JP5644275B2 - 坂路発進支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、坂路発進トルクを好適に向上させる坂路発進支援方法に関する。
エンジンで走行する車両の燃費は、総ギア比によって変化する。総ギア比を小さくする(=高速ギア化;ハイギアードにする)と、燃費は向上する。総ギア比を小さくすることは、エンジンが1回転する間に車両が走行する距離を長くすること、すなわち増速率を大きくすることである。
図8に示されるように、標準的な増速率を1として増速率を横軸にとると、縦軸にとった燃費向上率は増速率が大になるほど大きくなる。つまり、総ギア比を小さくするほど燃費が向上する。
しかし、総ギア比を小さくすると、エンジンが1回転当たり発生しなくてはならないトルクが増える。これに対して、エンジンに供給できる燃料流量にはシリンダに取り込むことができる空気量からくる限度がある。これを補うためにターボチャージャを設けることが必須となる。ターボチャージャにより過給を行って吸気量を増やすことで、燃料流量を増やすことができ、その結果、トルクが大きくとれる。
ところが、ターボチャージャは、排気ガスのエネルギでタービンを回転させるので、排気ガス量が少ないエンジン回転速度の低域では、吸気量を増やす効果がなく、トルクは大きくできない。これに対し、車両において、大きなトルクを必要とするのは、エンジン回転速度が極低域となる発進時であり、特に平地での発進よりも坂路発進にいっそう大きなトルクを必要とする。従って、坂路発進においてトルクを大きくできてこそ、従来よりも総ギア比を小さくすることが期待できる。
坂路発進支援装置の先行技術文献として、特許文献1と特許文献2がある。
特許文献1には、坂路発進に際して、運転者のアクセル操作量に基づく燃料流量よりも燃料流量を増加させることが開示されている。
特許文献2には、坂路発進に際して、運転者がアクセル操作をせずに電子制御でエンジン回転速度を大きくすることが開示されている。
特開2007−132229号公報 特開平6−146945号公報
図9に示されるように、ターボチャージャを備えたエンジンでは、ターボチャージャを備えないエンジンに比べて、エンジン回転速度の全域でトルクが増加する。しかし、詳しく見ると、エンジン回転速度の極低域、例えば、1000rpm未満の領域では、ターボチャージャによるトルク増加の効果はほとんどない。
ところで、図9に示した特性は、スモークリミットによって制約された特性である。発進時は、点線円で囲んだようにエンジン回転速度が極低域にある。この状態でトルク(以下、坂路発進トルクという)を急上昇させようと燃料流量を過剰に増加させると、シリンダ内の空気不足により燃料が完全燃焼せず、エンジンから黒煙が発生する。坂路発進トルクのようにエンジン回転速度が低域・極低域のときのトルクは、黒煙の量が所定値以下となるよう燃料流量が制約されていることによるものである。この燃料流量に対する制約をスモークリミットという。スモークリミットは、電子制御装置(Electronical Control Unit;ECU)にマップや演算式の形で設定されている。具体的には、空気過剰率が基準値に近づくか基準値より小さくなると空気が足りなくなるので、エンジン回転速度、吸気圧等のエンジンパラメータに応じて燃料流量上限を規定したものがスモークリミットである。運転者がアクセル開度をいかに大きくしても、ECUの制御により、燃料流量がスモークリミットによる上限を超えないことになる。
図10に示されるように、エンジンの特性は、エンジン回転速度が中域から高域では筒内圧力で制約され、低域から極低域にかけては、スモークリミットで制約されることで形成される。
なお、エンジンから発生する黒煙は、排気管に設置されているDPF(Diesel Particulate Filter)により補足可能であるから、多少の黒煙発生は深刻な問題とはならない。しかし、多すぎる黒煙はDPFを詰まらせる。DPFは、多孔質のセラミックからなり、黒煙がセラミックの小孔に捕捉され、徐々に小孔が詰まってくる。詰まった黒煙は、エンジンが高負荷運転されているとき排気ガスの熱で燃焼する(自動再生)。高負荷運転の機会がないときは、燃料を燃焼させないまま排気管に供給し、DPF前で燃焼させることでDPF温度を上昇させて黒煙を燃焼させる(強制再生)。ただし、強制再生は、燃費の悪化や騒音の増加を伴うため、実行する頻度を極力減らすことが望まれる。従って、エンジンから発生する黒煙は、多少は許容できても無制限に多くはできない。
