JP5648808B2 - 焼結機 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉原料となる焼結鉱の製造に用いられる焼結機に関し、特に、焼結鉱の十分な生産能力を確保しつつ建て屋を含めた焼結機設備全体を小型化することができ、維持管理が容易である焼結機に関する。
高炉で銑鉄の原料として使用される焼結鉱は、焼結機によって鉄鉱石を焼結させることによって製造され、その製造にはドワイトロイド式の焼結機が使用されることが多い。ドワイトロイド式の焼結機(以下単に「焼結機」という。)を用いた焼結鉱の製造方法については図3を用いて後述する。
焼結機では、無端ベルト状に連結された複数台のパレット台車が軌条上を走行し、酸素含有ガス等をパレット台車に積載された原料の上表面から吸引し、原料中の粉コークス等を燃焼させる。このとき発生した焼結燃焼排ガスは、パレット台車の下方に配置されたウインドボックスを大気圧以下の負圧にすることにより吸引される。
焼結操業中、原料の燃焼速度がパレットの幅方向に不均一となる場合がある。例えば原料の燃焼速度が幅方向の一方の端で他方の端よりも速くなり、片焼けと呼ばれる状態となると、焼結機による焼結鉱の生産性能の重大な低下が生じる。
そのため、従来は、原料の燃焼速度をパレットの幅方向に均一とするため、焼結燃焼排ガスの吸引能力をパレットの幅方向において均一に発揮できるように、ウインドボックスの形状を、パレットの幅方向で両側から焼結燃焼排ガスを吸引する形状(以下「両引き形状」ともいう。)としていた(特許文献1参照)。またはパレットの幅方向の一方の端から焼結燃焼排ガスを吸引する形状のウインドボックスと、これとは逆に他方の端から吸引する形状のウインドボックスとを、焼結ベッドの給鉱側から排鉱側方向に交互に配置して、焼結機全体としてパレットの幅方向における原料の燃焼速度を概ね一定とする構造としていた。パレットの幅方向の一方の端のみから焼結燃焼排ガスを吸引する形状(以下「片引き形状」ともいう。)のウインドボックスは、例えば特許文献2に記載されている。
図1は、従来の焼結機の、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。図2は、従来の焼結機の、パレット台車およびウインドボックス周辺における、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。図1および図2では、後述する図4および図5に示す焼結機と実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
図1および図2に示すように、各ウインドボックス7から吸引された焼結燃焼排ガスは、ウインドボックス7の下方に配置された主排ダクト8で合流する。両引き形状のウインドボックス7では、幅方向の両側に、ウインドボックス7を主排ダクト8に連通させ、吸引された焼結燃焼排ガスを主排ダクト8へ導入するための連通管(以下「下降管」という。)9が配置される。
パレットの幅方向で原料の燃焼速度を均一とするため、ウインドボックス7および下降管9における通気抵抗が幅方向両側で等しくなるように、主排ダクト8の配置は、主排ダクト8をパレットの幅方向の中心を通る鉛直面Qと一致させる必要があった。
また、近年、焼結機で焼き固められた高温の焼結鉱を空気冷却する際に発生する焼結鉱冷却排ガスの顕熱を回収し、また、大気環境へ排出する粉塵量を低減させるため、焼結鉱冷却排ガスを焼結ベッド上へ循環主ダクトを用いて循環させることが一般的となっている。
上述の通り、原料の燃焼速度をパレットの幅方向に均一とするため、前記図1に示すように、ウインドボックス7は両引き形状とし、かつ主排ダクト8の配置はウインドボックス7の下方とし、主排ダクト8をパレットの幅方向の中心を通る鉛直面Qと一致させる必要があった。そのため、循環主ダクト13は建て屋1の外部に配置せざるを得なかった。また、循環主ダクト13から枝分かれして、焼結ベッドを上方から囲うように配置されている循環フード16に接続されている上昇管17も、建て屋1の外部から内部へ導入するように配置せざるを得なかった。
このように、両引き形状のウインドボックスを採用すると、主排ダクト8、下降管9、循環主ダクト13および上昇管17の配置のために焼結機の建て屋1が必然的に焼結機幅方向に広くなり、狭い敷地に焼結機を建設するのが困難となるという問題があった。
このように配置された循環主ダクトおよび上昇管は、長期にわたって使用する場合には、風雨による腐食等により、ダクトの本体や取り付け部品の落下の可能性が高くなるとともに、高所であるためその補修等に必要な費用が多大となる問題があった。
また、ウインドボックス7が両引き形状の場合、パレットの幅方向の両側に下降管9を配置するため、前記図1に示すように、各下降管9には屈曲部位9aを少なくとも2箇所設けなければならない。下降管9の内部は焼結燃焼排ガスが高速で流動し、特に屈曲部位9aは焼結燃焼排ガスが同伴する焼結ダストの衝突によって摩耗しやすい。下降管9に摩耗が進行すると穴明きが生じ、それに伴って漏風が生じる。そのため、屈曲部位9aが多いほど、漏風の防止と補修のための費用が増大する。従来は、漏風の対策として、高価なライナーを下降管に張ったり、高頻度で補修したりしていた。
