JP5643373B2 - 空間光変調器 - Google Patents

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この発明は、電気光学結晶を用いた空間光変調器に関するものである。
従来より、リチウムナイオベート(LiNbO)等の電界により屈折率が変化する電気光学結晶を用いて空間光変調を行う手法が知られている。例えば、特許文献1では、電気光学結晶が薄板形状(スラブ形状)に仕上げられている。この電気光学結晶の一方主面(または両主面)には、複数の電極要素が一定ピッチで配列されて格子電極が形成されている。そして、これらの電極要素間に電位差を付与することで電気光学結晶中で生じる電界により電気光学結晶の内部で周期的な屈折率の変化が生じて回折格子が形成される。この電気光学結晶に対して格子電極の長さ方向とほぼ平行に光を入射させ、主にラマン・ナス回折を生じさせることにより空間光変調が行われている。
特開2009−31732号公報(図4、図7)
上記のように従来の空間光変調器では、電気光学結晶が薄板形状を有し、しかも格子電極を構成する電極要素の配列方向に光を伝播させているため、光と電界との相互距離を伸ばすことができ、低電圧で空間光変調器を高速駆動することが可能となる。しかしながら、上記空間光変調器では、ラマン・ナス回折を用いているため、次のような問題があった。すなわち、ラマン・ナス回折では1次回折光より高次の回折光の回折効率が低いため、上記した従来の空間光変調器をパターン描画装置などに適用する場合、0次光を用いてパターン描画を行うのが一般的であった。したがって、被描画面に光を照射しない時、つまり消光時には電極要素間に電位差を生じさせることでラマン・ナス回折を生じさせるのだが、その消光時における0次光の漏れ光が被描画面に到達してしまうことがあり、高い消光比(ON/OFF光量比)を得るのが難しいという問題があった。また、パターン描画に十分な光量を稼ぎながら同時に空間光変調器の解像度を高めるためには、電極要素を狭ピッチで設ける(格子周期の高精細化)とともに電極要素を長くせざるを得ず、その結果、回折効率が低下して消光比(ON/OFF光量比)の低下要因となっている。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高い消光比を有する空間光変調器を提供することを目的とする。
の発明にかかる空間光変調器は、上記目的を達成するため、電界を受けて発生する分極の向きが互いに反対である第1分極部および第2分極部を交互に所定周期で第1方向に配列した周期分極反転構造を有し、第1方向に対して傾斜した第2方向に沿って進む光が周期分極反転構造を介して通過する電気光学結晶基板と、電気光学結晶基板の一方主面上に設けられた複数の第1電極と、電気光学結晶基板の他方主面上に設けられた第2電極と、複数の第1電極と第2電極の間での電界発生をそれぞれ制御することで周期分極反転構造内の複数領域でそれぞれ回折効率を変化させて各領域を進む光を変調する変調部とを備え、複数の第1電極は周期分極反転構造内を進む光の進行方向と略垂直な第3方向に互いに離間して配列され、第1電極の第3方向における幅は所定周期と略同等であり、変調部は複数の第1電極ごとに独立して電圧を印加することを特徴としている。
このように構成された発明では、第1電極の第3方向における幅は第1分極部および第2分極部の配列の周期と略同等であり、複数の第1電極ごと、例えば後で説明する第2実施形態の図7(a)では隣接する3本の第1電極により構成される電極単位ごとに、当該電極単位を構成する第1電極への電圧の印加によって当該第1電極と第2電極の間で電界が生じる。このため、周期分極反転構造内では、複数の第1電極(電極単位)ごとに第1電極と第2電極の間の領域で回折効率が変化して当該領域を進む光を変調する。
上記した発明の各態様において、分極部を傾斜させると、消光比をさらに高めることができる。すなわち、互いに隣接配列された第1分極部および第2分極部の境界面が電気光学結晶基板の一方主面および他方主面に対して傾斜するように周期分極反転構造を構成してもよい。このように構成した場合、上記境界面が電気光学結晶基板の一方主面および他方主面に対して直交するように配置した場合に比べ、回折領域が制限され、ブラッグ回折における再結合が防止される。これによって、ゴースト光の発生を抑制することができ、消光比をさらに高めて高コントラストな光変調を行うことができる。また、このような空間光変調器を用いることで描画品質をさらに高めることができる。
また、電気光学結晶基板に、一方主面から他方主面に向かう厚さ方向の一部でスラブ導波路を設けてもよく、これによってスラブ導波路内で光が封じ込められて伝播するため、電気光学結晶基板内での光の損失を低減することができる。このようなスラブ導波路としては、例えばアニールプロトン交換法により形成することができ、Ti(チタン)拡散法と比べてもより短波長(例えば紫外域)での使用が可能となる。また、そのスラブ導波路を厚さ方向の中央に形成してもよく、この場合、光損失をさらに低減することができる。
さらに、電気光学結晶基板の一方主面から他方主面までの厚さを30μm以下にすると、低電圧で空間光変調器を駆動することが可能となり、高速な光変調を行うことができる。
この発明にかかる空間光変調器によれば、複数の第1電極が周期分極反転構造を有する電気光学結晶基板の一方主面に設けられ、他方主面に設けられた第2電極と各第1電極との間での電界発生を制御することで各第1電極ごとにブラッグ回折を生じさせることが可能となっており、高い消光比が得られる。
