JP5645328B2 - 配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに配信システム - Google Patents

配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに配信システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば楽曲等のコンテンツを構成する複数のパートデータを配信する配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、楽曲等のコンテンツを構成する複数のパートデータを取得及び再生する再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びにこのような配信装置とこのような再生装置とを備える配信システムの技術分野に関する。
この種の配信システムとして、例えば特許文献1に記載されているように、クライアント装置が、複数のパートに対応する複数の演奏データをネットワーク上のサーバからダウンロードすると共にダウンロードした複数の演奏データを組み合わせて再生するシステムが知られている。このような配信システムによれば、ユーザは、各パートの演奏データをサーバ上にアップロードすると共に当該アップロードした演奏データを適宜組み合わせることで、好みに合わせた所望のコンテンツ(例えば、所望の楽曲)を作成及び再生することができる。
特開2008−309928号公報
上述したシステムでは、クライアント装置は、複数の演奏データが組み合わせられることで構成される楽曲を再生するためには、複数の演奏データの全てのダウンロードを完了する必要がある。つまり、クライアント装置は、複数の演奏データの全てのダウンロードを完了し且つ当該複数の演奏データのミキシングを行った後でなければ、複数の演奏データを1つの楽曲として再生することができない。このため、1つの演奏データのデータ容量が相対的に大きければ、各演奏データのダウンロードに時間を要することになる。その結果、複数の演奏データを1つの楽曲として再生するまでに相対的に多くの時間がかかってしまう。
尚、このような技術的問題点は、楽曲を構成する演奏データに限らず、任意のコンテンツ(例えば、映像等)を構成する複数のパートデータを配信する配信システムにおいても同様に生じ得る。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、演奏データ等の複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることが可能な配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、演奏データ等の複数のパートデータをダウンロードする際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始することが可能な再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに演奏データ等の複数のパートデータを取得する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始することが可能な配信システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、配信装置は、コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信手段と、前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信手段を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、配信方法は、コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信工程と、前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信工程を制御する制御工程とを備える。
上記課題を解決するために、配信制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを上述した配信装置として機能させる。
上記課題を解決するために、記録媒体には、コンピュータを上述した配信装置として機能させる配信制御用のコンピュータプログラムが記録されている。
上記課題を解決するために、再生装置は、上述した配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得手段と、前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生手段とを備える。
上記課題を解決するために、再生方法は、上述した配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得工程と、前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生工程とを備える。
上記課題を解決するために、再生制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを上述した再生装置として機能させる。
上記課題を解決するために、記録媒体には、コンピュータを上述した再生装置として機能させる再生制御用のコンピュータプログラムが記録されている。
上記課題を解決するために、配信システムは、コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信手段と、前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信手段を制御する制御手段とを備える配信装置と、前記配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得手段と、前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生手段とを備える再生装置とを備える
本実施例の楽曲配信システムの構成を示すブロック図である。 本実施例の楽曲サーバの構成を示すブロック図である。 データベースが備えるパートデータ格納部に格納される複数のパートデータの態様を示す模式図である。 データベースが備えるパートデータ格納部に格納される複数のパートデータの態様を示す模式図である。 データベースが備えるミキシングデータ格納部に格納されるミキシングデータの態様を示す模式図である。 本実施例のクライアント端末の構成を示すブロック図である。 制御部の制御によって実現される所望のパートデータ及び当該所望のパートデータに対応するミキシングデータのダウンロード及び再生の態様を概略的に示す模式図である。 本実施例の楽曲配信システムにおける動作の流れを示すフローチャートである。 (i)複数のパートデータよりもミキシングデータが優先的に配信される場合の配信の様子と、(ii)複数のパートデータのみが均等に配信される場合の配信の様子とを示す模式図である。
以下、配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに配信システムの実施形態について順に説明する。
(配信装置の実施形態)
本実施形態の配信装置は、コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信手段と、前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信手段を制御する制御手段とを備える。
本実施形態の配信装置によれば、配信手段は、再生装置に対して複数のパートデータを配信することができる。尚、配信手段は、再生装置からの要求に応じて複数のパートデータを配信してもよいし、再生装置からの要求に関わらず自発的に複数のパートデータを配信してもよい。更に、配信手段は、複数のパートデータを配信することに加えて又は代えて、再生装置に対してミキシングデータを配信することができる。尚、配信手段は、再生装置からの要求に応じてミキシングデータを配信してもよいし、再生装置からの要求に関わらず自発的にミキシングデータを配信してもよい。
各パートデータは、コンテンツを構成する複数のパートのうちのいずれか一つに対応するデータである。例えば、コンテンツが楽曲である場合には、楽曲を構成する複数の楽器パートないしは演奏パートのうちのいずれか一つに対応するデータ部分(例えば、ボーカルに対応するデータ部分や、ギターに対応するデータ部分)が、各パートデータの一例となる。或いは、例えば、コンテンツが映像である場合には、映像全体を構成する複数の部分映像のうちのいずれか一つに対応するデータ部分(例えば、映像全体のうちの第1部分の部分映像に対応するデータ部分や、映像全体のうちの第2部分の部分映像に対応するデータ部分)が、各パートデータの一例となる。
ミキシングデータは、複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合する(言い換えれば、ミキシングする、重畳する又は組み合わせる)ことで生成されるデータである。例えば、コンテンツが楽曲である場合には、楽曲を構成する複数の楽器パートないしは演奏パートのうちの少なくとも2つの演奏がまとめられた1つの音声データが、ミキシングデータの一例となる。或いは、例えば、コンテンツが映像である場合には、映像全体を構成する複数の部分映像のうちの少なくとも2つがまとめられた1つの映像データが、ミキシングデータの一例となる。
本実施形態の配信装置は特に、制御手段を更に備えている。制御手段は、複数のパートデータの配信の優先度よりもミキシングデータの配信の優先度が高くなる状態で複数のパートデータ及びミキシングデータを配信するように配信手段を制御する。尚、本実施形態の「優先度の高低」が生ずる状態とは、複数のパートデータの配信の態様とミキシングデータの配信の態様との間に何らかの差が生じている状態を意図する広い趣旨である。より具体的には、本実施形態の「優先度の高低」が生ずる状態とは、例えば、複数のパートデータの配信の態様を規定する何らかのパラメータ(例えば、配信レートや、配信速度や、配信に用いられる帯域又はリソース等)と比較して、ミキシングデータの配信の態様を規定する何らかのパラメータが、配信の有意性という観点での有意な差を有している状態を意図する広い趣旨である。
