JP5643511B2 - マルチ検出器によるガス同定システム - Google Patents

マルチ検出器によるガス同定システム Download PDF

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Description

本発明は、マルチ検出器によるガス同定システムに関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2006年9月28日に出願の米国仮特許出願第60/847,660号の優先権を主張し、その内容を参照により組み込む。
当技術分野では、多種多様の分析物を同定し、定量化できるシステムが必要とされている。
一実施形態では、複数のガス分析ユニットおよびコンピュータシステムを含むガス分析システムが提供され、このガス分析システムでは、複数のガス分析ユニットが単一のガス試料と流体接触し、複数のガス分析ユニットが、光イオン化検出器(PID)、化学センサアレイ、およびイオン移動度スペクトロメータ(IMS)を備え、それぞれのガス分析ユニットによって生成されたデータが、個々にかつ/または並行して分析され、そのデータは検体の特性を示し、それぞれのガス分析ユニットからの定性的かつ定量的なデータが、検体を同定するために複合化される。
単一プラットフォーム上にあり、単一のガス試料と同時に流体接触している、PID、金属酸化物化学センサ(MOS)アレイ、およびIMSを組み合わせた例示のガス分析システムのブロック図である。 単一プラットフォーム上にあり、単一のガス試料と同時に流体接触している、PID、金属酸化物化学センサ(MOS)アレイ、およびIMSを組み合わせ、さらにIMSの詳細を示した別の例示のガス分析システムのブロック図である。 図1に記載された例示のシステムの機能プロトタイプで用いられる6つのMOSのアレイを使用し、環境空気汚染制御実験の間に得られたガス試料測定値の時間に対するRaw出力電圧(Vout)を示すグラフである。 図2で参照された同じ実験の間に得られたPIDデータを示すグラフである。 図1に記載された例示のシステムの機能プロトタイプを用いて得られた5000ppmのベンゼンの単一試料に関するPID、MOS、およびIMS検出器の代表的なデータを示すグラフである。 図1に記載された例示のシステムの機能プロトタイプを用いて得られた150ppmのジボランの単一試料に関するPID、MOS、およびIMS検出器の代表的なデータを示すグラフである。 PID、IMS、およびMOSアレイガス分析ユニットを用いるガス同定システムの例示的な一実施形態のプロセスフローチャートである。 図6に示すプロセスフローチャート中の「初期データ融合アルゴリズム」のステップの逐次データフィルタリング手法の詳細を示すプロセスフローチャートである。 別の例示的な一実施形態の図6に示すプロセスフローチャート中の「初期データ融合アルゴリズム」のステップの予測組み合わせ確率法(predictive combined probability approach)の詳細を示すプロセスフローチャートである。
当技術分野では、例えば有毒工業化学物質(TIC)、化学兵器物質(CWA)、刺激物質、およびそれらの類似物質など、ガス試料中に存在し得る様々な検体を同定することができるシステムが必要とされている。検体は、固体試料または液体試料としても存在することができる。このような場合は、分析を容易にするために検体をガス状にすることができる。
図1はガス分析システムの例示的な一実施形態を示す。ガス分析システムは、複数のガス分析テクノロジを含むことができ、ガス試料中の1つまたは複数の目標検体を同定するために、複数のガス分析テクノロジのデータ出力を用いることができる。このシステムは、同じガス試料を複数のガス分析テクノロジで分析できるようにするために、共通の吸入口および共通の試料流路を使用することができる。例えば、共通の吸入口50は入口チャンバを備える場合がある。
複数のガス分析テクノロジをガス分析ユニットとしてシステムに組み込むことができ、このガス分析ユニットは、個別に選択し、アップグレード可能なものとすることができる。冗長なガス分析テクノロジを用いることもできる。ガス分析テクノロジは、イオン移動度スペクトロメータ(IMS)、化学センサ、化学センサアレイ、光イオン化検出器(PID)、放射能検出器、ガスクロマトグラフ(GC)、質量スペクトロメータ(MS)、GC−MS、光学スペクトロメータ(例えば、赤外線(IR)、ラマンなど)またはバイオセンサ(例えば、蛍光法など)を含むが、これらに限定されない。当技術分野で知られているこのようなガス分析テクノロジのどのような実施形態も用いることができる。図1に示す一実施形態では、ガス分析システム10は、PID20、化学センサアレイ30、およびデュアルチャネルIMS40を備える。システムは、爆発下限界(LEL)での可然性ガス、ならびに二酸化炭素、酸素、および硫化水素ガスの濃度も測定できる標準の4つのガスメータ機能を含むことができる。
化学センサアレイは、半導体センサ(例えば、金属酸化物化学センサ(MOS)アレイ)、電気化学センサ(EC)、(例えば、サーメットセンサ)、弾性表面波(SAW)センサ、光学式蒸気センサ、ケミレジスタセンサ、または導電性ポリマセンサのいずれかのうちの1つまたは複数からなることができる。化学センサアレイは、複数個の、1つまたは複数の種類のセンサなど、複数個の1種類のセンサ、異なる種類のセンサのどのような組み合わせからもなることができる。一実施形態では、化学センサアレイは、どのような金属酸化物センサからもなることができ、酸化スズ(SnO)センサを含むが、これに限定されない。どのような適合する種類の金属酸化物センサ、例えば液化石油ガス(LP)センサ、揮発性有機化合物(VOC)センサ、または有害大気汚染ガスセンサなども使用することができる。別の一実施形態では、金属酸化物センサをTaguchi Gas Sensor(TGS、Figaro USA、Inc.、Glenville、IL)とすることができる。さらに別の一実施形態では、センサをFigaroのTGS2600シリーズのセンサ(2600、2602、2610、2620など)とすることができる。
化学センサアレイは、例えば2〜4個、2〜6個、または2〜10個のセンサを含むことができる。一実施形態では、アレイは6つのセンサを含む。
化学センサアレイガス分析ユニットは、試料流の一部をそれぞれのガス分析ユニットまたはガス分析テクノロジへ同時に供給するとともに、それぞれの検出器が個々に機能し、個々に制御されることを可能にする共通流路54(図1Aおよび図1B内の矢印は流れを示す)内に組み込むことができる。ガス分析システムは、個々の化学センサが飽和状態になるのを防止するために、検体暴露時に試料流から化学センサアレイを切り離すことができる、化学センサアレイに対応する1つまたは複数の弁32を含むことができる。1つまたは複数の弁は、化学センサアレイから試料のフローアレイの流れを変えることによって、ガス試料から化学センサアレイを切り離すことができる。1つまたは複数の弁は一組の弁となり得る。IMS、PID、および/または化学センサアレイによって検出される検体の量に応じて、弁を第1の位置または第2の位置で作動させることができる。第1の位置では、弁は、化学センサアレイとガス試料を流体連通させる。第2の位置では、弁は、化学センサアレイとガス試料を流体連通させない。1つの弁または複数の弁は、1つまたは複数の弁を作動させるコントローラ60など制御機構と通信することができる。この制御機構は、コンピュータ制御することができ、化学センサアレイのガス試料への適切な暴露を得る演算論理を用いることができる。一実施形態では、システムは、化学センサアレイがバックグラウンド空気の検体を検出できるようにするために、第1の位置に弁で操作する。化学センサアレイが、1つまたは複数の検体の存在を検知し、個々の化学センサ応答の動的特性に基づき1つまたは複数の検体を同定するために十分な大きさの信号を生成すると、システムは、第2の位置に配置されるように弁を自律的に操作し、データを処理する。その間、他のガス分析テクノロジ(例えば、IMSとPID)は、試料流を監視し続ける。化学センサアレイ検出事象を受けて、システムは、化学センサアレイが復帰することができるようにするために、再度第1の位置に配置されるように弁を操作するが、バックグラウンド空気が十分に清浄にならない場合、弁は所定の位置間を交互に動く。この操作は、試料へのセンサアレイの暴露を制限することによって、試料を同定する応答時間も化学センサが復帰する時間も最小限に抑える働きをする。例えば、MOSアレイは、最初の暴露後1〜30秒以内に試料を同定するための十分なデータを生成し、おおよそ30秒からおおよそ5〜10分以内にベースラインに戻る。
