JP2010040200A - 伝送ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送ケーブルにおいて、減衰特性をより向上させることである。
【解決手段】同軸ケーブル10等の伝送ケーブルは、銅合金等で形成される内部導体12と、内部導体12の外周に設けられ、フッ素樹脂等で形成される絶縁層14と、を有するコア体20と、コア体20の外周に設けられ、導電性テープ等で形成される外部導体22と、外部導体22の外周に設けられる外皮24と、を備え、コア体20は、絶縁層14の外周面に溝26が形成され、溝26は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積がケーブル長手方向で略同じに形成される。
【選択図】図1
【解決手段】同軸ケーブル10等の伝送ケーブルは、銅合金等で形成される内部導体12と、内部導体12の外周に設けられ、フッ素樹脂等で形成される絶縁層14と、を有するコア体20と、コア体20の外周に設けられ、導電性テープ等で形成される外部導体22と、外部導体22の外周に設けられる外皮24と、を備え、コア体20は、絶縁層14の外周面に溝26が形成され、溝26は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積がケーブル長手方向で略同じに形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、伝送ケーブルに関する。
近年、携帯電話に代表される電子機器の小型化、軽量化、多機能化は、急速に進展している。電子機器には数多くのICチップが搭載され、伝送容量が大きくなり、伝送スピードが高速化してきている。その中でも、特に、伝送周波数が高周波になってきている。それにより、電子機器内の電気信号ノイズも増大するため、電気信号の伝送媒体には電磁波のシールド特性に優れたものが要求される。このため、電子機器には、電磁波のシールド特性に優れた同軸ケーブル等の伝送ケーブルが用いられている。
特許文献1には、伝送速度を高速化し、特性インピーダンス値の精度を向上させ、ケーブルの柔軟性を良くし、ケーブルに加わる曲げ、捻り、押圧、振動等の機械的ストレスを受けても、そのストレスを低減することで所定の機械的強度を維持するとともに特性インピーダンス値の変化を少なくすることができる伝送ケーブルとして、内部導体、発泡絶縁層、外部導体、外皮の順で内部から外部へ向かい形成される高精度発泡同軸ケーブルが記載されている。
特開2003−234026号公報
ところで、情報通信の高速大容量化にともない、使用周波数帯の高周波化が進んでおり、高周波帯域でより減衰量の小さい同軸ケーブル等の伝送ケーブルが求められている。同軸ケーブル等の伝送ケーブルでは、伝送ケーブルの減衰量は、主に、内部導体と絶縁層との特性に依存する。そのため、伝送ケーブルの絶縁層には、より比誘電率が小さい絶縁層が用いられている。しかし、絶縁層の比誘電率は絶縁層を形成する絶縁性材料の固有の物性に依存するため、更に比誘電率を低下させてケーブルの減衰量を小さくし、伝送ケーブルの減衰特性を向上させることが難しいという問題がある。
そこで本発明の目的は、減衰特性を更に向上させた伝送ケーブルを提供することである。
本発明に係る第1の態様の伝送ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有するコア体と、前記コア体の外周に設けられる外部導体と、前記外部導体の外周に設けられる外皮と、を備える伝送ケーブルであって、前記コア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、前記溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が前記ケーブル長手方向で略同じに形成されることを特徴とする。
本発明に係る第2の態様の伝送ケーブルは、第1の態様において、前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられることが好ましい。
本発明に係る第3の態様の伝送ケーブルは、第1または第2の態様において、前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して螺旋状に設けられることが好ましい。
本発明に係る第4の態様の伝送ケーブルは、第1から第3のいずれか1つの態様において、前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることが好ましい。
本発明に係る第5の態様の伝送ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有するコア体と、前記コア体の外周に設けられる外部導体と、前記外部導体の外周に設けられる外皮と、を備える伝送ケーブルであって、前記コア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、前記溝は、ケーブル長手方向に対して略平行方向と略直交方向とに格子状に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。
