JP5659567B2 - 有機トランジスタ及び有機トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機トランジスタ及び有機トランジスタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機トランジスタ及び有機トランジスタの製造方法に関するものである。
特許文献1には、基板上に、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート電極を備えた有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層に貫通部を設けることによって、複数の半導体素子に分離した構成が示されている。
特許文献2には、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体層を備えたトランジスタにおいて、有機半導体層における、半導体素子と半導体素子との素子間に相当する領域に紫外線を照射して非活性化することで、複数の半導体素子を構成することが提案されている。
特許文献3には、半導体素子間に隔壁を設けることで複数の半導体素子を構成することが記載されている。
特許文献4には、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体層を備えたトランジスタにおいて、有機半導体層における、半導体素子と半導体素子との素子間に相当する領域にプラズマ処理を施して非活性化することで、複数の半導体素子を構成することが提案されている。
特開2006−140436 特開2006−179855 特開2007−220713 特開2008−270494
本発明の課題は、半導体層におけるソース電極とドレイン電極との電極間のチャネル領域が結晶相であり、且つ該半導体層における該チャネル領域以外の第2の領域が非結晶相である構成ではない場合に比べて、半導体素子間の電気的な分離が実現された有機トランジスタを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
基板と、
前記基板上に、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、を備え、
前記半導体層における、前記ソース電極と前記ドレイン電極との電極間のチャネル領域が少なくとも結晶相であり、該結晶相が前記ソース電極と前記ドレイン電極における、該ソース電極と該ドレイン電極が向かい合う面に連続する領域に形成されており、前記半導体層における該結晶相以外の領域が非結晶相である、有機トランジスタである。
請求項2に係る発明は、
前記半導体層における前記非結晶相の領域が、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に重なる領域を含む請求項1に記載の有機トランジスタである。
請求項3に係る発明は、
基板と、前記基板上に、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、を備える有機トランジスタの製造方法であって、
非結晶の半導体層を形成する工程と、
前記非結晶の半導体層上に、該半導体層の少なくとも一部が露出するように蒸気侵入防止膜を形成する工程と、
前記非結晶の半導体層における前記蒸気侵入防止膜から露出した領域に、前記半導体層に含まれる半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程であって、前記半導体層における、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程と、
を少なくとも有する有機トランジスタの製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記蒸気侵入防止膜が、金属膜である請求項3に記載の有機トランジスタの製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記蒸気侵入防止膜が、ソース電極及びドレイン電極である請求項3または請求項4に記載の有機トランジスタの製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、半導体層における、ソース電極とドレイン電極との電極間のチャネル領域が少なくとも結晶相であり、該半導体層における該結晶相以外の領域が非結晶相である構成ではない場合に比べて、半導体素子間の電気的な分離が実現される。
請求項2に係る発明によれば、半導体層における非結晶相の領域が、ソース電極及びドレイン電極に重なる領域を含まない場合に比べて、半導体素子間の更なる電気的な分離が効果的に実現される。
請求項3に係る発明によれば、非結晶の半導体層における蒸気侵入防止膜から露出した領域に、半導体層に含まれる半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程であって、前記半導体層における、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程を経ずに有機トランジスタを作製した場合に比べて、半導体素子間の電気的な分離が効果的に実現される。
