JP5652092B2 - ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池 - Google Patents

ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5652092B2
JP5652092B2 JP2010222072A JP2010222072A JP5652092B2 JP 5652092 B2 JP5652092 B2 JP 5652092B2 JP 2010222072 A JP2010222072 A JP 2010222072A JP 2010222072 A JP2010222072 A JP 2010222072A JP 5652092 B2 JP5652092 B2 JP 5652092B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
solar cell
molecular structure
chain
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010222072A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012079832A (ja
Inventor
明 殷
明 殷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2010222072A priority Critical patent/JP5652092B2/ja
Publication of JP2012079832A publication Critical patent/JP2012079832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5652092B2 publication Critical patent/JP5652092B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、光電変換能を有する有機薄膜とその製造法、太陽光発電装置やシステムなどに有用な光電変換素子に関する。
近年、地球環境保護や温暖化防止に対する意識が非常に高くなってきている。地球温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の排出を抑制するため、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料の利用を削減することが最も重要である。一方、人類の生活活動の拡大に伴いエネルギーに対する需要がますます大きくなっているが、現在エネルギー源として普及している化石燃料やウランなどは何れも資源が有限であるため、将来その資源量が減っていくと考えられる。エネルギーを確保するため、これらの枯渇性エネルギーの代わりに、再生可能エネルギーの開発が必須となっている。太陽光エネルギーは、クリーンで無尽蔵の太陽光を利用するため、再生可能エネルギーの中で最も注目されて、近年太陽光発電の市場が急速に拡大している。
現在、太陽光発電は単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機物が使用されている。しかし、無機半導体を用いて製造される太陽電池は、火力発電や原子力発電などに比べて発電コストが高い。一般家庭に広く普及するためには、より安価に製造できる太陽電池の開発が要求される。
低コスト化可能な太陽電池として、色素増感型や有機薄膜型といった有機系太陽電池が検討されている。しかし、色素増感型は電解質の固体化が課題となっている。低分子電子供与性有機半導体と低分子電子受容性有機半導体、又は、共役系導電性重合体を用いる有機薄膜太陽電池はロールツウロール法などの安価なプロセスで大面積に作製することが可能とされ、製造コストが安く、軽量で低発電コストの次世代太陽電池として期待されている。特に共役系導電性高分子を使用する高分子型の有機薄膜太陽電池は、蒸着プロセスを使わずウェット塗布によって製造することができ、太陽電池の製造コストがより安くできると考えられる。しかし、従来の無機半導体に比べ光電変換効率がまだ低く実用化に至っていない。
