JP2008073875A - Frp成形体の製造方法およびその成形体。 - Google Patents
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Abstract
【課題】
強化繊維基材に、内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した成形体における、表面改良(=接着力の向上)に関するもので、成形体の強度・剛性等の機械的性質を保持しつつ、耐候、耐食性に優れ、かつ表面に密着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を設けることが可能な、FRP成形体の製造方法とその成形体を提供する。
【解決手段】
強化繊維基材に、内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体の少なくとも片面に、内部離型剤をの含有率が0〜0.1重量%である熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体を、一方の熱硬化性樹脂の硬化度が50%以上、もう一方の熱硬化性樹脂の硬化度が50%以下の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化する製造方法によって得られることを特徴とする。
【選択図】 図1
強化繊維基材に、内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した成形体における、表面改良(=接着力の向上)に関するもので、成形体の強度・剛性等の機械的性質を保持しつつ、耐候、耐食性に優れ、かつ表面に密着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を設けることが可能な、FRP成形体の製造方法とその成形体を提供する。
【解決手段】
強化繊維基材に、内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体の少なくとも片面に、内部離型剤をの含有率が0〜0.1重量%である熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体を、一方の熱硬化性樹脂の硬化度が50%以上、もう一方の熱硬化性樹脂の硬化度が50%以下の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化する製造方法によって得られることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、強化繊維基材とマトリックスとして熱硬化性樹脂硬化物から構成される外表面に意匠面を備えるパネル形状のFRP成形体を連続的に製造する製造方法に関し、さらには、FRP成形体の基本構造要素と意匠面との界面接着力が良好で、耐候性および耐食性に優れ、軽量で高強度・剛性を必要とする例えば、建築物の外壁や鉄道・道路用に適用される遮音壁等のパネル形状のFRP成形体に関する。
近年、建築物の外壁や遮音壁としてFRP製のパネルが強度・剛性、耐候性および耐食性、軽量化の観点から有望視されている。FRP製のパネルは、要求仕様(剛性、強度)に合わせて各部位での積層構成等を変化させることができる設計の自由度を有している。これらのFRP製品を得るには、形状、用途、生産性を考慮し、様々な成形法が採用され、雄雌いずれか一方の型を用いるオープンモールド法と雄雌一対の型を用いるクローズドモールド法がある。前者としては、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、フィラメントワインディング法があり、後者には、プレス法、レジンインジェクション法、射出成形法、RTM法、引抜き成形法、メタルマッチドダイ法である、SMC・BMC法が知られている。
また、それぞれの特徴を比較すると以下のようになる。
これらの型を用いる成形法においては、用途・成形法に応じ、モールド(型)との離型性を得るために、通常、離型剤と呼ばれる薬剤を使用する。このような離型剤には、モールド(型)表面に直接塗布して離型被膜を形成する外部離型剤と、加工原料に添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮する内部離型剤がある。
成形法のうちオープンモールド法では、成形体表面に装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)付与が容易なため、通常、外部離型剤が使用される。一方、クローズドモールド法では、離型性・生産性を考慮し、外部離型剤および内部離型剤が使い分けられる。ここで、装飾性(意匠性)付与とは、例えば、着色塗装層を表面に配置するなどして付加価値を仕上げることを示しており、機能性(耐久性)付与とは、高耐候性塗料による塗装層の表面への配置やゲルコート層の表面への配置より、耐候性および耐久性を向上させることを言う。