化学センサアレイは、演算論理によって制御することができる。演算論理を用いることにより、化学センサアレイが、高速の応答時間で、かつガス分析システム内の別のガス分析テクノロジと協調して、検体を検出することができる。一実施形態では、化学センサアレイの分析時間がおおよそ1秒からおおよそ30秒となる場合がある。演算論理により、化学センサアレイに接する検体の量が同定には十分となるものの、アレイの飽和を回避し、復帰時間を最小限に抑えるように、化学センサアレイの試料への暴露も制御することができる。図1Bは、ガス分析システムの別の例示的な一実施形態を示し、同じ参照番号は、図1Aに示す実施形態における機能と同じ機能を示す。図1Bは、さらに詳細にデュアルチャネルIMS40の構成要素を示す。デュアルチャネルIMS40は、2つの部分からなるイオン移動度スペクトロメータ42を備え、それぞれのスペクトロメータ42は、ドリフトセル44を含む。また、デュアルチャネルIMS40は、図1Bに示すようにファン46およびドーパント48を備える。
化学センサアレイ演算論理は、マルチチャネルアレイパターンを生成するために、1つまたは複数の時間依存の化学センサ信号を処理することができ、マルチチャネルアレイパターンは、検体を同定するために用いることができる。例えば、図2は、様々なガス試料に対する6つのセンサMOSアレイの時間依存応答を示す。図2に関して、アレイは、次の条件(動作電圧、Vop)で動作する2600シリーズSnO Taguchi Gas Sensor(TGS、Figaro USA、Inc.、Glenville、IL)を使用しており、4.5Vop時のセンサ1はTGS2610、3.5Vop時のセンサ2はTGS2602、3.5Vop時のセンサ3はTGS2600、3.0Vop時のセンサ4はTGS2600、3.0Vop時のセンサ5はTGS2610、2.5Vop時のセンサ6はTGS2610である。公開された検体のアイデンティティは、図中に与えられ、濃度(百万分率、ppm)は、図3で参照されるPID測定値から求めた。
アレイ内の化学センサは、同じものでも異なるものでもよい。アレイ内のセンサは、検体を同定するか、または可能性がある検体のリスト(「ヒットリスト」)を打ち出すのに十分なデータを得るために、異なるパラメータを用いて操作することができる。例えば、MOSアレイ内の個々のMOセンサは、一定の温度(一定の動作電圧Vop)で動作することができるか、またはその温度/電圧は、時間的に調整され、単一センサから得られる複数のデータポイントとすることができる。一実施形態では、異なる、一定の温度で動作する複数のMOセンサを用いて、データを収集することができる。温度に応じてMOセンサの応答が変化することにより、検体を同定する有効なデータをもたらすことができる。例えば、化学センサアレイは複数のセンサを含むことができ、それぞれのセンサは、異なる、一定の温度で動作する。一実施形態では、ガス分析ユニットは、複数の金属酸化物センサを備える。複数の金属酸化物センサは、SnOセンサとすることができ、それぞれが異なる、一定の温度および電圧で動作する。
化学センサの検知機構と関連する反応速度情報は、検体を同定する出力データとしても用いることができ、アレイ状態を判断するために用いることもできる。ガス分析システムは、MOS応答の変化率(すなわち、dVi/dtまたは測定を通してのデータアレイ内の2つ以上のデータポイント間の随時変化)を監視することができ、このMOS応答の変化率は、MOSアレイの安定性を自律的に監視するために用いることができる。この情報を用いて、dVi/dtに基づき参照MOSベースライン(Vo)を設定し、センサ応答の指標としてdVi/dt信号またはVoからの偏差を監視し、それぞれのセンサの時間依存応答を数学的に変換してそれぞれのセンサチャネルの応答信号を生成することができる。例えば、図4および図5は、ベンゼンおよびジボランのそれぞれ6つのチャネルMOSアレイパターンを示し、5Hzで監視されたそれぞれのセンサチャネルの信号が、所定の時間ウィンドウによって処理される。ガス分析システムは、異なる検体セットに対して顧客対応を可能にするMOS用に、複数の温度を設定することができるように構成することもできる。図4では、2つのIMSスペクトロメータ(Smiths Detection)は、正および負のイオンモード応答について調べ、反応イオンピーク(RIP)が示されている。正モードの生成物イオンピーク(PIP)に対し低下した移動度(k)も与えられている。MOSアレイパターンは、次の条件で動作するSnOTGSセンサを使用して時間依存のRawデータから計算されており、4.5Vop時のセンサ1はTGS2600、4.5Vop時のセンサ2はTGS2620、5.0Vop時のセンサ3はTGS2600、5.0Vop時のセンサ4はTGS2620、4.5Vop時のセンサ5はTGS2610、5.0Vop時のセンサ6はTGS2610であった。10.6eVのPIDデータは、測定中検体が予め設定されたしきい値を超えて検出可能であることを示している。図5では、負モードの生成物イオンピーク(PIP)に対し低下した移動度(k)が与えられている。MOSアレイは、図4と同じものである。10.6eVのPIDデータは、測定中検体が予め設定されたしきい値を超えて検出できないことを示している。
システムは、図1Aおよび図1Bに示すセンサ35など相対湿度(%RH)センサも含むことができる。適切などのような%RHセンサも使用することができる。一実施形態では、%RHセンサを温度補償型とすることができる。別の一実施形態では、%RHセンサを容量型薄膜センサとすることができる。
システムは、PID20も含むことができる。周期的にまたは連続的にPIDの電圧出力(Vout)を監視することができる。0.2Hz、1Hz、5Hz、10Hz、またはその他どのような実際上のレートでも電圧を監視することができる。一実施形態では、PIDのVoutは、図3に示すように1Hzか、またはアナログ/デジタル変換器(A/D)の遅延時間に基づく最適なレートで、連続的に監視される。別の一実施形態では、PIDは10.6eVのイオン源を組み込む。ユーザが利得を制御してPIDを調整することができる。システムは、例えばシステムが検出するようにプログラムすることができる目標検体など、目標検体用の補正係数(CF)を含むデータベースにアクセスすることができる。PIDは、例えば[((Vout−PID0)/PIDCAL)*CF]を用いて試料濃度を計算することができ、ここでPID0は、システムによって自律的に、またはユーザによってマニュアルで求められるベースライン電圧であり、PIDCALは、それぞれのPIDに対する特定のキャリブレーション応答係数(ミリボルト/ppm)である。図3は、図1に記載された例示のシステムの機能プロトタイプを用い、低レベルのアセトン、エタノール、アンモニア、プロパン、および酢酸が放出された汚染制御環境空気監視実験からの例示のPID読取り値を示す。おおよそ1からおおよそ5000ppmまでの検出範囲を有する適切などのようなPIDも用いることができる。一実施形態では、PIDは、Black Label piD−Tech PIDセンサユニット(Baseline−Mocon、Inc.、Lyons、CO)とすることができる。図3内のPIDデータは、図2で参照される実験中に、Black Label 10.6eV piD Tech PIDモジュール(Baseline−Mocon、Lyons、CO)を使って、MOSデータと同時に得られた。縦座標軸の濃度(ppm)値は、プロトタイプのシステムコンピュータにプログラムされた検体補正係数(先に記したCF)を用いて、リアルタイムで計算された。
一実施形態では、システムは、システムによる連続的な空気の監視および定量化を可能にするために、アイデンティティ情報に基づき2番目およびその次の「補正された」PIDの読取り値を自律的に調整することができる。