下降管の摩耗による穴明きの他に、焼結燃焼排ガスの流通経路に関する問題としては、ウインドボックス、下降管および主排ダクト(以下「ダクト類」と総称する。)の腐食が挙げられる。焼結機の原料給鉱位置から焼結ベッドの表面に点火した後、焼結ベッド内の燃焼帯が焼結ベッドの下層部付近に到達するまでの間、給鉱側端部から、パレット台車群の進行方向の全長の約50%までの範囲では、焼結燃焼排ガスの温度は100℃程度である。この焼結燃焼排ガスは、燃料中の硫黄分とともにウインドボックス、下降管および主排ダクトに流入するため、主排ダクトの内面に水分や腐食性ガスが結露して、ダクト類を構成する鋼板が腐食し、穴明きが発生することがある。
従来は鉄鉱石や石炭の性状が近年ほど悪くなかったため、従来の焼結機においてはこのような腐食による問題は発生しなかった。しかし、従来は鉄鉱石中の結晶水の含有率は2〜3%であったのに対して、近年では7〜10%にも達する低品位の鉄鉱石を、購入し、使用せざるを得なくなってきている。そのため、従来と同じ品位の石炭を使用しても、焼結燃焼排ガス中の水分含有率が高くなっているため、結露温度が低くなっており、ダクトの内面が容易に酸露点に達する。これにより、上述の鋼板の腐食による穴明きが多く発生してきている。
焼結操業中は、隣接して無端連続的に接続された複数台のパレット台車によって原料を搬送する焼結機において、原料供給部から排鉱部に搬送されるまでの間で、パレット台車上の原料は、表面に着火された後、原料中の粉コークス等の燃料の燃焼が次第に下層に進行し、最後には最下層に達して燃焼が完了するという工程を辿る。そのため、一般の焼結機における焼結燃焼排ガスの温度は、最下層に燃焼帯が到達するまでは低く、最下層に燃焼帯が到達してから完全に燃え尽きる焼結機の排鉱端に近づくにしたがって高くなるというパターンを有する。
ここで、一般の焼結機では、部品寸法の標準化を図るため、各下降管は、内径が概ね同じとされている。しかし、焼結燃焼排ガスは、焼結機パレットの進行方向の排鉱側端部に近いほど温度が高いため、流速は排鉱側端部に近いほど速く、ダクト類の通気抵抗も排鉱端に近いほど著しく高くなる。そのため、各下降管の内径が概ね同じである場合には、ダクト類の機械装置の圧損は定常的にエネルギーを損失していることになるという問題があった。
各下降管の内径が同じすなわち断面積が同じである場合には、排鉱端近傍の下降管では内部における焼結燃焼排ガスの流速が20m/sを超えることがある。一般に、焼結ダストを同伴する焼結燃焼排ガスのダクト類の内部における流速は、20m/s以下としなければダクト類の内面の摩耗が発生し、穴明きに発展することが知られている。
従来の焼結機においては、給鉱側端部から焼結機機長から約60%までの範囲、すなわち焼結燃焼排ガスの温度が200℃未満である部位の下降管は、焼結燃焼排ガスの流速が20m/s以下に設計されている。しかし、それよりも排鉱側の、焼結燃焼排ガスの温度が200℃を超える部位の下降管では、焼結燃焼排ガスの流速が20m/sを超えるため、摩耗による穴明きが多く発生した。
穴明きが発生すると、焼結に無関係な外気を主排ダクトに吸引することになるため、省電力の観点から避けなければならない。さらに、下降管における焼結燃焼排ガスの吸引力が強力であるため、下降管に穴が開いても操業中には補修できず、数箇月間そのままの状態で操業しなければならない。
特開平10−176887号公報 特開昭52−145306号公報
上述の通り、従来の焼結機では、建て屋を含めた焼結機の設備全体の大きさやダクト類の穴明きに関する様々な問題が発生していた。これらの問題は、ウインドボックスの形状を片引き形状とすること、および各下降管の断面積を調整することにより解決できると考えられる。
しかし、従来、片引き形状のウインドボックスでは、原料の燃焼速度がパレットの幅方向に不均一となり、片焼けが発生しやすいと考えられていた。
本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、片引き形状のウインドボックスを使用し、焼結機を構成する機器の配置を合理的とし、かつ焼結鉱の生産能力を十分に確保しつつ、狭い敷地でも建設できる焼結機を提供することを目的とする。また、ダクト類の穴明きを低減し、焼結機の維持管理を容易とすることを目的とする。
本発明者らは、片引き形状のウインドボックスを具備する焼結機における片焼けの発生条件について、後述する数値計算によって鋭意検討を重ねた。その結果、焼結ベッドの通気圧力損失に対して、ウインドボックスを片引き形状とした場合のパレットの幅方向の両側の圧力損失差はほとんど無視できる程度であることを知見した。
本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(8)に示す焼結機にある。
