JP5651843B2 - 計測方法、及び計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計測方法及び計測装置に関し、特に、レーザー光等の光を照射してプラズマを生成する計測方法、及び計測装置に関する。
特許文献1には、試料に対し、ブレークダウン閾値以上のエネルギーの光を照射することにより、ブレークダウンプラズマを生成することができることが記載されている。
特許文献2には、試料に対してレーザー光を集光して照射し、プラズマを生じさせたときに、プラズマからの発光を計測する技術が記載されている。すなわち、特許文献2には、試料元素に固有の波長のレーザー光をタイミング良く照射することにより、誘起蛍光を発生させ、誘起蛍光を光計測器により測定し分析することが記載されている。
これらレーザー光を用いてプラズマを生じさせる技術においては、高出力のレーザー光を利用することにより、または、複数回にわたり試料にレーザー光を照射することにより、発光強度の強いプラズマを生成することが試みられている。
特開平1−259240 特開平11−2604
ところで、前述した従来のプラズマ生成装置においては、大きな体積の高放射強度のプラズマを生成することは困難である。高出力のレーザー光を利用すれば、生成されるプラズマの体積を大きくすることはできるが、高出力のレーザー光は、集光位置の制御が困難であり、また、取扱が容易ではない。また、高出力のレーザー光は、集光その他に用いる光学系の損耗が激しい。
また、従来のプラズマ生成装置においては、生成したプラズマを長時間に亘って持続させることは困難である。1回のレーザー光照射によって生成されるレーザー光誘起ブレークダウンプラズマは、持続時間が極めて短いのである。
ここで、レーザー光をタイミング良く複数回照射することにより所望のプラズマを得ることが考えられるが、レーザー光をタイミング良く複数回照射ためには、極めて複雑な制御が必要であり、困難である。また、レーザー光を複数回照射する場合には、先に行われたレーザー光の照射により生成されたエネルギー場及びプラズマの影響により、後に行われるレーザー光の照射により生成されるプラズマの位置がずれる。そのため、プラズマの生成位置を高精度に制御できるというレーザー光を用いたプラズマ生成の特徴が損なわれてしまう。
そのため、レーザーを用いたプラズマ生成方法を特に分析等に用いる場合、出力を高めて十分な光量を得ようとすると、レーザーのエネルギーの高さのために対象を損壊する事態が発生し、対象の損壊を最小限にとどめようとすると、分析に十分な光量を得られなくなる事態が発生する。それゆえに特にタンパク質等の有機化合物や生体組織の分析、または、化学的に不安定な爆発物等の分析への応用が困難である。
そこで、本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものでであって、大気圧下において、高強度、かつ、大体積のレーザー光誘起プラズマを、低出力のレーザー光を用いて容易な制御により実現できるようなされたプラズマ生成方法及びプラズマ生成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、このようなプラズマ生成装置を構成するに好適なプラズマ生成装置用キャビティー及びこのようなプラズマ生成装置を用いて構成される計測装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係るプラズマ生成方法は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
光源から発せられたレーザー光を集光させ、このレーザー光の集光する位置に存在する物質にブレークダウン閾値以上のエネルギーを与える第1工程と、レーザー光の集光位置に向けてマイクロ波パルスを放射し、第1工程により生成されたプラズマ近傍の領域にエネルギーを供給する第2工程と、プラズマから発せられた光を計測する計測工程とを有し、
レーザー光マイクロ波パルスとを同期的に制御して、レーザー光の照射タイミングとマイクロ波パルスの放射タイミングとを制御するとともに、生成されたプラズマが短時間で消滅しないようにマイクロ波の放射時間を制御することによりプラズマの維持時間を制御し、計測工程では、LIBSの計測系を用いて、プラズマから発せられた光を分光器により分光し、分光器により分光された光を光センサで受けて、光センサが出力する電気信号に基づいて演算処理を行うことを特徴とする計測方法である。
この計測方法においては、光の照射により生成したプラズマに、電磁波によりエネルギーを供給する。供給したエネルギーは、主にプラズマ中の電子に吸収される。その結果、電子が加速され、その電子が中性の原子と衝突することにより、中性原子が電離される。電離により生成された電子も同様に働くので、雪崩式に電離が進行する。これにより、プラズマ中のエネルギー密度が高くなり、プラズマが拡大する。
〔構成2〕
レーザー光を発する光源と、光源から発せられたレーザー光を集光する集光光学系と、マイクロ波パルスを発振する電磁波発振器と、レーザー光が集光される位置に存在する物質によりレーザー光の照射により生成されたプラズマに向けてマイクロ波パルスを放射するアンテナと、電磁波発振器を制御する制御装置とを有するプラズマ生成装置と、プラズマから発せられた光を計測する計測手段とを備え、制御装置は、レーザー光マイクロ波パルスとを同期的に制御して、レーザー光の照射タイミングとマイクロ波パルスの放射タイミングとを制御するとともに、生成されたプラズマが短時間で消滅しないようにマイクロ波の放射時間を制御することによりプラズマの維持時間を制御し、計測手段は、LIBSの計測系であり、プラズマから発せられた光を分光する分光器と、分光器により分光された光を受ける光センサとを有し、光センサが出力する電気信号に基づいて演算処理を行うことを特徴とする計測装置である。
