〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の遊技機の説明図である。
本発明の実施の形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施の形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本発明の実施の形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の右下側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。また、センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口としての始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普図始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本発明の実施の形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施の形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えばセンターケース40に設けられたランプ等)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
図5に示すように、本実施形態の遊技機では、普通変動入賞装置37の動作状態として、時短状態でない通常動作状態(時短なし)と、時短状態である第1動作状態(高サポ)、時短状態である第2動作状態(中サポ)のいずれかが設定される。通常動作状態では、普図変動時間が第1変動表示時間であり、普図停止時間が第1停止時間である。また、普電開放時間が第1開放時間であり、普電開放回数が第1開放回数である。さらに、普図確率が低確率である。
第1動作状態は通常動作状態と比べて、普図確率が高い高確率であり、普図変動時間が短い第2変動時間、当り時の普図停止時間が短い第2停止時間、普電開放時間が長い第2開放時間、普電開放回数が多い第2開放回数となる。また、第2動作状態は通常動作状態と比べて、普図変動時間等は同じであるが、普図確率が高い高確率である点が異なる。よって、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間は、通常動作状態が最も短く、第2動作状態、第1動作状態の順に長くなる。すなわち、この順で遊技者にとって有利な状態となる。なお、以下の説明や図中では時短状態を普電サポート又はサポと称することがある。また、第1動作状態を高サポと称し、第2動作状態を中サポと称することがある。
図6に示すように、特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすることである。
特別結果には、15R確変(図柄)、15R通常(図柄)、2R突確(図柄)、2R中サポ(図柄)、2R潜伏(図柄)の5種類が設定されている。15R確変(図柄)及び15R通常(図柄)は、何れも特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間は第1開放可能時間(25秒)である。そして、15R確変(図柄)は、特別遊技状態の終了後に確率状態が高確率状態となるとともに次回の大当りまで第1動作状態(高サポ)となる。また、15R通常(図柄)は、特別遊技状態の終了後に確率状態が通常確率状態(低確率)となるとともに70回の特図変動表示ゲームを実行するまで第1動作状態(高サポ)となる。
2R突確(図柄)、2R中サポ(図柄)及び2R潜伏(図柄)は、何れも特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間は第2開放可能時間(0.5秒)である。また、何れも特別遊技状態の終了後に確率状態が高確率状態となる。そして、2R突確(図柄)は、特別遊技状態の終了後、次回の大当りまで第1動作状態(高サポ)となる。また、2R中サポ(図柄)は、特別遊技状態の終了後、次回の大当りまで第2動作状態(中サポ)となる。また、2R潜伏(図柄)は、特別遊技状態の終了後、通常動作状態となり時短状態とならない。
これらの特別結果の選択割合は、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとで異なっている。図6(a)に示すように、第1特図変動表示ゲームでは、15R確変(図柄)及び15R通常(図柄)がそれぞれ30%の確率で選択される。残りの40%は2R大当りとなるが、図6(c)に示すように、2R突確、2R中サポ及び2R潜伏の選択割合は特別結果が発生した際の遊技状態(確率状態や動作状態)によって異なる。例えば、特別結果が発生した際の遊技状態が、通常確率状態(低確)かつ通常動作状態(サポ無)の場合、2R突確及び2R中サポが選択される確率が0%であり、2R潜伏が選択される確率が40%となっている。なお、遊技状態は特別結果の種類に基づき設定されるので、直近の特別結果の種類によって設定される確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態により次に発生する特別結果の種類の選択割合が設定されるともいえる。
また、第1特図変動表示ゲームでは所定の確率で小当りを発生可能に構成されている。小当りが発生した場合は特定結果が表示されて特定遊技状態となる。特定遊技状態では、2R大当りと同様にラウンド数が2ラウンドで大入賞口の開放時間が第2開放時間(0.5秒)とされる。なお、特定遊技状態の終了後の確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態は小当り発生前の状態と同じ状態となる。すなわち、15R確変及び15R通常が第1特別遊技状態を発生させる第1特別結果をなし、2R突確、2R中サポ、2R潜伏が、第1特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が低く、特定遊技状態と同等の遊技価値を付与する第2特別遊技状態を発生させる第2特別結果をなす。なお、2R潜伏及び2R中サポとなる飾り特図変動表示ゲームの実行態様や特別結果とその後の特別遊技状態と、小当りとなる飾り特図変動表示ゲームの実行態様や特定結果とその後の特定遊技状態では、同一の演出が行われるので、遊技者は何れの当りであったのかを判別することが困難である。ただし、特図1表示器51での特別結果と特定結果は異なる図柄である。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図7には、演出状態の種類と遷移の条件を示した。演出状態の種類には、通常モード、潜伏モード、確変モード、時短モードがある。各演出状態は、表示される背景の種類やキャラクタの種類、変動表示ゲームの実行態様等が異なり、各演出状態は遊技者が何れの演出状態であるかを認識可能な程度に異なっている。なお、潜伏モードは内部的に潜伏モードAと潜伏モードBに分かれているが、同一の演出を行うものであり、演出のみから潜伏モードAとBのいずれであるかを判別するのは困難である。
通常モードは通常確率状態(低確率)かつ通常動作状態(サポなし)であることが明確に報知される状態である。この通常モードでは通常動作状態であるので主に第1特図変動表示ゲームが実行されるため、図中には通常確率状態かつ通常動作状態である場合の第1特図変動表示ゲームにおける特別結果の選択割合を示した。
この通常モードにおいて選択可能な2R大当りは2R潜伏のみであり、この2R潜伏となった場合は潜伏モード(潜伏モードA)に移行する。この場合、確率状態は高確率状態となる。また、通常モードにおいて小当りが発生した場合も潜伏モード(潜伏モードA)に移行する。この場合、確率状態は通常確率状態となる。上述したように、遊技者は飾り特図変動表示ゲームや特別遊技状態又は特定遊技状態の演出から2R潜伏と小当りの何れであったのかを判別することが困難である。また、通常モードで2R潜伏又は小当りが発生した場合は、何れも普通変動表示装置38の動作状態が通常動作状態のままとなるので、この点からも判別することが困難である。よって、2R潜伏と小当りとなった場合に同じ潜伏モードに移行することで、確率状態が判別困難となり、遊技の興趣を向上することができる。
潜伏モードのうち潜伏モードAは、高確率状態又は通常確率状態かつ通常動作状態となっている状態である。この潜伏モードAでは通常動作状態であるので主に第1特図変動表示ゲームが実行されるため、図中には高確率状態又は通常確率状態かつ通常動作状態である場合の第1特図変動表示ゲームにおける特別結果の選択割合を示した。
また、潜伏モードのうち潜伏モードBは、高確率状態かつ第2動作状態となっている状態である。この潜伏モードBでは第2動作状態であるが、第2動作状態は通常動作状態と普図確率のみが異なるものであり、主に第1特図変動表示ゲームが実行されるため、図中には高確率状態かつ第2動作状態である場合の第1特図変動表示ゲームにおける特別結果の選択割合を示した。この潜伏モードBでは潜伏モードAと同様の演出が行われ、第2動作状態は通常動作状態と普図確率のみが異なるので外観上は似た状態である。しかし、2R大当りの場合の特別結果の選択割合が異なっているため、同じ潜伏モードでありながら2R大当りとなった場合に選択される特別結果の種類が大きく異なるという斬新な遊技が実行可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
潜伏モードでは確率状態を明確に報知しない非報知状態となる。これにより、高確率状態であることへの期待感や特別結果となることへの期待感を高め、遊技の興趣を高めるようにしている。ただし、潜伏モードBであること(高確率状態であること)は普通変動入賞装置37の動作を注意して観察すれば認識可能である。また、通常確率状態で小当りが発生することにより潜伏モードに移行した場合は、移行してから規定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲーム(はずれ結果)を実行すると通常モードへ戻るようになっている。このため、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)してから規定回数目(ここでは10回目)の特図変動表示ゲームにおいて、潜伏モードが継続するか否かの演出が行われるようになっている。すなわち、この演出が確率状態を示唆する演出となっており、いつまでも確率状態が不明なまま遊技が継続することがなく安心して遊技を行うことができる。ただし、通常確率状態であっても規定回数目の特図変動表示ゲームで小当りとなった場合は通常確率状態のまま再度潜伏モードとなるので、必ずしも確率状態が明確に報知されるものではない。
各モードで15R確変又は2R確変となると確変モードに移行する。確変モードは高確率状態(高確率)かつ第1動作状態(高サポ)であることが明確に報知される状態である。この確変モードでは第1動作状態であるので主に第2特図変動表示ゲームが実行されるため、図中には第2特図変動表示ゲームにおける特別結果の選択割合を示した。第2特図変動表示ゲームでは2R大当りが発生しないため、確実に出球を獲得できる。
各モードで15R通常となると時短モードに移行する。時短モードは通常確率状態(低確率)かつ第1動作状態(高サポ)であることが明確に報知される状態である。この時短モードでは第1動作状態であるので主に第2特図変動表示ゲームが実行されるため、図中には第2特図変動表示ゲームにおける特別結果の選択割合を示した。この時短モードで70回の特図変動表示ゲームを実行すると、通常動作状態となり通常モードに移行する。
このような特別結果の種類の選択割合及び演出状態の遷移とすることで、斬新な遊技が実行可能となり、遊技の興趣を向上することができる。例えば、特別遊技状態の終了後に、高確率状態かつ第2動作状態となった場合と、高確率状態かつ通常動作状態となった場合とで同一の特定演出状態(潜伏モード)を設定するので、異なる遊技状態を同一の遊技状態のように見せることができる。同じ特定演出状態であっても、第2動作状態である場合と、通常動作状態である場合とで遊技球の消費量が異なるため、特定演出状態での遊技に変化が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。また、高確率状態ではあるが、第1動作状態である場合よりも遊技球の消費量が多い状態において、他の状態では行われないような演出をすることも可能となるので斬新な遊技が実行可能となり、遊技を継続する意欲が削がれることを防止できる。
また、同じ潜伏モードでも、高確率状態かつ第2動作状態(潜伏モードB)である場合と、高確率状態又は通常確率状態かつ通常動作状態(潜伏モードA)である場合とで特別結果の種類の選択割合(特別遊技状態の終了後における普通変動入賞装置37の動作状態の選択割合)が異なっているので、潜伏モードにおいて次に選択される特別結果の種類の傾向(普通変動入賞装置37の動作状態の傾向)を異ならせることができ、斬新な遊技が実行可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
また、高確率状態かつ第1動作状態となる特別結果(15R確変及び2R突確)の選択割合は、通常確率状態かつ通常動作状態である場合(通常モード)よりも高確率状態かつ通常動作状態である場合(潜伏モードA)の方が高く、さらに高確率状態かつ第2動作状態である場合(潜伏モードB)の方が高い。すなわち、通常モードである場合よりも潜伏モードである場合の方が遊技者にとって最も有利な状態への移行割合が高いので、潜伏モードを経由することにより確変モードへ移行しやすくなるような印象を与えることができ、第1動作状態である場合よりも遊技球の消費量が多い潜伏モードであっても遊技を継続する意欲が削がれることがないようにすることができる。また、同じ潜伏モードであっても、通常動作状態よりも遊技者にとって有利な第2動作状態である場合の方が、遊技者にとって最も有利な状態への移行割合が高いので、同じ潜伏モードにおける動作状態の違いに基づく差異を大きくすることができ、斬新な遊技が実行可能となり遊技の興趣を向上することができる。
また、高確率状態かつ通常動作状態となる特別結果(2R潜伏、すなわち潜伏モードAに移行する特別結果)の選択割合は、高確率状態かつ第1動作状態(確変モード)又は第2動作状態(潜伏モードB)である場合よりも高確率状態かつ通常動作状態(潜伏モードA)である場合の方が高い。よって、高確率状態であっても遊技球の消費量が多い通常動作状態である場合には特別結果が導出されても再び通常動作状態となる可能性が高いが、遊技球の消費量が通常動作状態よりも少ない第1又は第2動作状態であれば、再び第1又は第2動作状態となる可能性が高い。すなわち、同じ高確率状態であっても、遊技者にとって不利な状態が連続する可能性が高い反面、有利な状態が連続する可能性も高く、有利な状態と不利な状態の差が大きい斬新な遊技が実行可能となり、遊技者の興趣を高めることができる。そして、遊技球の消費量が多い通常動作状態であっても高確率状態であれば遊技を継続することとなるので、遊技店と遊技者の利益のバランスを保つことができる。
また、高確率状態かつ第2動作状態(潜伏モードB)である場合は、高確率状態かつ通常動作状態となる特別結果(2R潜伏)を選択しない。よって、潜伏モードBから2R突確の選択割合が低い潜伏モードAに移行することがなく、遊技者にとって有利な状態が連続する可能性が高まり、有利な状態と不利な状態の差が大きくなり遊技者の興趣を高めることができる。
また、第2変動表示ゲームの場合は2R大当りが選択されない。すなわち、通常動作状態または第2動作状態となる特別結果(2R潜伏、2R中サポ)は選択されない。これにより、第2始動入賞口への入賞が通常動作状態よりも容易となる第1又は第2動作状態であれば確実に出球を獲得でき、さらに第1動作状態が連続するようになり、遊技者にとって有利な状態が連続する可能性が高まるので、有利な状態と不利な状態の差が大きくなり遊技の興趣を高めることができる。
次に、本発明の実施形態の遊技機10におけるセンターケース40の詳細について説明する。
センターケース40は、図8に示すように表示部41aを有する表示装置41の前面側に前面構成部材600と、下方装飾演出部材753a、753b等を有する裏面構成部材700とを備えて構成されている。
前面構成部材600は、図9に示すように、環状のベースフレーム部材610と、前面構成部材600の上方から流下する遊技球の流入を阻止する左上側鎧部材620、左側鎧部材630及び右側鎧部材640と、前面構成部材600の左側部の外側から内側へ遊技球を移動させるワープ装置650と、ワープ装置650を経由して前面構成部材600の内側へ移動した遊技球を転動させるステージ部662を有するステージ構成部材660と、前面構成部材600の枠部を発光させる装飾発光部材670と、前面構成部材600の枠部を装飾する装飾部材680と、を備えている。
ワープ装置650は、当該装置650の入口を形成するワープ入口部材652と、当該装置650に流入した遊技球をステージ部662に流下させるワープ通路部材654と、を備えている。
ワープ入口部材652は、前面構成部材600の左側部の外側から流下した遊技球を流入可能に形成されており、当該部材に流入した遊技球を遊技盤30の後方へ誘導するように形成されている。
ワープ通路部材654は、前側通路部材654aと、後側通路部材654bと、を備えて構成されている。
前側通路部材654aは、その上端部がワープ入口部材652に接続されるようになっている。そして、前側通路部材654aは、ワープ入口部材652により遊技盤30の後方へ誘導された遊技球を右下方に流下させることができるようになっている。
また、前側通路部材654aの下端部は、当該通路部材を流下する遊技球を遊技盤30のさらに後方へ誘導するように形成されている。
後側通路部材654bは、前側通路部材654aの後壁をなす部材であるとともに、前側通路部材654aにより遊技盤30の後方へ誘導された遊技球をステージ部662へ排出する方向転換部材をなしている。
装飾発光部材670は、前面構成部材600の左側部を装飾発光させる左側装飾発光部材672と、当該前面構成部材600の上部を装飾発光させる上装飾発光部材674と、当該前面構成部材600の右側部を装飾発光させる右側装飾発光部材676と、当該前面構成部材600の下部を装飾発光させる下装飾発光部材678と、を備えて構成されている。
左側装飾発光部材672は、主に左側鎧部材630に設けられたクリア部材やワープ装置650を後方から間接的に発光させる部材であり、複数のLEDを配設した左側LED基板672aと、当該左側LED基板672aを後方から覆う左側LED基板カバー部材672bと、を備えている。