その結果、配信装置から再生装置に対しては、複数のパートデータよりも、ミキシングデータが優先的に配信される。より具体的には、例えば、配信装置から再生装置に対しては、複数のパートデータよりも、ミキシングデータがより早く配信される。或いは、例えば、配信装置から再生装置に対しては、複数のパートデータの配信が開始される前に、ミキシングデータの配信が開始される。その結果、再生装置は、複数のパートデータの取得を完了する前に、ミキシングデータの取得を完了することができる。従って、再生装置は、複数のパートデータの取得が完了していない段階であっても、ミキシングデータを再生することで、複数のパートデータによって構成されるコンテンツを実質的には再生することができる。つまり、再生装置は、複数のパートデータを取得する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始することができる。
このように、本実施形態の配信装置は、複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることができる。
本実施形態の配信装置の一の態様では、前記制御手段は、前記複数のパートデータの夫々の配信レートよりも前記ミキシングデータの配信レートが高くなるように前記配信手段を制御する。
この態様によれば、配信装置から再生装置に対しては、複数のパートデータよりも、ミキシングデータがより早く配信される。従って、配信装置は、複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記再生装置は、前記配信装置から配信される前記ミキシングデータを、取得したデータ部分から再生し、前記制御手段は、前記再生装置による前記ミキシングデータの再生レート以上となる程度の配信レートで前記ミキシングデータを配信するように前記配信手段を制御する。
この態様によれば、再生装置は、ミキシングデータを、取得したデータ部分から再生する。つまり、再生装置は、ミキシングデータの全体の取得が完了していない段階で(言い換えれば、ミキシングデータの一部の取得しか完了していない段階で)、ミキシングデータのうちの取得済みのデータ部分を再生する。
このような再生装置に対して、制御手段は、再生装置によるミキシングデータの再生レート以上となる配信レートでミキシングデータを配信するように配信手段を制御する。従って、再生装置によって再生されているミキシングデータのデータ部分が、再生装置によって取得されている(言い換えれば、配信装置から配信されている)ミキシングデータのデータ部分に追いついてしまうことはなくなる。つまり、再生装置によるミキシングデータのうちの取得済みのデータ部分の再生に対して、再生装置によるミキシングデータの取得が追いつかなくなることはなくなる。言い換えれば、再生装置によってミキシングデータの全てが取得される前に、再生装置によって取得されたミキシングデータのデータ部分の全ての再生が完了することはなくなる。従って、配信装置は、ミキシングデータのうちの取得済みのデータ部分の再生に影響を与えることなく、ミキシングデータを適切な配信レートで配信することができる。
上述の如く再生装置によるミキシングデータの再生レート以上となる配信レートでミキシングデータを配信する配信装置の態様では、前記制御手段は、当該配信装置と前記再生装置との間に割り当て可能な全配信レートのうち前記ミキシングデータの配信レートを除いた残りの配信レートで前記複数のパートデータの夫々を配信するように前記配信手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、配信装置は、ミキシングデータの配信に必要な配信レートを確保した上で、残りの確保可能な配信レートで複数のパートデータを配信することができる。つまり、配信装置は、複数のパートデータよりも、ミキシングデータを優先的に配信することができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記制御手段は、前記複数のパートデータの夫々の配信を開始する前に、前記ミキシングデータの配信を開始するように前記配信手段を制御する。
この態様によれば、再生装置は、複数のパートデータの取得を完了する前に、ミキシングデータの取得を完了することができる。従って、配信装置は、複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記制御手段は、前記ミキシングデータの配信を開始してから所定時間が経過した後に、前記複数のパートデータの夫々の配信を開始するように前記配信手段を制御する。
この態様によれば、再生装置は、複数のパートデータの取得を完了する前に、ミキシングデータの取得を完了することができる。従って、配信装置は、複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記配信手段は、前記ミキシングデータとして、前記複数のパートデータの全てを1つのデータに統合することで生成される第1ミキシングデータ、及び、前記複数のパートデータのうちの少なくとも一つのパートデータを除く残りのパートデータを1つのデータに統合することで生成される第2ミキシングデータの少なくとも一方を配信する。
この態様によれば、配信手段は、複数のパートデータの全てを1つのデータに統合することで生成される第1ミキシングデータに加えて又は代えて、複数のパートデータのうちの少なくとも一つのパートデータを除く残りのパートデータを1つのデータに統合することで生成される第2ミキシングデータを配信することができる。
尚、第2ミキシングデータの一例として、例えば、N(但し、Nは2以上の整数)個のパートデータのうちの1つのパートデータを除く残りのN−1個のパートデータを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータ(いわゆる、マイナスワンのミキシングデータ)があげられる。また、第2ミキシングデータの他の一例として、例えば、N個のパートデータのうちの2つのパートデータを除く残りのN−2個のパートデータを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータ(いわゆる、マイナスツーのミキシングデータ)があげられる。もちろん、第2ミキシングデータには、例えば、N個のパートデータのうちのk(但し、kは、1≦k<Nを満たす整数)個のパートデータを除く残りのN−k個のパートデータを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータも含まれ得る。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記複数のパートデータと前記ミキシングデータとを格納する格納手段を更に備え、前記配信手段は、前記格納手段に格納されている前記複数のパートデータと前記ミキシングデータと配信する。
この態様によれば、配信手段は、格納手段に予め格納されているミキシングデータを配信することができる。従って、配信手段は、配信の都度ミキシングデータを生成しなくとも(つまり、複数のパートデータを1つに統合しなくとも)、ミキシングデータを配信することができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記配信手段は、前記再生装置から前記複数のパートデータの配信を要求する指示が前記再生装置から当該配信装置に対して送信された場合に、前記配信が要求された前記複数のパートデータに加えて前記ミキシングデータを配信する。
この態様によれば、配信手段は、複数のパートデータの配信の要求に合わせて、複数のパートデータのみならず当該複数のパートデータに対応するミキシングデータを配信することができる。つまり、配信手段は、ミキシングデータそのものの配信の要求がなくとも、ミキシングデータを配信することができる。
本実施形態の配信装置の他の態様では、前記コンテンツは、楽曲であり、前記複数のパートデータの夫々は、前記複数のパートのうちのいずれか一つのパートに対応する演奏データである。
この態様によれば、配信装置は、複数の楽器パートないしは演奏パートに対応する複数のパートデータよりも、当該複数のパートデータを統合(つまり、ミキシング)することで生成されるミキシングデータを優先的に配信することができる。従って、配信装置は、複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成される楽曲の再生を相対的に迅速に開始させることができる。
(配信方法の実施形態)
本実施形態の配信方法は、コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信工程と、前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信工程を制御する制御工程とを備える。
本実施形態の配信方法によれば、上述した本実施形態の配信装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の配信装置における各種態様に対応して、本実施形態の配信方法も各種態様を採ることが可能である。
(配信制御用のコンピュータプログラムの実施形態)
本実施形態の配信制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを上述した本実施形態の配信装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
本実施形態の配信制御用のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態の配信装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の配信装置における各種態様に対応して、本実施形態の配信制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
また、本実施形態の配信制御用のコンピュータプログラムは、記録媒体(例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体)に記録されていてもよい。
(再生装置の実施形態)
本実施形態の再生装置は、上述した本実施形態の配信装置(但し、その各種態様を含むから配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得手段と、前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生手段とを備える。
本実施形態の再生装置によれば、取得手段は、複数のパートデータの取得を完了する前に、ミキシングデータの取得を完了することができる。従って、再生手段は、複数のパートデータの取得が完了していない段階であっても、ミキシングデータを再生することで、複数のパートデータによって構成されるコンテンツを再生することができる。つまり、本実施形態の再生装置は、複数のパートデータを取得する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始することができる。
