JP5644667B2 - 赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体 - Google Patents

赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体 Download PDF

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本発明は、赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体に関する。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、冷房設備にかかる負荷を減らすなどの観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する赤外遮蔽フィルムの要望が高まってきている。
赤外遮蔽フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層膜を、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
特許文献1には、ガラス転移温度と屈折率とが異なる2種類以上のポリマー層を積層して作製した積層膜が開示されている。当該文献には、ポリマーの屈折率が温度変化に伴って変化するため、ポリマー間の屈折率差が変動し、赤外線の反射率が温度により変化する熱線反射膜が開示されている。この技術では、ポリマー間の屈折率差が小さいため、20〜40層の積層が必要であり、層数が多いためにコスト面や大面積化が困難である。また、ガラス転移温度の異なるポリマーを積層するため、長期間の使用においては、寒暖差の繰り返しにより内部構造の変形を誘起し、赤外遮蔽性や可視光透過率の低下を起こしやすいという問題がある。
上記のような課題を有しているドライ製膜法に代えて、溶液を塗布して赤外遮蔽フィルムを形成するウエット製膜法は、製造コストが安く、比較的大面積化しやすいという利点がある。
たとえば、特許文献2には、酸化チタン、紫外線硬化型バインダ、熱硬化型バインダおよび有機溶剤から構成される高屈折率塗膜形成用組成物を、スピンコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法などが開示されている。
特開平6−11608号公報 特開2009−86659号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、紫外線硬化型バインダおよび熱硬化型バインダを用いているため、製膜後において、未反応のバインダ(モノマー)が紫外線または熱により硬化してしまい、経時で柔軟性が乏しくなる傾向があった。さらに、未反応のバインダ(モノマー)が経時で分解し、塗膜が変色してしまうという問題もあった。
以上のように、これまで、安定したフィルム性能を示すものが得られていないのが現状である。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、経時的に安定した赤外遮蔽性と、可視光透過率と、さらには柔軟性と、透明性と、を維持できる赤外遮蔽フィルム、その製造方法およびその赤外遮蔽フィルムを設けた赤外遮蔽体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、高屈折率層と、低屈折率層と、が特定の樹脂を主成分として含む赤外遮蔽フィルムにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.基材上に、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、を含む高屈折率層と、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方を含む低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層との屈折率差は0.1以上である赤外遮蔽フィルム。
2.前記セルロース化合物が、アセチルC3〜6アシルセルロースである、上記1.に記載の赤外遮蔽フィルム。
3.前記酸化チタン微粒子の表面がオイルで被覆されてなる、上記1.または2.に記載の赤外遮蔽フィルム。
4.バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、溶媒と、を含む高屈折率層用塗布液と、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方と、溶媒と、を含む低屈折率層用塗布液と、を基材に塗布する工程と、塗布液が塗布された前記基材を乾燥する工程と、を含む赤外遮蔽フィルムの製造方法。
5.前記セルロース化合物が、アセチルC3〜6アシルセルロースである、上記4.に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
6.前記高屈折層用塗布液および前記低屈折層用塗布液を、同時重層塗布により基材に塗布する、上記4.または5.に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
7.上記1.〜3.のいずれか1つに記載の赤外遮蔽フィルム、または上記4.〜6.のいずれか1つに記載の製造方法により得られる赤外遮蔽フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、赤外遮蔽体。
本発明によれば、経時的に安定した赤外遮蔽性と、可視光透過率と、さらには柔軟性と、透明性と、を維持できる赤外遮蔽フィルム、その製造方法およびその赤外遮蔽フィルムを設けた赤外遮蔽体が提供されうる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明は、基材上に、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、を含む高屈折率層と、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方を含む低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層との屈折率差は0.1以上である赤外遮蔽フィルムである。かような構成とすることにより、長期間の使用においても赤外遮蔽性、可視光透過性、柔軟性および透明性に優れた赤外遮蔽フィルムを実現することができることを見出した。
すなわち、従来の赤外遮蔽フィルムの製造においては、たとえば、ガラス転移温度の異なるポリマーを積層するが、ポリマー間での屈折率差が低いため層数を増やさなければいけないだけでなく、温度変化による膨張収縮率がポリマー間で異なるため内部変形を起こしやすく、耐久性で問題を抱えていた。
また、別の従来の方法、たとえば、紫外線硬化型バインダと金属酸化物粒子(たとえば、酸化チタン粒子)を含む高屈折率層を形成する手法では、未反応のバインダ(モノマー)が紫外線または熱により硬化してしまうため、経時で柔軟性が乏しく、さらに未反応のバインダ(モノマー)が経時で分解することで、塗膜が変色してしまうという問題を抱えていた。
本発明者は、鋭意検討を進めた結果、特定のバインダの組み合わせにより、経時による内部変形が抑えられると同時に、反応性の物質がフィルム中に残存していないため、経時で柔軟性を維持することができ、さらに、透明性も保持できる赤外遮蔽フィルムを得ることができたのである。
以下、本発明の赤外遮蔽フィルムの構成要素、および本発明を実施するための形態等について詳細に説明する。
[赤外遮蔽フィルム]
本発明の赤外遮蔽フィルムは、基材上に、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、を含む高屈折率層と、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方を含む低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層との屈折率差は0.1以上であることを一つの特徴とする。さらには、本発明の赤外遮蔽フィルムの光学特性として、JIS R3106−1998により測定される可視光領域の透過率が50%以上であり、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
