JP5646543B2 - 電路の異常を検出可能な分電盤 - Google Patents

Description

本発明は、接続不良や導通不良などの異常を検出する機能を備えた分電盤に関する。

一般に、分電盤は、主幹ブレーカと端子台との間の電路上に複数の分岐ブレーカを装備している。これらの盤内機器は、端子部にネジを使用しているため、ネジの緩みで接続不良が発生し、発熱の原因となりやすい。そこで、従来、端子部の接続不良を検出するための回路をブレーカに設けた技術が提案されている。例えば、特許文献１に記載されたブレーカは、端子部のネジと電源座とにセンサ回路を接続し、センサ回路の出力に基づいて端子部の接続不良を検出できるように構成されている。

特開２００９−２４５８３６号公報

ところで、ブレーカの端子部は電源側と負荷側にそれぞれ複数設けられており、また、分電盤には、ブレーカの他に、端子台や銅バーなどネジを用いた多数の端子部が設けられ、端子部の他にも、ブレーカの内部接点やリード線など導通不良の可能性がある電気接続部が各所に散在する。このため、従来技術によると、接続不良や導通不良を検出するために、多数の電気接続部にセンサ回路を設ける必要があり、分電盤の構成が複雑になるという問題点があった。

そこで、本発明の目的は、接続不良や導通不良などの異常を盤内の一箇所で検出し、ユーザーに報知できる分電盤を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明は、主幹ブレーカと端子台との間の電路上に複数の分岐ブレーカを装備した分電盤において、次のような手段を提供する。
（１）電路を単相３線式電路として、端子台のハウジングに、単相３線式電路に接続される複数の端子部と、該端子部のうち単相３線式電路を構成する２つの電源線に接続された同じ極性の２つの端子部の電位差を検知するセンサ回路と、センサ回路の出力に基づいて単相３線式電路の異常を検出する検出回路とを設けたことを特徴とする分電盤。

（２）端子台のハウジングに、検出回路からの指令に応答して警報を発生する警報器を設けたことを特徴とする分電盤。

本発明の分電盤によれば、末端機器である端子台にセンサ回路を設けたので、その端子台６を含み主幹ブレーカに至るまでの電路上に存在する多数の電気接続部の不良、不通を一括して検出し、必要に応じ、警報器でユーザーに報知できるという効果がある。

本発明の一実施形態を示す分電盤の機器配置図である。 図１の分電盤の端子台を示す正面および底面図である。 図２の端子台を含む分電盤の配線図である。

以下、本発明を単相３線式電路の分電盤に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図１に示す分電盤１は、筐体２の内側に支持枠３を備え、支持枠３の上に主幹ブレーカ４、分岐ブレーカ５、端子台６を装備している。主幹ブレーカ４の電源側端子部４ａには電源線７が接続され、主幹ブレーカ４の負荷側端子部４ｂと分岐ブレーカ５の電源側端子部５ａとの間に銅バー８が接続され、分岐ブレーカ５の負荷側端子部５ｂと端子台６の電源側端子部６ａとの間にリード線９が配線され、端子台６の負荷側端子部６ｂに負荷配線１０が接続されている。

図２（ａ），（ｂ）に示すように、端子台６は長尺のハウジング１１を備え、ハウジング１１の表面に電源側端子部６ａと負荷側端子部６ｂとがそれぞれ複数配列されている。ハウジング１１の内部には、センサ回路１２、検出回路１３、通信回路１８、外部接続端子１９（それぞれ図３参照）を備えた回路基板１４と、警報ブザー１５とが設けられている。警報ブザー１５はハウジング１１の一端部に内蔵され、ハウジング１１の一端部表面に、警報ブザー１５の鳴動を停止させるためのリセットボタン１６と警報ランプ１７とが配設されている。

図３に示すように、端子台６の隣接する２つの端子部６ａ，６ｂは、リード線９によって極性の異なる電路（Ｌ１とＮまたはＮとＬ２）に接続されている。複数のセンサ回路１２は、それぞれ、一つ置きに二つの負荷側端子部６ｂに接続され、同じ極性（Ｌ１とＬ１、ＮとＮ、Ｌ２とＬ２）の二つの端子部６ｂの電位差を検知する。そして、検出回路１３が、各センサ回路１２の出力に基づき、電路の異常を検出し、ブザー１５とランプ１７に警報指令を出力するとともに、通信回路１８に盤外向けの警報通知指令を出力するように構成されている。

上記構成の分電盤１において、主幹ブレーカ４よりも下流側の銅バー８、分岐ブレーカ５、端子台６を含む３本の電路（電圧線Ｌ１，Ｌ２、中性線Ｎ）の何処かで、端子部またはネジ接続部に接続不良が発生したり、分岐ブレーカ５の内部接点５ｃまたはリード線９に導通不良や断線が発生したりすると、センサ回路１２がその電路に接続された同極性の２つの端子部６ｂの異常電位差を検知し、検出回路１３が警報指令を出力し、ブザー１５が鳴動し、ランプ１７が点灯し、電路の異常がユーザーに報知される。したがって、分電盤１の末端機器である一つの端子台６により、その端子台６を含み主幹ブレーカ４に至るまでの電路異常を簡単な構成で的確に検出することができる。

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、分電盤１の盤内機器として一次送り回路用ブレーカや時間帯別電灯契約機器用ブレーカ等を追加したり、検出回路１３が電路の異常を検出したときに、主幹ブレーカ４を遮断動作させたりするなど、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、分電盤各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。

１ 分電盤
４ 主幹ブレーカ
５ 分岐ブレーカ
６ 端子台
６ａ，６ｂ 端子部
８ 銅バー
１１ ハウジング
１２ センサ回路
１３ 検出回路
１５ 警報ブザー
１６ リセットボタン
１７ 警報ランプ

Claims (2)

1. 主幹ブレーカと端子台との間の電路上に複数の分岐ブレーカを装備した分電盤において、前記電路を単相３線式電路として、前記端子台のハウジングに、前記単相３線式電路に接続される複数の端子部と、該端子部のうち前記単相３線式電路を構成する２つの電源線に接続された同じ極性の２つの端子部の電位差を検知するセンサ回路と、センサ回路の出力に基づいて前記単相３線式電路の異常を検出する検出回路とを設けたことを特徴とする分電盤。
2. 前記端子台のハウジングに、前記検出回路からの指令に応答して警報を発生する警報器を設けたことを特徴とする請求項１記載の分電盤。

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