尚、上述した本実施形態の配信装置における各種態様に対応して、本実施形態の再生装置も各種態様を採ることが可能である。
尚、本実施形態の再生装置は、上述した本実施形態の配信装置(つまり、複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりもミキシングデータの配信の優先度が高くなるように配信手段を能動的に制御する配信装置)を前提としている。しかしながら、再生装置自身が、複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりもミキシングデータの配信の優先度が高くなるように、配信装置の配信手段を制御してもよい。つまり、再生装置が、上述した設定手段を備えていてもよい。この場合、再生装置は、複数のパートデータの夫々の配信の優先度とミキシングデータの配信の優先度とを配信装置に対して通知すると共に、配信装置は、再生装置からの優先度の通知を契機として、再生装置から通知された優先度に応じた態様で受動的に複数のパートデータ及びミキシングデータを配信してもよい。このように構成しても、上述した各種効果を享受することができる。
(再生方法の実施形態)
本実施形態の再生方法は、上述した本実施形態の配信装置(但し、その各種態様を含む)配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得工程と、前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生工程とを備える。
本実施形態の再生方法によれば、上述した本実施形態の再生装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の再生装置における各種態様に対応して、本実施形態の再生方法も各種態様を採ることが可能である。
(再生制御用のコンピュータプログラムの実施形態)
本実施形態の再生制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを上述した本実施形態の再生装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
本実施形態の再生制御用のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態の再生装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の再生装置における各種態様に対応して、本実施形態の再生制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
また、本実施形態の再生制御用のコンピュータプログラムは、記録媒体(例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体)に記録されていてもよい。
(配信システムの実施形態)
本実施形態の配信システムは、上述した本実施形態の配信装置(但し、その各種態様を含む)と上述した本実施形態の再生装置(但し、その各種態様を含む)とを備える。
本実施形態の配信システムによれば、上述した本実施形態の配信装置及び再生装置の少なくとも一方が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の配信装置又は再生装置における各種態様に対応して、本実施形態の配信システムも各種態様を採ることが可能である。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本実施形態の配信装置は、配信手段と、制御手段とを備える。本実施形態の配信方法は、配信工程と、制御工程とを備える。本実施形態の配信制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを本実施形態の配信装置として機能させる。従って、演奏データ等の複数のパートデータを配信する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始させることができる。
本実施形態の再生装置は、取得手段と、再生手段とを備える。本実施形態の再生方法は、取得工程と、再生工程とを備える。本実施形態の再生制御用のコンピュータプログラムは、コンピュータを本実施形態の再生装置として機能させる。従って、演奏データ等の複数のパートデータを取得する際に、当該パートデータから構成されるコンテンツの再生を相対的に迅速に開始することができる。
以下、図面を参照しながら、配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに配信システムの実施例について説明する。尚、以下では、配信システムの一例として、楽曲サーバ10からクライアント端末20に対して楽曲(より具体的には、楽曲を構成する複数のパートデータ)を配信すると共に、配信された楽曲をクライアント端末20上で再生する楽曲再生システム1を用いて説明を進める。但し、配信システムとして、楽曲以外の任意のコンテンツ(例えば、映像や、静止画や、テキストデータや、その他の任意のデータ)の配信システムを採用してもよい。
(1)楽曲配信システムの構成
はじめに、図1を参照して、本実施例の楽曲配信システム1の構成について説明する。ここに、図1は、本実施例の楽曲配信システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、楽曲配信システム1は、楽曲サーバ10と、クライアント端末20と、ネットワーク網30とを備えている。
楽曲サーバ10は、楽曲を構成する複数のパートデータ1111を格納する。楽曲サーバ10が格納するパートデータ1111は、例えば、クライアント端末20から楽曲サーバ10に対してアップロード(言い換えれば、送信)されたパートデータ1111である。但し、楽曲サーバ10は、その他の態様で取得したパートデータ1111を格納してもよい。各パートデータ1111は、楽曲を構成する複数のパートのうちのいずれか(つまり、複数の楽器パートないしは演奏パートのうちのいずれか)に対応する演奏データに相当する。但し、演奏データがステレオ音声に対応している(つまり、Lチャンネルの音声及びRチャンネルの音声を別個に有している)場合には、Lチャンネルの音声に相当する演奏データ及びRチャンネルの音声に相当する演奏データの夫々が、パートデータ1111として取り扱われてもよい。尚、パートデータ1111については、後に詳述する(図3等参照)。
更に、楽曲サーバ10は、複数のパートデータ1111のうちの少なくとも2つのパートデータ1111がミキシングされたミキシングデータ1121を格納する。つまり、楽曲サーバ10は、パート毎に分離されたパートデータ1111に加えて、複数のパートの演奏が1つの演奏データに統合される(つまり、ミキシングされる)ことで生成されるミキシングデータ1121を格納する。
加えて、楽曲サーバ10は、クライアント端末20からの要求に応じて、クライアント端末20に対して所望のパートデータ1111を配信(言い換えれば、送信)する。更に、楽曲サーバ10は、所望のパートデータ1111の配信に合わせて、クライアント端末20に対して、当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121(つまり、所望のパートデータ1111をミキシングすることで生成されるミキシングデータ1121)を配信する。
クライアント端末20は、楽曲サーバ10に対してパートデータ1111をアップロードする。クライアント端末20がアップロードするパートデータ1111は、例えば、クライアント端末20のユーザが実際に楽器を演奏して作成したパートデータ1111である。但し、クライアント端末20は、その他の態様で作成ないしは取得したパートデータ1111をアップロードしてもよい。
加えて、クライアント端末20は、楽曲サーバ10に対して、楽曲サーバ10が格納している複数のパートデータ1111のうちの所望のパートデータ1111の配信を要求する。その結果、クライアント端末20は、楽曲サーバ10から配信される所望のパートデータ1111をダウンロード(言い換えれば、取得ないしは受信)する。その後、クライアント端末20は、取得したパートデータ1111を再生してもよい。
更に、クライアント端末20は、所望のパートデータ1111のダウンロードに合わせて、楽曲サーバ10から配信されるミキシングデータ1121(つまり、ダウンロードしている所望のパートデータ1111をミキシングすることで生成されるミキシングデータ1121)をダウンロードする。
ネットワーク網30は、楽曲サーバ10とクライアント端末20との間を接続するネットワーク回線である。ネットワーク網30は、有線のネットワーク回線であってもよいし、無線のネットワーク回線であってもよいし、有線のネットワーク回線と無線のネットワーク回線との組み合わせであってもよい。
尚、図1は、楽曲配信システム1が1つの楽曲サーバ10を備える例を示している。しかしながら、楽曲配信システム1は、複数の楽曲サーバ10を備えていてもよい。この場合、クライアント端末20は、複数の楽曲サーバ10のうちの少なくとも1つに対してパートデータ1111をアップロードすると共に、複数の楽曲サーバ10のうちの少なくとも1つからパートデータ1111をダウンロードしてもよい。
また、図1は、楽曲配信システム1が1つのクライアント端末20を備える例を示している。しかしながら、楽曲配信システム1は、複数のクライアント端末20を備えていてもよい。この場合、あるクライアント端末20は、他のクライアント端末20がアップロードしたパートデータ1111をダウンロードしてもよい。
(2)楽曲サーバの構成
続いて、図2を参照して、本実施例の楽曲サーバ10の構成について説明する。ここに、図2は、本実施例の楽曲サーバ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、楽曲サーバ10は、データベース110と、制御部120と、表示情報生成部130と、データ通信部140と備えている。
データベース110は、クライアント端末20からアップロードされた複数のパートデータ1111を格納するためのパートデータ格納部111と、パートデータ格納部111に格納された複数のパートデータ1111のうちの少なくとも2つのパートデータ1111をミキシングすることで生成されるミキシングデータ1121を格納するためのミキシングデータ格納部112とを備える。