本発明の赤外遮蔽フィルムは、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とからなるユニットを少なくとも1つ積層した構成であればよいが、高屈折率層および低屈折率層の総数の上限としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であることが好ましい。さらに、層数を減らすことで、生産性が向上し、積層界面での散乱による透明性の減少を抑制することができるため、より好ましくは40層(20ユニット)以下であり、さらに好ましくは20層(10ユニット)以下である。また、本発明の赤外遮蔽フィルムは、上記ユニットを少なくとも1つ積層した構成であればよく、たとえば、積層膜の最表層や最下層のどちらも高屈折率層または低屈折率層となる積層膜であってもよい。
一般に、赤外遮蔽フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で赤外反射率を高くすることができる観点で好ましいが、本発明では、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つにおいて、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることを特徴とし、好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.4以上である。
また、本発明の赤外遮蔽フィルムにおいては、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることを特徴とするが、高屈折率層と低屈折率層を上記のようにそれぞれ複数層有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。ただし、最表層や最下層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であってもよい。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層(高屈折率層と低屈折率層)の屈折率差と積層数で決まり、屈折率差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。たとえば、赤外遮蔽率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、100層を超える積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下する。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.40程度が限界である。
本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
また、本発明の赤外遮蔽フィルムの全体の厚みは、好ましくは12〜315μm、より好ましくは15〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。このように、本発明の赤外遮蔽フィルムは、従来の赤外遮蔽フィルムと比べてより薄い膜厚で、高い赤外遮蔽率を得ることが可能となる。
本発明の赤外遮蔽フィルムは、基材の下または基材と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
[高屈折率層および低屈折率層]
以下に、本発明の赤外遮蔽フィルムを構成する高屈折率層および低屈折率層について説明する。
本発明において、高屈折率層は、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方を含み、低屈折率層は、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方を含むことを特徴とする。そして、高屈折率層は、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子を含む。
ここで、「主成分」とはバインダ成分の構成材料の合計量100質量%に占める割合が50質量%以上であることを意味する。バインダ成分の構成材料の合計量100質量%に占める主成分(セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂)の割合は、好ましくは95質量%以上であり、より好ましくは98質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、もっとも好ましくは100質量%である。
本明細書中、バインダ成分とは、重量平均分子量が1,000〜300,000の高分子化合物を意味する。高分子化合物の分子量としては、1,000〜200,000が好ましく、3,000〜40,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を採用する。
このとき、高屈折率層と低屈折率層両層とのバインダ成分の主成分としては異なるものを用いなければならず、たとえば、高屈折率層にセルロース化合物を含有した場合は、低屈折率層はポリビニルアセタール樹脂を含有しなければならない。本発明においては、各層には、それぞれバインダ成分として、セルロース化合物のみと、ポリビニルアセタール樹脂のみと、を含有させるのが、製造時の界面混合による屈折率差の低下を防止するのにもっとも好ましい構成であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他方を一部混合してもよいし、他の高分子化合物をバインダ成分として混合してもよい。その混合割合は、バインダ成分全量の0.01〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。すなわち、ある層(たとえば、高屈折率層)において、セルロース化合物とポリビニルアセタール樹脂とを併用する場合は、セルロース化合物とポリビニルアセタールの合計量のうち、どちらか一方(たとえば、セルロース化合物)を99.09〜95質量%含むことが好ましい。また、その場合、もう一方の層(たとえば、低屈折率層)には、他方(たとえば、ポリビニルアセタール樹脂)を99.09〜95質量%含むことが好ましい。本発明においては、高屈折率層のバインダ成分の主成分としてポリビニルアセタール樹脂を用いるほうが、透明性をより向上させることができるので好ましい。
本発明の赤外遮蔽フィルムにおいて、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、本発明の低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、1.30〜1.55であるのがより好ましく、1.30〜1.50がさらに好ましい。
本発明の高屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜800nmであることが好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。また、本発明の低屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜800nmであることが好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。
[高屈折率層]
以下、本発明の高屈折率層の構成成分について述べる。
本発明における高屈折率層は、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方のみを用いることを特徴とする。そして、高屈折率層は、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子を含む。
<酸化チタン微粒子>
本発明の高屈折率層は、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子を含む。
高屈折率層における酸化チタン微粒子の含有量としては、高屈折率層全質量(固形分の質量)の15〜70質量%であるのが好ましく、20〜65質量%であるのがより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。
本発明の高屈折率層に含まれる酸化チタン微粒子は、平均粒径4〜100nmのルチル型(正方晶形)酸化チタン微粒子であるのが好ましい。さらにその表面がオイルで被覆された酸化チタン微粒子は、経時での赤外遮蔽性および可視光透過性の性能維持ができるためより好ましい。なお、当該平均粒径は体積平均粒径を意味する。
本発明で用いられる酸化チタン微粒子の平均粒径は、4〜50nmであることが好ましく、4〜30nmであるのがより好ましい。平均粒径が4〜100nmであれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる。平均粒径が100nmを超える酸化チタン粒子は、本発明に限らず高屈折率層に用いるには適正なものといえない。