本発明に係る第6の態様の伝送ケーブルは、第5の態様において、前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることが好ましい。
本発明に係る第7の態様の伝送ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有する一対のコア体を並列させたケーブル基体と、前記ケーブル基体の外周に設けられる外部導体と、前記外部導体の外周に設けられる外皮と、を備える伝送ケーブルであって、前記一対のコア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、前記溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が前記ケーブル長手方向で略同じに形成されることを特徴とする。
本発明に係る第8の態様の伝送ケーブルは、第7の態様において、前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられることが好ましい。
本発明に係る第9の態様の伝送ケーブルは、第7または第8の態様において、前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して螺旋状に設けられることが好ましい。
本発明に係る第10の態様の伝送ケーブルは、第7から第9のいずれか1つの態様において、前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることが好ましい。
本発明に係る第11の態様の伝送ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有する一対のコア体を並列させたケーブル基体と、前記ケーブル基体の外周に設けられる外部導体と、前記外部導体の外周に設けられる外皮と、を備える伝送ケーブルであって、前記一対のコア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、前記溝は、ケーブル長手方向に対して略平行方向と略直交方向とに格子状に設けられることを特徴とする。
本発明に係る第12の態様の伝送ケーブルは、第11の態様において、前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることが好ましい。
本発明に係る伝送ケーブルによれば、ケーブルの比誘電率をより小さくすることができるので減衰特性が更に向上する。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、同軸ケーブル10の構成を示す断面図である。同軸ケーブル10は、内部導体12と、内部導体12の外周に設けられる絶縁層14と、を有するコア体20と、コア体20の外周に設けられる外部導体22と、外部導体22の外周に設けられる外皮24と、を備えており、伝送ケーブルとしての機能を有している。
コア体20は、導電性材料で形成される内部導体12と、内部導体12の外周に設けられ、絶縁性材料で形成される絶縁層14と、を含んで構成される。
内部導体12は、導電性材料で線材に形成され、電波等の信号波を伝達する機能を有している。導電性材料には、例えば、銅または銅合金等の金属材料等が用いられる。内部導体12は、ケーブル長手方向に対して直交方向の断面形状が略円形状となるように形成される。内部導体12の外径は、特に限定されないが、例えば、0.32mmである。
絶縁層14は、内部導体12の外周に絶縁性材料で形成され、内部導体12を電気的に絶縁する機能を有している。絶縁性材料には、ポリエチレン樹脂やフッ素樹脂等の合成樹脂が用いられる。ポリエチレン樹脂には、比誘電率と誘電正接が低い高密度ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂には、PFA(テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やETFE(エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体)等を用いることが好ましい。絶縁層14は、一般的な合成樹脂の押出成形等で成形される。
絶縁層14には、発泡材料で成形された発泡絶縁層を用いることが好ましい。絶縁層14を発泡化させることにより空気層が増えるため、絶縁層14の比誘電率をより低下させることができる。
発泡絶縁層の成形方法には、例えば、化学発泡成形法や物理発泡成形法が用いられる。化学発泡成形法は、化学発泡剤をベース樹脂とともに供給した後、押出機中で化学発泡剤を熱分解させてガスを発生させ、押出機中の高圧下でガスをベース樹脂に混入させて、ダイスから排出される減圧時に発泡させる成形法である。また、物理発泡成形法は、押出機中に不活性ガスを高圧圧入供給してベース樹脂に混入させ、ダイスから排出される減圧時に発泡させる成形法である。発泡絶縁層の成形には、物理発泡成形法を用いることが好ましい。化学発泡成形法では、化学発泡剤の分解により発生する副生成物が減衰量に影響を及ぼす場合があるからである。
外部導体22は、導電性材料で形成され、コア体20の外周に設けられる。外部導体22は、内部導体12を伝達する電波信号の漏洩を防止する機能や外部電波の進入を防止する機能を有している。外部導体22は、コア体20の外周に設けられる第一シールド層と、第一シールド層の外周に設けられる第二シールド層と、を含んで構成されることが好ましい。