上装飾発光部材674は、主に右側鎧部材640の上部に設けられたクリア部材を後方から間接的に発光させる部材であり、複数のLEDを配設した上LED基板674aと、当該上LED基板674aを後方から覆う上LED基板カバー部材674bと、を備えている。
右側装飾発光部材676は、例えば、特図変動表示ゲームにおける大当りへ期待度をレベルメータにより発光表示する部材であり、図示は省略するが当該メータに対応する位置に複数のLEDを配設した右側LED基板と、当該右側LED基板を後方から覆う右側LED基板カバー部材と、を備えている。
下装飾発光部材678は、主にステージ構成部材660後方から間接的に発光させる部材であり、複数のLEDを配設した下LED基板678aと、当該下LED基板678aを後方から覆う下LED基板カバー部材678bと、を備えている。
下LED基板カバー部材678bは、ステージ構成部材660のステージ部662より上方に延設された延設部678b1を有している。これにより、延設部678b1は、ステージ部662を転動する遊技球が当該ステージ部662の後側へ進入することを防止している。また、延設部678b1は、クリア部材で構成されており、当該延設部678b1の後側に配設された下方可動演出部材751や下方装飾演出部材753a、753bを遊技盤30の前面側から視認可能となっている。
装飾部材680は、前面構成部材600の左側上部を装飾する左上装飾部材681と、左側鎧部材630を装飾する左側鎧部材装飾部材682と、ワープ装置650の前面を装飾するワープ装置装飾部材683と、前面構成部材600の下部を装飾する下装飾部材684、685と、前面構成部材600の右側下部を装飾する右下装飾部材686、687と、を備えて構成されている。
右下装飾部材686は、遊技盤30の前面側に突出するように配設されている(図35参照)。これにより、センターケース40の右下方を流下する遊技球が障害釘に衝突し跳ね上った場合でも、当該右下装飾部材686が遊技盤30の前面側に突出して設けられていることにより、当該右下装飾部材686が障害となり当該遊技球がステージ部662に進入することを防止することができるようになっている。
また、右下装飾部材686は、その上面に跳ね上がった遊技球を当該右下装飾部材686の左下方に配設された始動入賞口36へ誘導する球流下開口部686aを備えている。
次に、裏面構成部材700の詳細について、図10〜図14を用いて説明する。
図10は裏面構成部材700の正面図、図11は裏面構成部材700の斜視図、図12は裏面構成部材700の分解斜視図、図13は裏面構成部材700を構成する上方装飾演出装置740及び下方可動演出装置750の分解斜視図、図14は裏面構成部材700を構成する第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、及び第3可動演出装置770の分解斜視図である。
裏面構成部材700は、図10〜図12に示すように、前面が開口した箱形形状の制御ベース部材710と、当該制御ベース部材710の底部に配設される駆動ベース部材720と、当該駆動ベース部材720の上部に配設される第1可動演出装置730及び上方装飾演出装置740と、当該駆動ベース部材720の下部に配設される下方可動演出装置750と、当該駆動ベース部材720の左側部に配設される第2可動演出装置760と、当該駆動ベース部材720の右側部に配設される第3可動演出装置770と、を備えている。
制御ベース部材710は、透明な材質(クリア部材)からなり当該制御部材710の中央には、表示装置41の表示部41aに対応するように矩形状の開口710aが形成されている。
また、制御ベース部材710は、当該制御ベース部材710の外周に前方へ延出する板状の周囲壁710bを備えている。そして、当該周囲壁710bの前端部が遊技盤30や前面構成部材600に接続するようになっている。
駆動ベース部材720は、透明又は半透明な平板部材からなり、当該駆動ベース部材720の中央には、制御ベース部材710と同様に、表示装置41の表示部41aに対応するように矩形状の開口720aが形成されている。
また、駆動ベース部材720の上部には第1可動演出部材731(後述)を案内するための上ガイド溝726a、726bが設けられ、駆動ベース部材720の左側部には連動可動演出部材762(後述)を案内するための左側ガイド溝722a〜cが設けられ、駆動ベース部材720の右側部には連動可動演出部材772(後述)を案内するための右側ガイド溝724a〜cが設けられている。
上方装飾演出装置740は、図13に示すように、円板状の円板装飾部材741と、当該円板装飾部材741の近傍を装飾する第1補助装飾部材742と、ロゴタイプ(例えば、遊技機10のタイトル等)を形成したロゴタイプ装飾部材743と、当該ロゴタイプ装飾部材743の近傍を装飾する第2補助装飾部材744と、これらの装飾部材に後方から光を照射する複数のLEDを有するLED基板745と、当該LED基板745の前面を保護する前面カバー部材746と、円板装飾部材741、ロゴタイプ装飾部材743、及びLED基板745を取り付けるための上方装飾演出ベース部材747と、を備えている。
円板装飾部材741は、透明又は半透明なクリア部材で構成され、当該円板装飾部材741の左下部には第1補助装飾部材742を取り付けるための取付用ボス741aを備えている。
第1補助装飾部材742は、花を模した装飾部材であり、その裏面に取付用ボス741aに取り付け可能な突起部742aを備えている。
ロゴタイプ装飾部材743は、透明又は半透明なクリア部材で構成され、当該ロゴタイプ装飾部材743の右側部には第2補助装飾部材744を取り付けるための突起部743aを備えている。
第2補助装飾部材744は、花を模した装飾部材であり、当該第2補助装飾部材744の左上部には突起部743aに取り付け可能な取付用ボス744aを備えている。
LED基板745は、当該基板の平面上に上方装飾演出ベース部材747に複数設けられた位置決め用ボス747a、747a、…に挿通可能な位置決め孔745a、745a、…を有している。また、LED基板745は、円板装飾部材741及びロゴタイプ装飾部材743を上方装飾演出ベース部材747に取り付けるときのビス止め孔を複数有している。
前面カバー部材746は、LED基板745に配設されたLEDに他の装置の部材等が接触することを防止するカバー部材である。また、前面カバー部材746は、LED基板745と同様に、上方装飾演出ベース部材747に複数設けられた位置決め用ボス747a、747a、…に挿通可能な位置決め孔746a、746a、…や、円板装飾部材741及びロゴタイプ装飾部材743を上方装飾演出ベース部材747に取り付けるときのビス止め孔を複数有している。
上方装飾演出ベース部材747は、上述したように、円板装飾部材741やロゴタイプ装飾部材743、LED基板745を取り付けるためのベース部材であるとともに、後述する第1可動演出装置730の第1駆動機構部732、第2可動演出装置760の第2駆動機構部763、及び第3可動演出装置770の第3駆動機構部773の前面側を覆うカバー部材としての機能を有する部材である。
下方可動演出装置750は、図13に示すように、下方可動演出部材751と、下方可動演出部材751を駆動する下方可動演出部材駆動部752と、下方可動演出部材751の両側を装飾する下方装飾演出部材753a、753bと、を備えている。
下方可動演出部材751は、下方可動演出部材駆動部752による駆動力によって上下方向に往復移動することが可能となっている。
具体的には、下方可動演出部材751は、初期状態にあるとき遊技盤30の前面側から見て表示装置41の表示部41aと重ならない位置にある。そして、下方可動演出部材駆動部752による出力があると、下方可動演出部材751は、上方に移動して表示部41aと前後方向において重なる位置で所定時間保持されるようになっている。
第1可動演出装置730は、図14に示すように、第1可動演出部材731と、第1可動演出部材731を駆動する第1駆動機構部732と、第1駆動機構部732による駆動力を第1可動演出部材731に伝達する第1伝達機構部733と、第1可動演出部材731の初期位置を検出するための位置検出センサ734と、を備えている。
第1可動演出部材731は、仮面を模した部材で構成され、その裏面には連結ピン733c、733cの一端側を嵌め込み可能な挿通穴(図示省略)を2つ有している。なお、第1可動演出部材731は、左右対称となる位置に当該挿通穴を設けている。
第1駆動機構部732は、第1駆動モータ732aと、第1駆動ギヤ部732bと、第1駆動モータ732aを固定するとともに第1駆動ギヤ部732bの前面側を覆う第1駆動機構部カバー部材732cと、を備えている。
第1駆動ギヤ部732bは、第1駆動モータ732aのモータ軸732a1に軸支される駆動ギヤ732b1と、駆動ギヤ732b1とそれぞれ歯合する第1従動ギヤ732b2及び第2従動ギヤ732b3と、第2従動ギヤ732b3と歯合する第3従動ギヤ732b4と、を備えている(図19参照)。
第1従動ギヤ732b2は、後述する第1左側アーム部材733a1の一端に設けられたギヤ部733a1aと歯合するようになっている。また、第3従動ギヤ732b4は、後述する第1右側アーム部材733a2の一端に設けられたギヤ部733a2aと歯合するようになっている。
なお、第1〜第3従動ギヤ732b2〜4はそれぞれ同一の歯数・ピッチ円を有する平歯車となっている。そして、第3従動ギヤ732b4は、上術のように駆動ギヤ732b1との間に第2従動ギヤ732b3を介しているので、駆動ギヤ732b1を回動させると、第3従動ギヤ732b4は、第1従動ギヤ732b2と同一の回転速度で回動するが逆回転方向に回動することとなる。従って、第1左側アーム部材733a1と第1右側アーム部材733a2とは左右対称で同時に動かすことが可能となっている。
第1伝達機構部733は、第1アーム部材733aと、第1アーム部材733aの一端と回動可能に接続する第2アーム部材733bと、当該第2アーム部材733bと第1可動演出部材731とを連結する連結ピン733cと、トーションバネ733dと、を備えている。
第1アーム部材733aは、第1左側アーム部材733a1と、第1右側アーム部材733a2と、を備えている。なお、第1左側アーム部材733a1と第1右側アーム部材733a2は左右対称の一対の部材で構成されており、以下第1左側アーム部材733a1の詳細についてのみ説明し、第1右側アーム部材733a2の説明については省略する。
第1左側アーム部材733a1は、その一端にギヤ部733a1aを備えている(図19参照)。第1左側アーム部材733a1は、ギヤ部733a1aと第1従動ギヤ732b2とを歯合させることで、当該ギヤ部733a1aが設けられた一端側を回動中心として回動させることが可能となっている。
また、第1左側アーム部材733a1は、その他端側の表面側において接続ピンを介して後述する第2左側アーム部材733b1と回動可能に接続するようになっている。また、第1左側アーム部材733a1は、その他端側の裏面に第1左側アーム部材733a1の回動範囲を規制するための規制ピン733a1bを備えている。規制ピン733a1bは、上ガイド溝726aに挿通され、当該上ガイド溝726aを摺動可能となっている。
第2アーム部材733bは、第2左側アーム部材733b1と、第2右側アーム部材733b2と、を備えている。第2左側アーム部材733b1と第2右側アーム部材733b2は左右対称の一対の部材で構成されている。
以下、第2左側アーム部材733b1の詳細について説明し、第2右側アーム部材733b2については第2左側アーム部材733b1と異なる部分についてのみ説明する。
第2左側アーム部材733b1は、その一端が接続ピンを介して第1左側アーム部材733a1と回動可能に接続するようになっている。また、第2左側アーム部材733b1は、その他端にギヤ部733b1aを備えており、第2右側アーム部材733b2に設けられたギヤ部733b2aと歯合するようになっている。
第2右側アーム部材733b2は、第1右側アーム部材733a2と接続される側の端部に突片733b2bを備えており、位置検出センサ734によって当該突片733b2bを検出することで、第1可動演出部材731の初期位置を検出可能となっている。
連結ピン733c、733cは左右一対の部材であり、その一端はギヤ部733b1a、733b2aにそれぞれ挿通され、その他端はそれぞれ第1可動演出部材731の裏面に嵌め込まれるようになっている。
トーションバネ733d、733dは左右一対の部材であり、第1左側アーム部材733a1と第1右側アーム部材733a2の回動中心部周りにそれぞれ設けられ、その復元力が第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いられる。
位置検出センサ734は、第1可動演出部材731が初期位置にあることを検出するためのセンサであり、上ガイド溝726の上端の近傍に配設される(図19参照)。
第2可動演出装置760は、図14に示すように、第2可動演出部材761と、第2可動演出部材761と連動して動く連動可動演出部材762と、第2可動演出部材761を駆動する第2駆動機構部763と、第2可動演出部材761の初期位置を検出するための位置検出センサ764と、を備えている。
第2可動演出部材761は、左上可動演出部材761aと、左下可動演出部材761bと、を備えている。
左上可動演出部材761aは、前面側左上可動演出部材761a1と、裏面側左上可動演出部材761a2と、前面側左上可動演出部材761a1及び裏面側左上可動演出部材761a2により挟持されるLED基板761a3及び突片761a4と、トーションバネ761a5と、を備えている。
前面側左上可動演出部材761a1は、ハート形状の前面側左上本体部761a1aと、前面側左上アーム部761a1bと、を備えている。
前面側左上アーム部761a1bは、その一端が前面側左上本体部761a1aに接続され、他端が後述する第2駆動機構部763の第4従動ギヤ763b5に接続され、当該他端側を回動中心として回動可能となっている。
トーションバネ761a5は、左上可動演出部材761aの回動中心部周りに設けられ、その復元力が左上可動演出部材761aを初期位置に戻すときの動作補助に用いられる。
裏面側左上可動演出部材761a2は、ハート形状の裏面側左上本体部761a2aと、裏面側左上アーム部761a2bと、を備えている。
裏面側左上本体部761a2aは、その平面上に後述する左上連動可動演出部材762aの連結ピン762a2を挿通させるための長孔761a2a1を有している(図26参照)。
左下可動演出部材761bは、前面側左下可動演出部材761b1と、裏面側左下可動演出部材761b2と、前面側左下可動演出部材761b1及び裏面側左下可動演出部材761b2により挟持されるLED基板(図示省略)と、を備えている。
前面側左下可動演出部材761b1は、ハート形状の前面側左下本体部761b1aと、左下アーム部761b1bと、を備えている。
左下アーム部761b1bは、その一端が前面側左下本体部761b1aに接続され、他端が後述する第2駆動機構部763の第2従動ギヤ763b3に接続され、当該他端側を回動中心として回動可能となっている。
また、左下アーム部761b1bは、当該アームの途中に左下アーム部761b1bの動作範囲を規制するための規制部761b1b1を備えている。この規制部761b1b1は、規制ピン761b1b2を備えており、後述する駆動機構部ベース部材763cに設けられた長孔763c1に挿通されるようになっている。
裏面側左下可動演出部材761b2は、ハート形状の裏面側左下本体部761b2aを備えている(図15参照)。
裏面側左下本体部761b2aは、その平面上に後述する左下連動可動演出部材762bの連結ピン762b2を挿通させるための長孔761b2a1を有している。
連動可動演出部材762は、左上可動演出部材761aに連動する左上連動可動演出部材762aと、左下可動演出部材761bに連動する左下連動可動演出部材762bと、を備えている。
左上連動可動演出部材762aは、左上連動可動演出部材762aの移動先を案内する案内ピン762a1と、左上可動演出部材761aと連結させる連結ピン762a2と、を備えている。
案内ピン762a1は、左上連動可動演出部材762aの後方に向かって突設され、左側ガイド溝722aに挿通されるようになっている。連結ピン762a2は、左上連動可動演出部材762aの前方に向かって突設され、裏面側左上本体部761a2aの長孔761a2a1に挿通されるようになっている。
左下連動可動演出部材762bは、左下連動可動演出部材762bの移動先を案内する第1案内ピン762b1及び第2案内ピン762b2と、左下可動演出部材761bと連結させる連結ピン762b3と、を備えている。
第1案内ピン762b1は、左下連動可動演出部材762bの後方に向かって突設され、左側ガイド溝722bに挿通されるようになっている。また、第2案内ピン762b2は、第1案内ピン762b1と同様に、左下連動可動演出部材762bの後方に向かって突設され、左側ガイド溝722cに挿通されるようになっている。連結ピン762b3は、左下連動可動演出部材762bの前方に向かって突設され、裏面側左下本体部761b2aの長孔761b2a1に挿通されるようになっている。
第2駆動機構部763は、第2駆動モータ763aと、第2駆動ギヤ部763bと、第2駆動モータ763aを固定するとともに第2駆動ギヤ部763bを配設する駆動機構部ベース部材763cと、を備えている。
第2駆動ギヤ部763bは、第2駆動モータ763aのモータ軸763a1に軸支される駆動ギヤ763b1と、駆動ギヤ763b1とそれぞれ歯合する第1従動ギヤ763b2と、第1従動ギヤ763b2と歯合する第2従動ギヤ763b3と、第2従動ギヤ763b3と歯合する第3従動ギヤ763b4と、第3従動ギヤ763b4と歯合する第4従動ギヤ763b5と、を備えている(図15、図37参照)。
第2従動ギヤ763b3には、左下アーム部761b1bが接続され、第2従動ギヤ763b3の回動に連動して左下可動演出部材761bを回動させることが可能となっている。
第4従動ギヤ763b5には、前面側左上アーム部761a1bが接続され、第4従動ギヤ763b5の回動に連動して左上可動演出部材761aを回動させることが可能となっている。
駆動機構部ベース部材763cは、その左側部に左下アーム部761b1bの規制ピン761b1b2を挿通させることが可能な長孔763c1を有している。
また、駆動機構部ベース部材763cは、第2駆動モータ763a及び第2駆動ギヤ部763bを配設するとともに、第3駆動機構部773の第3駆動モータ773a及び第3駆動ギヤ部773bを配設することができるようになっている。
位置検出センサ764は、左上可動演出部材761aが初期位置にあることを検出するためのセンサであり、具体的には、突片761a4を検出することによって、左上可動演出部材761aを検出することができるようになっている。