外部離型剤を使用する場合、表面に装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)を付与するときには、モールド(型)表面から成型体表面に転写した前記外部離型剤が表面に装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)付与層との接着性を低下させるため、研磨および溶剤で成型体表面に転写した前記外部離型剤を除去する表面活性化や、プライマー塗布といった処理が、必要となる。
また、外部離型剤はモールド(型)に直接塗布するため、成形時には一定の時間間隔でモールド(型)に再塗布する必要がある。
一方の内部離型剤は、加工原料に添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮させるため、モールド(型)への一定間隔での離型剤塗布が不要となり、成形作業が簡略化され、作業能率が向上することから大量生産向きである。しかし、添加量が多いと硬化阻害を引き起こすことがあり、少ないと十分な離型効果が得られない。また、添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮させるため、硬化後の成形体と他の被接着物との接着性に関しては、研磨および溶剤での脱脂や、プライマー塗布によっても、強固な接着力が得られないという問題を有する。
特許文献1には、内部離型剤を加工原料に添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮させるSMC成形法による、しぼ付FRP成形品が紹介されている。本文献では、表面にガラス繊維の含有率が低く、0.3〜3mmの樹脂リッチ層を、意匠および耐候性を得るための保護層として配置することが開示されている。樹脂リッチ層が、コーテイング層の役目を果たすので、屋外で使用する場合、紫外線劣化によるガラス繊維の露出等の現象が生じ難いとの記載があるが、実際には、塗装なしの樹脂単独では、表面の樹脂が風化する、いわゆるチョーキングを起こすことは周知の事実であり、0.3〜3mmの樹脂リッチ層を、意匠および耐候性を得るための保護層として配置しないものに比較すれば、相対的に、紫外線劣化によるガラス繊維の露出等の現象が生じ難いにしても、屋外長期暴露によるガラス繊維の露出は避けられないものと考えられる。よって実用に供するには、表面に意匠をも鑑みた保護層であるゲルコート層や塗装層などを配置することは、不可欠と考えられる。しかし、本特許文献1は、前述したように、内部離型剤を加工原料に添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮させる成形法であるため、成形品に内部離型剤が残在し、ゲルコート層や塗装層などとの接着力が極めて弱いと考えられるため、ゲルコートや塗装層などを配置することが困難と考えられる。例え配置できたとしても、経時的に剥離は避けられず、耐久性に問題があると考えられる。
特許文献2には、FRPの外表面が鉱物質粒子層で被覆された、建物外壁用パネルが開示されている。また鉱物質粒子層を覆ってポリエステル樹脂からなる合成接着剤の連続被膜を形成していることが記載されている。本文献によれば、パネルの一外表面板が未硬化で粘性を失わない状態で、鉱物質粒子層を散布し形成し、しかる後その上に、ポリエステル樹脂等の合成接着剤を塗布して連続被膜を形成するとある。また、そのポリエステル樹脂は、パネルのFRP外側面板と同材質粘着にして結合するとある。これらの記述から、成形方法はオープンモールド法によるもので、前記のSCM法のようなクローズドモールド法でなく、オープンモールド法であるハンドレイアップ成形法によるものであると推察され、ポリエステル樹脂の塗布は、密着性の観点から、同一組成の樹脂で形成されていると考えられる。なお、通常のハンドレイアップ成形では、作業性の観点から、配合の異なる2種以上の樹脂を使用することがないのは当業者の常識でもある。
また、特許文献3には、所定の間隔隔離して対向配置された2枚のFRP板とこれら2枚のFRP板の内面に当接して、これらの間の内部空間を画成する複数の中空の骨部材と、該骨部材の間に配設された芯材とを備えたFRP構造体の複合構造が開示されており、前記骨部材がFRP引き抜き材であることが記載されている。製法として、FRP板を予め成形し接着により貼り付ける方法と、骨部材および芯材の上面にFRP板を積層する方法が示されている。本文献のFRP骨部材の成形に適用されている引抜き成形においては、製法上常に、内部離型剤を、加工原料に添加・練り込んで成形時に離型効果を発揮させるため、この成形方法で得られたものは、サンディングなどの表面処理をしても、多少、接着強度は向上するものの、接着界面での剥離破壊となり、十分な密着強度がでないという問題を有している。従って、本文献に記載のいずれの製法を適用した場合でも十分な接着強度が得られず剥離する恐れがある。