請求項4に係る発明によれば、蒸気侵入防止膜を、金属膜としない場合に比べて、製造工程の簡略化が図れる。
請求項5に係る発明によれば、蒸気侵入防止膜を、ソース電極及びドレイン電極とは別体として設ける場合に比べて、製造工程の簡略化が図れる。
本実施の形態に係る有機トランジスタを示す概略構成図である。 本実施の形態に係る有機トランジスタを示す概略構成図である。 本実施の形態に係る有機トランジスタを示す概略構成図である。 本実施の形態に係る有機トランジスタを示す概略構成図である。 (A)〜(C)本実施の形態に係る有機トランジスタの製造方法を示す工程図である。 (A)〜(C)本実施の形態に係る有機トランジスタの製造方法を示す工程図である。 (A),(B)本実施の形態に係る有機トランジスタの製造方法を示す工程図である。 本実施の形態に係る有機トランジスタの製造方法における半導体層の形成工程において形成された半導体層の一例を示す顕微鏡写真である。
本実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1に示すように、本実施の形態の有機トランジスタ10は、基板12上に、ゲート電極14G、ゲート絶縁膜16、ソース電極18S及びドレイン電極18D、及び半導体層20がこの順に設けられている。ソース電極18S及びドレイン電極18Dは、半導体層20に接触して設けられ、且つ互いに離間した位置に設けられている。
本実施の形態においては、半導体層20における、ソース電極18S及びドレイン電極18Dとの電極間の領域(以下、「チャネル領域」と称する(図1中、チャネル領域20A参照))は結晶相とされている。また、半導体層20における、この結晶相以外の領域(以下、「第2の領域」と称する(図1中、第2の領域20B参照))は、非結晶相とされている。
すなわち、本実施の形態の有機トランジスタ10は、半導体層20に結晶相のチャネル領域20Aと非結晶相の第2の領域20Bとが交互に設けられた構成とされており、非結晶相の第2の領域20Bによって分離された複数の半導体素子10Aが、基板12の面方向に沿って配列された構成とされている。
なお、結晶相であるか、非結晶相であるかは、X線回折スペクトル測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。また、本実施の形態において「非結晶」とは、結晶状態では無い事を示し、具体的には、アモルファス(非晶質)であることを示す。
このように、本実施の形態の有機トランジスタ10では、半導体層20における、厚み方向からみたときにソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間のチャネル領域20Aが結晶相とされ、この結晶相以外の領域が非結晶相とされていることから、隣接した半導体素子10A間の電気的分離が実現されると考えられる。
なお、半導体層20におけるソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間のチャネル領域20Aとは、半導体層20において、ソース電極18Sとドレイン電極18Dの間からゲート電極14Gが半導体層20の厚み方向に対して投影される領域を示す(図1参照)。
また、本実施の形態では、「電極間」とは、厚み方向から見たときに、各電極に重なる領域を含まず、且つ電極と電極とが向かい合う面に連続する領域を意味している。このため、半導体層20におけるソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間のチャネル領域20Aとは、半導体層20における、半導体層20を厚み方向から見たときにゲート電極14Gの配置された領域に相当する領域であって、且つソース電極18Sとドレイン電極18Dとが向かい合う面に連続するソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間の領域を意味する。
なお、このチャネル領域20Aは、上述のように、半導体層20において、ゲート電極14Gの設けられた位置に対応し、且つソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間の領域であることが必須であるが、図2に示すように、該半導体層20における、ソース電極18S及びドレイン電極18Dに重なる領域をも含んだ領域であってもよい(図2中、チャネル領域20A参照)。ただし、本実施の形態の有機トランジスタ10においては、半導体素子10Aの更なる電気的分離の向上の観点から、半導体層20における、ソース電極18S及びドレイン電極18Dに重なる領域の少なくとも一部は、非結晶相である第2の領域20Bであることが好ましい。すなわち、半導体層20における非結晶相の領域(第2の領域20B)は、半導体層20における、ソース電極18Sとドレイン電極18Dに重なる領域(厚み方向に連続する領域)を含む領域であることが望ましい(図1のチャネル領域20A、及び第2の領域20B参照)。
なお、本実施の形態の有機トランジスタ10は、半導体層20のソース電極18S及びドレイン電極18Dとの電極間のチャネル領域が結晶相とされており、且つ半導体層20の該結晶相以外の領域が非結晶相とされていればよく、図1及び図2に示す構成に限られない。
例えば、図1及び図2に示す例では、ソース電極18S及びドレイン電極18Dが、ソース電極18S及びドレイン電極18Dの基板12とは反対側の面で半導体層20に接する構成(所謂、プラナ型)である場合を説明した。しかし、有機トランジスタ10は、ソース電極18S及びドレイン電極18Dが、ソース電極18S及びドレイン電極18Dの基板12側の面で半導体層20に接する構成(所謂、スタガ型)であってもよい。
この場合には、例えば、図3に示すように、基板12上に、ゲート電極14Gと、ゲート絶縁膜16と、半導体層20と、ソース電極18S及びドレイン電極18Dと、がこの順に設けられた構成の有機トランジスタ11Aとすればよい。
また、図1〜図3に示す例では、ゲート電極14Gがソース電極18S及びドレイン電極18Dより基板12側に設けられた構成の、所謂、ボトム・ゲート構造である有機トランジスタ(有機トランジスタ10、有機トランジスタ11A、有機トランジスタ11B)を説明したが、ソース電極18S及びドレイン電極18Dがゲート電極14Gより基板12側に設けられた構成の有機トランジスタ(所謂、トップ・ゲート構造)であってもよい。
この場合には、例えば、図4に示すように、基板12上に、ソース電極18S及びドレイン電極18Dと、半導体層20と、ゲート絶縁膜16と、ゲート電極14Gと、をこの順に設けた構成(スタガ型)の有機トランジスタ11Bとしてもよく、また、ボトム・ゲート構造で且つプラナ型の構成であってもよい。
なお、本実施の形態の有機トランジスタ(有機トランジスタ10、有機トランジスタ11A、有機トランジスタ11B)を用いて、何らかの電子装置を作製する場合には、さらに他の素子や回路等を組み合わせてもよい。
以下、本実施の形態に係る有機トランジスタ10の製造方法について詳細に説明する。
本実施の形態の有機トランジスタ10は、以下の製造方法によって製造される。
まず、基板12上に、ゲート電極14G、ゲート絶縁膜16、ソース電極18S及びドレイン電極18D、を形成する(図5(A)参照)。
これらの基板12、ゲート電極14G、ゲート絶縁膜16、ソース電極18S及びドレイン電極18Dの構成材料及びこれらの形成方法としては、従来公知の方法が用いられる。
具体的には、基板12としては、シリコン単結晶基板(例えばリン等を高濃度にドープしたシリコン単結晶基板等)、ガラス基板、プラスチック基板(例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリススチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニルデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、又はシリコン樹脂等)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ゲート電極14Gを構成する材料としては、金(Au)等の金属、金属酸化物、導電性高分子等が挙げられる。ゲート電極14Gの形成方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD)法;有機金属化合物化学気相成長法(MOCVD)法を含む各種の化学気相成長法(CVD)法;リフトオフ法;シャドウマスク法;電解メッキ法や無電解メッキ法若しくはこれらの組み合わせとったメッキ法;又は塗布液(液体材料)を塗布する方法として、スピンコーティング法、インクジェット法、スプレー法、エレクトロスプレー法などのうちいずれかと、必要に応じたパターニング技術との組み合わせが挙げられる。
ゲート絶縁膜16としては、酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜や、ポリイミドのような有機系絶縁膜等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ゲート絶縁膜16を形成する方法としては、スピンコーティング法、インクジェット法、スプレー法、エレクトロスプレー法等が挙げられるが、これらに限定されない。
ソース電極18S及びドレイン電極18Dを構成する材料としては、上述したゲート電極14Gを構成する材料が挙げられる。また、このソース電極18S及びドレイン電極18Dの形成方法についても、上述したゲート電極14Gの形成方法として挙げた方法が用いられる。
次に、ソース電極18S及びドレイン電極18D上に、半導体層20を形成する。
この半導体層20の構成材料としては、公知の半導体材料が挙げられる。