JP5651044B2 - 研磨液 - Google Patents

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本発明は、磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体を研磨するために用いられる研磨液に関する。
磁気ディスク(ハードディスク)装置、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置においては、基板と該基板上に形成された磁性材料とを備える磁気記録媒体が用いられている。磁気記録媒体においては、ユーザーデータを記録するデータ領域と位置情報を記録するサーボ領域が形成されている。
例えば図8に示すごとく、ハードディスク装置等の用途においては、基板61上に形成された磁性材料65を備えた円盤状の磁気記録媒体6が回転して、該磁気記録媒体6の表面に浮上させた磁気ヘッド600により磁性材料65の記録部位651に情報68の読み書きを行う。
近年、磁気記録媒体6に高密度で情報を記録する要求が高まっており、最新の磁気記録媒体においてはトラック密度110kTPIにまで達している。ところが、さらにトラック密度を高くしていくと、図8に示すごとく、磁性材料65における隣接する記録部位651の間隔が小さくなる。その結果、記録部位651に記録された情報が互いに干渉し、隣接する記録部位651の間652からノイズ69が発生し易くなるという問題があった。かかるノイズ69の発生は、記録部位651からの読み取りエラーを引き起こす。
そこで、近年、磁性材料に凹凸を形成し、記録部位を物理的に分離させた磁気記録媒体が開発されている(特許文献1〜5参照)。このような磁気記録媒体には、例えばディスクリート・トラック・メディア(DTM)及びビット・パターンド・メディア(BPM)がある。
図9(a)及び(b)に円盤状のDTMの一例を示し、図10(a)及び(b)に円盤状のBPMの一例を示す。
図9(a)及び(b)に示すごとく、DTM8は、円周方向に伸びる凹凸パターンが形成された磁気記録媒体であり、基板80上に、磁性材料からなる凸部81を挟んで凹部82が径方向に交互に形成されている。即ち、円周方向に伸びるように形成された凸部81と凹部82が径方向に交互に形成されている。
また、図10(a)及び(b)に示すごとく、BPM9は、周囲から突出し、磁性材料からなる凸部91と、該凸部の周囲に形成された凹部92、93とからなる凹凸パターンが形成された磁気記録媒体である。BPM9においては、基板90上において円周方向に伸びるように形成された複数の凹部92と径方向に伸びるように形成された複数の凹部93によって、磁性材料が分断され複数の凸部91が形成されている。
DTM及びBPMにおいては、磁気ヘッドが高速に回転する磁気記録媒体の凸部に情報を記録したり凸部から情報を読み取ったりする。
特開2004−164692号公報 特開2004−178793号公報 特開2004−178794号公報 特開2009−170040号公報 特開2009−271973号公報
しかしながら、凹凸パターンを有する磁気記録媒体においては、気流の乱れによる磁気ヘッドの浮上安定性の低下等によって起こりうる磁気ヘッドと凹凸パターンの接触によって、磁気ヘッドや凹凸パターンの破損が懸念される。
これを回避するために、凹凸パターンの凹部を非磁性材料で埋めてしまう手法が考えられる。
具体的には、まず、例えばガラス等からなる基板10の表面に磁性材料を含む磁性部11(磁性層)を形成し、該磁性部11に溝(凹部)120を形成して凹凸パターン13を形成する(図1(a)及び(b)参照)。次いで、凹凸パターン13の凹部120を覆うように非磁性材料125を埋め込むことにより、磁性材料を含む磁性部11と、該磁性部11に形成された複数の凹部120を覆うように埋め込まれた非磁性材料125とからなる複合体15を作製する(図1(c)参照)。そして、磁性部11と凹部120内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部12とが露出して平坦な研磨面16を形成するまで研磨することにより、磁気記録媒体1を作製する(図1(d)参照)。
上述の研磨にあたっては、砥粒等を分散させた研磨液を用いて行う湿式研磨が考えられる。しかし、上記磁性部と上記非磁性部とを露出させて平坦な研磨面を形成させる際に用いられる有効な研磨液は開発されておらず、均一な平面に研磨することは困難である。
特に、例えばハードディスク用の磁気記録媒体においては、図4に示すごとく、データ領域18とサーボ領域19のように、形状、大きさ、幅等の異なる磁性部11及び非磁性部12を形成する場合がある。この場合には、図6(a)及び(b)に示すごとく、磁性部11に形状、大きさ、幅等の異なる凹部120を形成し、この凹部120内に非磁性材料125を埋め込む必要がある。このとき、磁性部11の表面及び凹部120内に非磁性材料125をたとえ均一な量で形成したとしても、凹部12内に埋め込まれる非磁性材料125の量が異なるため、凹部12を覆う非磁性材料125の高さ(凹部の深さ方向の高さ)が形状の異なる凹部120同士で異なってしまう(図6(a)及び(b)参照)。そのため、複合体15を非磁性材料125側から均一に研磨したとしても、凹部12内に埋め込まれた非磁性材料125の高さが小さい領域においては、研磨終了時の厚みが小さくなってしまう(図7(a)及び(b)参照)。
具体的には、例えば図6(a)及び(b)に示すごとく、サーボ領域19の凹部120がデータ領域18に比べて大きな幅で形成されている場合には、サーボ領域19の凹部12を覆う非磁性材料125の高さがデータ領域18の凹部12を覆う非磁性材料125の高さより低くなり、図7(a)及び(b)に示すごとく、研磨終了時には、サーボ領域19における磁性部11及び非磁性部12の厚みがデータ領域18における磁性部11及び非磁性部12の厚みに比べて小さくなってしまうおそれがある。したがって、データ領域18とサーボ領域19全体にわたって磁性部11と非磁性部12とが均一な厚みで形成された平坦な研磨面16を形成することが困難になるおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、磁性部とその凹部内に埋め込まれた非磁性部とを露出させて平坦な研磨面を形成させることができる研磨液を提供しようとするものである。