有機薄膜型光電変換素子として、1986年にTangらは、電子供与性有機半導体(p型有機半導体、ドナー)として銅フタロシアニンと電子受容性有機半導体(n型有機半導体、アクセプター)としてペリレンを用いた平面pn接合型の構成を初めて考案し、1%を越す変換効率の太陽電池ができたと発表した(非特許文献1)。しかし、このような平面pn接合型の素子において、光電変換はpnの界面でしか行われず、照射された光のごく一部しか電気に変換されていない。その後、p型有機半導体とn型有機半導体をブレンドしたバルクヘテロ接合型の有機薄膜光電変換素子が提案され、変換効率をさらに向上することができた(非特許文献2)。
バルクへテロ接合型は、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体が相分離して広範囲に渡って均一に界面が形成された構造で、平面pn接合型に比べて、光誘起キャリアの発生の増大を図ったものである。その中、特にp型誘起半導体としてポリフェニレンビニレン(PPV)やポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)などの導電性高分子を用いて、n型誘起半導体としてPCBMのようなフラーレン誘導体を混合して製作したバルクへテロ接合型有機薄膜光電変換素子が最も良好な特性を示している。しかし、このようなベルクへテロ接合構造においては、電子供与体と電子受容体とが至るところに存在するため、発生した電子がホールの経路である電子供与体にぶつかってホールと再結合する、逆に発生したホールが電子の経路である電子受容体にぶつかって電子と再結合するなどして失われてしまう。つまり、発生した光キャリアが電極に移動するための経路が整備されていないため、結果として薄膜中のキャリア移動度が低く、電極から取り出せる光電流が不十分である。
このような問題を解決するためには、薄膜中のナノスケール構造を精密に制御することで、発生した光キャリアが電極に移動するための経路を整備することが重要であると考えられる。この種の手法として、例えば特許文献1のように、導電性高分子のブロック共重合体のナノ相分離が提案されている。特許文献1は、ホール伝導性或いは電子伝導性有機高分子鎖からなるジブロック共重合体またはトリブロック共重合体からナノ相分離構造を形成する方法を開示した。このような方法は、両成分の単なる混合に比べて、相分離の効率が改善され、ナノレベルの相分離構造が実現可能で、しかもナノ相分離の安定性が十分得られると思われる。しかし、ナノ相分離構造を一定方向に配向させる相分離構造の精密な制御を実現するには不十分であった。また、特許文献1の実施例に示されたブロック共重合体は、ホール輸送性または電子輸送性の分子構造が側鎖として高分子鎖と結合しており、高分子主鎖が共役性構造になっていないため、電荷移動性が充分に得られなかった。
また、特許文献2は、電子供与性のポリフェニレンビニレンの分子構造を有するポリマーユニットと電子受容性のフラーレン誘導体分子構造を有するポリマーユニットからなる2元ブロック共重合体、または、それに電子供与性のペリレン分子構造を有するポリマーユニットを加えた3元ブロック共重合体を用いて、これらのブロック共重合体がミクロ相分離構造のドメイン構造を形成することを開示している。特許文献2が開示した方法では、共役系ブロック共重合体を用いることで、導電性が改善されている。また、電子供与体と電子受容体のそれぞれのドメインサイズを小さくすることで、光励起子からフリーキャリアを生成する電荷分離の効率が向上している。しかし、電荷分離したキャリアについて電極までの移動経路の整備は充分ではなかった。
特許第4043135号明細書 特許第4126019号明細書
C.W.Tang、Appl.Phys.Lett.,48(1986)183−185 N.S. Sariciftci,etc.,Appl.Phys.Lett.,62(1993)585−587
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、キャリア発生効率とキャリア移動効率の高い光電変換能を有する光電変換素子、及び有機薄膜太陽電池とその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下の構成を提供する。
本発明の請求項1に係る発明は、下記化学式1の構造を有するπ電子共役系分子構造を持つ導電性高分子鎖と液晶性高分子鎖から構成されるブロック共重合体であって、前記液晶性高分子鎖は、高分子の主鎖中に側鎖として、液晶性分子構造が結合されていることを特徴とするブロック共重合体である。
Figure 0005652092