ここで、図3及び図4を参照して、データベース110が備えるパートデータ格納部111に格納される複数のパートデータ1111について説明する。ここに、図3及び図4は、夫々、データベース110が備えるパートデータ格納部111に格納される複数のパートデータ1111の態様を示す模式図である。
図3に示すように、パートデータ格納部111には、複数のパートデータ1111が、所定のルールに応じて分類された状態で格納されていることが好ましい。ここで、ルールの一例として、パートデータ1111が構成する楽曲の曲名や、パートデータ1111が構成する楽曲のテンポ等があげられる。従って、同一の曲名を有する楽曲であって且つテンポが同じ楽曲を構成する一又は複数のパートデータ1111が、同一のルールによって分類されるデータ群を構成することが好ましい。例えば、図3に示す例では、曲名が「○○○○」である楽曲であって且つテンポが「102bpm(Beat Per Minute)」となる楽曲を構成する一又は複数のパートデータ1111が、ルールAという区分に分類されるデータ群を構成した状態で、パートデータ格納部111に格納される。同様に、図3に示す例では、曲名が「×××」である楽曲であって且つテンポが「88bpm」となる楽曲を構成する一又は複数のパートデータ1111が、ルールBという区分に分類されるデータ群を構成した状態で、パートデータ格納部111に格納される。
このようなルールに応じて分類された状態で複数のパートデータ1111を格納するために、パートデータ格納部111は、新たなパートデータ1111を格納する都度、当該新たなパートデータ1111の曲名やテンポ等(つまり、ルールを特徴づける特性)を分析することで、当該新たなパートデータ1111をルールに応じて分類してもよい。但し、新たなパートデータ1111が格納されるのは、クライアント端末20上で、楽曲サーバ10からダウンロードした他のパートデータ1111を伴奏にしながらユーザ自身の演奏が録音されることで新たなパートデータ1111が生成されるタイミングであることが相対的に多い。この場合、新たなパートデータ1111の曲名やテンポは、伴奏にしている他のパートデータ1111の曲名やテンポと一致する。従って、このような場合には、パートデータ格納部111は、当該新たなパートデータ1111の曲名やテンポ等を分析することなく、当該新たなパートデータ1111を、伴奏にした他のパートデータ1111が分類されるルールと同一のルールに分類されると判定してもよい。
加えて、パートデータ格納部111には、同一のルールによって分類されるデータ群を構成する複数のパートデータ1111が、パート毎に分類された状態で格納されていることが好ましい。例えば、図3に示す例では、ルールAという区分に分類されるデータ群を構成する複数のパートデータ1111が、リードギターに対応する一又は複数のパートデータ1111と、コーラスに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ベースに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ドラムに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ボーカルに対応する一又は複数のパートデータ1111とに分類された状態で格納される。同様に、図3に示す例では、ルールBという区分に分類されるデータ群を構成する複数のパートデータ1111が、リードギターに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ベースに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ドラムに対応する一又は複数のパートデータ1111と、ボーカルに対応する一又は複数のパートデータ1111とに分類された状態で格納される。
このようなパート毎に分類された状態で複数のパートデータ1111を格納するために、パートデータ格納部111は、新たなパートデータ1111を格納する都度、当該新たなパートデータ1111に対応するパートを分析することで、当該新たなパートデータ1111をパート毎に分類することが好ましい。
或いは、図4に示すように、パートデータ格納部111には、同一のルールによって分類されるデータ群を構成する複数のパートデータ1111が、バンドという単位で取りまとめられた状態で格納されていてもよい。ここで、「バンド」とは、一つの楽曲を構成するための一又は複数のパートの集合を示す。つまり、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111がクライアント端末20上でミキシングされながら再生されることで、仮想的なあるバンドによって一つの楽曲が演奏されている状態が実質的に実現される。図3に示す例では、ルールAという区分に分類されるデータ群の中で、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111との組み合わせからデータ群が、バンド#1という単位で取りまとめられた状態で格納されている。同様に、図3に示す例では、ルールAという区分に分類されるデータ群の中で、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111との組み合わせからデータ群が、バンド#2という単位で取りまとめられた状態で格納されている。尚、バンド#2のデータ群は、バンド#1のデータ群と比較して、ボーカルに対応するパートデータ1111が含まれていない、いわゆる「マイナスワン」のデータ群に相当する。
このとき、バンドという単位で取りまとめられた状態で格納される各パートデータ1111は、他のパートデータ1111とミキシングされる時の設定の態様(例えば、音量やパン等)を示すミキシング情報と共に格納されていてもよい。従って、クライアント端末20は、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111をミキシングする際には、各パートデータ1111と共に記録されているミキシング情報を参照しながらミキシングすることが好ましい。これにより、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の適切なミキシングを行うことができる。
尚、図4は、バンドという単位で取りまとめられている一方で未だミキシングされていない複数のパートデータ1111がパートデータ格納部111に格納されている例を示している。
このようなパートデータ格納部111による複数のパートデータ1111のルール毎の、パート毎の又はバンド毎の格納は、例えばパートデータ1111と共にパートデータ格納部111に格納される所定の管理情報によって論理的に実現されてもよい。例えば、パートデータ格納部111は、複数のパートデータ1111自体を直接的に区別することなくそのまま格納すると共に、当該格納しているパートデータ1111のルール毎の、パート毎又はバンド毎の分類を管理するための管理情報を別途格納してもよい。この場合、楽曲サーバ10は、管理情報を参照することで、複数のパートデータ1111があたかも図3及び図4に示す態様でパートデータ格納部111上に格納されていると認識することができる。但し、パートデータ格納部111は、物理的なパーティションを区切ることで、複数のパートデータ1111のルール毎の、パート毎の又はバンド毎の格納を、物理的に実現してもよい。
続いて、図5を参照して、データベース110が備えるミキシングデータ格納部112に格納されるミキシングデータ1121について説明する。ここに、図5は、データベース110が備えるミキシングデータ格納部112に格納されるミキシングデータ1121の態様を示す模式図である。
図5に示すように、ミキシングデータ格納部112には、例えば、任意のパートデータ1111をミキシングすることで生成されるミキシングデータ1121が格納されている。
ここで、図5は、ミキシングデータ1121の一例として、バンドという単位で取りまとめられる複数のパートデータ1111の全てがミキシングされることで生成されるフルミキシングデータ1121#1が格納される例を示している。より具体的には、例えば、図4に示すように、バンド#1という単位で取りまとめられているデータ群は、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とを含む。従って、この場合には、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データが、フルミキシングデータ1121#1となる。或いは、図4に示すように、バンド#2という単位で取りまとめられているデータ群は、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とを含む。従って、この場合には、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データが、フルミキシングデータ1121#1となる。
更に、図5は、ミキシングデータ1121の一例として、バンドという単位で取りまとめられる複数のパートデータ1111のうちのいずれか一つのパートデータ1111を除く他のパートデータ1111がミキシングされることで生成されるマイナスワンミキシングデータ1121#2が格納される例を示している。例えば、図4に示すバンド#1という単位で取りまとめられるデータ群を例にあげると、(i)リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ベースに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2と、(ii)リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2と、(iii)リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ドラムに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2と、(iv)ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、リードギターに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2とが格納される。或いは、例えば、図4に示すバンド#2という単位で取りまとめられるデータ群を例にあげると、(i)リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ベースに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2と、(ii)リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ドラムに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2と、(iii)ドラムに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、リードギターに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスワンミキシングデータ1121#2とが格納される。