本発明は、磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体を、上記磁性部と上記凹部内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部とが露出して平坦な研磨面を形成するまで研磨するために用いられる研磨液であって、
該研磨液は、水とエッチング剤とを含有し、
上記エッチング剤としては、アルカノールアミンと、温度25℃、濃度0.01mol/Lの水溶液のpHが11以上であるアルカリ性化合物(但し、アルカノールアミンを除く)とを含有し、
上記アルカリ性化合物は、水酸化アルカリ、下記の一般式(1)で表される水酸化四級アンモニウム、及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする研磨液にある(請求項1)。
Figure 0005651044
(式(1)中、R1〜R4は、独立して、ベンジル基、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、アルキル基の一部が水酸基で置換していてもよい)
上記研磨液においては、上記エッチング剤として、アルカノールアミンと、温度25℃、濃度0.01mol/Lの水溶液のpHが11以上であるアルカリ性化合物(但し、アルカノールアミンを除く)とを含有する。そして、上記研磨液は、磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体を、上記磁性部と上記凹部内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部とが露出して平坦な研磨面を形成するまで研磨するために用いられる。
上記特定のエッチング剤を含有する研磨液は、上記非磁性材料を化学的に溶解させることができ、上記磁性材料はほとんど溶解させることがない。そのため、研磨時には上記凹部を覆う上記非磁性材料を優先的に研磨させることができ、上記磁性部と上記非磁性部とを平坦にすることができる。
実施例にかかる、軟磁性層と中間層と記録磁性層とからなる磁性部を表面に形成した基板の部分断面構造を示す説明図(a)、磁性部に凹部が形成された基板の部分断面構造を示す説明図(b)、基板上の磁性部に形成された凹部を非磁性材料により覆ってなる複合体の部分断面構造を示す説明図(c)、基板上に形成された磁性部の凹部内に非磁性材料からなる非磁性部を埋設させてなる磁気記録媒体の部分断面構造を示す説明図(d)。 実施例にかかる、研磨加工機用いた研磨加工方法を説明するための図であって、研磨加工時における研磨加工機の側面図(a)及び平面図(b)。 実施例にかかる、磁気記録再生装置の構成例を示す説明図。 実施例にかかる、磁気記録媒体におけるデータ領域及びサーボ領域の形成パターンの一例を示す平面図。 実施例にかかる、磁気記録媒体の部分断面構造を示す説明図であって、データ領域における断面構造を示す説明図(a)、サーボ領域における断面構造を示す説明図(b)。 基板上の磁性部に形成された凹部を非磁性材料により覆ってなる複合体の部分断面構造であって、データ領域における断面構造を示す説明図(a)、サーボ領域における断面構造を示す説明図(b)。 従来の研磨方法による研磨終了後の複合体(磁気記録媒体)の部分断面構造を示す説明図であって、データ領域における断面構造を示す説明図(a)、サーボ領域における断面構造を示す説明図(b)。 従来の磁気記録媒体から情報を読み書きする様子を示す説明図。 磁性材料に凹凸を形成してなるディスクリート・トラック・メディアからなる磁気記録媒体を示す説明図であって、凹凸パターンの一例を示す平面図(a)及び部分断面図(b)。 磁性材料に凹凸を形成してなるビット・パターンド・メディアからなる磁気記録媒体を示す説明図であって、凹凸パターンの一例を示す平面図(a)及び部分断面図(b)。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
上記研磨液は、磁性材料を含む磁性部11と、該磁性部11に形成された複数の凹部120を覆うように埋め込まれた非磁性材料125とからなる複合体15を、上記磁性部11と上記凹部120内に埋め込まれた上記非磁性材料125からなる非磁性部12とが露出して平坦な研磨面16を形成するまで研磨するために用いられる(図1(c)及び(d)参照)。凹部120は、磁性材料で形成した磁性部11に対して例えばイオンミリングなどを行うことにより形成することができる。
上記研磨液を用いた複合体の研磨は、例えば図2(a)及び(b)に示すような研磨加工機7を用いて行うことができる。
即ち、例えば複合体15に研磨液Sを供給しながら、複合体15の表面に研磨加工機7の研磨テープ705を押し当てた状態で研磨テープ705と複合体15とを相対的に動かす(図2参照)。これにより、上記複合体15の上記磁性部11と上記凹部120内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部12とが露出して平坦な研磨面16を形成するまで研磨する(図1(c)及び(d)参照)。
上記複合体の上記磁性部には形状が異なる上記凹部が形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、平坦な研磨面を形成させることができるという上記研磨液による作用効果が顕著になる。