第3可動演出装置770は、図14に示すように、第3可動演出部材771と、第3可動演出部材771と連動して動く連動可動演出部材772と、第3可動演出部材771を駆動する第3駆動機構部773と、第3可動演出部材771の初期位置を検出するための位置検出センサ774と、を備えている。
なお、第2可動演出装置760と第3可動演出装置770は左右対称の部材で構成されており、第3可動演出装置770については第2可動演出装置760と異なる部分についてのみ説明する。
右下アーム部771b1bは、当該アームの途中に右下アーム部771b1bの動作範囲を規制するための規制部771b1b1を備えている。この規制部771b1b1は、規制ピン771b1b2を備えており、駆動ベース部材720に設けられる長孔形成部材728の長孔728aに挿通されるようになっている。
次に、第1可動演出装置730の動作態様について、図15〜図23を用いて説明する。
ここで、第1駆動機構部732は、第2駆動機構部763及び第3駆動機構部773の非作動時に作動するように、演出制御装置300によって制御されている。
図15及び図16は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の正面図であり、具体的には、図15は、第1可動演出部材731を取り外した状態を示す図、図16は、第1可動演出部材731を取り付けた状態を示す図である。なお、図15〜図23は、説明の都合上、上方装飾演出装置740や下方可動演出装置750、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770等を取り外した状態の図としている。
図15に示すように、第1可動演出装置730の第1伝達機構部733は、第1左側アーム部材733a1、第1右側アーム部材733a2、第2左側アーム部材733b1、及び第2右側アーム部材733a2の4節のリンクによって菱形リンク機構を構成している。そして、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733a2の端部に接続される第1可動演出部材731を昇降可能としている。
図16に示すように、第1可動演出部材731が初期位置にあるとき、遊技盤30の前方から見たときに、第1可動演出部材731が表示装置41の表示部41aの前面に重ならない位置にある。また、このとき、位置検出センサ734によって、第2右側アーム部材733b2の突片733b2bを検出することで、第1可動演出部材731が初期位置にあることを検出している(図15参照)。
図17及び図18は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の裏面図であり、具体的には、図17は、第1可動演出部材731を取り外した状態を示す図、図18は、第1可動演出部材731を取り付けた状態を示す図である。
図17及び図18に示すように、第1可動演出部材731が初期位置にあるとき、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726、726の上端部にある。
図19〜図21は、第1可動演出部材731が動作中(下降中)の態様を示す裏面構成部材700の図であり、具体的には、図19は、第1可動演出部材731を取り付けた状態の裏面構成部材700の正面図、図20は、図19の裏面図、図21は、第1可動演出部材731を取り外した状態の裏面構成部材700の正面図である。
図19及び図21に示すように、第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム部材733a2がそれぞれ回動すると、菱形リンク機構を構成する第2左側アーム部材733b1は第1右側アーム部材733a2と平行となるように移動し、また、第2右側アーム部材733b2は第1左側アーム部材733a1と平行となるように移動して、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2の端部に接続された第1可動演出部材731が下降することとなる。
また、このとき、図20に示すように、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726a、726bの内壁を摺動することとなる。
図22及び図23は、第1可動演出部材731が下降しきった状態を示す裏面構成部材700の図であり、具体的には、図22は、このときの裏面構成部材700の正面図、図23は、図22の裏面図である。
図22及び図23に示すように、第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム部材733a2がさらに回動すると、第2左側アーム部材733b1は第1右側アーム部材733a2と平行となるようにさらに移動し、また、第2右側アーム部材733b2は第1左側アーム部材733a1と平行となるように移動し、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2の端部に接続された第1可動演出部材731がさらに下降して、表示部41aの前面に重なる位置に配置されることとなる。このとき、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726a、726bの下端部に達する。
次に、第2可動演出装置760の動作態様について、図24〜図31を用いて説明する。
ここで、第2駆動機構部763は、第1駆動機構部732及び第3駆動機構部773の非作動時に作動するように、演出制御装置300によって制御されている。
図24及び図25は、第2可動演出部材761が動作中であるが連動可動演出部材762が動作前であることを示す裏面構成部材700の図である。
なお、図24〜図31は、説明の都合上、上方装飾演出装置740や下方可動演出装置750、第3可動演出装置770等を取り外した状態の図としている。
図24及び図25に示すように、第2可動演出部材761が動作を開始すると、当該第2可動演出部材761を構成する左上可動演出部材761a及び左下可動演出部材761bは、それぞれ表示部41a前面の左側から中央へ向かって移動することとなる。
図26及び図27は、第2可動演出部材761が引き続き動作中であり、連動可動演出部材762が動作を開始する直前であることを示す裏面構成部材700の図である。
図26及び図27に示すように、左上可動演出部材761a及び左下可動演出部材761bがそれぞれ表示部41a前面の左側から中央へ向かってさらに移動することによって、連動可動演出部材762を構成する左上連動可動演出部材762aの連結ピン762a2が左上可動演出部材761aの長孔761a2a1の左端部に接触し、また、左下連動可動演出部材762bの連結ピン762b3が左下可動演出部材761bの長孔761b2a1の左端部に接触することとなる。
図28及び図29は、第2可動演出部材761と連動して連動可動演出部材762が動作を開始した状態を示す裏面構成部材700の図である。
図28及び図29に示すように、左上可動演出部材761a及び左下可動演出部材761bがそれぞれ表示部41a前面の左側から中央へ向かってさらに移動することによって、連結ピン762a2によって接続された左上連動可動演出部材762aが表示部41a前面の左側から中央へ向かって引き出され、また、連結ピン762b3によって接続された左下連動可動演出部材762bが表示部41a前面の左側から中央へ向かって引き出されることとなる。そして、このとき、図29に示すように、左上連動可動演出部材762aの案内ピン762a1は、左側ガイド溝722aを摺動する。また、左下連動可動演出部材762bの第1案内ピン762b1が左側ガイド溝722bを、第2案内ピン762b2が左側ガイド溝722cを摺動する。
図30及び図31は、第2可動演出部材761及び連動可動演出部材762が表示部41a前面の左側から中央へ移動し終わった状態を示す裏面構成部材700の図である。
図30及び図31に示すように、第2可動演出部材761及び連動可動演出部材762が表示部41a前面の左側から中央へ移動し終わったとき、左上連動可動演出部材762aの案内ピン762a1は、左側ガイド溝722aの右端部に達した状態となっている。また、左下連動可動演出部材762bの第1案内ピン762b1が左側ガイド溝722bの右端部に、第2案内ピン762b2が左側ガイド溝722cの右端部に達した状態となっている。
次に、第1可動演出部材731の動作後の位置と第2可動演出部材761及び第3可動演出部材771の動作後の位置との関係について、図32を用いて説明する。
図32(a)は、第2可動演出部材761及び第3可動演出部材771の動作後の位置を示す図、図32(b)は、第1可動演出部材731の動作後の位置を示す図である。
図32(a)、(b)に示すように、第1可動演出部材731は、当該第1可動演出部材731の動作後の位置が、第2可動演出部材761の動作後の裏面側左上本体部761a2a及び裏面側左下本体部761b2aの略中心を結ぶ垂直線分A上、且つ、第3可動演出部材771の動作後の裏面側右上本体部771a2a及び裏面側右下本体部771b2aの略中心を結ぶ垂直線分B上となるように設けられている。
次に、下方可動演出装置750を配設するための装飾空間Sについて、図33〜図36を用いて説明する。
装飾空間Sは、図33〜図35に示すように、ステージ部662の後方に配設された延設部678b1とその後方に配設される駆動ベース部材720との間に設けられた空間に設けられるようになっている。
また、図34に示すように、遊技盤30の側面から見たときに、装飾空間Sと略同じ幅の空間内に第1可動演出部材731、第2可動演出部材761、及び連動可動演出部材762が重なった状態で収納されるように構成されている。また、図示は省略するが、第3可動演出部材771及び連動可動演出部材772についても、第1可動演出部材731、第2可動演出部材761、及び連動可動演出部材762と重なった状態で収納されるように構成されている。
また、図35及び図36に示すように、駆動ベース部材720の左下部に設けられた左側ガイド溝722cを第2案内ピン762b2が摺動することによって、左下連動可動演出部材762bが可動するので、下方装飾演出部材753aは、左下連動可動演出部材762bと衝突しないように、駆動ベース部材720の前面側に所定の間隔をあけて配設されるようになっている。
また、下方装飾演出部材753bについても、右下連動可動演出部材772bと衝突しないように、駆動ベース部材720の前面側に所定の間隔をあけて配設されるようになっている。
以上のように、本実施形態の遊技機10は、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを表示可能な表示部41aを有する表示装置41と、該表示装置41の前面側に移動する可動演出部材(第1可動演出部材731、第2可動演出部材761、第3可動演出部材771)を有する可動演出ユニット(第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770)が配設されたセンターユニット(センターケース40)を備える遊技機であって、複数の可動演出ユニット(第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770)は、当該可動演出ユニットに備えられる可動演出部材を駆動するための駆動源(第1駆動機構部732、第2駆動機構部763、第3駆動機構部773)をそれぞれ備え、駆動源は、当該駆動源を備える可動演出ユニット以外の可動演出ユニットの非作動時に作動するように制御され、複数の可動演出ユニットに備えられる各可動演出部材は、対応する駆動源が作動することにより表示装置41の前面側の所定の領域に移動し、かつ、当該所定の領域は、複数の可動演出部材によって共有されることとなる。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、駆動源は、当該駆動源を備える可動演出ユニット以外の可動演出ユニットの駆動源が作動していないときに、作動するように制御されているので、複数の可動演出部材が同時に移動することがなくなり、複数の可動演出部材の動作の何れに注目すべきであるのか迷うことがなくなる。
また、各可動演出部材は、駆動源が作動することにより表示装置41の前面側の所定の領域に移動し、かつ、この所定の領域は、複数の可動演出部材によって共有されるので、視線をあまりずらす必要がなく、認識しやすい上、興趣を高める複数の可動演出部材による動作演出を行うことができるようになる。
また、センターユニット(センターケース40)の垂直方向中心線の片側の領域に注目したときに、各可動演出部材(第1可動演出部材731、第2可動演出部材761、第3可動演出部材771)が前記所定の領域に移動した状態で、それぞれの下端が同一垂直線上に位置するように構成したこととなる。
従って、センターユニットの垂直方向中心線の片側の領域に注目したときに、各可動演出部材が所定の領域に移動した状態で、それぞれの下端が同一垂直線上に位置するので、視線をあまりずらす必要がなくより、認識しやすい上、興趣を高める複数の可動演出部材による動作演出を行うことができるようになる。
また、複数の可動演出ユニット(第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770)に備えられる各可動演出部材(第1可動演出部材731、第2可動演出部材761、第3可動演出部材771)は、初期位置にあるとき、当該遊技機10の側面から見て所定の幅の空間内に重なった状態で収納されるように構成したこととなる。
従って、各可動演出部材が初期位置にあるとき、当該遊技機10の側面から見て所定の幅の空間内に重なった状態で収納されるように当該各可動演出部材を配設するようにしたので、当該各可動演出部材の省スペース化を図ることができる。
また、センターユニット(センターケース40)は、遊技領域32を流下する遊技球を当該センターユニット内に流入させるためのワープ装置650と、表示装置41の前方に左右方向に延設され、ワープ装置650によって当該センターユニット内に流入した遊技球が転動するステージ部662と、ステージ部662と表示装置41との間に設けられ、ステージ部662を転動する遊技球が表示装置41に衝突することを防止する壁部(延設部678b1)と、を備え、表示装置41と当該壁部との間に前記所定の幅の空間を形成し、当該空間に装飾部材(下方可動演出装置750)を配設可能な装飾空間部(装飾空間S)を設けたこととなる。
従って、表示装置41と壁部との間に各可動演出部材を収納する所定の幅の空間を形成するだけでなく、当該空間に装飾部材を配設可能な装飾空間部を設けたので、当該空間を有効利用することができるようになる。
また、複数の可動演出ユニット(第1可動演出装置730、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770)のうちの一の可動演出ユニット(第1可動演出装置730)は、駆動源(第1駆動機構部732)の動力を可動演出部材(第1可動演出部材731)に伝える伝達機構部(第1伝達機構部733)を備え、伝達機構部は、回動動作を変換して当該可動演出部材を直線運動させる菱形リンク機構を有することとなる。
従って、伝達機構部は、回動動作を変換して可動演出部材を直線運動させる菱形リンク機構を用いているので、簡易な機構によって当該可動演出部材を直線運動させることが可能となる。
次に、本実施形態の遊技機10の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図38及び図39に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図40に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図38に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図39のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図39のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図39のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図40に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図40のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図41に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図42に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図43に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA220)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA222、A223、A224)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA211;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA211にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA211;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA225)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図44に示すように、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップA231)を行い、満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA232;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力である場合は、先読み禁止フラグがセットされておらず、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない場合、即ち、時短状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA233)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックして対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA236)。