このプラズマ生成装置においては、光の照射により生成されたプラズマに、電磁波によりエネルギーが供給される。供給されたエネルギーは、主にプラズマ中の電子に吸収される。その結果、電子が加速され、その電子が中性の原子と衝突することにより、中性原子が電離される。電離により生成された電子も同様に働くので、雪崩式に電離が進行する。これにより、プラズマ中のエネルギー密度が高くなり、プラズマが拡大する。
本発明に係るプラズマ生成方法においては、光の照射により生成したプラズマに、電磁波によりエネルギーを供給することができる。供給したエネルギーは、主にプラズマ中の電子に吸収される。その結果、電子が加速され、その電子が中性の原子と衝突することにより、中性原子が電離される。電離により生成された電子も同様に働くので、雪崩式に電離が進行する。これにより、プラズマ中のエネルギー密度を高くして、プラズマを拡大させることができる。
すなわち、このプラズマ生成方法においては、従来は高パワーの光を用いないと得られなかった体積が大きく発光強度の強いプラズマを高パワーの光を用いることなく得ることができる。
このプラズマ生成方法において、光源から発せられた光をレーザー光とすることにより、プラズマを良好に生成することができる。
本発明に係るプラズマ生成装置においては、光の照射により生成されたプラズマに、電磁波によりエネルギーが供給される。供給されたエネルギーは、主にプラズマ中の電子に吸収される。その結果、電子が加速され、その電子が中性の原子と衝突することにより、中性原子が電離される。電離により生成された電子も同様に働くので、雪崩式に電離が進行する。これにより、プラズマ中のエネルギー密度が高くなり、プラズマが拡大する。
すなわち、このプラズマ生成装置においては、従来は高パワーの光を用いないと得られなかった体積が大きく発光強度の強いプラズマを高パワーの光を用いることなく得ることができる。
本発明に係るプラズマ生成装置においては、電磁波発振器をプラズマの生成点から離れた場所に設置することができ、電磁波を直接放射できないような領域においても、プラズマを生成することができる。
すなわち、本発明は、大気圧下において、高強度、かつ、大体積の光誘起プラズマを、低出力の光を用いて容易な制御により実現できるようなされたプラズマ生成方法及びプラズマ生成装置を提供することができるものである。
本発明に係る計測装置においては、プラズマ生成装置と、このプラズマ生成装置により生成されたプラズマから発せられた光を計測する計測手段とを備えているので、プラズマ生成装置により生成されたプラズマを用いたLIBS計測が可能になる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。
本発明に係るプラズマ生成装置は、図1に示すように、プラズマを生成するための光を発生するレーザー光源101を備えている。このレーザー光源101から発せられたレーザー光は、集光光学系102に入射される。この集光光学系102は、レーザー光源101から発せられたレーザー光をプラズマ生成領域Pに集光する。
レーザー光源101としては、例えば、Nd:YAGレーザー光源を用いることができる。集光光学系102としては、凸レンズを用いることができる。
また、このプラズマ生成装置は、マイクロ波パルスを発振する電磁波発振器であるマイクロ波発振器105と、マイクロ波発振器105が発振したマイクロ波パルスをプラズマ生成領域Pに向けて放射するアンテナ106とを備えている。すなわち、このアンテナ106は、集光光学系102の焦点位置に向けて配置されている。マイクロ波パルスは、レーザー光の照射によりプラズマ生成領域Pにおいて生成されたプラズマに向けて放射される。マイクロ波発振器105は、パルス電源104により電源供給されて作動する。
マイクロ波発振器105としては、例えば、2.45GHzで発振するマグネトロンを用いることができる。アンテナ106は、マイクロ波発振器105の発振するマイクロ波に対して十分な利得を有するアンテナであって、例えば、3/4波長モノポールアンテナを用いることができる。パルス電源104としては、インバータ方式の電源装置を用いることができる。
そして、このプラズマ生成装置は、レーザー光の照射タイミングと、マイクロ波の放射タイミングとを制御する制御装置103を備えている。レーザー光源101は、制御装置に制御されて、レーザー光を発する。パルス電源104は、制御装置からの制御信号に従って、マイクロ波発振器105に電力を供給し、マイクロ波を発振させる。この制御装置103としては、2チャネルのパルスジェネレータを用いることができる。
このプラズマ生成装置において、レーザー光源101が発生するレーザー光の出力は、このレーザー光が集光光学系102により収束されたときに、焦点において、この焦点に存在する物質のブレークダウン閾値以上のエネルギー密度となるようになっている。すなわち、レーザー光により、焦点に存在する物質がプラズマ化するのに必要な出力である。