ここでいう平均粒径とは、媒体中に分散された一次粒子または二次粒子の体積平均粒径であり、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法等により測定できる。
具体的には、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する金属酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径を算出する。
さらに、本発明で用いられる酸化チタン微粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下であることをいう。この単分散度は、さらに好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%である。
Figure 0005644667
(酸化チタン微粒子の製造方法)
本発明で用いられる酸化チタン微粒子としては、pHが1.0〜3.0で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルの表面を、疎水化して有機溶剤に分散可能な状態にしたものを用いることが好ましい。
本発明で用いることのできる水系の酸化チタンゾルの調製方法としては、たとえば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
また、本発明で用いられる酸化チタン微粒子のその他の製造方法については、たとえば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、またはWO2007/039953号明細書の段落番号0011〜0023の記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物又はアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物および無機酸で処理する工程(2)からなる。本発明では、工程(2)により得られた無機酸によりpHを1.0〜3.0に調整された酸化チタンの水系ゾルを用いることができる。
上記水系ゾルの表面を該表面と相互作用しうる基を有する低分子の脂肪族化合物で処理して修飾し、表面を疎水性にすることができる。
水系ゾル表面を脂肪族化合物で処理して修飾するには、たとえば、水系ゾル分散液と水系ゾルの表面と相互作用しうる基を有する脂肪族化合物と混合・接触させればよい。
ここで用いられる水系ゾル分散液の分散媒体としては、水、アルコール、水とアルコールの混合溶媒、または水もしくは/およびアルコールとアルコール以外の有機溶媒との混合溶媒などが好適に用いられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどが挙げられる。また有機溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが好ましく用いられる。
該表面を修飾する低分子化合物としては、該表面と相互作用しうる基を有する脂肪族化合物であれば制限はなく、該表面と相互作用しうる基をもつため混合することによって該表面に結合ないし吸着する。たとえば、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基などを有する化合物が挙げられる。具体的には酢酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、グルタル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、メタンチオール、エタンチオール、ブタンチオール、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミンなどが挙げられるが、カルボキシル基、アミノ基を有する化合物が好ましく用いられる。
酸化チタン微粒子と低分子化合物との使用比率としては、酸化チタン微粒子/低分子化合物の質量比が、100/1〜1/300が好ましく、10/1〜1/100がより好ましく、5/1〜1/50がさらに好ましい。
上記で得られた微粒子を有機溶媒に分散させることで、分散液が得られる。ここで有機溶媒としては、沸点約30〜150℃の有機溶媒、たとえば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を用いることができる。
(表面がオイルで被覆された酸化チタン微粒子の製造方法)
本発明における表面がオイルで被覆された酸化チタン微粒子は、上記で得られた分散液とオイルを一緒にさらに分散することで得られる。酸化チタン微粒子表面は疎水化されているため、オイルと親和性をもち、オイルと混合すると有機媒体中でオイルは該表面に吸着しこれを被覆する。
本発明で被覆とは酸化チタン微粒子表面の80%以上を覆うことが好ましく、さらに好ましくは90%以上を覆うことであり、より好ましくは、100%覆うことである。
これによりオイルにより酸化チタン微粒子表面が効率的に覆われた分散液を安定に得ることができる。
ここで、オイルとしては実質的に水不溶(水中への溶解度5%以下(25℃))で大気圧における沸点が約160℃以上、好ましくは180℃以上の高沸点溶媒が用いられる。この高沸点溶媒としては、米国特許第2,322,027号に記載されているような、たとえば、フタル酸アルキルエステル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル(トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルブチルフォスフェート)、クエン酸エステル(たとえば、アセチルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル(たとえば、安息香酸オクチル)、アルキルアミド(たとえば、ジエチルラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(たとえば、ジブトキシエチルサクシネート、ジエチルアゼレート)、トリメシン酸エステル類(たとえば、トリメシン酸トリブチル)やポリオルガノシロキサンなどが使用できる。特に大気圧における沸点が180℃以上であるエステル類、中でもフタル酸アルキルエステル、リン酸エステル等のエステル類が好ましい。
酸化チタン微粒子とオイル(高沸点溶媒)との使用比率としては、酸化チタン微粒子/オイル(高沸点溶媒)の質量比が、10/1〜1/10(質量比)が好ましく、5/1〜1/5がより好ましい。
上記分散液を調製する分散機としては、超音波、高速攪拌型のディゾルバー、ホモミキサー、ホモブレンダー、ホモジナイザー、マントンゴーリン、コロイドミル等を用いることができる。
本発明の表面がオイルで被覆された酸化チタン微粒子を用いることで、オイルにより応力緩和され経時での膜の内部構造変化が抑えられ、経時での赤外遮蔽性、可視光透過性の性能がより安定化されたものと推定される。
なお、酸化チタン微粒子が、表面を、修飾および/または被覆された場合であっても、粒径は、用いた酸化チタン微粒子とほぼ同様であり、好ましい粒径の範囲も同様である。
<バインダ成分>
本発明の高屈折率層は、バインダ成分の主成分として、セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の一方を含む。
高屈折率層において、バインダ成分は、高屈折率層全質量(固形分の質量)の30〜85質量%であるのが好ましく、35〜80質量%であるのがより好ましく、40〜70質量%であるのがさらに好ましい。
以下にバインダ成分について説明する。
(1)セルロース化合物
本発明において、高屈折率層は、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物を含みうる。
本発明で用いられるセルロース化合物の平均重合度は、特に制限されず、たとえば、50〜8000が好ましく、100〜7000がより好ましく、200〜6000がさらに好ましい。
本発明で用いられるセルロース化合物としては、内部可塑化されたセルロース化合物が好ましく、アルコール、カルボン酸またはイソシアネートで内部可塑化されたセルロース化合物がより好ましい。