即ち、図6(a)及び(b)に示すごとく、例えばハードディスク用の磁気記録媒体におけるデータ領域18とサーボ領域19のように、磁性部11に形状が異なる凹部120が形成されている場合には、磁性部11の表面から非磁性材料125を均一な量で形成させたとしても凹部120内に埋め込まれる非磁性材料125の量が異なる。そのため、凹部120を覆う非磁性材料125の高さ(凹部の深さ方向の高さ)が、形状の異なる凹部120同士で異なってしまう。この状態で、非磁性材料125の高さが大きな領域18における磁性部11と凹部120内に埋め込まれた非磁性部125とが露出するまで研磨を行うと、非磁性材料125の高さが小さい領域19においては研磨が進行しすぎて、磁性部11及び非磁性部12の厚みが小さくなる(図7(a)及び(b)参照)。一方、上記特定のエッチング剤を含有する上記研磨液を用いると、図6(a)に示すような高さの大きな領域18における非磁性材料125を優先的に研磨させることができるため、凹部120の形状にかかわらず、図5(a)及び(b)に示すごとく、均一な厚みの磁性部11及び非磁性部12を形成させ、平坦な研磨面16を形成することができる。
上記複合体は、上記凹部が形成された上記磁性部と該磁性部の上記凹部を覆うように埋め込まれた上記非磁性材料とからなるユーザーデータ記録用のデータ領域、及び該データ領域とは形状が異なる上記凹部が形成された上記磁性部と該磁性部の上記凹部を覆うように埋め込まれた上記非磁性材料とからなる位置情報記録用のサーボ領域を有する磁気記録媒体であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、ハードディスク用の磁気記録媒体の作製時における上述の研磨において上記研磨液を好適に用いることができる。特に、上記データ領域及びサーボ領域においては、互いに形状の異なる上記凹部が形成されるため、上述のように、均一な厚みの磁性部及び非磁性部を形成させることができるという上記研磨液を用いることによる作用効果が顕著になる。
上記磁性部は、面内磁気記録媒体用の水平磁性部でも、垂直磁気記録媒体用の垂直磁性部でもよい。より高い記録密度を実現できるという観点からは垂直磁性部が好ましい。
上記磁性部は、磁性材料を含有する。上記磁性材料としては、Coを主成分とするCo系合金を用いることが好ましい。
この場合には、上記複合体の研磨後に、特にハードディスク用に好適な磁気記録媒体を作製することが可能になる。また、この場合には、上記研磨液によって上記磁性部が化学的な溶解作用をより受けにくくなる。そのため、より平坦な研磨面を形成し易くなる。
具体的には、例えば、CoCrPt系、CoCrPtB系、CoCrPtTa系の磁性材料や、これらにSiO2、Cr23等の酸化物を加えたグラニュラ構造の磁性材料などを用いることができる。
グラニュラ構造の磁性材料としては、例えば少なくとも磁性粒子としてCoとCrとを含み、磁性粒子の粒界部に、少なくともSi酸化物、Cr酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Co酸化物、Ta酸化物、Ru酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることができる。具体的には、例えばCoCrPt−Si酸化物、CoCrPt−Cr酸化物、CoCrPt−W酸化物、CoCrPt−Co酸化物、CoCrPt−Cr酸化物−W酸化物、CoCrPt−Cr酸化物−Ru酸化物、CoRuPt−Cr酸化物−Si酸化物、CoCrPtRu−Cr酸化物−Si酸化物等が挙げられる。
また、上記磁性部は、複数の磁性材料からなる積層構造により形成されていてもよい。
例えば垂直磁気記録媒体の場合には、図1に示すごとく、磁性部11を例えば軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCu等)、FeTa合金(FeTaN、FeTaC等)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoB等)等からなる軟磁性層111と、Ru等からなる中間層112と、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金からなる記録磁性層113とを積層して構成することができる。また、軟磁性層111と中間層112との間にPt、Pd、NiCr、NiFeCr等からなる配向制御膜(図示略)を積層することもできる。なお、上記磁性部11は、ガラスなどの非磁性材料からなる基板10上に形成することができる。
また、面内磁気記録媒体の場合には、上記磁性部として、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層とを積層したものを利用することができる。
上記磁性部は、スパッタ法等により薄膜として形成することができる。
上記磁性部においては、上記記録磁性層やCoCrPtTa磁性層は、例えば厚み3〜20nmで形成することができる。好ましくは5〜15nmがよい。
また、上記磁性部は、上記磁性材料の表面に、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)及びカーボン等からなるバリア膜が形成されていてもよい。
この場合には、上記磁性部が研磨による影響をより一層受けにくくなる。そのため、平坦な研磨面をより一層形成し易くなる。
次に、上記非磁性材料としては、例えば、非磁性の合金を用いることができる。
好ましくは、上記非磁性材料は、Al、Zn、Sn、Pb、又はこれらを含む合金からなることがよい(請求項4)。
この場合には、上記非磁性材料は、上記研磨液により化学的により溶解されやすくなり、平坦な研磨面を形成できるという上述の作用効果がより顕著になる。
上記研磨液は、少なくとも水とエッチング剤とを含有する。
上記研磨液は、使用時に適宜希釈して用いることができる。また、上記研磨液には、必要に応じて砥粒等を添加して用いることができる。
