JP5645129B2 - 高周波同軸ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体通信施設やマイクロ波通信施設で用いられ、絶縁層として、内部充実層、発泡樹脂絶縁層、外部充実層の3層を備えた高周波同軸ケーブル及びその製造方法に関するものである
携帯電話に必要な移動体通信施設やテレビ局のマイクロ波通信施設で用いられる高周波同軸ケーブルは、通信速度と容量の向上を目的として、使用周波数が高くなる傾向にある。これに伴い、減衰量の小さい高周波同軸ケーブルが要求されるようになっている。高周波同軸ケーブルの減衰量は、導体径に起因する導体損失と絶縁層を形成する絶縁体材料に起因する誘電体損失とを足した値であり、次式(1)〜(3)で示される。
ここで、f:周波数(Hz)、ε:絶縁体の誘電率、tanδ:絶縁体の誘電正接、a:内部導体外径(m)、b:外部導体外径(m)、k1:内部導体の導電率係数、k2:外部導体の導電率係数である。
特開昭61−78012号公報 特開2003−272446号公報 特開2005−211947号公報 実開平5−15218号公報
高周波同軸ケーブルの特性インピーダンスは、内部導体外径と外部導体内径の大きさで決まる。高周波同軸ケーブルではインピーダンスは50Ωと決められているため、導体損失は一義的に決まってしまう。そのため、これまでは絶縁体の誘電率εや誘電正接tanδを小さくすることで減衰量を小さくしてきた。誘電率εを小さくする目的で発泡度を向上させるには、高圧法重合の低密度ポリエチレンのような溶融粘度の大きな材料が好適であるが、分子鎖に分岐が多いため誘電正接tanδが大きくなるというトレードオフの関係にある。このため誘電体損失の低減に限界がある。
そこで、本発明の目的は、ケーブルの長さ方向の安定性の指標である電圧定在波比(VSWR)が小さく、且つ減衰量の小さい高周波同軸ケーブルを提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、パイプ状内部導体の外周に、内部充実層、発泡樹脂絶縁層、外部充実層、外部導体、及びシースを順次設けた高周波同軸ケーブルにおいて、前記パイプ状内部導体の外表面には全周に亘って凹部と凸部とが交互に設けられ、前記パイプ状内部導体は前記凸部のみで前記内部充実層と密着しており、前記凹部と前記内部充実層との間には、前記パイプ状内部導体の長手方向に沿って断面形状が円形の空孔が形成されていることを特徴とする高周波同軸ケーブルである。
前記凹部は、前記凹部の開口部を前記パイプ状内部導体の外周方向に向けている断面形状が半円状の空洞部を形成すると良い。
前記空洞部は、前記パイプ状内部導体の表面の長手方向に沿って繋がっていると良い。
前記内部充実層と密着する前記凸部の幅は、0.2mm以上1.0mm以下であると良
い。
また本発明は、パイプ状内部導体の外周に、内部充実層、発泡樹脂絶縁層、外部充実層、外部導体、及びシースを順次設ける高周波同軸ケーブルの製造方法において、前記パイプ状内部導体の外表面に等間隔且つ長手方向に延伸するように複数の凹部を形成し、前記凹部を形成した前記パイプ状内部導体上に前記内部充実層をチューブ押出機で押し出した後、前記内部充実層の外周に、前記発泡樹脂絶縁層、前記外部充実層を押出形成し、前記外部充実層の外周に、前記外部導体、前記シースを順次形成し、前記内部充実層が前記凹部間に形成された凸部のみと密着し、前記凹部内に前記内部充実層が入り込まず、前記凹部と前記内部充実層との間に、前記パイプ状内部導体の長手方向に沿って断面形状が円形の空孔が形成されるように前記内部充実層を押し出すことを特徴とする高周波同軸ケーブルの製造方法である。
本発明によれば、ケーブルの長さ方向の安定性の指標であるVSWRが小さく、且つ減衰量の小さい高周波同軸ケーブルを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る高周波同軸ケーブルを示す構造図である。 図1の高周波同軸ケーブルにおけるパイプ状内部導体を示す斜視図である。 LHPX20Dアニューラケーブルのパイプ状内部導体径と抵抗減衰の関係を示すグラフである。 発泡コアを示す断面図である。 図1の高周波同軸ケーブルの製造ラインを示す概略図である。 図5の製造ラインにおけるクロスヘッドを示す構造図である。 凹部を形成した後、その上に内部充実層までを被覆したパイプ状内部導体を示す断面図である。 実施例における高周波同軸ケーブルにおけるパイプ状内部導体の寸法を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態に係る高周波同軸ケーブルを示す構造図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る高周波同軸ケーブル10は、パイプ状内部導体11の外周に、内部充実層12、発泡樹脂絶縁層13、外部充実層14、外部導体15、及びシース16を順次設けたものである。以下、パイプ状内部導体11の外周に、内部充実層12、発泡樹脂絶縁層13、外部充実層14までを被覆したケーブルを発泡コア17と称する。
