JP5660806B2 - 炎症性腸疾患等慢性炎症の鑑別方法 - Google Patents

炎症性腸疾患等慢性炎症の鑑別方法 Download PDF

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Description

本発明は疾患の鑑別、特に、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)等の慢性炎症の鑑別に関する。
疾患の鑑別、特に、炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症の鑑別は難しく、これまで内視鏡診断などに頼ってきているが、それでも内視鏡だけでは程度の軽い場合などは判断が簡単ではない。また、治療効果などの判定のたびに内視鏡診断を行うのでは、患者さんに対する侵襲性が高い為、簡便な鑑別方法が求められている。特に、治療効果の検証をする上で、内視鏡診断は現実的な手法とは言いがたかった。
本願の発明者等は、炎症性腸疾患(IBD)の鑑別法として血清IgGの糖鎖異常(フコシル化ガラクトース欠損IgGの増加)が有効であることを発見し、国立大学法人大阪大学より特許申請(特許文献1)するとともに論文に公表した (非特許文献1)。この研究内容については、アメリカの消化器病学会のニュースにも取り上げられ、国際的な注目を浴びた。
なお、ガラストース欠損IgGに関しては、慢性関節リウマチを代表する自己免疫性疾患でも増加することが古くから知られているため、自己免疫疾患分野における応用も期待される。
国際公開公報WO2007/136001A1
Shinzaki et al. Am. J. Gastroenterology 103 (5), 1173-1181
特許文献1、非特許文献1の提案は、方法論的には、血清からIgG(免疫グロブリンG)を単離後、糖鎖を遊離し、蛍光標識した後に、高速液体クロマログラフィー(HPLC)で解析するものである。定量性、再現性に非常に優れ、異なる患者集団でvalidationを行ったが、ほぼ最初の検討結果に一致した。
しかし、1検体当たりの解析に時間がかかり、将来的に多検体処理を行う方法としては、HPLCは必ずしも適当でないと思われる。
前記の特許文献1、非特許文献1の提案により、糖鎖構造の相違によって炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症疾患を鑑別する技術は向上したが、設備、技術力、鑑別する人間の能力の問題でこの手法が使える施設は限定されており、工程が複雑である為、必要な時間、労力とも多大である。
そこで、この発明は、疾患の鑑別、特に、炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症の鑑別を簡便に行うことができ、かつ、非侵襲性であって、治療効果の検証も可能な炎症性腸疾患等慢性炎症の鑑別方法を提案することを目的にしている。
本願の請求項1記載の発明は、
健常、潰瘍性大腸炎、Crohn Diseaseの鑑別をレクチンを使って行う炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項2記載の発明は、
使用するレクチンを、GSL-II、ABA、BLL、HPA、WGA、SNA、SSA、TJA-1、Calsepaの中の1種類若しくは2種類以上の組み合わせにすることを特徴とする請求項1記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項3記載の発明は、
鑑別の対象とする生体分子を抗体とすることを特徴とする請求項1又は2記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項4記載の発明は、
鑑別の対象とする被検体をIgG、又は、その分解物、若しくは、その変性物としたことを特徴とする請求項1又は2記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項5記載の発明は、
鑑別はそれぞれのレクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで判断することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項6記載の発明は、
複数のレクチンのシグナルの組み合わせによって鑑別を行うことを特徴とする請求項5記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項7記載の発明は、
鑑別はWGAのシグナルに対するそれぞれのレクチン比率が、cut off値の上にあるか下にあるかで判断することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項8記載の発明は、
複数のレクチンのシグナルの組み合わせによって鑑別を行うことを特徴とする請求項7記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項9記載の発明は、