上記研磨液は、上記非磁性材料を浸漬したときのエッチングレートが0.07Å/s以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記研磨液による上記非磁性材料の化学的な溶解をより確実に行うことができる。上記エッチングレートが0.07Å/s未満の場合には、上記研磨液による上記非磁性材料の溶解を十分に行わせることが困難になるおそれがある。より好ましくは上記エッチングレートは0.1Å/s以上がよく、さらにより好ましくは0.2Å/s以上がよい。また、凹部に埋め込まれた上記非磁性材料が過剰に溶解し、平坦な研磨面を形成することが困難になるという観点から上記エッチングレートは4.0Å/s以下がよい。
また、上記研磨液は、温度25℃におけるpHが9以上であることが好ましい(請求項6)。
上記研磨液のpHが9未満の場合には、上記研磨液による上記非磁性材料の溶解を十分に行わせることが困難になるおそれがある。上記研磨液の温度25℃におけるpHはより好ましくは10以上がよく、さらに好ましくは11以上がよい。
上記研磨液において上記エッチング剤としては、アルカノールアミンと、温度25℃、濃度0.01mol/Lの水溶液のpHが11以上であるアルカリ性化合物(但し、アルカノールアミンを除く)からなるエッチング剤とを含有する。
上記アルカノールアミンにおけるアルカノールの炭素数は1〜6であることが好ましい(請求項)。
アルカノール(アルコール)の炭素数が6を超える場合には、水を含有する研磨液への溶解性が悪化し、析出又は分離してしまうおそれがある。
アルカノールアミンとしては、例えば炭素数1〜6のモノアルカノールアミン、炭素数1〜6のジアルカノールアミン、炭素数1〜6のトリアルカノールアミンを用いることができる。これらのアルカノールアミンのNに結合する水素の一部は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
具体的には、アルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミンなどを好適に用いることができる。これらのアルカノールアミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記アルカリ性化合物としては、アルカノールアミン以外の化合物であって、温度25℃、濃度0.01mol/Lの水溶液のpHが11以上である化合物を用いることができる。
上記アルカリ性化合物のpHが11未満の化合物を用いた場合には、上記研磨液による上記非磁性材料の溶解を十分に行わせることが困難になるおそれがある。
上記アルカリ性化合物は、水酸化アルカリ、上記一般式(1)で表される水酸化四級アンモニウム、及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい
この場合には、上記研磨液の上記非磁性材料に対する化学的な溶解性をより向上させることができる。
上記一般式(1)におけるアルキル基の炭素数が6を超える場合には、水を含有する研磨液への溶解性が悪化し、析出又は分離してしまうおそれがある。
また、水酸化アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)、及び水酸化フランシウム(FrOH)等がある。
好ましくは、上記アルカリ性化合物は、NaOH、KOH、及びLiOHから選ばれる少なくとも1種であり、上記水酸化四級アンモニウムは、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、及び水酸化ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であることがよい(請求項)。
この場合には、上記研磨液の上記非磁性材料に対する化学的な溶解性をより向上させることができる。
上記アルカノールアミンの含有量は0.01〜30質量%であり、上記アルカリ性化合物の含有量は0.01〜30質量%にすることができる(請求項)。
上記アルカノールアミンの含有量が0.01質量%未満の場合又は上記アルカリ性化合物の含有量が0.01質量%未満の場合には、上記非磁性材料の溶解速度が遅くなり、平坦な研磨面を形成し難くなるおそれがある。一方、上記アルカノールアミンの含有量が30質量%を超える場合又は上記アルカリ性化合物の含有量が30質量%を超える場合には、凹部に埋め込まれた上記非磁性材料が過剰に溶解し、上記磁性部と上記非磁性部で高低差が発生し易くなるおそれがある。より好ましくは、上記アルカノールアミンの含有量は0.5〜10質量%がよく、上記アルカリ性化合物の含有量は0.1〜20質量%がよい。さらに好ましくは、上記アルカノールアミンの含有量は1.0〜5.0質量%がよく、上記アルカリ性化合物の含有量は0.3〜6.0質量%がよい。
また、上記研磨液は、極圧剤をさらに含有することが好ましい(請求項10)。
この場合には、磁性部の研磨をより一層抑制することができる。
上記極圧剤としては、炭素数6〜15のアルキル基とリン酸基とを含む化合物、炭素数10〜22のアルキル基と硫酸基又はスルホン酸基とを含む化合物、炭素数1〜12のアルキル基とベンゼン環とスルホン酸基とを含む化合物、及び炭素数8〜18のアルキル基とアミノ基を含む化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
上記アルキル基と上記リン酸基とを含む化合物はポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルであり、上記アルキル基と上記スルホン酸基又は上記硫酸基を含む化合物はアルキルベンゼンスルホン酸塩であり、上記アルキル基と上記アミノ基を含む化合物はアルキルアミン又はそのアルキレンオキシド付加物であることが好ましい。
これらの極圧剤を用いることにより、極性部の研磨の抑制効果が顕著になり、平坦な研磨面をより一層形成しやすくなる。
また、上記極圧剤の含有量は、0.01〜30質量%であることが好ましい。