パイプ状内部導体11は、導体損失が少ないもの、例えば、断面がパイプ状に形成された銅材、又は銅を被覆したアルミニウム線を延伸した銅被アルミ線からなる。
図2に示すように、パイプ状内部導体11の表面には、全周に亘って凹部(溝部)18と凸部(密着部)19とが交互に設けられる。凹部18は、パイプ状内部導体11の表面積を大きくし、導体損失を小さくするために形成するものである。導体損失を小さくするためには、パイプ状内部導体11の表面積が凹部18と凸部19とが設けられていないパイプ状内部導体の表面積に対して1.1倍以上1.3倍以下となるように凹部18を設けることが好ましい。
また、凹部18の肉厚は0.5mm以上であることが好ましい。0.5mm未満であると高周波同軸ケーブル10の製造過程でパイプ状内部導体11が歪んでしまう虞があるからである。
更に、各凹部18が同様の形状となっていると良い。特に各凹部18の形状は特定しないが、凹部18に角があるとその角に電界が集中してしまい抵抗が大きくなるため、半円形が望ましい形状と言える。
この凹部18は、パイプ状内部導体11の外周方向に向けて半円状の空洞部20を形成する。空洞部20は、パイプ状内部導体11の表面の長手方向に沿って繋がっていると良い。
図3に示すように、溝形成前のパイプ状内部導体11の外径(又は溝形成後の対向する凸部19における外径)は、3.9mm以上12.9mm以下であると良い。これは、3.9mmよりも細径であると、パイプ状の導体にすること自体が難しく、且つ凹部18の形成もできないためである。また、12.9mmよりも外径が大きいと、パイプ状内部導体11の表面積を大きくして導体損失を下げなくても、パイプ状内部導体11の断面積が大きく抵抗値が下がるので、パイプ状内部導体11に凹部18を設けても効果が小さいためである。特に10Dのパイプ状内部導体11が凹部18を形成したときの効果が一番大きい。
図4に示すように、このパイプ状内部導体11は、凸部19のみで内部充実層12と密着している。内部充実層12と密着する凸部19の幅は、0.2mm以上1.5mm以下であると良く、より好ましくは0.2mm以上1.0mm以下であると良い。これは、0.2mm未満であると、内部充実層12との密着が不十分となり、発泡させたときに凸部19と内部充実層12が密着せず、大きな空隙ができてしまうからである。また、1.0mmより長いと、パイプ状内部導体11の外径によっては、凹部18の形成が少なくなるため、パイプ状内部導体11の表面積を前述したような範囲にすることができず、導体損失を減らすことができないからである。
更に、パイプ状内部導体11の全周に亘って、パイプ状内部導体11と内部充実層12との十分な密着を得るためには、凸部19が等間隔に形成されることが好ましい。
凹部18と内部充実層12との間には、パイプ状内部導体11の長手方向に沿って断面が円形の空孔21が形成される。この空孔21は、パイプ状内部導体11の全周に亘って等間隔に形成される。これにより、パイプ状内部導体11の長手方向、且つ全周に亘って誘電率εの分布を均一にすることができる。
内部充実層12の材料としては、特に規定はしないが、例えば、ポリエチレン樹脂と接着性ポリマとして無水マレイン酸変性ポリエチレンを混合したものを用いても良い。なお、樹脂としては、低温(100℃程度)で接着するものが好ましい。
発泡樹脂絶縁層13の樹脂材料としては、特に規定はしないが、ポリオレフィン系樹脂を用いることができ、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、インプラント型TPO、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ペンテン共重合体が挙げられる。ポリプロピレンとしては、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、イソタクチックポリプロピレンなどが挙げられる。ポリエチレンとしては、超高分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどが挙げられる。これらを単独または複数種類組合せて用いることができる。例えば、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを混合して用いることができる。また、発泡剤、発泡核剤としては、特に規定はしないが、公知のものを使用することができる。