化学センサアレイおよびPID検出器は、PIDが、システム動作中、ガス試料に連続的に暴露されることを可能にするチャンバ内に収めることができる。
IMSは、単一のIMS、または正および負のモードのイオンを同時に監視するようになされた2つのIMスペクトロメータを有するデュアルチャネルIMSとすることができる。IMSは、おおよそ室温(「コールドIMS」)において、または高温(「ホットIMS」)で機能することができる。IMSは、適切などのような試薬またはドーパントも使用することができ、例えばアンモニア、アセトン、ジメチルスルホキシド、ニコチンアミド、ノニルアミン、ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、ジメチルヒドラジンまたは水を含んでいる。
システムは、ノイズ低減および信号増幅の方法を含むことができる。
ガス分析システムは、自蔵式でかつ持ち運びできるもので、一実施形態では、持ち運び可能なものとすることができる。別の一実施形態では、システムは手持ち式とすることができる。システムは電池を含むことができ、かつ/または電池式とすることができる。さらに別の一実施形態では、システムは、耐久性を高め、様々な周囲条件で用いることができる。システムは、システムおよびガス分析ユニットが自動で解除およびリセットが可能であるものとすることができる。
分析サイクルは、20分未満、15分未満、10分未満、5分未満、2分未満、1分未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、5秒未満、3秒未満、または1秒未満とすることができる。一実施形態では、分析サイクルは3秒未満とすることができる。
システムは、図1Aおよび図1Bに示すように、1つまたは複数のコンプレッサまたはポンプ70を含むことができる。コンプレッサまたはポンプは、システムのすみずみまでガス試料を引き込み、システム内のそれぞれのガス分析ユニットに同じガス試料の一部を供給することができる。
適切などのような試料収集システムも用いることができる。例えば、一実施形態では、サンプル収集システムは吸込み口に連結する可撓性のパイプ状部品(flexible wand)を含むことができる。システムは、例えば水抜き装置など、システム内への液体の導入を防ぐ手段を含むことができる。システムは、常時監視することができるように三脚台に取り付けるか、または独立して立って機能することができる。
システムは、例えば実験室など、遠隔場所でさらに分析することができる試料を収集することが可能なものとすることができる。
システムは、コンピュータシステムを含むことができる。コンピュータシステムは、有線または無線、あるいは有線と無線の組み合わせで接続されたオンボード、またはリモートとすることができる。一実施形態では、コンピュータシステムは、オンボードである。コンピュータシステムは、コントローラ60(図1Aおよび1Bを参照)の一部であってもよく、それと分離していてもよい。
コンピュータシステムは、少なくとも1つのメモリを含むことができる。メモリは、例えばリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、電気光学メモリ、光磁気メモリなど、システムの内部または外部に配置されるどのような種類のコンピュータメモリ、または他のどのような種類の電子記憶媒体ともすることができる。以下の説明に基づき理解されるように、例えば、コンピュータプログラミングの当業者には知られている従来技術を用いてメモリをプログラムすることができる。例えば、コンピュータプログラムのステップを実行するための実際のソースコードまたはオブジェクトコードをメモリに保存することができる。
コンピュータシステムは、例えばメモリに保存されたコンピュータプログラムを実行するために、少なくとも1つのプロセッサも含むことができる。プロセッサは、例えば任意の種類のマイクロプロセッサなど、知られているどのようなプロセッサでもよい。しかしながら、当業者は、システムがハードウェア、ソフトウェア、および/または、ファームウェアのどのような組み合わせともすることができることを理解する。
コンピュータシステムは、システムの動作を監視し、制御するように、かつ/またはガス分析ユニットから得られた応答データを分析するように構成することができる。ガス試料の分析を容易にするために、コンピュータシステムは、試料から得られた応答データを用いて、目標検体を同定するソフトウェアおよびハードウェアを含むことができる。例えば、既知の目標検体、および既知の化学族または化学官能基と一致する既知の応答のデータベースまたはライブラリと比較して、得られたデータ(例えば、化学センサアレイ応答、光イオン化応答、IMSスペクトルのピーク位置、ピーク高さ、ピーク領域)を解釈するためにコンピュータシステムのソフトウェアをコード化することができる。一実施形態では、コンピュータシステムは、例えば様々な官能基および化学物質用の既知のIMSスペクトルのスペクトルライブラリ(データベース)を含むことができる。別の一実施形態では、コンピュータシステムは、既知の目標検体用の化学センサアレイパターンの識別特性のデータベースを含むことができる。さらに別の一実施形態では、コンピュータシステムは、既知の目標検体用のイオン化電位およびPID補正係数のデータベースを含むことができる。さらに別の一実施形態では、コンピュータシステムは、既知の目標検体の、IMSのスペクトルライブラリ、化学センサアレイパターンの識別特性、およびイオン化電位を提供する1つまたは複数のデータベースを含むことができる。別の例示的な一実施形態では、コンピュータシステムは、同定された検体とガス試料に存在する未知の検体との確度またはマッチ率の指標を提供することができる。
コンピュータシステムは、情報を表示するグラフィカルユーザインターフェースも含むことができる。グラフィカルユーザインターフェースは、例えば、国際純正応用化学連合(IUPAC)命名の化学物質および同定された化合物の一般名を含め、未知の検体に関して得られた応答データに一致するデータベースからの官能基または化学物質のリストを表示できる。さらに、コンピュータシステムは、ユーザがコンピュータシステムと対話することができるようにするキーボードまたはマウス、タッチパッド、ジョイスティックあるいはその他の制御機構など、ユーザ入力システムを含むことができる。その上、コンピュータシステムは、ユーザがグラフィカルユーザインターフェースに関して提供された情報を操作することができるようにするハードウェア、および/またはソフトウェアを含むことができる。コンピュータシステムは、試料分析時に、例えば日付、時間、ユーザ識別、およびシステム状態など、ログ機能およびデータ保存機能を含むことができる。コンピュータシステムは、試料採取の場所を記録できる全地球測位システムのハードウェアおよびソフトウェアを含むことができる。
上記で論じたように、ガス分析システムは、単一ユニットとして機能するすべてを含むユニットとすることができる。あるいは、すべてを含むユニットを異なる場所に配置することができる他のユニットとネットワークでつなぐことができる。別の一実施形態では、所望のガス分析ユニットを含む1つまたは複数のシステムは、リモートコンピュータにネットワークでつなぐことができ、このリモートコンピュータは、制御および/または分析の機能を実施する。システムは、遠隔で使用するかまたはネットワークの一部を使用する場合には、無線技術を用いて、中央制御装置と通信することができる。
コンピュータシステムは、1つまたは複数のネットワーク(例えば、イントラネットまたはインターネット)または他のシステムにシステムを接続するネットワーク接続も含むことができる。ネットワーク接続は、例えばリモートコンピュータシステム、ネットワークなどへのイーサネット(登録商標)接続、または他の何らかの接続の形態(例えば、RS−232接続、光リンク、無線接続、など)など、情報を通信することができるどのような種類のネットワーク接続でもよい。