鑑別の為の検出方法は、アレイ、ELISA、Western Blotting、FACSのいずれかを対象とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項10記載の発明は、
鑑別の為の検出方法がsandwich assayの場合、Protein-AまたはProtein-G/被検者試料/選択レクチン/基板または磁気ビーズ含むレクチンを固層化する為の担体であることを特徴とする請求項9記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項11記載の発明は、
鑑別の為の検出方法がsandwich assayの場合、選択レクチン/被検者試料/Protein AまたはProtein G/基板または磁気ビーズを含むレクチンを固層化する為の担体であることを特徴とする請求項9記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項12記載の発明、
鑑別の為の検出方法がsandwich assayの場合、抗IgG抗体/被検者試料/選択レクチン/基板または磁気ビーズを含むレクチンを固層化する為の担体であることを特徴とする請求項9記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項13記載の発明は、
鑑別の為の検出方法がsandwich assayの場合、選択レクチン/被検者試料/抗IgG抗体/基板または磁気ビーズを含むレクチンを固層化する為の担体であることを特徴とする請求項9記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項14記載の発明は、
前記抗IgG抗体は、抗体のfull bodyである場合、抗原認識部位を含む抗体の一部である場合、キメラ抗体を含む人工的に処理した抗体である場合を含むことを特徴とする請求項12又は請求項13記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項15記載の発明は、
前記抗IgG抗体の替わりに、IgGを特異的に認識する人工抗体、アプタマー、ペプチド、改変ペプチド、核酸、改変核酸のいずれかが使用されることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項16記載の発明は、
請求項10乃至15のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法において、sandwich assayの最上部に位置する分子をラベルすることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項17記載の発明は、
請求項10乃至16のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法において、更に、二次抗体を用いる、あるいはラベルした二次抗体を用いることを特徴とする炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項18記載の発明は、
請求項16または請求項17記載の炎症性腸疾患の鑑別方法において、前記ラベルを、蛍光ラベル、RIラベル、発光ラベル、発光を誘導するラベル、発色ラベル、ビオチンラベルのいずれかとすることを特徴とする炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項19記載の発明は、
前記ラベルがビオチンによる場合、更にラベルしたアビジンを用いることを特徴とする請求項18記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項20記載の発明は、
鑑別の為の検出方法がsandwich assayでない場合、被検者試料/選択レクチン/基板または磁気ビーズを含むレクチンを固層化する為の担体であることを特徴とする請求項9記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項21記載の発明は、
前記選択レクチンの代わりに、前記選択レクチンが認識する糖鎖構造と同様の構造を認識する抗糖鎖抗体、人工抗体、アプタマー、ペプチド、改変ペプチド、核酸、改変核酸を用いることを特徴とする請求項10乃至請求項20のいずれか一項記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項22記載の発明は、
請求項20乃または請求項21記載の炎症性腸疾患の鑑別方法において、前記被検者試料を直接ラベルすることを特徴とする炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項23記載の発明は、
前記ラベルを、蛍光ラベル、RIラベル、発光ラベル、発光を誘導するラベル、発色ラベル、ビオチンラベルのいずれかとすることを特徴とする請求項22記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
請求項24記載の発明は、
前記ラベルがビオチンによる場合、更にラベルしたアビジンを用いることを特徴とする請求項23記載の炎症性腸疾患の鑑別方法
