以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機1は前面枠2を備え、該前面枠2は本体枠(外枠)3にヒンジ4を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤10(図2参照)は前面枠2の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラスのような透明部材を保持する透明部材保持枠5が取り付けられている。
また、透明部材保持枠5の上部には、内部にランプ等を内蔵した照明装置(ムービングライト)6や払出異常報知用のランプ(LED)7が設けられている。また、透明部材保持枠5の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ8や、内部にランプ等を内蔵し装飾等のための発光をする装飾装置9が設けられている。
前面枠2の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿22、遊技機1の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口23、上皿22が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿24及び打球発射装置の操作部25等が設けられている。さらに、上皿22の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン26が設けられている。また、前面枠2下部右側には、前面枠2を開放したり施錠したりするための鍵27が設けられている。
この実施形態の遊技装置にあっては、遊技者が上記操作部25を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿22から供給される遊技球を遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン26を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿22上方の透明部材保持枠5の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン28、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン29等が設けられている。
図2は、遊技盤の一実施形態を示す正面図である。
本実施形態の遊技盤10は、ガイドレール11で囲まれた略円形状の遊技領域12を前面に有しており、遊技領域12のほぼ中央には、一対の演出図柄表示装置21A,21Bを備えたセンターケース20が配置されている。演出図柄表示装置21A,21Bはセンターケース20にほぼ中央に設けられており、センターケース20は演出図柄表示装置21A,21Bの周囲を囲う部分が遊技盤10の表面よりも前方へ突出するように形成されている。
演出図柄表示装置21A,21Bは、それぞれドットマトリックス型の液晶表示器等で構成されており、文字や数字、アルファベットなどの識別情報(図柄)やキャラクタを表示することができる。演出図柄表示装置21A,21Bにおいては、識別情報として割り当てられた図柄を変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われ、停止した際にその停止図柄が所定の態様(例えば、「3,3」や「7,7」)になるといわゆる当りの状態が発生するように構成されている。
センターケース20の下方には、上記演出図柄表示装置21A,21Bの変動開始条件を与える始動入賞口13が配置されている。また、この始動入賞口13の下方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第2の始動入賞口を有する左右に開閉可能な普通変動入賞装置(普電1)14が配設されている。さらに、普通変動入賞装置14の右方には液晶表示器等で構成された第2の演出図柄表示装置15が、また普通変動入賞装置14の下方には第2の演出図柄表示装置15における変動結果に応じて前後に開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能で内部に第3の始動入賞口を有する第2の変動入賞装置(普電2)16がそれぞれ配設されている。
センターケース20の左方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第4の始動入賞口を有する左右に開閉可能な第3普通変動入賞装置(普電3)17が配設され、普通変動入賞装置14の左方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で左右に開閉可能な第4普通変動入賞装置(普電4)18が配設されている。また、第3普通変動入賞装置17の上方には一般入賞口51が、第4普通変動入賞装置18の上方には一般入賞口52が、第4普通変動入賞装置18の左方には一般入賞口53が、さらにセンターケース20の右方には一般入賞口54が、普通変動入賞装置14の右方には一般入賞口55,56が、それぞれ配置されている。また、遊技領域12の外側、遊技盤10の右下隅には上記演出図柄表示装置21A,21Bにおける変動表示ゲームや第2演出図柄表示装置15における変動表示ゲームに対応した変動表示ゲーム、および第3普通変動入賞装置17への入賞をトリガとする変動表示ゲーム、第4普通変動入賞装置(普電4)18への入賞をトリガとする変動表示ゲーム等を一箇所で実行する一括表示装置30が設けられている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域12に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域12内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材(図示省略)によって転動方向を変えながら遊技領域12を流下し、一般入賞口51〜56、始動入賞口13、普通変動入賞装置14,17,18、又は変動入賞装置(アタッカー)16に入賞するか、遊技領域12の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域12から遊技盤10の背部へ排出される。