システムは、多種多様の検体を検出するために利用することができる。一実施形態では、システムは、優先するTICおよびCWAを検出し、同定するために用いられ、対象となる他の蒸気状、または噴霧状の化学もしくは生物の兵器物質を検出し、かつ/または同定するようにプログラム可能である。システムによって検出され、かつ/または同定され得る他の蒸気状の、かつ/または噴霧状の物質は、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、芳香族、ペルオキシド、エステル、エーテル、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫化物、ハロゲン化物、アジ化物、さらに爆薬、薬物、CWAおよびその類似物、BWAおよびその類似物、ならびにそれらを組み合わせたものの、一般クラスのなかからの任意の特定の化学物質であってもよいが、限定されるものではない。
検出され、かつ/または同定され得るTICは、アセトン、アクリロニトリル、アンモニア、ベンゼン、ブタン、一酸化炭素、クロロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ヘキサン、メチルヒドラジン、シアン化水素、硫化水素、メタン、メチルエチルケトン、m−キシレン、唐辛子スプレー(カプサイシン)、ホスゲン、プロパン、トリクロロエチレン、アクロレイン、エタノール、ホルムアルデヒド、イソプロパノール、メタノール、ホスフィン、1,1,1−トリクロロエタン、塩化ビニル、塩素、エチレンオキシド、塩化水素、フッ化水素、三塩化リン、二酸化硫黄、硫酸、カプロン酸メチル、テトラクロロエチレン、酢酸、フッ素、臭化水素、硝酸、スチレン、アルシン、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、二硫化炭素、六フッ化硫黄、ジボラン、セバシン酸ジエチル、二酸化窒素、トリフルオロニトロシルメタン、六フッ化タングステン、二酸化炭素、およびそれらを組み合わせたものを含むが、これらに限定されない。
検出され、かつ/または同定され得る爆薬類は、2−アミノ−4,6−ジニトロトルエン、4−アミノ−2,6−ジニトロトルエン、アンモナル、硝酸アンモニウム、黒色火薬、2,4−ジメチル−1,3−ジニトロブタン、2,4−ジニトロトルエン、エチレングリコールジニトラート、フォーサイト40、GOMA−2、ヘキサニトロスチルベン、1、3、5、7−テトラニトロ−1、3、5、7−テトラアザシクロオクタン(HMX)、モノニトロトルエン、ニトログリセリン、ペンタエリトリトールテトラニトラート(PETN)、1、3、5−トリニトロ−1、3、5−トリアザシクロヘキサン(RDX)、セムテックス−A、セムテックス−H、無煙火薬、トリニトロ−2、4、6−フェニルメチルニトロアミンテトリル(Tetryl)、2,4,6−トリニトロトルエン(TNT)、トリニトロトルオール(trilita)、1,3,5−トリニトロベンゼンおよびこれらの化合物を組み合わせたものを含むが、これらに限定されない。一実施形態では、収集される爆薬は、1、3、5−トリニトロ1、3、5−トリアザシクロヘキサン、ペンタエリトリトールテトラニトラート、2,4,6−トリニトロトルエン、トリニトロ−2、4、6−フェニルメチルニトロアミンテトリル、ニトログリセリン、硝酸アンモニウム、3、5、7−テトラニトロ−1、3、5、7−テトラアザシクロオクタン、およびそれらを組み合わせたものを含むが、これらに限定されない。
検出され、かつ/または同定され得る化学兵器物質およびその他の毒素は、アミトン(VG)、アルシン、塩化シアン、塩化水素、塩素、ジホスゲン、PFIB、ホスゲン、ホスゲンオキシム、クロロピクリン、エチルN,N−ジメチルホスホルアミドシアニデート(タブン)、イソプロピルメチルホスホノフルオリデート(サリン)、ピナコリルメチルホスホノフルオリデート(ソマン)、ホスホノフルオリド酸、エチル−、イソプロピルエステル(GE)、ホスホノチオ酸、エチル−、S−(2−(ジエチルアミノ)エチル)O−エチルエステル(VE)、ホスホノチオ酸、メチル−、S−(2−(ジエチルアミノ)エチル)O−エチルエステル(VM)、精製マスタード、エチルジクロロアルシン、ルイサイト1、ルイサイト2、ルイサイト3、メチルジクロロアルシン、マスタード−ルイサイト化合物、マスタード−T化合物、ナイトロジェンマスタード1、ナイトロジェンマスタード2、ナイトロジェンマスタード3、フェニルジクロロアルシン、ホスゲンオキシム、セスキマスタード、アダムサイト、アフラトキシン、ボツリヌス毒素、リシン、サキシトキシン、トリコテセン系マイコトキシン、メチルホスホノチオ酸S−(2−(ビス(1−メチルエチル)アミノ)エチル)O−エチルエステル(VX)、シクロヘキシルメチルホスホノフルオリド(GF)およびそれらを組み合わせたものを含むが、これらに限定されない。
検出され、かつ/または同定され得る生物兵器物質は、炭疽菌(脾脱疽)、ボツリヌス菌、ペスト菌(ペスト)、大痘瘡(天然痘)、野兎病菌(野兎病)、およびトウゴマ(リシン)を含むが、これらに限定されない。
目標検体は、生命および健康に対する差し迫った危険(IDLH)濃度以下で、検出され、同定され得る。一実施形態では、検体は、IDLH濃度のおおよそ50%以下、IDLH濃度のおおよそ25%以下、またはIDLHのおおよそ10%以下で、検出され、同定され得る。表Aは、10%のIDLH((1/10)IDLH)濃度で、検出され、同定され得るある例示のTICを一覧表示している。いくつかの実施形態では、目標検体のうちのいくつかを50%を超えるIDLH濃度で同定する場合がある。
目標検体は、システムのガス分析テクノロジによって供給されたデータを用いて、検出され、同定され得る。上記で論じたように、それぞれのガス分析テクノロジは、検体に応じて信号またはデータ出力を提供することができる1つまたは複数の検出器を含む。それぞれの検出器の出力(例えば、応答データ)は、コンピュータによって記録することができる。それぞれのガス分析テクノロジは、検体の特性を示す定性的かつ定量的な応答データを提供することができる。ある場合では、検出器からの応答データは、異なる検体に対して同じものになり、別の場合では、検出器からの応答データは、検体によって異なるものになることがある。最初のガス分析テクノロジにおいて同じ応答データを有する検体が、2番目のガス分析テクノロジにおいて同じ応答データを有することはあまりないことなので、2つ以上のガス分析テクノロジからの応答データを用いることは、同じ応答データを有する検体を区別するために有用となり得る。
試料中の検体を同定することができる新規なアルゴリズムを用いて、ガス分析テクノロジ、ならびにそれぞれのガス分析テクノロジの検出器およびセンサからの定性的、かつ/または定量的な応答データを組み合わせることができる(または、「複合できる」)。アルゴリズムは、検体の化学的アイデンティティを提供し、または検体の化学物質の種類を規定する複数のガス分析テクノロジからのデータを複合化することができる。
IMS応答は、温度や圧力などのパラメータを説明するように、低下した移動度(k)のスペースに測定可能なピークを位置付け、正規化することができるイオンスペクトルを構成する。一実施形態では、k値およびその対応する強度を既知のピーク「ウィンドウ」に対して比較して、計測スペクトルが1つまたは複数の既知の検体と一致しているかどうか判定することができる。IMSピークは、実測強度に基づき半定量情報も提供することができる。例えばコンピュータシステムにあるデータベースに与えられた既知の検体のピークウィンドウを、未知の検体のピークウィンドウと比較することができ、検体または潜在する検体の群を同定することができる。
PID応答は、(PIDバルブエネルギーに対する)既知のイオン化電位に照らして、1つまたは複数の既知の検体が存在する可能性があるかどうかを示す、バイナリメトリック(binary metric)を生成することができる電圧出力である。これらのイオン化電位は、本質的に検体の特性を示し、検体を同定する別のガス分析テクノロジからの応答データに合わせて用いることができる。その上、次に同定する検体用の予め設定された較正係数(PIDCAL)および補正係数(CF)を用いて、PID応答を濃度に変換することができる。