(1)焼結原料を焼結させて焼結鉱を製造する焼結機であって、複数のパレット台車が無端ベルト状に連結されてなり、前記焼結原料を積載して一方向に進行するパレット台車群と、前記パレット台車群の進行方向の上流端に配置され、前記パレット台車上に前記焼結原料を投下する原料供給装置と、前記パレット台車上の前記焼結原料に点火を行う点火炉と、前記点火炉が配置された位置から前記パレット台車群の進行方向の下流側の全域にわたり、前記パレット台車群の下方で前記パレット台車群の進行方向に互いに隣接して配置され、個々に焼結燃焼排ガスを吸引する複数のウインドボックスと、前記各ウインドボックスから下方に突出する下降管と、前記ウインドボックスの下方で前記パレット台車群の進行方向に沿って延在し、前記各ウインドボックスから前記各下降管を通じて焼結燃焼排ガスを収集する主排ダクトと、前記主排ダクトと平行に延在し、前記焼結機で焼結完了した前記焼結鉱を冷却する際に発生する焼結鉱冷却排ガスの一部が導入される循環主ダクトと、前記循環主ダクトから分岐し、前記循環主ダクトに導入されたガスを前記パレット台車上の前記焼結原料の上面に導く複数の上昇管と、を備え、前記主排ダクトと前記循環主ダクトとが前記パレット台車群の幅方向に互いに隣接して配置され、前記各下降管が前記ウインドボックスの幅方向の一方の端のみから突出して前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする焼結機。
(2)前記各下降管が屈曲することなく、または1箇所で屈曲して前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする前記(1)に記載の焼結機。
(3)前記下降管の断面積がパレット台車群の進行方向の下流側ほど大きいことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の焼結機。
(4)操業時における前記各下降管内での焼結燃焼排ガスの流速が互いに略同じで20m/s以下であることを特徴とする前記(3)に記載の焼結機。
(5)前記パレット台車群の進行方向の上流側の前記ウインドボックス、前記下降管および前記主排ダクトに、それらの表皮を保温する断熱材、またはそれらの表皮を加熱するヒータを設けたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結機。
(6)前記パレット台車群は進行方向の全長がその幅の10倍以上、20倍以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の焼結機。
(7)前記ウインドボックスのうちで前記点火炉が配置された位置のウインドボックスは幅方向の両端それぞれから下降管が突出し、各下降管が前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の焼結機。
(8)前記パレット台車の焼結原料積載部の幅が3.5m以上であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の焼結機。
本発明の焼結機によれば、焼結鉱の十分な生産能力を確保しつつ建て屋を含めた焼結機の設備全体を小型化することができる。また、焼結機の有する下降管には屈曲部位が少ないため、摩耗が少なく、維持管理が容易である。
従来の焼結機の、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。 従来の焼結機の、パレット台車およびウインドボックス周辺における、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。 本発明の焼結機の全体構成を示す斜視図である。 本発明の焼結機の、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。 本発明の焼結機の、パレット台車およびウインドボックス周辺における、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。 数値計算によって得られた、ウインドボックスを片引き形状とした場合のパレット幅方向の位置と空筒速度との関係を示す図である。 数値計算によって得られた、焼結機の焼成面積Aを一定とした場合の、パレットの幅Wに対するパレット台車群の進行方向の全長Lの比の値C=L/Wと、パレットの幅Wおよび漏風率の関係を示す図である。 ウインドボックスの位置と下降管内部におけるガス流速との関係を示す図である。
1.焼結機の構成
図3は、本発明の焼結機の全体構成を示す斜視図である。図4は、本発明の焼結機の、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。図5は、本発明の焼結機の、パレット台車およびウインドボックス周辺における、パレット台車の進行方向に垂直な面での断面図である。以下、焼結機の構成を、これらの図を参照して説明する。
建て屋1内に設けられた焼結機は、複数のパレット台車2が無端ベルト状に連結されたパレット台車群を備える。パレット台車2は原料を積載し、軌条上を一方向に進行する。パレット台車2の上方軌道の進行方向上流端の上方には、原料供給ホッパー3および原料供給装置4が配置され、この下流に隣接して点火炉5が配置されている。一方、下流側端部の下方には一次破砕機6が配置される。原料供給ホッパー3には、原料として鉄鉱石と、燃料となる粉コークス等との混合物が収容され、これらの鉄鉱石および混合物(以下総称して「焼結原料」ともいう。)は原料供給装置4に供給される。パレット台車2は、床面の火格子と2枚の側板を備え、これらの3面で囲まれた空間に原料が装入される。