パルス電源104、マイクロ波発振器105及びアンテナ106からなるマイクロ波の放射手段は、レーザー光によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域P(以下、「ブレークダウン領域」と呼ぶ。)の近傍に、所定値以上の電場強度の領域(以下、「強電場領域」と呼ぶ。)を形成するようになっている。この所定値とは、強電場領域に電子が導入されたという条件が充足された場合において、電子が強電場領域に存在する物質に衝突してその物質を電離させるだけの運動エネルギーを電子に供給するのに必要な電場強度である。また、強電場領域のエネルギー密度は、強電場領域に存在する物質に絶縁破壊を生じさせるのに必要なエネルギー密度未満である。
強電場領域は、ブレークダウン領域から遠くとも、ブレークダウンにより生じる電子の到達しうる空間内のいずれかの点を内包するようになっている。望ましくは、強電場領域は、ブレークダウン領域と重なり、または、ブレークダウン領域自体を内包する。なぜなら、後述の〔動作例2〕に示すように、ブレークダウン領域に生じるプラズマにマイクロ波のエネルギーを吸収させて、プラズマの成長、拡大を促進させることを可能にするためである。
マイクロ波の放射手段は、遅くとも、レーザー光によるブレークダウンで生じた電子が強電場領域となるべき領域に移動し再結合することなく存在している期間の終了時刻までに、マイクロ波の放射により強電場領域の形成を達成する。ただし、強電場領域の形成開始時刻は、ブレークダウン領域にレーザー光のみによって生じるプラズマの消失時刻以前であることが望ましい。なぜなら、後述の〔動作例2〕に示すように、ブレークダウン領域に生じるプラズマにマイクロ波のエネルギーを吸収させて、プラズマの成長、拡大を促進させることが可能になるからである。マイクロ波の放射は、レーザー光の照射時刻以前に開始されてもよい。
制御装置103がレーザー光源101にレーザー光を発生させる時刻と、制御装置103がパルス電源104に指令を与えマイクロ波パルスを発生させる時刻との時間差は、前述の時刻に関する条件と、このプラズマ装置において生じる時定数とに基づき、適宜定めることができる。
時定数とは、レーザー光源101及び集光光学系102からなる光学的なプラズマ生成手段の起動時間遅れ、レーザー光によるブレークダウンに要する時間、マイクロ波の放射手段の起動時間遅れ、マイクロ波発振器による発振の立ち上がり時間等である。
〔動作例1〕
以下に示す動作例1においては、レーザー光を用いたブレークダウンにより生じる電子を契機として、マイクロ波のエネルギーを用いたプラズマ生成を行う。
この動作例1においては、動作が開始されると、制御装置103がレーザー光源101に指令を与える。レーザー光源101は、この指令に応答してレーザー光の発生を開始する。発生したレーザー光は、集光光学系102によりその焦点に集束される。焦点では、エネルギー密度が上昇し、焦点の位置に存在する物質のブレークダウン閾値に達する。ブレークダウン閾値に達すると、焦点の位置に存在する物質と光子との衝突により、その物質が電離するに至る。
以上の一連の動作により、ブレークダウン領域に存在する物質を原料とするプラズマが生成される。焦点の位置にプラズマが生成されると、このプラズマに起因する電子が周囲に移動する。移動した電子は、強電場領域となる領域に到達する。
制御装置103は、レーザー光源101への指令に対し前述の時間差でパルス電源104に指令を与える。パルス電源104は、この指令に応答してマイクロ波発振器105への電力供給を開始する。マイクロ波発振器105は、電力の供給を受けて発振し、マイクロ波を発生する。発生したマイクロ波は、アンテナ106より放射される。放射されたマイクロ波により、電子等が強電場領域となる領域に電子が到達し存在している時間帯には、強電場領域が形成されている。
強電場領域に電子が存在すると、その電子がマイクロ波よりエネルギーを得て加速し、強電場領域に存在する物質と衝突して、その物質を電離させる。その結果、強電場領域に存在する物質を原料とするプラズマが形成される。このプラズマに起因する電子がマイクロ波よりエネルギーを得て加速し、周囲の物質に衝突して、その物質を電離させる。この衝突と、電離と、電子の加速との連鎖(いわゆる電子雪崩)により、強電場領域及びその周囲の物質がプラズマ化する。その結果、プラズマが成長拡大する。
なお、本動作例においては、レーザー光の周波数はマイクロ波の周波数より高いため、レーザーによるブレークダウンで生じるプラズマがマイクロ波のカットオフを起こすことがある。すなわち、レーザー光の出力が大きく、かつ強電場領域となる領域がレーザーによるブレークダウンで生じるプラズマに近接する場合、強電場領域となる領域の電子密度が高い期間中、プラズマがマイクロ波を全反射することがある。このような場合、ブレークダウンにより生じるプラズマの電子密度が低下し、カットオフが生じなくなった後に強電場領域を形成するよう、マイクロ波の発振開始タイミングを調整してもよい。
また、本動作例においては、レーザーの強度が十分に高ければ、ブレークダウンにより生じる衝撃波が強電場領域での電子雪崩の契機となりうる。このような場合には、強電場領域への電子の到達時間に代えて、強電場領域への衝撃波の到達時間を基準としてマイクロ波の放射開始時刻を設定すればよい。
〔動作例2〕
以下に示す動作例2においては、レーザー光を用いたブレークダウンにより生じたプラズマにマイクロ波のエネルギーを吸収させ、もってブレークダウン領域で生じたプラズマを拡大成長させる。なお、この動作例2においては、前述のように、強電場領域は、ブレークダウン領域と重なり、または、ブレークダウン領域自体を内包する。また、この動作例2においては、マイクロ波の放射は、レーザー光の照射時刻以前に開始され、強電場領域の形成開始時刻は、ブレークダウン領域にレーザー光のみによって生じるプラズマの消失時刻以前である。