本発明の請求項2に係る発明は、前記モノマーdと前記モノマーbのモル比が2/8〜8/2であることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記ブロック共重合体のスチレン換算分子量が1000〜1000000であることを特徴とする請求項1または2に記載のブロック共重合体である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3いずれかに記載のブロック共重合体を用いたことを特徴とする太陽電池である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記光電変換層と組合わせて使用される有機半導体が、フラーレン誘導体を含むことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池である。
本発明の請求項6に係る発明は、p型有機半導体として、請求項1〜3の何れかに記載のブロック共重合体を用い、n型有機半導体として、請求項5に記載のフラーレン誘導体を用いることを特徴とする太陽電池である。
バルクへテロ接合型の有機薄膜太陽電池において、導電性高分子として液晶性分子構造が導入された液晶性高分子鎖を備えたブロック共重合体を用いることで、配向秩序を有する規則的なナノ相分離構造を形成することができる。よって、光誘起された電荷の薄膜中の移動効率が改善され、結果として有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上することができる。
本発明に係るフラーレン誘導体の例 本発明に係る有機薄膜太陽電池の構造の例を示す模式図
化学式1は、本発明に係るブロック共重合体の模式図である。化学式1中のdはπ電子共役系分子構造を有する高分子鎖Dの繰り返し単位を構成するモノマーを表し、mは重合度を表す自然数である。bは液晶性高分子鎖Lの繰り返し単位を構成するモノマーを表し、nは重合度を表す自然数である。Xは、液晶性分子構造を示す。化学式1及び2は、ブロック共重合体の一部分を示す。
Figure 0005652092
本発明に係るブロック共重合体においては、化学式1に示すように、π電子共役系分子構造を有する導電性高分子鎖Dと、液晶性を有する高分子鎖Lから構成されている。さらに、本発明に係るブロック共重合体においては、液晶性分子構造Xを有する。液晶性分子構造Xは、ブロック共重合体の配向性を高めるために、特に側鎖に結合することが好ましい。
化学式2は、本発明に係るブロック共重合体の一例である。π電子共役系分子構造を持ち、電子供与性を有する高分子鎖Dがポリチオフェン骨格であり、液晶性を有する高分子鎖Lが液晶性分子構造を側鎖に持つメタクリル酸エステルモノマーの重合体である。液晶性分子構造Xはメソゲン基としてのシアノビフェニルとスペーサーとしての−O(CHO−から構成されている。
Figure 0005652092
ただし、RはH、又は、直鎖または分岐したアルキル基を示す。溶解性と結晶性から、炭素数が4〜10の直鎖アルキル基が好ましい。
π電子共役系分子構造を有する高分子鎖Dとしては、電子供与性の分子構造を有するものが好ましい。例えば、PPV、MEH−PPVなどのポリパラフェニレンビニレン誘導体、PPP、RO−PPPなどのポリパラフェニレン誘導体、P3HTなどのポリチオフェン誘導体、フルオレン誘導体、ポリアニレン、ポリピロールなどが挙げられる。
液晶性を有する高分子鎖Lとしては、主鎖に液晶性分子構造Xを備える場合と、側鎖に液晶性分子構造Xを備える場合とがあるが、本発明のブロック共重合体では側鎖に液晶性分子構造Xを備えた側鎖型液晶ポリマー骨格であるのが好ましい。側鎖型液晶ポリマーが備える液晶性分子構造Xとしては、骨格鎖にスペーサー(骨格鎖と側鎖メソゲン基との間に入った屈曲性の分子鎖)を介してメソゲン基がついた間接結合型が一般的であり、メソゲン基としては芳香族環が主である。その他にメソゲン基としては直線性のビフェニル、方向族ポリエステル分子構造、芳香族アゾ分子構造、ニトリル基を有するフェニル基などが挙げられる。また、メソゲン基と骨格とをつなぐスペーサーの部分は−(CH−、−(CHCHO)−、などである。
ブロック共重合体の構造としては、電子供与性分子構造を有する高分子鎖と液晶性を有する高分子鎖からなるAB型ジブロック、またはABA型、BAB型などのトリブロック共重合体、あるいは、そのマルチブロック共重合体などの構造を取りうる。
ブロック共重合体の合成法の一例を以下に述べる。
ポリチオフェンのようなπ共役系高分子の合成は、原料の入手しやすさと反応操作の簡便さから、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Grignard試薬を用いる反応、Stille反応を用いる方法、Ni(0)触媒を用いる方法等が挙げられる。このように合成された共役系高分子の末端を官能基化し、メタクリル酸エステルなど第2のモノマーを添加し、第2段重合反応をさせると、本発明のπ共役系高分子と第二のモノマーによる高分子との汎用高分子ブロック共重合体を合成することができる。例えば、π共役系高分子のビニルまたはアリル末端ポリチオフェンをヒドロホウ素化によってヒドロキシ末端とした後、エステル化によって原子移動ラジカル重合(ATRP)開始部位とし、これをマクロ開始剤としてポリアクリル酸エステルやポリメタクリル酸エステルなどとのブロック共重合体を合成することができる。また、リビングラジカル重合法であるニトロキシド媒介重合(NMP)や可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)重合の開始部位をポリチオフェン末端に導入して、これを開始剤としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン誘導体のような2重結合を有するモノマーとのブロック共重合体を合成することができる。