上方軌道のパレット台車2の下方には、点火炉5が配置された位置からパレット台車2の進行方向の下流側の全域にわたって複数のウインドボックス7が、パレット台車2の進行方向に隣接して配置される。ウインドボックス7の形状は、逆四角錐状であり、パレットの幅方向の一方から焼結燃焼排ガスを吸引する形状(片引き形状)である。図4および図5では、図面の右下斜め方向に吸引する状態を示している。図3および図4には、パレットの幅方向の両側から焼結燃焼排ガスを吸引する形状(両引き形状)のウインドボックス7aおよびこれに接続される下降管9bが示されるが、これらは後述する点火炉5の下方に配置されたものである。
下方軌道のパレット台車2の下方、すなわちウインドボックス7の下方には、主排ダクト8がパレット台車2の進行方向(矢印P方向)に沿って延在する。主排ダクト8は、図4に示すように、パレットの幅方向の中心を通る鉛直面Qからずれるように配置される。同図のCはこのずれの量を示す。各ウインドボックス7には、ウインドボックス7の幅方向の一方の端のみから下方に突出するように下降管9の一端が接続され、下降管9の他端は主排ダクト8と接続され、下降管9によってウインドボックス7と主排ダクト8は連通される。下降管9は断面が円形であっても四角形であってもよい。主排ダクト8の下面には複数のダストホッパー10がパレット台車2の進行方向に並んで配置され、ダストホッパー10の下方にはダスト回収ベルトコンベヤー11が配置される。ダストホッパー10の下部にはダスト排出二重弁12が設けられる。
また、パレット台車2の下方軌道の下方には、循環主ダクト13が主排ダクト8と平行に延在する。循環主ダクト13は、接続ダクト14を介して排熱回収ボイラー15に接続される。パレット台車2の上方軌道の上方には、パレット台車2に収容された焼結ベッドを上方から囲うように循環フード16が設けられる。循環主ダクト13からは長手方向に順次複数の上昇管17が分岐し、各上昇管17は循環フード16と接続される。パレット台車2の下方軌道の直下には、スピレッジシュート18が配置される。
2.焼結機を用いた焼結鉱の製造方法
この焼結機を用いた焼結鉱の製造方法について説明する。焼結原料が原料供給装置4からパレット台車2に投下され、点火炉5によって原料の表面に点火される。点火炉5で原料の表面が点火された後、負圧を有するウインドボックス7で原料の表面から酸素含有ガス(空気等)を吸引することによって、燃焼が原料表面から原料の下方の火格子の方向に向かって進行し、最終的には火格子の表面まで燃焼が進行して焼結反応が完了する。
焼結反応が進行中の原料は、表面から火格子に向かって、焼結が完了した焼結ケーキ(上層部)21、燃焼完了直後の溶融層22、燃焼中の反応層23、燃焼直前の乾燥層24および水分が凝縮する湿潤層(原料層)25からなり、これらを総称して「焼結ベッド」20という。給鉱側の燃焼帯が装入原料の上層部に位置する範囲は、原料層厚が厚く、通気圧損が高く、燃焼が完了した後の排鉱直前では全てが焼結鉱と通気圧損が低下するのが一般的である。
焼結鉱を製造する際に生じた焼結燃焼排ガスは、ウインドボックス7および下降管9を経由して主排ダクト8で収集される。焼結燃焼排ガスに同伴されてきた焼結ダストは、主排ダクト8に配置されたダストホッパー10に落下し、ダスト排出二重弁12で大気圧側のダスト回収ベルトコンベヤー11に排出される。一方の焼結燃焼排ガスは、主排ダクト8および集塵機を経由して、主排ブロワーで吸引される。製造された焼結鉱は、焼結機の排鉱側端部で排出され、一次破砕機6によって粗破砕され、冷却器で冷却された後、2次破砕機および篩装置を経て、粒度が整えられ、高炉原料として高炉へ送られる。図3〜5には、集塵機、主排ブロワー、冷却器、2次破砕機および篩装置は図示されていない。
冷却器で焼結鉱を冷却する際には、焼結鉱冷却排ガスが発生する。この焼結鉱冷却排ガスが有する顕熱は、一般的には、排熱回収ボイラー15で回収される。排熱が回収された後の焼結鉱冷却排ガスは、一部が循環主ダクト13へ導入され、上昇管17および循環フード16を介してパレット台車2中の焼結ベッドへ循環される。これにより、含有される焼結ダストの大気中への放散を極力抑制し、地球環境の悪化を抑制している。
上昇管17の接続箇所は、循環主ダクト13の長手方向に並んで配置されているため、循環フード16から排出される排熱回収後の焼結鉱冷却排ガスが焼結ベッドの給鉱側から排鉱側まで均一に分配される。循環フード16から焼結ベッド上に分配された焼結鉱冷却排ガスは、大気雰囲気に漏れないように、適切にシールされながら焼結ベッドに吸引され、主排ダクト8へ流入する。
焼結鉱冷却排ガスの成分は、概ね大気成分であり、酸素の含有率も大気とほぼ同一であるため、焼結ベッドへ循環させても焼結のための燃焼速度には影響しない。
3.本発明を完成させるための数値計算
以下、本発明者らが、本発明を完成させるために行った数値計算およびその条件について説明する。
3−1.ウインドボックスの形状の検討
