JP5656794B2 - 系統連系パワーコンディショナ及びこれを用いた太陽光発電システム - Google Patents
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電力系統と電気的に入り切りを行うための機械的開閉器として電磁接触器が設けられており、制御回路からの指令により開閉を行う。この電磁接触器は接続する電力系統を操作電源として操作用コイルが励磁される。なお、この系統連系パワーコンディショナは、内部に絶縁変圧器を有しているが、昨今、特に住宅用の小容量のパワーコンディショナでは、絶縁変圧器を用いないことが一般的である。
将来、太陽光発電などの分散型電源が大量に普及して、太陽光発電から負荷に供給する電力の占める割合が高くなってくると、瞬時電圧低下で太陽光発電から負荷に供給している電力が一斉に途切れてしまう場合に、負荷への電力供給は商用系統から全て供給することとなるため、商用系統にとっては一斉に供給電力が増えることで周波数の変動や系統電圧の低下を引き起こし、最悪の場合、電圧低下保護機能が作動し、商用系統と太陽光発電で電力を供給している電力網全体の全停電を引き起こすという問題が生じる。
図1は、この発明の実施の形態1による系統連系パワーコンディショナの構成を示す図である。
図1において、系統連系パワーコンディショナ(以下、単に、パワーコンディショナとも記す)1は、直流電力を発電する太陽電池2と、50Hz或いは60Hzの商用系統電源3との間に配置され、太陽電池2とともに太陽光発電システムを形成する。商用系統電源3は、単相3線式または三相3線式の商用配電系統で用いられる系統電源である。
なお、図1は商用系統電源が単相の場合を示しているが、三相3線式の商用系統電源に連系させる場合は三相インバータを用いる。
昇圧回路4は、太陽電池2の電圧を昇圧する。この昇圧回路4は無い場合もある。
インバータ回路5は、太陽電池2が発電し、昇圧回路4により昇圧された直流電力を、商用系統の周波数及び電圧に応じた交流電力に変換する。フィルタ6は、インバータ回路5の出力側に配置され、インバータ回路5の出力電流波形を滑らかにする。
電磁接触器8は、フィルタ6の出力を商用系統と電気的に入り切りするための機械的開閉器であり、制御回路11からのONOFF指令信号に基づき、操作用コイル9により開閉を行う。
無停電電源装置(UPS)10は、パワーコンディショナ1の出力が接続される商用系統電源3が入力され、リレー12を介して操作用コイル9に励磁用電源を供給する。入力電源が断になった場合も、一定時間、停電することなく電力を供給し続ける。
制御回路11は、商用系統電源3の位相に同期した電流をインバータ回路5から出力させるとともに、電磁接触器8の操作用コイル9にONまたはOFFの指令信号を送るようになっている。
電流センサ7aは、太陽電池2の電流Isを検出し、電流センサ7bは、インバータ5の出力電流の瞬時値“Iio”を検出し、それぞれ検出された電流値は制御回路11に入力される。
太陽電池2の出力は、昇圧回路4により昇圧される。例えば太陽電池2の出力電圧がDC200Vしか無い時に、系統電圧AC200Vに連系するためには、インバータ回路5の入力電圧としては最低でもAC200Vの波高値(√2×200=282V)が必要であるので、DC200Vを昇圧回路4で昇圧する。
昇圧回路4の出力の直流電力は、インバータ回路5に入力されて、商用系統の周波数及び電圧に応じた交流電力に変換され、次いで、フィルタ6により、インバータ回路5の出力電流波形を滑らかにする。
フィルタ6の出力は、電磁接触器8を介して商用系統に出力される。この電磁接触器8は制御回路11により開閉を制御されるようになっている。
具体的には、系統電圧の位相を図示しない計装用トランスで検出し、検出したアナログ信号電圧を制御回路11で分析し、制御回路11は、系統電圧位相に同期した電流をインバータ回路5から出力させる。
このとき、電流センサ7bで検出されるインバータ出力電流の瞬時値“Iio”と制御回路11からの指令値である目標出力電流“Iio*”とが等しくなるようにフィードバック制御が行われる。
電磁接触器8の操作用コイル9には、リレー12を介して操作用コイル9に励磁用電源が供給される。操作用コイル9の励磁用電源は、パワーコンディショナ1の出力が接続される商用系統電源3から無停電電源装置(UPS)10を介して供給され、制御回路11からのON指令信号により、リレー12が閉じることで、電磁接触器8の操作用コイル9が無停電電源装置10より供給されるAC電力で励磁される。
これにより、電磁接触器8の接点を閉じた状態を保持し、パワーコンディショナ1から商用系統に電力を供給し続けることができる。
図2は、この発明の実施の形態2による系統連系パワーコンディショナの構成を示すブロック図である。
図2において、1〜9、11、12は図1におけるものと同一のものである。図2には、無停電電源装置(UPS)10に代えて、パワーコンディショナ1に、太陽電池2とリレー12の間に、充電回路13と蓄電池14を配置して、充電回路13により蓄電池14に直流電力を充電しておき、太陽電池2側から操作用コイル9にDC電源を供給できるようにする。
また、日射量が少ない時や夜間にも、電磁接触器8の開閉動作を可能とするために、常に操作用コイル9にDC電源を供給できるよう太陽電池2側から充電回路13により蓄電池14に直流電力を充電しておく。制御回路11からの指令により、電磁接触器8の操作用コイル9に蓄電池14から直流電源を供給する。
また、系統電圧回復時にも直ちに電力を負荷に供給することが可能なため、従来、瞬時電圧低下時にパワーコンディショナ1が商用系統と解列し、商用系統の負荷が急増した場合に発生する周波数変動や系統電圧の低下、さらには電力網全体の全停電を引き起こすことを防止することが可能となる。
図3において、1〜9、11〜14は図2におけるものと同一のものである。図3では、商用系統電源3と充電回路13の間に、交流電流を直流電流に変換する整流回路15を配置し、商用系統電源3側から整流回路15と充電回路13を介して蓄電池14を充電するように構成されている。
図4は、この発明の実施の形態3による系統連系パワーコンディショナの構成を示すブロック図である。
図4において、1〜9、11、12は図1におけるものと同一のものである。図4では、リレー12を介して操作用コイル9に、商用系統電源3とは別電源系統の操作用コイル励磁用電源16が接続されている。
2 太陽電池
3 商用系統電源
4 昇圧回路
5 インバータ回路
6 フィルタ
7a,7b 電流センサ(カレントトランス)
8 電磁接触器
9 操作用コイル
10 無停電電源装置(UPS)
11 制御回路
12 リレー
13 充電回路
14 蓄電池
15 整流回路
16 操作用コイル励磁用電源
Claims (2)
- 太陽電池とともに太陽光発電システムを構成し、上記太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換し、この変換した交流電力を商用系統に出力する系統連系パワーコンディショナであって、
直流電源で励磁される操作用コイルによって開閉されて、上記商用系統への上記交流電力の出力を制御する電磁接触器、
この電磁接触器を開閉するための指令信号を送る制御回路、
及び上記太陽電池が発電する直流電力により充電され、上記制御回路からの上記指令信号に基づき動作するリレーを介して上記操作用コイルの励磁用電源を供給する蓄電池を備えたことを特徴とする系統連系パワーコンディショナ。 - 請求項1記載の系統連系パワーコンディショナを備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
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