特許文献1,2の技術は、坂路発進における運転者のアクセル操作を支援するが、極低域におけるエンジンのトルクを向上させることはなく、また、黒煙の防止と坂路発進トルク向上とのトレードオフは考慮されていない。
特許文献1の技術は運転者のアクセル操作よりも燃料流量を大きくするものであり、特許文献2の技術は運転者のアクセル操作なしに燃料流量を大きくするものであるが、これらの制御は、坂路発進中に前方に障害物を発見した運転者が緊急停止しようとアクセルを開放した場合に燃料流量が小さくならないという、運転要求と制御動作との間の矛盾を生じることがあり、好ましくない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、坂路発進トルクを好適に向上させる坂路発進支援方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、エンジン回転速度の低域にスモークリミットを設定し、燃料流量をスモークリミットで制約する車両の坂路発進支援方法において、スモークリミットとして、通常発進用スモークリミットと通常発進用スモークリミットより燃料流量上限が大きい坂路発進用スモークリミットとを設定し、登坂路での車両停止の状態から所定時間内にエンジンへの要求が全負荷要求に移行したとき、車両が坂路発進中と判定し、燃料流量を坂路発進用スモークリミットで制約するものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)坂路発進トルクを好適に向上させることができる。
本発明の坂路発進支援方法が適用されるエンジンシステムの構成図である。 (a)〜(c)は、登坂路で車両停止している状態を判定する手順の論理回路イメージを示す回路図である。 (a)〜(c)は、エンジンへの要求が全負荷要求であることを判定する手順の論理回路イメージを示す回路図である。 使用するスモークリミットの種別を切り替える手順を示すフローチャートである。 (a)は、エンジン回転速度に基づく燃料流量上限を示す特性図、(b)は、吸気圧に基づく燃料流量上限を示す特性図である。 エンジン回転速度と吸気圧とに基づく燃料流量上限を示す特性図である。 本発明による燃料流量の増量効果を示すエンジン回転速度対燃料流量特性図である。 増速率が大きいと燃費が向上することを示す増速率対燃費向上率特性図である。 ターボチャージャによるトルク増大を示すエンジン回転速度対トルク特性図である。 スモークリミットによる燃料流量の制約がトルクに影響していることを示すエンジン回転速度対トルク特性図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明の坂路発進支援方法が適用されるエンジンシステム1は、エンジン2の排気ポート3に排気管4が接続され、排気管4の途中にEGR管5の一端が排気ガスを分岐するよう接続されている。EGR管5の接続箇所より下流の排気管4は、ターボチャージャ6のタービン7の入口に接続されている。タービン7の出口は、低圧排気管8を介してDPF9に接続されている。ターボチャージャ6のコンプレッサ10の入口にはエアフィルタ11からの低圧吸気管12が接続され、コンプレッサ10の出口には吸気管13が接続されている。吸気管13には吸気クーラ14が設けられ、吸気クーラ14より下流の吸気管13にEGR管5の他端が排気ガスを合流するよう接続されている。EGR管5には、EGRクーラ15とEGR弁16が設けられている。EGR管5の接続箇所よりも下流で吸気管13がエンジン2の吸気ポート17に接続されている。エンジン2には、排気ポート3を開閉する排気弁18と、吸気ポート17を開閉する吸気弁19と、燃料を噴射するインジェクタ20とが設けられる。吸気クーラ14とEGR管5との間の吸気管13には、吸気スロットル21が設けられる。DPF9より下流の低圧排気管8に排気スロットル22が設けられる。