始動入賞口13、普通変動入賞装置14,17,18、又は変動入賞装置16へ入賞した遊技球は、内部に設けられている検出センサ(スイッチ)によって検出される。これらのセンサによって検出された入賞球検出信号は、遊技制御装置100(図3参照)のRAM内の記憶領域に始動入賞記憶としてそれぞれ所定回数(例えば4回)を限度に記憶される。そして、この始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置30の始動入賞記憶数表示部に表示される。
また、遊技制御装置100は、始動入賞記憶に基づいて、一括表示装置30にて変動表示ゲームを行う。また、この変動表示ゲームと並行して、演出制御装置130が、遊技制御装置100からのコマンドに基づいて、演出図柄表示装置21A,21Bや演出図柄表示装置15において飾り変動表示ゲーム(以下特に断らない限りこれを変動表示ゲームと称する)を行う。なお、各変動表示ゲームの結果としての当りまたは外れの判定は、各始動入賞口への遊技球の入賞が検出された際に抽出される乱数値に基づいて行なわれる。
一括表示装置30は、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1表示部(普図1表示器)31および第2表示部(普図2表示器)32と、各々上下2つのLEDランプで構成された変動表示ゲーム用の第3表示部(普図3表示器33)および第4表示部(普図4表示器34)と、始動記憶数報知用の普図保留表示器(35A,35B,35C,35D)と、エラー報知用のエラー表示器(36)とを備える(図3参照)。
上記表示部のうち第1表示部(普図1表示器)31は、変動表示ゲームの実行中すなわち演出図柄表示装置21A,21Bにおいて変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
また、第2表示部(普図2表示器)32は、変動表示ゲームの実行中すなわち第2の演出図柄表示装置15において変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
一方、上下1組のランプからなる第3表示部(普図3表示器)33は、変動中は上と下のランプを交互に点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、上のランプを消灯状態、下のランプを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは上のランプを点灯状態、下のランプを消灯状態にしてゲーム結果を表示する。同様に、第4表示部(普図4表示器)34は、変動中は上と下のランプを交互に点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、上のランプを消灯状態、下のランプを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは上のランプを点灯状態、下のランプを消灯状態にしてゲーム結果を表示する。
保留表示部35A(普図1保留表示器)は、上下2組のランプで第1表示部(普図1表示器)31の変動開始条件となる始動入賞口(13)への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプをすべて点灯状態にする。
1組のランプからなる保留表示部35B(普図2保留表示器)は、第2表示部(普図2表示器)32の変動開始条件となる始動入賞口(14)の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときは上のランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは上のランプを点滅、下のランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは2つのランプを点滅状態にする。
1組のランプからなる保留表示部35C(普図3保留表示器)は、第3表示部(普図3表示器)33の変動開始条件となる始動入賞口(16)の始動記憶数(=保留数)を、保留表示部35B(普図2保留表示器)と同様にして表示する。保留表示部35D(普図4保留表示器)は、第4表示部(普図4表示器)34の変動開始条件となる始動入賞口(17)の始動記憶数(=保留数)を、保留表示部35B(普図2保留表示器)と同様にして表示する。
エラー表示部36は、エラーが検出されていない場合には、2つのランプを消灯状態にし、不正エラーが検出された場合には例えば上のランプのみを点灯状態にする。なお、不正エラーは、遊技機に設けられている磁気センサ64(図3参照)により不正な磁気が検出された場合に表示するものである。また、枠開放センサ61(図3参照)により遊技機前面のガラス枠が開放されていることが検出された場合には下のランプのみを点灯状態にする。
次に、上記のような構成を有する遊技盤10を備えた遊技機に設けられる制御システムについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、この実施形態における遊技機の制御系は、一括表示装置30において行われる変動表示ゲームを統括的に制御する遊技制御手段としての遊技制御装置100と、この遊技制御装置100からの排出制御指令に基づいて球払出装置を制御して賞球等の払出を行う払出制御装置120と、遊技制御装置100からの演出制御指令に基づき演出図柄表示装置21A,21B又は第2の演出図柄表示装置15における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置130とを備えている。
遊技制御装置100は、CPU111やROM112、RAM113などを有する遊技用ワンチップマイコン110を備えるとともに、入力インタフェース(入力I/F)121、出力インタフェース(出力I/F)122、外部通信端子123等により構成されている。
遊技用ワンチップマイコン110は、内部のCPU111が制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、各変動表示部で実行される変動表示ゲームの当り判定用乱数や当りの図柄を決定するための当り図柄用乱数、変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数などの各種乱数値も生成している。