具体的には、半導体層20の構成材料としては、トリエチルシリルエチニルアントラジチオフェン(TES ADT)、ペンタセン、テトラセン、アントラセン、ナフタレン、α−6−チオフェン、ペリレン及びその誘導体、ルブレン及びその誘導体、コロネン及びその誘導体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド及びその誘導体、ペリレンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフロレン及びその誘導体、ポリフロレン−オリゴチオフェンの共重合体及びその誘導体、ポリチオフェンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン−複素環芳香族共重合体及びその誘導体、ナフタレンのオリゴアセン及びその誘導体、α−5−チオフェンのオリゴチオフェン及びその誘導体、含金属または非含金属のフタロシアニン及びその誘導体、ピロメリト酸二無水物及びその誘導体、ピロメリト酸ジイミド及びその誘導体、ペリレンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド及びその誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド及びその誘導体、ならびにナフタレンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、結晶性の理由から、TES−ADTを用いることが好ましい。
本実施の形態において、半導体層20は、下記工程を経ることによって形成される。すなわち、半導体層20は、
(A)非結晶の半導体層を形成する工程と、
(B)非結晶の半導体層上に、半導体層の少なくとも一部が露出するように、蒸気侵入防止膜を形成する工程と、
(C)非結晶の半導体層における蒸気侵入防止膜から露出した領域に、半導体層に含まれる半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程であって、半導体層における、少なくともソース電極とドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程と、を経ることによって形成される。
上記(A)非結晶の半導体層を形成する工程では、半導体材料を用いて、非結晶の半導体層21(図5(B)参照)を形成する。
この非結晶の半導体層21を形成する方法としては、あくまでも「非結晶」の半導体層21が形成される方法であれば、いかなる方法であってもよく、一例としては、半導体材料を含む塗布液を塗布する方法や、真空蒸着法が挙げられる。
半導体材料を含む塗布液を用いて、非結晶の半導体層21を形成する場合には、この塗布液としては、半導体層20の構成材料として選択した半導体材料と、該半導体材料を溶解する溶媒と、を含む塗布液を用いればよい。
この塗布液に含まれる溶媒としては、半導体材料を溶解する液体を用いればよく、半導体層20の構成材料として選択した半導体材料に応じて選択すればよいが、例えば、トルエン、無機溶媒(硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、二硫化炭素、四塩化炭素、又はエチレンカーボネート等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、又はジクロヘキサノン等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はグリセリン等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールエチルエーテル等)、セロソルブ系溶媒(メリルセロソブル、エチルセロソルブ、又はフェニルセロソルブ等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、ヘプタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン、又はベンゼン等)、アミド系溶媒(ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、又はアミド等)、ハロゲン化合物系溶媒(モノクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、又は1,2−ジクロロエタン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸メチル、又はギ酸エチル等)、硫黄化合物系溶媒(ジメチルスルホキシド、又はスルホラン等)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、プロピオニトリル、又はアクリロニトリル等)、有機酸系溶媒(ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、又はトリフルオロ酢酸等)の如く各種有機溶媒、又は、これらを含む混合溶媒などが挙げられるが、これに限るものではない。
これらの中でも、半導体材料を含む塗布液に含まれる溶媒としては、溶解性と沸点の理由から、トルエンを用いることが好ましい。
なお、ここで、溶解とは、半導体材料が溶媒に対して少なくとも0.1質量%以上溶けることを意味する。
そして、半導体材料を含む塗布液を塗布することによって、非結晶の半導体層21(図5(B)参照)を形成する。この塗布法としては、例えば、スピンコーティング法、インクジェット法、スプレー法、エレクトロスプレー法などが挙げられる。
なお、この非結晶の半導体層21を形成した後に、この半導体層21に含まれる溶媒を蒸発させるべく乾燥させる工程を経てもよい。なお、この乾燥時の条件としては、半導体材料を含む塗布液を塗布することによって形成された半導体層21に含まれる半導体材料が、非結晶状態を維持する条件であることが必須である。