第一シールド層は、コア体20に電磁シールド性を有する導電性テープを、例えば、螺旋巻き、横巻きまたは縦添えすることにより形成される。このような導電性テープには、銅マイラーテープやアルミマイラーテープ等の金属被覆樹脂テープが用いられる。導電性テープの巻き作業には、一般的に伝送ケーブルの製造で使用されているテープ巻き装置を用いることができる。第二シールド層は、第一シールド層の外周に設けられ、電磁シールド性をより高める機能を有している。第ニシールド層には、例えば、軟銅線に錫めっきを施した線材を網状に撚った編組材等が用いられる。勿論、外部導体22は、導電性テープまたは編組材のどちらか一方で形成されてもよい。
外皮24は、外部導体22の外周に設けられ、コア体20と外部導体22とを保護する機能を有している。外皮24は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を用いて、一般的な合成樹脂の成形方法である押出成形等で形成される。
コア体20は、ケーブル長手方向に対して直交方向の断面形状が略円形状に形成される。コア体20の外径は、特に限定されないが、例えば、1.0mmである。
コア体20は、絶縁層14の外周面に溝26が形成される。絶縁層14の外周面に溝26を設けることにより、溝26の内側に空気層が形成されるため、比誘電率が低下し、同軸ケーブル10の減衰量をより小さくすることができる。
溝26は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が、ケーブル長手方向で略同じになるように形成される。それにより、ケーブル長手方向に対して略直交方向における絶縁層14の断面積が、ケーブルの長手方向に対して略同じとなるので、同軸ケーブル10におけるケーブル長手方向の誘電特性をより均一にすることができる。
溝26は、絶縁層14の外周面をレーザ加工して形成されることが好ましい。溝26は、レーザ光のスポット径と略同じ溝幅に形成されることが好ましい。例えば、レーザ光のスポット径が23μmの場合には、溝26は、溝幅23μmとなるように形成される。絶縁層14のレーザ加工には、YAGレーザを用いることが好ましい。勿論、絶縁層14のレーザ加工には、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ等を用いてもよい。また、溝26の断面形状は、四角形に限定されることなく、他の多角形状でもよく、円形状等の曲率を有した形状でもよい。
溝26は、ケーブル長手方向に対して略平行方向に形成されることが好ましい。図2は、ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられた溝26を有するコア体20の構成を示す図である。コア体20の一端から他端までケーブル長手方向に対して略平行方向に溝26を設けることにより、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が、ケーブル長手方向で略同じになるように形成される。溝26は、コア体20の外周面に1本形成されてもよいし、複数本形成されてもよい。また、溝26は、コア体20の外周面に等間隔で形成されてもよいし、異なる間隔で形成されてもよい。
溝は、ケーブル長手方向に対して螺旋状に形成されることが好ましい。図3は、ケーブル長手方向に対して螺旋状に形成された溝を有するコア体30の構成を示す図である。コア体30の一端から他端までケーブル長手方向に対して螺旋状に螺旋溝32を設けることにより、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が、ケーブル長手方向で略同じになるように形成される。溝は、コア体30の外周面に1本の螺旋溝32で形成されてもよく、複数本の螺旋溝32で形成されてもよい。また、溝は、ケーブル長手方向に対して略平行方向に形成された溝26と、ケーブル長手方向に対して螺旋状に形成された螺旋溝32と、を組み合わせて形成されてもよい。
溝は、ケーブル長手方向に対して格子状に形成されてもよい。図4は、ケーブル長手方向に対して格子状に形成された溝を有するコア体40の構成を示す図である。コア体40には、絶縁層14の外周面に、ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられた平行溝42と、ケーブル長手方向に対して略直交方向に設けられた直交溝44と、を有する格子溝46が形成される。コア体40の外周面に格子溝46を設ける場合には、ケーブル長手方向において信号波の波長の4分の1未満の長さの間に形成される格子溝46の溝容積が、ケーブル長手方向で略同じとなるように溝が形成されることが好ましい。このように絶縁層14の外周面に格子溝46を形成するのは、格子溝46の溝容積がケーブル長手方向において信号波の波長の4分の1の長さの範囲で不均一であると、共振が発生し伝送特性が低下する場合があるからである。
また、上述したコア体20を用いて差動信号伝送ケーブル50を構成することができる。図5は、差動信号伝送ケーブル50の構成を示す断面図である。なお、同様な要素には同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