本発明にかかる空間光変調器を装備したパターン描画装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示すパターン描画装置の側面図である。 図1のパターン描画装置の電気的構成を示すブロック図である。 光学ヘッドの内部構成を簡略化して示す図である。 本発明にかかる空間光変調器の第1実施形態を示す図である。 図5に示す空間光変調器の動作を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第4実施形態を示す図である。 本発明の第5実施形態を示す図である。 本発明の第6実施形態を示す図である。 図11に示すパターン描画装置で用いられた空間光変調器を示す図である。 第1実施形態と第6実施形態の対比図である。
<第1実施形態>
図1は本発明にかかる空間光変調器を装備したパターン描画装置の第1実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示すパターン描画装置の側面図であり、図3は図1のパターン描画装置の電気的構成を示すブロック図である。このパターン描画装置1では、基台2の一方端側領域(図1および図2の左手側領域)が基板Wの受け渡しを行う基板受渡領域となっているのに対し、他方端側領域(図1および図2の右手側領域)が基板Wへのパターン描画を行うパターン描画領域となっている。この基台2上では、基板受渡領域とパターン描画領域の境界位置にヘッド支持部21が設けられている。このヘッド支持部21では、基台2から上方に2本の脚部材211、212が立設されるとともに、それらの脚部材211、212の頂部を橋渡しするように梁部材213が横設されている。そして、このように構成されたヘッド支持部21のパターン描画領域側で光学ヘッド3が上下方向Zに移動自在に取り付けられており、露光制御部41からの動作指令に応じてヘッド移動機構30が作動することで後述するステージ5に保持される基板Wと光学ヘッド3との距離を高精度に調整可能となっている。なお、光学ヘッド3は本発明にかかる空間光変調器を装備して基板Wに対して光を照射して露光するものであり、その構成および動作については、後で詳述する。
また、基台2の基板受渡領域では、パターン描画領域と反対側の端部に2本の脚部材221、222が立設されている。そして、脚部材221、222の頂部と梁部材213の上面を橋渡しするように光学ヘッド3の照明光学系を収納したボックスが設けられている。また、図2に示すように、梁部材213の基板受渡領域側側面にカメラ(撮像部)6が固定されてステージ5に保持された基板Wの表面(被描画面、被露光面)を撮像可能となっている。
この基板受渡領域の近傍には、基板収納カセットCS、プリアライメント部PAおよび基板搬送ロボット7が配置されている。この基板搬送ロボット7はウエハなどの基板Wをハンドリングするハンド71および当該ハンド71を移動させるハンド移動機構72などを有している。そして、露光制御部41からの指令に応じてハンド移動機構72が作動することで基板Wが基板収納用のカセットCS、プリアライメント部PAおよび基板受渡領域に位置するステージ5の間で搬送される。すなわち、未処理の基板WはカセットCSからプリアライメント部PAに搬送されて、いわゆるプリアライメント処理を受ける。その後、基板搬送ロボット7によりプリアライメント部PAからステージ5に搬送される。また、後述するようにしてパターン描画領域でパターンが描画された基板Wはステージ5とともに基板受渡領域に移動され、基板搬送ロボット7によりカセットCSに搬入される。
このステージ5は基台2上でステージ移動機構51によりX方向、Y方向ならびにθ方向に移動される。すなわち、ステージ移動機構51は基台2の上面にY軸駆動部(図示省略)、X軸駆動部(図示省略)およびθ軸駆動部(図示省略)をこの順序で積層配置したものであり、ステージ5を水平面内で2次元的に移動させて位置決めする。また、ステージ5をθ軸(鉛直軸)回りの回転させて後述する光学ヘッド3に対する相対角度を調整して位置決めする。なお、このようなステージ移動機構51としては、従来より多用されているX−Y−θ軸移動機構を用いることができる。
次に光学ヘッド3の構成および動作について説明する。この実施形態では、光学ヘッド3は上記したようにヘッド支持部21に対して上下方向Zに移動自在に取り付けられており、光学ヘッド3の直下位置で移動している基板Wに対して光を落射することでステージ5に保持された基板Wを露光してパターンを描画する。なお、本実施形態では、光学ヘッド3はX方向に複数チャンネルで光を同時に照射可能となっており、X方向が「副走査方向」に相当している。また、ステージ5をY方向に移動させることで基板Wに対してパターンを2次元的に描画することが可能となっており、Y方向が「主走査方向」に相当している。
図4は光学ヘッドの内部構成を簡略化して示す図であり、同図(a)は光学ヘッド3の光軸OAおよび副走査方向Xに沿って光学ヘッド3を上方(すなわち、図1中の(+Y)側)から見た場合の光学ヘッド3の内部構成を示し、同図(b)は主走査方向Yに沿って図1のプリアライメントPA側(左下側)から光学ヘッド3側を見た場合(すなわち、光学ヘッド3の(−X)側から(+X)方向を向いて見た場合)の光学ヘッド3の内部構成を示している。