このように、内部離型剤を使用した成形法では、マトリックス樹脂に内部離型剤が配合(離型剤の量にもよるが、通常、樹脂100部に対して、1〜2部)され、これが成形品の表面に残存することから、表面に装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)を付与する層との間で、接着阻害を起こし、本体との密着度が期待できず、剥離などの不具合を起こすという問題を有している。
実開昭59−43120号公報
特開昭60−199149号公報
特願平9−170292号公報
本発明の課題は、強化繊維基材に、内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した成形体における、表面改良(=接着力の向上)に関するもので、成形体の強度・剛性等の機械的性質を保持しつつ、耐候、耐食性に優れ、かつ表面に密着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を設けることが可能な、FRP成形体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のFRP成形体の製造方法及びこれにより得られた成形体は、以下の構成を有する。すなわち、
(1) 強化繊維基材に内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体の少なくとも片面に、熱硬化性樹脂に内部離型剤をの含有率が0〜0.1重量%であるしない熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体を、一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が50〜80%、もう一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が0〜50%の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化することを特徴とするFRP成形体の製造方法。
(1) 強化繊維基材に内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体の少なくとも片面に、熱硬化性樹脂に内部離型剤をの含有率が0〜0.1重量%であるしない熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体を、一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が50〜80%、もう一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が0〜50%の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化することを特徴とするFRP成形体の製造方法。
(2) 強化繊維基材に内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸すると共に、架橋反応を進行させ基本構造要素前駆体の硬化度が50〜80%となるように連続的に形成した後、前記結着層前駆体をその硬化度が0〜50%の状態で重ねて連続的に硬化し一体化する前記(1)に記載のFRP成形体の製造方法。
(3) 強化繊維基材に、内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸し、連続して基本構造要素前駆体を形成した後、前記基本構造要素前駆体の硬化度が0〜50%の状態で硬化度が50〜80%の前記結着層前駆体を重ねて連続的に硬化し一体化する前記(1)に記載のFRP成形体の製造方法。
(4) 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、結着層を有し、前記基本構造要素と前記結着層との界面接着力が4MPa以上であることを特徴とするFRP成形体。
(5) 前記結着層が強化繊維基材を含み、厚みが0.2mm以上、繊維重量含有率が、30〜70%である前記(4)に記載のFRP成形体。
(6) 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、厚みが0.2mm以上である結着層を有し、前記基本構造要素と前記結着層の界面から前記結着層の0.1mm迄の領域には、基本構造要素に含まれる内部離型剤の含有率が、0.1重量%以下であるFRP成形体。
(7) 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、厚みが0.2mm以上である結着層を有し、前記結着層の表面から0.01〜0.1mmの領域には、基本構造要素に含まれる内部離型剤の含有率が、0.01重量%以下であるFRP成形体。
ここで、本発明で言う「基本構造要素」とは、用途・目的・負荷条件等に適応するように、強化繊維基材を所定の積層構成とならしめたFRP成形構造体を指し、「基本構造要素前駆体」とは、成形後前記「基本構造要素」となる成形工程においてマトリックス樹脂が硬化に至るまでの状態のものを指す。なお、前記、マトリックス樹脂が硬化に至るまでの状態とは、マトリックス樹脂の本明細書中に規定する硬化度が、0〜80%である状態をいう。