本発明の坂路発進支援方法は、インジェクタ20を駆動して燃料噴射制御を行うECU23により実現される。ECU23には、通常発進用スモークリミットと坂路発進用スモークリミットが設定される。通常発進用スモークリミットは、従来のスモークリミットと同じであり、平坦地での発進時に黒煙の量が所定値以下となり、かつ、発進が円滑となるようエンジン回転速度ごとの燃料流量上限が決められている。坂路発進用スモークリミットは、坂路での発進時に発進が円滑となるよう通常発進用スモークリミットよりエンジン回転速度ごとの燃料流量上限が大きくなっている。
ECU23は、通常発進においては、燃料流量を通常発進用スモークリミットで制約し、坂路発進においては、燃料流量を坂路発進用スモークリミットで制約することになる。ECU23は、車両が坂路発進中であることの判定手順として、登坂路で車両停止している状態かどうかの判定と、エンジンへの要求が全負荷要求かどうかの判定と、これらの判定が所定時間内に起きたかどうかの判定を行うようになっている。
各判定について詳しく述べる。
登坂路で車両停止している状態を判定する手順を3つ例示する。
図2(a)に示されるように、車速が閾値未満であって、かつ、加速度センサ出力が閾値より大きい状態が一定時間継続したときに、登坂路で車両停止している状態と判定する。車速の閾値は、例えば、1km/hであり、加速度センサ出力の閾値は、例えば、登り勾配5%に相当する車両後方向き成分の加速度値であり、時間の閾値である一定時間は、例えば、2秒である。すなわち、登り勾配5%より大きい道路で車速が1km/h未満のまま2秒が経過すると、登坂路で車両停止している状態と判定されることになる。
図2(b)に示されるように、車速が閾値未満であって、かつ、パーキングブレーキスイッチがオンである状態が一定時間継続したときに、登坂路で車両停止している状態と判定してもよい。これは、運転者がパーキングブレーキを利用した坂路発進を意図して停車していることを意味している。
図2(c)に示されるように、車速が閾値未満であって、かつ、ブレーキ油圧が閾値を超えている状態が一定時間継続したときに、登坂路で車両停止している状態と判定してもよい。ブレーキ油圧の閾値は、例えば、20kg/cm2である。これは、運転者がフットブレーキを利用した坂路発進を意図して停車していることを意味している。
登坂路で車両停止している状態の判定は、図2(a)〜図2(c)のどれかに限定されるものではなく、これらを組み合わせてもよい。例えば、車速が閾値未満であって、かつ、加速度センサ出力が閾値より大きく、かつ、ブレーキ油圧が閾値を超えている状態が一定時間継続したときに、登坂路で車両停止している状態と判定してもよい。また、従来から知られている坂路発進補助システムにおける坂路判定を利用し、登坂路で車両停止している状態の判定に代用してもよい。
エンジンへの要求が全負荷要求であることを判定する手順を3つ例示する。
図3(a)に示されるように、アクセル開度が閾値を超えており、かつ、エンジン回転速度が閾値未満であるとき、エンジンへの要求が全負荷要求であると判定する。アクセル開度の閾値は、例えば、95%であり、エンジン回転速度の閾値は、例えば、700rpmである。すなわち、エンジン回転速度が700rpm未満でアクセルペダルの踏み込み量が全ストロークの95%を超えたとき、運転者が発進のためにエンジンに全負荷を要求していると判定する。
図3(b)に示されるように、燃料噴射量が閾値を超えており、かつ、吸入空気量が閾値未満であるとき、エンジンへの要求が全負荷要求であると判定してもよい。燃料噴射量の閾値は、例えば、全負荷の90%であり、吸入空気量の閾値は、例えば、アイドル時の1.2倍である。ここで言う燃料噴射量は、アクセル開度を反映した燃料噴射量のことであり、スモークリミットで制約する前の燃料流量に相当する。
図3(c)に示されるように、空燃比センサの出力が閾値未満であるとき、エンジンへの要求が全負荷要求であると判定してもよい。空燃比センサの出力は、空気過剰率を表している。吸入空気量の増加が少ないのに対して燃料流量の増加が多いとき空気過剰率が小さくなる。よって、空気過剰率が閾値以下であるとき、エンジンへの要求が全負荷要求であると判定することになる。