図4に示す光学ヘッド3は、所定の波長(例えば、830、635、405、あるいは、355ナノメートル(nm))の光ビームを出射する半導体レーザなどにより構成された光源部31を有している。なお、355nmのレーザ光を用いる場合は、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザの3倍高調波を用いる固体レーザ光源となる。この光源部31はコリメータレンズ(図示省略)を有しており、半導体レーザから出射される光ビームはコリメータレンズを介して平行光とされて図示を省略するミラーを介して照明光学系32に入射する。
この照明光学系32は3枚のシリンドリカルレンズ321〜323により構成されており、光源部31から出射してきた光ビームはシリンドリカルレンズ321〜323の順で通過して空間光変調器33に入射する。これらのうちシリンドリカルレンズ321はX方向にのみ負のパワーを有しており、シリンドリカルレンズ321を通過した光は光軸OAに垂直な光束断面が円形から次第にX方向に長い楕円形へと変化する。一方、光軸OAおよびX方向に垂直なY方向に関して、シリンドリカルレンズ321を通過した光の光束断面の幅は(ほぼ)一定とされる。また、シリンドリカルレンズ322はX方向にのみ正のパワーを有しており、シリンドリカルレンズ321を通過した光ビームはシリンドリカルレンズ322によりビーム整形される。つまり、シリンドリカルレンズ322を通過した光は、光束断面がX方向に長い一定の大きさの楕円形とされてシリンドリカルレンズ323へと入射する。このシリンドリカルレンズ323は、Y方向にのみ正のパワーを有し、Y方向のみに着目した場合には、図4(b)に示すように、シリンドリカルレンズ323を通過した光は集光しつつ電気光学結晶基板331の(−Z)側の端面(以下、「入射面」という)331aへと入射する。また、X方向に関しては、図4(a)に示すように、シリンドリカルレンズ323からの光ビームは平行光ビームとして空間光変調器33に入射する。
図5は空間光変調器を示す図であり、同図(a)は空間光変調器33の分解組立斜視図であり、同図(b)は空間光変調器33の部分図である。また、図6は図5に示す空間光変調器の動作を模式的に示す図である。この空間光変調器33は、本発明にかかる空間光変調器の第1実施形態に相当し、薄板状またはスラブ状の電気光学結晶基板331と、電気光学結晶基板331の上方主面332上に配置される第1電極333と、電気光学結晶基板331の下方主面334上に配置される第2電極335と、第1電極333の各々に対して独立して所望の電位を印加する電位付与部336とを備えている。
この実施形態では、電気光学結晶基板331はリチウムナイオベート(LiNbO)(すなわち、ニオブ酸リチウムであり、LNと略称される。)の単結晶にて形成されており、その厚み(方向Yにおける高さ)は例えば数十ミクロン、好ましくは30ミクロン以下となっている。この電気光学結晶基板331では、電界を受けて発生する分極の向きが互いに反対である第1分極部3311および第2分極部3312が交互に配列されており、電気光学結晶基板331は分極反転構造を有している。この実施形態では、特に、図6に示すように、第1分極部3311および第2分極部3312はいずれも配列方向ADに垂直な方向WDに伸びる帯状形状を有し、配列方向ADにおいて同一幅を有するとともに、互いに隣接配列された第1分極部3311および第2分極部3312からなる分極対3313が所定周期(XY断面において格子周期RC)で配列方向ADに配列されており、電気光学結晶基板331はいわゆる周期分極反転構造を有している。このように配列方向ADは本発明の「第1方向」に相当するものであり、本実施形態では空間光変調器33に入射する光ビームの進む方向Z(本発明の「第2方向」に相当)に対して角度θbだけ傾いた方向となっている。
また、電気光学結晶基板331では、第1分極部3311および第2分極部3312の結晶軸は互いに反対の向きを有しており、次に説明するように第1電極333と第2電極335の間で電位差を発生させて電界を周期分極反転構造内で生じさせると、当該電界を受けて発生する分極の向きが互いに反対となる。なお、ここで用いる電気光学結晶331はLNの他にリチウムタンタレート(LiTaO:LT)などもあり、結晶軸は共に分極反転方向(電界を加える方位)がポッケルス定数(電気光学定数)の値の大きなr33のZ軸方向となる。
また、第1分極部3311と第2分極部3312は結晶の軸方位(+Z)が逆であるが、元々均一な方位を持った結晶に例えば第2分極部に相当する部分(周期的)に電気光学結晶が固有に持っている分極反転電圧を一時的に印加するなどして部分的(周期的)に結晶の軸方位(+Z)を反転させて作る。この加工を施された結晶を用いる。故に本実施形態の場合、第1分極部3311は元々の結晶の軸方位であり、第2分極部は分極反転加工された軸方位となっている。
この実施形態では、図5および図6に示すように、複数(本実施形態では「5本」)の第1電極333はいずれも入射光LIの進む方向Zと平行な方向に伸びるスラブ形状を有しており、入射光LIの進む方向Zとほぼ直交する方向Xにおける電極幅EW1は格子周期RCの約3倍となっている。また、このような形状を有する第1電極333は電気光学結晶基板331の上方主面332上でX方向に格子周期RCより短い間隔EW2で平行に配列されている。一方、電気光学結晶基板331の下方主面334に対しては、当該下方主面334全体を覆うように第2電極335が配置されており、複数の第1電極333に対する共通電極として機能する。