このようなミキシングデータ1121(つまり、バンドという単位で取りまとめられたデータ群に対応するミキシングデータ1121)を格納するために、ミキシングデータ格納部112は、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111がパートデータ格納部1111に新たに格納される都度、当該新たなパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121(つまり、上述したフルミキシングデータ1121#1及びマイナスワンミキシングデータ1121#2)を新たに生成してもよい。
尚、図5では、バンドという単位で取りまとめられたデータ群(例えば、複数の任意のパートデータ1111)をミキシングすることで生成されるミキシングデータ1121について説明している。しかしながら、バンドという単位で取りまとめられたデータ群以外のデータ群(例えば、複数の任意のパートデータ1111)をミキシングすることで生成される任意のミキシングデータ1121が、ミキシングデータ格納部112に格納されていてもよい。
加えて、図5では、フルミキシングデータ1121#1とマイナスワンミキシングデータ1121#2とがミキシングデータ格納部112に格納される例について説明している。しかしながら、例えば、バンドという単位で取りまとめられる複数のパートデータ1111のうちのいずれか2つのパートデータ1111を除く他のパートデータ1111がミキシングされることで生成されるマイナスツーミキシングデータ1121#3が格納されてもよい。例えば、図4に示すバンド#1という単位で取りまとめられるデータ群を例にあげると、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ドラムに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111及びベースに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスツーミキシングデータ1121#3が格納されてもよい。或いは、例えばドラムに対応するパートデータ1111としてLチャンネルの音声に相当する演奏データ及びRチャンネルの音声に相当する演奏データが存在する場合には、図4に示すバンド#1という単位で取りまとめられるデータ群を例にあげると、リードギターに対応する1つのパートデータ1111と、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111と、ベースに対応する1つのパートデータ1111とをミキシングすることで生成される新たな1つの演奏データ(つまり、Lチャンネルのドラムに対応する1つのパートデータ1111及びRチャンネルのドラムに対応する1つのパートデータ1111がミキシングされなかった演奏データ)であるマイナスツーミキシングデータ1121#3が格納されてもよい。もちろん、バンドという単位で取りまとめられる複数のパートデータ1111のうちの3つ以上のパートデータ1111を除く他のパートデータ1111がミキシングされることで生成されるミキシングデータ1121#4が格納されてもよい。
尚、図2では、1つの楽曲サーバ10が備えるデータベース110中に、パートデータ格納部111及びミキシングデータ格納部112が備えられている例を示している。しかしながら、パートデータ格納部111及びミキシングデータ格納部112の夫々又は少なくとも一方が、複数の楽曲サーバ10が備える複数のデータベース110に跨って分散して備えられていてもよい。つまり、パートデータ格納部111及びミキシングデータ格納部112の夫々又は少なくとも一方は、いわゆるクラウドの形態を採用するように複数の楽曲サーバ10に分散配置されていてもよい。
再び図2において、制御部120は、楽曲サーバ10全体の動作を制御する中央制御装置(例えば、CPU:Central Processing Unit)である。制御部120は、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、データ通信制御部121と、配信態様制御部122とを備えている。
データ通信制御部121は、「配信手段」の一具体例であって、クライアント端末20から要求があった複数のパートデータ1111を配信するようにデータ通信部140を制御する。更に、データ通信制御部121は、クライアント端末20から要求があった複数のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121を配信するようにデータ通信部140を制御する。
加えて、データ通信制御部121は、クライアント端末20からアップロードされるパートデータ1111を受信するようにデータ通信部140を制御する。データ通信制御部122は、受信したパートデータ1111をパートデータ格納部111に格納する。
配信態様制御部122は、「制御手段」の一具体例であって、データ通信制御部121の制御によって実現される複数のパートデータ1111の配信(つまり、ミキシング前の演奏データの配信)及びミキシングデータ1121の配信(つまり、ミキシング後の演奏データの配信)の夫々の態様を設定する。その結果、データ通信制御部121は、配信優先度制御部122によって設定された態様で複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121を配信するようにデータ通信部140を制御する。尚、配信態様制御部122の詳細な動作については後に詳述するため(図8参照)、ここでの説明は省略する。
表示情報生成部130は、所定の画面をクライアント端末20が表示するために必要な表示情報(例えば、GUI(Graphic User Interface)情報等)を生成する。表示情報生成部130は、データ通信部140を介して、生成した表示情報をクライアント端末20に送信する。その結果、クライアント端末20は、楽曲サーバ10から送信される表示情報に基づいて生成される画面を表示する。
データ通信部140は、データ通信制御部121の制御の下で、ネットワーク網30を介したクライアント端末20との間の通信を行う。従って、クライアント端末20からアップロードされるパートデータ1111は、データ通信部140によって取得される。取得されたパートデータ1111は、データ通信制御部121によってパートデータ格納部111に格納される。また、クライアント端末20から要求されたパートデータ1111は、データ通信制御部121によってパートデータ格納部111から読み出される。読みだされたパートデータ1111は、データ通信制御部121の制御の下で、データ通信部140からクライアント端末20に対して配信される。加えて、クライアント端末20から要求されたパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121は、データ通信制御部121によってミキシングデータ格納部112から読み出される。読みだされたミキシングデータ1121は、データ通信制御部121の制御の下で、データ通信部140からクライアント端末20に対して配信される。
(3)クライアント端末の構成
続いて、図6を参照して、本実施例のクライアント端末20の構成について説明する。ここに、図6は、本実施例のクライアント端末20の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、クライアント端末20は、記憶装置210と、制御部220と、表示部230と、データ通信部240と、音声入力部250と、音声出力部260と、操作部270とを備える。
記憶装置210は、クライアント端末20内におけるデータ処理の過程で用いられるデータを一時的に又は恒久的に格納する。記憶装置210として、例えば、ROMやRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスク等が一例としてあげられる。
制御部220は、クライアント端末20全体の動作を制御する中央制御装置(例えば、CPU:Central Processing Unit)である。制御部220は、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、表示制御221と、音声制御部222と、操作制御部223と、データ通信制御部224とを備えている。
表示制御部221は、楽曲サーバ10の表示情報生成部130から送信される表示情報に基づいて、表示部230が所定の画面(例えば、クライアント端末20の操作の指示をユーザから受け付けるための画面や、クライアント端末20の状態をユーザに示す画面等)を表示するように、表示部230の動作を制御する。本実施例では、表示制御部221は、音声入力部250を介したユーザの演奏データ(つまり、パートデータ1111)の録音の指示や、当該録音されたパートデータ1111の楽曲サーバ10へのアップロードの指示をユーザから受け付けるための画面を表示してもよい。また、表示制御部221は、楽曲サーバ10に格納されている複数のパートデータ1111のうちの所望のパートデータ1111のダウンロードの要求の指示をユーザから受け付けるための画面を表示してもよい。このため、楽曲サーバ10の表示情報生成部130から送信される表示情報は、このような画面を表示するために必要な各種情報を含んでいることが好ましい。但し、表示制御部221は、楽曲サーバ10の表示情報生成部130から送信される表示情報に基づくことなく、自身で一から画面を表示するために必要な各種情報を生成してもよい。
音声制御部222は、音声入力部250を介した音声(例えば、ボーカルないしはコーラスの音声や、各楽器の演奏による音声等)の録音を制御する。録音された音声は、一時的に又は恒久的に記憶装置210に格納されてもよい。加えて、音声制御部222は、楽曲サーバ10からダウンロードしたパートデータ1111の、音声出力部260からの音声としての出力を制御する。