エンジンへの要求が全負荷要求であることの判定には、これらの条件を組み合わせて用いてもよい。また、燃料噴射量、吸入空気量などのエンジンパラメータで参照可能なマップにエンジンへの要求が全負荷要求であるかどうかの判定結果を設定しておき、センサ読み込みや演算で得たエンジンパラメータでこのマップを参照することで、判定結果を得てもよい。
図4に示されるように、登坂路での車両停止の状態が成立してから所定時間内にエンジンへの要求が全負荷要求に移行したかどうか判定し、YESであれば、車両が坂路発進中であると判定し、坂路発進用スモークリミットを使用して燃料流量の制約を行う。NOの場合は、通常発進用スモークリミットを使用して燃料流量の制約を行う。車両停止の状態から全負荷要求に移行する所定時間は、例えば、10秒である。
なお、坂路発進中であるとの判定は、登坂路での車両停止の状態後にアクセルオンが操作されるのを認識し、そのアクセルオンから所定時間にエンジンへの要求が全負荷要求に移行したかという判定でもよい。アクセルオンは、アクセルが踏み始め位置に来たことを検出した信号である。
次に、スモークリミットによる燃料流量の制約方法を説明する。燃料流量上限は、1種類ないし複数種類のエンジンパラメータに基づいて求められる。ここでは、1種類のエンジンパラメータに基づく場合、2種類のエンジンパラメータに基づく場合をそれぞれ説明する。
図5(a)に示したスモークリミットは、エンジン回転速度にのみ基づいて燃料流量上限を求めるスモークリミットである。エンジン回転速度が極低のときには、燃料流量上限は小さく、エンジン回転速度が高くなるにつれて燃料流量上限は直線的に大きくなる。エンジン回転速度に基づいて燃料流量上限を求めるには、図示のスモークリミットを表す演算式を用意しておき、エンジン回転速度を代入して演算を行ってもよいし、図示のスモークリミットを表すマップを設定しておき、エンジン回転速度でマップを参照してもよい。
図5(b)に示したスモークリミットは、吸気圧にのみ基づいて燃料流量上限を求めるスモークリミットである。吸気圧が極低のときには、燃料流量上限は小さく、吸気圧が高くなるにつれて燃料流量上限は直線的に大きくなる。エンジン回転速度の場合と同様、スモークリミットの演算式又はマップにより吸気圧から燃料流量上限を求めることができる。
図6に示したスモークリミットは、エンジン回転速度と吸気圧とに基づいて燃料流量上限を求めるスモークリミットである。凡例に示すように、燃料流量上限が小さくなると塗りが薄くなり、燃料流量上限が大きくなると塗りが濃くなるように作図してある。エンジン回転速度が極低であって、かつ、吸気圧が極低のとき、燃料流量上限は小さく、エンジン回転速度と吸気圧が高くなるにつれて燃料流量上限は大きくなる。
図5(a)、図5(b)、図6のいずれのスモークリミットにおいても、通常発進用スモークリミットと坂路発進用スモークリミットを設定する場合、通常発進用スモークリミットは従来のスモークリミットと同じとし、坂路発進用スモークリミットは通常発進用スモークリミットよりも燃料流量を大きくすることになる。
通常発進用スモークリミットと坂路発進用スモークリミットとをそれぞれ設定するのではなく、通常発進用スモークリミットのみ設定しておき、坂路発進用スモークリミットは、通常発進用スモークリミットに対して補正量を加算することで求めるようにしてもよい。例えば、エンジン回転速度と吸気圧と吸気温とアクセル開度との4種類のエンジンパラメータに基づいて補正量を求める補正量演算式として、
補正量=K1×(エンジン回転速度)-1
−K2×吸気圧
+K3×(吸気温)-1
+K4×アクセル開度
を用いるようにする。K1〜K4は係数である。補正量演算式中の加減乗除、指数及び係数K1〜K4の値は、理論あるいは実験によって決定するとよい。燃料流量上限を求めるためのエンジンパラメータは、この例に限らず、3種類以下でもよく、5種類以上でもよい。
次に、本発明の坂路発進支援方法によるエンジンシステムの動作を説明する。
図2(a)〜図2(c)の手順により、登坂路での車両停止の状態が判定され、それから所定時間内に図3(a)〜図3(c)の手順によりエンジンへの要求が全負荷要求に移行したことが判定されたとき、図4の手順により、坂路発進用スモークリミットを使用して燃料流量の制約を行うことになる。
