JP5662662B2 - シートモールディングコンパウンドの製造方法及びそのための熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
耐圧強度が69.0MPa未満の中空状充填材については、窒素法により、耐圧強度を測定した。具体的には、先ず、真密度を測定した中空状充填材を加圧容器に入れ、乾燥窒素ガスにて加圧する。次いで、この加圧の後、中空状充填材の真密度を再度測定して、加圧前後の真密度の変化値より、算出した。また、耐圧強度が69.0MPa以上の中空状充填材については、グリセロール法により、耐圧強度を測定した。即ち、上記の窒素法の場合と同様に、真密度を測定した中空状充填材を加圧容器に入れ、一定量のグリセロールと混合して、空気が混入しないように密封する。次いで、かかる混合試料を加圧シリンダーに入れた後、徐々に加圧しながら混合試料の体積を観測して行き、混合試料の残存体積が90vol%になるときの圧力を、中空状充填材の耐圧強度とした。
先ず、容積:100cm3 のステンレス製かさ密度測定用カップ(内径:50.40mm、高さ:50.15mm)の質量(α)を測定した。次いで、かかる測定用カップの開口部にキャップを装着し、このキャップの上部まで、薬さじ等を用いて、被検物(カオリンクレー)を静かに入れた後、かかる被検物の飛散を防止するためのキャップカバーを取り付けて、測定用試料を準備した。そして、ホソカワミクロン株式会社製のパウダテスター(TYPE:RT−E)を用いて、そのタッピングホルダに、上記測定用試料をセットして、1回/秒の速度にて、10分間、合計600回のタッピングを行った。その後、タッピングホルダから測定用試料を取り出して、キャップ及びキャップカバーを測定用カップより静かに外し、次いで、測定用カップの開口部から盛り上がった余分な被検物をブレードですりきり、被検物の入った測定用カップの質量(β)を測定した。そして、下記計算式にて、被検物の入った測定用カップの質量(β)から測定用カップ質量(α)を差し引いた質量(β−α)、即ち被検物の質量を、測定用カップの容積100cm3 で割ることによって、密充填かさ密度を算出し、この測定を4回繰り返し行って、密充填かさ密度(平均値)とした。
密充填かさ密度 [g/cm3 ]=(β−α)/100
ペーストの粘度は、アルミ製の円筒容器内に約10gのペーストを採取した後、これを温水循環型恒温装置内で25±1.0℃の温度に調整し、その後、プログラマブルデジタル粘度計(形式:DV−II+、米国ブルックフィールド社製)を用いて、回転数10rpmにおける粘度(B)を測定することにより、求めた。また一方、チキソトロピック指数は、上記と同様に、25±1.0℃の温度に調整したペーストを用いて、回転数1rpmにおける粘度(A)を測定し、この回転数10rpmにおける粘度(B)に対する上記回転数1rpmにおける粘度(A)の比(=A/B)を算出することにより、求めた。
作製したSMC(厚さ:約2mm)からテストピース(縦:50mm、横:50mm)を切り出した後、これを2枚の鏡面仕上げのステンレス板(縦:470mm、横:290mm、厚さ:1.5mm)に挟み込み、温度:150℃、成形圧力:5.88MPaで2分間にわたって、加熱加圧成形を行うことにより、略円形状の成形体を得た。そして、この得られた成形体の差し渡し径を、周方向に45°の間隔をおいて、4箇所測定した。更に、この測定を2回繰り返して平均値を算出し、その得られた平均値を、SMCの流動性(mm)とした。かかる流動性の値が大きい程、流動性が高く、成形性に優れていると判断することができる。
比重は、作製した板状成形体を切り出し、室温下で、アルファーミラージュ社製電子比重計(MD−200S)を用いて測定した。また、比弾性率は、作製した板状成形体からテストピース(縦:40mm、横:25mm、厚さ:2.1mm)を切り出し、このテストピースについて、ミネベア社製万能試験機を用いて、JIS K 6911に基づく試験を行い、曲げ弾性率を測定し、その得られた曲げ弾性率を比重で除することによって、求めた。
表面平滑性の評価は、成形体表面の凹凸状態(凹凸の有無及びその程度)や成形体表面に映る蛍光灯の鮮明さを目視観察することにより、行った。なお、判定基準は、◎:凹凸がなく、蛍光灯の映りも問題なし、○:凹凸がなく、蛍光灯の映りが◎より少し劣る、△:凹凸が多少あり、蛍光灯の映りも悪い、×:凹凸があり、蛍光灯の映りも極めて悪い、とした。
反りの評価は、プレス成型によって作製した平板状の成形体を定盤の上に置き、定盤からの成形体の反りあがりをノギスにて計測し、そこから成形体の厚みを減ずることによって評価した。
レゾール型フェノール樹脂(商品名:AKP−012、旭有機材工業株式会社製)の36.8質量部と、中空状充填材としての耐圧強度:21.0MPaのガラスバルーン(商品名:K37、住友スリーエム株式会社製)の7.4質量部と、密充填かさ密度:0.81g/cm3 のカオリンクレー(商品名:HA、山陽クレー工業株式会社製)の23質量部と、硬化促進剤(増粘剤)としての水酸化カルシウムの0.6質量部と、離型剤としてのステアリン酸亜鉛の1質量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.5質量部とを、ハンドミキサーにより約10分間、攪拌・混合して、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製した。そして、このようにして得られたペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定したところ、それぞれ、粘度(25℃):110000mPa・s、チキソトロピック指数:2.35であった。