よって、内部可塑化されたセルロース化合物としては、セルロースエステル、セルロースカーバメート、セルロースエーテルなどが挙げられる。また、これらのうち、ポリビニルアセタール樹脂と相溶しにくいことから、セルロースエステル、セルロースエーテルが好ましく、セルロースエステルがより好ましい。また、これらのセルロース化合物は、可塑剤とともに用いて外部可塑化を行うこともできるが、セルロース化合物を内部可塑化するのが好ましい。セルロース化合物は、これらの化合物を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
セルロースエステルとしては、有機酸エステルまたは無機酸エステルであってもよい。
有機酸エステルとしては、たとえば、セルロースアルキルカルボン酸エステルまたはセルロース芳香族カルボン酸エステルが挙げられる。セルロースアルキルカルボン酸エステルとしては、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースペンタノエート、セルロースヘキサノエート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートペンタノエート、セルロースアセテートヘキサノエートなどのセルロースC2〜6アルキルエステル;メチルセルロースアセテート、エチルセルロースアセテートなどのC1〜6アルキルセルロースC2〜6アルキルエステル;ジクロロメチルセルロースアセテート、トリクロロメチルセルロースプロピオネート、トリフルオロメチルセルロースアセテートなどのC1〜6ハロアルキルセルロースC1〜6アルキルエステル;などが挙げられる。セルロース芳香族カルボン酸エステルとしては、セルロースフタレート、セルロースベンゾエート、セルロース−4−メチルベンゾエートなどのセルロースC7〜12芳香族エステル;などが挙げられる。
無機酸エステルとしては、リン酸セルロース、硫酸セルロースなどが例示できる。セルロースエステルは、有機酸と無機酸との混合酸エステルであってもよい。
これらのうち、セルロースエステルとしては、セルロースC2〜6アルキルエステルが好ましく、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートペンタノエート、セルロースアセテートヘキサノエートなどのアセチルC3〜6アシルセルロースがより好ましい。これにより、得られる赤外遮蔽フィルムの透明性をより向上することができる。
セルロースカーバメートとしては、たとえば、セルロースエチルカーバメートなどのセルロースC1〜6アルキルカーバメート;セルロースフェニルカーバメートなどのセルロースC6〜12アリールカーバメート;エチルセルロースプロピルカーバメートなどのC1〜6アルキルセルロースC1〜6アルキルカーバメート(セルロースエーテルカーバメート);およびエチルセルロースフェニルカーバメートなどのC1〜6アルキルセルロースC6〜12アリールカーバメート(セルロースエーテルカーバメート);などが挙げられる。
これらのうち、セルロースカーバメートとしては、エチルセルロースフェニルカーバメートなどのC1〜6アルキルセルロースC6〜12アリールカーバメート(セルロースエーテルカーバメート)が好ましい。
セルロースエーテルとしては、たとえば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ペンチルセルロースなどのC1〜10アルキルセルロース;シアノエチルセルロース、シアノプロピルセルロースなどのシアノC1〜10アルキルセルロール;ベンジルセルロースなどのC6〜12アリール−C1〜4アルキルセルロース(アラルキルセルロース);などが挙げられる。
これらのうち、セルロースエーテルとしては、シアノエチルセルロース、シアノプロピルセルロースなどのシアノC1〜10アルキルアルコールが好ましい。
セルロース化合物の平均置換度は、1〜3が好ましく、1.3〜3がより好ましく、1.5〜3がさらに好ましく、2〜3が特に好ましい。なお、アセチルC3〜6アシルセルロースにおける、アセチル基とC3〜6アシル基との割合は、たとえば、アセチル/C3〜6アシル(モル比)=90/10〜5/95が好ましく、70/30〜10/90がより好ましく、50/50〜15/85がさらに好ましい。
セルロース化合物の可塑化は、(a)セルロースを、軟質成分としてカルボン酸、アルコールまたはイソシアネートと反応させて、たとえば、プロピル基、プロピオネート基をセルロースに導入し、内部可塑化する方法、(b)セルロース(セルロース化合物)に、可塑剤を添加し、外部可塑化する方法、ならびに(c)これらの方法(a)および(b)を組み合わせる方法などが挙げられる。用いられる可塑剤については後述する。
本発明で用いられるセルロース化合物は、セルロースを公知の方法で合成したものでもよいし、市販されているものを用いてもよい。
(2)ポリビニルアセタール樹脂
本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールを炭素数1〜10のアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂である。
また、本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂の質量平均分子量は、90,000〜400,000であることが好ましく、90,000〜370,000であることがより好ましく、90,000〜340,000であることがさらに好ましい。質量平均分子量が上記範囲であれば、製造時に高屈折率層用塗布液の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好であるし、得られる赤外遮蔽フィルムの性能も良好である。
なお、本明細書中、質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量で定義する。
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルエタナール、ポリビニルプロパナール、ポリビニルブチラール(ポリビニルブタナール)、ポリビニルバレラール、ポリビニルヘキサール、ポリビニルヘプタナール、ポリビニル2−エチルヘキサール、ポリビニルシクロヘキサール、ポリビニルグルタール、ポリビニルベンザール、ポリビニル2−メチルベンザール、ポリビニル3−メチルベンザール、ポリビニル4−メチルベンザール、ポリビニルp−ヒドロキシベンザール、ポリビニルm−ヒドロキシベンザール、ポリビニルフェニルアセタール、ポリビニルβ−フェニルプロパナール等が挙げられる。
これらのうち、C1〜5アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド)でアセタール化された樹脂、すなわち、ポリビニルホルマール、ポリビニルエタナール、ポリビニルプロパナール、ポリビニルブチラール、ポリビニルバレラールが好ましく、C2〜4アルデヒドでアセタール化された樹脂、すなわち、ポリビニルホルマール、ポリビニルエタナール、ポリビニルプロパナール、ポリビニルブチラールがより好ましい。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、40〜85モル%が好ましく、55〜80モル%がより好ましく、60〜75モル%がさらに好ましい。なお、アセタール化度は、赤外吸収スペクトル(IR)法により、測定することができる。たとえば、FT−IR(堀場製作所社製、FREEEXACT−II、FT−720)を用いて測定することができる。
本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは15〜35モル%である。水酸基量が上記範囲であれば、セルロース化合物との接着性や、得られる赤外遮蔽フィルムの柔軟性が良好である。
ポリビニルアセタール樹脂は、上述のように、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。また、ポリビニルアルコールの重合度は、200〜4000が好ましく、500〜3000がより好ましく、1000〜2500がさらに好ましい。重合度が上記範囲であれば、得られる赤外遮蔽フィルムの柔軟性および耐久性が良好である。
ポリビニルアルコールをアセタール化するためのアルデヒドは、特に限定されないが、たとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、C1〜5のアルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド)が好ましく、C2〜4のアルデヒド(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド)がより好ましい。また、これらを、それぞれ単独で用いるか、または、これらを併用することが好ましい。
