JP5640736B2 - 積層体並びにこれよりなる離型ライナーおよび粘着テープ用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、離型ライナーおよび粘着テープ用基材に用いることができる積層体に関するものである。
離型ライナーは、未使用時の接着材料の接着面を保護するために接着面上に積層され、使用時には接着面を損傷することなく容易に剥離される剥離面を備えるフィルム状またはシート状材料であり、粘着テープやラベルなどの台紙として広く使用されている。離型ライナーは通常、基材と、その基材の少なくとも一方の表面上に設けられた離型剤を含んでなる離型層とを備えている。基材には、紙、プラスチックフィルム等が使用され、離型剤には、シリコーン化合物、長鎖アルキル基含有化合物等が使用される。
このため、離型ライナーの製造方法としては、基材やポリエチレンラミネート紙のポリエチレン表面にビニル基含有ポリジメチルシロキサンなどの離型剤をコーティングした後離型剤を硬化させる方法が一般的である。ポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基含有化合物は、一般に、基材上に均一に塗布するため有機溶剤に希釈して使用する方法が採られていたが、近年環境問題の高まりから無溶剤化が進んでいる。
無溶剤型ポリジメチルシロキサンは100%濃度の状態で塗工されるため、分子量は数千〜数万前後と小さく設計される。このため、剥離基材に塗工され、架橋反応により溶剤型と同等の分子量に達するまでの架橋時間が必要であり、最終的に架橋が終了するまでに溶剤型ポリジメチルシロキサンに比べて長時間を要する。そのため、架橋処理温度を高めに設定することがある。また溶剤型に比べてシリコーンが基材へ浸透しやすい状況にあるといえる。
一方、ポリエチレンラミネート紙においても、上記と同様に環境問題やコスト低減要求の高まりから、ポリエチレン層の厚みが低減される方向にある。ポリエチレン層の厚みを低減すると、耐熱性が悪化したり、またポリジメチルシロキサンの浸透による基材/ポリエチレン間の接着性が悪化するなどの問題が生じやすくなり、無溶剤型ポリジメチルシロキサンの塗工に適さなかった。
そのため、ポリエチレン層の耐熱性を向上させる方法として、高密度ポリエチレンをラミネート紙に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。しかしなから、本方法ではポリエチレン組成物の密度が上昇するため得られた積層体のカールが大きくなるといった問題があった。
特開平6−322189号公報 特開2000−73018公報 特開2005−97522公報 特開2005−255874公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、耐熱性が良好であり無溶剤型ポリジメチルシロキサンの塗工性に優れ、かつラミネート成形品のカールが少ない積層体を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。すなわち、本発明は、少なくとも(A)層/(B)層/(C)層をこの順に有する積層体であって、(A)層が離型剤層であり、(B)層が下記(a)〜(d)を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)50〜90重量%と密度915kg/m以上930kg/m以下の高圧法低密度ポリエチレン(B)10〜50重量%からなるエチレン系重合体組成物からなる層、(C)層が基材からなる層であることを特徴とする積層体に関するものである。
(a)α−オレフィンの炭素数が3〜6
(b)炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖の炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有する
(c)密度920kg/m以上945kg/m以下
(d)示差走査型熱量計(DSC)により求めた融点が113℃以上
また、本発明は、該離型剤が、無溶剤型シリコーン系離型剤であることを特徴とする上記積層体に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜6のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン・α−オレフィン共重合体である。ここで、炭素数3〜6のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜6のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明の離型シートおよび粘着テープ用基材を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、JIS K6760(1995)の方法によって測定された密度が920kg/m3以上945kg/m未満、好ましくは920kg/m以上940kg/m以下、最も好ましくは920kg/m以上935kg/m以下のものである。ここで、密度が920kg/m未満の場合、積層体の耐熱性が劣るため好ましくない。一方、945kg/m以上の場合、得られた積層体のカールが大きくなり好ましくない。
また、本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、メルトフローレート(以下MFRと記す)については特に制限はないが、JIS K6760(1995)の方法で測定されたMFRが10g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、さらに好ましくは20g/10分以上40g/10分以下のものである。MFRがこの範囲にある場合、成形加工時性が良好となる。
本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、構造中に長鎖分岐を有するものである。構造中に長鎖分岐を有することで樹脂の溶融張力が高くなり、エチレン系重合体組成物のラミネート加工性が向上するため、耐熱性に劣る高圧法低密度ポリエチレンの配合量を減じることができる。
本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、炭素数6以上の長鎖分岐を炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有するものである。構造中に長鎖分岐を有するものである。構造中に長鎖分岐を有することでエチレン・α−オレフィン共重合体の溶融張力が高くなり、エチレン系重合体組成物のラミネート加工性が向上するため、耐熱性に劣る高圧法低密度ポリエチレンの配合量を減じることができる。炭素数6以上の長鎖分岐が0.01個未満の場合、エチレン・α−オレフィン共重合体の溶融張力が低くネックインが大きいため好ましくなく、炭素数6以上の長鎖分岐が0.2個を超える場合にはラミネート加工に供した際のドローダウン性に劣るため好ましくない。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、示差走査熱量計で測定した融点が113℃以上である。融点が113℃未満の場合、積層体の耐熱性が劣るため好ましくない。示差走査熱量計にて測定した融点は、装置内で試料を200℃で5分間溶融させた後、10℃/分で30℃まで冷却したものについて、再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度とした。
さらに、このエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜5の範囲にあると、エチレン系重合体組成物中の低分子量成分の含有比率が少なく低分子量成分の滲出に由来するラミネート成形時のロール汚染やラミネート成形品の表面のべたつきなどの弊害が抑制され、同時に押出負荷が必要以上に高くなってラミネート加工時の押出量が制限されることもなく好ましい。
さらに本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合して得られ末端にビニル基を有するエチレン共重合体からなるマクロモノマーであって、数平均分子量が(Mn)が2000以上であるマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体であることが望ましい。
炭素数3〜6のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーの直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)は、2,000以上であり、好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、4,000以上であり、好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは15,000より大きい。マクロモノマーの分子量を大きくすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(A)に導入される長鎖分岐の長さが長くなり、溶融張力が向上する。
本発明の層(B)を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量の比Mw/Mnが2〜5の範囲にあることが望ましい。なお、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定することにより算出することが可能である。Mw/Mnがこの範囲にある場合、樹脂中の低分子量成分の含有比率が少ないため、低分子量成分の滲出に由来するラミネート成形時のロール汚染やラミネート成形品の表面のべたつきおよびヒートシール不良などの弊害が抑制され、同時に押出負荷が必要以上に高くなってラミネート加工時の押出量が制限されることもない。
本発明の(B)層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、如何なる方法により得られたものであってもよく、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
エチレンとα−オレフィンの共重合に用いる触媒は特に限定されるものではなく、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒などが使用できるが、好ましくはメタロセン触媒により重合されたものである。
メタロセン触媒の主成分であるメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニル基、置換基を有するシクロペンタジエニル基(置換シクロペンタジエニル基)、インデニル基、置換インデニル基から選ばれる1種類の基と、フルオレニル基、置換フルオレニル基から選ばれる1種類の基が、架橋基により架橋された配位子を有する周期表第4族の遷移金属化合物を挙げることができ、その代表例としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロル体および上記メタロセン化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体、架橋ビスインデニルジルコニウム錯体等を例示することができる。
さらに、メタロセン触媒としては下記のものが例示できる。
成分(a)と下記一般式(1)
AlR (1)
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物(以下、「成分(b)」と称する)からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(2)
Figure 0005640736
および/または下記一般式(3)
Figure 0005640736
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、pは2〜50の整数である。)
で表されるアルミノキサン(以下、「成分(c)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(4)
[R y−1H][MAr] (4)
(式中、[R y−1H]はカチオンであり、Mは周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yはMが第15族元素の時y=3であり、Mが第16族元素の時y=2であり、[MAr]はアニオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるプロトン酸塩(以下、「成分(d)」と称する)、下記一般式(5)
[C][MAr] (5)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸塩(以下、「成分(e)」と称する)または下記一般式(6)
[M ][MAr] (6)
(式中、Mは周期表の第1族、第8族、第9族、第10族または第11族の金属の陽イオンであり、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、zは0≦z≦2であり、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される金属塩(以下、「成分(f)」と称する)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(7)
Ar (7)
(式中、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸(以下、「成分(g)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と成分(g)と成分(d)、成分(e)、成分(f)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と粘土鉱物(以下、「成分(h)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
特開平7−224106号公報、特開平09−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に例示される成分(a)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、「成分(i)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒が挙げられる。また、成分(a)とジエチル亜鉛、フッ化フェノール、水、シリカ、およびトリメチルジシラザン(((CHSi)NH)を接触させて得られる担体を含んでなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒が挙げられる。
マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合する場合に用いるメタロセン化合物として、マクロモノマーを合成する非架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、非架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、もしくは架橋型(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(j)と記す。)と、マクロモノマーとエチレンを共重合する、またはマクロモノマーとエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合する架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体もしくは架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(k)と記す。)を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(j)の具体例としては、例えばビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。
成分(k)の具体例としては、例えばジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
また、成分(j)に対する成分(k)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
そして、成分(j)と成分(k)を用いたメタロセン触媒としては、例えば成分(j)と成分(k)と有機アルミニウム化合物(以下、成分(l)と記す。)からなる触媒;成分(j)と成分(k)とアルミノオキサン(以下、成分(m)と記す。)からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;成分(j)と成分(k)とプロトン酸塩(以下、成分(ん)と記す。)、ルイス酸塩(以下、成分(o)と記す。)または金属塩(以下、成分(p)と記す。)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;、成分(j)と成分(k)と成分(m)と無機酸化物(以下、成分(q)と記す。)からなる触媒;成分(j)と成分(k)と成分(q)と成分(n)、成分(o)、成分(p)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;成分(j)と成分(k)と粘土鉱物(以下、成分(r)と記す。)と成分(l)からなる触媒;成分(j)と成分(k)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(s)と記す。)からなる触媒を例示することができ、好ましくは成分(j)と成分(k)と成分(s)からなる触媒を用いることができる。
ここで、成分(r)および成分(s)として用いることが可能な粘土鉱物としては、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子を挙げることができ、粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(s)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(j)と成分(k)と成分(s)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(j)と成分(k)と成分(s)を接触させることによって得ることが可能であり、成分(j)と成分(s)の接触生成物に成分(k)を添加する方法;成分(k)と成分(s)の接触生成物に成分(j)を添加する方法;成分(j)と成分(k)の接触生成物に成分(s)を添加する方法;成分(s)に成分(j)と成分(k)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(s)1gあたり成分(j)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(j)と成分(k)と成分(s)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(j)または成分(k)がジハロゲン体の時、さらに成分(l)を添加することが好ましい。また、成分(s)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(l)を添加することができる。
本発明の層(B)を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜6のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明の層(B)を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の長鎖分岐数は、マクロモノマーの末端ビニル数を増加させることによって増加できる。マクロモノマーの末端ビニル数は、マクロモノマー合成用のメタロセン化合物の選択により制御することができる。例えば、非架橋型メタロセン化合物を架橋型メタロセン化合物に変更することによって増加させることができる。
本発明の層(B)を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnは、マクロモノマーのMnを減少させることによって増加できる。マクロモノマーのMnは、マクロモノマー合成用のメタロセン化合物の選択により制御することができる。例えば、非架橋型メタロセン化合物を架橋型メタロセン化合物に変更することによって減少させることができる。
本発明のエチレン系重合体組成物を構成する高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができ、本発明の範囲において適宜選択される。
本発明を構成する高圧法低密度ポリエチレン(B)は、密度が915kg/m以上930kg/m以下のものである。密度が915kg/m未満の場合は、本発明のエチレン系重合体組成物の耐熱性が低下する恐れがある。また密度が930kg/mを超える場合は、得られた積層体のカールが大きくなるため好ましくない。
本発明の(B)層を構成する高圧法低密度ポリエチレン(B)のMFRは、特に制限はないが1g/10分以上10g/10分以下であることがラミネート等の成形加工性に優れるため好ましく、1g/10分以上5g/10分以下であることがさらに好ましい。
本発明の(B)層を構成するエチレン系重合体組成物は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)50〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、さらに好ましくは60〜80重量%、および高圧法低密度ポリエチレン(B)10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは20〜40重量%からなるものである。高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合量が10重量%未満では、ラミネートに供した際のネックインが大きくなり好ましくなく、一方配合量が50重量%を超える場合は積層体の耐熱性が劣るため好ましくない。