次に、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定し(ステップA237)、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する(ステップA238)。その後、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA239)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA240;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定し(ステップA241)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。また、判定結果が小当りでない場合(ステップA240;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA242)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA243)を行った後、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA244)。次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA245)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA246)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA247)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA248)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA249)を行う。なお、ステップA247における特図情報設定処理、ステップA248における後半変動パターン設定処理、ステップA249における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA250)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA251)、コマンド設定処理(ステップA252)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA250、A251にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA253にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図45に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA312)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)を行う。特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA314)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図46に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA320)を行う。その後、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図1停止図柄の特図1停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、図柄情報領域から特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードし(ステップA324)、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、上述の特図1変動開始処理と同様の処理である。具体的には、図47に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA370)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA371)を行った後、設定された特図2停止図柄の特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA372)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードし(ステップA373)、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA374)。
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA375)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA376)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA377)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA378)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA379)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA380)を行う。
その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA381)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA381)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図48に示すように、特図1停止図柄設定処理では、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1が大当りであるかをチェックする(ステップA391)。そして、大当りである場合(ステップA392;Yes)は、遊技状態を取得し(ステップA392)、取得した遊技状態に基づく特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(ステップA394)。ここで取得する遊技状態は、特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)と、普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態、第1動作状態又は第2動作状態)である。この遊技状態により選択される特図1大当り停止図柄情報テーブルには、図6に示したような、各遊技状態に応じた特別結果の選択割合が設定されており、これにより現在の遊技状態に応じた特別結果の選択割合(特別遊技状態の終了後における普通変動入賞装置37の動作状態の選択割合)が設定されることとなる。
その後、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロードし(ステップA395)、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備して(ステップA396)、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA397)。この処理により特別結果の種類が選択される。そして、停止図柄を設定する停止図柄情報設定処理を行い(ステップA398)、飾り特図コマンドテーブルを設定して(ステップA399)、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得する(ステップA402)。
図49に示すように停止図柄情報設定処理では、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得して図柄情報領域にセーブする(ステップA411)。これにより特別結果の図柄が設定される。そして、停止図柄番号に対応する状態判別フラグを取得して図柄情報領域にセーブする(ステップA412)。状態判別フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態や動作状態を設定するためのものである。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA413)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA414)。
図48に戻り、大当りでない場合(ステップA392;No)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA400)、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブして、(ステップA401)、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得する(ステップA402)。
図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得した後(ステップA402)、飾り特図コマンド(MODE)を設定し(ステップA403)、飾り特図コマンド領域にコマンドをセーブする(ステップA404)。そして、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアし(ステップA405)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
なお、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA371)では、特図1停止図柄設定処理の対象を第2特図変動表示ゲームとして同様の処理を行う。ただし、遊技状態を取得する処理(ステップA392)と、取得した遊技状態に基づく特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する処理(ステップA394)に替えて、遊技状態にかかわらず常に同じ特図2大当り停止図柄情報テーブルを準備する処理を行う。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA329)、特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA378)の詳細について説明する。図50に示すように特図情報設定処理では、まず、準備したフラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)を対象の特図を示すフラグとして図柄判別フラグ(作業用)領域にセーブする(ステップA421)。
次に、情報生成パラメータ1として、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)を加算し(ステップA422)、情報生成パラメータ2として切替変動なしの値「0」を設定する(ステップA423)。切替変動とは、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)してから規定回数目(ここでは10回目)の特図変動表示ゲームの変動パターンを特殊変動パターンとすることである。
そして、特殊変動切替フラグがあるかをチェックする(ステップA424)。特殊変動切替フラグは、特殊変動パターンが設定される特図変動表示ゲームに対して設定されるフラグである。この特殊変動フラグがない場合(ステップA425;No)、すなわち、特殊変動パターンが設定されない場合は、滞在モード情報設定処理(ステップA427)を行う。また、特殊変動フラグがある場合(ステップA425;Yes)、すなわち、特殊変動パターンが設定される場合は、情報生成パラメータ2として特殊変動切替実行フラグを設定し(ステップA426)、滞在モード情報設定処理(ステップA427)を行う。
図51に示すように滞在モード情報設定処理では、まず、情報生成パラメータ3として滞在モード情報をロードし(ステップA441)、現在の普通変動入賞装置37の動作状態が普電サポート中(時短状態中)であるかを判定する(ステップA442)。そして、普電サポート中でない場合(ステップA442;No)は、現在の確率状態が高確率状態であるかを判定し(ステップA443)、高確率状態である場合(ステップA443;Yes)は、情報生成パラメータ3として高確率&普電サポートなしの値を設定し(ステップA447)、滞在モード情報設定処理を終了する。この場合は、演出状態が潜伏モードAである場合である。
また、高確率状態でない場合(ステップA443;No)は、現在の演出状態が通常モードであるかを判定する(ステップA444)。そして、通常モードでない場合(ステップA444;No)、すなわち、潜伏モードAである場合は、情報生成パラメータ3として普電サポートなし2の値を設定し(ステップA445)、滞在モード情報設定処理を終了する。また、通常モードである場合(ステップA444;Yes)は、情報生成パラメータ3として普電サポートなし1の値を設定し(ステップA446)、滞在モード情報設定処理を終了する。
一方、普電サポート中である場合(ステップA442;Yes)は、現在の普通変動入賞装置37の動作状態が中サポ(第2動作状態)であるかを判定する(ステップA448)。そして、中サポである場合(ステップA448;Yes)は、情報生成パラメータ3として高確率&中サポの値を設定し(ステップA452)、滞在モード情報設定処理を終了する。この場合は、演出状態が潜伏モードBである場合である。また、中サポでない場合(ステップA448;No)、すなわち高サポ(第1動作状態)である場合は、現在の確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA449)。
そして、高確率状態である場合(ステップA449;Yes)は、情報生成パラメータ3として高確率&普電サポート中の値を設定し(ステップA450)、滞在モード情報設定処理を終了する。この場合は、演出状態が確変モードである場合である。また、高確率状態でない場合(ステップA449;No)は、情報生成パラメータ3として低確率&普電サポート中の値を設定し(ステップA451)、滞在モード情報設定処理を終了する。この場合は、演出状態が時短モードである場合である。
図50に戻り、上述の滞在モード情報設定処理(ステップA427)を行った後、情報生成パラメータ1と3を元に前半変動情報1を生成して前半変動情報1領域にセーブし(ステップA428)、情報生成パラメータ3を元に前半変動情報2を生成して前半変動情報2領域にセーブする(ステップA429)。前半変動情報とは、変動パターンのうちリーチ状態となるまでの前半変動パターンを決定するための情報である。そして、前半変動情報1は、結果がはずれでありリーチ状態とならない場合の前半変動情報である。この前半変動情報1は特図保留数も考慮して前半変動パターンが決定されるため、情報生成パラメータ1と3を元に生成される。また、前半変動情報2は、結果がはずれでありリーチ状態となる場合や結果が大当りとなる場合の前半変動情報である。この前半変動情報2は特図保留数を考慮せずに前半変動パターンが決定される。なお、この前半変動情報1、2を生成した時点ではどちらが用いられるかは決定されておらず、後に他の情報生成パラメータを参照して決定される。
次に、情報生成パラメータ4として、はずれや大当りの場合の図柄に関する情報である図柄情報(作業用)をロードし(ステップA430)、情報生成パラメータ5として、特図変動表示ゲームを実行するのが特図1と2の何れであるかの情報である図柄判別フラグ(作業用)をロードする(ステップA431)。
そして、情報生成パラメータ2、4及び5を元に前半変動グループ情報を生成して対象の前半変動グループ情報領域にセーブする(ステップA432)。これにより、上述の前半変動情報1と2の何れを用いるかが決定されることとなる。その後、情報生成パラメータ1から5を元に後半変動グループ選択テーブルポインタを生成して準備し(ステップA433)、特図情報設定処理を終了する。
以上の処理により、遊技状態や演出状態に応じた特図情報が設定されることとなる。なお、情報生成パラメータ2として特殊変動切替実行フラグが設定されている場合は、特殊変動パターンを設定する旨の特図情報が設定される。ここで設定された特図情報を用いて、後半変動パターン設定処理(ステップA330、A379)、変動パターン設定処理(ステップA331、A380)、変動開始情報設定処理(ステップA332、A381)において演出状態に応じた変動パターンが設定されることとなり、さらに、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)してから規定回数目(ここでは10回目)の特図変動表示ゲームの変動パターンを特殊変動パターンとすることが可能となる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図52に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン情報)が、はずれ図柄パターンであるかをチェックする(ステップA521)。
そして、図柄情報がはずれ図柄である場合(ステップA522;Yes)は、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(ステップA523)。後半変動番号がリーチなしの番号である場合(ステップA524;Yes)は、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA525)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。また、後半変動番号がリーチなしの番号でない場合(ステップA524;No)、すなわちリーチありの場合は、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態となる場合であるはずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA526)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