次に、(B)非結晶の半導体層上に、半導体層の少なくとも一部が露出するように、蒸気侵入防止膜を形成する。具体的には、図5(C)に示すように、非結晶の半導体層21上に、非結晶の半導体層21の少なくとも一部が露出するように蒸気侵入防止膜22を形成する。この蒸気侵入防止膜22は、後述する(D)の工程において用いられる蒸気に含まれる溶媒及び半導体層21内に残存している溶媒によって溶解しない材料によって構成される。この蒸気侵入防止膜22の構成材料としては、これらの特性を満たす材料であればよいが、例えば、金やアルミニウム等の金属や、シリコンやゲルマニウム等の無機材料や、酸化シリコンやちっ化シリコン等の酸化物や、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の有機材料等が挙げられる。これらの中でも、耐薬品性やバリア性の理由から、金属や酸化物を用いることが好ましい。
この蒸気侵入防止膜22の形成方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD)法;有機金属化合物化学気相成長法(MOCVD)法を含む各種の化学気相成長法(CVD)法;リフトオフ法;シャドウマスク法;電解メッキ法や無電解メッキ法若しくはこれらの組み合わせとったメッキ法;又は塗布液(液体材料)を塗布する方法として、スピンコーティング法、インクジェット法、スプレー法、エレクトロスプレー法などのうちいずれかと、必要に応じたパターニング技術との組み合わせが挙げられる。
なお、非結晶の半導体層21における、蒸気侵入防止膜22から露出した領域とは、半導体素子10Aとされたときにチャネル領域となる領域であり、ゲート電極14Gの位置や、作製する有機トランジスタ10に応じて適宜調整すればよい。
次に、(C)非結晶の半導体層における蒸気侵入防止膜から露出した領域に、半導体層に含まれる半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる。そして、半導体層における、少なくともソース電極とドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる
具体的には、まず、非結晶の半導体層21における、蒸気侵入防止膜22から露出した領域に、該非結晶の半導体層21を構成する半導体材料を溶解する溶媒の蒸気24を供給する(図6(A)参照)。
この蒸気24は、非結晶の半導体層21を構成する半導体材料を溶解する溶媒による蒸気であればよく、上記(A)工程において非結晶の半導体層21の形成時に用いた塗布液に含まれる溶媒と同じ溶媒であってもよいし、異なる溶媒であってもよい。
なお、「溶媒の蒸気24を供給する」とは、非結晶の半導体層21における、蒸気侵入防止膜22から露出した領域を、半導体材料の溶媒の蒸気24の雰囲気下にさらすことを意味している。このため、この工程においては、非結晶の半導体層21に、半導体材料の溶媒の蒸気24を直接吹き付ける(噴霧する)方法に限られず、半導体材料の溶媒の蒸気24の充填された容器内に、蒸気侵入防止膜22の設けられた非結晶の半導体層21を配置する方法であってもよい。
この蒸気24を供給する時には、熱を加えてもよいし、熱を加えず常温下で行ってもよい。
なお、半導体材料の溶媒の蒸気24を供給する手法に用いる溶媒としては、非結晶の半導体層21に蒸気24を供給して、該供給された領域の半導体層21の半導体材料を溶解によって膨潤させる時間が必要であることから、該蒸気24の供給時には蒸発しにくい溶媒を用いることが好ましく、つまり、沸点がより高いものが好ましい。例えば、沸点が100℃以上のものが好ましく、130℃以上のものがより好ましい。
このように、非結晶の半導体層21における蒸気侵入防止膜22から露出した領域に、半導体材料を溶解する溶媒の蒸気24を供給すると、少なくとも蒸気24を供給された非結晶の半導体層21の領域、又は蒸気24を供給された非結晶の半導体層21の領域及び該領域に連続する領域の少なくとも一部の半導体材料が、非結晶相から結晶相へ相転移する。
これは、非結晶の半導体層21に、半導体材料を溶解する溶媒の蒸気24を供給することによって、供給された溶媒が非結晶の半導体層21内に浸透し、この溶媒の浸透した領域が該溶媒によって膨潤し、溶媒によって膨潤した領域が非結晶相からより安定な結晶相へと相転移するためと考えられる。
このため、非結晶の半導体層21における、少なくとも蒸気24を供給された非結晶の半導体層21の領域、又は蒸気24を供給された領域及び該領域に連続する領域の少なくとも一部の領域では、非結晶相から結晶相への相転移によって結晶相のチャネル領域20Aとなり、蒸気24の浸透しなかった領域では、非結晶相が維持されて非結晶の第2の領域20Bとなる。これによって、ソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間の領域が結晶相のチャネル領域20Aとされ、該結晶相以外の領域が非結晶相の第2の領域20Bとされた半導体層20が作製される(図6(B)参照)。
なお、この蒸気24の供給によって非結晶相から結晶相へと相転移する領域は、蒸気侵入防止膜22の露出領域の調整や、蒸気24の供給時間、蒸気24に含まれる溶媒の種類等によって容易に調整される。
次に、この蒸気侵入防止膜22を除去することによって、本実施の形態の有機トランジスタ10が形成される(図6(C)参照)。