差動信号伝送ケーブル50は、内部導体12と、内部導体12の外周に設けられる絶縁層14と、を有する一対のコア体20を並列させたケーブル基体52と、ケーブル基体52の外周に設けられる外部導体54と、外部導体54の外周に設けられる外皮56と、を備えており、伝送ケーブルとしての機能を有している。
ケーブル基体52を構成するコア体には、コア体20だけでなく、上述したコア体30、40を用いることができる。外部導体54には、上述した同軸ケーブル10の外部導体22に使用した導電性材料を用いることができる。外部導体54は、2つのコア体20を並列させたケーブル基体52に上述した導電性テープや金属製の編組材等を巻回して形成される。外皮56は、上述した同軸ケーブル10の外皮24に使用したフッ素樹脂等の合成樹脂を押出成形等することにより形成される。ケーブル基体52は、絶縁層14の外周面に溝26を有するコア体20で構成されているので、溝26の内側に空気層が形成されて比誘電率が低下し、差動信号伝送ケーブル50の減衰特性をより向上させることができる。
以上、上記構成によれば、同軸ケーブルは、銅合金等で形成される内部導体と、内部導体の外周に設けられ、フッ素樹脂等で形成される絶縁層と、を有するコア体と、コア体の外周に設けられ、導電性テープ等で形成される外部導体と、外部導体の外周に設けられ、合成樹脂で形成される外皮と、を備え、コア体は、絶縁層の外周面に溝が形成され、溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が、ケーブル長手方向で略同じに形成されるので、同軸ケーブル内に空気層がより多く設けられる。それにより、同軸ケーブルの比誘電率がより小さくなるので、同軸ケーブルの減衰量低下が抑制され、減衰特性がより向上する。
上記構成によれば、差動信号伝送ケーブルは、銅合金等で形成される内部導体と、内部導体の外周に設けられ、フッ素樹脂等で形成される絶縁層と、を有する一対のコア体を並列させたケーブル基体と、ケーブル基体の外周に設けられ、導電性テープ等で形成される外部導体と、外部導体の外周に設けられ、合成樹脂で形成される外皮と、を備え、一対のコア体は、絶縁層の外周面に溝が形成され、溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が、ケーブル長手方向で略同じに形成されるので、差動信号伝送ケーブル内に空気層がより多く設けられる。それにより、差動信号伝送ケーブルの比誘電率がより小さくなるので、差動信号伝送ケーブルの減衰量低下が抑制され、減衰特性がより向上する。
上記構成によれば、同軸ケーブル及び差動信号伝送ケーブルにおいて、絶縁層に発泡絶縁層を用いることにより空気層をより多く形成できるので、同軸ケーブル及び差動信号伝送ケーブルの比誘電率が更に小さくなり、同軸ケーブル及び差動信号伝送ケーブルの減衰量低下が抑制され、減衰特性がより向上する。
(実施例)
2種類の同軸ケーブル供試体を作製し、同軸ケーブル供試体の比誘電率を評価した。
2種類の同軸ケーブル供試体を作製し、同軸ケーブル供試体の比誘電率を評価した。
まず、実施例1の同軸ケーブル供試体について説明する。内部導体には、線径0.32mmであり、断面円形状の銅線を使用した。次に、銅線の外周にフッ素樹脂PFAを押出成形してフッ素樹脂絶縁層を設け、断面円形状のコア体を形成した。コア体の外径は、1.0mmである。
次に、コア体の外周面に溝であるスリットをレーザ加工により形成した。スリットは、ケーブル長手方向に対して略平行方向にフッ素樹脂絶縁層の外周面をレーザ加工することにより形成された。レーザ加工には、スポット径23μmのYAGレーザを用いた。スリットの形状は、スリット幅をレーザのスポット径と同じ23μmとし、スリット深さを23μmとした。また、スリットは、コア体の外周方向に沿って全周に等間隔に形成され、スリットとスリットとの間隔が23μmとなるように形成された。そして、スリットが形成されたコア体にアルミマイラーテープを巻回して外部導体を形成し、実施例1の同軸ケーブル供試体を作製した。なお、アルミマイラーテープには、10μmのアルミニウム層が蒸着された厚み47μmのテープを使用した。
次に、比較例1の同軸ケーブル供試体について説明する。比較例1の同軸ケーブル供試体には、外周面にスリットを形成しないコア体を使用した。その他については実施例1の同軸ケーブル供試体と同様な方法で作製した。
次に、比誘電率の測定方法について説明する。比誘電率の測定には、TDR(Time Domain Reflectometory)装置を用いた。TDR装置により各々同軸ケーブル供試体の遅延時間を求めた後、同軸ケーブルの長さと遅延時間から信号波の伝播速度(V)を求めた。ここで、同軸ケーブルの遅延時間とは、信号波が同軸ケーブル供試体を伝播するのに必要な伝播遅延時間である。そして、信号波の伝播速度(V)と光速C(3×108m/s)とから、ε=(C/V)2の式から比誘電率(ε)を求めた。