ブロック共重合体は、引用文献1で示した特許第4043135号に開示されているように、様々な二次元又は三次元のナノ相分離構造を取ることが知られている。形成されるナノ相分離構造は、ブロック共重合体のブロック比率によって変化する。本発明に係るブロック共重合体によれば、ブロック共重合体の主鎖又は側鎖に液晶性分子構造が結合しているため、液晶性分子構造が自己組織化的に配向することにより、ブロック共重合体がナノ相分離を生じ、配向秩序を有する規則なナノ相分離構造を有する有機薄膜を容易に形成することができる。このため、極めて配向性の高い電子受容性分子構造ドメイン及び電子供与性分子構造ドメインの界面を形成でき、キャリア発生効率とキャリア移動効率の高い光電変換能を有する有機薄膜とすることができる。ブロック共重合体のブロック比率としては、モノマーdとモノマーbのモル比が2/8〜8/2であることが好ましい。
ブロック共重合体の分子量は、スチレン換算分子量で1、000〜1、000、000が好ましい。分子量が1、000未満の場合は、ドメインの形成ができず、一方、分子量が1、000、000を超えると、溶解性が極端に低下するためである。ブロック共重合体の分子量は、10,000〜100,000がさらに好ましい。
有機半導体分子材料としては電子受容性を備えたものが好ましく、ピラジン、キノキサリン、フェナントロリン、チアゾール、フラーレン誘導体、ハロゲン基、シアノ基、アシル基などの電子吸引基の導入したチオフェン構造高分子鎖やピロール構造高分子鎖などが挙げられる。フラーレン誘導体は特に好ましい。図1に示す化合物3から5は、その幾つの例を示している。
本発明に使用するフラーレン誘導体は、市販品を使用することができる。例えば、カーボンフロンテア社のフラーレンC60、C70、とそれらの誘導体[60]PCBM (phenyl C61−butyric acid methyl ester)、[70]phenyl C71−butyric acid methyl ester)PCBMなどが挙げられる。
有機薄膜の形成方法は、特に制限されず、例えば、本発明に係るブロック共重合体と有機半導体分子材料を溶媒に溶解してこれを基板に塗布しての成膜による方法が挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明に係るブロック共重合体及び本発明で用いることのできる有機半導体分子材料を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、テrt−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒等が挙げられる。本発明の高分子化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
有機薄膜を溶液から成膜するには、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
有機薄膜を有機薄膜太陽電池に用いる場合は、当該有機薄膜は後に述べるように機能性層の一部である活性層として配置される。このときは、有機薄膜は少なくとも正極層が設けられた基板の上に塗布される。
上記塗膜を80〜150℃で加熱してアニールすることで、本発明の有機薄膜を形成することができる。加熱時間は1〜20分程度が好ましい。加熱の方法は特に限定されないが、例えばオーブン、赤外線などを使用すればよい。後述の有機薄膜太陽電池に本発明の有機薄膜を用いる場合、アニール後の膜厚を5〜1000nm程度とすることが好ましい。10〜100nmがさらに好ましい。
次に本発明の有機薄膜を用いた光電変換素子の一種である有機薄膜太陽電池について説明する。
図2は、本発明に係る有機薄膜太陽電池の構造の一例を示す模式図である。図2では、基板11上に、正極層12、正極バッファー層13、正孔移動層14、活性層15、負極バッファー層16、負極層17の順に積層されている。このうち、正極層と負極層との間の層を機能性層と呼ぶ。本発明の有機薄膜太陽電池の層構成としてはこれに限られず、少なくとも正極層12と負極層17の間に設けられた機能性層の構成として、活性層15を備えていればよく、当該活性層として上述の有機薄膜が積層され、正極層−負極層間でキャリア移動を生じる構造となっていれば良い。
基板11としては、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のプラスチックフィルムやシート、又は、これらプラスチックフィルムにバリア層を設けたものを用いることができる。なお基板に近い側の電極を正極とする場合には、正極側から光を入射させるために透光性基板とすることが好ましい。
正極層12としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物等の透明電極を用いることができる。形成方法としてはスパッタ法や抵抗加熱法等の真空蒸着法など公知の成膜法で形成することができる。膜厚は、50nm程度が好ましい。
正極層12上に機能性層を積層する。正極層12と負極層17の間に積層される機能性層としては、必要に応じて、正孔移動層、電子移動層、正極バッファー層、負極バッファー層、活性層などを設けることができる。例えば正孔移動層としては、PEDOT:PSSを膜厚50〜100nm積層して用いることができる。電子移動層としては、LiF、Liや酸化リチウムなどを数nmの厚みで積層して用いることができる。本発明のブロック共重合体を含む活性層は、正極層上に、あるいは正極層の上に正極バッファー層や正孔移動層を設けた上に、まずブロック共重合体を有機溶媒に溶かして塗布し、得られた塗膜をアニールしてナノ相分離構造とし、この上に有機半導体分子材料を積層して設けることができる。これらの機能性層は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、スピンコートグラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いて形成することができる。
活性層の上に、あるいは必要に応じて負極バッファー層などを設けた上に負極層を形成する。負極層としては、電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いることができる。具体的にはMg、Al、Ybなどを膜厚50〜100nm積層して用いることができる。形成方法としてはスパッタ法や抵抗加熱法等の真空蒸着法など公知の成膜方法で形成することができる。
以上のようにして本発明の有機薄膜太陽電池を得ることができる。
10・・・有機薄膜太陽電池
11・・・基板
12・・・正極層
13・・・正極バッファー層
14・・・正孔移動層
15・・・活性層
16・・・負極バッファー層
17・・・負極層