このように構成された空間光変調器33では、第2電極335は接地されるのに対し、複数の第1電極333は電位付与部336に接続され、露光制御部41からの動作指令に応じてそれぞれ独立して電位付与部336から電位付与を受ける。このため、電気光学結晶基板331の周期分極反転構造内では、電位付与部336から所定電位V1(0V以外の電位)が付与された第1電極333に対応する領域でのみ第1電極333と第2電極335(共通電極)の間で生じる電界により分極方位に従った屈折率変化が発生して回折格子が形成される。しかも、この実施形態では、角度θbは上記のようにして形成される回折格子によりブラッグ回折が生じる条件を満足するように設定されている。したがって、例えば図6に示すように、5本の第1電極333のうち第2チャンネルに相当する第1電極333(2ch)に対してのみ電位V1を印加すると、当該第1電極333(2ch)に対応する周期分極反転構造の内部領域でのみ屈折率変化による回折格子が形成され、入射光LIのうち第1電極333(2ch)と第2電極335の間を進む光ビームのみがブラッグ回折して水平面(XZ平面)内で方向Zに対して角度(2θb)だけ傾いて空間光変調器33からブラッグ回折光BLとして出射する。一方、第1電極333への電圧印加を行わずに第1電極333と第2電極335の電位差がゼロであり、電界が発生しない場合には、両電極333、335間の屈折率分布は一様となっており、回折格子は形成されない。したがって、この場合の光ビームはそのまま真っ直ぐに電気光学結晶基板331内を直進して電気光学結晶基板331から0次光L0として出射する。このように5本の第1電極333に対する電位付与をそれぞれ制御することで5チャンネル分の光変調を行うことができる。また、回折効率100%回折を起こす電圧よりも低い電圧を加える事で中間的な回折効率の変調(中間調変調・グレースケール変調)がおこなえる事は言うまでもない。
図4に戻って、光学ヘッド3の構成説明を続ける。上記のように構成された空間光変調器33の出射側(図4の右手側)に、Y方向にのみ正のパワーを有するシリンドリカルレンズ34、レンズ351、アパーチャ3521を有するアパーチャ板352、レンズ353がこの順序で配置されている。シリンドリカルレンズ34はY方向にのみ正のパワーを有しており、空間光変調器33からの0次光L0またはブラッグ回折光BLは、図4(b)に示すように、シリンドリカルレンズ34にてY方向に関してほぼ平行な光とされ、正のパワーを有するレンズ351に入射する。
ここで、レンズ351の前側焦点は第1電極333の(+Z)側の端部近傍における電気光学結晶基板331内の位置とされ、レンズ351の後側焦点にアパーチャ3521が位置するようにアパーチャ板352が配置される。したがって、電気光学結晶基板331中で回折を受けず、レンズ34を通過してX方向およびY方向の双方にほぼ平行とされる0次光L0は、図4(b)中に細い実線にて示すように、レンズ351を介してアパーチャ3521に集光し、当該アパーチャ3521を通過してレンズ353に入射する。このレンズ353は、前側焦点がアパーチャ3521の近傍に位置し、後側焦点がステージ5に保持された基板Wの表面上となるように配置されており、0次光L0はレンズ353を介して基板Wの表面上に照射される。例えば図6(a)で示したように第2チャンネルの第1電極333(2ch)のみに電圧V1を付与したときには、他のチャンネル(1、3〜5ch)に対応する0次光L0が上記のようにして基板Wの表面上に照射されて各チャンネル(1、3〜5ch)に対応してスポット状に露光される。一方、ブラッグ回折光BLは、図4(b)中に破線にて示すように、光軸OAに対して角度(2θb)だけ傾いて電気光学結晶基板331から出射されるため、アパーチャ3521から離れた位置、つまりアパーチャ板352の表面で遮蔽される。
このように、本実施形態では、レンズ351、アパーチャ板352およびレンズ353により、いわゆるシュリーレン光学系35が構成されている。このシュリーレン光学系35は両側テレセントリック光学系と同等の配置であり、図4に示すように、複数のチャンネルを有する光学ヘッド3で基板Wに露光する場合にも、その露光面(基板Wの表面)に対して各チャンネルの0次光LOの主光線(図4中の2点鎖線)は垂直であり、露光面のピント方向Zの変動に対して倍率の変化を受けない。その結果、高精度な露光が可能となる。このように第1実施形態では0次光を用いて基板Wへのパターン描画を行っている。また、上記のように配置されたレンズ34およびシュリーレン光学系35が本発明の「光学系」として機能しており、空間光変調器33からの光を基板Wの表面(被露光面、被描画面)に案内している。
なお、上記のように構成されたパターン描画装置1は装置全体を制御するためにコンピュータ8を有している。このコンピュータ8はCPUやメモリ81等を有しており、露光制御部41とともに電装ラック(図示省略)内に配置されている。また、コンピュータ8内のCPUが所定のプログラムに従って演算処理することにより、ラスタライズ部82、伸縮率算出部83、データ修正部84およびデータ生成部85が実現される。例えば1つのLSIに相当するパターンのデータは外部のCAD等により生成されたデータであり、予めLSIデータ811としてメモリ81に準備されており、当該LSIデータ811に基づき次のようにしてLSIのパターンが基板W上に描画される。