である。
本発明により、IgG(免疫グロブリンG)の糖鎖異常を短時間に多検体処理が可能になる。
フコシル化ガラクトース欠損IgGの量は、炎症性腸疾患の臨床的活動性と相関し、少数例での検討ではあるが、治療効果の予測にも応用できることがわかっている。
本発明は高速液体クロマログラフィー(HPLC)のように、特定の研究機関でなければ解析できないことはなく、どこの施設でも測定可能と言える。従って、広く臨床検査として普及させることが可能である。
また、レクチンアレイを使って診断に利用できるものを絞り込む手法は、疾患の鑑別、特に、炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症の鑑別に限らず、糖鎖を対象とするあらゆる疾患の鑑別に対して有効である。
本発明の方法を用いて健常及び疾病間のsignalの相違を確認する鑑別方法の模式図。 WGAとGSL-IIを用いて疾患鑑別を行なった結果を表わす図。 WGAとABAを用いて疾患鑑別を行なった結果を表わす図。 WGAとHPAを用いて疾患鑑別を行なった結果を表わす図。 GSL−IIを用いて疾患鑑別を行なった場合の規格化しないシグナル強度を表わす図。 ABAを用いて疾患鑑別を行なった場合の規格化しないシグナル強度を表わす図。 HPAを用いて疾患鑑別を行なった場合の規格化しないシグナル強度を表わす図。 SNA、SSA、TJA−Iを用いて疾患鑑別を行なった場合の規格化しないシグナル強度を表わす図。 SNA、SSA、TJA−Iを用いて疾患鑑別を行なった場合のWGAで規格化したシグナル強度を表わす図。 Calsepaを用いて疾患鑑別を行なった場合の規格化しないシグナル強度を表わす図。 Calsepaを用いて疾患鑑別を行なった場合のWGAで規格化したシグナル強度を表わす図。 PSA、LCAを用いて疾患鑑別を行なった場合のWGAで規格化したシグナル強度を表わす図。
疾患の鑑別、特に、炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症の鑑別を高速液体クロマログラフィー(HPLC)などを使用することなしに簡便に、例えば、臨床現場でも行えるようにする場合、鑑別方法候補としては、ELISA法を検討する必要がある。
このELISA法でレクチン(Lectin)を用いる場合、どのレクチンを用いるかが非常に重要であり、その選択方法が鑑別の成否を左右すると言っても過言ではない。本発明では、特有のLectin Arrayを用いている。
炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症を鑑別する為のtarget moleculeは糖鎖(糖鎖を含む分子)である為、糖鎖構造を反映したシグナルを検出するために用いることのできる分子を使用することで、汎用的且つ簡便な鑑別方法を実現できる。
糖鎖構造を反映したシグナルを検出するために用いることのできる分子としては、一般的には抗糖鎖抗体、レクチン、ペプチドなどが考えられる。
これらの分子から炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症を鑑別できる分子を選択して、疾患由来抗体とこれらの分子の結合状態をシグナルにすることで、炎症性腸疾患(IBD)等の慢性炎症の鑑別を簡便に行うことができ、かつ、非侵襲性であって、治療効果の検証も可能な炎症性腸疾患等慢性炎症の鑑別方法を提案することができる。
一例としてレクチンを用いる方法について記す。
45種類のレクチンを固相化したレクチンアレイを用いて、炎症性腸疾患患者のIgGの糖鎖を鑑別するレクチンを選択する。
疾患の鑑別方法においては、レクチンを固層化する為の担体、等の構造を基本とし、ラベルの内容によっては更にシグナル検出用の分子(酵素や二次抗体を含む)を加えることもある。
レクチンを固層化する為の担体としては次のようなものを採用できる。
抗IgG抗体/サンプルタンパク/選択レクチン/基板または磁気ビーズなどを含むレクチンを固層化する為の担体。
蛍光物質やRI等でラベルしたサンプルタンパク/選択レクチン/基板または磁気ビーズなどを含むレクチンを固層化する為の担体。
選択レクチン/サンプルタンパク/抗IgG抗体/基板または磁気ビーズなどを含むレクチンを固層化する為の担体。
蛍光物質やRI等でラベルした選択レクチン/サンプルタンパク/抗IgG抗体/基板または磁気ビーズなどを含むレクチンを固層化する為の担体。
これらの基本構造に対して、蛍光、発光、RI、発色等の方法でシグナルを検出する。
また、用いる抗IgG抗体はIgG full body、Fab化したもの、IgGの糖鎖を処理したものなど対象によって使い分ける。
最終的に用いる手法としては、ELISA、アレイ、によるシグナル検出が適当であるが、これらの分子あるいはこれらの分子と同様の認識を示す分子を用いるあらゆる方法に本発明で提示する方法や分子を利用することができる。
本発明による方法の効果、特に、選択レクチンによる鑑別の効果を確認することを目的として、図1に示す形体で、健常及び疾病間のsignalの相違を確認した。