本発明者らは、ウインドボックスを片引き形状とした場合に、焼結ベッドの幅方向に吸引量のむら(下降管に近い側と遠い側とで吸引量に差が生じること)ができるかどうか、また、焼結ベッドの下降管から遠い側の方が近い側よりも燃焼速度が下がるのではないかということを確認するため、数値計算を行った。この数値計算では、焼結機の長手方向(焼結パレットの進行方向)のある断面を想定して、表1に示す焼結ベッドの条件で、パレットの幅方向における吸引量の差について検討した。ここで、吸引量とは、空筒速度すなわち原料中に流れるガスの流速をいう。
図6は、数値計算によって得られた、ウインドボックスを片引き形状とした場合のパレット幅方向の位置と空筒速度との関係を示す図である。空筒速度とは、焼結ベッドを通過した焼結燃焼排ガスの速度をいう。この数値計算は、パレット幅を3.7m、原料層の厚さを700mmとし、焼結機のパレットの進行方向でのほぼ中央付近の焼結ベッドの断面を想定して行った。同図から、ウインドボックスを片引き形状としても、焼結ベッドのパレットの幅方向に空筒速度すなわち焼結燃焼排ガスの吸引量のむらがなく、焼結燃焼排ガスが均一に吸引されることが確認できた。
これは、焼結燃焼排ガスがウインドボックスを流通する際の圧力損失が、酸素含有ガスが焼結ベッドを流通する際の圧力損失と比較して極端に小さく、ウインドボックスの形状やガスを吸引する方向が変化しても、吸引するガスの量のばらつきがパレットの幅方向には発生せず、パレットの幅方向に均一な速度で焼結反応が進行することを意味する。
数値的には、焼結ベッドを通過する酸素含有ガスの圧力損失が15kPaであった場合には、ウインドボックスを流通する焼結燃焼排ガスの圧力損失は、数Pa〜数十Pa程度であり、さらにパレットの幅方向のウインドボックス両端の圧力差は、ほとんど無視できる程度でしかないことがわかった。そのため、ウインドボックスを片引き形状としても全く焼結反応の速度には影響しないことが判明した。
もっとも、従来は、ウインドボックスを片引き形状とした場合、パレットの幅が広いほどパレットの幅方向の吸引量の差が大きく拡大され、パレットの幅方向の一方の端と他方端とで焼結鉱の生産性の低下を招く程度まで焼結速度に差が生じる可能性が高いと考えられていた。
また、前記図5に示すパレット台車とウインドボックスとが摺動するシール部分2aや、隣接するパレット台車同士の隙間等、外気の大気圧とウインドボックス内の圧力を遮断すべき部分において、空気の漏れ込み(漏風)が発生する。この漏風が多ければ多いほど、またパレットの幅が広ければ広いほど、パレットの幅方向の吸引量の差が大きくなり、焼結速度に影響する可能性もある。
このように、パレットの幅が広い場合には漏風等により焼結速度が不均一、不安定となる可能性があるため、従来、片引き形状のウインドボックスを使用した焼結機では、パレットの幅が3.5m以下のものしかなかった。しかし、上述のように、パレットの幅が3.5mより広くても焼結反応の速度に影響がないことがわかった。
3−2.パレット台車群の進行方向の全長の検討
また、本発明者らが以下の通り検討した結果、パレット台車群の進行方向の全長がパレットの幅の10倍以上20倍以下の幅広の焼結機において、ウインドボックスを片引き形状とする効果が大きいことも明らかとなった。
パレット台車群の進行方向の全長は長いほど、パレット台車の進行方向の面とウインドボックスのその面をシールする部分(前記図5に示すシール部分2a)の長さが長くなり、パレット台車の進行速度も速くする必要がある。このシール部分は、パレット台車両側の可動シールバーとウインドボックス側のウエアーバーとの間で摺動シールされている。しかし、大気側から漏れ込む漏風は0ではなく、わずかに漏れ込んでいるのが実態である。このシール部分の漏風は、無端連続搬送型のドワイトロイド型焼結機に伴う永年の課題である。
従来の細長い焼結機の場合、生産能力を高めるために、このシール部分の摺動速度を速くすると、漏風が多くなるという欠点がある。そのため、ウインドボックスを片引き形状とする場合には、パレット台車群の進行方向の全長を短くし、シール部分の摺動速度を遅くして漏風を低減するとともに、摺動距離を短くしてシール部分の長さを短くすることが最も合理的である。ただし、パレット台車群の進行方向の全長は、焼結ベッドの表面に着火した後、最下部の火格子に接する部分が燃焼するまでの時間に制約され、この時間は、原料層厚および吸引負圧および原料の性状によって変動する。
上述の通り、本発明者らは、検討の結果、ウインドボックスを片引き形状とした場合の、パレットの幅方向のウインドボックス両端の圧力差はほとんど無視できる程度でしかないため、ウインドボックスをこのような形状としても問題ないという結論に達した。
しかし、実際には、パレットの進行方向のシール部分の漏風が著しい場合には、パレット台車の幅方向の両端でわずかに燃焼速度が不均一となる場合があり、このとき生じる燃焼速度の部分的な差は、全体の焼結速度が燃焼速度の最も遅い部分に律速されて、焼結鉱の生産能率を大幅に低下させるという重大な問題の原因となる。そこで、本発明者らは、パレットの幅とパレット台車群の進行方向の全長との関係について数値計算により検討した。