また、「結着層」とは、更に、前記成形体の表面に一体に形成されるもので、装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)を付与するための、表面改良層を指し、「結着層前駆体」とは、成形後前記「結着層」となる成形工程においてマトリックス樹脂が硬化に至るまでの状態のものを指す。
なお、「基本構造要素」および「基本構造要素前駆体」は、内部離型剤が含有されており、「結着層」および「結着層前駆体」には、内部離型剤が含有されていない。
本発明のFRP成形体によれば、基本構造要素前駆体が、所定の強度・剛性を保持するFRP製であるため、軽量で取扱性が良く、基本的に錆の発生の問題がない。また、結着層前駆体を設けたことにより、接着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を、前記成形体の表面に更に設けることが可能となり、耐久性に優れたFRP成形体を得られ、耐用年数の大幅な延長が可能である。
以下、本発明のFRP成形体の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のFRP成形体の製造方法の一実施態様を模式的に示した概念図である。
図2は、本発明のFRP成形体の厚み方向の部分断面図および境界からの内部離型剤の含有率を示すグラフである。
図1は、強化繊維基材に、内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体12と、内部離型剤の含有率が0〜0.1重量%である熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体13を重ねた後、加熱硬化させて一体化することで、本発明のFRP成形体11を得る過程を模式的に示している。図中では、基本構造要素前駆体12の両面に結着層前駆体13を重ねた例を示しているが、目的とする成形体に応じ、結着層前駆体13片面のみに重ねたものであっても良い。
基本構造要素前駆体12と、結着層前駆体13を重ねた後、加熱硬化させて一体化させるに当たっては、一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が50〜80%、もう一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が0〜50%の状態で重ねた後、加熱硬化させて一体化させることが必要である。時間−硬化度グラフ中の斜線部が、かかる硬化度の領域を表している。かかる硬化度の領域において、基本構造要素前駆体12と、結着層前駆体13を重ねた後、加熱硬化させて一体化することで、前記前駆体同士の密着度が堅固となる。一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が50〜80%、もう一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が0〜50%の状態で重ねた後、加熱硬化させて一体化し、FRP成形体11を得るには、具体的には以下の2通りの方法を採ることができる。
(1)強化繊維基材に、内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体12の硬化度が、50〜80%となる状態において、内部離型剤の含有率が0〜0.1重量%である熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体13の硬化度が、0〜50%の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化する製造方法(図1−a)参照)。
(2)前記成形過程の逆の場合で、前記基本構造要素前駆体12の硬化度が、0〜50%の状態で、硬化度が50〜80%の結着層前駆体13を重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化する製造方法(図1−b)参照)。
かかる条件により重ねた後、加熱硬化させて一体化させる理由を、図2を使ってさらに説明する。
図2は、本発明のFRP成形体11の厚み方向の断面における、基本構造要素22と、結着層23の界面24を境とした離型剤の含有率の状況を示したものである。なお、図1における基本構造要素前駆体12が硬化したものが図2における基本構造要素22であり、図1における結着層前駆体13が硬化したものが図2における結着層23である。
前述の製造方法によって得られるFRP成形体11の結着層23側の離型剤含有量は、基本構造要素22と、結着層23の界面24での接着力、更には、結着層23の外表面、すなわちFRP成形体11の表面に装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)を付与する層を更に設ける場合の接着力に多大な影響を与えるため、結着層23の離型剤の含有率を低く押さえる必要がある。本発明の製造方法によればそれが可能となる。そのメカニズムは以下のとおりである。