図7に示されるように、坂路発進用スモークリミットは、エンジン回転速度が閾値未満の領域において、同じエンジン回転速度での通常発進スモークリミットによる燃料流量上限よりも燃料流量上限が大きい。ただし、エンジン回転速度が閾値以上の領域では、通常発進スモークリミットによる燃料流量上限が十分に大きいので、増加させないこととした。エンジン回転速度の閾値は、理論あるいは実験より設定するとよい。
図7のように、坂路発進用スモークリミットを使用して燃料流量の制約を行うと、通常発進スモークリミットを使用した場合に比べ、同じエンジン回転速度での燃料流量が増加する。
このように、坂路発進用スモークリミットは、坂路での発進時に好適となるよう通常発進用スモークリミットより燃料流量上限が大きい。従って、エンジン回転速度が低域・極低域であって全負荷要求に対してスモークリミットにより燃料流量が制約される状態であっても、燃料流量を通常発進時よりも増やすことができ、トルクが通常発進時よりも大きくでき、十分な坂路発進トルクが確保される。
反面、坂路発進用スモークリミットを適用したことで、坂路発進時に燃料流量が増加して空気過剰率が基準値に近づくか基準値より小さくなるため、通常発進時よりも多く黒煙が発生する。しかし、黒煙はDPFに吸収される。また、エンジンに黒煙が発生するのは、坂路発進中の短時間のみであり、しかも坂路発進という頻度の低い運転状態に限られているので、特にDPFに悪影響する問題とはならない。
坂路が多い山岳部では、坂路発進の頻度が平野部に比べて高いため、本発明によって黒煙の発生頻度が高まり、DPFに黒煙が多く蓄積されて強制再生頻度が高まることが懸念される。しかし、山岳部では、登坂走行の頻度が高いため、エンジン高負荷のため排気温度が高くなってDPFが自動再生される機会が増え、強制再生頻度が低いことが従来より知られている。従って、山岳部においては、本発明を適用することで黒煙の発生頻度が高まっても、DPFの強制再生頻度には影響がなく、強制再生が原因で燃費が低下することはない。
本発明の坂路発進支援方法により、総ギア比を小さくしても坂路発進が確実にできるようになり、総ギア比を小さくすることによる燃費向上が見込まれる。
本発明の坂路発進支援方法は、車両が坂路発進中と判定したとき、燃料流量を坂路発進用スモークリミットで制約するものである。燃料流量の増減は、あくまでアクセル開度等、運転者の意志に対応して行われる。このように、燃料流量の増減が運転者の意志に対応して行われるので、坂路発進中に前方に障害物を発見した運転者が緊急停止しようとアクセルを開放した場合には、瞬時に燃料流量が小さくなる。すなわち、運転要求に反して燃料流量が多く制御されるという矛盾が生じることはない。
本発明の坂路発進支援方法は、DPFを備えたディーゼルエンジンシステムに好適であるが、これに限らず、直噴ガソリンエンジンにも適用できる。直噴ガソリンエンジンでは、黒煙発生の対策としてDPFを備えているからである。
加速度センサ、ブレーキ油圧に基づいて道路の勾配にレベル付けを行い、レベルごとに異なるスモークリミットを適用するようにしてもよい。これにより、非常な急坂路から平坦に近い緩坂路まで、段階的にスモークリミットを異ならせることができ、不必要な黒煙の発生を防ぎつつ、坂路発進を円滑にすることができる。
1 エンジンシステム
2 エンジン
6 ターボチャージャ
9 DPF
23 ECU

Claims (1)

  1. エンジン回転速度の低域にスモークリミットを設定し、燃料流量をスモークリミットで制約する車両の坂路発進支援方法において、
    スモークリミットとして、通常発進用スモークリミットと通常発進用スモークリミットより燃料流量上限が大きい坂路発進用スモークリミットとを設定し、
    前記坂路発進用スモークリミットを、エンジン回転速度が低下するにつれ、坂路発進用の燃料流量上限と通常発進用の燃料流量上限との差分が増大するよう設定し、
    登坂路での車両停止の状態から所定時間内にエンジンへの要求が全負荷要求に移行したとき、車両が坂路発進中と判定し、燃料流量を坂路発進用スモークリミットで制約する坂路発進支援方法。
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