この蒸気侵入防止膜22の除去には、公知の方法が用いられ、例えば、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等が用いられる。
なお、上記では、一例として、図1に示す構成の有機トランジスタ10を製造する場合を説明したが、各層の形成順を変えることで、図3〜図4に示す有機トランジスタ11A及び有機トランジスタ11Bについても、上述した方法と同じ方法で製造される。
なお、図3に示すような、所謂、プラナ型の有機トランジスタ11Aを作製する場合には、ソース電極18S及びドレイン電極18Dが、蒸気侵入防止膜22として機能する。
具体的には、有機トランジスタ11Aの作製時には、基板12上に、ゲート電極14G、ゲート絶縁膜16、非結晶の半導体層21、及びソース電極18S及びドレイン電極18Dを順に形成した後に、上記(C)工程を行うことによって半導体層20を形成すればよい。
詳細には、有機トランジスタ11Aの作製においては、まず、上述した方法を用いて、基板12上に、ゲート電極14G、ゲート絶縁膜16、非結晶の半導体層21、及びソース電極18S及びドレイン電極18Dを順に形成する。
次に、図7(A)に示すように、非結晶の半導体層21上に形成されたソース電極18S及びドレイン電極18Dから露出した領域に、半導体材料の溶媒の蒸気24を供給する。この蒸気24の供給によって、少なくとも蒸気24を供給された非結晶の半導体層21の領域、又は該蒸気24の供給された領域及び該領域に連続する領域の少なくとも一部の半導体材料が非結晶相から結晶相へと相転移する。これによって、ソース電極18Sとドレイン電極18Dとの電極間の領域が結晶相のチャネル領域20Aとされ、該結晶相以外の領域が非結晶相の第2の領域20Bとされた半導体層20が作製される(図7(A)参照)。
なお、この有機トランジスタ11Aの作製においては、図7(B)に示すように、非結晶の半導体層21における、ソース電極18S及びドレイン電極18Dから露出した領域のうちの、半導体素子10A間に相当する領域には、蒸気侵入防止膜22を設けた状態で、半導体材料を溶解する溶媒の蒸気24を供給するようにしてもよい。このようにすれば、半導体素子10A間の領域の半導体層20の半導体材料の非結晶相が維持されるため、半導体素子10A間の電気的分離がより効果的に実現されると考えられる。
ここで、従来の有機トランジスタの製造方法においては、半導体素子10A間を分離するために、半導体層20に貫通孔を設けたり、光照射やプラズマ処理を施すことによって半導体層20の一部を非活性化していた。
一方、本実施の形態の有機トランジスタでは、(A)非結晶の半導体層を形成する工程と、(B)非結晶の半導体層上に、半導体層の少なくとも一部が露出するように、蒸気侵入防止膜を形成する工程と、(C)非結晶の半導体層における蒸気侵入防止膜から露出した領域に、半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程であって、半導体層における、少なくともソース電極とドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程と、を経ることによって有機トランジスタ10における半導体層20を形成するので、半導体層20のチャネル領域ぎりぎりの領域までが、非活性領域となるように容易に調整される。このため、従来の有機トランジスタに比べて、隣り合う半導体素子10A間の電気的分離が効果的に実現されると考えられる。
以下実施例によって本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
以下に示す如く、有機トランジスタを作製した。
(実施例1)
図1に示す構成の有機トランジスタを作製した。
まず、厚さ100nmのシリコン熱酸化膜(SiO)(ゲート絶縁膜)の成膜されたシリコン基板を用意した。この場合、このシリコン基板自体が、ゲート電極として機能する(基板裏面からゲート電極をとる、所謂、バックゲート)。
次に、ゲート絶縁膜上に、EB蒸着(昭和真空製EB蒸着装置)により、メタルマスクを用いて、ソース電極及びドレイン電極を金(Au)にて形成した。これらの電極の厚みは、100nmである。また、これらのソース電極及びドレイン電極の電極間の距離(チャネル幅)は、1000μmとし、チャネル長は、20μmとした。
また、シリコン基板上に、複数の半導体素子が形成されるように、上記ソース電極及びドレイン電極を1組として、500μmの間隔を空けて50組のソース電極及びドレイン電極を形成した。
次に、上記ソース電極及びドレイン電極上に、半導体層を形成した。
まず、半導体材料を含む塗布液を塗布して、非結晶の半導体層を形成した。詳細には、半導体材料として、リエチルシリルエチニルアントラジチオフェン(TES ADT)を用意し、このTES ADTをトルエン溶媒中に2質量%の濃度で溶解した塗布液を用意した。そして、この塗布液を、上記シリコン基板の、上記ソース電極及びドレイン電極の形成された側の面に滴下し、スピンコート塗布することによって、非結晶の半導体層(厚み0.1μm)を形成した。