遊技用ワンチップマイコン110の内部のRAM113には、遊技領域の入賞口や入賞装置に設けられた検出スイッチのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU111の作業領域等を備えている。遊技用ワンチップマイコン110の内部のROM112には、遊技用の制御プログラムや制御データが格納されている他、上述の各種乱数値に対応して、各変動表示ゲームの当り発生を判定するための当り判定値(判定テーブルを含む)、当りの図柄を決定するための当り図柄判定値、変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。
また、入力インタフェース121には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口13内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図1作動SW)13a、普通変動入賞装置(普電1)14内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図2作動SW)14a、変動入賞装置(普電2)16内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図3作動SW)16a、普通変動入賞装置(普電3)17内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図4作動SW)17a、普通変動入賞装置(普電4)18内に設けられている入賞球検出スイッチ(普電4カウントSW)18a、一般入賞口51〜56内に設けられている入賞球検出スイッチ51a,…56a、遊技機の前面枠に設けられ遊技領域前面を閉鎖するガラス枠の開放状態を検出するガラス枠開放スイッチ61、遊技機の前面枠の開放状態を検出する遊技機枠開放スイッチ62、球払出装置により排出される遊技球を貯留するタンク内の球の有無を検出する球切れスイッチ63、磁気を検出する磁気センサ64などが接続されている。そして、入力インタフェース121は、これらのスイッチやセンサから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン110に対し供給する。
また、遊技用ワンチップマイコン110から出力される各種の制御信号や駆動信号は出力インタフェース122から、図示しない出力ポート及びドライバを介して、一括表示装置30の各種表示器31〜34,35A〜35E,36や普通変動入賞装置14の開閉ソレノイド(普電1SOL)14b、変動入賞装置16の開閉ソレノイド(普電2SOL)16b、普通変動入賞装置17の開閉ソレノイド(普電3SOL)17b、普通変動入賞装置18の開閉ソレノイド(普電4SOL)18b、遊技機外部の管理装置などへ情報を出力するための信号が外部情報端子70へ出力される。さらに、演出制御装置130に対して遊技用ワンチップマイコン110から出力される信号も出力インタフェース122を介して出力される。123はテスト用の外部通信端子である。
演出制御装置130は、演算処理用CPU131、ROM132、RAM133等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)134、入出力インタフェース(入出力I/F)135を備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM136、CPU131に代わって画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)137、音声データが記憶された音ROM138、音の出力を制御する音LSI139を備えている。
この演出制御装置130は、通信インタフェース134を介して遊技制御装置100から受信した各種信号や演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて遊技の演出のための制御を行う。具体的には、CPU131から出力される各種の制御信号が入出力インタフェース135を介して図示しない出力ポート及びドライバへ供給され、センターケース20の演出図柄表示器21A,21Bや第2の演出図柄表示器15、前面枠の装飾装置9やセンターケース20に設けられる状態報知ランプ等に内蔵される各種LED基板71、前面枠のスピーカ8が駆動される。
また、遊技制御装置100、排出制御装置120および演出制御装置130には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されるようになっており、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が設けられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
次に、第1の実施形態の遊技盤10を備えた遊技機における遊技制御装置100による遊技制御の一例について説明する。
図4は、始動入賞口(13)に遊技球が入賞することにより開始される第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームから普通変動入賞装置17(普電4)が開放されるまでの一連の連動動作の流れが示されている。
始動入賞口(13)に遊技球が入賞すると、第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームが開始される。また、このとき演出図柄表示器21A,21Bにおいても並行して変動表示ゲームが実行される。第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームと演出図柄表示器21A,21Bでの変動表示ゲームの結果は同じであり、この変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)の結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電1)14の入賞口が開放される。
なお、普図1変動表示ゲームで当りが発生する確率は、例えば1/26すなわち平均すると26回のゲームで1回の当りが発生するように設定されている。また、普通変動入賞装置(普電1)14の開放時間は、「当り1」(「3」の停止)と「当り2」(「7」の停止)とで異なり、「当り2」の場合の方が長い時間に設定されている。そして、普通変動入賞装置(普電1)14の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図1変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)への入賞記憶(保留数)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、始動入賞記憶(普図1保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待ち、始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に再度普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。