一方、図柄情報がはずれ図柄でない場合(ステップA522;No)、すなわち大当り又は小当りである場合は、大当り時又は小当り時の特図表示時間ポインタを設定し(ステップA527)、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行った後、特図停止時間ポインタに対応する停止時間を取得する処理(ステップA529)を行う。この処理では、ステップA525にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタ、ステップA526にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、ステップA527にて設定された大当り時又は小当り時の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する。
そして、取得した特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA530)、特図表示中処理移行設定処理(ステップA531)を行って、特図変動中処理を終了する。特図表示中処理移行設定処理(ステップA531)では、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。
図53、図54には、変動パターンテーブルの一例を示した。結果がはずれの場合、基本的には図53(a)に示すように、リーチなしの変動パターンや各種リーチ状態となる変動パターンが選択可能である。また、図53(b)に示すように、結果がはずれの場合であって演出状態が確変モードである場合は、リーチなしの変動パターンのみが選択される。結果が大当りの場合は必ずリーチ状態となるので、確変モードではリーチ状態となることで大当りであることが明確に報知されることとなる。ただし、確変モードでは第1動作状態であるので第2特図変動表示ゲームが主に実行されるが、第1特図変動表示ゲームが実行され小当りとなる場合もリーチ状態となる。また、図53(c)に示すように、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果がはずれとなる場合は、特殊変動パターンとしてNリーチで変動時間が29.5秒の変動パターンのみが選択される。なお、この場合の結果態様を表示する停止時間は0.5秒であるので、実行時間は30秒となる。
図54に示すように結果が大当りの場合、基本的には図54(a)に示すようにリーチなし以外の変動パターンが選択される。なお、2R大当りの場合は、Nリーチで変動時間が12秒の変動パターンのみが選択される。また、図54(b)に示すように、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果が大当りとなる場合は、15R大当りの場合はSPリーチのみが選択される。また、2R大当りの場合は特殊変動パターンとしてNリーチで変動時間が8.5秒の変動パターンのみが選択される。なお、この場合の結果態様を表示する停止時間は1.0秒であるので、実行時間は9.5秒となる。
図54(c)に示すように結果が小当りの場合、基本的にはNリーチで変動時間が12秒の変動パターンが選択される。これは2R大当りと同じ変動パターンである。しかし、図54(d)に示すように、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果が小当りとなる場合は、特殊変動パターンとしてNリーチで変動時間が8.5秒の変動パターンのみが選択される。なお、この場合の結果態様を表示する停止時間は1.0秒であるので、実行時間は9.5秒となる。
なお、2R大当りの場合の変動パターンを、Nリーチで変動時間が9.5秒の変動パターンのみとし、小当りの場合の変動パターンを状態によらずNリーチで変動時間が9.5秒の変動パターンのみとしても良い。また、規定回数で小当りや2R大当りとなる場合の変動パターンとして通常時に出現頻度の低いSP3リーチ等を選択可能としても良い。また、規定回数となる特図変動表示ゲームの変動パターンをリーチ無しの変動パターンとして飾り特図変動表示ゲームの変動が目立たないようにし、遊技者がこの飾り特図変動表示ゲームで行われる後述する共通の演出に注目するようにしても良い。
図55には、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームの実行態様を示した。はずれの場合の特図変動表示ゲームは、29.5秒変動表示した後に0.5秒停止表示するので実行時間は30秒となる。また、2R大当り又は小当りの場合の特図変動表示ゲームは、8.5秒変動表示した後に1.0秒停止表示するので実行時間は9.5秒となる。その後、特別遊技状態又は特定遊技状態の実行時間が20.5秒あるので、2R大当り又は小当りとなる特図変動表示ゲームの実行時間と特別遊技状態又は特定遊技状態の実行時間と足した時間が30秒となる。すなわち、はずれの場合の特図変動表示ゲームの実行時間と、2R大当り又は小当りの場合の特図変動表示ゲームの実行時間に特別遊技状態又は特定遊技状態の実行時間を加えた時間が同一の時間となっている。
この同一の時間においては、演出制御装置300が潜伏モードの継続の有無に関する共通の演出として、潜伏モードが継続する旨の共通継続演出か、潜伏モードが終了して通常モードへ戻る旨の共通終了演出か、他のモード(ここでは確変モード)へ移行する旨の共通移行演出の何れかを実行する。共通終了演出が行われるのは結果がはずれの特図変動表示ゲームの場合であって、通常モードで小当りとなることにより潜伏モードとなっていた場合である。共通移行演出が行われるのは結果が2R確変の場合である。共通継続演出が行われるのは、通常モードで小当りとなることにより潜伏モードとなっていた場合であって結果が小当り又は2R潜伏となる場合や、2R中サポや2R潜伏を契機に潜伏モードとなっていた場合であって結果がはずれ、小当り、2R中サポ又は2R潜伏である場合である。このように、複数の場合に共通の演出データを用いることができるように特図変動表示ゲームの実行時間を設定することで、記憶する必要がある演出データの削減が可能となる。
また、通常モードで小当りとなることにより潜伏モードとなっていた場合であっても、規定回数目となる特図変動表示ゲームの結果が再び小当りとなる場合は、さらに規定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで潜伏モードとなる。この場合は共通継続演出が行われるので、当初から潜伏モードが継続することが決まっている場合(高確率状態の場合)と、再度の小当りの発生により潜伏モードが継続する場合(通常確率状態の場合)との判別を困難にすることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、通常モードで小当りとなることにより潜伏モードとなっていた場合であって、規定回数目となる特図変動表示ゲームの結果が2R潜伏や2R中サポとなる場合も共通継続演出が行われて潜伏モードが継続する(この場合は高確率状態となる)ので、より確率状態の判別が困難となり遊技の興趣を向上することができる。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図56に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における小当りフラグ設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA541)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする(ステップA542)。次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA543)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA544)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップA545)、大当りである(ステップA546;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA552)を行う。次に、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA553)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA554)を行う。
一方、ステップA546にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA546;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA547)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA548)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA549)、大当りである(ステップA550;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA551)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA554)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA554)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA555)。続けて、ラウンド数上限値情報対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA556)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄パターン番号)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA561)、コマンド設定処理(ステップA562)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA563)、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA564)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA565)、大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA566)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA567)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA568)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA569)を行い、特図表示中処理を終了する。この処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA550にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA550;No)と判定すると、図57に示すように、特定変動フラグがあるかを判定する(ステップA570)。特定変動フラグは、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)した際に設定されるフラグである。この特定変動フラグがない場合(ステップA570;No)は、先読み禁止フラグがあるかを判定する(ステップA575)。
また、特定変動フラグがある場合(ステップA570;Yes)は、特定変動回数を−1更新し(ステップA571)、特定変動回数が1であるかを判定する(ステップA572)。なお、特定変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に規定回数(ここでは10)が初期値として設定される。そして、特定変動回数が1でない場合(ステップA572)は、先読み禁止フラグがあるかを判定する(ステップA574)。特定変動回数が1である場合(ステップA572;Yes)、すなわち次の特図変動表示ゲームが規定回数目の特図変動表示ゲームとなる場合は、特定変動フラグをクリアし(ステップA573)、特定変動切替フラグをセットして(ステップA574)、先読み禁止フラグがあるかを判定する(ステップA575)。この特定変動切替フラグをセットすることにより、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンが特殊変動パターンとなる。
先読み禁止フラグは、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)してから規定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行するまでに設定されるフラグであり、このフラグが設定されている期間は第1始動記憶についての先読み演出が禁止される。潜伏モードAとBでの普通変動入賞装置37の動作状態は、普図確率のみを異ならせた状態であり、何れの状態であるかを分かりにくくしている。しかし、潜伏モードAでは通常動作状態であるので第1始動記憶についての先読み演出が可能であるが、潜伏モードBでは第2動作状態(時短状態)であるので、第1始動記憶についての先読み演出を行うことができない。このため、第1始動記憶についての先読み演出を行うと潜伏モードAであることが分かってしまうので、規定回数となるまでは先読み演出を禁止し、潜伏モードA、Bの何れであるかが分からないようにしている。
この先読み禁止フラグがない場合(ステップA575;No)は、時短時(時短状態中)であるかの判定を行う(ステップA579)。また、先読み禁止フラグがある場合(ステップA575;Yes)は、先読み禁止回数を−1更新し(ステップA576)、先読み禁止回数が0であるかを判定する(ステップA577)。なお、先読み禁止回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に先読み演出を禁止する特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは10)が初期値として設定される。そして、先読み禁止回数が0でない場合(ステップA577;No)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも先読み演出が禁止される場合は、時短時であるかの判定を行う(ステップA579)。また、先読み禁止回数が0である場合(ステップA577;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで先読み演出が禁止される期間が終了する場合は、先読み禁止フラグをクリアし(ステップA578)、時短時であるかの判定を行う(ステップA579)。
時短時(時短状態中)であるかの判定(ステップA579)において、時短時でない場合(ステップA579;No)は、小当りフラグが小当りかをチェックする(ステップA583)。また、時短時である場合(ステップA579;Yes)は、時間短縮変動回数を−1更新し(ステップA580)、時間短縮変動回数が0であるかを判定する(ステップA581)。時間短縮変動回数は、時短状態とする特図変動表示ゲームの回数を管理するためのものであり、後述するように所定の特別結果態様(15R通常)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは70)が初期値として設定される。この時間短縮変動回数が0でない場合(ステップA581;No)、すなわち次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、小当りフラグが小当りかをチェックする(ステップA583)。また、時間短縮変動回数が0である場合(ステップA581;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時間短縮変動回数領域をリセットし(ステップA582)、小当りフラグが小当りかをチェックする(ステップA583)。これにより時短状態が終了して通常動作状態となる。
小当りフラグが小当りであるかをチェックし(ステップA583)、小当りである場合(ステップA584;Yes)は、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA585)、コマンド設定処理を行う(ステップA586)。次に、飾り特図変動表示ゲームに係る図柄情報(停止図柄パターン情報)に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA587)、コマンド設定処理を行う(ステップA588)。これらのコマンドは後に演出制御装置300へ送信される。そして、小当りファンファーレ中処理移行設定処理を行い(ステップA589)、特図表示中処理を終了する。小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA589)では、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号「7」の設定や、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行う。
一方、小当りでない場合(ステップA584;No)、すなわちはずれである場合は、状態判別フラグに基づく滞在モード情報を設定し(ステップA590)、状態判別フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA591)、コマンド設定処理を行う(ステップA592)。このコマンドは後に演出制御装置300に送信される。状態判別フラグは直近の特別結果の種類に基づき設定されており、これにより直近の特別結果の種類に基づき演出状態が設定されることとなる。なお、潜伏モードで通常確率状態であり、規定回数の特図変動表示ゲーム(はずれ結果)が終了した場合や、時短モードで所定回数(70回)の特図変動表示ゲーム(はずれ結果)が終了した場合は、通常モードに移行する旨の情報が設定され、演出制御装置300ではこの情報に基づき演出状態を通常モードに設定する。その後、特図普段処理移行設定処理(ステップA593)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理(ステップA593)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図58に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される状態判別フラグをロードし(ステップA601)、状態判別フラグによる分岐処理(ステップA602)を行う。