この動作例2において、動作が開始され、制御装置103がパルス電源104に指令を与えると、パルス電源104、マイクロ波発振器105及びアンテナ106からなるマイクロ波の放射手段は、マイクロ波を放射する。放射されたマイクロ波により、ブレークダウン領域の周辺に強電場領域が形成され、ブレークダウンによって生じたプラズマにマイクロ波が照射される。
ブレークダウンによって生じたプラズマは、マイクロ波のエネルギーを吸収する。吸収したエネルギーにより、このプラズマ内の電子がエネルギーを得て加速される。このエネルギー吸収による電子の加速を契機として、プラズマの周辺領域で電子雪崩が生じ、プラズマが拡大成長する。
〔本実施の形態における効果〕
このプラズマ生成装置においては、レーザー光を使用することにより、プラズマの生成位置やタイミングを容易に制御することができ、マイクロ波アシストにより大体積、高放射強度のプラズマが得られる。すなわち、所望の位置及びタイミングで、大体積、高放射強度のプラズマを容易に生成できる。
レーザー光によってプラズマを生成することにより、強電場領域に多数の電子を供給することができる。そのため、遇存電子を契機とする従来のマイクロ波プラズマの生成手法よりも、強電場領域でのプラズマ生成の開始及び電子雪崩の発生が容易である。
したがって、このプラズマ生成装置においては、従来のマイクロ波プラズマの生成手法に比べ、効率的に大規模なプラズマを得ることができる。また、レーザー光の出力が小さくレーザー光によるブレークダウンによって生じるプラズマの体積が小さくても、マイクロ波によってプラズマを拡大成長させることができる。これは、省エネルギー化、小型化、及び簡略化に資する。
〔レーザー光を用いることによる効果〕
本実施の形態によれば、プラズマ生成の契機となるブレークダウンをレーザー光照射によって行う。これは前述の作用効果に加え、次のような望ましい作用効果を奏する。すなわち、レーザー光によりブレークダウンが誘起される確率は、光子とプラズマの原料物質との衝突確率に依存するため、焦点までの光路における光の透過効率さえ確保されれば、高圧力、高密度の雰囲気中でのプラズマ生成が容易である。また、焦点までの光路における光の透過効率さえ確保されれば、プラズマの生成領域近傍に電極等を設置しなくてもプラズマが生成できる。このことは、プラズマ生成位置の選択性の向上及びプラズマの汚染低減に資する。
また、本実施の形態によれば、レーザー光源101としてNd:YAGレーザー光源を用いる。Nd:YAGレーザー光は水に吸収されにくく、水分を多く含む生体組織等への深達度が大きいので、水分を多く含む物体の深部でブレークダウンを生じさせることができる。このブレークダウンを契機として、水分を多く含む物体の深部で、大規模なプラズマを発生させることが可能になる。
〔マイクロ波を利用することによる効果〕
本実施の形態によれば、マイクロ波の放射によってプラズマの拡大成長を行う。これは前述の作用効果に加え、次のような望ましい作用効果を奏する。すなわち、マイクロ波を用いた直接的な絶縁破壊によるプラズマ生成より、低電力でのプラズマ生成が可能である。
また、マイクロ波発振器によるマイクロ波発振の開始及び終了は、パルス電源による電力投入により制御されるため、その制御に機械的な構成を要しない。したがって、マイクロ波の繰返し発振等時間方向の制御を高い時間応答で行うことが比較的容易である。これは、断続的なプラズマの生成等に資する。
マイクロ波発振器105として2.45GHzで発振するマグネトロンを用いることにより、プラズマ生成装置を安価に作製することができる。2.45GHzで発振するマグネトロンは、家庭用電子レンジ等に用いられており、安価だからである。このことは、本実施の形態のプラズマ装置の低価格化に資する。マグネトロンは、入力される電力からマイクロ波へのエネルギー変換効率が80%程度と極めて高い。これは、高効率化、省エネルギー化に資する。
〔アンテナの使用による効果〕
アンテナを用いることにより、所望の位置に向けてマイクロ波を放射することが可能である。マイクロ波を対向する電極対に印加したり、コイルに印加するより、空間的な選択の幅が広がる。よって、設計の自由度が増す。
〔実施の形態1の変形例〕
レーザー光誘起プラズマは、通常は極めて短時間で消滅するが、本発明においては、マイクロ波の放射時間を制御することにより、プラズマの維持時間を制御可能である。プラズマ温度の上昇時間より生成時間を長くすることで、熱プラズマの生成が可能である。
熱プラズマでは、エネルギー密度が大きいため、物質を短時間で高温にすることができ、高温のみで進行する化学反応等の高温熱源として利用できる。
〔第2の実施の形態〕
図2は、本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第2の実施の形態における構成を示す斜視図である。
本発明に係るプラズマ生成装置は、図2に示すように、内視鏡として構成することができる。この内視鏡は、プラズマを生成するためのレーザー光を照射するレーザー光源201を備えている。レーザー光源201から発せられたレーザー光は、光ファイバー208により集光光学系202に導かれ、この集光光学系202により集光される。