ラスタライズ部82は、LSIデータ811が示す単位領域を分割してラスタライズし、ラスタデータ812を生成してメモリ81に保存する。こうしてラスタデータ812の準備後、または、ラスタデータ812の準備と並行して、上記のようにしてカセットCSに収納されている未処理の基板Wがロボット7により搬出され、プリアライメント部PAによるプリアライメント処理を受けた後にロボットによってステージ5に載置される。
その後、ステージ移動機構51によりステージ5がカメラ6の直下位置に移動して基板W上の各アライメントマーク(基準マーク)を順番にカメラ6の撮像可能位置に位置決めし、カメラ6によるマーク撮像が実行される。カメラ6から出力される画像信号は電装ラック内の画像処理回路(図3において図示省略)により処理され、アライメントマークのステージ5上の位置が正確に求められる。そして、これらの位置情報に基づきθ軸駆動部51Tが作動してステージ5を鉛直軸回りに微小回転させて基板Wへのパターン描画に適した向きにアライメント(位置合わせ)される。ここで、ステージ5を光学ヘッド3の直下位置に移動させた後で当該アライメントを行ってもよい。
図3に示す伸縮率算出部83は、画像処理回路にて求められた基板W上のアライメントマークの位置、および基板Wの向きの修正量を取得し、アライメント後のアライメントマークの位置、並びに、主走査方向Yおよび副走査方向Xに対する基板Wの伸縮率(すなわち、主面の伸縮率)を求める。
一方、データ修正部84はラスタデータ812を取得し、伸縮の検出結果である伸縮率に基づいてデータの修正を行う。なお、このデータ修正については、例えば特許第4020248号に記載の方法を採用することができ、1つの分割領域のデータ修正が終了すると、修正後のラスタデータ812がデータ生成部85へと送られる。データ生成部85では、変更後の分割領域に対応する描画データ、すなわち、1つのストライプに相当するデータが生成される。
こうして生成された描画データは、データ生成部85から露光制御部41へと送られ、露光制御部41が電位付与部336、ヘッド移動機構30およびステージ移動機構51の各部を制御することにより1ストライプ分の描画が行われる。なお、露光動作については上記したとおり電位付与部336による電界発生制御により行われる。1つのストライプに対する露光記録が終了すると、次の分割領域に対して同様の処理が行われ、ストライプごとの描画が繰り返される。こうして、基板W上の全ストライプの描画が終了して基板Wの表面への所望パターンの描画が完了すると、ステージ5は描画済み基板Wを載置したまま基板受渡位置(図1および図2の左側領域)に移動した後、基板搬送ロボット7により基板WがカセットCSへと戻され、次の基板Wが取り出されて上記したと同様の一連の処理が繰り返される。さらに、カセットCSに収納されている全ての基板Wに対するパターン描画が終了すると、カセットCSがパターン描画装置1から搬出される。
以上のように、上記実施形態によれば、5本の第1電極333が電気光学結晶基板331の周期分極反転構造内を進む入射光LIの進行方向Zと略垂直なX方向に互いに離間して電気光学結晶基板331の一方主面332上に配列されている。各第1電極333は電位付与部336と電気的に接続されており、電位付与部336が第1電極333に印加する電圧を制御して第1電極333の各々と第2電極335の間での電界発生を制御し、第1電極333ごとに周期分極反転構造内での回折効率を変調している。このように本実施形態では、電位付与部336が本発明の「変調部」として機能しており、第1電極333と同数のチャンネル数で光変調を行うことが可能となっている。
しかも、本実施形態では、上記のようにして周期分極反転構造内で生じる回折格子がブラッグ回折の条件を満足するように、各第1電極333は配置されている。より詳しくは、本実施形態では、入射光LIに対して第1分極部3311および第2分極部3312の配列方向ADを角度(90゜−θb)だけ傾けている。この角度θbは入射光LIをブラッグ回折させる場合の回折角である。例えば、周期分極反転構造での格子周期RCを10μmとし、入射光LIの波長を635nmとした場合、回折角θbを3.18mrad(約1.8゜)に設定すると、周期分極反転構造内で生じる回折格子によってブラッグ回折光BLが分離角2θb、つまり63.5mrad(約3.6゜)で電気光学結晶基板331から出射する。このように、電位付与部336により電界発生を制御することでブラッグ回折光BLを生じさせることができ、ブラッグ回折光BLの回折効率は高く、その結果、高い消光比が得られる。また、この空間光変調器33を用いて0次光L0を基板W(記録材料)に導いてLSIデータに対応するパターンを描画することができ、描画品質を大幅に向上させることができる。
また、X方向における第1電極333の電極幅EW1が格子周期RCより広く、例えば格子周期RCの約3倍程度となるように各第1電極333は形成されている。このため、周期分極反転構造の製造に比べて第1電極333の製造は容易となり、しかも効果的な回折角が得られて高効率な光変調が可能となる。ただし、電極幅EW1が広くなるにしたがって露光幅は広がるため、基板Wへのパターン描画を高解像度に行うという観点からすれば、格子周期RCの3〜5倍程度に設定するのが好ましい。
<第2実施形態>
ところで、第1実施形態では、第1電極333の電極幅EW1が格子周期RCより広いが、X方向における第1電極333の電極幅EW1を細くしてもよい。
図7は本発明の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態では、同図に示すように、格子周期RCと同程度の電極幅EW1を有し、光軸OAと平行に延びる第1電極333を複数本、入射光LIと略垂直となる方向Xに互いに離間しながら配列している。また、第2実施形態においても、各第1電極333ごとに独立して電圧印加するように構成しており、図示省略する電位付与部336からの電圧印加態様を制御することでチャンネル数および露光幅を細かく調整することが可能となっている。この第2実施形態では、15本の第1電極333が設けられているが、同図(a)に示すように隣接する3本ごとに電圧印加を制御すると、5チャンネルで比較的細い露光幅が得られ、同図(b)に示すように回折光BLの位置を電極1本分シフトさせる制御をおこなうと露光位置を細かく設定できる。つまり、同図(c)に示すように、第2チャンネル(2ch)の位置を電極単位で細かく制御することができる。なお、同図に示す実施形態では、1チャンネルを3分割した単位で制御可能となっている。もちろん、第1実施形態と同様に、周期分極反転構造内で生じる回折格子がブラッグ回折の条件を満足するように、各第1電極333は一方主面332上で配置されている。そして、電位付与部336から複数本単位(第2実施形態では、「3本」)で第1電極333への電圧印加を調整することで電界発生を制御してブラッグ回折光BLを生じさせている。したがって、第1実施形態と同様に、ブラッグ回折光BLの回折効率は高く、その結果、高い消光比が得られる。また、この空間光変調器33を用いて0次光L0を基板W(記録材料)に導いてLSIデータに対応するパターンを描画することができ、描画品質を大幅に向上させることができる。
<第3実施形態>
図8は本発明の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1電極333の配置である。すなわち、複数の第1電極333は、第1実施形態では入射光LIの進む方向Zに対して略垂直な方向Xに配置されているのに対し、第3実施形態ではブラッグ回折光BLの進む方向BD(本発明の「第2方向」に相当)に対して略垂直な方向NDに互いに離間して配置されている。このように本発明の「第3方向」に相当する方向NDに複数の第1電極333を離間して配置した場合も、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、第2実施形態においては、第1電極333はブラッグ回折光BLの進む方向BDに延設されている。
また、第3実施形態では、第1実施形態と同様に比較的幅広の第1電極333を用いて第1電極333と同数のチャンネル数で光変調を行うことが可能となっているが、第2実施形態と同様に比較的狭い第1電極333を用いる場合においても、第1電極333をブラッグ回折光BLの進む方向BDに対して略垂直な方向NDに互いに離間して配置することで第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
<第4実施形態>
図9は本発明の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態はブラッグ回折光BLを用いて基板Wの表面へのパターン描画を行う点で、0次光LOを用いて露光記録を行う第1実施形態と大きく相違している。すなわち、第4実施形態の特徴部分は、図9に示すように、空間光変調器33の出射側に設けられる光学系(シリンドリカルレンズ34+シュリーレン光学系35)がXZ平面において入射光LIの進む方向(空間光変調器33の入射側の光軸OA)に対して角度2θbだけ傾斜して配置されている点である。
このように構成されたパターン描画装置では、同図(a)の破線にて示すように、空間光変調器33でブラッグ回折されて空間光変調器33の出射面からブラッグ回折光BLはレンズ351を介してアパーチャ3521に集光し、当該アパーチャ3521を通過してレンズ353に入射する。そして、このレンズ353によりブラッグ回折光BLはレンズ353を介して基板Wの表面上に照射される。例えば第1、3〜5チャンネルの第1電極333に電圧V1を付与したときには、これらのチャンネル(1、3〜5ch)に対応するブラッグ回折光BLが上記のようにして基板Wの表面上に照射されて各チャンネル(1、3〜5ch)に対応してスポット状に露光される。一方、2チャンネルの光、つまり0次光LOは、図9(a)中に実線にて示すように、光軸OAと平行に電気光学結晶基板331から出射されるため、アパーチャ3521から離れた位置、つまりアパーチャ板352の表面で遮蔽される。
以上のように、第4実施形態においては、電位付与部336により周期分極反転構造内での電界発生を制御することでブラッグ回折光BLを生じさせることができ、ブラッグ回折光BLの回折効率は高く、その結果、高い消光比が得られる。また、この空間光変調器33を用いてブラッグ回折光BLを基板W(記録材料)に導いてLSIデータに対応するパターンを描画することができ、描画品質を大幅に向上させることができる。
なお、上記第4実施形態では、図5および図6に示す空間光変調器33が用いられているが、使用可能な空間光変調器33はこれに限定されるものではなく、例えば図8に示す空間光変調器33を用いてもよい。
<第5実施形態>