化学センサアレイ応答は、当技術分野で知られている適切などのような分析法を用いても生成することができる一連の信号である。一実施形態では、各センサが検体への暴露時に定性的かつ定量的な情報を得るように、時間依存の電圧出力を処理することによって、また必要に応じて積分することによって、化学センサアレイ応答を生成することができる。例えば、ランク抽出(Wilson、D.M.ら、「Rank Extraction in Tin−Oxide Sensor Arrays」、Sensors and Actuators B、62、199〜210頁(2000))、または当技術分野で知られている別の方法など、実測した応答パターンが1つまたは複数の既知の目標検体と一致しているかどうか判断するために、パターン認識技術を用いてこのアレイパターンをさらに処理することができる。
それぞれのガス分析テクノロジからのデータ出力を分析することによって、検体を同定することができる。図6は、試料中の1つまたは複数の検体を監視し、検出し、同定し、定量化するためにシステムが利用することができるプロセスフローチャートを示す。図6に示す一実施形態では、ガス分析テクノロジは、PID、MOSアレイ、およびIMSを含む。プロセスフローチャートは、試料の検体を検出し、同定し、かつ/または定量化するために、どのようにしてそれぞれのガス分析テクノロジを独立して制御することができるか、どのようにして一組のガス分析テクノロジを一緒に用いることができるかを示す。例えば図6に示す一実施形態では、システムが起動され、操作(S601)を開始し、試料のパラメータがIMS、PID、および化学センサMOSアレイのガステクノロジのそれぞれによって監視される。IMSはIMSスペクトルを監視し(S603)、PIDは電圧を監視し(S605)、MOSアレイはセンサ(i…n)の電圧を監視する(S607)。MOSアレイによる電圧の監視と連動して、dVi/dt(時間にともなう電圧変化)に基づき、波状のMOSベースラインを設定する(S609)。監視パラメータがしきい値に達したと判定される場合、ガス分析テクノロジ(S611、S613、S615)のいずれに対しても検出アラームを発動する(S617、S619、S621)ことができる。例えばIMSでは、変化が正または負の位相スペクトルで検出される場合、アラームが発動される(S617)。同様に、PID電圧が規定のしきい値に達する場合、アラームが発動される(S619)。これらのアラームは、バックグラウンド空気の化学的組成の変化をユーザに警告することができ、次の同定ステップの前駆物質とすることができる。
MOSアレイは、検出可能な電圧の変化に対しても監視するが、dVi/dtの安定性に基づき、波状のベースライン(Vo)を用いる(S609)ことができる。アラームをもたらす(S621)変化は、ベースライン電圧からの検出可能な偏差として定義される。このアラームは、バックグラウンド空気の化学的組成の変化もユーザに警告することができ、次の同定ステップの前駆物質となる。MOS信号をさらに処理して、時間依存のMOSアレイ信号を、目標検体の特性を示し、目標検体と一致することができるスタティックなパターンに変換することができる(S625)。アラームの発動(S621)時は、弁32(図1Aおよび図1B参照)が作動して、MOSアレイを切り離し(S623)、時間依存のMOS信号を積分する(S625)ことができる。
1つまたは複数のガス分析テクノロジから信号が検出される(S611、S613、S615)場合、新規な出力(または、応答)データ融合法(S627)により、応答データからの情報を論理的に分類し、フィルタリングして、(a)1つまたは複数の検体のアイデンティティおよび検体の濃度、(b)1つまたは複数の検体に関して可能性がある化学族もしくは同一である可能性があるもののリスト(同一であると決定したものではないが)、およびおおよその濃度、ならびに/または(c)未知のアイデンティティもしくは種類、およびおおよその濃度の検出された検体へのアラーム、を得ることができる。データ融合法による同定をPIDにフィードバックする(S629)ことができる。ステップS631では、監視が継続されるべきかどうかを判断する。継続する必要がない場合、監視プロセスを終了する(S633)。そうでなければ監視を継続する。
図7は、データ融合法(図6のステップのS627)の一実施形態を示すプロセスフローチャートである。図7のフローチャートは、2つ以上のガス分析テクノロジからのデータを複合化する「逐次フィルタリング」方法を示す。この方法は、例えば、それぞれのガス分析テクノロジからの信号形状、ピーク形状、および/またはピーク位置、ならびに出力信号(データ)の大きさなど、質的側面に基づく目標検体の候補リストの逐次フィルタリングを含むことができる。一実施形態では、それぞれのガス分析テクノロジからの質的側面および信号出力の大きさは、分析されて、システム内で使用される他のガス分析テクノロジからの信号出力と比較される。プロセスに従えば、それぞれのガス分析テクノロジからのデータ出力を連結させ、続いて融合されたデータを分析することができる。例えば、主成分分析(PCA)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、もしくはその他このようなあらゆるパターン認識、および/または階層型分類アルゴリズムなど、によって融合されたデータを分析することができる。
図6および図7に示すように、システムは、独立にかつ並行してそれぞれのガス分析テクノロジ信号出力を比較検討することができる。個々の出力データの分析により、それぞれのガス分析テクノロジからの「候補として判明したもの」のリストをもたらすことができる。それぞれの個々の候補リストを融合して、目標試料中の1つまたは複数の検体の、アイデンティティまたは複数のアイデンティティを生成することができる。それぞれ別のガス分析テクノロジからの候補として判明したもののリストの比較、および組み合わされたガス分析テクノロジからの出力信号が特定の目標検体のアイデンティティを有する確率の統計的分析に基づいて、最終的に同定することができる。
図7の例示的な実施形態に示すように、ガス分析テクノロジ(IMS、PID、およびMOS)の信号出力が与えられている(S701)。ステップS703では、PID電圧がしきい値を超えているかどうかを判定する。この判定に基づいて、検体候補物質はふるい落とされ(S705)、ふるい落とされた検体候補物質を取り除いて、第1のフィルタリングリストが与えられる(S707)。ステップS709では、IMSプラズマグラムに検出可能な変化があるかどうかを判定する。変化がある場合は、このようなIMS応答を有しない検体候補物質は、第1のフィルタリングリストからふるい落とされ(S711)、IMS応答は検体候補物質の参照データと比較される(S713)。IMS応答に基づいてふるい落とされた検体候補物質を取り除いて、第2のフィルタリングリストが与えられる(S715)。ステップ717では、MOS応答が検体候補物質の参照データと比較される。この比較に基づき、さらに、検体候補物質は、与えられる第2のフィルタリングリストおよび第3のフィルタリングリストからふるい落とすことができる(S719)。次に、3つのガス分析テクノロジからの応答大きさを相互に関連付けし、第3のリストにある残りの検体候補物質からの参照データと比較し、その結果、最終検体候補物質が判定される(S723)。
プロセス階層は、ガス分析テクノロジおよびガス分析テクノロジに備えられる検出器およびセンサを制御するハードウェアおよびソフトウェアによって制御され、または容易にすることができる。