上記極圧剤の含有量が0.01質量%未満の場合には、極圧剤の添加による上述の作用効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。一方、30質量%を超える場合には、上記非磁性材料に対する研磨速度が低下してしまうおそれがある。より好ましくは上記極圧剤の含有量は、0.1〜5質量%がよく、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%がよい。
また、上記研磨液は、界面活性剤をさらに含有することが好ましい(請求項11)。該界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
この場合には、研磨ムラの抑制効果が向上すると共に、研磨くずを排出させ易くなる。
上記界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンステアリルエーテル等を用いることができる。なお、ポリオキシアルキレンは、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単体又は混合物の重合物が好ましい。
また、上記界面活性剤の含有量は、0.01〜20質量%であることが好ましい。
上記界面活性剤の含有量が0.01質量%未満の場合には、界面活性剤の添加による上述の作用効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。一方、20質量%を超える場合には、研磨液の粘度が上昇し、研磨ムラが発生したり、取り扱い性が低下したりするおそれがある。より好ましくは上記界面活性剤の含有量は、0.5〜10質量%がよく、さらに好ましくは1〜5質量%がよい。
次に、上記研磨液は、酸化剤をさらに含有することが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記非磁性材料に対するエッチングレートを向上させることができる。
上記酸化剤としては、例えば過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過塩素酸過酢酸等を用いることができる。
また、上記酸化剤の含有量は、0.01〜5質量%であることが好ましい。
上記酸化剤の含有量が0.01質量%未満の場合には、酸化剤の添加による上述の作用効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。一方、5質量%を超える場合には、凹部に埋め込まれた上記非磁性材料が過剰に溶解し、上記磁性部と上記非磁性部で高低差が発生し易くなるおそれがある。より好ましくは上記酸化剤の含有量は、0.05〜3質量%がよく、さらに好ましくは0.5〜2質量%がよい。
(実施例)
本例においては、実施例及び比較例にかかる複数の研磨液(試料E1〜試料E15及び試料C1〜試料C3)を作製し、これらの研磨液を用いて磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体を研磨する。
まず、各種エッチング剤、極圧剤、界面活性剤、酸化剤、及び水を後述の表1〜3に示す配合割合で配合して18種類の研磨液(試料E1〜試料E15及び試料C1〜試料C3)を作製した。
なお、表中において、極圧剤のポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(A)としては、具体的にはトリデシルアルコール1molに対してエチレンオキシドを10mol付加させたものにさらにリン酸を付加した化合物(第一工業製薬(株)の「プライサーフ A215C」)を用いた。また、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(B)としては、具体的にはトリデシルアルコール1molに対してエチレンオキシドを6mol付加させたものにさらにリン酸を付加させた化合物(第一工業製薬(株)の「プライサーフ A212C」)を用いた。また、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルとしては、具体的にはラウリルアルコール1molに対してエチレンオキシドを2mol付加させたものにさらにリン酸を付加させた化合物(第一工業製薬(株)の「プライサーフ A208B」)を用いた。また、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムとしては、具体的にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムを用いた。ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルトリエタノールアミン塩としては、具体的にはラウリルアルコール1molに対してエチレンオキシドを3mol付加させたものにさらに硫酸を付加させた化合物のトリエタノールアミン塩(花王(株)の「エマール 20T」)を用いた。
また、界面活性剤のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、具体的には第一工業製薬(株)製のノイゲンLF−80Xを用いた。
次いで、各試料(試料E1〜試料E15及び試料C1〜試料C3)の研磨液を水で30質量%に希釈し、温度25℃におけるpHを(株)堀場製作所製の「PHメーターF54」を用いて測定した。その結果を後述の表1〜3に示す。
次に、非磁性材料に対する研磨液の性能を調べるために、以下のようにしてエッチングレート及び研磨レートを測定した。エッチングレート及び研磨レートの評価は、各試料の研磨液を水で30質量%に希釈した液について行った。
「エッチングレート」
まず、Li2Si25、Al23-K2O、Al23−K2O、MgO−P25、Sb23−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスからなり、厚み0.8mmのガラス基板上に、AlTi合金(Al:50質量%、Ti:50質量%)の非磁性材料からなる厚み300Åの非磁性膜を形成した。具体的には、DCスパッタリング法によりガラス基板上にAlTi合金からなる非磁性膜を形成した。