図7は、数値計算によって得られた、焼結機の焼成面積Aを一定とした場合の、パレットの幅Wに対するパレット台車群の進行方向の全長Lの比の値C=L/Wと、パレットの幅Wおよび漏風率の関係を示す図である。同図では、焼結機の焼成面積Aを200m2で一定とした場合について示す。パレットの幅Wは、W=(A/C)1/2として算出することができ、同図に示した。実機では、概ねC=15〜30である焼結機が多い。そのため、同図に示す漏風量の数値計算は、標準的な焼結機(C=20)を基準とし、パレット台車群の進行方向の全長が長くなるほど漏風量が多くなるとして行った。漏風率は、C=20の場合のパレット台車のシール部分における漏風量を1とした漏風量とした。
図7は、C>20の場合には標準的な焼結機よりもシール部分の長さが長く、漏風する部分の範囲が広がり、C<20の場合には標準的な焼結機よりも漏風率が低くなることを意味する。同図に示す通り、焼結機のC値が小さいほどパレット両側のシール部分の長さが短くなるため、漏風する箇所が少なくなることになる。
実機を想定した場合、パレット台車群の進行方向の全長Lがパレットの幅Wの10倍未満である焼結機、すなわちC<10の焼結機では、原料の供給状態をパレットの幅方向で均一にすることが困難となる。原料の供給状態がパレットの幅方向で不均一となると、原料側からの幅方向の偏析が生じ、通気性にむらが生じて焼結速度が不均一となる。そのため、パレットの幅は無限に広くすることはできず、上限がある。実機のパレットの幅としては、6m以下が採用されている。
パレットの幅Wが6mの焼結機の場合、通常、焼成面積Aは500〜600m2(13.9<C<16.7)と巨大であり、パレット台車を駆動する焼結機そのものも巨大な装置である。もし、パレットの幅が6mの焼結機において、全長Lを60m未満(C<10)とすると、パレットが巨大であるのに対して焼成面積Aが360m2未満と小さいため、設備コストに対して生産能力が小さく、経済的ではない。一方、全長Lを120mよりも長く(C>20)した場合には、そもそも両引き形状のウインドボックスを使用したとしても、標準的な焼結機(C=20)より漏風率が高い。そのため、全長Lを120mよりも長くした場合に片引き形状のウインドボックスを適用すると、パレット進行方向のシール部分の漏風の影響がパレットの幅方向で焼結速度の不均一さが拡大する可能性が高くなる。
これらのことから、実機として有効なC値は10≦C≦20であり、これを満たす焼結機に対してウインドボックスを片引き形状とする効果が発現されることの知見を得た。
4.下降管、主排ダクトおよび循環主ダクトの配置および形状についての検討
ウインドボックスを片引き形状とした焼結機であっても、両引き形状の焼結機と同等の焼結鉱を製造できることが明らかとなった。そのため、それに付随する下降管、主排ダクトおよび循環主ダクトの配置を改善できるようになった。
上述の通り、従来は、原料の燃焼速度をパレットの幅方向に均一とするため、ウインドボックスは両引き形状とし、かつ主排ダクトを、パレットの幅方向の中心を通る鉛直面と一致するように配置する必要があった。
しかし、ウインドボックスを片引き形状にしても、原料の燃焼速度をパレットの幅方向に均一にできるため、主排ダクトを、パレットの幅方向の中心を通る鉛直面と一致するように配置する必要がない。
そのため、主排ダクトを、パレットの幅方向の中心を通る鉛直面から偏心した配置とすること、およびこれにより下降管を屈曲させないこと、または下降管の屈曲部位を1箇所とすることが可能となる。また、循環主ダクトを、主排ダクトと同じかまたはそれに近い高さに配置することが可能となる。
主排ダクトを偏心した配置とし、下降管を屈曲させず、または下降管の屈曲部位を1箇所とすることにより、下降管の摩耗による穴明きおよび漏風を低減することができる。また、複数の下降管から主排ダクトの円形断面に対して同じ方向の接線方向で焼結燃焼排ガスを流入させることができるようになる。主排ダクトの円形断面に対して同じ方向の接線方向で焼結燃焼排ガスを流入させると、主排ダクト内で円形断面に対して周方向の流れが生じるため、同伴されてきた焼結ダストがサイクロン効果によって捕集され、主排ダクトの下部に設けられたダストホッパーへ導入されやすくなる。また、焼結燃焼排ガスの流動方向の下流に設けられた集塵機への焼結ダストによる負荷も低減できる利点がある。
また、循環主ダクトを主排ダクトと同じかまたはそれに近い高さに配置することにより、従来は建て屋の外部に配置していた循環主ダクトおよび上昇管を焼結機建て屋内に配置することが可能となる。
本発明の焼結機において、全てのウインドボックスを片引き形状にする必要はない。特に、点火炉直下では、焼結燃焼排ガスの量が少なく、温度も低いため、下降管の内径すなわち断面積は他の部分よりも小さくでき、両引き形状としても、片引き形状した場合と建て屋の幅を同一とすることができる。そのため、点火炉直下のウインドボックスだけは、両引き形状とし、その幅方向両端それぞれから下降管が突出し、各下降管が主排ダクトに接続するようにしてもよい。これにより、安定した点火状態を確保でき、点火後の燃焼状態を良好とすることができる。前記図3および図4では、点火炉直下のウインドボックスを両引き形状とした例を示す。