なお、この塗布により形成した半導体層が非結晶相であることは、ブルカー社製、装置名 X線回折装置を用いて、X線回折スペクトル測定をした結果、結晶性のピークが鋭く現れなかったことから、非結晶(非晶質(アモルファス)または質の低い結晶)であることが確認された。
次に、上記非結晶の半導体層のチャネル領域となる領域以外の領域に、蒸気侵入防止膜を酸化シリコンにより形成した。なお、このチャネル領域となる領域は、本実施例では、厚み方向から見たときに各ゲート電極に対応する領域であって、且つ各組のソース電極とドレイン電極との電極間の領域に対応する領域(1000μm×20μmの領域)とした。
この蒸気侵入防止膜の形成は、スパッタ装置(アルバック社製)により、メタルマスクを用いて行った。この蒸気侵入防止膜の膜厚は100nmであった。
次に、密閉可能な容器(シャーレ)内に、上記蒸気侵入防止膜の形成された基板を入れて、蒸気侵入防止膜側からトルエンの蒸気を供給した。
なお、このトルエンの蒸気は、室温で気化されたトルエン蒸気を用いた。このトルエンの蒸気の供給は、トルエンを加熱することによって得られた蒸気を上記容器内に供給することによって行ってもよい。
なお、試料として、本実施例における非結晶の半導体層を、本実施例で用いた方法により別途シリコン基板上に形成し、非結晶の半導体層上に蒸気侵入防止膜を線状に設けて、本実施例と同じ条件でトルエンの蒸気を供給した。このトルエンの蒸気を供給した後の状態の試料についての光学顕微鏡写真を、図8に示した。図8に示すように、非結晶相の半導体層における、蒸気侵入防止膜から露出した領域Aは、結晶化していることが確認された。
次に、蒸気侵入防止膜を、希フッ酸を用いて除去することによって、複数の半導体素子の形成された本実施例の有機トランジスタ1を作製した。
作製した有機トランジスタ1の半導体層の結晶状態を、X線回折装置(ブルカー社製)を用いて測定したところ、半導体層において蒸気侵入防止膜から露出していた領域については、結晶性のピークがするどく現われ、結晶相であることが確認された。また、半導体層において蒸気侵入防止膜によって覆われていた領域についても、同様にして測定したところ、結晶性のピークが鋭く現れず、非結晶相であることが確認された。
また、作製した有機トランジスタ1の断面を電子顕微鏡にて観察したところ、各半導体素子において、結晶相であるチャネル領域は、ソース電極とドレイン電極との電極間の領域に形成されていることが確認された。また、非結晶相の第2の領域は、半導体層において、厚み方向から見たときに各半導体素子の中間に相当する領域(ゲート電極とゲート電極の中間の位置)からソース電極及びドレイン電極の一部を覆う領域(厚み方向に連続する領域)まで形成されていることが確認された。
(実施例2)
上記実施例1において形成した蒸気侵入防止膜において、蒸気侵入防止膜を設けない領域を、厚み方向から見たときに各ゲート電極に対応する領域であって、且つ各組のソース電極とドレイン電極との電極間の領域に対応する領域を含む領域である(1000μm×120μmの領域)とした以外は、実施例1と同じ方法及び条件を用いて複数の半導体素子の形成された本実施例の有機トランジスタ2を作製した。
作製した有機トランジスタ2の半導体層の結晶状態を、X線回折装置(ブルカー社製)を用いて測定したところ、半導体層において蒸気侵入防止膜から露出していた領域については、結晶性のピークがするどく現われ、結晶相であることが確認された。また、半導体層において蒸気侵入防止膜によって覆われていた領域についても、同様にして測定したところ、結晶性のピークが鋭く現れず、非結晶相であることが確認された。
また、作製した有機トランジスタ2の断面を電子顕微鏡にて観察したところ、各半導体素子において、結晶相であるチャネル領域は、ソース電極とドレイン電極との電極間の領域と、ソース電極とドレイン電極を覆う領域に形成されていることが確認された。また、非結晶相の第2の領域は、半導体層において、厚み方向から見たときに各半導体素子の中間に相当する領域(ゲート電極とゲート電極の中間の位置)からソース電極及びドレイン電極の端面までの領域(ソース電極及びドレイン電極を覆わない領域)まで形成されていることが確認された。
(実施例3)
上記実施例1においては、非結晶の半導体層に供給する溶媒の蒸気として、半導体層の塗布液に用いた溶媒と同じ、トルエンを用いた。本実施例3では、非結晶の半導体層に供給する溶媒の蒸気として1,2−ジクロロエタンを用いた以外は、実施例1と同じ製法及び同じ条件で、有機トランジスタ3を作製した。すなわち、本実施例3においては、非結晶の半導体層の塗布液として用いる溶媒の種類と、非結晶の半導体層に供給する蒸気に用いる溶媒の種類と、を異なるものとした。
作製した有機トランジスタ3の半導体層の結晶状態を、X線回折装置(ブルカー社製)を用いて測定したところ、半導体層において蒸気侵入防止膜から露出していた領域については、結晶性のピークがするどく現われ、結晶相であることが確認された。また、半導体層において蒸気侵入防止膜によって覆われていた領域についても、同様にして測定したところ、結晶性のピークが鋭く現れず、非結晶相であることが確認された。