次に、非磁性膜を形成したガラス基板を各試料の研磨液に浸漬し、研磨液中で非磁性膜が溶解してガラス基板が完全に露出するまで時間を測定した。そして、非磁性膜の厚みをガラス基板が露出するまでに要した時間で除することによりエッチングレート(Å/s)を算出した。その結果を表1〜表3に示す。
「研磨レート」
まず、上述のエッチングレートの測定と同様にして、ガラス基板上にAlTi合金からなる非磁性膜を形成した。但し、ガラス基板としては、Li2Si25、Al23-K2O、Al23−K2O、MgO−P25、Sb23−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径が65mm、内径が20mm、厚み0.8mm、平均表面粗さ(Ra)が2Åであり、中心に孔を備えた円盤状の基板、即ちドーナツ型の基板を用いた。この基板に、厚み300ÅのAlTi合金(Al:50質量%、Ti:50質量%)からなる非磁性膜を形成した。
次いで、図2に示すような研磨加工機7を用いて、非磁性膜の研磨を行った。
研磨加工機7は、例えば図2(a)及び(b)に示すごとく、非磁性膜を表面に形成した円盤状の基板10を回転駆動するスピンドル701と、基板10の表面に研磨液Sを供給するノズル702と、供給ロール703と巻き取りロール704との間で走行する研磨テープ705と、研磨テープ705を基板10の表面に押しつける押圧ローラ706とを備えている。研磨加工機7を用いた研磨においては、スピンドル701に固定された基板10を周方向に回転させながら、基板10の表面にノズル702を通じて各試料の研磨液Sを供給し、供給ロール703と巻取りロール104との間で走行する研磨テープ705を基板10の表面に押圧ローラ706を介して押しつけることによって、基板10の表面を湿式研磨した。
研磨液Sとしては、上述の各試料を水で30質量%に希釈し、砥粒を濃度1質量%で分散させたものを用いた。砥粒としては、1次粒子径が5nm、2次粒子径が70nmのクラスター状の単結晶ダイヤモンド粒子(ダイヤモンド砥粒)を用いた。基板10の回転数は600rpmとし、研磨テープ705の押し付け力を2.0kgf(19.6N)とした。
そして、非磁性塗膜の研磨開始から基板が露出するまでの時間を測定した。そして、非磁性膜の厚みをガラス基板が露出するまでに要した時間で除することにより研磨レート(Å/s)を算出した。その結果を表1〜表3に示す。
また、各試料の研磨液について、磁性材料(磁性部)及び非磁性材料(非磁性部)に対する接触角を次のようにして測定した。接触角は、磁性材料及び非磁性材料上にそれぞれ研磨液を滴下したときにおける、研磨液の液滴の接線と磁性材料及び非磁性材料の表面とのなす角である。
「接触角」
接触角は、各試料(30質量%希釈液)の研磨液1μlをそれぞれ磁性部及び非磁性部に滴下し、滴下後15秒後の接触角をθ/2法で測定した。測定は、協和界面化学(株)製の自動接触角計DM500を用い、室温25℃、湿度50%という条件で行った。その結果を表1〜表3に示す。
非磁性部に対する接触角の測定は、上述のエッチングレートの測定と同様に、ガラス基板上に形成したAlTi合金からなる非磁性膜に対する接触角を測定することにより行った。
また、磁性部に対する接触角は、次にようにしてガラス基板上に磁性膜を形成し、該磁性膜に対する接触角を測定することにより行った。
具体的には、Li2Si25、Al23-K2O、Al23−K2O、MgO−P25、Sb23−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスからなる厚み0.8mmのガラス基板上に、DCスパッタリング法により、70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金からなる厚み15nmの磁性膜を形成した。
次に、本例においては、上述の各試料の研磨液を用いて磁気記録媒体を作製する。
即ち、図1に示すごとく、磁性材料を含む磁性部11と、該磁性部11に形成された複数の凹部120を覆うように埋め込まれた非磁性材料125とからなる複合体15を作製し、各試料の研磨液を用いてこの複合体15を研磨する。そして、磁性部11と上記凹部120内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部12とが露出して平坦な研磨面16を形成させることにより、磁気記録媒体1を作製する。
図3に示すごとく、本例の磁気記録媒体1は、筐体30に内蔵されて磁気記録再生装置3(HDD)として用いられる。
例えば図3に示すごとく、磁気記録再生装置3は、磁気記録媒体1と、磁気記録媒体1を回転駆動する回転駆動部31と、磁気記録媒体1に対する記録動作と再生動作とを行う磁気ヘッド300と、磁気ヘッド300を磁気記録媒体1の径方向に移動させるヘッド駆動部301と、磁気ヘッド300への信号入力と磁気ヘッド300から出力信号の再生とを行うための記録再生信号処理系34と、これらを内蔵する筐体30とを備える。
磁気記録再生装置1においては、本例において作製するディスクリート・トラック型の磁気記録媒体1を採用することにより、磁気記録媒体1に磁気記録を行う際の書きにじみをなくし、高い面記録密度を得ることが可能となる。即ち、本例の磁気記録媒体1を用いることにより、記録密度の高い磁気記録再生装置3を構成することが可能となる。
本例において作製する磁気記録媒体1の上面図を図4に示す。
同図に示すごとく、本例の磁気記録媒体1は、中心に孔を備えた円盤状であり、ユーザーデータを記録するためのデータ領域18と、位置情報を記録するためのサーボ領域19とを有する。データ領域18における磁気記録媒体1の厚み方向における部分断面図を図5(a)、サーボ領域19における磁気記録媒体1の厚み方向における部分断面図を図5(b)に示す。
図4、図5(a)及び(b)に示すごとく、磁気記録媒体1において、データ領域18及びサーボ領域19は、いずれも基板10上に形成された磁性材料からなる磁性部11と非磁性材料からなる非磁性部12とからなる。
