JP5659661B2 - 迅速流体継手 - Google Patents
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Description
このとき、トランスミッションに対する油圧配管の仮接続には、油圧配管の着脱をワンタッチで迅速に行うことができる継手(以下、迅速流体継手と呼ぶ)が一般的に使用されている。
そして、アッシテスタを用いた検査では、トランスミッション側の接続口にプラグを予め取り付けておき、アッシテスタに備えられる油圧配管側には、ソケットを予め取り付けておく。
図5に示す如く、トランスミッションの組み付け工程では、まずトランスミッションを構成するための複数のサブアッシを組み付けておき、その後、各サブアッシを組み合わせることによって、トランスミッションの組み付けが行われる。
そして、トランスミッションの組み付けが終わったときには、アッシテスタによる検査に備えて、トランスミッションに形成された油圧油等を供給するための各接続口に、プラグが取り付けられる。
また、アッシテスタ側の各油圧配管には、接続口の数に応じた複数(例えば8系統)の配管が存在しているため、複数の各油圧配管の端部に、それぞれソケットを取り付けておく。
このとき、図6に示すように、従来のプラグ22は、接続部としてネジ部22aが形成されており、トランスミッション8の接続口8aに対して、ネジ接続で取り付けられるのが一般的である。
そして、各プラグの取り外しが完了した後に、トランスミッションを最終の組み付け工程に送るようにしている。
そして、トランスミッションは、最終組み付け後には、各プラグ等が取り外された状態で出荷される。
また、トランスミッションに対するアッシテスタを用いた検査は、全数検査として行われるのが一般的であるため、プラグの取り付けおよび取り外しの作業に多大なる時間を要し、検査時間が長くなる要因となっていた。
このため、油圧配管の接続口に対して、より簡単に取り付けおよび取り外しができるプラグの開発が望まれていた。
特許文献1に開示された従来技術では、固定ソケット(接続口)の筒状突出部に貫通穴を形成するとともに、周囲に収納溝を形成しておき、前記筒状突出部に形成される挿入穴に挿入される接続プラグ(プラグ)の挿入部の周囲に環状の溝を形成している。
そして、挿入穴に挿入部を挿入し、収納溝に略C字状のバネ金具を装着することにより、接続口に対して、プラグがネジ接続によらずに(螺合せずに)接続される構成としている。
また、特許文献1に開示された従来技術では、C字状のバネ金具を装着する作業においては両手作業が必要になるため、接続口に対するプラグの取り付け作業が複雑になっていた。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る迅速流体継手の全体構成について、図1を用いて説明をする。
図1(a)に示す如く、本発明の一実施形態に係る迅速流体継手1は、任意の装置に対して、配管を着脱自在な態様で接続することができる管継手であり、第一の継手であるプラグ2と、第二の継手であるソケット3からなる構成としている。
そしてプラグ2を構成する本体部4には、後述するソケット3の結合部3bにより掛止するための雄形状を有し、掛止部となる溝部を有する結合部4aが形成されている。
尚、本実施形態では、三つのツメ部材5a・5a・5aにより構成されるチャック部5を例示しているが、本発明に係る迅速流体継手において、チャック部を構成するツメ部材の個数をこれに限定するものではない。
また保持部7は、押圧部6を掛止して、該押圧部6の軸心方向に対する変位位置を所定の位置で保持するための部位である。
接続部3aには、配管と螺合して接続するためのネジ部が形成されており、また結合部3bは、結合部4aに対応する雌形状を有しており、また、プラグ2を着脱自在に結合するための図示しない着脱機構が備えられている。
また、プラグ2とソケット3は、ソケット3の結合部3bに備えられる図示しない着脱機構により、結合部4aの掛止状態を、容易に解除することができる。
図2に示す如く、本発明の一実施形態に係る迅速流体継手1は、本実施形態における対象装置であるトランスミッション8に設けられた接続口8aに対して、当該トランスミッション8を検査するための装置であるアッシテスタ9の油圧配管9aを接続するために使用される管継手であり、プラグ2を接続口8a側に取り付けるとともに、ソケット3を油圧配管9a側に取り付けて使用されるものである。
そして、アッシテスタ9を用いてトランスミッション8の検査を行うときには、プラグ2とソケット3を結合させることによって、トランスミッション8に対してアッシテスタ9(より詳しくは、油圧配管9a)を迅速に接続することができるようにしている。
そして、本発明の一実施形態に係る迅速流体継手1は、さらに、トランスミッション8に対するプラグ2の着脱も迅速に行うことが可能であり、この点で従来の迅速流体継手とは異なる特徴を有している。
前述したとおり、本発明の一実施形態に係る迅速流体継手1を構成するプラグ2は、トランスミッション8に形成された各接続口8a・8a・・・へ取り付けられる管継手であり、本体部4、チャック部5、押圧部6、保持部7等を備えている(図1(a)(b)参照)。
また、本体部4の軸心上には、略円筒形状の空間である空隙部4bが形成されている。
さらに、本体部4には、外周面から空隙部4bまで貫通する孔である孔部4cが形成されている。
尚、支持部材10の軸心上には軸心方向に貫通する孔が形成されており、流体の流通経路を確保している。
このような構成により、各ツメ部材5a・5a・・・は、支持部材10により支持される位置を支点として、本体部4の軸心方向視における半径方向内側と外側に向けて揺動できるようにしている。