(1)基本構造要素22の形成過程において、硬化度が50〜80%である基本構造要素前駆体12は、マトリックス樹脂の粘度が高くなり、流動性が小さくなる。したがって、界面24近傍において結着層前駆体13側への内部離型剤を含むマトリックス樹脂の混合あるいは、内部離型剤の拡散は小さく、結着層23側の離型剤含有量が低く押さえられる。一方、結着層前駆体13のマトリックス樹脂は硬化度が0〜50%であり、樹脂の粘度も小さく、流動性もあり、基本構造要素前駆体12のマトリックス樹脂が、まだ硬化反応過程であって粘着性を有するため、結着層前駆体13を張り合わせることにより、両者のマトリックス樹脂が、界面24において密着し、また、化学的に結合を形成するため、必要とする接着力が生まれ、両者を実質一体化することが可能となる。
(2)(1)と逆の成形過程である結着層23の形成過程において、硬化度が50〜80%である結着層前駆体13は、上述同様、マトリックス樹脂の粘度が高くなり、流動性が小さくなる。したがって、結着層前駆体13側への基本構造要素前駆体12の内部離型剤を含むマトリックス樹脂の混合あるいは、内部離型剤の拡散は抑制され、結着層23側の離型剤含有量が低く押さえられる。一方、基本構造要素前駆体12のマトリックス樹脂は硬化度が0〜50%であり、樹脂の粘度も小さく、流動性もあり、結着層前駆体13のマトリックス樹脂が、まだ硬化反応過程であって粘着性を有するため、基本構造要素前駆体12と張り合わせることにより、両者のマトリックス樹脂が、界面24において密着し、また、化学的に結合を形成するため、必要とする接着力が生まれ、両者を実質一体化することが可能となる。
よって、上記(1)、(2)の両形態では、FRP成形体11の表面(結着層23)への内部離型剤の拡散が極めて少なくなるため、FRP成形体11の表面(結着層23)に、密着度の高い、装飾性(意匠性)および/または機能性(耐久性)を付与する層を形成することが可能となる。
本発明における重要な点は、前記両前駆体いずれか一方の硬化度が0〜50%(好ましくは、10〜50%)である時、他方の硬化度が50〜80%(好ましくは、60〜80%)の状態の条件でのみ、一体化することができ、堅固な接着力が得られることである。
両方の硬化度が50%以下の場合では、成形の一体化は可能であるが、両前駆体のマトリックス樹脂が混ざり合うため、結着層23側の離型剤含有量を低く押さえられず、表面に離型剤が浸出するため、意匠層等を形成しようとしても剥離を生じる。
また、両方の硬化度が50%以上の場合では、両者を張り合わせるだけの粘着力は十分でなく、一体成形が困難となり、界面24での接着力が低くなることは否めず、これでは、FRP成形体11の表面に、意匠層等を形成しても、基本構造要素22と結着層23の界面24で剥離し、本発明の目的を達成できない。
ここで、それぞれの強化繊維基材を構成する補強繊維としては、用途や使用条件・成形体の要求特性に応じて、適宜ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などを単独または組み合わせて用いることができる。軽量・高強度のFRPを得るためには、炭素繊維がより好ましいが、コストとのバランスを取るため、ガラス繊維/炭素繊維のハイブリッドのものが好ましく用いられ、その体積比率としては、1:0.05〜1:1の範囲がさらに好ましい。炭素繊維が含まれることによって、比強度・比剛性を向上することができこれにより、成形体の軽量化が一層図れる。なお、補強繊維の形態としては、例えば、繊維長が1〜3mmである短繊維やマット、連続繊維からなるクロス、ストランドなどを適宜組み合わせて用いることができる。
前述の強化繊維基材を構成する補強繊維として好ましく用いられる炭素繊維の種類としては、炭素繊維の高い強度・剛性の観点からは特に制限されないが、より低コストであることを考えると、いわゆるラージ・トウの炭素繊維、すなわち、炭素繊維糸1本のフィラメント数が通常の10,000本未満のものではなく、10,000〜300,000本の範囲、より好ましくは50,000〜150,000本の範囲にあるトウ状の炭素繊維フィラメント糸を使用することが、樹脂の含浸性、強化繊維基材としての取扱い性、さら
には強化繊維基材の経済性においてより優れる。
には強化繊維基材の経済性においてより優れる。
また、必要に応じて、あるいは要求される機械特性などに応じて、補強繊維の層を複数層に積層して補強繊維基材を形成し、その補強繊維基材に樹脂を含浸することもできる。積層する補強繊維層には、一方向に引き揃えた繊維層や織物層を適宜積層でき、その繊維配向方向も、要求される強度の方向に応じて適宜選択できる。但し、基本構造要素22は、成形体に掛かる荷重を負担する構造体であり、強度・剛性を担うものである。
次に、前記基本構造要素および、結着層のマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