更に、これら材料に、酸化防止剤、粘度調整剤、増粘剤、補強材、充填剤、可塑剤(軟化剤)、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、発泡助剤、加工助剤、老化防止剤、耐熱安定剤、対候安定剤、帯電防止剤、滑剤、その他の添加剤を加えることができる。
発泡方法としては、化学発泡剤を用いる方法(化学発泡)と、成形機の中で溶融樹脂中にガスを注入する方法(物理発泡)とがあり、どちらの方法を用いても良い。また、発泡度は、特に規定はしないが、発泡度が高い方が誘電率εが低くなるため、70%以上であることが好ましい。
外部導体15としては、コルゲート状の銅材やアルミニウム材を用いることができる。
次に、高周波同軸ケーブル10の製造方法をその製造ラインと共に説明する。
図5に示すように、高周波同軸ケーブル10を製造するための製造ライン50は、押出キャプスタン(送出キャプスタン)51と、クロスヘッド52と、内部充実層押出機(チューブ押出機)53と、第1押出機54と、ガス注入装置55と、第2押出機56と、外部充実層押出機57と、冷却水槽58とを備える。
この製造ライン50を用いて高周波同軸ケーブル10を製造する際には、先ず、ダイス内部に突起部を設けた押出キャプスタン51からパイプ状内部導体11を押し出すことで、その表面に突起部に対応した形状の凹部18を等間隔且つ長手方向に延伸するように形成する。
その後、内部充実層押出機53で内部充実層12の材料を混練し、クロスヘッド52でパイプ状内部導体11上に内部充実層12を押し出す。
図6に示すように、クロスヘッド52は、パイプ状内部導体11の外周に内部充実層12を被覆するためのチューブタイプの心金61と、心金61を保持する心金ホルダ62と、これら心金61及び心金ホルダ62との間に発泡樹脂材料63と外部充実層14の材料64が通る流路65を形成するための口金66と、流路65に発泡樹脂材料63を導入するための発泡樹脂材料導入部67と、流路65に外部充実層14の材料64を導入するための外部充実層材料導入部68とを有しており、内部充実層12が凹部18間に形成された凸部19のみと密着し、凹部18内に内部充実層12が入り込まず、凹部18内が空隙となるように内部充実層12を押し出すことができるようになっている。
このクロスヘッド52では、内部充実層12以外にも発泡樹脂絶縁層13、外部充実層14も同時に押出形成して、発泡コア17を形成する。
具体的には、ホッパ59から投入した発泡樹脂絶縁層13の樹脂材料、発泡核剤、ガス注入装置55から注入したガスなどを第1押出機54で混練し、混練して得られた発泡樹脂材料63を第2押出機56で発泡に適した温度まで下げると共に発泡樹脂材料導入部67からクロスヘッド52内の流路65に導入し、内部充実層12の外周に発泡樹脂絶縁層13を押出形成する。内部充実層12の外周に押し出した発泡樹脂材料63は、クロスヘッド52内外の圧力差によって物理発泡し、発泡樹脂絶縁層13となる。
図7に示すように、内部充実層12を押し出した直後は、空孔21の断面は円形になっていないが、発泡成長の際には外周方向へ向けて発泡していくため、発泡樹脂絶縁層13と密着する内部充実層12も同時に外周方向へと引っ張られて、空孔21が大きくなり空孔21の断面が円形になる。これにより、内部充実層12の外周における誘電率εを小さくすることができる。
また、外部充実層14の材料64を外部充実層押出機57で混練すると共に外部充実層材料導入部68からクロスヘッド52内の流路65に導入し、発泡樹脂絶縁層13の外周に外部充実層14を押出形成する。
その後、冷却水槽58でパイプ状内部導体11の外周に押し出した各材料を冷却し、得られた発泡コア17を別のラインに送り、外部導体15、シース16を順次形成すると高周波同軸ケーブル10が得られる。
次に、高周波同軸ケーブル10の作用を説明する。
高周波信号が導体(銅)を流れるときの表皮深さは1GHzの場合に約2.1μm、3GHzの場合に1.2μmと導体の僅かな表面にしか流れない(高周波信号の表皮効果)。高周波同軸ケーブル10では、パイプ状内部導体の表面積を大きくするためにその表面に凹部18を設けているので、高周波信号の流れる表面積を大きくすることができる。また、内部導体外径が大きくなることで、前述した導体損失の式(2)中のaが大きくなり、導体損失αrを小さくすることができる。