図10は本発明の第5実施形態を示す図であり、空間光変調器33の具体的構成を示している。同図に示す空間光変調器33は電気光学結晶基板331内にスラブ導波路3314を設けている点で第1実施形態の空間光変調器33(図5(b)参照)と大きく相違する。すなわち、第5実施形態では、図10(a)に示すように、電気光学結晶基板331の一方主面332全体に対してアニールプロトン交換法による処理が施されている。これにより、光の進行方向であるZ方向に垂直な電気光学結晶基板331の断面において一方主面322の位置(同図の上方位置)から(−Y)方向に離れるに従って屈折率(第1電極333と第2電極335間に電界が生じていない状態における屈折率)が小さくなる屈折率分布が、電気光学結晶基板331の全体において同様に形成される。なお、図10では光が進む方向Zに対して垂直な断面に対してグラデーションを付して一方主面332から(−Y)側に離れるに従って屈折率が漸次小さくなっていることを示している。このように構成することで、入射面331aを介して電気光学結晶基板331の周期分極反転構造に入射した光LIは、一方主面332近傍の屈折率が高い部分(薄い板状の部位)のみを通過してZ方向に導かれる。このように、図10(a)の空間光変調器33では、電気光学結晶基板331の一方主面332近傍の部位がスラブ導波路となっている。したがって、電気光学結晶基板331内を伝播している途中での光損失はごく僅かなものとなり、光を効率よく伝播させることができる。
また光損失をさらに低減させるためには、例えば同図(b)に示すように第1電極333を電気光学結晶基板331の一方主面322から距離H1(1μm弱程度の僅かな距離)だけ離間させて空気層を形成したり、同図(c)に示すように電気光学結晶基板331の一方主面322と第1電極333の間にSiO2などの薄膜層337を介在させてもよい。このように構成された空間光変調器33では、金属製の第1電極333での光(エバネッセント波)の吸収がなく、その結果、光損失を低減させることができる。
また、同図(d)に示すように、Y方向において電気光学結晶基板331の中央部にスラブ導波路3314を設けることで屈折率分布がスラブ導波路3314を中心に(+Y)方向および(−Y)方向でほぼ対称となり、電気光学結晶基板331内を伝播している途中での光損失をさらに低減させることができる。なお、同図(d)の電気光学結晶基板331については、次のようにして作成することができる。上記したように電気光学結晶基板331の両主面に対してアニールプロトン交換法による処理を施すと、各主面の近傍にスラブ導波路3314が形成される。そして、Y方向における電気光学結晶基板331の中央部に沿って同基板331を2つに分割した後、スラブ導波路3314同士を貼り合わせるることで同図(d)に示すようにY方向の中央部にスラブ導波路3314を有する電気光学結晶基板331が得られる。このようにして形成された電気光学結晶基板331を用いることで空間光変調器33での光損失を大幅に低減させることができる。
さらに、図5に示す電気光学結晶基板331をY方向にさらに薄く、例えば5μm以下に薄膜化することで電気光学結晶基板331そのものを全体的にスラブ導波路化してもよい。この場合、光損失は図10に示す電気光学結晶基板331よりも大きくなるが、第1電極333と第2電極335の距離が縮まり、周期分極反転構造内で発生する電界の強度が増大して電気光学効果も高まる。その結果、低電圧で光変調を行うことができる。
<第6実施形態>
図11は本発明の第6実施形態を示す図である。また、図12は図11に示すパターン描画装置で用いられた空間光変調器を示す図である。さらに、図13は第1実施形態と第6実施形態の対比図である。この第6実施形態にかかる空間光変調器33が第1実施形態と相違するのは、電気光学結晶基板331に形成される周期分極反転構造と、空間光変調器33とシリンドリカルレンズ34との間にスリット板36が配置されている点であり、その他の構成は基本的に第1実施形態と同一である。以下、その相違点を中心に説明する。
第6実施形態で用いられているスリット板36には、X方向に延びるスリット361が形成されており、当該スリット361を介して0次光LOが通過可能となっている。一方、第6実施形態では次に説明するように第1分極部3311および第2分極部3312が傾斜した周期分極反転構造を有しているために電気光学結晶基板331の中央部から一方主面332や他方主面334側に傾いて出射されるブラッグ回折光BLや次に説明する再結合光はスリット板36に遮蔽される。
次に、第1実施形態と第6実施形態での周期分極反転構造の相違点、ならびに第6実施形態における特有の作用効果について図12および図13を参照しつつ説明する。第1実施形態では図5に示すように、互いに隣接配列された第1分極部3311および第2分極部3312の境界面3315が電気光学結晶基板331の一方主面332および他方主面334に対して直交している、つまり入射光LIが第1分極部3311および第2分極部3312に対して垂直入射するように構成されている。このため、図13の「第1実施形態」の欄に示すように、ブラッグ回折の回折面は一方主面332および他方主面334と平行で、かつ両者のほぼ中間に位置している。したがって、電気光学結晶基板331に入射した入射光LIがブラッグ回折されると、そのブラッグ回折光BLは回折面に沿って進み、再結合が生じる。この再結合光は回折面に沿って、しかも入射光LIと平行に進んで電気光学結晶基板331から出射する。このような再結合光は消光比を低減させる要因となるため、これを抑制することが消光比を高めて高コントラストを得る上で重要となる。