実施例1の耐圧強度:21.0MPaの中空状充填材に代えて、実施例2では、耐圧強度:28.0MPaの中空状充填材(商品名:S38、住友スリーエム株式会社製)、実施例3では、耐圧強度:42.0MPaの中空状充填材(商品名:K46、住友スリーエム株式会社製)、実施例4では、耐圧強度:69.0MPaの中空状充填材(商品名:S60、住友スリーエム株式会社製)、実施例5では、耐圧強度:124.0MPaの中空状充填材(商品名:S60HS、住友スリーエム株式会社製)を用いること以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、このペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表1に示した。
実施例1の耐圧強度:21.0MPaの中空状充填材(商品名:K37、住友スリーエム株式会社製)を用い、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、このペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表1に示した。
実施例2の耐圧強度:28.0MPaの中空状充填材(商品名:S38、住友スリーエム株式会社製)を用い、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、このペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表2に示した。
実施例1の耐圧強度:21.0MPaの中空状充填材に代えて、比較例1では、耐圧強度:5.2MPaの中空状充填材(商品名:K25、住友スリーエム株式会社製)を用いること以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、このペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表2に示した。
レゾール型フェノール樹脂(商品名:AKP−012、旭有機材工業株式会社製)の40質量部と、密充填かさ密度:1.22g/cm3 のカオリンクレー(商品名:TC−600、東洋化成株式会社製)の35質量部と、硬化促進剤(増粘剤)としての水酸化カルシウムの0.6質量部と、離型剤としてのステアリン酸亜鉛の1質量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.5質量部とを、ハンドミキサーにより約10分間、攪拌・混合して、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製した。そして、このようにして得られたペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表2に示した。
実施例1の耐圧強度:21.0MPaの中空状充填材に代えて、耐圧強度:5.2MPaの中空状充填材(商品名:K25、住友スリーエム株式会社製)を用いること以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、そしてこのペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表2に示した。
実施例1の耐圧強度:21.0MPaの中空状充填材に代えて、耐圧強度:28.0MPaの中空状充填材(商品名:S38、住友スリーエム株式会社製)を用いること以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物たるSMC用ペーストを調製し、このペーストの粘度及びチキソトロピック指数を測定して、その得られた結果を、下記表2に示した。
Claims (4)
- 繊維質基材に、それを結合せしめる樹脂組成物を適用して、シートモールディングコンパウンドを製造する方法にして、
前記樹脂組成物として、フェノール樹脂と、耐圧強度が15〜140MPaの中空状充填材と、密充填かさ密度が0.60〜1.20g/cm3 のカオリンクレーとを必須成分として含有すると共に、質量基準で、中空状充填材:カオリンクレー=1:(0.5〜4.5)となる含有比率とした熱硬化性樹脂組成物の1種類を用い、この樹脂組成物を所定のキャリアフィルム上に0.5〜1.5mmの厚さで直接に塗布する工程と、
かかる得られたキャリアフィルム上の塗布層にて、前記繊維質基材を両側から挟み込むようにして、該繊維質基材と該塗布層を与える熱硬化性樹脂組成物とをシート状に一体化する工程と、
を含むことを特徴とするシートモールディングコンパウンドの製造方法。 - 前記熱硬化性樹脂組成物のチキソトロピック指数が、2.2以上である請求項1記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の製造方法により得られるシートモールディングコンパウンド。
- 請求項3に記載のシートモールディングコンパウンドを成形硬化せしめてなる成形体。
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