本発明において、ポリビニルアセタール樹脂は、上述の方法で得られたものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよいし、それらを併用してもよい。市販されているポリビニルアセタールの代表例としては、デンカブチラール3000−1、5000−A、6000−C、6000−CS(いずれも商品名:電気化学(株)製)や、エスレックBX−1、BX−5、KS−5(いずれも商品名:積水化学(株)製)などが挙げられる。
(3)その他の高分子化合物
本発明において、高屈折率層は、バインダ成分として、上述したセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂以外の高分子化合物も含むことができる。
このような高分子化合物としては、本発明の効果に影響を与えなければ特に制限されないが、たとえば、ポリエステルやポリウレタンなどのポリマー、ポリアクリル酸エステルなどの反応性官能基を含有するポリマーなどが挙げられる。これら高分子化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、高分子化合物は合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
(反応性官能基を有するポリマー)
本発明で用いられる反応性官能基を有するポリマーとしては、変性ポリビニルアルコール類(たとえば、末端をカチオン、アニオンまたはノニオン変性をしたもの)、ポリウレタン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、もしくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、もしくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。
なお、上記反応性官能基を有するポリマーが共重合体である場合の共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
<その他の添加剤>
本発明の高屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。
(1)可塑剤
本発明で用いられる可塑剤としては、たとえば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤や、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられ、上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、たとえば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールジアルキル酸エステル等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、たとえば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖または分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジヘキシルアジペート、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコール−ジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、たとえば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
(2)塗布助剤
本発明に用いる塗布助剤としては、たとえば、シロキサン系界面活性剤を用いることが出き、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。 ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシドまたはそれらの混合物で変性されたポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはポリブチレンオキシドの量や混合比率等を適宜、変化させて得られる。
これらシロキサン系界面活性剤は、市販品として入手することができ、たとえば、ビックケミー社のBYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−323、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3500、信越化学社のKF−945、KF−352A、KF−640、KF−351A、KF−354L、X−22−4272、X−22−6266、EFKA社のEFKA−3030、EFKA−3031、EFKA−3034、EFKA−3299、EFKA−3232、EFKA−3288、EFKA−3033、EFKA−3035、EFKA−3580、EFKA−3883、EFKA−3239、EFKA−3236、EFKA−3522などを挙げることができる。シロキサン系界面活性剤の添加量は、固形分に対して、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.05〜2.0質量%である。
(3)その他の添加剤
本発明に係る高屈折率層および低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する(なお、後述する低屈折率層においても適用可能である)。たとえば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、および特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、および特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
[低屈折率層]
本発明の低屈折率層は、バインダ成分の主成分として、セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方(すなわち、高屈折率層のバインダ成分の主成分とは相違する方)を含む。
すなわち、本発明の低屈折率層は、高屈折率層と同様に、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれかを用いることを特徴とする。このとき、両層のバインダ成分の主成分としては異なるものを用いなければならないため、低屈折率層のバインダ成分の主成分としては、高屈折率層のバインダ成分の主成分とは異なるものを用いるのである。
低屈折率層において、バインダ成分は、低屈折率層全質量(固形分の質量)の1〜100質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。また、低屈折率層が金属酸化物粒子を含む場合、バインダ成分は、低屈折率層全質量(固形分の質量)の10〜85質量%であることが好ましく、20〜60質量%であるのがより好ましい。
また、本発明の低屈折率層がバインダ成分として含みうるセルロース化合物、ポリビニルアセタール樹脂、その他の高分子化合物としては、高屈折率層で述べたものと同じものが使用できるため省略する。また、低屈折率層においても、その他添加剤として上述した(1)可塑剤、(2)塗布助剤、(3)その他の添加剤に記載しているものを含有することができる。
また、低屈折率層においても、バインダ成分としてはセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のみで構成することが、製造時の界面混合による屈折率差の低下を防止するのにもっとも好ましい構成であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他方を一部混合してもよいし、他の高分子化合物を混合してもよい。その混合割合は、バインダ成分全量の0.01〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明の低屈折率層は、好ましくは金属酸化物粒子を含む。金属酸化物粒子としては二酸化ケイ素を用いることが好ましく、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等を挙げることができる。有機溶媒に分散させたコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明において、二酸化ケイ素は、その平均粒径が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜20nmであるのがより好ましく、4〜10nmであるのがさらに好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明の低屈率層で用いられる金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