図8は、図7の方法に代わるものとしてデータ融合法の別の一実施形態を示すプロセスフローチャートを示す。図8のデータ融合法は、並列検証から生成された適合(fit)の確率に基づいている。図8に示すように、3つの異なる検証が示されているが、3つの異なる計器20、30、および40(図1Aおよび図1B参照)からのデータを利用するどのような検証の組み合わせも用いることができる。3つの検証は、IMS出力ステップ(S801)、MOS出力ステップ(S803)、およびPID出力ステップ(S805)が示すように、PID、化学センサMOSアレイ、およびIMSからの応答に基づいている。最初に与えられた検証は、ライブラリエンティティの化学センサMOSアレイ応答と化学センサMOSアレイによって検出される未知の検体の比較(S807)である。適合の近さに基づいて、適合の確率は、ライブラリ中のありとあらゆるエンティティに対し計算される(S809)。例えば、最小二乗適合分析、または他の何らかの適合分析を用いて、適合の近さを判定することができる。2番目の検証は、化学センサMOSアレイ応答を利用し、例えばライブラリ中のありとあらゆるエンティティを得るために検出後約10秒など、ある所定の時間において定量的にPID応答を予測する(S817)。予測と実測のPID応答を比較する(S819)。予測と実測のPID応答の近さに基づき、適合の確率は、ライブラリ中のありとあらゆるエンティティに対し計算される(S821)。例えば、最小二乗適合分析、または他の何らかの適合分析を用いて、適合の近さを判定することができる。3番目に与えられた検証は、化学センサMOSアレイ応答を利用して、IMS応答を予測する(S811)。予測と実測のIMS応答を比較する(S813)。適合の近さに基づいて、適合の確率は、ライブラリ中のありとあらゆるエンティティに対し計算される(S815)。適合の近さは、例えば、最小二乗適合分析、または他の何らかの適合分析を用いて判定することができる。計算された確率を何らかの方法で組み合わせて、ライブラリエンティティの1つ1つに対して1つの適合の組み合わせ確率を生成する(S823)。個々の確率は、例えば平均、積、加重積、または他の何らかの数理的な確率の組み合わせを用いて組み合わせてもよい。
この実施例は、詳細にガス分析システムの潜在的な構成を提供する。すべての構成可能なパラメータのデフォルト設定を以下に明示する。
金属酸化物(MO)センサ
6つの単独のTGSのMOセンサを使用する。MOセンサアレイによって実施される機能は、以下の通りである。
起動の前に、それぞれのセンサの出力電圧(Vi)が「コールド」ベースラインであることを確認する。起動時このベースラインからの変化があれば、センサが動作可能であることを示している。起動時、直流(DC)加熱器動作電圧(Vop)を、VHEATi(ボルト、i=1〜6)によって指定された通りに、各センサに印加する。
それぞれのセンサの出力(Vi)およびそれぞれの時間に依存する傾き(dVi/dt)、ならびに温湿度は、5Hzで連続して監視される。アレイの暴露がデフォルトでサンプリングすることができるように、センサ経路弁を操作する。
TSTABLE(秒)の間、すべてのdVi/dt<DSTABLEである場合、MOセンサは、安定し、「準備完了」となる。このとき、それぞれのセンサのベースラインVi0は、Viとして記憶される。これは、いつセンサがクリーンになったかを判断するために後で用いられる。すべてのセンサがTSTABLE秒間、安定した状態を保つ(かつデフォルト設定で、どの試料にも応答していない)場合、ベースラインは、それぞれがTSTABLE秒経過後、波状のベースに対してリセットされる。
ベースラインからのそれぞれのセンサ出力電圧の偏差(ΔVi=(Vi−Vi0)、初期のベースラインが確立された時点)、およびこれらの偏差の数学的な総和(SUM(ΔVi))を計算し、5Hzで連続して監視する。SUM(ΔVi)の絶対値>DTHRESH1である場合、センサ経路弁が作動して、時間TVALVE1(秒)の間、センサを切り離す。
TVALVE1が経過した後に、センサ経路弁が作動して、アレイがTVALVE2(秒)間、中を空にすることが可能になる。この時間の後、[Δ{SUM(ΔVi)}]>0であれば、付加した試料がセンサアレイに達していることを示し、弁が再度作動して、アレイを切り離す。このプロセスは、清浄空気がシステムに挿通していることを示す、[Δ{SUM(ΔVi)}]<0となるまで繰り返され、センサ経路は、元の状態に戻るように、暴露され続けることができる。
DTHRESH1を満足した後、時間TIME1のときに、Viを読み取り、比率(Vi0/Vi)を対数変換する。MOセンサパターンは、6チャネルアレイの対数変換である。このアレイからのデータは、例えば図7または図8で示すデータ融合アルゴリズムによって処理される。
センサ仕切り弁が開かれ、センサがベースラインに戻った後に、TSTABLE(秒)の間、すべてのdVi/dt<DSTABLEで、かつそれぞれのViが元のVi0の+/−VBASEボルトの範囲内にある場合、センサは、再度「準備完了」になる。この間、PIDおよびIMSは、「連続監視」モードで動作する。
MO応答に基づき、ユーザには以下のうちの1つがわかる。
・DSTABLE条件を満足するdVi/dt(および試料クリアダウン後、VBASE条件を満足するVi)に基づく「Ready」表示
・DTHRESH1条件を満足するSUM(ΔVi)に基づく「Detect」表示。
・別の検出器出力によるアレイ処理、およびその後の複合化に基づく「Identity」
システムに関するデフォルトパラメータ値は以下の通りである。
・DSTABLE=0.011
・TIME1=10.0秒
・TSTABLE=30.0秒
・VHEATi=5.0V(6つのセンサすべて対して)
・DTHRESH1=1.0
・TVALVE1=10.0秒
・TVALVE2=1.0秒
・VBASE=0.3ボルト
光電離検出器(PID)
1つの10.6eVのPIDセンサが使用される。PIDによって実施される機能は、以下の通りである。
PIDは、スタートアップ直後に「準備完了」になる。PIDが動作可能であることを確認するために、電気的なチェックが用いられる。RawVout(ボルト)は、1Hz(または、A/D遅延時間に基づく最適レート)で連続して監視される。
PID A/Dには、1、4、8、16、32、または64の利用可能な値を有する設定可能なゲインPIDGAINがある。
ベースライン電圧PID0(ボルト)は、ユーザ較正時に、またはシステムによって自律的に設定され、較正係数PIDCAL(ボルト/ppm)は、メーカーによって与えられるが、較正時にユーザが更新可能である。
システムは、試料濃度を[((Vout−PID0)/PIDCAL)CF]として連続して計算する。イソブチレン(較正用ガス)のデフォルトCF=1.0であり、試料が同定されるまでは、表示器には「Isobutylene Units」と表示されることに留意されたい。
(PID0+PIDTHRESH)を上回って検出されたPID応答は、出力がMOSおよびIMSの出力で複合化される場合、化学的アイデンティティのヒットリストをフィルタリングするバイナリメトリック(「Detect」=1または「No Detect」=0)を設定するために利用される。
PID応答に基づき、ユーザには以下のことがわかる。
・順調な立ち上げに基づく「Ready」表示
・ベースラインPID0を上回るPIDTHRESHである信号の上昇に基づく「Detect」表示
・試料を同定する前の「PPMIsobutylene」
・試料が同定されて、CFがシステムコンピュータから呼び戻された後の「PPM[sample]」
PIDに関するデフォルトパラメータ値は以下の通りである。
PIDGAIN=1
ユニットごとに設定されたPIDCAL=ボルト/ppm
CF=1.0(イソブチレン)
PIDTHRESH=0.002ボルト
イオン移動度スペクトロメータ(IMS)
システムは、1つのIMS検出器(Smiths Detection)を含むことができ、この検出器は、メーカーによって設定された通りに作動する。
IMSは、正および負のモードのIMS範囲(0.2Hzで収集)ごとに強度(カウント)に対するkの表を生成する。信号が既知の化合物と一致しているかどうか判定するためにこの表を予め定義された結合「ウィンドウ」に対して比較し、最終の試料のアイデンティティ(図7または図8)に至るように、この情報をMOSおよびPIDによって複合化する。
IMS応答に基づき、ユーザには以下のことがわかる。
・正常な立ち上げ(IMSによって報告される状態)に基づく「Ready」表示
・正および/または負のモードにおける1つのピークまたは複数のピークの有無に基づく「Detect」表示
・試料ウィンドウに対するkの表の処理、ならびにMOSおよびPIDの出力によるこの情報の複合化に基づく「Identity」