この内視鏡は、マイクロ波を発振するマイクロ波発振器205と、レーザー光照射により生成されたプラズマに向けてマイクロ波を放射するアンテナ206とを備えている。マイクロ波発振器205からアンテナ206までは、マイクロ波伝送系207により、マイクロ波が伝送される。
そして、レーザー光の照射タイミングと、マイクロ波の放射タイミングとは、前述の実施の形態と同様に、制御装置203により制御される。マイクロ波発振器205に電力を供給するパルス電源204は、制御装置からの制御信号に従って、マイクロ波発振器205に電力を供給する。
この内視鏡においては、レーザー光とマイクロ波とを適当なタイミングで同期発振させ、それぞれを光ファイバー208及びマイクロ波伝送系207により内視鏡の先端211まで伝送し、内視鏡の先端211において、適当な強度のプラズマを生成することができる。
図3は、本発明に係るプラズマ生成装置の第2の実施の形態における内視鏡の先端の構成を示す斜視図である。
この内視鏡の先端211には、図3に示すように、光ファイバー208の先端に設けられた集光光学系202及びマイクロ波伝送系207の先端に設けられたアンテナ206が設置されている。
この内視鏡においては、例えば、癌の治療の際に、内視鏡の先端で適当な極めて局所的にプラズマを生成することにより、周辺組織に影響を与えずに、癌組織のみを破壊することが可能である。
図3中の209は、プラズマの形成される領域の観測または光学的計測を行うためのファイバスコープ(図示せず)の対物レンズである。対物レンズ209を介して、プラズマを生成すべき位置の確認、並びに、生成されるプラズマの観測及び光学的計測、並びに、プラズマ生成による結果の確認を行うことができる。図3中の210は、照明用のライトである。照明用のライト210を用いて光をプラズマの生成される領域に向けて照射するにより、上述の確認が容易になる。
〔第3の実施の形態〕
本発明レーザープラズマ生成装置は、制御装置を用いてレーザー光源自体を制御するのではなく、光源から焦点まで光の透過を制御することにより、レーザー光のON−OFFを制御するようにしてもよい。
図4に、このような実施の形態に係るプラズマ生成装置の構成を示す。
このプラズマ生成装置においては、制御装置を用いてレーザー光源自体を制御するのではなく、光源から焦点Fまで光の透過を制御することにより、レーザーのON−OFFを制御する。図4に示す第3の実施の形態に係るプラズマ生成装置300は、第1の実施の形態に係るプラズマ生成装置100(図1参照)のものとそれぞれ同一の集光光学系102、パルス電源104、マイクロ波発振器105及びアンテナ106を備える。
このプラズマ生成装置300は、さらに、プラズマ生成装置100のレーザー装置101及び制御装置103にそれぞれ代えて、レーザー装置301及び制御装置303を備える。このプラズマ生成装置300は、さらに、制御装置303に接続されたチョッパ310を備える。
チョッパ310は、レーザー装置310から発せられるレーザー光の経路上、集光光学系102の焦点Fよりレーザー装置310側に配置される。なお、チョッパ310は集光光学系102より焦点F側に配置されてもよい。
本実施の形態においては、レーザー装置301として、連続発振のものを用いることができる。チョッパ310としては、機械式のチョッパを用いることができる。
制御装置303は、レーザー装置301への指令によって、レーザー光発生の開始及び終了を制御する。ただし、ここでのレーザー光発生の開始及び終了は、焦点Fへのレーザー光の照射の開始及び終了と同義ではない。制御装置303は、チョッパ310への指令によって、焦点Fへのレーザー光の照射の開始及び終了を制御する。制御装置303によるマイクロ波の制御については、第1の実施の形態に係る制御装置103による動作と同様である。
チョッパ310は、制御装置303からの指令に従って動作し、レーザー装置301から焦点Fまでの光の経路の遮断と開放とを選択的に行う。
〔本実施の形態における効果〕
本実施の形態においては、レーザー光路の遮断及び開放により、レーザー光を直接的に制御することにより、プラズマの生成タイミングを決定する。これにより、レーザー装置自体の駆動を制御するより、容易にかつ種々のタイミング制御を実現することができる。本実施の形態に係るレーザー光は、第1の実施の形態のそれと同様、高出力のものを要しない。したがって、チョッパの損耗が少ない。
〔第3の実施の形態の変形例〕
本実施の形態においては、チョッパを用いて、レーザー光の焦点Fへの照射時刻の制御を行ったが、レーザー光路上に種々の光学部品を組合せて配置することにより、プラズマ生成のためのより高度な制御を実現することが可能になる。
例えば、光路上にウェッジプリズム等のプリズムを配置することにより、ブレークダウン領域の位置を調整することが可能になる。ウェッジプリズムの位置若しくは角度を変化させることにより、または、回転式のポリゴンミラーを使用することにより、ブレークダウン領域の位置を走査することも可能になる。また例えば、集光光学系としてズームレンズ、または、バリフォーカルレンズを使用することにより、レーザー光の進行方向におけるブレークダウン領域の位置を調整することができる。これらを組合せることにより、フレークダウン領域の三次元的に所望の位置に調整することが可能になる。すなわち、プラズマを生成する領域のうちレーザーにより高密度のプラズマが瞬時に生成される領域が選択可能になる。したがって、高密度のプラズマを生成したい領域、または、高密度のプラズマ化による損耗が許容される領域においてブレークダウンが生じ、その周囲に比較的低密度のプラズマが生成される領域を形成することができる。