普図1変動表示ゲームの結果が「当り」で普通変動入賞装置(普電1)14の入賞口が開放されることにより、入賞球が発生すると第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームが開始される。また、このとき第2演出図柄表示器15においても並行して変動表示ゲームが実行される。普通変動入賞装置(普電1)14の開放があっても入賞が発生しなかった場合には、始動入賞口(13)への入賞記憶(普図1保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、始動入賞記憶(普図1保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待ち、始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に再度普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。
第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームと第2演出図柄表示器15での変動表示ゲームの結果は同じであり、この変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)の結果が「当り」の場合には、変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放される。なお、普図2変動表示ゲームで当りが発生する確率は、例えば1/15に設定されている。そして、変動入賞装置(普電2)16の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図2変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図2変動表示ゲームが実行される(図4符号B)。また、普電1の始動入賞記憶(普図2保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つ。
普図2変動表示ゲームの結果が「当り」で変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放されることにより、入賞球が発生すると第3表示部(普図3表示器)33での変動表示ゲームが開始される。変動入賞装置(普電2)16の開放があっても入賞が発生しなかった場合には、始動入賞口(13)と普電1への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電1の始動入賞記憶(普図2保留)があるときは、所定時間後に再度普図2変動表示ゲームが実行される(図4符号B)。また、普電1の始動入賞記憶(普図2保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放され、入賞球が発生すると第3表示部(普図3表示器)33での変動表示ゲーム(普図3変動表示ゲーム)が開始される。そして、この普図3変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電3)17の入賞口が開放される。なお、普図3変動表示ゲームで当りが発生する確率は、例えば996/997(約99.9%)に設定されている。つまり、ほとんどの場合、当りとなり、普図2変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電3)17の開放が連動して実行されることが多くなる。また、普通変動入賞装置(普電3)17の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図3変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1と普電2への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電2の始動入賞記憶(普図3保留)があるときは、所定時間後に再度普図3変動表示ゲームが実行される(図4符号C)。また、普電2の始動入賞記憶(普図3保留)はないが普電1の始動入賞記憶(普図2保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図4符号B)。さらに、普電1と普電2の始動入賞記憶(普図2,普図3保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
普通変動入賞装置(普電3)17の入賞口が開放され、入賞球が発生すると第4表示部(普図4表示器)34での変動表示ゲーム(普図4変動表示ゲーム)が開始される。そして、この普図4変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電4)18の入賞口が開放される。なお、普図4変動表示ゲームで当りが発生する確率は、例えば996/997(約99.9%)に設定されている。つまり、ほとんどの場合、当りとなり、普図4変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電4)18の開放が連動して実行されることが多くなる。また、普通変動入賞装置(普電4)18の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図4変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電3の始動入賞記憶(普図4保留)があるときは、所定時間後に再度普図4変動表示ゲームが実行される(図4符号D)。普電3の始動入賞記憶(普図4保留)はないが普電2の始動入賞記憶(普図3保留)があるときは、所定時間後に普図3変動表示ゲームが実行される(図4符号C)。また、普電2と普電3の始動入賞記憶(普図3,普図4保留)はないが普電1の始動入賞記憶(普図2保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図4符号B)。さらに、普電1と普電2と普電3の始動入賞記憶(普図2,普図3,普図4保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