マルチ検出器ガス同定システムを実証するために、いくつかの有毒工業化学物質(TIC)のガスおよび蒸気を使って実験を行う。本明細書に記載されているようなハードウェアプロトタイプのシステムは、すべての構成要素が共通の試料流路でつながった状態で構成される。IMSは、カスタムソフトウェア(Smiths Detection)を用いて制御される。PIDおよびMOSは、LabVIEW(商標)(National Instruments、Austin、TX)で書かれたカスタムインターフェースを用いて制御される。RawのMOS時間依存のデータは、Origin(商標)(OriginLab、Northampton、MA)、およびフォートラン(Open Watcom)を用いて、アレイパターンに変換される。データ融合アルゴリズムは、フォートランを用いてコード化され、実行される。
この実施例では、マルチ検出器ガス分析システムを用いて、21のTICを特徴付ける。それぞれの化合物は、流動状態で、直ちに生命や健康に危険を及ぼす(IDLH)値の上下の気相濃度(百万分率、ppmにおける)範囲にわたって研究される。ガスに関しては、窒素バランス(Scott Specialty Gas、South Plainfield、NJ)中の認定混合物を、所望の希釈度を得るためにデジタル質量流量コントローラ(Sierra Instruments、Monterey、CA)を用いて、純ゼロエア(Scott)と混合する。蒸気に関しては、純粋液体(Sigma−Aldrieh、St.Louis、MO)を、シリンジポンプ(Cole−Parmer、Vernon Hills、IL)を使って、ゼロエアのバランスに供給する。加湿は、ボトル(Fisher Scientific、Hampton、NH)を洗浄し、流れを試料流と混合するガスによって、ゼロエアを流すことにより実施する。湿度は0〜50%R.H.の幅があり、すべての測定は室温で行われる。試料供給システムは、バックグラウンドおよび試料の空気流に対して、均一な湿度および流量(2〜10標準リットル毎分、slpm)を維持するように構成される。2つの流れを常に流れている状態に維持し、四方弁を介して計器と排気管を切り換える。
試料を測定するためには、計器をまず作動させ、所望の湿度のバックグラウンド空気の流れのもとで安定させる。この間に、所望のTIC濃度の試料流を設定し、排気管に誘導する。試料の導入は、プリセットタイム(通常10秒)の間、計器のほうへ四方弁の向きを変えることによって実施される。再現性を比較検討するために、反復測定値が収集される。
結果 アセトン
この実施例では、周囲温度での、アセトン蒸気の「未知」のサンプルを、50ppm(1/50IDLH)かつ50%R.H.で測定する。計器を蒸気に暴露させると、PIDおよびMOS検出器だけが応答する。これらの検出事象に基づいて、図7のデータ融合アルゴリズムが開始される。PIDが応答してからその後に、21の候補TICのうち12は、第1のフィルタステップでふるい落とされるが、これは12のTICのイオン化電位(I.P.)が10.6eVのPIDバルブエネルギーより大きいからである。したがって、9つのTICが第1のフィルタリング候補リスト中に残る。これらの化合物のなかには、IMSの応答がなくとも、IMSで活性のあるTICが検出可能な濃度未満で存在する可能性があるので、第2のフィルタではなにもふるい落とされない。これにより第2のフィルタリング候補リストの中に9つのTICが残る。
次に、これらの候補物質のMOSアレイパターンは、第3のフィルタステップで試料パターンと比較され、第3の候補フィルタリスト中に3つの化合物、アセトン、エタノールおよび硫化水素が残る。次に、これらの3つの可能性のあるものを識別するために、様々な検出器の応答の大きさを、ケースバイケースで相互に関連付ける。
PID応答によれば、未知試料濃度は、38ppmのイソブチレン(較正用ガス)と一致する。一般に、この測定で得られるPID濃度は、試料が流路中で安定する前に、それぞれの検出事象のすぐ後にPID読取り値が得られる(図4を参照)ので、平衡基準測定値より常に少ない。データ融合アルゴリズムは、この不具合を考慮するために実証的調整係数を組み込む。しかし、連続操作中にユーザに報告されるPID濃度は、リアルタイムの未調整値である。このことにより、アセトン、エタノール、または硫化水素の候補物質のそれぞれのPID補正係数に基づき、アセトンが42ppm、エタノールが380ppm、または硫化水素が125ppmに変わる。個々のチャネル信号の和として決定されたMOSパターンの大きさは、14Vである。これによりアセトンが50ppm、エタノールが40ppm、または硫化水素が100ppmに変わる。明らかに、PIDおよびMOSの大きさがアセトンまたは硫化水素とだけ一致しているので、エタノールは、見せかけの候補物質としてふるい落とされる。
次にIMS検出器で反応がなかったことを、さらに識別するために検討する。アセトンが50ppm存在した(MOSアレイに基づき)場合、IMS検出限界が100ppmであるのでスペクトルを生成しないであろう。しかし、硫化水素の検出限界は1ppm未満であるため、125ppmの硫化水素は、識別可能な負のモードの応答を生成するであろう。この不整合性により、硫化水素を見せかけの候補物質としてふるい落とすので、アセトンが試料と同一であるものとして報告される。この分析の結果を表1に要約する。
表1。マルチ検出器システムプロトタイプ、および逐次フィルタリングに基づくデータ融合アルゴリズムを用いた50ppmのアセトンの分析。第3のフィルタリングリストからの候補物質の計算された濃度は、個々の検出器の測定値から導出され、大きさの相互相関ステップのために使用される。
結果 アクリロニトリル
アクリロニトリル蒸気の「未知の」試料は、8ppm(1/10IDLH)かつ50%R.Hにおいても測定される。このとき、MOS検出器だけが応答する。PID応答の欠如が、PID活性の化合物(I.P.<10.6eVで)が、検出限界より下で存在していることを意味する可能性があったので、逐次フィルタリングに基づくデータ融合アルゴリズムに従えば、第1のフィルタではどの候補物質もふるい落とされない。IMSフィルタについても同じことが言えるので、すべての候補物質が第2のフィルタリングリストにとどまる。したがって、試料のMOSパターンは、参照パターンのすべてに対して比較され、4つの候補物質、アクリロニトリル、ジボラン、エタノール、および硫化水素が残る。これらの4つの可能性のあるものを識別するために、様々な検出器の応答の大きさを、ケースバイケースで相互に関連付ける。
この試料に関しては、MOSの合計は3.8Vである。第3のフィルタリングリスト中の候補物質に対して、これは、9ppmのアクリロニトリル、1ppmのジボラン、10ppmのエタノールまたは1ppmの硫化水素に一致する。アクリロニトリルは、PIDまたはIMSで活性がないので、どちらの検出器でもこの測定で観測されたように応答しないであろう。したがって、アクリロニトリルは候補物質のままである。ジボランは、PID活性ではないが、そのIMS検出限界は0.5ppmであり、負のモード応答を生成するであろう。反対に、エタノールは、IMS活性ではないが、PIDの応答があり、10ppmでPID信号を生成したのであろう。このようにして、これらの2つの化合物は、見せかけの候補物質としてふるい落とされる。最終的に、硫化水素には、PIDおよびIMSの両方の応答があるが、MOS検出器によって示された1ppmの濃度レベルでは、すべてのデバイスで信号を生成すると予想される。したがって、硫化水素は、検討の対象からふるい落とされ、アクリロニトリルが観測された信号を生成する可能性がある唯一のTICとして報告される。この分析の結果を表2に報告する。
表2。マルチ検出器システムプロトタイプ、および逐次フィルタリングに基づくデータ融合アルゴリズムを用いた8ppmのアクリロニトリルの分析。第3のフィルタリングリストからの候補物質に対する計算された濃度は、大きさの相互相関ステップのために、個々の検出器の測定値から導出され、使用される。
この実施例は、ガスおよび蒸気を同定する、マルチ検出器のハードウェアプラットフォームおよびデータ融合アルゴリズムを実証するために行われた大規模な一式の試験測定を表す。これらの結果は、試料を同定する関連デバイスの定性的応答を裏付けるために、直交検出テクノロジと定量的情報を比較検討する能力を組み合わせることの重要性を示す。

Claims (20)

  1. 複数のガス分析ユニットおよびコンピュータシステムを含むガス分析システムであって、
