JP5653538B1 - 映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の映像表示装置は、表示部と、光学素子(30)と、スペーサ部材(40)とを備える。表示部は、映像表示部(10)と、枠部(20)とを含む。スペーサ部材は、映像表示部および枠部と光学素子との間に設けられている。光学素子と映像表示部との間に位置するスペーサ部材の内側面には、光学素子側から映像表示部側に向かうにしたがって枠部側に傾斜する第1傾斜面(40a)が設けられている。

Description

本発明の実施形態は、映像表示装置に関する。
従来、表示部の外枠に対応するように設けられた光学素子を用いて表示部の映像を拡大することによって、視聴者に外枠が視認されるのを抑制する技術が知られている。このような技術では、表示部(および外枠)と光学素子との間の距離にスペーサ部材が設けられる場合がある。
特開2009−162999号公報
上記のような技術では、スペーサ部材が視聴者に視認されるのを抑制することができれば望ましい。
実施形態による映像表示装置は、表示部と、光学素子と、スペーサ部材とを備える。表示部は、映像表示部と、枠部とを含む。映像表示部は、映像が表示されるように構成されている。枠部は、表示部の外縁部に設けられている。光学素子は、映像表示部内において外縁部側に設けられた外縁領域と枠部とを覆うように設けられ、外縁領域から出力される映像を枠部側に拡大するように構成されている。スペーサ部材は、映像表示部および枠部と光学素子との間に設けられている。光学素子と映像表示部との間に位置するスペーサ部材の内側面には、光学素子側から映像表示部側に向かうにしたがって枠部側に傾斜する第1傾斜面が設けられている。
図1は、本実施形態による映像表示装置が複数組み合わされることにより構成されたタイリングディスプレイの一例を示した模式図である。 図2は、本実施形態による映像表示装置のリニアレンズ(光学素子)による映像の拡大方向を説明するための模式図である。 図3は、本実施形態による映像表示装置のサーキュラレンズ(光学素子)による映像の拡大方向を説明するための模式図である。 図4は、本実施形態による映像表示装置の表示部、枠部、光学素子およびスペーサ部材の位置関係を説明するための模式図である。 図5は、本実施形態による映像表示装置により出力される映像の見え方を説明するための模式図である。 図6は、本実施形態による映像表示装置から光学素子を取り外した状態の一例を示した模式図である。 図7は、本実施形態による映像表示装置の第1スペーサ部材の構成の一例を示した図である。 図8は、図7の51−51線に沿った断面図である。 図9は、図7の52−52線に沿った断面図である。 図10は、本実施形態による映像表示装置の第2スペーサ部材の構成の一例を示した図である。 図11は、図10の53−53線に沿った断面図である。 図12は、図10の54−54線に沿った断面図である。 図13は、本実施形態の変形例による映像表示装置が複数組み合わされることにより構成されたタイリングディスプレイの一例を示した模式図である。 図14は、本実施形態の変形例による映像表示装置の光学素子の一例を示した模式図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図12を参照して、本実施形態による映像表示装置100が複数組み合わされることにより構成される映像表示システム(タイリングディスプレイ1000)の構成の一例について説明する。
図1に示すように、本実施形態によるタイリングディスプレイ1000は、4個の映像表示装置100が水平方向(X方向)および上下方向(Y方向)にそれぞれ2個ずつタイル状に並べて配置されることにより構成されている。これら4個の映像表示装置100は、それぞれ、映像表示部10と、枠部20と、光学素子30と、スペーサ部材40とを備える。映像表示部10は、X方向(第1方向)に延びる長辺(第1の辺)10aおよびY方向(第2方向)に延びる短辺(第2の辺)10bを有する矩形形状(長方形形状)に形成されており、動画や静止画などの映像を出力可能に構成されている。また、枠部20は、映像表示部10の外周部(外縁部:長辺10aおよび短辺10bにより構成される部分)を取り囲むように(図1の点状の網目部参照)、映像表示部10の長辺10aおよび短辺10bに沿って延びるように設けられている。これらの映像表示部10および枠部20によって、表示部(表示パネル)50が構成されている。
ここで、上記のような映像表示部10および枠部20を備えた映像表示装置100では、視聴者に枠部20が見えるのを抑制したいという要望がある。たとえば、図1に示したようなタイリングディスプレイ1000を用いて1個の大きな映像を表示する場合には、タイリングディスプレイ1000の内側(各映像表示装置100の境界部分)に位置する枠部20により構成される十字形状の継ぎ目や、タイリングディスプレイ1000全体の外側に位置する枠部20により構成される矩形形状の外枠が視聴者に見えるのを抑制したいという要望がある。
そこで、本実施形態では、映像表示部10内において外周部(外縁部:枠部20との境界部分)側に位置する外周領域(外縁領域:後述する図5の縮小領域R2参照)と枠部20とを覆う光学素子30を設け、外周領域から出力される映像を光学素子30により拡大することによって、視聴者に枠部20が見えるのを抑制することにした。これにより、4個の映像表示装置100により構成されたタイリングディスプレイ1000が、つながりを有する1個のディスプレイとして機能する。すなわち、本実施形態では、映像表示部10は、外周領域に、光学素子30の拡大率に対応する縮小率で縮小された映像を出力するように構成されている。そして、光学素子30は、映像表示部10の外周領域から出力された映像(縮小映像)を少なくとも枠部20側に拡大するように構成されている。
具体的には、光学素子30は、映像表示部10の4辺に沿って延びるように設けられた例えば長方形形状を有するリニアレンズ31と、映像表示部10の4隅に設けられた例えば長方形形状や正方形形状を有するサーキュラレンズ32との組み合わせにより構成されている。リニアレンズ31は、映像表示部10の外周領域から出力される映像をX方向またはY方向の1方向(図2の矢印参照)にのみ拡大するように構成されている。また、サーキュラレンズ32は、映像表示部10の外周領域から出力される映像をX方向およびY方向の2方向(図3の矢印参照)に拡大するように構成されている。
詳細には、図2に示すように、リニアレンズ31は、映像表示部10の辺に沿って延びる光軸l1を有し、外周領域から出力される映像を光軸l1に対して線対称に拡大するように構成されている。なお、図2は、図1に示したタイリングディスプレイ1000のX方向の一方側(図1では左側)で、かつ、Y方向の中央部近傍に位置する矩形形状の部分151を拡大して示した模式図である。
また、図3に示すように、サーキュラレンズ32は、隣接する2個のリニアレンズ31にそれぞれ対応する2本の光軸l1が交差する位置に中心Cを有し、外周領域から出力される映像を中心Cに対して点対称に拡大するように構成されている。なお、図3は、図1に示したタイリングディスプレイ1000のX方向およびY方向の中央部近傍に位置する矩形形状の部分152を拡大して示した模式図である。
ここで、本実施形態では、光学素子30(リニアレンズ31およびサーキュラレンズ32)は、映像表示部10に対して平行に延びるように設けられている。より具体的には、リニアレンズ31は、光軸l1(図2参照)に対して線対称に分割されたフレネル形状のレンズにより構成されている。同様に、サーキュラレンズ32は、中心C(図3参照)に対して点対称に(同心円状に)分割されたフレネル形状のレンズにより構成されている。このようなフレネル形状のレンズを光学素子30として用いることによって、一例として、光学素子30の厚みd1(図4参照)を通常の凸形状のレンズに比べて小さくすることができる。
また、本実施形態では、図4および図5に示すように、スペーサ部材40は、映像表示部10および枠部20と光学素子30との間に設けられている。このスペーサ部材40は、映像表示部10(枠部20)と光学素子30との間の距離を所定の距離に維持するために設けられている。なお、スペーサ部材40は、透明材料により構成されている。
図4および図5に示すように、スペーサ部材40の光学素子30と映像表示部10との間に位置する内側面(枠部20とは反対側の面)には、光学素子30側から映像表示部10側に向かうにしたがって枠部20側に傾斜する第1傾斜面40aが設けられている。ここで、本実施形態では、第1傾斜面40aは、スペーサ部材40の内側面のうち光学素子30側の端部(図5の点Q1参照)から映像表示部10側の端部(図5の点Q2参照)まで直線状に延びるように設けられている。これにより、一例として、第1傾斜面40aがスペーサ部材40の内側面の一部分にしか設けられていない場合に比べて、スペーサ部材40の内側面の全体が傾斜するので、スペーサ部材40の内側面が視聴者に視認されるのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、第1傾斜面40aは、光学素子30の枠部20とは反対側(スペーサ部材40の内側面側)の端部(図5の点Q1参照)と、映像表示部10の外周領域(図5の後述する縮小領域R2参照)の枠部20とは反対側(スペーサ部材40の内側面側)の端部(図5の点Q2参照)とを結ぶ光路(図5の直線l2参照)に一致するような傾斜角度θ1で傾斜するように設けられている。この傾斜角度θ1は、映像表示部10および光学素子30に直交する方向(前後方向:Z方向:より具体的には、光学素子30から映像表示部10に向かう方向)に対する傾斜角度である。これにより、一例として、視聴者が上記直線l2(図5参照)で示される光路に対応する視点から映像表示装置100を見た場合でも、その視聴者の視線がスペーサ部材40の内側面によって妨げられるのを抑制することができるので、視聴者に違和感を与えるのを抑制することができる。
ここで、図5を参照して、本実施形態による映像表示装置100から出力される映像の見え方について説明する。図5に示すように、映像表示装置100の映像表示部10は、拡大も縮小もされていない通常の映像が出力される通常領域R1と、光学素子30の拡大率に対応する縮小率で縮小された映像(縮小映像)が出力される縮小領域(外周領域)R2とを有する。なお、図5の二点鎖線は、光学素子30を介して視聴者が視認する映像(虚像)を示している。
図5に示すように、光学素子30(拡大率をmとする)は、縮小領域R2から出力される縮小映像を、光学素子30よりも大きい幅を有する虚像V1として拡大する。ここで、本実施形態では、縮小領域R2の幅(α+β+γ)は、光学素子30の全体の長さd2よりも小さい。これにより、一例として、視聴者が光学素子30の内側(枠部20とは反対側)の端部に対して角度θ1だけ内側の視点P1から映像表示装置100を覗き込んだ場合でも、その視聴者には縮小映像(縮小領域R2)ではなく通常の映像(通常領域R1)が視認されるので、視聴者に違和感を与えるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、縮小領域R2に対応する虚像V1の幅(m×(α+β+γ))は、光学素子30の全体の長さd2よりも大きい。これにより、一例として、視聴者が光学素子30の内側の端部に対して角度θ2だけ外側(枠部20側)の視点P2から映像表示装置100を見た場合でも、その視聴者には通常の映像(通常領域R1)が拡大された映像(虚像V2)ではなく縮小映像(縮小領域R2)が拡大された映像(虚像V1)が視認されるので、視聴者に違和感を与えるのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、虚像V1は、映像表示装置100の外側(枠部20側)の端部よりも外側にはみ出した領域R3を有する。そして、この領域R3に対応する縮小領域R2の一部の領域R4には、隣接する映像表示装置100の枠部20側の端部近傍に表示される映像と重複する映像(重複映像)が縮小された状態で出力されている。以下では、この領域R4を重複領域とよぶ。これにより、一例として、複数の映像表示装置100により構成されたタイリングディスプレイ1000(図1参照)を視聴者が見た場合でも、領域R3において重複映像を視認可能な分、映像表示装置100の境界部分において視聴者に違和感を与えるのを抑制することができる。すなわち、一例として、視聴者が光学素子30の外側の端部に対して角度θ3だけ内側(枠部20とは反対側)の視点P3から映像表示装置100を見た場合でも、視聴者に破綻のない映像を視認させることができる。
以下、視聴者に破綻のない映像を視認させるための光学系の一例について式を用いてより詳細に説明する。
まず、光学素子30の拡大率mは、光学素子30の光軸l1に対して外側(枠部20側)の部分の長さをd3とすると、縮小領域R2の光軸l1に対して外側の領域のうち重複領域R4を含まない領域R5の長さβに基づいて、下記の式(1)で表される。
m=d3/β…(1)
そして、枠部20の幅をWとし、重複領域R4の長さをαとすると、枠部20を視聴者に視認させないようにする(光学素子30を覆うような虚像V1を視聴者に視認させる)ための上記長さd3は、下記の式(2)で表される。
d3=β+α+W…(2)
この場合において、たとえばd3=m×βの条件を満たす場合には、少なくとも正面側(Z方向の一方側:図5では上側)から見た場合に枠部20が視認されない。また、本実施形態では、長さαの重複領域R4を設けることによって、一例として、光学素子30の外側の端部に対して角度θ3だけ内側(枠部20とは反対側)の視点P3まで、視聴者に破綻のない映像を視認させることができる。
また、光学素子30の焦点距離をfとすると、映像表示部10と光学素子30との間の距離Aは、下記の式(3)で表される。
A=f((β/d3)−1)=f(1/m−1)…(3)
この時、虚像V1が視認される距離Bは、下記の式(4)で表される。
B=A(d3/β)=m×A…(4)
この場合において、重複領域R4が視認される角度θ3は、下記の式(5)で表される。
tan(θ3)=−(α/B)×(d3/β)=−(α/B)×m…(5)
ここで、仮に、|θ3|=|θ2|=|θ1|の条件を満足するようにした場合には、通常領域R1のうち、光学素子30の背面に位置する部分の幅a1と、この幅a1を有する部分に隣接する部分の幅a2との関係は、下記の式(6)で表される。
|a1|=|a2|…(6)
そして、これらの幅a1およびa2と、縮小領域R2の光軸l1に対して内側(枠部20とは反対側)の領域R6の長さγとの関係は、下記の式(7)で表される。
|m|×γ=γ+a1+|m|×a2=γ+a1+|m|×a1…(7)
また、上記幅a1と、光学素子30と映像表示部10との距離Aとの間には、下記の式(8)の関係が成立する。
|a1|=|A|×tan|θ1|=|A|×tan|θ3|…(8)
そして、上記の式(7)と式(8)とから、下記の式(9)が導き出される。
γ=|A|×tan|θ3|×(1+|m|)/(|m|−1)…(9)
上記の式(9)により、角度θ3(θ1、θ2)の視点P3(P1、P2)で映像表示装置100を見た場合に視聴者に破綻の無い映像を視認させるための縮小領域R2の光軸l1に対して内側の領域R6の長さγを計算することができる。
次に、スペーサ部材40の第1傾斜面40aが視聴者に視認されるのを抑制することが可能な第1傾斜面40aの傾斜角度θ1についてより詳細に説明する。
一般に、ハイビジョンの放送規格は、16:9のアスペクト比を有し、この16:9のアスペクト比を有する映像が表示される映像表示装置では、視聴者と映像表示装置とは、映像表示装置の上下方向の幅の3倍の距離(いわゆる3Hの距離)だけ離れているのが標準的であるとされている。この場合、水平方向の画角は±約16度となるとともに、上下方向の画角は±約9度となる。
したがって、本実施形態では、上記傾斜角度θ1を少なくとも9度以上に設定する必要がある。すなわち、フルハイビジョンの放送規格に則った視聴環境の場合では、上記傾斜角度θ1を少なくとも9度以上に設定すれば、視聴者が上下方向から角度をつけて映像表示部10の映像を視聴した場合でも、スペーサ部材40の内側面(第1傾斜面40a)が視認されにくくなる。なお、本実施形態では、一例として、上記傾斜角度θ1を16度以上に設定すれば、視聴者が水平方向から角度をつけて映像表示部10の映像を視聴した場合も含めて、スペーサ部材40の第1傾斜面40aが視聴者に視認されるのを抑制することができる。
次に、図6〜図12を参照して、本実施形態による映像表示装置100のスペーサ部材40の詳細な構成(形状)の一例について説明する。
図6に示すように、スペーサ部材40は、映像表示部10を囲む枠部20に対応する枠状に形成されている。また、スペーサ部材40は、映像表示部10の長辺10aに対応するように設けられた一対の第1スペーサ部材41と、映像表示部10の短辺10bに対応するように設けられた一対の第2スペーサ部材42とに分割可能に構成されている。このように構成すれば、一例として、スペーサ部材40が一体の枠状の部材として設けられる場合と異なり、成形加工によって形成しやすい形状の第1スペーサ部材41および第2スペーサ部材42を用いて、容易に、スペーサ部材40を枠状に構成することができる。
なお、図6および図7に示すように、第1スペーサ部材41は、映像表示部10の長辺10aの延びる方向(X方向)に沿って延びるように構成されている。また、図6および図10に示すように、第2スペーサ部材42は、映像表示部10の短辺10bの延びる方向(Y方向)に沿って延びるように構成されている。ここで、第1スペーサ部材41のX方向に沿った長さW2は、第2スペーサ部材42のY方向に沿った長さW3よりも長くなるように設定されている。
また、図6および図8に示すように、スペーサ部材40を構成する第1スペーサ部材41の枠部20とは反対側の内側面には、上記第1傾斜面40aとしての第1傾斜面41aが設けられている。また、図6および図11に示すように、スペーサ部材40を構成する第2スペーサ部材42の枠部20とは反対側の内側面にも、上記第1傾斜面40aとしての第1傾斜面42aが設けられている。
ここで、上記で説明したように、16:9のアスペクト比を有する映像が表示される映像表示装置では、水平方向の画角は±約16度となるとともに、上下方向の画角は、水平方向の画角よりも小さい±約9度となるのが標準的である。このため、本実施形態では、上下方向(Y方向)の両側に設けられる第1スペーサ部材41の第1傾斜面41aの傾斜角度θ11(図8参照)は、水平方向(X方向)の両側に設けられる第2スペーサ部材42の第1傾斜面42aの傾斜角度θ12(図11参照)よりも小さくなるように設定されている。
すなわち、本実施形態では、図8に示した第1傾斜面41aのZ方向の両端部(点Q11およびQ12参照)間のY方向の幅d4は、図11に示した第1傾斜面42aのZ方向の両端部(点Q21およびQ22参照)間のX方向の幅d5よりも小さくなるように設定されている。上記で説明したように、視聴者が映像表示装置100を見る際のY方向の視野角は、X方向の視野角よりも小さいので、このように設定すれば、一例として、第1スペーサ部材41の第1傾斜面41aと第2スペーサ部材42の第1傾斜面42aとが視聴者に視認されるのをより効果的に抑制することができる。
図6に示すように、第2スペーサ部材42は、映像表示部10および枠部20の上端部と下端部とを覆うように、映像表示部10および枠部20の上端部と下端部との間でY方向に延びるように設けられている。また、第1スペーサ部材41は、一対の第2スペーサ部材42の間でX方向に延びるように設けられている。
ここで、図6、図7および図9に示すように、第1スペーサ部材41の第2スペーサ部材42側の両端部(X方向の両端部)には、第2スペーサ部材42の第1傾斜面42aに対応する第2傾斜面41bが設けられている。この第2傾斜面41bは、第2スペーサ部材42の第1傾斜面42aと等しい傾斜角度θ12を有するように構成されている。このように構成すれば、一例として、第1スペーサ部材41の端部に設けられた第2傾斜面41bと、第2スペーサ部材42の第1傾斜面42aとを互いに当接させることができるので、第1スペーサ部材41と第2スペーサ部材42とを隙間なく接続することができる。なお、本実施形態では、図6、図10および図12に示すように、第2スペーサ部材42の両端部(Y方向の両端部)には、上記第1スペーサ部材41の第2傾斜面41bのような傾斜面は設けられていない。
また、本実施形態では、映像表示部10に出力される映像(図5に示した通常領域R1および縮小領域R2に出力される映像)と、光学素子30により拡大されて表示される虚像(図5に示した虚像V1およびV2)とが互いに同一面上に位置するように、スペーサ部材40の厚みが設定されている。
以下、スペーサ部材40の厚みをTとして、この厚みTが満たす関係式について説明する。
上記の式(4)に示したように、光学素子30の拡大率をmとすると、虚像が視認される距離Bと、映像表示部10と光学素子30との間の距離Aとの間には、下記の式(10)が成立する。
B=m×A…(10)
また、スペーサ部材40の屈折率をnとすると、スペーサ部材40の厚みTは、上記の距離Aに基づいて、下記の式(11)で表される。
T=n×A…(11)
上記の式(10)および(11)により、光学素子30の拡大率mと、スペーサ部材40の屈折率nとが互いに等しい場合に、虚像が視認される距離Bと、スペーサ部材40の厚みTとが互いに等しくなる。つまり、映像表示部10に出力される映像と、光学素子30により拡大されて表示される虚像とが互いに同一面上に位置することになる。
ここで、上記の式(3)により、映像表示部10と光学素子30との間の距離Aは、光学素子30の焦点距離fに基づいて、下記の式(12)で表される。
A=f(1/m−1)…(12)
そして、上記の式(11)および(12)により、スペーサ部材40の厚みTは、光学素子30の焦点距離fに基づいて、下記の式(13)で表される。
T=n×f(1/m−1)…(13)
ここで、光学素子30の拡大率mと、スペーサ部材40の屈折率nとが互いに等しい場合には、上記の式(13)は、下記の式(14)に書き換えられる。
T=f(n−1)…(14)
上記の式(14)を満足するようにスペーサ部材40の厚みTを設定すれば、一例として、映像表示部10に出力される映像と、光学素子30により拡大されて表示される虚像とが互いに同一面上に位置するようにすることができ、視聴者に破綻のない映像を違和感なく視認させることができる。
以上説明したように、本実施形態では、映像表示部10(枠部20)と光学素子30との間にスペーサ部材40が設けられており、スペーサ部材40の光学素子30と映像表示部10との間に位置する内側面には、光学素子30側から映像表示部10側に向かうにしたがって枠部20側に傾斜する第1傾斜面40aが設けられている。これにより、一例として、スペーサ部材40の内側面に第1傾斜面40aが設けられている分、スペーサ部材40が視聴者に視認されるのを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、上記実施形態では、4個の映像表示装置により構成されたタイリングディスプレイに本発明を適用する例を示したが、本発明は、単体で使用する映像表示装置にも適用可能である。また、本発明は、2個以上3個以下の映像表示装置により構成されたタイリングディスプレイにも適用可能であるし、5個以上の映像表示装置により構成されたタイリングディスプレイにも適用可能である。
また、上記実施形態では、4個の映像表示装置の各々の4辺全てに対応するように光学素子を設ける例を示したが、他の実施形態として、図13に示す変形例のように、4個の映像表示装置200により構成されるタイリングディスプレイ2000のうち、隣接する2個の映像表示装置200の境界部分にのみ光学素子230を設けてもよい。この変形例では、タイリングディスプレイ2000の内側の十字形状の部分に位置する枠部20は視認されにくくなる一方、タイリングディスプレイ2000の外側の矩形形状の部分に位置する枠部20は視認されやすくなる。
また、上記実施形態では、光学素子とスペーサ部材とが互いに別個に形成された例を示したが、他の実施形態として、光学素子とスペーサ部材とが互いに一体的に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、スペーサ部材が第1スペーサ部材と第2スペーサ部材とに分割可能に構成された例を示したが、他の実施形態として、スペーサ部材が分割不可能な1個の部材により構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1スペーサ部材の第1傾斜面の傾斜角度が第2スペーサ部材の第1傾斜面の傾斜角度よりも小さくなるように設定された例を示したが、他の実施形態として、第1スペーサ部材の第1傾斜面の傾斜角度と第2スペーサ部材の第1傾斜面の傾斜角度とが互いに等しくなるように設定されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1スペーサ部材の端部に第2傾斜面を設け、この第2傾斜面と第2スペーサ部材の第1傾斜面とを当接させる例を示したが、他の実施形態として、第2スペーサ部材の端部に第2傾斜面を設け、この第2傾斜面と第1スペーサ部材の第1傾斜面とを当接させてもよい。
また、上記実施形態では、リニアレンズとサーキュラレンズとの組み合わせにより光学素子を構成する例を示したが、本発明では、これら以外の光学系を用いてもよい。