操作制御部223は、操作部270を用いたユーザの操作を受け付けると共に、当該受け付けた操作に応じた動作が行われるよう、受け付けたユーザの操作の内容をクライアント端末20内の各部に通知する。例えば、操作制御部223は、音声入力部250を介したユーザの演奏データ(つまり、パートデータ1111)の録音を指示するユーザの操作を受け付けた場合には、当該操作を受け付けた旨を音声制御部222に通知する。その結果、音声制御部222は、ユーザの演奏データを録音するように音声入力部250の動作を制御する。
データ通信制御部224は、例えば、操作制御部223からパートデータ1111のアップロードを指示するユーザの操作を受け付けた旨の通知を受けた場合には、音声制御部222の制御の下で録音されたパートデータ1111を楽曲サーバ10へアップロードするようにデータ通信制御部224を制御する。その結果、音声制御部222の制御の下で録音されたパートデータ1111は、データ通信部240を介して、クライアント端末20から楽曲サーバ10へとアップロードされる。
また、データ通信制御部224は、例えば、楽曲サーバ10に格納されている複数のパートデータ1111のうちの所望のパートデータ1111のダウンロードを要求するユーザの指示を受け付けた旨の通知を操作制御部223から受けた場合には、所望のパートデータ1111のダウンロードを楽曲サーバ10に要求するメッセージを送信するようデータ通信部240を制御する。このような要求の結果、所望のパートデータ1111(更には、当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121)は、データ通信部240を介して、楽曲サーバ10からクライアント端末20へとダウンロードされる。
ここで、図7を参照して、データ通信制御部224の制御によって実現される所望のパートデータ1111及び当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121のダウンロード及び再生について説明する。ここに、図7は、制御部220の制御によって実現される所望のパートデータ1111及び当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121のダウンロード及び再生の態様を概略的に示す模式図である。
図7に示すように、クライアント端末20は、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。つまり、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、バンド#1という単位でまとめられたデータ群に含まれる4つのパートデータ1111(具体的には、リードギターに対応する1つのパートデータ1111、ドラムに対応する1つのパートデータ1111、ボーカルに対応する1つのパートデータ1111及びベースに対応する1つのパートデータ1111)のダウンロードを要求してもよい。その結果、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、リードギターに対応する1つのパートデータと、コーラスに対応する1つのパートデータと、ベースに対応する1つのパートデータと、ドラムに対応する1つのパートデータと、ボーカルに対応する1つのパートデータとを、パート毎に個別にダウンロードする。
但し、クライアント端末20は、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111のうちのいずれか1つのパートデータ1111を除く他のパートデータ1111(つまり、マイナスワンを構成する他のパートデータ1111)のダウンロードを要求してもよい。或いは、クライアント端末20は、バンドという単位で取りまとめられた複数のパートデータ1111のうちの2つ以上のパートデータ1111を除く他のパートデータ1111(つまり、マイナスツー以上を構成する他のパートデータ1111)のダウンロードを要求してもよい。
加えて、楽曲サーバ10からクライアント端末20に対しては、バンド#1という単位でまとめられたデータ群に含まれる各パートデータ1111の配信に合わせて、配信されている各パートデータ1111に対応するミキシングデータ1121もまた配信される。この場合、楽曲サーバ10からは、例えばクライアント端末20のユーザの指示等に応じて、フルミキシングデータ1121#1が配信されてもよいし、マイナスワンミキシングデータ1121#2が配信されてもよい。要は、楽曲サーバ10からクライアント端末20に対して、少なくとも1つのミキシングデータ1121が配信されればよい。その結果、クライアント端末20は、各パートデータ1111に加えて、ミキシングデータ1121を更にダウンロードする。
このとき、クライアント端末20は、音声制御部222の制御の下で、ミキシングデータ1121のダウンロードと並行して、ミキシングデータ1121のうちのダウンロード済みのデータ部分を再生してもよい。但し、クライアント端末20は、音声制御部222の制御の下で、各パートデータ1111のダウンロードと並行して、各パートデータ1111のうちのダウンロード済みのデータ部分をミキシングしながら再生してもよい。
但し、クライアント端末20は、バンドという単位に関係なく、任意のパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。例えば、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、ルールAという区分に分類されるデータ群に含まれるリードギターに対応する複数のパートデータ1111の中から、所望の1つのパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。同様に、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、ルールAという区分に分類されるデータ群に含まれるコーラスに対応する複数のパートデータ1111の中から、所望の1つのパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。同様に、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、ルールAという区分に分類されるデータ群に含まれるベースに対応する複数のパートデータ1111の中から、所望の1つのパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。同様に、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、ルールAという区分に分類されるデータ群に含まれるドラムに対応する複数のパートデータ1111の中から、所望の1つのパートデータ1111のダウンロードを要求してもよい。同様に、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、ルールAという区分に分類されるデータ群に含まれるボーカルに対応する複数のパートデータ1111の中から、所望の1つのパートデータのダウンロードを要求してもよい。
再び図2において、データ通信部240は、データ通信制御部224の制御の下で、ネットワーク網30を介した楽曲サーバ10との間の通信を行う。従って、クライアント端末20からアップロードされるパートデータ1111は、データ通信部240を介して楽曲サーバ10に送信される。また、クライアント端末20の要求に応じて楽曲サーバ10から配信されるパートデータ1111及びミキシングデータ1121は、データ通信部240によって取得される。取得されたパートデータ1111及びミキシングデータ1121は、データ通信制御部224によって、記憶装置210に一時的に又は恒久的に格納されてもよいし、音声出力部260から出力されてもよい。
音声入力部250は、例えば、マイク等の音声の入力を受け付ける装置である。
音声出力部260は、例えば、スピーカ等の音声の出力を行う装置である。
操作部270は、例えば、キーボードやマウスやタッチパネル等のユーザの操作を受け付ける装置である。
(4)楽曲配信システムにおける動作の流れ
続いて、図8を参照して、本実施例の楽曲配信システム1における動作の流れについて説明する。ここに、図8は、本実施例の楽曲配信システム1における動作の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、楽曲サーバ10に格納されている複数のパートデータ1111のうちの所望のパートデータ1111のダウンロードを楽曲サーバ10に要求する(ステップS201)。具体的には、例えば、クライアント端末20のユーザは、表示制御部221の制御の下で表示部230に表示される画面(例えば、所望のパートデータ1111を選択するための画面)を見ながら、操作部270を用いた操作によって所望のパートデータ1111を指定する。ユーザによる操作部270を用いた操作は、操作制御部223によって検出される。その結果、操作制御部223は、ユーザがダウンロードを要求している所望のパートデータ1111を特定することができる。その結果、操作制御部223からの通知を受けるデータ通信制御部224は、データ通信部240を用いて、ユーザがダウンロードを要求している所望のパートデータ1111を特定可能な所定のメッセージないしは制御信号を楽曲サーバ10に対して送信する。
このとき、クライアント端末20は、データ通信制御部224の制御の下で、パートデータ1111のダウンロードと合わせてダウンロードすることを望んでいるミキシングデータ1121の種別を、楽曲サーバ10に通知してもよい。具体的には、例えば、クライアント端末20のユーザは、表示制御部221の制御の下で表示部230に表示される画面(例えば、ミキシングデータ1121の種別を選択するための画面)を見ながら、操作部270を用いた操作によって所望のミキシングデータ1121を指定する。具体的には、ユーザは、例えば、(i)フルミキシングデータ1121#1のダウンロードを望んでいるか否か、(ii)マイナスワンミキシングデータ1121#2のダウンロードを望んでいるか否か、(iii)マイナスワンミキシングデータ1121#2のダウンロードを望んでいる場合には、いずれのパートを除いたマイナスワンミキシングデータ1121#2のダウンロードを望んでいるかを指定してもよい。但し、このようなミキシングデータ1121の種別を指定する指示は、所望のパートデータ1111を指定する指示と同時に行われなくともよい。言い換えれば、このようなミキシングデータ1121の種別を指定する指示は、所望のパートデータ1111を指定する指示よりも前の時点で予め行われていてもよい。その後、データ通信制御部224は、データ通信部240を用いて、ユーザがダウンロードを要求しているミキシングデータ1121の種別を特定可能な所定のメッセージないしは制御信号を楽曲サーバ10に対して送信してもよい。