更に、高周波同軸ケーブル10では、内部充実層12の押出時にチューブ押出機を用いるため、凹部18内に内部充実層12が入り込まず、凹部18内が空隙となるように内部充実層12を押し出すことができる。また、発泡樹脂絶縁層13を形成すると同時に発泡樹脂絶縁層13の気泡が成長し、発泡成長と共に空洞部20に対向する内部充実層12が外周方向に引っ張られるため、空洞部20を円形の空孔21とすることができる。その結果、高い発泡度の絶縁層を形成した場合と同じ効果が得られ、誘電体損失αgを小さくすることができる。
従って、本発明によれば、パイプ状内部導体11の外周に凹部18を設けることで、パイプ状内部導体11の外径を変更することなく、パイプ状内部導体11の表面積を凹部18を設けない場合に対して1.1倍以上1.3倍以下にすることができ、表面積が大きくなることで、導体損失αrを小さくすることができる。また、凹部18内に内部充実層12が入り込まず、更には発泡樹脂絶縁層13にも空間ができた結果、誘電体損失αgも小さくなり、その結果、ケーブルの長さ方向の安定性の指標であるVSWRが小さく、且つ減衰量αの小さい高周波同軸ケーブル10を提供することができる。
本発明の効果を実証すべく、以下に示す実施例1〜6及び比較例1〜4を実施した。
各実施例及び比較例において、高周波同軸ケーブルの作製は以下の手順に基づき行った。
先ず、第1押出機54中に発泡用ポリエチレン及び発泡核剤等を投入、混練し窒素または炭酸ガスもしくはこれらの混合ガスをガス注入装置55において第1押出機54内部に圧入後、第2押出機56で発泡に適した温度まで下げていく。
次に、パイプ状内部導体11を用意し、ダイス内部に凸部を設けた押出キャプスタン51から押し出し、パイプ状内部導体11の外周に所望の凹部18を形成する。
このとき、図8に示すように、パイプ状内部導体11の凸部19の肉厚t0を1.0、凹部18の本数を25本とし、凹部18を設けていない場合のパイプ状内部導体の表面積を1として、表面積をその1.1倍、1.3倍としたパイプ状内部導体11を作製した。
次に、内部充実層押出機53で内部充実層12の材料を混練後、凹部18を形成したパイプ状内部導体11上に内部充実層12を被覆する。内部充実層12はチューブ押出機で被覆形成するため、内部充実層12がパイプ状内部導体11の凹部18内に入り込まず、図7に示したように形成される。
内部充実層12を形成した後、発泡樹脂絶縁層13を内部充実層12の外周に形成する。なお、外部充実層14は、外部充実層押出機57において、発泡樹脂絶縁層13と同時に形成する。使用したクロスヘッド52内の構造は図6で示した通りである。
各層の被覆後、冷却水槽58で冷却することにより、発泡樹脂絶縁層13及び外部充実層14は外側から先に固化するので、発泡樹脂絶縁層13も外周側の気泡は内部充実層12側よりも微細な気泡が形成される。
また、このとき発泡樹脂材料63が押し出され発泡成長する際に、外周方向へ向けて発泡していくため、発泡樹脂絶縁層13と密着する内部充実層12も同時に外周方向へと引っ張られる。
これにより、凹部18に対向する内部充実層12及び発泡樹脂絶縁層13は図4で示したように外周方向へと引っ張られ、空孔21が大きくなる。このように、パイプ状内部導体11の長手方向に空孔21ができたことで、パイプ状内部導体11上の誘電率εを小さくすることができる。
その後、外部導体15及びシース16を形成する。製造した高周波同軸ケーブルは可撓性向上のためにアニューラリングと呼ばれる独立リング状の外部導体15を設けた20Dアニューラとした。
高周波同軸ケーブルの減衰量及びVSWRの測定はアジレント社製スカラネットワークアナライザ8757Dを用いて行い、2.2GHzでの減衰量が5.85dB/100m以下を合格とした。ケーブルタイプが10Dとした場合は、減衰量が15.6dB/100m以下を合格とし、ケーブルタイプが29Dとした場合は、減衰量が4.22dB/100m以下を合格とした。また、VSWRはいずれの場合も1.1以下を合格とした。
実施例1は、LHPXで一番汎用である9.0φmmの20Dアニューラの場合である。図8に示すように、凹部18の半径Rを0.1mm、凹部18の肉厚t1を0.9mmとし、凹部18を設けていないパイプ状内部導体の表面積を1とした場合に対し、表面積を1.1倍に拡大したものである。VSWRが1.05であり、規格の減衰量が5.83dB/100mに向上した。