また、上記実施形態では、光軸に対して両側(枠部側および枠部とは反対側)に延びる光学素子を用いる例を示した、他の実施形態として、図14に示した変形例のように、光軸l11に対して枠部20とは反対側に延びる部分を有しない光学素子330を用いてもよい。
この図14に示した変形例においても、上記実施形態と同様に、枠部20と、縮小領域R12に出力された縮小画像が光学素子330により拡大されて構成された虚像V11とが互いにオーバーラップしているので、視聴者に枠部20が視認されるのを抑制することができる。また、この変形例においても、上記実施形態と同様に、枠部20とは反対側のスペーサ部材340の内側面が、枠部10とは反対側の縮小領域R12の端部(通常領域R11との境界部分:点Q31参照)と、枠部20とは反対側の光学素子330の端部(点Q32参照)とを結ぶ光路(直線l12参照)に一致するような傾斜面340aにより構成されているので、視聴者にスペーサ部材340が視認されるのを抑制することができる。

Claims (9)

  1. 映像が表示される映像表示部と、前記映像表示部の外縁部に設けられた枠部とを含む表示部と、
    前記映像表示部内において前記外縁部側に設けられた外縁領域と前記枠部とを覆うように設けられ、前記外縁領域から出力される映像を前記枠部側に拡大する光学素子と、
    前記映像表示部および前記枠部と前記光学素子との間に設けられ、前記光学素子と前記映像表示部との間に位置する内側面に、前記光学素子側から前記映像表示部側に向かうにしたがって前記枠部側に傾斜する第1傾斜面が設けられたスペーサ部材とを備える、映像表示装置。
  2. 前記第1傾斜面は、前記光学素子のうち前記内側面側の端部と、前記外縁領域のうち前記内側面側の端部とを結ぶ光路に一致するような傾斜角度で傾斜するように設けられている、請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記第1傾斜面は、前記スペーサ部材の内側面のうち前記光学素子側の端部から前記映像表示部側の端部まで延びるように設けられている、請求項1に記載の映像表示装置。
  4. 前記映像表示部と前記光学素子とは、互いに平行に延びるように設けられており、
    前記映像表示部は、長辺および短辺を有する長方形形状に形成されており、
    前記スペーサ部材は、前記映像表示部の長辺および短辺に対応するように設けられており、
    前記長辺に対応する前記スペーサ部材の前記第1傾斜面の、前記映像表示部および前記光学素子に直交する方向に対する傾斜角度は、前記短辺に対応する前記スペーサ部材の前記第1傾斜面の、前記映像表示部および前記光学素子に直交する方向に対する傾斜角度以下に設定されている、請求項1に記載の映像表示装置。
  5. 前記映像表示部は、第1方向に延びる第1の辺と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる第2の辺とを有する矩形状に形成されており、
    前記スペーサ部材は、前記第1の辺に対応するように設けられた第1スペーサ部材と、前記第2の辺に対応するように設けられた第2スペーサ部材とに分割可能に構成されている、請求項1に記載の映像表示装置。
  6. 前記第1スペーサ部材は、一対の前記第2スペーサ部材の間で延びるように設けられており、
    前記第2スペーサ部材側の前記第1スペーサ部材の端部には、前記第2スペーサ部材の前記第1傾斜面に対応するように傾斜した第2傾斜面が設けられている、請求項5に記載の映像表示装置。
  7. 前記映像表示部に出力される映像と、前記光学素子により拡大されて表示される虚像とが互いに同一面上に位置するように、前記スペーサ部材の厚みが設定されている、請求項1に記載の映像表示装置。
  8. 前記映像表示部および前記光学素子は、互いに平行に延びるように設けられており、
    前記光学素子および前記映像表示部に対して直交する方向に対する前記第1傾斜面の傾斜角度は、9度以上に設定されている、請求項1に記載の映像表示装置。
  9. 前記映像表示部は、前記外縁領域に、前記光学素子の拡大率に対応する縮小率で縮小された映像を出力するように構成されている、請求項1に記載の映像表示装置。
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