普通変動入賞装置(普電4)18の入賞口が開放され、入賞球が発生すると球払出装置によって所定数の遊技球が賞品球として払い出される。上述した変動入賞装置(普電1)14の開放による入賞球の発生、変動入賞装置(普電2)16の開放による入賞球の発生、普通変動入賞装置(普電3)17の開放による入賞球の発生に対しても、同様に賞品球の払い出し行われる。
普通変動入賞装置(普電4)18の開放が終了した場合、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、普電3の始動入賞記憶(普図4保留)があるときは、所定時間後に再度普図4変動表示ゲームが実行される(図4符号D)。
また、普電3の始動入賞記憶(普図4保留)はないが普電2の始動入賞記憶(普図3保留)があるときは、所定時間後に普図3変動表示ゲームが実行される(図4符号C)。また、普電2と普電3の始動入賞記憶(普図3,普図4保留)はないが普電1の始動入賞記憶(普図2保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図4符号B)。さらに、普電1と普電2と普電3の始動入賞記憶(普図2,普図3,普図4保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(普図1保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図4符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
なお、図4はすべての動作順序を示したものではない。各普図変動表示ゲームの実行時間や普図の変動停止時間(インターバル)、変動入賞装置(普電)の開放時間が予め設定されていることによって、普図1から普図4まですべての変動表示ゲームで当りが発生して、図4の上から下まですべて事象が連続して進行する場合でも、所定の時間が経過しかつ保留があったとすると、複数の事象が並行して進行する。例えば、普電3の開放中や普電4の開放中に普図1や普図2の変動開始タイミングが来ると、普図3や普図4の入賞記憶(保留)があったとしても、普図1や普図2の変動表示ゲームが開始される。
ただし、普図1や普図2の変動表示ゲームをそのまま実行してしまうと、普図3や普図4の入賞記憶(保留)が消化される前に、次の当りが発生し、遊技者に損をしたような感情を持たせてしまうことになる。そこで、普電3の開放中や普電4の開放中は普図1や普図2、普図3の変動表示ゲームの経過時間の計時を停止する(変動は継続)ように制御するとよい。また、所定の条件が成立した時は、普図1や普図2の変動パターンの選択テーブルを切り換えて変動時間を変えるようにしてもよい。
具体的には、普図1から普図4まですべての変動表示ゲームで当りが発生して、図4の上から下まですべて事象が連続して進行するような場合には、普図2の変動表示ゲームに関しては、時間の短い変動パターンを含むテーブルから時間の長い変動パターンを含むテーブルに切り換えて、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを遅らせる。一方、普図2の当りから普電4の開放までの一連の連動動作が後半になると、普図1に関しては、時間の長い変動パターンを含むテーブルから時間の短い変動パターンを含むテーブルに切り換えて普図1の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早める。これとともに、普図2に関しても、時間の長い変動パターンを含むテーブルから時間の短い変動パターンを含むテーブルに切り換えて、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早めるようにしてもよい。
次に、遊技盤10の中央のセンターケース20に設けられるステージの構造について説明する。図5には本実施形態の遊技機に設けられているセンターケース20の全体図が、また図6にはセンターケース20の分解斜視図が示されている。
図5に示すように、センターケース20は、中央に開口部を有し遊技盤10の前面に接合される取付ベース部材201を備え、該取付ベース部材201の上部には上方から開口部へ遊技球が流入するのを防止する庇状の鎧部材202が設けられている。センターケース20の中央開口部に、前記演出図柄表示装置21A,21Bを備えた演出装置210が前方に臨むように配置されている。演出装置210は、「人の顔」を模した形状にされ、「目」に相当する位置に演出図柄表示装置21A,21Bが配置されているとともに、「顎」の部分の部品が上下動可能な可動部材211により構成されている。
センターケース20の中央開口部の下半分には、遊技球が転動可能なステージ部220が設けられ、取付ベース部材201の下部には、ステージ部220の中央に設けられた始動流入口(図6参照)224に流入した遊技球が流出する始動流下口203が設けられている。始動流下口203は、図2に示すように、始動入賞口13の直上に位置するようにされるため、始動流下口203より流出した遊技球は非常に高い確率で始動入賞口13へ入賞するように構成されている。ステージ部220は、特に限定されるものではないが、この実施形態では、上下2段に構成され、上段の第1ステージ221に上記始動流入口と下段の第2ステージ222へ連通するステージ流下口とが設けられている。また、センターケース20の左側部には、上記ステージ部220の第1ステージ221へ遊技球を流入可能にするワープ通路とワープ入り口204が設けられている。ステージ部220の両側には、前方の前面ガラスの近傍まで突出することで側方からステージ部220内への遊技球の飛込みを防止する側壁部材205が設けられている。さらに、上段の第1ステージ221の前端縁にも、前方へ突出する庇部材223が設けられ、第1ステージ221へは前記ワープ通路を除き遊技領域からの遊技球の飛び込みが不能に構成されている。
よって、演出装置210が配置されるセンターケース中央の凹室のうち特にワープ通路が連通するステージ部としての第1ステージ221は、鎧部材202と、側壁部材205と、庇部材223とによって囲繞されることとなる。そのため、遊技領域から第1ステージ221上への遊技球の飛び込みが防止され、第1ステージ221に乗った遊技球が遊技領域を流下する遊技球の影響を確実に受けないようにすることができる。