前記基本構造要素前駆体12の樹脂中には、成形型との離型性を良くするため内部離型剤が含有される。その他充填材として、増粘目的の粉体(例えば、炭酸カルシウム)の他、層状化合物(例えば、マイカ、二硫化モリブデン、窒化硼素など)や針状化合物(例えば、ゾノトライト、チタン酸カリ、炭素繊維など)、粒状およびシート状化合物(例えば、フェライト、タルク、クレーなど)を添加することによって、無機物結晶同士あるいは無機物とマトリックスとの相互運動による摩擦熱への変換がなされ、上記フィラーを充填することによって弾性率と密度が増大し振動に対する抵抗が増し、制振特性が向上するため列車運航時の高架橋の振動や道路橋桁上での振動による遮音パネル自体の共振を低減することができる。また、鉄道高欄等は、鉄道難燃性を備えている必要があり、例えば、水酸化アルミニウム、臭素、無機質粉などを添加すると難燃性を向上させることができ好ましい。
上述のように、内部離型剤が配合されるため、結着層23がなければ、FRP成形体11の外表面に基本構造要素前駆体12の硬化後の基本構造要素22が直接現れることとなるが、基本構造要素22には内部離型剤が含まれるため、直接これに意匠層等を接着しようとすると接着阻害を起こし、十分な接着強度が得られず、剥離などの不具合を起こす。
本発明において、硬化度は次のように定義するものとする。FRPの成形に用いる熱硬化性樹脂では、硬化度の指標は反応中のガラス転移温度(Tg)に直接関係付けられるため、DSC等の熱分析手法によりガラス転移温度(Tg)を測定し、図3に示すように、硬化前のTgと硬化終了後のTgをそれぞれ0および1(100%)とおいてその間を百分率で表す。例えば、所定の硬化温度(この場合140℃)におけるガラス転移温度(Tg)の経時変化を図3のようにプロットし使用する樹脂における硬化特性を把握する。このデータから硬化度(0〜50%)は、加熱後0〜100秒の間、硬化度(50〜80%)は、加熱後100〜160秒分の間であることが判る。
強化繊維基材に樹脂を含浸しながら加熱金型を通して硬化させる連続引抜成形方法に於いては、成形方法および強化繊維基材の種類および含有量により、目的とするガラス転移温度(Tg)に達する時間は変化するため、金型の温度および引抜速度を変えて、金型出口の成形体のガラス転移温度(Tg)を測定し、目的とする硬化度の指標図表を作成する。
プレス成形に於いては、プレスの温度と加熱時間を変化させて、成形体のガラス転移温度(Tg)を測定し、目的とする硬化度の指標図表を作成する。
結着層23は、その問題を解決するために表面に配されるものであり、強化繊維基材(例えば、目付200g/m2の平織ガラスクロス等)とビニルエステル樹脂(例えば、昭和高分子(株)製のR−802やR−806等)からなるFRP層で、基本構造要素22のように内部離型剤は実質的に含んでいない。ここで、強化繊維基材は、長繊維のガラスクロスが最も好ましいが、短繊維からなるガラスマットやポリエステルな不織布であっても良い。ここでは、マトリックス樹脂として、ビニルエステル樹脂を記載しているが、他の樹脂であっても良い。なお、結着層23は、上述の樹脂単独で形成してもよいが、破壊モードが不安定で、剥離破壊、母材破壊両方の様相を呈するため、好ましい形態とは言えない。
結着層23の強化繊維基材は、必要とする厚みの結着層23を安定して得るため、および離型剤の表層への浸透バリアとして作用するため、介在する方が好ましい。その時、前記結着層23が強化繊維基材を含み、厚みが0.2mm以上(好ましくは、0.2〜1.0mm)、繊維重量含有率が、30〜70%であることが好ましい。これ以下では、成形体での界面24での接着力が保持できないばかりか、基本構造要素22のマトリックス樹脂に含まれる内部離型剤が表面に浸出してきて、表面に意匠層等を形成する場合、接着阻害を起こす虞があるためである。
結着層前駆体13は、基本構造要素前駆体12に重ねて一体化するものであるので、結着層単体でのガラス転移温度(Tg)を、硬化温度を変えて測り、硬化度の指標図表を作成する。
プレス成形法に於いては、予め樹脂を含浸した強化繊維基材を、プレスの温度と加熱時間を変化させて、成形体のガラス転移温度(Tg)を測定し、目的とする硬化度の指標図表を作成する。これを硬化度(0〜50%)の基本構造要素前駆体12に重ねて、加熱硬化させて一体化する。
また、前述の連続引抜成形方法に於いては、硬化度の指標図表から、所定の硬化度(50〜80%)となるように金型の温度および引抜速度を設定し、金型出口近傍で、強化繊維基材に予め樹脂を含浸した結着層前駆体13を、基本構造要素前駆体12に重ねてつつ一体化する。必要に応じて、一体化の後さらに、硬化オーブン等で加熱する。
また、界面24での十分な接着力(破壊形態が母材破壊となる状態)を得るためには、その接着強度を4MPa以上(好ましくは、4〜10MPa)とする必要がある。3〜4MPaの範囲では、剥離破壊と、母材破壊が混在し、3MPa以下では、剥離破壊が支配的となり、構造体として好ましくない。十分な接着力を確保するため、基本構造要素22と一体化される結着層23の厚みは、上述のように0.2mm以上(好ましくは、0.2〜1.0mm)であり、相対する前駆体の界面24から結着層23側の0〜0.1mm迄の領域では、基本構造要素前駆体12のマトリックス樹脂に含まれる内部離型剤の浸出による結着層23における離型剤の含有率を、0.1重量%以下(好ましくは、0.01〜0.1重量%)に押さえる必要がある。