そして、チャック部5は、全体として所謂コレットチャックの如く、両端部5b・5cの外径を変更(拡径および縮径)できるように構成されている。
また、流路6aの空隙部4b内に位置する側の一端部6dには、当該一端部6dに向けて流路6aを拡径する略円錐状の斜面である傾斜部6bが形成されている。
さらに、押圧部6の外周面には、軸心方向における所定位置において溝部6cを形成している。溝部6cは、例えば外周面の円周方向における全周にわたって形成されている。
また、押圧部6における傾斜部6bの一端部6d側端の内径は、支持部材10により支持されるチャック部5の他端部5cの外径よりも大径に形成されており、傾斜部6bにおける他端部6e側端の内径は、前記他端部5cの外径よりも小径に形成されている。
このため、一端部6dとは反対側の端部である他端部6eを軸心方向に押圧して、押圧部6を空隙部4b内に押し入れると、チャック部5の他端部5cと傾斜部6bを当接させることができる。尚このとき、押圧部6はバネ部材11により、空隙部4bから押し出される方向に付勢されている。
そして、傾斜部6bの傾斜角度に応じて、チャック部5(ツメ部材5a・5a・・・)の他端部5cを本体部4の半径方向内側に向けて押圧することができる。これにより、チャック部5(ツメ部材5a・5a・・・)が、支持部材10による支持位置を支点として揺動することとなり、チャック部5(ツメ部材5a・5a・・・)の一端部5bを拡径させることができる。
ここで、一端部5bの拡径量は、押圧部6の押し込み量と、傾斜部6bの傾斜角度に応じて変化するため、接続部位に作用する圧力等に応じて、押圧部6の押し込み量や傾斜部6bの傾斜角度を適宜設定する。
このとき、押圧部6はバネ部材11に付勢されて、空隙部4bから押し出される方向に変位するため、傾斜部6bがチャック部5の他端部5cに当接しなくなり、チャック部5の他端部5cが拡径されるとともに、一端部5bが縮径される。
図4に示す如く、取り付け前におけるプラグ2の状態は、押圧部6が空隙部4b内に押し込まれておらず、チャック部5の一端部5bが拡径されていない状態としておき、取り付け対象たる接続口8aにチャック部5を挿入して配置する。
また、押圧部6が所定の位置まで押し込まれたときには、保持部7が押圧部6の溝部6cに嵌りこみ、押圧部6の軸心方向への押し込み位置が保持される。
これにより、チャック部5の一端部5bの拡径状態が保持されるため、プラグ2が接続口8aに対して取り付けられる。
尚、接続口8aにプラグ2を取り付けるときには、本体部4を接続口8aに対して押圧しながら(即ち、シール部材12を両部4・8aに密着させながら)押圧部6を押圧してプラグ2を取り付けるのが望ましい。
また、保持部7は、押圧部6が所定の位置まで押し込まれたときに自動的に溝部6cに嵌り込むため、プラグ2の取り付け作業は、作業者が片手で行うことができるものであり、プラグ2は取り付け作業における作業性に優れている。
このような構成により、接続口8aの形状を選ばずに、接続口8aに対するプラグ2の取り付けおよび取り外しを容易にすることができる。これにより、プラグ2の取り付けおよび取り外し作業に要する時間を短縮することができる。
このような構成により、ネジ締めのような回転動作を行わずにプラグ2を取り付けることができる。これにより、エルゴノミクスの観点から、プラグ2の取り付けおよび取り外し作業の作業性を改善することができる。
これにより、押圧部6がバネ部材11により付勢されて、空隙部4bから押し出される方向に変位すると、チャック部5の他端部5cが拡径する。そしてこのとき、チャック部5の一端部5bが縮径するため、プラグ2を取り外すことができる。
また、保持部7を引き出す操作は、作業者が片手で行うことができるものであり、プラグ2は取り外し作業における作業性に優れている。
このような構成により、プラグ2の取り付けおよび取り外し作業において、片手作業が可能になり、作業性を改善することができる。
2 プラグ
3 ソケット
4 本体部
4a 結合部
5 チャック部(接続部)
5a ツメ部材
5b 一端部
5c 他端部
6 押圧部
7 保持部
8a 接続口
Claims (2)
- 一対のプラグとソケットからなり、
前記プラグは、
前記ソケットとの結合部位である結合部と、接続対象たる接続口に対する接続部位である接続部を備え、
前記ソケットに備えられる着脱機構により、前記プラグと前記ソケットを着脱自在に結合する迅速流体継手であって、
前記接続部は、
前記プラグの軸心回りに略円筒状に配置される複数のツメ部材からなる前記接続口に挿入可能な部位であるチャック部により構成され、
前記チャック部を前記接続口に挿入しつつ拡径させることによって、前記接続口の内周面に前記複数のツメ部材を押圧して、前記プラグを前記接続口に接続するとともに、
前記プラグは、
該プラグの軸心方向に変位可能な略円筒状の部材であって、前記プラグの軸心を中心とした略円錐状の傾斜部が形成される押圧部を備えており、
前記チャック部は、
前記接続口に挿入される側と反対側の端部において、前記傾斜部と当接しており、
前記押圧部を軸心方向の前記チャック部側へ変位させて、前記傾斜部により、前記チャック部の前記傾斜部と当接する部分における前記複数のツメ部材を、前記プラグの軸心方向視における半径方向内側に押圧して、
前記チャック部の前記接続口に挿入される側の端部を拡径する、
ことを特徴とする迅速流体継手。 - 前記プラグは、
前記押圧部の前記チャック部側への変位を所定の位置で掛止して、
前記チャック部の拡径状態を保持するための保持部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の迅速流体継手。
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