図1の模式図に現したように、基板上にレクチン2種類を固定し(WGAと、GSL-II、 ABA 又は HPA)、これらのレクチンに結合した患者若しくは健常者由来の蛍光ラベルしたIgGからのシグナル強度比率を比較した。
WGAとGSL-IIを用いた場合は、図2に示したように、健常(HV)、潰瘍性大腸炎(U)、Crohn Disease(C1+C2)間で統計的にも明確な差が見られ、本発明の方法による鑑別の効果が明らかにされた。
WGAとABAを使用した場合は、図3に示したように、図2図示のGSL-IIの場合と同様に、健常(HV)、潰瘍性大腸炎(U)、Crohn Disease(C1+C2)間で統計的にも明確な差が見られ、本発明の方法による鑑別の効果が明らかにされた。
WGAとHPAを使用した場合は、図4に示したように、GSL-II及びHPAの場合と同様に、健常(HV)、潰瘍性大腸炎(U)、Crohn Disease(C1+C2)間で統計的にも明確な差が見られ、本発明の方法による鑑別の効果が明らかにされた。
以上の結果より炎症性腸疾患の鑑別をレクチン(Lectin)を使用することで効果的に行えることが明らかとなった。
また、使用するレクチンを、GSL-II、ABA、HPA、WGAの中の1種類若しくは2種類以上の組み合わせにすることで炎症性腸疾患の鑑別を行えると考えられた。
なお、ここでは検証を行っていないが、BLLはABAと同様の特性を有することが知られているので、前記において、ABAに替えてBLLをレクチンとして使用しても同様に炎症性腸疾患の鑑別を行うことができると考えられる。
また、前記のより、鑑別の対象とする生体分子を抗体にして、(Lectin)を使用して炎症性腸疾患の鑑別を行うことができることを確認できた。前記ではIgGを鑑別の対象とする生体分子にしている。
なお、前記の実施例では、鑑別の対象とする生体分子を抗体(IgG)にしているが、IgGの分解物、又は、IgGの変性物を鑑別の対象とする生体分子にしても、前記の実施例と同様に、(Lectin)を使用して炎症性腸疾患の鑑別を行うことができると考えられる。
更に、図2〜図4の結果に表わされているように、前記実施例のいずれの場合であっても、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(U)、Crohn Disease(C1+C2)間の鑑別が可能であることを確認できた。
次に、規格化しないシグナル強度で健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)の鑑別が可能であるか検討した。
前記と同様に、基板上にレクチン(GSL−II、ABA、HPA)を固定し、このレクチンに結合した患者若しくは健常者由来の蛍光ラベルしたIgGからのシグナル強度比率を比較した。
図5、図6、図7は、それぞれ、レクチンとして、GSL−II、ABA、HPAを用いた場合の、規格化しないシグナル強度で鑑別が可能であるか判定したものであるが、いずれの場合でも鑑別が可能であった。
すなわち、GSL−II、ABA、HPAを組み合わせず、1種類で使用した場合であっても、図5、図6、図7に示したように、健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CV)間で統計的にも明確な差が見られ、本発明の方法による鑑別の効果が明らかにされた。
この場合も、図5〜図7の結果に表わされているように、いずれの場合であっても、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CV)間の鑑別が可能であった。
同様に、レクチンとしてSNA、SSA、TJA−Iを用い、前記と同様に、基板上にレクチン(SNA、SSA、TJA−I及び、これらとWGA)を固定し、このレクチンに結合した患者若しくは健常者由来の蛍光ラベルしたIgGからのシグナル強度比率を比較し、規格化しないシグナル強度、WGAで規格化したシグナル強度の場合について鑑別が可能であるか判定した。
図8図示のように、SNA、SSA、TJA−Iの規格化しないシグナル強度で健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)の鑑別が可能であった。
すなわち、SNA、SSA、TJA−Iを組み合わせず、1種類で使用した場合であっても、図8に示したように、健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)間で統計的にも明確な差が見られ、本発明の方法による鑑別の効果が明らかにされた。
また、複数のレクチンのシグナルの組み合わせによって鑑別を行うことができた。
この場合も、図8の結果に表わされているように、いずれの場合であっても、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)間の鑑別が可能であった。
また、図9図示のように、SNA、SSA、TJA−IのWGAで規格化したシグナル強度で健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)の鑑別が可能であった。すなわち、SNA、SSA、TJA−Iと、WGAとの組み合わせにすることで炎症性腸疾患の鑑別を行うことができた。ここでも、複数のレクチンのシグナルの組み合わせによって鑑別を行うことが可能であった。