特に好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、たとえば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号パンフレットなどに記載されているものである。
かようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
本発明の低屈折率層における金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層全質量(固形分の質量)の15〜90質量%であるのが好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
[基材]
本発明の赤外遮蔽フィルムに用いられる基材としては、フィルム支持体であることが好ましい。フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができる。その具体例としては、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に係る基材の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜150μmである。基材は、2枚以上を重ねたものであってもよく、この際、基材の種類は同じでもよいし異なっていてもよい。
[赤外遮蔽フィルムの製造方法]
本発明の赤外遮蔽フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを積層して形成される。本発明の赤外遮蔽フィルムの製造方法は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
すなわち、本発明の赤外遮蔽フィルムが、たとえば、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、溶媒と、を含む高屈折率層用塗布液と、バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方と、溶媒と、必要により金属酸化物粒子と、を含む低屈折率層用塗布液と、を基材に塗布する工程と、塗布液を塗布された前記基材を乾燥する工程と、を含む製造方法により得られる。
さらに、高屈折層用塗布液および低屈折層用塗布液が、同時重層塗布により基材に塗布されるのが好ましい。
さらに具体的には、たとえば、(1)基材上に、高屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、赤外遮蔽フィルムを形成する方法(逐次塗布);(2)基材上に、低屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、赤外遮蔽フィルムを形成する方法(逐次塗布);(3)基材上に、高屈折率層用塗布液と、低屈折率層用塗布液とを交互に逐次重層塗布した後乾燥して、高屈折率層および低屈折率層を含む赤外遮蔽フィルムを形成する方法(逐次重層塗布);(4)高屈折率層用塗布液と、低屈折率層用塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層および低屈折率層を含む赤外遮蔽フィルムを形成する方法(同時重層塗布);などが挙げられる。なかでも、フィルムの経時的な柔軟性が安定するため、同時重層塗布法(上記(4))が好ましい。
塗布方法は、特に制限されず、たとえば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2,761,419号明細書、米国特許第2,761,791号明細書などに記載のスライドホッパー(スライドビード)塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
また、同時重層塗布を行う際の塗布方式としては、エクストルージョンコート法、スライドホッパー(スライドビード)塗布方法、スライド型カーテン塗布方法が好ましく用いられるが、エクストルージョンコート法がより好ましい。
以下、本発明の好ましい製造方法(塗布方法)である同時重層塗布法について詳細に説明する。
<溶媒>
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、特に水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒が好ましい。
<塗布液の濃度>
高屈折率層用塗布液中のセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の濃度は、1〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層用塗布液中の酸化チタン微粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
低屈折率層用塗布液中のセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の濃度は、1〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
さらに、高屈折率層および低屈折率層の各成分(セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂、ならびに酸化チタン微粒子または金属酸化物粒子)の含有量が各層の欄で説明した数値範囲となるように、塗布液に各成分を添加することが好ましい。
<塗布液の調製方法>
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の調製方法は、特に制限されず、たとえば、セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂、酸化チタン微粒子または金属酸化物粒子および必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合する方法が挙げられる。この際、セルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂、酸化チタン微粒子または金属酸化物粒子および必要に応じて添加されるその他の添加剤の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、攪拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な粘度に調製される。
<塗布液の粘度>
スライドホッパー(スライドビード)塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の25℃における粘度は、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、10〜50mPa・sの範囲がより好ましい。また、スライド型カーテン塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の25℃における粘度は、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、25〜500mPa・sの範囲がより好ましい。また、エクストルージョンコート法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の25℃における粘度は、100〜10,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜8,000mPa・sである。
<塗布および乾燥方法>
塗布および乾燥方法は、特に制限されないが、基材上に高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の同時重層塗布を行った後、30℃以上で乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外乾燥、マイクロ波乾燥が用いられるが、より好ましい乾燥条件は、膜面温度30〜100℃の範囲の条件である。また単一プロセスでの乾燥よりも多段プロセスの乾燥が好ましく、恒率乾燥部の温度<減率乾燥部の温度にするのがより好ましい。この場合の恒率乾燥部の温度範囲は30〜60℃、減率乾燥部の温度範囲は50〜100℃にするのが好ましい。