〔第4の実施の形態〕
図5は、本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第4の実施の形態における構成を示すブロック図である。
本発明に係るプラズマ生成装置は、図5に示すように、強電場領域及びブレークダウン領域を覆うキャビティー410を備えてもよい。この実施の形態においてアンテナ406は、キャビティー410内に配置され、マイクロ波は、キャビティー410越しにアンテナ406に伝送される。
このキャビティーは、マイクロ波の共振構造を有するキャビティーであって、マイクロ波が漏洩せず、かつ、レーザー光を導入するためのレーザー光導入窓が設けられていることが望ましい。図6にキャビティー410の具体例を、一部断面斜視図にて示す。キャビティー410は、筒状の側壁部420、並びに側壁部420の端部を覆う第1の端面壁421及び第2の端面壁422からなる主筒423を有する。第1の端面壁421には、開口が425が設けられており、この開口部分にアンテナ406が設置される。マイクロ波は、この部分を通してキャビティー410内に導入される。
主筒423の側壁部420は、複数個所(図5に示す例では4箇所)が開口しており、その開口周囲部にそれぞれ、両端開口の側筒424A、424B、424C及び424Dが接合される。側筒424A、424B、424C及び424Dの主筒423と反対側の端部にはそれぞれフランジが設けられている。このフランジに、キャビティー410内にプラズマの原料物質を導入するための配管、または、観測窓用の透光性部材(例えばガラス窓、石英窓)等が接続されてもよい。
主筒423、並びに側筒424A、424B、424C及び424Dはいずれも導電体からなる。キャビティー410内に導入され、アンテナ406より放射されるマイクロ波は、主筒423の壁面にて反射される。側筒424A、424B、424C及び424Dの内径は、概ねマイクロ波の1波長の1/4程度未満である。側筒424A、424B、424C及び424Dの長さは、マイクロ波の1波長の1/4の奇数倍程度である。そのため、側筒424A、424B、424C及び424Dからマイクロ波がキャビティー410の外へ漏洩することはない。このマイクロ波は、キャビティー410内で共振し定在波を形成する。この定在波の腹にあたる領域が、強電場領域となる。
側筒424A、424B、424C及び424Dのうち2つ(図5に示す例では側筒424A及び424B)は、レーザー光の導入窓及び出射窓として用いられる。一方よりキャビティー410に入射した光が、上述の定在波の腹にあたる領域付近を通過し、他方よりキャビティー410外に出射されるよう対向配置される。キャビティー410は、レーザー光が、これら2つの側筒の一方より入射され、キャビティー410内の該腹にあたる領域付近で焦点を結ぶよう配置される。
その他の側筒については、用途に応じて適宜配置されてよい。例えば、プラズマの形成される領域より発せられる光の計測に、該領域の観測に、該領域で形成されるプラズマの原料の吹き込みに、または、プラズマの計測用センサ等の直接的な導入に側筒を用いる場合、そのための側筒は、側筒越しに該領域が臨めるよう配置されることが望ましい。
このようなキャビティーを用いると、マイクロ波の共振により強電場領域の位置を所定の位置に確定することができる。また、共振により、効率よく強電場領域を形成することが可能になる。さらに、電磁波漏洩防止と、レーザー光の導入とを両立させることが可能になる。
〔第5の実施の形態〕
本発明に係る計測装置は、前述のプラズマ生成装置と、LIBS(Laser-Induced Breakdown Spectroscopy)の計測系を有して構成される。LIBSの計測系は、受光用光学系、分光器、受光素子、信号処理装置、演算装置からなる。
図7に、本実施の形態の概略構成を示す。図7に示すように、この計測装置は、第1の実施の形態のものと同様のレーザー光源101、集光光学系102、パルス電源104、及びマイクロ波発振器105を備える。この装置はさらに、第4の実施の形態のものと同様のアンテナ406及びキャビティー410を備える。
この計測装置は、第1の実施の形態に係る制御装置103の機能に加え、計測を行うタイミングに応じて指令信号を発する機能を有する制御装置503を備える。この制御装置503には、3チャネル以上の出力チャネルを有するパルスジェネレータを用いることができる。
また、この計測装置は、マイクロ波発振器105からアンテナ406までのマイクロ波の伝送路として、マイクロ波発振器105からのマイクロ波の導入端を有する導波管511と、アイソレータ・サーキュレータ512と、同軸導波管変換器513と、同軸ケーブル514とを備える。
さらに、この計測装置は、LIBSの計測系のうち、受光用光学系として、入射レーザー光計測用のビームサンプラー520及びパワーメーター521Aと、キャビティー310からの出射レーザー光の計測用のパワーメーター521Bと、プラズマからの光を側筒越しに受ける受光光学素子522及び受光光学素子522の受けた光を伝送する光ファイバー523とを備える。
また、この計測装置は、分光器524を備える。分光器524としては、ツェルニターナ式のもの、エッシェル式のもの、フィルタ等を用いるもの、及びその他の方式のもののいずれの方式のものも使用可能である。