5.下降管の断面積についての検討
本発明の焼結機における下降管の断面積は、焼結機の標準操業状態において、下降管内部における焼結燃焼排ガスの温度、圧力および流速を予測し、ガス流速が所定値以下であり、かつ各下降管内で互いに略同じとなるように決定する。ガス流速の上限は20m/s以下、好ましくは16m/s以下とする。このガス流速の上限は、焼結ダストが焼結鉱という非常に硬い粒子からなることに留意して決定したものであり、ガス流速がこの範囲であれば下降管の摩耗を抑制することができる。ガス流速は、ウインドボックスの面積または長さを調整することによっても調整することができる。
各下降管の断面積を、上記基準に基づいて決定することにより、各下降管の内部の焼結ダストによる摩耗を抑制することができる。
6.主排ダクトの腐食抑制についての検討
主排ダクトの腐食抑制について検討する。焼結機において焼結ベッドの表面に着火した後、焼結ベッド内の燃焼帯(反応層)が下層付近に到達するまでの間、すなわち焼結機の給鉱側端部から、パレット台車群の進行方向の全長の約50%の位置まで(以下「焼結機の前半部分」ともいう。)は、焼結燃焼排ガスの温度は80℃から110℃程度までの範囲である。このとき、ウインドボックス、下降管および主排ダクト(ダクト類)を構成する鉄皮(表皮)の温度は、外面の保温を施していない場合には50〜60℃であり、これらのダクトの内面は酸露点以下であるため、硫酸等が結露して鉄皮を腐食させるという問題がある。そのため、鉄皮の温度を約80℃以上に維持することが必要である。
鉄皮の温度を約80℃に維持する方法としては、蒸気トレースやヒータによって外面から加熱する方法や、鉄皮を保温する断熱材を設ける方法、ダクト類の内面にキャスタブルライニングを施工する方法がある。ダクト類の内面にキャスタブルライニングを施工する方法は、耐摩耗性を向上させるのにも有効である。
一方、焼結ベッドの燃焼帯が焼結ベッドの下層付近に到達してから排鉱側端部までの部分(以下「焼結機の後半部分」ともいう。)では、ダクト類を構成する鉄皮の温度は酸露点の温度を超えているため、硫酸等の結露による鉄皮の腐食は発生しない。そのため、鉄皮の保温よりも放熱が必要である。
焼結燃焼排ガスの温度が高いほど主排ブロワーの軸動力が過大に必要となり、放熱は、結露しない最低の温度で操業することが経済的に最も有利であるからである。鉄皮からの放熱を促進する方法としては、ダクト類の外面を水スプレー等によって冷却する方法が挙げられる。
このように、ダクト類は、焼結機の前半部分では保温し、焼結機の後半部分では保温しないことが好ましい。
本発明の焼結機の効果を確認するため、以下に示す試験を実施した。
1.試験条件
この試験では、各パレットの幅(パレット台車底面の火格子の内幅)を3.7m、各パレット台車の進行方向の長さを1.5m、焼結機の有効面積(焼成面積)を185m2(パレットの幅W=3.7m、パレット台車群の進行方向の全長L=50.0m)、ウインドボックスの総数を17個とした。パレット台車群の進行方向の全長とパレットの幅の比の値Cは、C=L/W=13.5であった。ウインドボックスは、最も給鉱側をNo.1、最も排鉱側をNo.17とした。
本発明例では、ウインドボックスは片引き形状とし、主排ダクトは主排ダクトの軸がパレットの幅方向の中心を通る鉛直面から3m(前記図4のC)ウインドボックスの吸引側へ偏心するように配置した。下降管は、屈曲部位を1箇所とし、循環主ダクトを主排ダクトと同じ高さに平行となるように配置した。循環主ダクトおよび上昇管は、建て屋内に配置した。
また、各下降管の内径すなわち断面積は、焼結燃焼排ガスの温度に基づいて決定し、各下降管内部における焼結燃焼排ガスの流速が互いに略同じで16m/s以下となるように設定した。具体的には表2に示す値とした。
比較例では、ウインドボックスは両引き形状とし、主排ダクトは主排ダクトの軸をパレットの幅方向の中心を通る鉛直面と一致させるように配置した。循環主ダクトおよび上昇管は、建て屋の外部に配置した。
また、下降管の内径は、前記表2に示すように全て0.85mとした。
本発明例は、ウインドボックスおよび下降管に以下の保温処理を施した。比較例は、鉄皮のままで保温等の処理を施さなかった。
No.1〜No.11:外面保温および蒸気トレース
No.12〜No.13:外面保温のみ
No.14〜No.17:保温なし
2.試験結果
図8は、ウインドボックスの位置と下降管内部におけるガス流速との関係を示す図である。前記表2に下降管の内径と併せて焼結ベッドから排出された焼結燃焼排ガスの温度および流速を示す。同図は、同表から作成した。
図8および表2からわかるように、焼結燃焼排ガスの温度は、No.11あたりの焼結機中央よりもやや排鉱側の地点までは安定していたものの、この地点から上昇し始めた。比較例では、No.10までは18m/sで安定していたものの、この温度上昇に伴って、No.11以降では上昇し、30m/sを超えた。また、下降管の屈曲部位が2箇所あったため、下降管の内面に著しい摩耗が発生し、維持管理が困難であった。
一方、本発明例では、ガス流速は全ての下降管において16m/s以下であった。また、下降管の屈曲部位1箇所であったため、下降管の内面では著しい摩耗が発生せず、維持管理が容易であった。