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の塗布厚は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚みとなるように塗布すればよい。
[赤外遮蔽体]
本発明の赤外遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルムや、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る赤外遮蔽フィルムは、直接または接着剤を介して、ガラスまたはガラス代替の樹脂などの基体に貼合される部材に好適に用いられる。
すなわち、本発明は、本発明の赤外遮蔽フィルム、または本発明の製造方法により得られる赤外遮蔽フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、赤外遮蔽体をも提供する。
前記基体の具体的な例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでもよく、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明で使用されうる基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。
基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
本発明の赤外遮蔽フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、赤外遮蔽フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置することが好ましい。また、本発明の赤外遮蔽フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明の赤外遮蔽フィルムを、屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤または粘着剤としては、光硬化性または熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤または粘着剤が挙げられる。
接着剤または粘着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル粘着剤またはシリコーン粘着剤が好ましい。さらに粘着特性やコストの観点から、アクリル粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、溶剤系およびエマルジョン系アクリル粘着剤が好ましく、溶剤系アクリル粘着剤がより好ましい。溶剤系アクリル粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を上記の接着剤または粘着剤として用いてもよい。その具体例としては、例えば、可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層または粘着層には、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着(粘着)調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
(実施例1)
<酸化チタン微粒子分散液の調製>
(酸化チタン微粒子分散液1の調製)
20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子)60gを攪拌しながらプロピオン酸100gを少量ずつ添加した。析出した固形物を酢酸エチルで洗浄後、n−ブタノールとトルエン混合液(1:1)135gを加え超音波分散して分散液を得た。得られた分散液を攪拌しながらn−プロピルアミン50gを少量ずつ添加した。析出した固形物をn−ブタノールで洗浄後、酢酸エチル40gを添加して超音波分散して分散液を得た。得られた分散液は12質量%だった。
(酸化チタン微粒子分散液2の調製)
上記で得られた分散液1に、さらに、酢酸エチル10g、トリクレジルフォスフェート2gを添加して超音波分散して分散液2を得た。得られた分散液は10質量%だった。
(金属酸化物粒子分散液3の調製)
トリクレジルフォスフェートをジオクチルフタレートに変更する以外は酸化チタン微粒子分散液2の調製と同様にして、10質量%の分散液を得た。
<赤外遮蔽フィルムの作製>
(実施例1−1)
[試料1の作製]
(高屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物(1)〜(4)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液1を調製した。以下、メチルエチルケトンを「MEK」と表記した。また、以下の界面活性剤は「BYK−337(シロキサン系界面活性剤、ビックケミー社製)」を意味する。
(1)酸化チタン微粒子分散液1 120g
(2)メチルエチルケトン(MEK) 150g
(3)5.0質量%エチルセルロースフェニルカーバメートMEK溶液 200g
(4)5.0質量%界面活性剤MEK溶液 0.40g
(低屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物(1)〜(4)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液1を調製した。
(1)20質量%コロイダルシリカ 68g
(2)MEK 240g
(3)5.0質量%ポリビニルホルマールMEK溶液 200g
(4)5.0質量%界面活性剤MEK溶液 0.60g
(積層体の形成)
(高屈折率層1の形成)
上記調製した高屈折率層用塗布液1を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層1を形成した。
〈低屈折率層1の形成〉
次いで、低屈折率層用塗布液1を上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの高屈折率層1上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、100℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層1を形成した。
(赤外遮蔽フィルムの作製)
上記形成した低屈折率層1上に、同様にして高屈折率層1/低屈折率層1から構成されるユニットをさらに5ユニット積層し、それぞれ6層の高屈折率層および低屈折率層(合計12層)から構成された赤外遮蔽フィルムである試料1を作製した。なお、試料1のフィルム膜厚は51.9μmであった。
(実施例1−2〜1−7)
[試料2〜7の作製]
上記試料1の作製において、高屈折率層、低屈折率層のバインダを表1記載のものに変更する以外は同様にして、試料2〜7を作製した。
(実施例1−8)
[試料8の作製]
上記試料7の作製において、高屈折率層、低屈折率層のバインダをそれぞれ入れ替える以外は同様にして、試料8を作製した。
(実施例1−9〜1−10)
[試料9、10の作製]
上記試料8の作製において、酸化チタン微粒子分散液1を、酸化チタン微粒子分散液2、3に変更する以外は同様にして、試料9,10を作製した。
(実施例1−11〜1−12)
[試料11、12の作製]
上記試料8、9の作製において、高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液をエクストルージョンコート法にて交互に同時に6層ずつ押出し塗布、乾燥を行い、試料11,12を作製した。
(比較例1−13)
[試料13の作製]
上記試料3の作製において、低屈折率層のバインダを高屈折率層と同じセルロースアセテートブチレートにする以外は同様にして、試料13を作製した。
(比較例1−14)
[試料14の作製]
特開平6−11608号の実施例1に従って高屈折率層と低屈折率層を交互に積層して、試料14を作成した。
以下のように作成した。
高屈折率ポリマー層、低屈折率ポリマー層を以下のように選定した。
高屈折率ポリマー層:ポリアクリル酸
・n=1.527(20℃)
・Tg=106℃
低屈折率ポリマー層:ポリヒドロキシエチルメタクリレート
・n=1.512(20℃)
・Tg=55℃