また、作製した有機トランジスタ3の断面を電子顕微鏡にて観察したところ、各半導体素子において、結晶相であるチャネル領域は、ソース電極とドレイン電極との電極間の領域に形成されていることが確認された。また、非結晶相の第2の領域は、半導体層において、厚み方向から見たときに各半導体素子の中間に相当する領域(ゲート電極とゲート電極の中間の位置)からソース電極及びドレイン電極の一部を覆う領域(厚み方向に連続する領域)まで形成されていることが確認された。
(比較例1)
まず、厚さ100nmのシリコン熱酸化膜(SiO)(ゲート絶縁膜)の成膜されたシリコン基板を用意した。この場合、このシリコン基板自体が、ゲート電極として機能する(基板裏面からゲート電極をとる、所謂、バックゲート)。
次に、ゲート絶縁膜上に、EB蒸着(昭和真空製EB蒸着装置)により、メタルマスクを用いて、ソース電極及びドレイン電極を金(Au)にて形成した。これらの電極の厚みは、100nmである。また、これらのソース電極及びドレイン電極の電極間の距離(チャネル幅)は、1000μmとし、チャネル長は、20μmとした。
また、シリコン基板上に、複数の半導体素子が形成されるように、上記ソース電極及びドレイン電極を1組として、500μmの間隔を空けて50組のソース電極及びドレイン電極を形成した。
次に、上記ソース電極及びドレイン電極上に、半導体層を形成した。
半導体層の形成は、半導体材料として、TIPS−Pentaceneを用意し、このTIPS−Pentaceneをトルエン溶媒中に2質量%の濃度で溶解した塗布液を用意した。そして、この塗布液を、上記シリコン基板の、上記ソース電極及びドレイン電極の形成された側の面に滴下し、スピンコート塗布することによって、非結晶の半導体層(厚み 0.1μm)を形成した。
次に、この半導体層の結晶状態を、実施例1と同様にして測定したところ、結晶性のピークがするどく現われ、全領域が結晶相であることが確認された。
次に、各半導体素子となる領域をフォトマスクによりマスクし、該マスクから露出した領域であるゲート電極とゲート電極との丁度中間の半導体層の領域(ゲート電極とゲート電極との丁度中間の領域を中心とする1500μm×300μmの領域)に、紫外線を3分間照射した。
これによって、複数の半導体素子の形成された本比較例の比較トランジスタ1を作製した。
(評価)
作製した有機トランジスタ及び比較トランジスタについて、半導体素子間の電気的な分離状態(クロストークの低減度合い)を評価した。
具体的には、隣り合うデバイス間の、ソースドレイン電極1組のうち、近い方の電極、に20Vの電圧を印加する。このとき流れる電流値を求めた。この測定には半導体パラメータアナライザ(アジレント製、HP4156B)およびプローバーを用いて求めた。そして、この測定結果が、1×10−13A以下である場合を、半導体素子間の電気的な分離状態が良好(G1)であるとし、1×10−13A以上1×10−12A以下である場合を、やや良好(G2)であるとし、1×10−12A以上である場合を不良(G3)であるとして評価した。
評価結果を表1に示した。
表1の結果から、本実施例は、比較例に比べ、半導体素子間の電気的分離が効果的に図れているといえる。
10、11A、11B 有機トランジスタ,12 基板,14G ゲート電極,18S ソース電極,18D ドレイン電極,20 半導体層,20A チャネル領域,20B 第2の領域

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、を備え、
    前記半導体層における、前記ソース電極と前記ドレイン電極との電極間のチャネル領域が少なくとも結晶相であり、該結晶相が前記ソース電極と前記ドレイン電極における、該ソース電極と該ドレイン電極が向かい合う面に連続する領域に形成されており、前記半導体層における該結晶相以外の領域が非結晶相である、有機トランジスタ。
  2. 前記半導体層における前記非結晶相の領域が、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に重なる領域を含む請求項1に記載の有機トランジスタ。
  3. 基板と、前記基板上に、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、を備える有機トランジスタの製造方法であって、
    非結晶の半導体層を形成する工程と、
    前記非結晶の半導体層上に、該半導体層の少なくとも一部が露出するように蒸気侵入防止膜を形成する工程と、
    前記非結晶の半導体層における前記蒸気侵入防止膜から露出した領域に、前記半導体層に含まれる半導体材料を溶解する溶媒の蒸気を供給することによって、少なくとも該蒸気を供給された領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程であって、前記半導体層における、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との電極間のチャネル領域の半導体材料を非結晶相から結晶相へ相転移させる工程と、
    を少なくとも有する有機トランジスタの製造方法。
  4. 前記蒸気侵入防止膜が、金属膜である請求項3に記載の有機トランジスタの製造方法。
  5. 前記蒸気侵入防止膜が、ソース電極及びドレイン電極である請求項3または請求項4に記載の有機トランジスタの製造方法。
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