さらに、基本構造要素22と結着層23が一体となったFRP成形体11の表面に、堅固な装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を形成するには、結着層23の表面から0.01〜0.1mmの領域に含まれる内部離型剤の含有率を、0.01重量%以下(好ましくは、0.001〜0.01重量%)に押さえる必要がある。これは、内部離型剤を実質的に含まない結着層23と装飾・機能を有する層を接合するに必要な、接着力を確保するためである。
以上の性能は、内部離型剤を含有する基本構造要素前駆体12と、内部離型剤の含有率が0〜0.1重量%である結着層前駆体13の、いずれか一方の硬化度が0〜50%であり、他方の硬化度が50〜80%の状態で一体化とすることによって達成できる
以上、説明したように、本発明のFRP成形体によれば、基本構造要素前駆体が、所定の強度・剛性を保持するFRP製であるため、軽量で取扱性が良く、基本的に錆の発生の問題がない。また、結着層前駆体を設けたことにより、接着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を、前記成形体の表面に更に設けることが可能となり、耐久性に優れたFRP成形体を得られ、耐用年数の大幅な延長が可能である。
以上、説明したように、本発明のFRP成形体によれば、基本構造要素前駆体が、所定の強度・剛性を保持するFRP製であるため、軽量で取扱性が良く、基本的に錆の発生の問題がない。また、結着層前駆体を設けたことにより、接着度の高い装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層を、前記成形体の表面に更に設けることが可能となり、耐久性に優れたFRP成形体を得られ、耐用年数の大幅な延長が可能である。
[実施例1]
以下、本発明のFRP成形体11を試験片レベルで製作し、比較試験を実施した例を示す。
以下、本発明のFRP成形体11を試験片レベルで製作し、比較試験を実施した例を示す。
表2〜表4は、試験に供した基本構造要素前駆体12と、結着層前駆体13および、被接着材の組成を示し、被接着材は、FRP成形体11の表面に装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層として表中からなるFRPを、FRP成形体11の結着層前駆体13の外表面に、ハンドレイアップ成形にて形成した。なお、基本構造要素前駆体12は、引抜き成形機を使用し、厚み3.5mm、巾25.3mmの平板を成形しつつ、結着層前駆体13を塗布または貼り付けた。比較のため、ブランク品として、内部離型剤を含まないFRP同士での成形体を試験に供した。
図3は、試験条件および試験体形状を示す。
表5は、その試験結果であり、水準6(硬化度60%で含浸積層体と一体化)が、水準1および水準2のブランク品と、ほぼ同接着強度値を呈し、破壊様相もハンドレイアップ成形した被接着材の母材破壊であり、十分な接着強度であることが確認できた。
[実施例2]
以下、[実施例1]の結果に基づき得た本発明のFRP成形体11の一実施例について説明する。
以下、[実施例1]の結果に基づき得た本発明のFRP成形体11の一実施例について説明する。
強化繊維基材は以下の基材を用いた。
基本構造要素前駆体12のマトリックス樹脂Aは、水酸化アルミニウムを20部添加した日本ユピカ(株)製:不飽和ポリエステル樹脂(ユピカ3464)に、AXEL社製内部離型剤(INT PS−125)を1重量%混合したものを用いた。
一方、結着層前駆体13のマトリックス樹脂Bは、離型剤を含有しない日本ユピカ(株):製ビニルエステル樹脂:ネオポール8250Hを用いた。
FRP成形体11は、以下の製法順で成形したものである。
1)強化繊維基材を、(b)+(c)+(d)+(e)+中空+(e)+(d)+(c)+(b)の順序に積層しつつ、
2)前記内部離型剤を含有したマトリックス樹脂Aを含浸しながら、
3)所定の温度に設定された成形金型に連続的に導き、基本構造要素前駆体12を加熱し、
4)予め調査し、基本構造要素前駆体12の硬化度が60%となる部分で、
5)前表(a)の平織ガラスクロスに、マトリックス樹脂Bを含浸しつつ、
6)基本構造要素前駆体12表面上に結着層前駆体13を一体的に連続的して形成した。
7)その後、硬化を進行させて、長方形中空断面を有するFRP成形体11を得た(第1図参照)。
1)強化繊維基材を、(b)+(c)+(d)+(e)+中空+(e)+(d)+(c)+(b)の順序に積層しつつ、
2)前記内部離型剤を含有したマトリックス樹脂Aを含浸しながら、
3)所定の温度に設定された成形金型に連続的に導き、基本構造要素前駆体12を加熱し、
4)予め調査し、基本構造要素前駆体12の硬化度が60%となる部分で、