比較例1の同軸ケーブル供試体では、比誘電率が2.0であった。これに対して、実施例1の同軸ケーブル供試体では、等価比誘電率が1.8であった。この結果から、実施例1の同軸ケーブル供試体は、比較例1の同軸ケーブル供試体より比誘電率が小さいことがわかった。実施例1の同軸ケーブル供試体において比誘電率が低下したのは、コア体にケーブル長手方向に沿って平行な溝を設けたことによりケーブル内部に空気層が増加したことによるからである。以上により、絶縁層の外周面に溝を設けることにより、同軸ケーブル等の比誘電率を低下させて、同軸ケーブル等の減衰特性をより向上させることができることがわかった。
10 同軸ケーブル
12 内部導体
14 絶縁層
20、30、40 コア体
22、54 外部導体
24、56 外皮
26 溝
32 螺旋溝
42 平行溝
44 直交溝
46 格子溝
50 差動信号伝送ケーブル
52 ケーブル基体
12 内部導体
14 絶縁層
20、30、40 コア体
22、54 外部導体
24、56 外皮
26 溝
32 螺旋溝
42 平行溝
44 直交溝
46 格子溝
50 差動信号伝送ケーブル
52 ケーブル基体
Claims (12)
- 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有するコア体と、
前記コア体の外周に設けられる外部導体と、
前記外部導体の外周に設けられる外皮と、
を備える伝送ケーブルであって、
前記コア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、
前記溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が前記ケーブル長手方向で略同じに形成されることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項1に記載の伝送ケーブルであって、
前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項1または2に記載の伝送ケーブルであって、
前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して螺旋状に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載の伝送ケーブルであって、
前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることを特徴とする伝送ケーブル。 - 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有するコア体と、
前記コア体の外周に設けられる外部導体と、
前記外部導体の外周に設けられる外皮と、
を備える伝送ケーブルであって、
前記コア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、
前記溝は、ケーブル長手方向に対して略平行方向と略直交方向とに格子状に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項5に記載の伝送ケーブルであって、
前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることを特徴とする伝送ケーブル。 - 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有する一対のコア体を並列させたケーブル基体と、
前記ケーブル基体の外周に設けられる外部導体と、
前記外部導体の外周に設けられる外皮と、
を備える伝送ケーブルであって、
前記一対のコア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、
前記溝は、ケーブル長手方向に対して略直交方向の溝断面積が前記ケーブル長手方向で略同じに形成されることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項7に記載の伝送ケーブルであって、
前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して略平行方向に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項7または8に記載の伝送ケーブルであって、
前記溝は、前記ケーブル長手方向に対して螺旋状に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項7から9のいずれか1つに記載の伝送ケーブルであって、
前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることを特徴とする伝送ケーブル。 - 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁層と、を有する一対のコア体を並列させたケーブル基体と、
前記ケーブル基体の外周に設けられる外部導体と、
前記外部導体の外周に設けられる外皮と、
を備える伝送ケーブルであって、
前記一対のコア体は、前記絶縁層の外周面に溝が形成され、
前記溝は、ケーブル長手方向に対して略平行方向と略直交方向とに格子状に設けられることを特徴とする伝送ケーブル。 - 請求項11に記載の伝送ケーブルであって、
前記絶縁層は、発泡材料で形成された発泡絶縁層であることを特徴とする伝送ケーブル。
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