状態判別フラグが1である場合は大当り終了設定処理1(ステップA603)を行う。この場合は特別結果態様が2R突確、15R確変であった場合で、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに、次回の特別結果態様の導出まで第1動作状態となる場合である。また、状態判別フラグが2である場合は大当り終了設定処理2(ステップA604)を行う。この場合は特別結果態様が15R通常であった場合で、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに、特別遊技状態の終了後70回の特図変動表示ゲームを実行するまで第1動作状態となる場合である。
また、状態判別フラグが3である場合は大当り終了設定処理3(ステップA605)を行う。この場合は特別結果態様が2R中サポであった場合で、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるとともに、次回の特別結果態様の導出まで第2動作状態となる場合である。また、状態判別フラグが4である場合は大当り終了設定処理4(ステップA606)を行う。この場合は特別結果態様が2R潜伏であった場合で、特別遊技状態の終了後に高確率状態となり通常動作状態となる場合である。
大当り終了設定処理1から4の何れかを行った後、状態判別フラグに基づく滞在モード情報を設定し(ステップA607)、状態判別フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA608)、コマンド設定処理(ステップA609)を行う。滞在モード情報及び確率情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この情報に基づき演出状態を設定する。そして、特図普段処理移行設定処理を行い(ステップA610)、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理(ステップA610)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
〔大当り終了設定処理1〕
図59には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA603)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA611)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA612)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA613)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA614)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブし(ステップA615)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率サポ有り)をセーブする(ステップA616)。その後、時間短縮変動回数領域をリセットし(ステップA617)、特定変動回数領域をリセットして(ステップA618)、大当り終了設定処理1を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに第1動作状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図60には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA604)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA621)、時短時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA622)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA623)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA624)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブし(ステップA625)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率サポ有り)をセーブする(ステップA626)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(70)をセーブし(ステップA627)、特定変動回数領域をリセットして(ステップA628)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに第1動作状態となる。また、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(70)をセットすることで、所定回数(70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理3〕
図61には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA605)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA631)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA633)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電中サポフラグをセーブする(ステップA634)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、中サポフラグをセーブし(ステップA635)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率中サポ)をセーブする(ステップA636)。その後、時間短縮変動回数領域をリセットし(ステップA637)、特定変動フラグをセットする(ステップA638)。そして、特定変動回数領域に特定変動回数初期値(10)をセーブし(ステップA639)、大当り終了設定処理3を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに第2動作状態となる。さらに、規定回数目(10回目)の特図変動表示ゲームの変動パターンが特殊変動パターンとなる。
〔大当り終了設定処理4〕
図62には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理4(ステップA606)を示した。この大当り終了設定処理4では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA641)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA643)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA644)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短なしフラグをセーブし(ステップA645)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率サポなし)をセーブする(ステップA646)。その後、時間短縮変動回数領域をリセットし(ステップA647)、特定変動フラグをセットして(ステップA648)、特定変動回数領域に特定変動回数初期値(10)をセーブする(ステップA649)。さらに、先読み禁止フラグをセットし(ステップA650)、先読み禁止回数領域に先読み禁止回数初期値(10)をセーブして(ステップA651)、大当り終了設定処理4を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに通常動作状態となる。さらに、規定回数目(10回目)の特図変動表示ゲームの変動パターンが特殊変動パターンとなり、規定回数(10回)の特図変動表示ゲームを実行するまで第1始動記憶についての先読み演出が禁止されることとなる。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)の詳細について説明する。図63に示すように、小当り終了処理では、まず、特定小当りの終了時であるかを判定する(ステップA661)。特定小当りとは、通常モード又は潜伏モードで発生した小当りである。この特定小当りの終了時でない場合(ステップA661;No)は、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップA670)、小当り終了処理を終了する。また、特定小当りの終了時である場合(ステップA661;Yes)は、特定変動フラグがあるかを判定する(ステップA662)。
そして、特定変動フラグがある場合(ステップA662;Yes)、すなわち、潜伏モードの開始から規定回数となる前に発生した小当りである場合は、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップA670)、小当り終了処理を終了する。この場合は、演出状態の移行や規定回数を計数する特定変動回数初期値の設定を行わない。また、特定変動フラグがない場合(ステップA662;No)は、特定変動フラグをセットし(ステップA663)、特定変動回数領域に特定変動回数初期値(10)をセーブする(ステップA664)。
その後、小当りの発生に対応して設定された状態判別フラグに基づく滞在モード情報を設定し(ステップA665)、状態判別フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA666)、コマンド設定処理を行う(ステップA667)。これにより移行する演出状態が設定される。また、確率情報コマンドにより演出制御装置300にも移行する演出状態の情報が送信される。
そして、先読み禁止フラグをセットし(ステップA668)、先読み禁止回数領域に先読み禁止回数初期値(10)をセーブする(ステップA669)。この処理により、通常モードや潜伏モードで発生した小当りの終了後、一定期間(ここでは10回の特図変動表示ゲームを実行する期間)に亘り、第1始動記憶についての先読み処理が禁止され、小当りと2R大当りの何れであったのかが判別しにくくなり、潜伏モードにおける興趣を高めることができる。なお、通常モード以外で小当りが発生した場合は、先読み禁止フラグをセットしないようにしても良い。その後、特図普段処理移行設定処理3を行って(ステップA670)、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
図64には、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA668)を示した。この特図普段処理移行設定処理3では、まず、処理番号として特図普段処理の「0」を設定し(ステップA671)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA672)。次に、小当り終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA673)、小当り終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA674)。その後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA675)。
そして、ラウンドLEDポインタ領域をリセットし(ステップA676)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(特定低確率)をセーブして(ステップA677)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
図65には、上述の大当り終了処理や小当り終了処理及び演出状態が変化する際に、停電復旧時送信コマンド領域にセーブされる確率情報コマンドを示した。演出状態が通常モードに移行する際には低確率時情報が設定される。また、確変モードに移行する場合は高確率情報かつ変動時間短縮作動時情報1(高確率サポ有り)が設定され、時短モードに移行する際には低確率時情報かつ変動時間短縮作動(低確率サポ有り)が設定される。さらに、潜伏モードAに移行する際には高確率時情報(高確率サポなし)が設定され、潜伏モードBに移行する際には高確率時情報かつ変動時間短縮作動時情報2(高確率中サポ)が設定される。また、通常モードで小当りが発生して潜伏モードAに移行する際には低確率時情報(小当り時、特定低確率)が設定される。なお、通常モード以外で小当りが発生した場合は、発生時の演出状態を維持するような確率情報コマンドが選択される。
さらに図65の下段に示すように、停電復旧時には上述のコマンドと併せて演出状態の変化までの特図変動表示ゲームの実行回数を指示するコマンドが同時に送信される(図39のステップS23)。例えば時短モードでの残りゲーム数や、潜伏モードとなってから規定回数となるまでの残りゲーム数に対応するコマンドが送信されるようになっている。これにより、停電の復旧後に停電前の状態を継続して実行することができる。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図66に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図67に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図68には、図67に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB52)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB52)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB53)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB54)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップB55)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB56)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
〔1stシーン制御処理〕
図69には、図66に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
〔変動中処理〕
図70には、図69に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、各種期間を演出制御装置300で管理する変動回数管理処理(ステップB94)を行い、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB95)を行う。そして、乱数シード初期化処理(ステップB96)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB97)。
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、演出状態(演出モード)についても遊技制御装置100から送信された情報に基づきシーンシーケンステーブルに設定される。ただし、演出制御装置300が単独で演出状態を決定して設定するようにしても良い。その後、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB98)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB99)変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB100)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB100;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB100;Yes)は、シーンデータ設定処理(ステップB101)を行い、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔変動回数管理処理〕
図71には、図70に示す変動中処理における変動回数管理処理(ステップB94)を示した。この変動回数管理処理では、まず、時短フラグがあるかをチェックする(ステップB110)。時短フラグは時短状態である場合に設定されるフラグである。この時短フラグがない場合(ステップB112;No)は、特定演出フラグがあるかをチェックする(ステップB116)。また、時短フラグがある場合(ステップB112;Yes)は、時短変動回数を−1更新し(ステップB113)、時短変動回数が0であるかを判定する(ステップB114)。
時短変動回数は、時短状態とする特図変動表示ゲームの回数を管理するためのものであり、後述するように所定の特別結果態様(15R通常)の導出に基づく特別遊技状態の終了時に普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数(ここでは70)が初期値として設定される。なお、次回の特別結果態様の導出まで時短状態が継続する場合は初期値として0がセットされる。この時短変動回数が0でない場合(ステップB114;No)、すなわち次回の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、特定演出フラグがあるかをチェックする(ステップB116)。また、時短変動回数が0である場合(ステップB114;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短フラグをクリアし(ステップB115)、特定演出フラグがあるかをチェックする(ステップB116)。