但し、クライアント端末20は、ユーザがダウンロードを要求しているミキシングデータ1121の種別を楽曲サーバ10に対して通知しなくともよい。この場合、楽曲サーバ10は、デフォールトで定められた任意のミキシングデータ1121を配信してもよい。
その結果、楽曲サーバ10のデータ通信制御部121は、データ通信部140を介して、ユーザがダウンロードを要求している所望のパートデータ1111を特定可能な所定のメッセージないしは制御信号を受信する。その結果、データ通信制御部121は、所望のパートデータ1111を特定すると共に、特定したパートデータ1111をパートデータ格納部111から読み出す。更に、データ通信制御部121は、所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121を特定すると共に、特定したミキシングデータ1121をミキシングデータ格納部112から読み出す(ステップS101)。
ステップS101の動作に続いて、相前後して又は並行して、配信態様制御部122は、所望のパートデータ1111及び当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定する(ステップS102)。このとき、配信態様制御部122は、複数のパートデータ1111の配信よりもミキシングデータ1121の配信が優先的に行われるように、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定することが好ましい。
より具体的には、配信態様制御部122は、複数のパートデータ1111の夫々の配信レート(言い換えれば、配信速度ないしは送信速度)よりも、ミキシングデータ1121の配信レートが高くなる(大きくなる)ように、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定してもよい。言い換えれば、配信態様制御部122は、複数のパートデータ1111の夫々の配信に用いられる通信帯域よりも、ミキシングデータ1121の配信に用いられる配信帯域が大きくなるように、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定してもよい。
ここで、後述するように、クライアント端末20は、ミキシングデータ1121のダウンロードが完了する前に、ミキシングデータ1121のうちのダウンロード済みのデータ部分を再生することができる。このようなクライアント端末20によるミキシングデータ1121(より具体的には、ダウンロード済みのデータ部分)の再生を考慮すれば、配信態様制御部122は、クライアント端末20によるミキシングデータ1121の再生が、クライアント端末20によるミキシングデータ1121の配信に追いつかない程度の配信レートを、ミキシングデータ1121の配信レートとして設定してもよい。例えば、配信態様制御部122は、クライアント端末20によるミキシングデータ1121の配信レートが、クライアント端末20によるミキシングデータ1121の再生レート以上となるように、ミキシングデータ1121の配信レートを設定してもよい。その結果、ミキシングデータ1121のダウンロードが完了していないにも関わらずクライアント端末20によるミキシングデータ1121の再生が途中で停止してしまう(つまり、ダウンロード済みのデータ部分の全ての再生が終了してしまう)ことは殆ど又は全くなくなる。他方で、配信態様制御部122は、複数のパートデータ1111については、ミキシングデータ1121の配信レートを確実に確保した後、残りの配信レートを均等に又は所定の基準で各パートデータ1111の配信に割り当ててもよい。
或いは、配信態様制御部122は、複数のパートデータ1111の夫々の配信が開始される前に、ミキシングデータ1121の配信が開始されるように、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定してもよい。言い換えれば、配信態様制御部122は、ミキシングデータ1121の配信が開始された後に、複数のパートデータ1111の夫々の配信が開始されるように、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定してもよい。
つまり、配信態様制御部122は、ミキシングデータ1121の配信が開始されてから所定時間が経過した後に、複数のパートデータ1111の夫々の配信が開始されるように、複数のパートデータ1111の配信及びミキシングデータ1121の配信の夫々の態様を設定してもよい。ここで、配信態様制御部122は、「所定時間」を調整することで、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を設定してもよい。例えば、「所定時間」が長くなればなるほど、楽曲サーバ10とクライアント端末20との間でミキシングデータ1121のみの配信が行われる時間が長くなる。つまり、配信態様制御部122は、「所定時間」を長くすることで、複数のパートデータ1111の配信よりもミキシングデータ1121の配信が優先的に行われる度合いを強くすることができる。他方で、例えば、「所定時間」が短くなればなるほど、楽曲サーバ10とクライアント端末20との間でミキシングデータ1121のみの配信が行われる時間が短くなる。つまり、配信態様制御部122は、「所定時間」を短くすることで、複数のパートデータ1111の配信よりもミキシングデータ1121の配信が優先的に行われる度合いを弱くすることができる。
その後、データ通信制御部122は、ユーザがダウンロードを要求している所望のパートデータ1111及び当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121を、ステップS102において設定された態様で配信する(ステップS103)。
その結果、クライアント端末20が備えるデータ通信部240は、所望のパートデータ1111及び当該所望のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121をダウンロードする(ステップS202)。このとき、所望のパートデータ1111のダウンロードが完了するまでは(ステップS203:No)、クライアント端末20が備える音声制御部222は、ミキシングデータ1121のうちのダウンロード済みのデータ部分を再生するように音声出力部260を制御する(ステップS202)。その結果、音声出力部260からは、ミキシングデータ1121に基づく楽曲の演奏が出力される。
その後、所望のパートデータ1111のダウンロードが完了した後には(ステップS203:Yes)、クライアント端末20が備える音声制御部222は、ダウンロードした複数のミキシングデータ1111を所望の態様でミキシングしながら再生するように音声出力部260を制御する(ステップS203)。その結果、音声出力部260からは、複数のパートデータ1111に基づく楽曲の演奏が出力される。
以上説明したように、本実施例の楽曲配信システム1によれば、楽曲サーバ10は、複数のパートデータ1111に加えて、当該複数のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121を配信することができる。その結果、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の全てのダウンロードが完了する前の段階であっても、ミキシングデータ1121を再生することで、ダウンロード中の複数のパートデータ1111によって実現される楽曲を実質的には再生することができる。つまり、本実施例のクライアント端末20は、複数のパートデータ1111のみをダウンロードする場合と比較して、複数のパートデータ1111から構成される楽曲の再生を相対的に迅速に開始することができる。
加えて、本実施例の楽曲配信システム1によれば、楽曲サーバ10は、複数のパートデータ1111よりも、当該複数のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121を優先的に配信することができる。その結果、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の全てのダウンロードが完了する前に、ミキシングデータ1121のダウンロードを完了することができる。その結果、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の全てのダウンロードが完了する前の段階であっても、ミキシングデータ1121を再生することで、ダウンロード中の複数のパートデータ1111によって実現される楽曲を実質的には再生することができる。つまり、本実施例のクライアント端末20は、複数のパートデータ1111とミキシングデータ1121とを均等に又はランダムにダウンロードする場合と比較して、複数のパートデータ1111から構成される楽曲の再生を相対的に迅速に開始することができる。
ここで、複数のパートデータ1111のみならずミキシングデータ1121もまた配信されると共に複数のパートデータ1111よりもミキシングデータ1121が優先的に配信されることによって実現される技術的効果について、図9を参照して、説明する。ここに、図9は、(i)複数のパートデータ1111よりもミキシングデータ1121が優先的に配信される場合の配信の様子と、(i)複数のパートデータ1111のみが均等に配信される場合の配信の様子とを示す模式図である。
図9(a)に示すように、複数のパートデータ1111のみが均等に(つまり、同じ優先度で)配信される場合には、複数のパートの全てが揃っているデータ部分(具体的には、全ての種類のパートデータ1111のダウンロード済みとなったデータ部分であり、一つの楽曲として再生可能なデータ部分)のダウンロードに要する時間が、相対的に長くなってしまう。このため、クライアント端末20における再生レートによっては、クライアント端末20は、複数のパートの全てが揃っているデータ部分の再生(つまり、楽曲としての再生)を迅速に開始することができない。