本発明の(B)層を構成するエチレン系重合体組成物は、160℃で測定された溶融張力が10〜100mNであるとラミネート加工性に優れるため好ましく、さらに好ましくは20〜100mNである。
本発明の(B)層を構成するエチレン系重合体組成物には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有させることができる。
本発明の(B)層を構成するエチレン系重合体組成物は、通常樹脂組成物とする際の方法を用いることができ、例えば溶融・混合方法として、単軸押出機やニ軸押出機を用いた押出混練、ロール混練など公知の方法を挙げることができ、該方法で溶融混練することにより得ることができる。
エチレン系重合体組成物は基材に積層される。積層する方法は特に制限はなく、押出ラミネート成形法の他にドライラミネート成形法、ウェットラミネート成形法などが例示できるが、押出ラミネート成形法が生産効率の点などから好ましい。
押出ラミネート成形法は、シングルラミネート、タンデムラミネート、共押出ラミネート、サンドイッチラミネートのいずれでもよく、特に制限を受けない。また、押出ラミネート加工を行う際、基材とエチレン系重合体組成物層との接着性が良好な積層体を得るため、250〜350℃の温度でダイより押出すことが好ましい。また、エチレン系重合体組成物の溶融フィルムが少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていてもよい。空気による酸化反応を進行させる場合、270℃以上の温度でダイより押出すことが好ましく、また、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、250℃以上で押出すことが好ましい。なお、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出されたフィルム1m2当たり0.5mg以上であることが好ましい。また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
エチレン系重合体組成物層の厚みは、特に限定されるものではないが、1〜100μmであると基材に対する接着性に優れるため好ましい。また、環境保全などの観点から、1〜10μmであることがさらに好ましい。
本発明の(C)層を構成する基材としては、合成高分子フィルム又はシート、織布、不織布、紙、金属箔等が挙げられる。合成高分子フィルム又はシートとして、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子からなるフィルム又はシート等が挙げられる。更に、これら高分子フィルム又はシートは、その表面がアルミニウムやアルミナ、シリカなどにより蒸着されたものでもよく、また、表面がウレタン系インキ等を用い印刷されたものであってもよい。織布、不織布としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂製のもの、あるいはスフなどの天然材料を原料したものが挙げられる。紙としては、クラフト紙、クルパック紙、上質紙、グラシン紙、板紙等が挙げられる。
本発明の(A)層を構成する離型剤層に使用する離型剤としては特に制限はなく、ポリジメチルシロキサンを主成分としたシリコーン系離型剤や長鎖アルキル基含有離型剤が例示できる。シリコーン系離型剤としては熱硬化型シリコーン、紫外線硬化型シリコーン、電子線硬化型シリコーンなどを例示することができる。また長鎖アルキル基を有する有機型離型剤としては、長鎖アルキルアクリレート共重合体、長鎖アルキルビニルエステル共重合体、長鎖アルキルアマイド共重合体、マレイン酸の長鎖アルキル誘導体の共重合体、長鎖アルキルアリルエステルの共重合体などを例示することができる。この中で、無溶剤型シリコーン系離型剤が溶剤を使用することによる作業環境の悪化や環境への負荷が少ないことから好ましい。
さらに、25℃で測定した粘度が20〜5000mPa・sであるポリジメチルシロキサンを主成分としたシリコーン系離型剤が無溶剤塗工適性や硬化性、エチレン系重合体組成物層への耐染み込み性に優れるため好ましく、さらに好ましくは20〜1000mPa・s、最も好ましくは100〜500mPa・sの範囲である。
このような無溶剤型シリコーン系離型剤に用いられるポリジメチルシロキサンは、ビニル基、シラノール基、エポキシ基、アミノ基などの有機置換基を有していてもよい。また、ポリメチルハイドロジエンシロキサンやシランカップリング剤のような架橋剤、白金系触媒やオニウム塩系触媒などが添加されていてもよい。
このような無溶剤型シリコーン系離型剤として、信越化学工業株式会社よりKNS−320A、KNS−316、KNS−3002などの銘柄で市販されている。
本発明の積層体を製造するに際して、離型剤の(B)層への塗工方法としては通常用いられる方法、例えば、グラビアコータ法、ロールコータ法、リバースコータ法、ドクターブレード法、バーコータ法、コンマコータ法、ダイコータ法、リップコータ法、ナイフコータ法などが挙げられる。離型剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜1.5g/mである。
本発明の積層体は、離型ライナー、粘着テープ用基材等に用いることができる。離型ライナーは、本発明の積層体をそのまま使用することができ、本発明の積層体の(A)層の表面に粘着テープや粘着シールを貼付けることでこれらの粘着シートや粘着テープの再粘着性を損なわずに剥離して使用することができる。粘着テープ用基材は、本発明の積層体の(C)層側に粘着剤層を積層することで粘着テープとすることができる。すなわち、本発明の積層体の(C)層表面に粘着剤を塗布し、乾燥して巻物とすることで粘着テープを製造することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〜分子量および分子量分布の測定〜
直鎖状エチレン系重合体の数平均分子量(Mn)、およびポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜密度の測定〜
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン系重合体組成物の密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜MFRの測定〜
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン系重合体組成物のMFRは、JIS K6760(1995)に準拠してメルトインデクサーで測定した。
〜溶融張力の測定〜
エチレン系重合体組成物の溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着し測定した。溶融張力は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を測定した。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
〜長鎖分岐数の測定〜
長鎖分岐数は、Varian製 VNMRS−400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の長鎖分岐の数を測定した。溶媒はテトラクロロエタン−d2である。主鎖メチレン炭素1,000個当たりの個数として、「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」第31巻、25号、8677〜8683ページ(1998年)に記載の下記式(4)から求めた。
長鎖分岐数=IAα/(3×IAtot) (4)
[式中、IAαはヘキシル基以上の長鎖分岐のα−炭素ピーク(化学シフト:34.6ppm)の積分強度であり、IAtotは主鎖メチレン炭素のピーク(30.0ppm)の積分強度である。]
〜融点の測定〜
パーキンエルマー(株)社製、示差走査熱量計DSC−7を用い、10mgの試料を10℃/minで室温から200℃まで昇温して得られた吸熱ピークが最大値を示す温度を融点として求めた。
〜ネックイン〜
ポリエチレン樹脂組成物を90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)の押出機へ供給し、315℃の温度で開口幅600mmのTダイより押出し、基材の引取り速度を200m/分として、坪量50g/m2のクラフト紙基材上に押出ラミネート用樹脂組成物が20μmの厚さになるよう押出ラミネートした際の、Tダイ開口幅とポリエチレン樹脂組成物のコート幅との差をネックインとし、その値を測定した。
〜離型ライナーの作製〜
ネックインの測定において作製した積層体のポリエチレン樹脂組成物層側に無溶剤型シリコーン離型剤C−1(商品名 KNS−316(信越化学工業(株)製)、25℃での粘度約450mPa・s)を固形分が0.5g/mとなるよう塗布し、100℃で30秒間キュアして離型ライナーを得た。
〜カール〜
離型ライナーの作製において作製した離型ライナーを、離型剤層を上にして平坦な面に置き、これに10cm四方の正方形を描いた。その正方形の対角線に切り込みを入れ、気温23℃、相対湿度50%の条件で24時間放置後に、切り込み部分が平坦面より反り上がった高さを測定した。
〜耐熱性(グロス変化)〜
ネックインの測定において作製した積層体を、スモールオーブン(Werner Mathis社製)を用いて110〜135℃の温度(5℃間隔)で30秒間加熱し、加熱前後のエチレン系重合体組成物層側のグロスをグロスメーター(日本電色社製)で測定した。加熱前のグロス値に対し加熱後のグロス値が120%を越えた時の温度を耐熱温度とした。
合成例1
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN−メチル−ジオレイルアミン585g(1.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
前記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド8.25g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに対して10mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.21g(2.22mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を4.9kg/時、水素を20NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を60℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)ペレットを得た。得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)ペレットの密度は925kg/m3、MFRは24.1g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.13個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは3.8であった。
なお、この合成例では、下記参考例1に示すマクロモノマーの製造と同時に、エチレンおよび1−ブテンの重合が行われている。
参考例1
[マクロモノマーの合成]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例1[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例1と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=15,000であり、Mw/Mn=2.5であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.07個であった。
合成例2
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
合成例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド8.81g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.58g(1.05mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から5.3kg/時、水素供給量を20NL/時から5NL/時に変え、触媒を上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の密度は920kg/m、MFRは12.7g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.10個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは4.2であった。
参考例2
[マクロモノマーの合成]
合成例2[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例2と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=20,000であり、Mw/Mn=2.8であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.05個であった。
合成例3
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から5.3kg/時、水素供給量を20NL/時から30NL/時に変え、触媒を合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の密度は920kg/m、MFRは39.2g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.12個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは4.1であった。
参考例3
[マクロモノマーの合成]
合成例3[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例3と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=10,000であり、Mw/Mn=3.0であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.05個であった。