5)前表(a)の平織ガラスクロスに、マトリックス樹脂Bを含浸しつつ、
6)基本構造要素前駆体12表面上に結着層前駆体13を一体的に連続的して形成した。
7)その後、硬化を進行させて、長方形中空断面を有するFRP成形体11を得た(第1図参照)。
以上のようにして得られた本発明の中空のFRP成形体11は、高さ250mm、巾3000mm、厚み60mm、重量が12kgであった。この中空のFRP成形体11を、大型の万能試験機で、鉛直上方から荷重を負荷したところ、荷重8kNで破壊した。目標とした設計荷重の2kNの3倍以上で、十分な強度を有していることが判った。
また、FRP成形体11の外表面から基本構造要素22部分に向かって、内部離型剤の含有率を調べたところ、第2図に示すグラフ結果が得られた。すなわち、基本構造要素22と結着層23の界面24から、結着層側へ0.1mm迄の領域では、基本構造要素22に含まれる内部離型剤の含有率が、0.1〜0.01重量%であり、結着層23の表面から0.01〜0.1mmの領域では、結着層23に含まれる内部離型剤の含有率が、0.01重量%以下であった(第2図参照)。
更に、このFRP成形体11の外表面に、装飾性(意匠性)および機能性(耐久性)を付与する層として難燃性ゲルコート樹脂を塗布・硬化し、ゲルコート層および結着層23と基本構造要素22の密着度を調査するため、エルコメーターによるアドヒージョンテスト(ISO4624)を実施した。
まず、ゲルコート面を研磨後脱脂し、エポキシ接着剤(アラルダイトAV−138/硬化剤HV−998を使用)を、測定器のトロッコと接着し、接着強度を測定した。
その結果、N=5での接着力は、いずれも2N/mm2以上であり、しかも内層のガラス織物の一部が、表層材に付着した状態で破壊していることから、ゲルコート層および結着層前駆体ともに、十分な密着強度を有することが判った。
本発明は、建築用防音パネルの他、鉄道用の高欄や道路等に設けられる防音板、工作機械からの遮音板や、建築現場の騒音に対する遮音板、椅子や家具などの民生品、室内パネルなど、装飾性および機能性を要求される物品などに適用できる。
11 FRP成形体
12 基本構造要素前駆体
13 結着層前駆体
22 基本構造要素
23 結着層
24 界面
12 基本構造要素前駆体
13 結着層前駆体
22 基本構造要素
23 結着層
24 界面
Claims (7)
- 強化繊維基材に内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂を含浸した基本構造要素前駆体の少なくとも片面に、内部離型剤の含有率が0〜0.1重量%である熱硬化性樹脂を含む結着層前駆体を、一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が50〜80%、もう一方に含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が0〜50%の状態で重ねた後、全体を加熱硬化させて一体化することを特徴とするFRP成形体の製造方法。
- 強化繊維基材に内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸すると共に、架橋反応を進行させ基本構造要素前駆体の硬化度が50〜80%となるように連続的に形成した後、前記結着層前駆体をその硬化度が0〜50%の状態で重ねて連続的に硬化し一体化する請求項1に記載のFRP成形体の製造方法。
- 強化繊維基材に、内部離型剤を含有する未硬化の熱硬化性樹脂を含浸し、連続して基本構造要素前駆体を形成した後、前記基本構造要素前駆体の硬化度が0〜50%の状態で硬化度が50〜80%の前記結着層前駆体を重ねて連続的に硬化し一体化する請求項1に記載のFRP成形体の製造方法。
- 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、結着層を有し、前記基本構造要素と前記結着層との界面接着力が4MPa以上であることを特徴とするFRP成形体。
- 前記結着層が強化繊維基材を含み、厚みが0.2mm以上、繊維重量含有率が、30〜70%である請求項4に記載のFRP成形体。
- 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、厚みが0.2mm以上である結着層を有し、前記基本構造要素と前記結着層の界面から前記結着層の0.1mm迄の領域には、基本構造要素に含まれる内部離型剤の含有率が、0.1重量%以下であるFRP成形体。
- 強化繊維基材とマトリックスとして内部離型剤を含有する熱硬化性樹脂硬化物から構成される基本構造要素の少なくとも片面に、厚みが0.2mm以上である結着層を有し、前記結着層の表面から0.01〜0.1mmの領域には、基本構造要素に含まれる内部離型剤の含有率が、0.01重量%以下であるFRP成形体。
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-
2006
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