本例において、磁性部11は、基板10側から順次積層された軟磁性層111と中間層112と記録磁性層113とからなる。軟磁性層111は、厚み60nmのFeCoB膜からなり、中間層112は、厚み10nmのRu膜からなり、記録磁性層113は、厚み15nmの70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金膜からなる。また、記録磁性層113上には、膜厚3nmの80Co−5Cr−15Pt合金膜(図示略)が形成されている。
非磁性部12は、AlTi合金(Al:50質量%、Ti:50質量%)合金からなる。非磁性部12は、磁性部11における記録磁性層113に形成された凹部に埋設されている。
図4に示すごとく、データ領域18においては、磁性部11と非磁性部12とがそれぞれ円周方向に沿って伸びるように形成されており、径方向に磁性部11と非磁性部12とが交互に配置されている。また、サーボ領域19においては、磁性部11と非磁性部12とは、略径方向に伸びるように形成されており、径方向と略垂直な方向(円周方向)に交互に配置されている。また、サーボ領域19においては、円盤状の磁気記録媒体1の中心から径方向末端側に向けて幅が徐々に幅が大きくなるように磁性部11と非磁性部12とが形成されている。
また、図5(a)及び(b)に示すごとく、データ領域18における磁性部11及び非磁性部12は、サーボ領域19における磁性部11及び非磁性部12と比較して断面形状が異なる。サーボ領域19における非磁性部12はデータ領域18における非磁性部12に比べて大きな幅で形成されている。なお、図4、図5(a)及び(b)に示すデータ領域18及びサーボ領域19における磁性部11と非磁性部12の形成パターンは一例であり、本発明の実施例にかかる研磨液は、その他様々なパターンで形成されたデータ領域及びサーボ領域を形成するために用いることができる。
以下、各試料の研磨液を用いた磁気記録媒体の製造方法について詳細に説明する。
まず、付着物が除去され表面が平坦なガラス基板を準備した。ガラス基板としては、Li2Si25、Al23-K2O、Al23−K2O、MgO−P25、Sb23−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径65mm、内径20mm、厚み0.8mm、平均表面粗さ(Ra)2Åのドーナツ型の基板を用いた。
次に、図1(a)に示すごとく、DCスパッタリング法により、基板10上に厚み60nmのFeCoB膜からなる軟磁性層111、厚み10nmのRu膜からなる中間層112、及び厚み15nmの70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金膜からなる記録磁性層113を形成した。また、記録磁性層113上には、膜厚3nmの80Co−5Cr−15Pt合金膜(図示略)を形成した。このようにして、基板10上に、軟磁性層111と中間層112と記録磁性層113との積層体を備える磁性部11を形成した。
次に、所望のパターンで磁性部11と非磁性部12とが形成されるように(図4参照)、図E(b)に示すごとく、磁性層11の記録磁性層113を中間層112が露出するまで部分的に削り取り、非磁性部を形成しようとする部分に凹部120を形成した(図1(b)参照)。凹部120は、イオンミリングにより形成した。このようにして、所望のパターンの磁性部と非磁性部とが形成されるように、図1(b)に示すごとく、磁性部11(記録磁性層113)と凹部120とからなる凹凸パターン13を形成した。
次いで、DCスパッタリング法により、図1(c)に示すごとく、磁性部11に形成した複数の凹部120を覆うように、AlTi合金(Al:50質量%、Ti:50質量%)合金からなる非磁性材料125を形成し、複合体15を得た。
次に、上述のようにして作製した各試料の研磨液を供給しながら研磨機を用いて複合体を研磨した。研磨にあたっては、各試料の研磨液を水で30質量%に希釈し、上述の研磨レートの測定と同様に、ダイヤモンド砥粒を分散させた液を用いた。また、上述の研磨レートの測定と同様の研磨加工機7を用いて研磨を行った(図2参照)。
具体的には、図2に示すごとく、研磨加工機7において、スピンドル701に固定した複合体15を周方向に回転させながら、複合体15の表面にノズル702を通じて各試料の研磨液Sを供給し、供給ロール703と巻取りロール104との間で走行する研磨テープ705を複合体15の表面に押圧ローラ706を介して押しつけることによって、複合体15の非磁性材料125を湿式研磨した。複合体15の回転数は600rpmとし、研磨テープ705の押し付け力を2.0kgf(19.6N)とした。
このようにして、図1(c)及び(d)に示すごとく、凹部120を覆う非磁性材料125を研磨し、磁性部11と凹部120内に埋め込まれた非磁性材料からなる非磁性部12とを露出させ平坦な研磨面16を形成した。このようにして、表面が研磨され平坦な研磨面16を有する磁気記録媒体1を得た。
本例においては、各試料の研磨液をそれぞれ用いて上記のように磁気記録媒体を作製した。このようにして得られた磁気記録媒体について次の評価行った。
「サーボ領域とデータ領域との段差」
ケーエルエー・テンコール(KLA−Tencor)社製のP−10触針式粗さ測定器を用いて、その触針を磁気記録媒体の表面におけるデータ領域とサーボ領域の境界部分で0.5mm移動させたときの触針のうねりを計測することにより測定した。サーボ領域とデータ領域との段差は、データ領域に対するサーボ領域の凹み量(Å)を、マイナス記号を付けて表した。その結果を表1〜3に示す。
「サーボ領域とデータ領域における非磁性部の凹み」
ビーコ(VEECO)社製の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)「DSI3100」を用いて、サーボ領域及びデータ領域それぞれの凹み量(Å)を計測した。その結果を表1〜3に示す。なお、計測は、サーボ領域においては3μm角の範囲について行い、データ領域においては1μm角の範囲について行った。