合成例4
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
合成例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.85g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.57g(1.05mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から0.9kg/時、水素供給量を20NL/時から5NL/時、重合温度を60℃から85℃に変え、触媒を上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の密度は945kg/m、MFRは11.5g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.4であった。
参考例4
[マクロモノマーの合成]
合成例4[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例4と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=20,000であり、Mw/Mn=2.2であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.02個であった。
合成例5
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から0.9kg/時、水素供給量を20NL/時から30NL/時、重合温度を60℃から85℃に変え、触媒を合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の密度は945kg/m、MFRは39.1g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.3であった。
参考例5
[マクロモノマーの合成]
合成例5[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例5と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=17,000であり、Mw/Mn=2.3であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.02個であった。
合成例6
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
合成例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7リットルに懸濁させ、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.85g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8リットル(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.57g(1.05mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から0.5kg/時、水素供給量を20NL/時から5NL/時、重合温度を60℃から85℃に変え、触媒を上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の密度は955kg/m、MFRは11.3g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.4であった。
参考例6
[マクロモノマーの合成]
合成例6[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例6[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例6と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=20,000であり、Mw/Mn=2.2であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1,000炭素当りの末端ビニル数は0.02個であった。
合成例7
高温高圧重合用に装備された反応器を用いて重合を行った。まずエチレン、1−ブテンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を900kg/cmに、1−ブテン濃度を39.4モル%になるように設定した。そして、反応器を1500rpmで撹拌した。
別の容器でジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液にトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液をアルミニウムがジルコニウム当り250倍モルになるように加えた。更に、そこにN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液をホウ素がジルコニウム当り1倍モルになるように加えて触媒溶液を得た。
その後、得られた触媒溶液を反応器に供給し、反応器の温度を190℃になるように設定して連続的に重合を行い、エチレン・α−オレフィン共重合体(A−7)を得た。得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(A−7)の密度は923kg/m、MFRは20.4g/10分、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは1.5であった。また長鎖分岐は検出されなかった。
Figure 0005640736
下記実施例および比較例で用いた高圧法低密度ポリエチレンの特性を表2に示す。
Figure 0005640736
実施例1
合成例1に示したエチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)75重量%、高圧ラジカル重合法で得られた低密度ポリエチレンB−1(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 360;密度919kg/m3、MFR1.6g/10分)25重量%をタンブラーミキサーにて予備混合した後、シリンダー温度180℃に調整した単軸押出機((株)プラコー製、型式 PDA−50)で溶融混練、造粒し、エチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたペレットは、エチレン系重合体組成物の評価方法に示した方法によりラミネート成形した。 得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例2
組成物の配合比率を、A−1 50重量%、B−1 50重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例3
組成物の配合比率を、A−1 90重量%、B−1 10重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例4