これに対し、第6実施形態では図12に示すように、第1分極部3311および第2分極部3312を傾斜させる、より具体的には第1分極部3311および第2分極部3312の境界面3315が電気光学結晶基板331の一方主面332および他方主面334に対して傾斜するように第1分極部3311および第2分極部3312が形成されている。このため、入射光LIは第1分極部3311および第2分極部3312に対して斜入射し、ブラッグ回折の回折面は図13の「第6実施形態」の欄に示すように、境界面3315の傾斜角に対応して傾斜している。したがって、入射光LIがブラッグ回折されると、そのブラッグ回折光BLは回折面に沿って一方主面3311(傾斜態様によっては他方主面3312)側に進む。このため、回折に必要な光の結合が生じにくくなり、再結合光の発生量は第1実施形態に比べて低減される。さらに、第1分極部3311および第2分極部3312の傾斜角(つまり両主面332、334に対する境界面3315の傾斜角)を適切に設定することで再結合を防止して再結合光の発生自体を排除することができる。
以上のように、第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られるのみならず、第1分極部3311および第2分極部3312を傾斜させることによって再結合光の発生を抑制、さらには防止することができ、より高い消光比が得られる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記第1、第2、第4〜第6実施形態では第1電極333が入射光LIの進む方向Zに延設されているが、同実施形態において、第1電極333の形状については第1電極333の配列方向Xにおいて隣接するチャンネル同士が重なり合わない限り任意である。また、第3実施形態ではブラッグ回折光BLが進む方向にBDに第1電極333が延設されているが、同実施形態において、第1電極333の形状については第1電極333の配列方向NDにおいて隣接するチャンネル同士が重なり合わない限り任意である。
また、上記実施形態では、本発明にかかる空間光変調器33を装備した光学ヘッド3にヘッド移動機構30を設けて基板Wと光学ヘッド3との距離を調整しているが、ステージ移動機構51に昇降駆動部を設けて上記距離を調整可能としてもよい。また、上記光学ヘッド3に対して基板Wを相対移動させる構成は上記実施形態に限定されるものではない。つまり、空間光変調器33から出射される複数の光をステージ5に保持された基板Wに照射する位置を基板Wに対して相対的に移動しつつ描画(LSI)データに応じて空間光変調器33を制御してパターンを描画するパターン描画装置全般に本発明を適用することができる。
また、パターンを描画する記録材料は、プリント配線基板や半導体基板等の感光性材料が塗布された、あるいは、感光性を有する他の材料であってもよく、光の照射による熱に反応する材料であってもよい。
さらに、上記のように構成された空間光変調器33はパターン描画以外の用途に用いられてもよく、この場合、光の照射の対象物も記録材料以外であってもよい。
1…パターン描画装置
31…光源部
32…照明光学系
33…空間光変調器
34…シリンドリカルレンズ(光学系)
35…シュリーレン光学系(光学系)
331…電気光学結晶基板
3311…第1分極部
3312…第2分極部
3313…分極対
3314…スラブ導波路
3315…境界面
331a…入射面
332…(電気光学結晶基板の)一方主面
334…(電気光学結晶基板の)他方主面
336…電位付与部(変調部)
337…薄膜層
AD…配列方向(第1方向)
BD…ブラッグ回折光の進む方向(第2方向)
BL…ブラッグ回折光
LI…入射光
ND…配列方向(第3方向)
OA…光軸
RC…格子周期
W…基板
X…配列方向(第3方向)
Z…入射光の進む方向(第2方向)

Claims (2)

  1. 電界を受けて発生する分極の向きが互いに反対である第1分極部および第2分極部を交互に所定周期で第1方向に配列した周期分極反転構造を有し、前記第1方向に対して傾斜した第2方向に沿って進む光が前記周期分極反転構造を介して通過する電気光学結晶基板と、
    前記電気光学結晶基板の一方主面上に設けられた複数の第1電極と、
    前記電気光学結晶基板の他方主面上に設けられた第2電極と、
    前記複数の第1電極と前記第2電極の間での電界発生をそれぞれ制御することで前記周期分極反転構造内の複数領域でそれぞれ回折効率を変化させて各領域を進む光を変調する変調部とを備え、
    前記複数の第1電極は前記周期分極反転構造内を進む光の進行方向と略垂直な第3方向に互いに離間して配列され、
    前記第1電極の前記第3方向における幅は前記所定周期と略同等であり、
    前記変調部は前記複数の第1電極ごとに独立して電圧を印加することを特徴とする空間光変調器。
  2. 前記変調部は、前記第1電極の隣接する3以上の複数本の前記第1電極を一単位として制御し、前記一単位の前記第1電極の位置を前記第3方向において前記第1電極1本分シフトさせて回折光の位置を調整する請求項に記載の空間光変調器。
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