特定演出フラグは、2R大当り又は小当りとなって潜伏モードに移行(再度潜伏モードになった場合も含む)してから規定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行するまでに設定されるフラグである。この特定演出フラグがない場合(ステップB117;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、特定演出フラグがある場合(ステップB117;Yes)は、特定演出変動回数を−1更新し(ステップB118)、特定演出変動回数が0であるかを判定する(ステップB119)。
特定演出変動回数は、後述するように所定の特別結果態様の導出に基づく特別遊技状態の終了時に規定回数(ここでは10)が初期値として設定されるようになっており、この特定演出変動回数が0でない場合(ステップB119;No)、すなわち規定回数に達していない場合は、変動回数管理処理を終了する。また、特定演出変動回数が0である場合(ステップB119;Yes)、すなわち今回の特図変動表示ゲームが規定回数目となる特図変動表示ゲームである場合は、特殊演出変動フラグをセットし(ステップB120)、特定演出フラグをクリアして(ステップB121)、変動回数管理処理を終了する。この変動回数管理処理により、演出制御装置300において時短状態とする期間や、規定回数となる特図変動表示ゲームにおける共通演出の実行を管理でき、遊技状態に応じた演出を行うことが可能となる。
〔変動パターン情報設定処理〕
図72には、図70に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB95)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB131)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB132)。次に、滞在モード情報を含む遊技状態(滞在モード(演出状態)の他、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態等を含む)を取得し(ステップB133)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB134)。演出情報とは先読み情報に基づく連続的な演出(連続予告演出)である先読み演出を実行する際に、当該連続的な演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB135)、特殊演出変動フラグがあるかをチェックする(ステップB136)。そして、特殊演出変動フラグがない場合(ステップB137;No)は、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し(ステップB144)、変動パターン情報設定処理を終了する。また、特殊演出変動フラグがある場合(ステップB137;Yes)は、特殊演出対象となるかをチェックする(ステップB138)。
特殊演出の対象となる場合(ステップB139;Yes)は、対応する特殊変動パターンを変動パターンとして決定し(ステップB140)、変動パターン情報設定処理を終了する。また、特殊演出の対象とならない場合(ステップB139;No)は、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し(ステップB144)、変動パターン情報設定処理を終了する。
特殊演出の対象とならない場合とは、結果が15R大当りとなる場合であり、この場合以外は遊技制御装置100で特殊変動パターンが設定される。よって、演出制御装置300では、これに応じて潜伏モードが継続する旨の共通継続演出、確変モードへ移行する旨の共通移行演出又は潜伏モードが終了する旨の共通終了演出を行う特殊変動パターンを設定する。共通継続演出、共通終了演出、共通移行演出の内容はどのようなものでも良いが、演出の終了間際までは同一の演出とし、演出の最後に潜伏モードの継続、終了、確変モードへの移行を報知するような演出とすれば、特図変動表示ゲームの最後まで期待感を持たせることができ興趣が向上する。
〔エンディング処理〕
図73には、図69に示す1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB75)を示した。このエンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB151)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB151;Yes)は、小当りに基づく特定遊技状態のエンディングであるかを判定する(ステップB152)。
小当りに基づく特定遊技状態のエンディングでない場合(ステップB152;No)は、大当りエンディングを設定し(ステップB153)、確率情報コマンドに基づく確率情報と滞在モード情報を取得して(ステップB154)、滞在モード情報に基づき移行するモード状態を設定する(ステップB155)。これにより図7に示した演出状態(モード)の何れかが設定される。そして、移行するモード情報に関する情報を取得し(ステップB156)、設定されたモードが潜伏モードであるかを判定する(ステップB157)。
設定されたモードが潜伏モードでない場合(ステップB157;No)は、対応する変動パターンテーブルをセットする(ステップB160)。また、設定されたモードが潜伏モードである場合(ステップB157;Yes)は、特定演出フラグをセットし(ステップB158)、特定演出変動回数(10)をセットして(ステップB159)、対応する変動パターンテーブルをセットする(ステップB160)。
その後、確率情報に基づき大当りに関する情報を取得し(ステップB161)、時短あり大当りであるかを判定する(ステップB162)。時短あり大当りでない場合(ステップB162;No)、すなわち2R潜伏である場合は、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB165)、エンディング処理を終了する。また、時短あり大当りである場合(ステップB162;Yes)、すなわち2R潜伏以外である場合は、時短フラグをセットし(ステップB163)、時短変動回数をセットする(ステップB164)。時短変動回数は、特別結果が15通常である場合は70をセットする。また、特別結果が15R確変、2R突確又は2R中サポであり次回の特別結果の導出まで時短状態となる場合は0をセットする。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB165)、エンディング処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB151;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB167)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB167;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB167;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB168)、エンディング処理を終了する。
また、小当りに基づく特定遊技状態のエンディングである場合(ステップB152;Yes)は、小当り時エンディング処理を行い(ステップB166)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB165)、エンディング処理を終了する。
〔小当り時エンディング処理〕
図74には、図73に示すエンディング処理における小当り時エンディング処理(ステップB166)を示した。この小当り時エンディング処理では、まず、特定小当りの終了時であるかを判定する(ステップB171)。特定小当りとは、通常モード又は潜伏モードで発生した小当りである。この特定小当りの終了時でない場合(ステップB171;No)は、小当り時エンディング処理を終了する。また、特定小当りの終了時である場合(ステップB171;Yes)は、特定演出フラグがあるがをチェックする(ステップB172)。
特定演出フラグがある場合(ステップB173;Yes)は、小当り時エンディング処理を終了する。また、特定演出フラグがない場合(ステップB173;No)は、特定演出フラグをセットし(ステップB174)、特定演出変動回数(10)をセットする(ステップB175)。その後、確率情報コマンドに基づく確率情報と滞在モード情報を取得し(ステップB176)、滞在モード情報に基づき移行するモード状態を設定する(ステップB177)。そして、対応する変動パターンテーブルをセットして(ステップB178)、小当り時エンディング処理を終了する。
以上の処理により、図6に示すように遊技状態により特別結果の種類が選択され、図7に示すような演出状態の遷移が行われる。また、潜伏モードとなってから規定回数の特図変動表示ゲームでは、はずれ、2R大当り及び小当りの場合に共通の演出時間が確保され、共通の演出データを用いた演出が実行可能となる。
なお、潜伏モードでのゲーム数が所定数を超えた場合は、特定の演出を行ったり、先読み演出の信頼度を高めたりするなどして、遊技者が飽きないようにするようにしても良い。また、潜伏モードとなってから規定回数の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間の先読み演出を禁止するようにしたが、先読み演出を行うようにしても良い。
また、大当りや小当りの発生により演出状態を移行させるようにしたが、これ以外の条件により演出状態を移行させるようにしても良い。また、演出状態の移行を、遊技制御装置100からの情報によらずに、所定数の始動記憶の発生や所定回数の小当りの発生に基づき演出制御装置300で任意に行うようにしても良い。また、モード移行のためのゲームを行い、そのゲームでの演出ボタン25による遊技者からの操作入力(入力の有無や操作態様)に基づき、移行するモードを演出制御装置300で設定するようにしても良い。この場合に、遊技制御装置100での演出状態と演出制御装置300での演出状態が異なり、遊技制御装置100で設定された変動パターンと演出制御装置300で設定可能な変動パターンとで変動時間の差異がある場合には、変動時間の差異を補填するための専用演出を行うようにする。
〔第1実施形態の第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み結果に基づき移行するモードを選択するようにしている。
〔小当り時エンディング処理〕
本変形例の遊技機では、図74に示した小当り時エンディング処理に替えて図75に示した小当り時エンディング処理を行う。この小当り時エンディング処理では、まず始動記憶領域の情報を取得し(ステップB181)、2R大当りとなる始動記憶があるかをチェックする(ステップB182)。そして、2R大当りがない場合(ステップB183;No)は、特定小当り終了時であるか否かの判定(ステップB171)以下の処理を行う。また、2R大当りがある場合(ステップB183;Yes)は、通常モード状態を設定し(ステップB184)、対応する変動パターンテーブルをセットして(ステップB178)、小当り時エンディング処理を終了する。
この処理により、2R大当りとなる始動記憶がある状態での小当りの発生が、潜伏モードで規定回数目の特図変動表示ゲームである場合、この小当り時エンディング処理では通常モードが設定される。また、この場合、潜伏モードが終了する旨の共通終了演出を行うようにする。これにより遊技者に落胆感を与えてから2R大当りを発生させることができ、非常に高い達成感を与えることができて興趣を高めることができる。なお、潜伏モードでの規定回数目の特図変動表示ゲームでない場合では、小当りの発生後に潜伏モードへ移行しなかったり、元の演出モードが維持されなかったりして通常モードとなるので、この時点で後の2R大当りの発生を認識でき、モード移行の法則を崩すことによる大当り予告とすることが可能となる。なお、2R大当りの種類が2R確変である場合は、特定遊技状態の終了後に確変モードに移行するようにしても良い。
〔第1実施形態の第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊変動パターンの実行態様が異なる。
図76に示すように、本変形例では、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果がはずれとなる場合の変動時間が8.5秒とされ、この場合の結果態様を表示する停止時間が21.5秒とされて、実行時間が30秒とされている。この変動時間は、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果が大当りとなる場合の変動時間と同じ変動時間である。このようにすることで、特図1表示器51や特図2表示器52の停止タイミングも同じタイミングとすることができ、ここでの変動時間の違いにより結果が分かってしまうことを防止できる。
このような制御を行うため、図53(c)に示す潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果がはずれとなる場合の変動パターン(特殊変動パターン)を、Nリーチで変動時間が8.5秒の変動パターンとする。また、図52に示す特図変動中処理において、潜伏モードで規定回数となる特図変動表示ゲームであって結果がはずれとなる場合の特図表示時間として、21.5秒の特図表示時間を選択するようにする。
〔第2実施形態〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と比べて、特別結果の選択割合と演出状態が異なる。図77には特別結果の選択割合を示し、図78には、演出状態の種類と遷移の条件を示した。特に、図77(c)に示すように、2R潜伏の選択割合は、高確率状態かつ第1動作状態(高サポ)である場合や高確率状態かつ第2動作状態(中サポ)である場合よりも、高確率状態かつ通常動作状態(サポなし)の場合の方が高い。よって、2R潜伏が発生した後に再度2R潜伏が発生する可能性が高い。なお、高確率状態かつ第1動作状態(高サポ)である場合や高確率状態かつ第2動作状態(中サポ)である場合は、2R潜伏が選択されることがない。また、第2特図変動表示ゲームでは第1動作状態となる特別結果のみが選択されるようになっている。すなわち、本実施形態でも、特別遊技状態の終了後、確率設定手段によって設定される確率状態及び動作状態選択手段によって設定される普通変動入賞装置37の動作状態に基づいて、次に特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合における普通変動入賞装置37の動作状態の選択割合が異なるように構成されている。
また、図78に示すように本実施形態の演出状態は、第1実施形態において潜伏モードAであった演出状態を潜伏モードとし、潜伏モードBであった演出状態をチャンスモードとしている。この潜伏モードとチャンスモードは遊技者が明確に区別できるようになっている。
潜伏モードは高確率状態ではあるが時短状態ではないので遊技球の消費量が多く、さらに2R潜伏の選択割合が高いので、特別結果となっても再度潜伏モードとなる可能性が高い。すなわち、潜伏モードとなると遊技者は不利な状態で遊技を継続することとなる。ただし、2R大当りは全て高確率状態となるので、いずれ出球を獲得可能な大当りが発生する。一方、チャンスモードは第2動作状態であるので、潜伏モードよりは遊技球の消費量が少なく、また、2R潜伏は選択されず、2R突確が選択される確率が高い。よって、チャンスモードである場合は、確変モードに移行して出球を獲得できる機会が近く、さらに確変モードをループすることで多くの出球を獲得できるので、遊技者にとって有利な状態で遊技を継続することができる。なお、チャンスモードでは2R中サポを選択する可能性もあるが、この場合は再度チャンスモードとなるので、遊技者にとって有利な状態で遊技を継続することができる。
このように、特別遊技状態の終了後における演出状態として、当該特別遊技状態の発生の契機となった特別結果に基づいて選択される第2始動入賞口の動作状態によって演出状態を選択するので、遊技者は演出状態により次に発生する特別結果の種類の選択割合を知ることができ、遊技者にとって有利な遊技状態であるか不利な遊技状態であるかを知ることができるので、遊技の興趣を向上することができる。そして、高確率状態であっても遊技球の消費量が多い通常動作状態である場合には特別結果が導出されても再び通常動作状態となる可能性が高いが、遊技球の消費量が通常動作状態よりも少ない第1又は第2動作状態であれば、再び第1又は第2動作状態となる可能性が高い。よって、同じ高確率状態であっても、遊技者にとって不利な状態が連続する可能性が高い反面、有利な状態が連続する可能性も高く、有利な状態と不利な状態の差が大きい斬新な遊技が実行可能となり、遊技者の興趣を高めることができる。また、遊技球の消費量が多い通常動作状態であっても高確率状態であれば遊技を継続することとなるので、遊技店と遊技者の利益のバランスを保つことができる。
また、通常モードで小当りとなった場合はチャンスモードへ移行するようになっており、この場合は規定回数(10回)の特図変動表示ゲームを行うことで通常モードへ戻るようになっている。この演出を行うため、2R中サポ又は小当りとなってチャンスモードに移行(再度チャンスモードになった場合も含む)してから規定回数目(10回目)の特図変動表示ゲームでは、第1実施形態と同様に特殊変動パターンが選択される。
この特殊変動パターンが選択される特図変動表示ゲームでは、演出制御装置300がチャンスモードの継続の有無に関する共通の演出として、チャンスモードが継続する旨の共通継続演出か、チャンスモードが終了して通常モードへ戻る旨の共通終了演出か、確変モードや潜伏モードへ移行する旨の共通移行演出の何れかを実行する。共通終了演出が行われるのは結果がはずれの特図変動表示ゲームの場合であって、通常モードで小当りとなることによりチャンスモードとなっていた場合である。共通移行演出が行われるのは結果が2R確変や2R潜伏(通常確率状態であった場合のみ)の場合である。共通継続演出が行われるのは、通常モードで小当りとなることによりチャンスモードとなっていた場合であって結果が小当り又は2R中サポとなる場合や、2R中サポを契機にチャンスモードとなっていた場合であって結果がはずれ、小当り又は2R中サポである場合である。このように、複数の場合に共通した演出データを用いることができるように特図変動表示ゲームの実行時間を設定することで、記憶する必要がある演出データの削減が可能となる。
図79には、共通継続演出、共通終了演出、共通移行演出の一例を示した。図79(a)に示すように、規定回数目の特図変動表示ゲームが開始されると、表示装置41の表示領域における右端部にレベルメータMが表示される。図79(b)に示すように、このレベルメータMは上へ向かって値(表示色が異なる部分)が増加するメータであり、特図変動表示ゲームの進行に伴って値が上下する。なお、表示装置41にレベルメータMを表示させる代わりに右側装飾発光部材676(図2参照)をレベルメータとして用いても良い。