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例2に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−2を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例5
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例3に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−3を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例6
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例4に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−4を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例7
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例5に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−5を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例8
高圧法低密度ポリエチレンとしてB−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンB−2(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 205;密度924kg/m、MFR3.1g/10分)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例9
高圧法低密度ポリエチレンとしてB−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンB−3(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 203;密度919kg/m、MFR7.9g/10分)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表3に示す。
実施例10
無溶剤型シリコーン離型剤として、C−1の代わりに無溶剤型シリコーンC−2(商品名 KNS−320A(信越化学工業(株)製)、25℃での粘度約330mPa・s)を使用した以外は実施例1と同様にして離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。この評価結果を表3に示す。
Figure 0005640736
比較例1
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例6に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−6を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表4に示す。
得られた離型ライナーは、耐熱性は良好であるものの、離型ライナーのカールが大きくなった。
比較例2
エチレン・α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに重合例7に示したエチレン・α−オレフィン共重合体A−7を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系重合体組成物のペレットを得た。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表4に示す。
得られた離型ライナーは、同等の密度、MFRで長鎖分岐を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)を使用した実施例1と比較し、ネックインが大きく耐熱性にも劣るものであった
比較例3
エチレン系重合体組成物として、高圧法低密度ポリエチレン(B)を配合せず、配合比率をA−1 100重量%に変更した。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表4に示す。
得られた離型ライナーは、ネックインが大きく、ラミネート加工性に劣るものであった。
比較例4
エチレン系重合体組成物として、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を配合せず、配合比率をB−3 100重量%に変更した。得られたエチレン系重合体組成物により密度、MFR、溶融張力、および融点を測定し、押出ラミネート成形時にネックイン、グロス変化の評価を行った。また離型ライナーの作製方法に示した方法で離型ライナーを作製し、そのカールを測定した。これらの評価結果を表4に示す。
得られた離型ライナーは、耐熱性に劣るものであった。
Figure 0005640736

Claims (6)

  1. 少なくとも(A)層/(B)層/(C)層をこの順に有する積層体であって、(A)層が離型剤層であり、(B)層が下記(a)〜(d)を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)50〜90重量%と密度915kg/m以上930kg/m以下の高圧法低密度ポリエチレン(B)10〜50重量%からなるエチレン系重合体組成物からなる層、(C)層が基材からなる層であることを特徴とする積層体。
    (a)α−オレフィンの炭素数が3〜6
    (b)炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖の炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有する
    (c)密度920kg/m以上945kg/m以下
    (d)示差走査熱量計(DSC)により求めた融点が113℃以上
  2. エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、要件(e)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
    (e)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜5
  3. エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合して得られ末端にビニル基を有するエチレン共重合体からなるマクロモノマーであって、数平均分子量が2000以上であるマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体をエチレン・α−オレフィン共重合体(A)として用いることを特徴とする、請求項1〜2に記載の積層体。
  4. 離型剤が、無溶剤型シリコーン系離型剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体からなる離型ライナー。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体からなる粘着テープ用基材。
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