム(C)と、
    BET比表面積が30m2/g以上70m2/g以下であり、平均粒子径が0.03μm以下であり、表面がロジン酸処理された第2の膠質炭酸カルシウム(D)と、
    平均粒子径が0.05μm以下であり、表面が脂肪酸処理された第3の膠質炭酸カルシウム(E)と
    硬化促進剤(F)と、
    重質炭酸カルシウム(G)とを含み、
    前記加水分解縮合物(B)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であり、
    前記第1の膠質炭酸カルシウム(C)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して55質量部以上80質量部以下であり、
    前記第2の膠質炭酸カルシウム(D)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して質量部以上30質量部以下であり、
    前記第3の膠質炭酸カルシウム(E)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、
    前記硬化促進剤(F)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下であり、
    前記重質炭酸カルシウム(G)の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して10質量部以上100.0質量部以下であることを特徴とする室温硬化性シリコーンゴム組成物。
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