そして、チャンスモードが継続する場合、すなわち共通継続演出である場合は、図79(c)に示すようにレベルメータMの値が最大値(上端)まで達し、チャンスモードが継続する旨が報知される。また、チャンスモードが終了し通常モードへ移行する場合、すなわち共通終了演出である場合は、図79(d)に示すように、レベルメータMの値が途中までしか上昇せず、チャンスモードが終了する旨が報知される。さらに、確変モードへ移行する場合、すなわち2R突確となることによる共通移行演出である場合は、レベルメータMの値が最大値(上端)に達するとともに輝くように表示され、確変モードへ移行することが報知される。また、潜伏モードへ移行する場合、すなわち2R潜伏となることによる共通移行演出である場合は、レベルメータMの値が0となり、潜伏モードへ移行することが報知される。
〔第3実施形態〕
次に、上述した第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図80に示すように、本実施形態の遊技機では、普通変動入賞装置37の動作状態として第3動作状態が設定可能となっている。第3動作状態は、第2動作状態に比べて普電開放時間が長く、普電開放回数が2回となっており、第2動作状態よりは単位時間当たりの普通変動入賞装置37の開放時間が長い状態である。以下の説明では第2動作状態を中サポAと称し、第3動作状態を中サポBと称する。なお、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が、通常動作状態が最も短く、第2動作状態、第3動作状態、第1動作状態の順に長くなるように第3動作状態を設定すれば良く、第2動作状態に対して普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間の何れを変化させても良い。
図81に示すように、特別結果の種類には2R中サポB(図柄)が追加されている。なお、2R中サポAは第1実施形態での2R中サポに対応するものである。2R中サポB(図柄)となった場合は、特別遊技状態の終了後、高確率状態となるとともに次回の大当りまで第3動作状態(中サポB)となる。
図82には、演出状態の種類と遷移の条件を示した。本実施形態の演出状態は、第1実施形態において潜伏モードAであった演出状態を潜伏モードとし、潜伏モードBであった演出状態を動作状態に応じてチャンスモードAとチャンスモードBに分けている。各演出状態は遊技者が明確に区別できるようになっている。
チャンスモードAは、各モードで2R中サポAとなった場合に移行するモードであり、このモードでは高確率状態かつ第2動作状態となる。また、チャンスモードBは、各モードで2R中サポBとなった場合に移行するモードであり、さらに通常モードで小当りとなった場合もこのチャンスモードBに移行するようになっている。そして、2R中サポBとなることでチャンスモードBに移行した場合は高確率状態かつ第3動作状態となり、通常モードで小当りとなることでチャンスモードBに移行した場合は通常確率状態かつ通常動作状態のままとなる。この場合は規定回数(10回)の特図変動表示ゲームを行うことで通常モードへ戻るようになっている。
図83には、チャンスモードBで規定回数となる特図変動表示ゲームの実行態様を示した。この特図変動表示ゲームでは第1実施形態と同様に特殊変動パターンが選択される。これにより、2R大当り、小当り、はずれの場合で演出の実行時間を共通の時間にでき、共通した演出データを用いることができるので、記憶する必要がある演出データの削減が可能となる。
また、2R大当りに基づく特別遊技状態の実行態様は、特別結果の種類により異なっている。2R突確、2R中サポA、2R潜伏の場合は、ラウンド数が2ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間が第2開放可能時間(0.5秒)となっている。これに対して2R中サポBの場合は、ラウンド数が2ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間が第3開放可能時間(2秒)となっている。よって、2R中サポBの方が他の2R大当りよりも獲得可能な出球が多くなっている。また、小当りに基づく特定遊技状態でも2R中サポBと同様の動作態様となっている。
図82に示すように、チャンスモードBでの2R大当りの種類の選択割合は、チャンスモードBが再度選択される種類の特別結果である2R中サポBの選択割合が高く、2R中サポA及び2R潜伏は選択されないようになっている。よって、2R中サポBとなってチャンスモードBに移行した場合は、2R中サポBに基づく特別遊技状態で若干の出球を確保しつつチャンスモードBに滞在し、何れ多量の出球を獲得可能な大当り(15R確変、15R通常又は2R突確)が発生する機会を得ることができる。
また、チャンスモードBでは、2R中サポBに基づく特別遊技状態で獲得した出球数による演出を行うようになっている。図84(a)に示すように、チャンスモードBとなると、2R中サポBに基づく特別遊技状態において出球をたくさん獲得するように促す表示を行う。そして、図84(b)に示すように遊技が進行し、図84(c)に示すように2R中サポBの大当りが発生すると、図84(d)、(e)に示すように特別遊技状態となる。この特別遊技状態では特別変動入賞装置38に遊技球が3つ流入し、27個の賞球を獲得しており、獲得した賞球数は表示領域の右上部の獲得球数表示領域41bに表示される。
さらにその後、2R中サポBの大当りが発生して、図54(f)、(g)に示すように特別遊技状態となると、獲得した賞球数が加算される。この特別遊技状態では特別変動入賞装置38に遊技球が2つ流入し、18個の賞球を獲得しており、すでに獲得していた27個の賞球数に18が加算されて獲得球数表示領域41bには45の表示がなされる。この獲得した賞球数の加算は、15R大当りが発生するまで表示されるようになっている。
そして、図54(h)に示すように15R大当りが発生すると、図54(i)に示すように特別遊技状態において獲得した賞球数による演出が行われる。ここでは、獲得した賞球数が多いほど、特別遊技状態中に流れる音楽として選択可能な曲数が増える演出を行うようになっている。
このようにすることで、チャンスモードBが多量の出球を獲得するまでの待機モードとなり、遊技者の期待感を高めることができる。またこのチャンスモードBでは若干の出球を獲得できるので、遊技者の期待感を維持できる。さらに、このチャンスモードBで獲得した出球により演出が行われるので、チャンスモードBで発生する特別遊技状態の興趣を向上できるとともに止め打ちを防止できる。このような演出は小当りに基づく特定遊技状態においても行うようにしても良い。さらに、他のモードにおいて2R大当りや小当りが発生した際に行うようにしても良い。
なお、図55に示すように、2R潜伏、小当りも2種類設定するようにしても良い。2R潜伏A及び小当りAの場合は、ラウンド数が2ラウンドで各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間を第2開放可能時間(0.5秒)とし、2R潜伏B及び小当りBの場合は、ラウンド数が2ラウンドで、各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開放可能時間を第3開放可能時間(2秒)とする。また、小当りAとなった場合はチャンスモードAに移行するようにし、小当りBとなった場合はチャンスモードBに移行するようにする。
〔第4実施形態〕
次に、上述した第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は潜伏モードが所定期間継続した場合に、特別の演出を実行可能としている。
本実施形態の遊技機は、図86に示すセンターケース40を備えている。このセンターケース40には、表示装置41の上方の位置に上下に動作可能な第1可動演出部材731を備えている。この第1可動演出部材731は、図86(a)に示すように、表示装置41の前方から上方に退避した状態と、図86(c)に示すように、表示装置41の前方へ重なる状態とに変換可能となっている。ここでは、この第1可動演出部材731を用いて特別の演出として15R大当りが発生することを明確に報知する一発告知(先読み演出)を行うようにしている。
図86(a)に示すように、表示装置41における表示領域の下部には、始動記憶と一対一に対応する飾り始動記憶表示41cが表示される。なお、第1始動記憶に対応する飾り始動記憶表示41cは表示領域の左側に表示され、第2始動記憶に対応する飾り始動記憶表示41cは表示領域の右側に表示される。この飾り始動記憶表示41cは、左端が最も古い始動記憶に対応するものであり、特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が消化されることに伴い、一つずつ左側へ移動するようになっている。図86(a)に示す状態では第1始動記憶が3つあり、第2始動記憶がない状態となっている。
そして、図86(a)に示すように、潜伏モードが所定期間継続して特別の演出(一発告知)が実行可能な期間となると、第1可動演出部材731が降りてくれば15R大当りとなることが報知される旨の表示がなされる。この特別の演出が実行可能な期間において図86(b)に示すように、15R大当りとなる始動記憶aが発生すると、図86(c)に示すように第1可動演出部材731が降下して、15R大当りとなる始動記憶の存在を報知する一発告知が実行される。このような特別の演出を行うようにしたことで、高確率状態でありながら遊技球の消費量が多い状態が長く継続することによる遊技者の不満を解消することができる。
〔エンディング処理〕
このような制御を行うために、図73に示すエンディング処理に替えて、図87に示すエンディング処理を行う。このエンディング処理では、設定されたモードが潜伏モードであった場合(ステップB157;Yes)に、特定演出変動回数をセット(ステップB159)した後、潜伏モードに移行した回数を計数する潜伏カウンタの値を+1更新する(ステップB191)。そして、潜伏カウンタの値が所定値に到達したかを判定し(ステップB192)、所定値に到達した場合(ステップB192;Yes)は、一発告知期間情報を設定し(ステップB193)、対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行う(ステップB160)。また、所定値に到達していない場合(ステップB192;No)は、対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行う(ステップB160)。
〔小当り時エンディング処理〕
また、図74に示す小当り時エンディング処理に替えて、図88に示す小当り時エンディング処理を行う。この小当り時エンディング処理では、滞在モード情報に基づき移行するモード状態を設定(ステップB177)した後、設定されたモードが潜伏モードであるかを判定する(ステップB201)。そして、設定されたモードが潜伏モードでない場合(ステップB201;No)は、対応する変動パターンテーブルをセットして(ステップB178)、小当り時エンディング処理を終了する。
一方、設定されたモードが潜伏モードである場合(ステップB201;Yes)は、潜伏モードに移行した回数を計数する潜伏カウンタの値を+1更新する(ステップB202)。そして、潜伏カウンタの値が所定値に到達したかを判定し(ステップB203)、所定値に到達した場合(ステップB203;Yes)は、一発告知期間情報を設定し(ステップB204)、対応する変動パターンテーブルをセットして(ステップB178)、小当り時エンディング処理を終了する。また、所定値に到達していない場合(ステップB203;No)は、対応する変動パターンテーブルをセットして(ステップB178)、小当り時エンディング処理を終了する。これらの処理により、潜伏モードが所定期間継続した場合に、特別の演出として第1可動演出部材731により15R大当りの発生を報知する一発告知を実行可能な状態となる。
〔先読みコマンド受信処理〕
また、図79に示す1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図89に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB212)、一発告知期間であるかを判定する(ステップB213)。
一発告知期間である場合とは、上述したエンディング処理や小当り時エンディング処理で設定される一発告知期間情報が設定されている状態である。この一発告知期間でない場合(ステップB213;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、一発告知期間である場合(ステップB213;Yes)は、先読み結果が大当りであるかを判定する(ステップB214)。そして、先読み結果が大当りでない場合(ステップB214;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読み結果が大当りである場合(ステップB214;Yes)は、大当りに関する情報を取得する(ステップB215)。
その後、15R大当りであるかを判定し(ステップB216)、15R大当りでない場合(ステップB217;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、15R大当りである場合(ステップB217;Yes)は、一発告知情報を設定し(ステップB218)、一発告知期間情報をクリアして(ステップB219)、先読みコマンド受信処理を終了する。この処理により、潜伏モードが所定期間継続した場合であって15R大当りとなる始動記憶が発生した場合に、特別の演出として第1可動演出部材731により15R大当りの発生を報知する一発告知が実行される。
なお、大当りとなる始動記憶の存在の報知は、第1可動演出部材731の動作の他、表示装置41に表示する飾り始動記憶表示41cの表示態様を変化させることや、始動記憶発生時(始動入賞時や飾り始動記憶表示41cの表示開始時)の音声の出力などで行うようにしても良い。また、所定期間潜伏モードが継続した場合に実行可能な特別の演出としては、大当りとなる始動記憶の存在の報知の他、通常では出現しない演出を行うようにしても良い。
〔第5実施形態〕
次に、上述した第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は先読み演出の実行態様が異なる。
特別結果の選択割合は、特別結果が発生した際の遊技状態により異なっているが、先読み処理における特別結果の種類の判定は、始動記憶が発生した際の遊技状態で行うようになっている。よって、例えば、通常確率状態かつ通常動作状態である状態で、図90に示すように、2R潜伏となると判定された始動記憶が先にあり、2R突確となると判定された始動記憶が後にある場合に不都合が生じることがある。すなわち、2R潜伏の発生により、2R突確の選択割合が10%から2%に下がるため、図90に示す状態で2R突確の発生を予告してしまうと、実際には2R突確が発生しない可能性がある。このように先読み結果よりも不利な状態となる可能性がある始動記憶がある場合は、当該始動記憶についての先読み演出を規制するようにしている。
〔先読みコマンド受信処理〕
このような制御を行うため、図69に示す1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図91に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB221)、受信していない場合(ステップB221;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB221;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB222)、当該保留(始動記憶)の先読み情報を取得して(ステップB223)、特定保留かをチェックする(ステップB224)。
特定保留とは、当該始動記憶が特別結果となるが、先に消化される始動記憶に特別結果となる始動記憶があるため、先読み結果よりも不利な状態となる可能性がある始動記憶である。この特定保留でない場合(ステップB225;No)は、通常先読み演出設定処理を行い(ステップB228)、先読みコマンド受信処理を終了する。この場合、所定の確率で先読み演出を行う。また、特定保留である場合(ステップB225;Yes)は、先読み演出規制フラグをセットし(ステップB226)、当該保留の保留記憶領域に規制対象フラグをセットして(ステップB227)、先読みコマンド受信処理を終了する。この場合、当該始動記憶に対する先読み演出は行わない。
〔変動パターン情報設定処理〕
また、図72に示す変動パターン情報設定処理に替えて、図92に示す変動パターン情報設定処理を行う。この変動パターン情報設定処理では、ステップB131からステップ141の処理を行った後、規制対象フラグがあるかをチェックする(ステップB231)。そして、規制対象フラグがない場合(ステップB232;No)は、変動パターン情報設定処理を終了する。また規制対象フラグがある場合(ステップB232;Yes)は、規制対象フラグをクリアして(ステップB233)、変動パターン情報設定処理を終了する。これにより、先読み演出の実行が規制された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されることで先読み演出が再び可能となる。
なお、特別結果となる始動記憶があった場合に、以降の始動記憶は当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後の遊技状態における特別結果の選択割合に基づき先読み判定を行うようにしても良い。この場合、例えば、遊技制御装置100において、特別結果となる始動記憶があった場合に、当該特別結果の種類に対応する図柄乱数テーブルに関するフラグをセットし、以降の先読み判定はそのフラグに基づく図柄乱数テーブルにより特別結果の種類を判定するようにする。また、図90に示すような状態となった場合に、2R潜伏となる始動記憶の後、次の特別結果となる始動記憶の前に実行される始動記憶(図90では2,3番目の始動記憶)について、ここで特別結果(例えば2R中サポ)が発生すれば後の特別結果の種類が2R突確になる旨の報知を行うようにしても良い。また、先読み演出の実行を規制するのではなく、結果を明確に報知する先読み演出を規制し、大当りとなることの先読み演出は行うようにしても良い。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。