「非磁性部の研磨ムラ」
非磁性部における色むらを目視により確認した。
色むらが目視で確認されたかった場合を「○」とし、色むらが目視で明確に確認された場合を「×」として評価した。その結果を表1〜3に示す。
Figure 0005651044
Figure 0005651044
Figure 0005651044
表1〜3より知られるごとく、試料E1〜試料E15の研磨液を用いることにより、形状が異なる凹部が形成された複合体に対して研磨を行っても平坦な研磨面を形成できることがわかる。また、試料E1〜試料E15は、非磁性材料に対するエッチングレート及び研磨レートが高く、試料E1〜試料E15を用いると、速やかに非磁性材料125を研磨し、磁性部11とその凹部120内に埋め込まれた非磁性部12とを露出させて平坦な研磨面16を形成させることができる(図1(c)及び(d)参照)。したがって、試料E1〜試料E15は、大きさや形状の異なる凹部を形成する必要のあるデータ領域18とサーボ領域19とを備える磁気記録媒体の作製に好適である(図4、図5(a)及び(b)参照)。
なお、本例においては、試料E1〜試料E15の研磨液を用いて、ディスクリート・トラック・メディア(DTM)の磁気記録媒体を製造する例を示したが、本例の研磨液は、ビット・パターンド・メディア(BPM)等の磁気記録媒体の製造にも適用することができる。すなわち、本例の研磨液は、磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体の研磨に適用することができる。
1 磁気記録媒体
11 磁性部
12 非磁性部
125 非磁性材料
15 複合体
16 研磨面

Claims (12)

  1. 磁性材料を含む磁性部と、該磁性部に形成された複数の凹部を覆うように埋め込まれた非磁性材料とからなる複合体を、上記磁性部と上記凹部内に埋め込まれた上記非磁性材料からなる非磁性部とが露出して平坦な研磨面を形成するまで研磨するために用いられる研磨液であって、
    該研磨液は、水とエッチング剤とを含有し、
    上記エッチング剤としては、アルカノールアミンと、温度25℃、濃度0.01mol/Lの水溶液のpHが11以上であるアルカリ性化合物(但し、アルカノールアミンを除く)とを含有し、
    上記アルカリ性化合物は、水酸化アルカリ、下記の一般式(1)で表される水酸化四級アンモニウム、及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする研磨液。
    Figure 0005651044
    (式(1)中、R1〜R4は、独立して、ベンジル基、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、アルキル基の一部が水酸基で置換していてもよい)
  2. 請求項1に記載の研磨液において、上記複合体の上記磁性部には形状が異なる上記凹部が形成されていることを特徴とする研磨液。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨液において、上記複合体は、上記凹部が形成された上記磁性部と該磁性部の上記凹部を覆うように埋め込まれた上記非磁性材料とからなるユーザーデータ記録用のデータ領域、及び該データ領域とは形状が異なる上記凹部が形成された上記磁性部と該磁性部の上記凹部を覆うように埋め込まれた上記非磁性材料とからなる位置情報記録用のサーボ領域を有する磁気記録媒体であることを特徴とする研磨液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨液において、上記非磁性材料は、Al、Zn、Sn、Pb、又はこれらを含む合金からなることを特徴とする研磨液。
  5. 請求項4に記載の研磨液において、上記非磁性材料を浸漬したときのエッチングレートが0.07Å/s以上であることを特徴とする研磨液。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨液において、温度25℃におけるpHが9以上であることを特徴とする研磨液。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨液において、上記アルカリ性化合物は、NaOH、KOH、及びLiOHから選ばれる少なくとも1種であり、上記水酸化四級アンモニウムは、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、及び水酸化ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする研磨液。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の研磨液において、上記アルカノールアミンにおけるアルカノールの炭素数は1〜6であることを特徴とする研磨液。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨液において、上記アルカノールアミンの含有量は0.01〜30質量%であり、上記アルカリ性化合物の含有量は0.01〜30質量%であることを特徴とする研磨液。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の研磨液において、極圧剤をさらに含有することを特徴とする研磨液。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の研磨液において、界面活性剤をさらに含有することを特徴とする研磨液。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の研磨液において、酸化剤をさらに含有することを特徴とする研磨液。
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