他方で、図9(b)に示すように、複数のパートデータ1111よりもミキシングデータ1121が優先的に配信される場合には、クライアント端末20がダウンロード済みのパートデータ1111のデータサイズと比較して、クライアント端末20がダウンロード済みのミキシングデータ1121のデータサイズが相対的に大きくなる。例えば、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111のみを均等にダウンロードする場合と比較して、複数のパートデータ1111の単位時間当たりにダウンロードされるデータサイズを削減しながら、当該削減したデータサイズに相当するデータサイズのミキシングデータ1121をダウンロードすることができる。従って、複数のパートデータ1111のみを均等にダウンロードする場合と比較して、同じ時間だけダウンロードが行われた場合には、複数のパートの全てが揃っているデータ部分のデータサイズ(つまり、ミキシングデータ1121のうちのダウンロード済みのデータ部分)は、相対的に多くなる。更には、複数のパートデータ1111のみを均等にダウンロードする場合と比較して、複数のパートの全てが揃っているデータ部分のダウンロードに要する時間もまた、相対的に短くなる。このため、クライアント端末20における再生レートによる制限を踏まえても、クライアント端末20は、複数のパートの全てが揃っているデータ部分の再生(つまり、楽曲としての再生)を迅速に開始することができる。更には、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の全てのダウンロードが完了する前に、ミキシングデータ1121のダウンロードを完了することができる。その結果、クライアント端末20は、複数のパートデータ1111の全てのダウンロードが完了する前の段階であっても、ミキシングデータ1121を再生することで、ダウンロード中の複数のパートデータ1111によって実現される楽曲を実質的には再生することができる。
尚、上述した楽曲配信システム1では、楽曲サーバ10は、ミキシングデータ格納部112に予め格納されているミキシングデータ1121を配信している。このため、楽曲サーバ10は、ミキシングデータ1121の配信と並行してミキシングデータ1121を生成しなくともよくなる。従って、楽曲サーバ10の処理負荷を相対的に低下させることができる。但し、楽曲サーバ10は、ミキシングデータ1121を生成しながら、生成したミキシングデータ1121を配信してもよい。
また、上述した楽曲配信システム1では、楽曲サーバ10は、複数のパートデータ1111をダウンロードする要求があった場合に、複数のパートデータ1111のみならず、当該複数のパートデータ1111に対応するミキシングデータ1121をいわば自動的に配信している。従って、クライアント端末20のユーザは、複数のパートデータ1111をダウンロードする要求に加えて、当該複数のパートデータ1111に対応するミキシングデータをダウンロードする要求を指示しなくともよくなる。従って、ユーザの操作負荷を相対的には低減できる。
また、上述した楽曲配信システム1では、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様が、楽曲サーバ10側で設定されている。しかしながら、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様が、クライアント端末20側で設定されてもよい。つまり、上述した配信態様制御部122は、楽曲サーバ10が備えることに加えて又は代えて、クライアント端末20が備えていてもよい。この場合、クライアント端末20は、所望のパートデータのダウンロードを楽曲サーバ10に要求する際に、クライアント端末20自身が設定した複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121の夫々の配信の態様を合わせて楽曲サーバ10に通知してもよい。この場合、楽曲サーバ10は、クライアント端末20が設定した配信の態様で、複数のパートデータ1111及びミキシングデータ1121を配信してもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う配信装置、配信方法、及び配信制御用のコンピュータプログラム、再生装置、再生方法、及び再生制御用のコンピュータプログラム、並びに配信システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 楽曲配信システム
10 楽曲サーバ
110 データベース
111 パートデータ格納部
1111 パートデータ
112 ミキシングデータ格納部
1121 ミキシングデータ
120 制御部
121 データ通信制御部
122 配信優先度設定部
140 データ通信部
20 クライアント端末
220 制御部
222 音声制御部
223 操作制御部
240 データ通信部
260 音声出力部
270 操作部

Claims (18)

  1. コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信手段と、
    前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信手段を制御する制御手段と
    を備える
    ことを特徴とする配信装置。
  2. 前記制御手段は、前記複数のパートデータの夫々の配信レートよりも前記ミキシングデータの配信レートが高くなるように前記配信手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  3. 前記再生装置は、前記配信装置から配信される前記ミキシングデータを、取得したデータ部分から再生し、
    前記制御手段は、前記再生装置による前記ミキシングデータの再生レート以上となる配信レートで前記ミキシングデータを配信するように前記配信手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  4. 前記制御手段は、当該配信装置と前記再生装置との間に割り当て可能な全配信レートのうち前記ミキシングデータの配信レートを除いた残りの配信レートで前記複数のパートデータの夫々を配信するように前記配信手段を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の配信装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数のパートデータの夫々の配信を開始する前に、前記ミキシングデータの配信を開始するように前記配信手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  6. 前記制御手段は、前記ミキシングデータの配信を開始してから所定時間が経過した後に、前記複数のパートデータの夫々の配信を開始するように前記配信手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  7. 前記配信手段は、前記ミキシングデータとして、前記複数のパートデータの全てを1つのデータに統合することで生成される第1ミキシングデータ、及び、前記複数のパートデータのうちの少なくとも一つのパートデータを除く残りのパートデータを1つのデータに統合することで生成される第2ミキシングデータの少なくとも一方を配信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  8. 前記複数のパートデータと前記ミキシングデータとを格納する格納手段を更に備え、
    前記配信手段は、前記格納手段に格納されている前記複数のパートデータと前記ミキシングデータと配信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  9. 前記配信手段は、前記再生装置から前記複数のパートデータの配信を要求する指示が前記再生装置から当該配信装置に対して送信された場合に、前記配信が要求された前記複数のパートデータに加えて前記ミキシングデータを配信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  10. 前記コンテンツは、楽曲であり、
    前記複数のパートデータの夫々は、前記複数のパートのうちのいずれか一つのパートに対応する演奏データである
    ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
  11. コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信工程と、
    前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信工程を制御する制御工程と
    を備える
    ことを特徴とする配信方法。
  12. コンピュータを請求項1に記載の配信装置として機能させる
    ことを特徴とする配信制御用のコンピュータプログラム。
  13. コンピュータを請求項1に記載の配信装置として機能させる配信制御用のコンピュータプログラムが記録されている
    ことを特徴とする記録媒体。
  14. 請求項1に記載の配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得手段と、
    前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生手段と
    を備える
    ことを特徴とする再生装置。
  15. 請求項1に記載の配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得工程と、
    前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生工程と
    を備える
    ことを特徴とする再生方法。
  16. コンピュータを請求項14に記載の再生装置として機能させる
    ことを特徴とする再生制御用のコンピュータプログラム。
  17. コンピュータを請求項14に記載の再生装置として機能させる再生制御用のコンピュータプログラムが記録されている
    ことを特徴とする記録媒体。
  18. コンテンツを構成する複数のパートに夫々対応するデータ部分である複数のパートデータと、前記複数のパートデータのうちの少なくとも2つを1つのデータに統合することで生成されるミキシングデータとを再生装置に配信する配信手段と、
    前記複数のパートデータの夫々の配信の優先度よりも前記ミキシングデータの配信の優先度が高くなるように前記配信手段を制御する制御手段と
    を備える配信装置と、
    前記配信装置から配信される前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータを取得する取得手段と、
    前記複数のパートデータ及び前記ミキシングデータのうち取得したデータ部分から再生する再生手段と
    を備える再生装置と
    を備える
    ことを特徴とする配信システム。
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