これを、0.15μm(900nm反射)、0.165μm(1000nm反射)、0.182μm(1100nm反射)、0.199μm(1200nm反射)、0.215μm(1300nm反射)、0.232μm(1400nm反射)、0.248μm(1500nm反射)の各膜厚で、各々50層ずつ高屈折率ポリマー層と低屈折率ポリマー層を交互に積層して試料14を作製した。
(比較例1−15)
[試料15の作製]
特開2009−86659号の実施例1および実施例2に従ってPETベース上に高屈折率層と低屈折率層をそれぞれ6層ずつ交互に積層して、試料15を作成した。
以下のように作成した。
(分散液Aの調製)
無機粒子としてルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO−55A」、粒径30〜50nm、水酸化アルミニウム表面処理品、屈折率2.6)を109重量部、分散剤としてポリエチレンイミン系ブロックポリマーを11質量部、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、和光純薬株式会社製)180質量部を、直径0.5mmのジルコニアビーズ141質量部を用いてビーズミル分散機で24分間分散させた後、直径0.1mmのジルコニアビーズに切り替えてビーズミル分散機で147分間分散させることにより、分散液Aを得た。
(溶液Aの調製)
バインダ樹脂(バインダ成分)として4,4′−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(硬化後の屈折率1.65)を50質量%、重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを0.25質量%含有するPGMEA溶液を調製し、溶液Aとした。
(溶液Bの調製)
分散液Aと溶液Aの質量混合比1:7の混合液を調製し、溶液Bとした。
(溶液Cの調製)
溶液BとPGMEAの重量混合比1:2の混合液を調製し、溶液Cとした。
(高屈折率層Aの作成)
溶液Cを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に2mL滴下し、1000rpm、30秒の条件でスピンコーター(ミカサ株式会社製1H−D7)により塗布した後、120℃で10分間加熱した。その後、出力184W/cmの無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製)を用いて積算光量2.8J/cmの紫外線を照射することにより高屈折率層Aを得た。膜厚は134nm程度であった。
高屈折率層Aをコロナ放電処理(信光電気計装株式会社製コロナ放電表面改質装置)により表面改質した後、1質量%のヒドロキシエチルセルロース(東京化成工業株式会社製)の水溶液を2mL滴下し、1分間室温で放置した後、500rpm、30秒のスピンコート条件で塗布した。塗布直後、すぐさま80℃のホットプレート(アズワン株式会社製HPD−3000)上に試料を置いて10分間加熱することにより高屈折率層Aの上に低屈折率層を積層させた。
さらに、同様な操作により、高屈折率層と低屈折率層をさらにそれぞれ5層ずつ交互に積層して試料15を作製した。
<赤外遮蔽フィルムの評価>
上記作製した各赤外遮蔽フィルムについて、下記の特性値の測定および性能評価を行った。
(各層の屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗布したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層および低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求め表1に示した。
(経時劣化条件)
以下の温度サイクルを経時代用条件とした。
・温度:低温 −20℃ 高温 +55℃
・時間:各上下限10分以上、1サイクル3時間
・温度変化率:上昇・降下ともに100℃/hr.
・サイクル数:90
・風速:2m/s
(可視光透過率および赤外透過率の測定)
上記作製した各赤外遮蔽フィルムについて、上記経時劣化条件で処理後に、屈折率測定で使用した分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各赤外遮蔽フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
(柔軟性の評価)
上記作製した各赤外遮蔽フィルムについて、上記経時劣化条件で処理後に、JIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った後、赤外遮蔽フィルム表面を目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
◎:赤外遮蔽フィルム表面に、折り曲げ跡やひび割れは観察されない
○:赤外遮蔽フィルム表面に、わずかに折り曲げ跡が観察される
△:赤外遮蔽フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
×:赤外遮蔽フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
(透明性の評価)
作製した各赤外遮蔽フィルムについて、メタルハライドランプ式耐候性試験機(スガ試験機製 M6T)により、放射照度1kW/mの光を100時間照射し、照射後における着色状態を目視観察し、下記の基準に従って評価した
◎:着色が全く認められない
○:ほぼ着色が認められない
△:わずかに着色が認められる
×:明らかな着色が認められる
以上により得られた測定結果、評価結果を、表1に示す。
Figure 0005644667
表1の結果より明らかなように、本発明の赤外遮蔽フィルムは、長期間の使用においても赤外反射性(赤外遮蔽性)、可視光透過性、膜柔軟性および透明性に優れていることが分かる。
(実施例2)
[赤外反射体1〜12の作製]
実施例1で作製した試料1〜12の赤外遮蔽フィルムを用いて赤外遮蔽体1〜12を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜12の赤外遮蔽フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、赤外遮蔽体1〜12を作製した。
[評価]
上記作製した本発明の赤外遮蔽体1〜12は、赤外遮蔽体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の赤外遮蔽フィルムを利用することで、優れた赤外遮蔽性を確認することができた。

Claims (7)

  1. 基材上に、
    バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、を含む高屈折率層と、
    バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方を含む低屈折率層と、
    から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層との屈折率差は0.1以上である赤外遮蔽フィルム。
  2. 前記セルロース化合物が、アセチルC3〜6アシルセルロースである、請求項1に記載の赤外遮蔽フィルム。
  3. 前記酸化チタン微粒子の表面がオイルで被覆されてなる、請求項1または2に記載の赤外遮蔽フィルム。
  4. バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂のいずれか一方と、平均粒径4〜100nmの酸化チタン微粒子と、溶媒と、を含む高屈折率層用塗布液と、
    バインダ成分の主成分としてセルロース化合物またはポリビニルアセタール樹脂の他方と、溶媒と、を含む低屈折率層用塗布液と、
    を基材に塗布する工程と、
    塗布液が塗布された前記基材を乾燥する工程と、
    を含む赤外遮蔽フィルムの製造方法。
  5. 前記セルロース化合物が、アセチルC3〜6アシルセルロースである、請求項4に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
  6. 前記高屈折層用塗布液および前記低屈折層用塗布液を、同時重層塗布により基材に塗布する、請求項4または5に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外遮蔽フィルム、または請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られる赤外遮蔽フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、赤外遮蔽体。
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