また、比較例では焼結機の建て屋幅が14.4m(前記図1に示すB)であり、建て屋の外部に配置した循環主ダクトを含めると20m(前記図1に示すD)であった。これに対して、本発明例では循環主ダクトおよび上昇管を建屋内に配置したにもかかわらず11.0m(前記図4に示すA)とすることができた。すなわち、45%の敷地面積を縮小できた。
本発明例および比較例のいずれも、パレットの幅方向に焼けむらがなく、均一な焼結燃焼速度を得ることができた。また、本発明例では、ウインドボックスおよび下降管に保温処理を施したため、鉄皮の腐食による穴明きは操業開始から1年経過しても発生しなかった。一方、比較例では焼結機の中央よりも給鉱側の下降管(No.1〜9)において硫酸結露の発生が見られ、鉄皮の腐食が進行していた。
本発明の焼結機によれば、焼結鉱の十分な生産能力を確保しつつ建て屋を含めた焼結機の設備全体を小型化することができる。また、焼結機の有する下降管には屈曲部位が少ないため、摩耗が少なく、維持管理が容易である。
1:建て屋、 2:パレット台車、 2a:シール部分、 3:原料供給ホッパー、
4:原料供給装置、 5:点火炉、 6:一次破砕機、 7:ウインドボックス、
8:主排ダクト、 9:下降管、 9a:屈曲部位、 9b:下降管、
10:ダストホッパー、 11:ダスト回収ベルトコンベヤー、
12:ダスト排出二重弁、 13:循環主ダクト、 14:接続ダクト、
15:排熱回収ボイラー、 16:循環フード、 17:上昇管、
18:スピレッジシュート、 20:焼結ベッド、 21:焼結ケーキ(上層部)、
22:溶融層、 23:反応層、 24:乾燥層、 25:湿潤層(原料層)

Claims (8)

  1. 焼結原料を焼結させて焼結鉱を製造する焼結機であって、
    複数のパレット台車が無端ベルト状に連結されてなり、前記焼結原料を積載して一方向に進行するパレット台車群と、
    前記パレット台車群の進行方向の上流端に配置され、前記パレット台車上に前記焼結原料を投下する原料供給装置と、
    前記パレット台車上の前記焼結原料に点火を行う点火炉と、
    前記点火炉が配置された位置から前記パレット台車群の進行方向の下流側の全域にわたり、前記パレット台車群の下方で前記パレット台車群の進行方向に互いに隣接して配置され、個々に焼結燃焼排ガスを吸引する複数のウインドボックスと、
    前記各ウインドボックスから下方に突出する下降管と、
    前記ウインドボックスの下方で前記パレット台車群の進行方向に沿って延在し、前記各ウインドボックスから前記各下降管を通じて焼結燃焼排ガスを収集する主排ダクトと、
    前記パレット台車群の下方軌道の下方に、前記主排ダクトと平行に延在し、前記焼結機で焼結完了した前記焼結鉱を冷却する際に発生する焼結鉱冷却排ガスの一部が導入される循環主ダクトと、
    前記循環主ダクトから分岐し、前記循環主ダクトに導入されたガスを前記パレット台車上の前記焼結原料の上面に導く複数の上昇管と、を備え、
    前記主排ダクトと前記循環主ダクトとが前記パレット台車群の幅方向に互いに隣接して配置され、
    前記各下降管が前記ウインドボックスの幅方向の一方の端のみから突出して前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする焼結機。
  2. 前記各下降管が屈曲することなく、または1箇所で屈曲して前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結機。
  3. 前記下降管の断面積がパレット台車群の進行方向の下流側ほど大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の焼結機。
  4. 操業時における前記各下降管内での焼結燃焼排ガスの流速が互いに略同じで20m/s以下であることを特徴とする請求項3に記載の焼結機。
  5. 前記パレット台車群の進行方向の上流側の前記ウインドボックス、前記下降管および前記主排ダクトに、それらの表皮を保温する断熱材、またはそれらの表皮を加熱するヒータを設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の焼結機。
  6. 前記パレット台車群は進行方向の全長がその幅の10倍以上、20倍以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼結機。
  7. 前記ウインドボックスのうちで前記点火炉が配置された位置のウインドボックスは幅方向の両端それぞれから下降管が突出し、各下降管が前記主排ダクトに接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼結機。
  8. 前記パレット台車の焼結原料積載部の幅が3.5m以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の焼結機。
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