図6に示すように、センターケース20は、中央に開口部207を上部に鎧部材202を有する取付ベース部材201と、開口部207の両側の側壁部材205と、第1ステージ221を構成する部材221Aと、第1ステージ221の前端縁に結合される庇部材223と、第2ステージ222を構成する部材222Aと、第1ステージ221と第2ステージ222の背部に設けられ第1ステージ部221の中央の始動流入口224に流入した遊技球を始動流下口203へ誘導する始動誘導路231を備えた始動流下路構成部材230と、LED(発光ダイオード)を備えたLED基板232と、演出図柄表示装置21A,21Bを備えた演出装置210と、演出装置210を囲むように配置される裏装飾部材233と、裏装飾部材233の背部に取り付けられる枠部材234とにより構成されている。
図7に、上記庇部材223と、第1ステージ221を構成する部材221Aと、第2ステージ222を構成する部材222Aと、始動流下路構成部材230と、LED基板232を拡大した図が示されている。図7に示すように、第1ステージ221の前端縁は円弧状にされ、庇部材223は該円弧に対応して全体として円弧状に形成され斜め前方上方へ突出した起立壁223aが設けられている。
特に限定されるものでないが、この実施例では、第1ステージ221は転動する遊技球の動きが分かり易くするため透明な部材で構成され、庇部材223は不透明な部材(例えばメッキパーツ)で構成され、起立壁223aには遊技球を見えるようにするため複数の開口穴223bが形成されている。庇部材223が不透明部材で構成されていても、ステージ部としての第1ステージ221上で転動している遊技球を開口穴223bから視認することができるので、遊技者はステージ部上で転動している遊技球の流動の様子を、期待感を持って注視することができる。
また、第1ステージ221の中央には、始動流下口203へ遊技球を流下させる始動流入口224が、その両側には下段の第2ステージ222へ連通するステージ流下口225がそれぞれ設けられている。これにより、ステージ部としての第1ステージ221に流入した遊技球を転動させた後に始動領域の上方以外に流下させることが出来るため、始動領域への入賞頻度を変えることが出来る。また、第2ステージ222を設けることにより、ステージ部に流入した遊技球の動きをよりアットランダムに変化させることができ、遊技球の流動の様子を楽しむというパチンコ遊技機本来の機能を高めることが出来る。
第2ステージ222は、中央すなわち始動入賞口13の真上がやや低くなるように形成されており、第2ステージ222へ流入した遊技球を若干中央側へ誘導可能になっている。第2ステージ222を構成する部材222Aには、中央に上記始動流入口224に対応して遊技球をほぼ垂直に流下させる始動連通路226が、また始動連通路226の両側にステージ流下口225に対応して遊技球を前方の第2ステージ222上へ流下させる一対のステージ流下部227が設けられている。
一方、始動流下路構成部材230には、始動流入口224に流入して始動連通路226を流下する遊技球を水平方向前方へ誘導する始動誘導路231が設けられている。第2ステージ222を構成する部材222Aおよび始動流下路構成部材230も透明部材で構成され、始動流下路構成部材230の背部にLED基板232が取り付けられ、LEDが点灯されることで転動する遊技球の動きが分かり易くなるように構成されている。
図8には実施形態のセンターケース20を横斜め下方から見た斜視図が、また図9にはセンターケース20を真下から見た底面図が示されている。図8に示されているように、第1ステージ221の前端縁は円弧状にされ、その前端縁に同じく円弧状の起立壁223aを有する庇部材223が設けられ、図9に示されているように、庇部材223が前方へ突出するように配置されている。また、庇部材223の両側の取付ベース部材201前面には側壁部材205が設けられている。そのため、起立壁223aと側壁部材205との間にはV字状の隙間A,Aが形成されるが、この隙間は遊技球の径よりも小さくされており、第1ステージ221へは前記ワープ通路を除き遊技領域からの遊技球の飛び込みが不能にされている。
一方、下段の第2ステージ222は、その前端が取付ベース部材201の前面よりも前方へ突出しないように前後の長さが設定され、第2ステージ222上の遊技球は取付ベース部材201の前方を通過して遊技領域へ流下可能に構成されている。従って、遊技領域から第2ステージ222上への遊技球の飛び込みは許容される。
次に、上記第1ステージ221と第2ステージ222の作用について、図10および図11を用いて説明する。
図10には実施形態のセンターケース20を正面側斜め上方から見た斜視図が、また図11にはセンターケース20の下半分すなわちステージ部の断面構造が示されている。図10に示すように、センターケース20の開口部内には、ほぼ中央に始動流入口224を有する第1ステージ221が配置されており、始動流入口224の両側にはそれぞれ下段の第2ステージ222へ連通するステージ流下口225が設けられている。また、第1ステージ221の始動流入口224よりも奥側には、始動流入口224へ遊技球を誘導する逆V状の始動誘導溝241が形成され、始動誘導溝241の両側にはそれぞれステージ流下口225へ遊技球を誘導する誘導凹部242が形成されている。さらに、ステージ流下口225内には、奥側へ下り傾斜して遊技球をステージ流下口225へ誘導するテーパ面243がそれぞれ形成されている。
図11に示すように、第1ステージ221の上方にワープ通路の出口244が開口され、第1ステージ221の中央の始動流入口224の下方には第2ステージ222の構成部材222Aに設けられた始動連通路226が接続されている。そして、さらにこの始動連通路226の下端には、遊技球の流下方向を変えて水平方向前方へ誘導する始動誘導路231が接続されている。
図10および図11から分かるように、この実施形態のステージ部の第1ステージ221は、誘導凹部242およびステージ流下口225の面積が大きいため、ワープ通路より第1ステージ221上へ流入した遊技球の大部分は、第2ステージ222へ流下することとなり、まれに中央の始動流入口224へ流入することで、始動誘導路231を通過して始動流下口203より流出することとなる。そして、遊技球がステージ中央の始動流入口224へ流入して始動流下口203より流出すると、ほぼ確実に下方に配置されている始動入賞口13へ入賞することとなる。なお、始動入賞口13へは遊技領域を流下する遊技球も入賞可能に構成されているが、その入賞可能性は釘の配置や偶然性に大きく依存しており、ワープ入り口に比べ狙って発生させるのは困難である。そのため、遊技者は、ワープ入り口204へ遊技球をより多く入れるように打球発射装置を調整することで、始動入賞口13への入賞を多くして獲得する利益を多くすることができるので、技量の介入の余地が多くなって遊技の興趣を高めることができる。
また、この実施例では、第1ステージ221の前端縁に起立壁223aを有する庇部材223が設けられるとともに両側に側壁部材205が設けられ、遊技領域から直接遊技球が第1ステージ221上へ飛び込むのを阻止する構造を採用しているため、ワープ通路から第1ステージ221上へ流入し始動誘導溝241から始動入賞口13へまさに入賞しようとしている遊技球に、遊技領域から直接飛び込んだ遊技球がぶつかってはじき飛ばしてしまい、遊技者の期待を裏切るような結果を生じるのを回避することができる。つまり、ワープ通路が連通したステージ部としての第1ステージ221の前端に庇部材が設けられているため、第1ステージ221に乗った遊技球はセンターケースの外側の遊技領域を流下する遊技球の影響を受けないので、ワープ入り口のクギの間隔を締めることで、遊技店側が意図したような始動領域への入賞頻度を実現し易くなる。また、ワープ入り口のクギの間隔を広げて、始動領域へ流下する遊技球を増やそうとすれば、上記と同様に理由により、遊技店側が意図したような始動口への入賞頻度を実現することが出来る。
一方、第2ステージ222上へは下方の遊技領域から遊技球が飛び込み可能であるが、第2ステージ222は始動流下口203よりも高い位置にあるとともに、左右方向にほぼ平坦であるため、始動入賞口13へ入賞する可能性はもともと低い。そのため、仮に下方の遊技領域から遊技球が第2ステージ222上へ飛び込んで、第1ステージ221から流下した遊技球とぶつかってはじき出されることがあったとしても、遊技者に失望を与えることは少ない。なお、この実施例では、第1ステージ221の下方に第2ステージ222を設けているが、第2ステージ222を省略して、始動流入口224へ流入しなかった遊技球はそのまま下方の遊技領域へ流下する構造とすることも可能である。
さらに、本実施形態においては、演出制御装置130が、センターケース内の演出装置210の演出図柄表示装置21A,21Bおよび可動部材211と、前面枠2に設けられているスピーカ8を制御してステージ部220の遊技球の動作に関連した以下のような演出を行うように構成されている。なお、このような演出制御は、例えばワープ通路の途中にワープ入り口204へ流入した遊技球を検出するセンサを設けて、該センサからの信号を演出制御装置130へ入力させることで実行するように構成することができる。
具体的には、遊技球がワープ通路へ流入すると、演出制御装置130は、演出図柄表示装置21A,21Bを、図12(A)のような通常の表示状態から図12(B)のような期待感を高める表示状態へ変化させる。また、ワープ通路へ流入した遊技球が検出されたときに、LED基板232上のLEDを点灯させるようにしてもよい。さらに、例えば遊技球がワープ通路へ流入した後、所定時間内に始動入賞口13への入賞がなかった場合には、図12(C)に示すように、演出図柄表示装置21A,21Bを、失敗を表すような表示状態へ変化させるとともに、スピーカ8より「残念」等の音声を出力させる。そして、音声を出力させる際には、演出装置210の「顎」の部分の可動部材211を上下動させて、演出効果を高めるような制御を行う。また、このときLED基板232上のLEDを消灯させるようにしてもよい。
一方、始動入賞口13への入賞があった場合には、図12(D)に示すように、演出図柄表示装置21A,21Bを、成功を期待させるような表示状態へ変化させるとともに、スピーカ8より「大当たりかも」等の期待感を高める音声を出力させる。そして、音声を出力させる際に、音声に連動して可動部材211を上下動させて、演出効果をさらに高めるような制御を行う。なお、ワープ通路のセンサが遊技球を検出したときにLED基板232上のLEDを点灯させる代わりに、常時点灯させておいて発光色を変化させるようにしてもよい。
さらに、遊技球が始動入賞口13へ入賞することにより変動表示ゲームが実行され、ゲームの結果、図12(E)に示すように、演出図柄表示装置21A,21Bの表示が「当たり」を示す状態で停止すると、図12(F)に示すように、演出図柄表示装置21A,21Bを、成功を報知するような表示状態へ変化させるとともに、スピーカ8より「大当たり」等の音声を出力させる。そして、音声を出力させる際には、可動部材211を上下動させて、演出効果をさらに高めるような制御を行う。このような演出制御を行うことにより、ステージ部220での遊技球の転動に対しても遊技者の興味を惹きつけて遊技の興趣を高めることができる。
次に、図13を用いて、第2の実施形態に係る演出装置について説明する。図13のうち(A)は演出装置210内の第1ステージ221を正面側斜め上方から見た斜視図、(B)はこの第1ステージ221上における遊技球の転動の経路を示す説明図である。
この実施形態の演出装置の第1ステージ221は、図10に示されている第1ステージ221に比べて、始動流入口224の両側に設けられたステージ流下路225とその周辺のテーパ部243の大きさを相対的に小さくしたものである。また、第1ステージ221の手前側の中央には、断面が三角形で奥に向かうほど高さが低くなる振分け凸部228が設けられ、ステージの上の遊技球の流動に変化を与えるように構成されている。図10に示されている第1ステージ221では、ワープ通路より流入した遊技球はステージの奥側を通過して始動流入口224または左右のステージ流下路225のいずれかに流入するのに対して、第2の実施形態の第1ステージ221では、図13(B)に示すように、ワープ通路より流入した遊技球はステージの奥側または手前側を通過して始動流入口224または左右のステージ流下路225のいずれかに流入するようになる。これにより、第1ステージ221上での遊技球の動きが多様化して、遊技の興趣を高めることができる。
また、この実施形態においても、第1ステージ221の前端縁に起立壁223aを有する庇部材223が設けられるとともに両側に側壁部材205が設けられ、遊技領域から直接遊技球が第1ステージ221上へ飛び込むのを阻止する構造を採用している。これにより、ワープ通路から第1ステージ221上へ流入し始動誘導溝241から始動流入口224へまさに入賞しようとしている遊技球に、遊技領域から直接飛び込んだ遊技球がぶつかってはじき飛ばしてしまい、遊技者の期待を裏切るような結果を生じるのを回避することができる。