また、この計測装置は、受光素子として、制御装置503より計測タイミングに関する指令信号を、分光器524より分光された光をそれぞれ受けるよう接続され、指令信号に応答して受光した光に対応する電気信号を出力する光センサ525を含む。光センサ525としては、例えば光電子増倍管、または、CCD若しくはCMOS等のイメージセンサを用いることができる。
また、この計測装置は、信号処理装置として、パワーメーター521A及び521B、並びに、光センサ525の出力を受けるよう接続され、これら接続された機器からの信号の取り込み、同期、A/D変換、及びバッファリング等を行う信号処理器526を備える。また、この装置は、演算装置として、信号処理器526に接続されたコンピュータ527を備える。信号処理器526としては、例えば、DAQ、コンピュータに接続可能なデータ取込用インタフェースボード等を用いることができる。コンピュータ527は、信号処理器526により処理された信号から、所定の計測値を算出するための演算を、予め定められ、このコンピュータに記憶され、実行可能なプログラムに従って行い、その結果を出力する。このコンピュータ527には、一般的なコンピュータハードウェア、そのコンピュータハードウェアにより実行可能なプログラム、及びコンピュータハードウェア及びプログラムを用いて読み出し若しくは書き込み可能なデータからなるコンピュータシステムにより実現可能である。このコンピュータシステムの具体的なハードウェア構成及びこのコンピュータシステム自体の動作については、周知である。したがって、ここでは、その詳細については説明しない。
〔本実施の形態における効果〕
この装置においては、第1の実施の形態、または、第4の実施の形態に係るプラズマ生成装置及びプラズマ生成方法により生成されるプラズマを用いたLIBS計測が可能になる。したがって、第1の実施の形態、または、第4の実施の形態の奏する望ましい作用及び効果をLIBS計測において実現することが可能になる。
〔本実施の形態の変形例〕
図6は、本発明に係るプラズマ生成装置の第4の実施の形態におけるキャビティーの形状を示す一部断面斜視図である。
本発明に係るプラズマ生成装置においては、図6に示すように、レーザー光のタイミング制御に第3の実施の形態に係る制御方式を用いてもよい。さらには、第3の実施の形態の変形例に係るブレークダウン領域の位置制御方式を用いてもよい。このようにすれば、ブレークダウン領域の位置とLIBS計測の対象の位置との関係性が計測の目的または結果に影響を及ぼすような計測条件での計測が可能になる。例えば、ブレークダウン領域以外のプラズマ領域のLIBS計測が可能になる。
さらに、ブレークダウン領域となる領域に、計測の対象となる物体とは別にターゲットとなる物体を予め準備するようにしておけば、計測の対象となる物質を直接にレーザー光によって損耗させることなく計測を行うことができる。
なお、LIBSの計測系を多数準備し、それら多数の計測系を用いて同時にまたは時間差をつけて計測を行うようにしてもよい。また、それら多数の計測系により、プラズマの生成される領域内の多数の点について計測を行うようにしてもよい。
〔その他変形例等〕
上述の各実施の形態において、プラズマ生成装置は、単一のレーザー光源を有するものであった。しかし、レーザー光源は複数であってもよい。それら複数のレーザー光源は、各々がブレークダウンに十分なエネルギーを発するものであってもよい。また、それら複数のレーザー光源からの光を一点に集中させることによって、一のブレークダウン領域を形成するようにしてもよい。
また、ブレークダウンを生じさせるための光源としては、Nd:YAGレーザー光源以外にも、一般的なその他の固体レーザー光源を用いることができる。また、固体レーザー光源に限らず、液体レーザー光源、ガスレーザー光源、半導体レーザー光源、または、自由電子レーザー光源を用いてもよい。レーザー光源に用いる波長帯域は、赤外域、可視域、紫外域、及びX線帯域のいずれであってもよい。また、それらレーザー光の波長帯域を変化させることにより、ブレークダウン領域の大きさ、位置、及びエネルギー密度を調整するようにしてもよい。複数帯域のレーザー光を合成した光、または複数帯域に亘りレーザー光を空間的に若しくは時間的に変化させた光を用いてもよい。
上述の実施の形態において、プラズマの原料となる物質は、固体、液体、気体、原子、及びイオン等いずれの態様のものであってもよい。
上述の実施の形態においては、集光光学系として凸レンズを用いたが、本発明はこのようなものには限定されない。屈折、反射、回折等を利用して集光を行う光学素子のいずれであってもよい。また、複数の光学素子を組合せて一の集光光学系をなすものであってもよい。
光源と集光光学系との組合せとしては、複数の光源より発せられる光をブレークダウン領域に集光させるものであってもよい。その場合、光源及び集光光学系は、ブレークダウン領域に導入される光に対し、並列に配置されても、直列に配置されてもよい。
上述の実施の形態においては、マイクロ波発振器としてマグネトロンを例示したが、本発明は、このようなものには限定されない。帰還型発振器、置換型発振器、またはその他のいずれの方式の発振器であってもよい。具体的には、半導体発振器、固体振動子発振器、CR発振回路、LC発振回路、同調型発振器、マルチバイブレータ発振器、ネオン管発振回路、若しくはリレー式発振回路、またはそれらに類する発振器もまた、マイクロ波発振器として用いることができる。これら発振器を用いて発生した電磁波を、逓倍器やミキサ回路等を用いて変調してもよい。または増幅器を用いて増幅を行ってもよい。