この場合も、図9の結果に表わされているように、いずれの場合であっても、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)間の鑑別が可能であった。
なお、図8、図9に示された実験結果から、α2、6 sialic acid を認識するレクチンであれば、上記のSNA、SSA、TJA−Iに限られず使用可能であることを確認できた。
また、レクチンとしてCalsepaを用い、規格化しないシグナル強度、WGAで規格化したシグナル強度の場合について鑑別が可能であるか判定した。更に、レクチンとしてPSA、LCAを用い、WGAで規格化したシグナル強度の場合について鑑別が可能であるか判定した。すなわち、レクチンとしてCalsepa、PSA、LCAを用い、前記と同様に、基板上にレクチン(Calsepa、CalsepaとWGA、PSAとWGA、LCAとWGA)を固定し、このレクチンに結合した患者若しくは健常者由来の蛍光ラベルしたIgGからのシグナル強度比率を比較し、規格化しないシグナル強度、WGAで規格化したシグナル強度の場合について鑑別が可能であるか判定した。
図10図示のように、Calsepaの規格化しないシグナル強度で健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)の鑑別が可能であり、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)間の鑑別が可能であった。
更に、図11、図12図示のように、Calsepa、PSA、LCAのWGAで規格化したシグナル強度で健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)の鑑別が可能であり、所定のcut off値を定めることにより、レクチンのシグナル値がcut off値の上にあるか下にあるかで健常(HV)、潰瘍性大腸炎(UC)、Crohn Disease(CD)間の鑑別が可能であった。
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明はこれらに限られること無く、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
例えば、健常、潰瘍性大腸炎、Crohn Diseaseの鑑別をレクチンを使って行うにあたり、使用するレクチンを、GSL-II、ABA、BLL、HPA、WGA、SNA、SSA、TJA-1、Calsepaの中の1種類若しくは2種類以上の組み合わせにすることを説明したが、これらは例示であり、同等の認識機能を持つレクチン、抗体であればこれらに限られない。

Claims (8)

  1. 健常、潰瘍性大腸炎、Crohn Diseaseの鑑別を、対象より得られたIgG抗体、その分解物もしくはその変性物と、GSL-II、ABA、BLL、HPA、WGA、SNA、SSA、TJA-1、Calsepa, PSAおよびLCAからなる群から選択される1以上のレクチンとの結合に基づいて行う、炎症性腸疾患の鑑別方法。
  2. GSL-II、ABA、BLL、HPA、SNA、SSA、TJA-1、Calsepa、PSAおよびLCAからなる群から選択される1つのレクチンと、対象より得られたIgG抗体、その分解物またはその変性物との結合に基づいて鑑別を行う、請求項1記載の方法。
  3. GSL-II、ABA、BLL、HPA、SNA、SSA、TJA-1、Calsepa、PSAおよびLCAからなる群から選択される1以上のレクチンと、対象より得られたIgG抗体、その分解物またはその変性物との結合により得られるシグナル値を、WGAと対象より得られたIgG抗体、その分解物またはその変性物との結合により得られるシグナル値により規格化することを特徴とする請求項1記載の炎症性腸疾患の鑑別方法。
  4. 鑑別の為のレクチンと、対象より得られたIgG抗体、その分解物またはその変性物との結合を、アレイまたはELISA法により検出する、請求項1〜3何れかに記載の炎症性腸疾患の鑑別方法。
  5. 固相にレクチンを固定化させ、ラベルした対象由来のIgG抗体その分解物またはその変性物を作用させ、固定化レクチンとIgG抗体その分解物またはその変性物との結合シグナルを測定する、請求項1〜4何れかに記載の方法。
  6. sandwich assayにてレクチンと、対象より得られたIgG抗体、その分解物またはその変性物との結合を検出する、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  7. 対象由来のIgG抗体を用いる、請求項1〜6何れかに記載の方法。
  8. レクチンとの結合により得られるシグナルのcut off値を予め定め、測定値が当該cut off 値の上にあるか下にあるかで鑑別を行う、請求項1〜7何れかに記載の方法。
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