次に、図14および図15を用いて、第3の実施形態に係る演出装置について説明する。図14のうち(A)は演出装置210内の第1ステージ221を正面側斜め上方から見た斜視図、(B)は第1ステージ221と第2ステージ222を含むステージ部220を前面側から見た正面図である。
この実施形態の演出装置は、第1ステージ221の前端中央に、遊技球を第1ステージ221から下方へ落下させる切欠き部245を設けるとともに、切欠き部245の奥まった位置に、前方へ向かって下り傾斜する傾斜部246を設けたものである。切欠き部245より落下した遊技球は、図15に示すように、第2ステージ222の前方を通過して遊技領域の始動入賞口13へ向かって流下する。他の構成は図14の演出装置と同じである。
本実施形態によれば、図13の実施形態に比べて、遊技球が始動流入口224へ流入し下方の始動入賞口13へ入賞する可能性を低くすることができる。例えば、ワープ通路をセンターケースの片側のみでなく、両側に設けてステージ部220へ流入する遊技球が多くなるように構成した場合に、この実施形態のような構成のステージを適用することで、始動入賞口13への入賞率を図13の実施形態のものと同程度にすることができる。
次に、図16を用いて、第4の実施形態に係る演出装置について説明する。図16のうち(A)は演出装置210の内部構造を示す断面側面図、(B)は第1ステージ221と第2ステージ222を含むステージ部220を前面側から見た正面図である。
前記第1の実施形態に係る演出装置においては、図11に示すように、下段の第2ステージ222を、前方へ下り傾斜させているのに対し、本実施形態の演出装置においては、第2ステージ222の中央に後方へ下り傾斜する誘導傾斜部247を設けるとともに、始動流入口224に接続されている始動連通路226の前壁に球1つ分よりも若干大きな連通孔248を設け、第2ステージ222上の遊技球を連通孔248から始動連通路226およびその下流の始動誘導路231へ流下可能に構成したものである。
本実施形態によれば、ワープ通路から第1ステージ221上へ流入した遊技球の多くが始動入賞口13へ入賞可能になる。本実施形態では、第2ステージ222の前端縁に上方に突出する起立壁を設けて、センターケース下方の遊技領域から第2ステージ222へ遊技球が飛び込むのを防止するように構成してもよい。これにより、遊技領域から第2ステージ222へ飛び込んだ遊技球が始動入賞口13へ入賞し易くなるのを防止することができる。
図17には、第5の実施形態に係る演出装置の断面側面図が示されている。本実施形態の演出装置においては、始動流入口224に接続されている始動連通路226の途中に流下する遊技球を検出するセンサ250を設け、センサ250の検出信号を演出制御装置130へ入力させる。そして、演出制御装置130はセンサ250からの信号に基づいて、ステージ部220へ流入した遊技球が始動流入口224に流入したことを知り、演出装置210の演出図柄表示装置21A,21Bおよび可動部材211と、前面枠2に設けられているスピーカ8を制御してステージ部220の遊技球の動作に関連した演出を行うように構成したものである。
具体的には、遊技球が始動流入口224に流入したことをセンサ250が検出すると、例えば図18のように、スピーカ8より「始動口へ入るかも?」のような音声を出力させる。また、このとき演出装置210の「顎」の部分の可動部材211を上下動させて、演出効果をさらに高めるような制御を行う。これにより、遊技球が始動流入口224に流入したことを遊技者へ知らせ、始動流下口203から流出する遊技球が始動入賞口13へ入賞するのを期待させるような演出を行うことができる。さらに、このとき、演出図柄表示装置21A,21Bでは、始動入賞口への入賞を期待させる表示(例えばSTARTを略した「S」,「T」など)を行うようにするとよい。なお、センサ250からの信号に基づく上記のような演出は、始動記憶が発生していない状況で行うようにするのが望ましい。始動記憶が発生しているような場合には、遊技者の関心は、遊技球が始動入賞口13へ入賞するか否かよりも、変動表示ゲームの結果が当たりとなるか否かにあるためである。
また、始動流入口224へ流入した遊技球をセンサ250が検出した場合に、図12(D)に示すように、演出図柄表示装置21A,21Bを、成功を期待させるような表示状態へ変化させるとともに、スピーカ8より「大当たりかも」等の期待感を高める音声を出力させるように構成してもよい。
上記のような演出制御を行うことにより、ステージ部220での遊技球の転動に対しても遊技者の興味を惹きつけて遊技の興趣を高めることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、第1ステージ221の前端および庇部が円弧状をなすように形成したものを示したが、第1ステージ221の前端および庇部の形状は円弧状に限定されず、直線状あるいは矩形状であってもよい。
また、前記実施形態では、センターケースの両側部にステージ部への遊技球の流入を阻止可能な側壁部材205を設けているが、側壁部材205を設ける代わりに第1ステージ221の前端の庇部材223の左右両端を上方へ突出させて側方からの遊技球の流入を阻止するように構成してもよい。この場合、庇部材223全体もしくは一部を透明部材で形成するのが望ましい。また、前記実施形態では、ワープ出口のない第2ステージ222には下方の遊技領域から遊技球が飛び込むことが可能に構成されているが、第2ステージ222に関しても遊技領域から遊技球が飛び込みにくくする庇部材や側壁を設けるようにしてもよい。これにより、第2ステージ222上の遊技球が、遊技領域から飛び込んだ遊技球によってはじき出されてしまうのも回避することができる。
さらに、前記実施形態では、センターケースの下方に設けられた始動入賞口への入賞により変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの実行結果に基づき遊技者に有利な状態を発生可能に構成された遊技機について説明したが、センターケースの底部に設けられた特別な入賞口へ遊技球が入賞することにより遊技者に有利な状態を発生可能に構成された遊技機に対しても適用することができる。また、前記実施形態では、4つの普図表示器31〜34と4つの変動入賞装置14,16,17,18を備え、変動表示ゲームが4段階に進展するような遊技内容を有する遊技機に適用した場合を説明したが、いわゆる普図ゲートおよび普図変動表示器と、始動入賞口と特図変動表示器を備えた遊技機に対しても適用することができる。