Claims (6)

  1. 下記化学式1の構造を有するπ電子共役系分子構造を持つ導電性高分子鎖と液晶性高分子鎖から構成されるブロック共重合体であって、前記液晶性高分子鎖は、高分子の主鎖中に側鎖として、液晶性分子構造が結合されていることを特徴とするブロック共重合体。
    Figure 0005652092


    ただし、Dはπ電子共役系分子構造を有する高分子鎖の繰り返し単位、dは、Dを構成するモノマー、
    Lは液晶性高分子鎖の繰り返し単位、bは、Lを構成するモノマー、
    Xは液晶性分子構造、m、nは重合度を表す自然数である。
  2. 前記モノマーdと前記モノマーbのモル比が2/8〜8/2であることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体。
  3. 前記ブロック共重合体のスチレン換算分子量が1000〜1000000であることを特徴とする請求項1または2に記載のブロック共重合体。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のブロック共重合体を用いたことを特徴とする太陽電池。
  5. 前記光電変換層と組合わせて使用される有機半導体が、フラーレン誘導体を含むことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
  6. p型有機半導体として、請求項1〜3のいずれかに記載のブロック共重合体を用い、n型有機半導体として、請求項5に記載のフラーレン誘導体を用いることを特徴とする太陽電池。
JP2010222072A 2010-09-30 2010-09-30 ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池 Expired - Fee Related JP5652092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010222072A JP5652092B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010222072A JP5652092B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012079832A JP2012079832A (ja) 2012-04-19
JP5652092B2 true JP5652092B2 (ja) 2015-01-14

Family

ID=46239753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010222072A Expired - Fee Related JP5652092B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5652092B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013015411A1 (ja) * 2011-07-28 2015-02-23 旭硝子株式会社 光電変換素子およびその製造方法
FR3014888B1 (fr) * 2013-12-13 2017-05-26 Arkema France Procede permettant la creation de structures nanometriques par l'auto-assemblage de copolymeres a blocs
KR20150083006A (ko) 2014-01-08 2015-07-16 주식회사 엘지화학 플러렌 유도체 및 플러렌 유도체를 포함하는 유기 전자 소자

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1187064A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Mitsubishi Electric Corp 光電変換素子
JP4945885B2 (ja) * 2004-03-31 2012-06-06 大日本印刷株式会社 有機半導体材料、有機半導体装置、装置、及び有機半導体構造物の製造方法
GB0407661D0 (en) * 2004-04-03 2004-05-05 Univ Hull Liquid crystalline interpenetrating polymer networks
CN101529610B (zh) * 2006-06-13 2013-01-02 普雷克托尼克斯公司 包含富勒烯及其衍生物的有机光伏器件
ES2524253T3 (es) * 2006-07-06 2014-12-04 Solenne B.V. I.O. Mezclas de derivados de fullereno y usos de las mismas en dispositivos electrónicos

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012079832A (ja) 2012-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yassar et al. Rod–coil and all-conjugated block copolymers for photovoltaic applications
He et al. Conjugated rod–coil and rod–rod block copolymers for photovoltaic applications
JP4981672B2 (ja) 光電池におけるヘテロ原子位置規則性ポリ(3−置換チオフェン)
JP5494651B2 (ja) 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池および光センサアレイ
JP5655568B2 (ja) 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ
JP5034818B2 (ja) 有機光電変換素子
JP5742705B2 (ja) 有機光電変換素子
JP6015672B2 (ja) 有機光電変換素子
JP5845937B2 (ja) 有機光電変換素子
JP2010062550A (ja) 光電変換素子
JP5652092B2 (ja) ブロック共重合体及びそれを用いた太陽電池
JP2014034618A (ja) 有機薄膜及びそれを用いた光電変換素子
WO2010090123A1 (ja) 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池、及び光センサアレイ
JP2012182439A (ja) 有機光電変換素子
JP2010080908A (ja) 有機光電変換素子およびその製造方法
JP4803146B2 (ja) 有機薄膜太陽電池
JP2008106239A (ja) 有機光電変換素子及びその製造に有用な重合体
JP5825134B2 (ja) 有機光電変換素子ならびにこれを用いた太陽電池および光センサアレイ
JP5891924B2 (ja) 共役系高分子化合物およびこれを用いた有機光電変換素子
JP5476660B2 (ja) 有機光電変換素子及びその製造に有用な重合体
Jo et al. Enhanced efficiency in polymer solar cells by incorporation of phenothiazine-based conjugated polymer electrolytes
JP2010093100A (ja) 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ
JP5477577B2 (ja) ブロック共重合体、有機薄膜、光電変換素子及び太陽電池
JP5245123B2 (ja) 有機光電変換素子、太陽電池および光センサアレイ
Lu et al. Influence of the intramolecular donor-acceptor distance on the performance of double-cable polymers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141021

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5652092

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees