JP5646284B2 - 位相子 - Google Patents
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Description
上記式1にΔn=0.01を代入すると、波長λ=405nmであって0次の波長板としたいとき、水晶を用いた位相差90°の位相子を作製する場合の板厚dは、約10μmになる。
また、前記した式1では、考慮されていないが、位相差は位相子への光の入射角によっても変化し、一般的な位相子では、板厚の絶対厚に比例する。そして、ダブルプレート構造であっても、入射角依存性を補償することはない。
非特許文献1乃至3に記載された位相フィルムは、特に液晶パネルの高視野化のために用いられるものであり、二軸性材料の屈折率をnz>ny>nxとするとき、以下の式2を満たすように設計されている。
また、無機物は有機物と比較してレーザーに対する耐性が高く、また、その耐熱性は1000〜2000℃程度であり、非常に高い耐熱性を備えている。したがって、無機材料で構成された位相子は、有機物によって構成された位相フィルムと比較して、耐熱性及び耐光性が飛躍的に向上することから、高出力のレーザー光や紫外領域の光等にも使用可能である。その結果、信頼性が高く、使用用途の広い位相子とすることができる。
さらに、無機物からなる二軸性結晶によって構成される位相子は、結晶を研磨するだけで製造可能である。したがって、位相子の製造時、複数の薄膜を積層させたり、フィルムを延伸させたりする等の複雑な工程を経ることがない。したがって、製造工程も簡素化することが可能である。
第1結晶のみを用いた構成、すなわち単板構造の位相子とした場合、所望の位相差によっては位相子が非常に薄くなることがある。このように、位相子が薄くなりすぎ、取り扱いが難しい場合は、上記のように、第1結晶及び第2結晶を入射光の進行方向に並べて接合することにより、適当な厚さ、且つ所望の位相差で制御可能な位相子とすることができる。
また、オプティカルコンタクトにより第1結晶及び第2結晶をそれぞれの結晶のy方向を一致させ、且つ光学軸が直交するように接合する構成であるため、接着剤等を用いることがない。したがって、入射光を吸収することなく、高い透過率で透過させることができる。
また、第1結晶と第2結晶とを離間して配設する構成であるため、本構成の位相子は、接合面を持たない。したがって、高出力のレーザー光に対して用いた場合であっても、損傷することなく長時間使用することができる。
Mg2SiO4単結晶は、nz>ny>nx、0.6≦(ny−nx)/(nz−ny)≦1.5を満たす二軸性結晶である。そして、融点は1890℃であるため、Mg2SiO4単結晶によって構成された位相子は、高い耐熱性を備える。さらに、Mg2SiO4単結晶は、他の無機物の二軸性結晶と比較して、工業的に育成可能であり、結晶成長により良好且つ大型の結晶を得ることができる。したがって、Mg2SiO4単結晶からなる位相子は、大型化が容易であり、且つ透明であるため、位相子を構成する材料としてMg2SiO4単結晶は特に好適である。
また、本発明の位相子は、複数枚を組み合わせた構成であるから、構成が簡単であり、安価に製造可能である。
上記式4を満たす結晶によって構成される位相子と、水晶製位相子とにおける入射角依存性の計算値による比較を図1に示す。
図1より、一般に用いられる水晶製位相子と比較して、上記式4に示すNの値が0.6以上1.5以下である位相子は、入射角の変化量に対する位相差変化量が小さいことが示されている。すなわち、位相子において、Nの値が0.6以上1.5以下の時、一般に用いられる水晶製位相子よりも入射角依存性が小さく、好適である。また、Nの値が1.0である場合は、位相差変化量の入射角依存性が極めて小さく、特に好適である。
参考例において、位相子100は、図2に示すように、二軸性結晶であるMg2SiO4単結晶10によって構成されており、入射光Iの垂直入射方向(Mg2SiO4単結晶10における光が入射する面、すなわち研磨面と略垂直な方向)とMg2SiO4単結晶10におけるy方向が略平行になる(略一致する)ように配設されている。換言すると、Mg2SiO4単結晶10において入射光Iが入射する位相子100の面(研磨面)の法線と、y方向が略一致するように配設されている。なお、符号I´は出射光を示す。
単板構造の位相子100において、Mg2SiO4単結晶10による位相子100と、比較対象である水晶製位相子における位相差変化量の入射角依存性(計算値による)を図3に示す。なお、図3には、0次単板構造であり、波長λ=405nmで、位相差が90°(π/2)の時、すなわちλ/4板である厚さ10μmの位相子における位相差変化量の入射角依存性を示す。
実施例1において、位相子200は、図4に示すように、二軸性結晶であるMg2SiO4単結晶(第1結晶20、第2結晶30)によって構成されており、入射光Iの垂直入射方向と第1結晶20、第2結晶30におけるy方向が略平行になるように配設されている。換言すると、第1結晶20、第2結晶30において入射光Iが入射する位相子200の面(研磨面)の法線と、y方向が略一致するように配設されている。そして、第1結晶20及び第2結晶30は、それぞれの結晶のx方向及びz方向が直交するように構成されている。すなわち、第1結晶20におけるx方向(x軸)と、第2結晶30におけるx方向(x軸)は互いに直交し、第1結晶20におけるz方向(z軸)と、第2結晶30におけるz方向(z軸)は互いに直交する関係になっている。なお、符号I´は出射光を示す。
ダブルプレート構造の位相子において、Mg2SiO4単結晶である第1結晶20及び第2結晶30による位相子200の各平面上における位相差変化量の入射角依存性(計算値による)と、比較対象である水晶製位相子における位相差変化量の入射角依存性(計算値による)を図5に示す。なお、図5には、0次ダブルプレート構造であり、波長λ=405nmで、位相差が90°(π/2)の時、すなわちλ/4板である厚さ1mmの位相子における位相差変化量の入射角依存性を示す。
ダブルプレート構造とは、上記のように、同一材料であって板厚の異なるMg2SiO4単結晶からなる第1結晶20及び第2結晶30を、入射光Iの進行方向において隣接させ、それぞれの光学軸が直交するように貼り合わせる構成である。このようなダブルプレート構造の位相子200を形成する際、Mg2SiO4単結晶である第1結晶20及び第2結晶30は、互いにオプティカルコンタクトにより接合されると好ましい。
実施例2の位相子は、上記実施例1の位相子100と厚さが異なることを特徴としている。厚さ以外の構成について、実施例1の位相子100と同様であるため、構成の詳細な説明は省略する。
第1結晶のみからなる単板構造の位相子において、Mg2SiO4単結晶による位相子と、比較対象である水晶製位相子における位相差変化量の入射角依存性(計算値及び測定値による)を図6に示す。なお、図6には、高次単板構造であり、波長λ=405nmで、位相差が3330°(360°×9+90°)の時、すなわちλ/4板である厚さ約0.1mmのMg2SiO4単結晶からなる位相子における位相差変化量の入射角依存性を示す。また、図6には、高次単板構造であり、波長λ=405nmで、位相差が810°(360°×2+90°)の時、すなわちλ/4板である厚さ約0.1mmの水晶からなる位相子における位相差変化量の入射角依存性を示す。なお、図6中、点で示される値は測定値、線で示される値は計算値を示している。
λ=405nmの光源を用い、上記構成のMg2SiO4単結晶及び水晶からなる位相子サンプルをそれぞれ回転台の上に設置し、位相子サンプルを回転させることで入射角を変化させながら回転偏光子法で位相差測定を行った。そして、垂直入射の場合を入射角=0°、垂直入射における位相差を基準とし、垂直入射から入射角を変化させたときの位相差の変化量を位相差変化量とした。
上記実施例1において示した第1結晶20及び第2結晶30からなるダブルプレート構造の位相子200において、位相差は0次でなく、高次としても良い。
また、上記のように、Mg2SiO4単結晶10の単板からなる構成(単板構造)の位相子100や、Mg2SiO4単結晶である第1結晶20及び第2結晶30を光学軸が互いに直交するように貼り合わせる構成(ダブルプレート構造)の位相子200以外にも、二枚のMg2SiO4単結晶である第1結晶40及び第2結晶50を、入射光の進行方向に離間して配設し、空気間隙を隔てて平行に並べた構成(エアギャップ構成)の位相子300とすることができる(図7参照)。
10,20,40 第1結晶(Mg2SiO4単結晶)
30,50 第2結晶(Mg2SiO4単結晶)
I 入射光
I´ 出射光
Claims (3)
- 入射光を透過させ、該入射光に対して平行に出射される出射光の位相を制御する位相子であって、
前記入射光の進行方向に隣接して配設されると共にオプティカルコンタクトによって接合され、異なる厚さを有する第1結晶及び第2結晶から構成され、
前記第1結晶及び前記第2結晶は、前記第1結晶及び前記第2結晶において、互いに直交する方向をそれぞれx方向、y方向、z方向とし、前記x方向の屈折率をnx、前記y方向の屈折率をny、前記z方向の屈折率をnzとし、
nz>ny>nx を満たすと共に前記y方向が前記入射光の垂直入射方向に沿うように前記x方向、前記y方向、前記z方向を定めたときに、
0.6≦(ny−nx)/(nz−ny)≦1.5
を満たす二軸性結晶から構成され、該二軸性結晶は、無機物からなることを特徴とする位相子。 - 入射光を透過させ、該入射光に対して平行に出射される出射光の位相を制御する位相子であって、
前記入射光の進行方向に離間して配設され、異なる厚さを有する第1結晶及び第2結晶から構成され、
前記第1結晶及び前記第2結晶は、前記第1結晶及び前記第2結晶において、互いに直交する方向をそれぞれx方向、y方向、z方向とし、前記x方向の屈折率をnx、前記y方向の屈折率をny、前記z方向の屈折率をnzとし、
nz>ny>nx を満たすと共に前記y方向が前記入射光の垂直入射方向に沿うように前記x方向、前記y方向、前記z方向を定めたときに、
0.6≦(ny−nx)/(nz−ny)≦1.5
を満たす二軸性結晶から構成され、該二軸性結晶は、無機物からなることを特徴とする位相子。 - 前記二軸性結晶は、Mg2SiO4単結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相子。
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