    前記複数のガス分析ユニットが検体を含むガスの単一の試料と流体連通するように構成され、
    前記複数のガス分析ユニットが、
    光イオン化検出器(PID)、
    化学センサアレイ、および
    1つまたは複数のイオン移動度スペクトロメータを含み、
    前記コンピュータシステムが、前記ガス分析ユニットによって生成されたデータを個々にかつ並行して分析するように構成され、前記データは前記検体の特性を示し、
    前記コンピュータシステムが、前記ガス分析ユニットからの前記データに基づき、検体候補物質を検出濃度および検出限界濃度を用いて逐次フィルタリングすることによって前記検体を同定するように構成されている、ガス分析システム。
  2. 請求項1に記載のガス分析システムであって、
    前記コンピュータシステムは、前記化学センサアレイ内の各化学センサが前記試料を監視するのに適切な動作パラメータを用いて、前記化学センサアレイ内の各前記化学センサの動作をそれぞれ個別に制御する、ガス分析システム。
  3. 請求項1又は2に記載のガス分析システムであって、
    前記コンピュータシステムは、前記試料に対する検体候補物質のリストを同定するのに十分なデータを前記化学センサアレイが生成すると、前記化学センサアレイに前記試料の監視を中断させる、ガス分析システム。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のガス分析システムであって、
    前記コンピュータシステムは、弁を動作させて、前記化学センサアレイが前記試料の少なくとも一部により飽和状態となることを防止するために前記化学センサアレイを切り離す、ガス分析システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のガス分析システムであって、
    前記コンピュータシステムは、前記PIDに補正を与えるように構成され、前記補正は、前記試料における1以上の検体の存在を示す情報から算出される、ガス分析システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のガス分析システムであって、
    相対湿度センサを更に備える、ガス分析システム。
  7. 複数のガス分析ユニットおよびコンピュータシステムを含むガス分析システムの制御方法であって、
    前記複数のガス分析ユニットが検体を含むガスの単一の試料と流体連通するように構成され、
    前記複数のガス分析ユニットが、
    光イオン化検出器(PID)、
    化学センサアレイ、および
    1つまたは複数のイオン移動度スペクトロメータを含み、
    前記コンピュータシステムが、
    前記ガス分析ユニットによって生成された前記検体の特性を示すデータを個々にかつ並行して分析するステップと、
    前記ガス分析ユニットからの前記データに基づき、検体候補物質を検出濃度および検出限界濃度を用いてフィルタリングすることによって前記検体を同定するステップと、
    を含む制御方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、
    前記化学センサアレイ内の各化学センサが前記試料を監視するのに適切な動作パラメータを用いて前記化学センサアレイ内の各前記化学センサの動作をそれぞれ個別に制御し、前記検体の特性を示すデータを生成するステップを更に含む、制御方法。
  9. 請求項7又は8に記載の方法であって、
    前記試料における1以上の検体の存在を示す情報を用いて前記PIDに補正を与えるステップを更に含む、制御方法。
  10. 請求項7乃至9の何れか一項に記載の方法であって、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、前記データにより供給される応答を既知の応答のライブラリと比較し、候補検体物質を同定する、制御方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、
    前記ライブラリに含まれる少なくとも1つの既知の応答に対する、前記データにより供給される応答の適合の近さを決定し、前記試料において前記既知の応答を有する候補検体が存在する可能性を決定するステップを更に含む、制御方法。
  12. 請求項7乃至11の何れか一項に記載の方法であって、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、前記データにより供給される応答を用いてピーク強度を有するイオンスペクトルを生成し、前記ピーク強度を候補検体物質の既知のピークウィンドウと比較して候補検体物質を同定する、制御方法。
  13. 請求項7乃至12の何れか一項に記載の方法であって、
    前記検体の特性を示すデータは、時間依存の電圧を含み、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、パターン認識を用いて前記時間依存の電圧に含まれる候補検体物質に特有のパターンを検出する、制御方法。
  14. 複数のガス分析ユニットを含むガス分析システムに用いられるコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記複数のガス分析ユニットが検体を含むガスの単一の試料と流体連通するように構成され、
    前記複数のガス分析ユニットが、
    光イオン化検出器(PID)、
    化学センサアレイ、および
    1つまたは複数のイオン移動度スペクトロメータを含み、
    前記コンピュータに、
    前記ガス分析ユニットによって生成された前記検体の特性を示すデータを個々にかつ並行して分析するステップと、
    前記ガス分析ユニットからの前記データに基づき、検体候補物質を検出濃度および検出限界濃度を用いてフィルタリングすることによって前記検体を同定するステップと、
    を実行させるプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムであって、前記コンピュータに、
    前記化学センサアレイ内の各化学センサが前記試料を監視するのに適切な動作パラメータを用いて前記化学センサアレイ内の各前記化学センサの動作をそれぞれ個別に制御し、前記検体の特性を示すデータを生成するステップを更に実行させる、プログラム。
  16. 請求項14又は15に記載のプログラムであって、前記コンピュータに、
    前記試料における1以上の検体の存在を示す情報を用いて前記PIDに補正を与えるステップを更に実行させる、プログラム。
  17. 請求項14乃至16の何れか一項に記載のプログラムであって、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、前記データにより供給される応答を既知の応答のライブラリと比較し、候補検体物質を同定する、プログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムであって、前記コンピュータに
    前記ライブラリに含まれる少なくとも1つの既知の応答に対する、前記データにより供給される応答の適合の近さを決定し、前記試料において前記既知の応答を有する候補検体が存在する可能性を決定するステップを更に実行させる、プログラム。
  19. 請求項14乃至18の何れか一項に記載のプログラムであって、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、前記データにより供給される応答を用いてピーク強度を有するイオンスペクトルを生成し、前記ピーク強度を候補検体物質の既知のピークウィンドウと比較して候補検体物質を同定する、プログラム。
  20. 請求項14乃至19の何れか一項に記載のプログラムであって、
    前記検体の特性を示すデータは、時間依存の電圧を含み、
    前記検体の特性を示すデータを分析するステップにおいて、パターン認識を用いて前記時間依存の電圧に含まれる候補検体物質に特有のパターンを検出する、プログラム。
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