実施例2は、凹部18の半径Rを0.5mm、凹部18の肉厚t1を0.5mmとし、凹部18を設けていないパイプ状内部導体の表面積を1とした場合に対し、表面積を1.3倍に拡大したものである。VSWRが1.07であり、減衰量は5.80dB/100mとなり、高周波同軸ケーブルとして合格となった。
実施例3,4は、パイプ状内部導体11がパイプ状でもっとも細い3.9φmmのFHPX10Dの場合であり、それぞれ凹部18を設けていないパイプ状内部導体の表面積を1とした場合に対し、1.1倍、1.3倍としたものである。両方とも、VSWR及び減衰量が規格値以内であり、合格した。
実施例5,6は、パイプ状内部導体がストレートパイプ状では一番太いφ12.9mmのLHPX29Dの場合である。それぞれ凹部18を設けていないパイプ状内部導体の表面積を1とした場合に対し、1.1倍、1.3倍としたものである。両方ともVSWR及び減衰量が規格値以内であり、合格した。
比較例1は、パイプ状内部導体の外径が9.0φmmで凹部18のない従来構造の場合であるが、凹部18を形成していないため、導体損失を低くすることができず、減衰量は5.89dB/100mであり、不合格であった。
比較例2は、凹部18を設けていないパイプ状内部導体の表面積を1とした場合に対し、表面積の倍率が1.4倍の場合である。0.8mmの凹部18を設けたため、凹部18の肉厚t1が0.2mmとなり、発泡コア製造時のラインテンションによりパイプ状内部導体の強度が足りず、凹部18を設けた部分が伸線され、歪を生じ、ケーブル化できなかった。
比較例3は、内部充実層・発泡樹脂絶縁層共に充実押出のため、凹部18の内部まで樹脂が入り込み、これによって内部充実層の量が増加してしまい誘電体損失を小さくする事ができず、減衰量が5.87dB/100mとなり不合格であった。
比較例4は、最細径のFHPX10Dの場合であるが、内部充実層と密着する凸部の幅t2が0.2mm以下の0.17mmのため、発泡樹脂絶縁層と、パイプ状内部導体の接着がうまくいかず、巨大気泡となり、ケーブル化できなかった。
以上の結果から、本発明によれば、ケーブルの長さ方向の安定性の指標であるVSWRが小さく、且つ減衰量の小さい高周波同軸ケーブルを得られることが分かる。
10 高周波同軸ケーブル
11 パイプ状内部導体
12 内部充実層
13 発泡樹脂絶縁層
14 外部充実層
15 外部導体
16 シース
17 発泡コア
18 凹部
19 凸部
20 空洞部
21 空孔

Claims (5)

  1. パイプ状内部導体の外周に、内部充実層、発泡樹脂絶縁層、外部充実層、外部導体、及びシースを順次設けた高周波同軸ケーブルにおいて、
    前記パイプ状内部導体の外表面には全周に亘って凹部と凸部とが交互に設けられ、前記パイプ状内部導体は前記凸部のみで前記内部充実層と密着しており、
    前記凹部と前記内部充実層との間には、前記パイプ状内部導体の長手方向に沿って断面形状が円形の空孔が形成されていることを特徴とする高周波同軸ケーブル。
  2. 前記凹部は、前記凹部の開口部を前記パイプ状内部導体の外周方向に向けている断面形状が半円状の空洞部を形成する請求項1に記載の高周波同軸ケーブル。
  3. 前記空洞部は、前記パイプ状内部導体の表面の長手方向に沿って繋がっている請求項2に記載の高周波同軸ケーブル。
  4. 前記内部充実層と密着する前記凸部の幅は、0.2mm以上1.0mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の高周波同軸ケーブル。
  5. パイプ状内部導体の外周に、内部充実層、発泡樹脂絶縁層、外部充実層、外部導体、及びシースを順次設ける高周波同軸ケーブルの製造方法において、
    前記パイプ状内部導体の外表面に等間隔且つ長手方向に延伸するように複数の凹部を形成し、前記凹部を形成した前記パイプ状内部導体上に前記内部充実層をチューブ押出機で押し出した後、前記内部充実層の外周に、前記発泡樹脂絶縁層、前記外部充実層を押出形成し、前記外部充実層の外周に、前記外部導体、前記シースを順次形成し、
    前記内部充実層が前記凹部間に形成された凸部のみと密着し、前記凹部内に前記内部充
    実層が入り込まず、前記凹部と前記内部充実層との間に、前記パイプ状内部導体の長手方向に沿って断面形状が円形の空孔が形成されるように前記内部充実層を押し出すことを特徴とする高周波同軸ケーブルの製造方法。
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