上述の実施の形態においては、マイクロ波として2.45GHz帯のものを用いたが、本発明は、このようなものには限定されない。ブレークダウンを契機として電子雪崩を発生させるだけのエネルギー密度の強電場領域を形成するのであれば、その周波数は、2.45GHzより高いものであっても、低いものであってもよい。例えば、2.4GHz帯であれば、短距離無線データ通信に用いられている発振器及び無線設備を利用することができる。5GHz帯であれば、魚群探知機等の発振器及び無線設備を利用することができる。複数の周波数の電磁波を組合せることにより、または選択することにより、強電場領域の位置、形状、または体積を変化させるようにしてもよい。
マイクロ波の伝送には、導波管及び/または同軸ケーブル以外にも、ストリップライン線路等を用いてもよい。また、その伝送路上にスイッチング回路、分配器、インピーダンス調整用のスタブ等を設けてもよい。
上述の実施の形態においては、アンテナとして3/4波長モノポールアンテナを例示したが、本発明はこのような実施の形態に限定されない。アンテナには、平衡型、不平衡型(ダイポールアンテナ、ループアンテナ等)、開口型(ホーンアンテナ等)のいずれの形式のものを用いてもよい。また、電磁波の反射、回折、屈折等を利用したアンテナであってもよい。ダイバーシチ方式のアンテナ、アレー方式のアンテナを用いてもよい。
また、プラズマの生成・成長の過程で強電場領域付近の電場に変化が生じることから、アンテナの配置、形状、実効長、または方向を変化させてもよい。
今回開示された実施の形態は単なる例示であって、本発明が上述の実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。 本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第2の実施の形態における構成を示す斜視図である。 本発明に係るプラズマ生成装置の第2の実施の形態における内視鏡の先端の構成を示す斜視図である。 本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第3の実施の形態における構成を示すブロック図である。 本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置の第4の実施の形態における構成を示すブロック図である。 本発明に係るプラズマ生成装置の第4の実施の形態におけるキャビティーの形状を示す一部断面斜視図である。 本発明に係るプラズマ生成方法を実行する本発明に係るプラズマ生成装置及びLIBS計測系の概略構成を示すブロック図である。
101,201 レーザー光源
102,202 集光光学系
103,203,303,503 制御装置
104,204 パルス電源
105,205 マイクロ波発振器
106,206,406 アンテナ
207 マイクロ波伝送系
208 光ファイバー
310 チョッパ
410 キャビティー
511 導波管
512 アイソレータ・サーキュレータ
513 同軸導波管変換器
514 同軸ケーブル
520 ビームサンプラー
521A,521B パワーメーター
522 受光光学系
523 光ファイバー
524 分光器
525 光センサ
526 信号増幅器
527 コンピュータ

Claims (2)

  1. 光源から発せられたレーザー光を集光させ、このレーザー光の集光する位置に存在する物質にブレークダウン閾値以上のエネルギーを与える第1工程と、
    前記レーザー光の集光位置に向けてマイクロ波パルスを放射し、前記第1工程により生成されたプラズマ近傍の領域にエネルギーを供給する第2工程と、
    プラズマから発せられた光を計測する計測工程と
    を有し、
    前記レーザー光と前記マイクロ波パルスとを同期的に制御して、前記レーザー光の照射タイミングと前記マイクロ波パルスの放射タイミングとを制御するとともに、前記生成されたプラズマが短時間で消滅しないようにマイクロ波の放射時間を制御することによりプラズマの維持時間を制御し、
    前記計測工程では、LIBSの計測系を用いて、プラズマから発せられた光を分光器により分光し、前記分光器により分光された光を光センサで受けて、前記光センサが出力する電気信号に基づいて演算処理を行う
    ことを特徴とする計測方法。
  2. レーザー光を発する光源と、前記光源から発せられたレーザー光を集光する集光光学系と、マイクロ波パルスを発振する電磁波発振器と、前記レーザー光が集光される位置に存在する物質により前記レーザー光の照射により生成されたプラズマに向けて前記マイクロ波パルスを放射するアンテナと、前記電磁波発振器を制御する制御装置とを有するプラズマ生成装置と、
    プラズマから発せられた光を計測する計測手段と
    を備え、
    前記制御装置は、前記レーザー光と前記マイクロ波パルスとを同期的に制御して、前記レーザー光の照射タイミングと前記マイクロ波パルスの放射タイミングとを制御するとともに、前記生成されたプラズマが短時間で消滅しないようにマイクロ波の放射時間を制御することによりプラズマの維持時間を制御し、
    前記計測手段は、LIBSの計測系であり、プラズマから発せられた光を分光する分光器と、前記分光器により分光された光を受ける光センサとを有し、前記光センサが出力する電気信号に基づいて演算処理を行う
    ことを特徴とする計測装置。
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