JP5639838B2 - 血圧測定用圧迫帯 - Google Patents

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Description

本発明は、生体の血圧測定に際してその生体の一部を圧迫するためにその一部に巻き付けられる血圧測定用圧迫帯に関し、特に、被圧迫部位に対する血圧測定用圧迫帯のフィット性を向上させる技術に関するものである。
膨張可能な膨張袋とその膨張袋の外側に位置するシート状コア部材とを長手状の巻付布の長手方向の少なくとも一部に形成された袋内に備え、生体の血圧測定に際して、その生体の一部と前記シート状コア部材との間に前記膨張袋が位置するようにその生体の一部に巻き付けられた状態で前記膨張袋に気体が供給されることにより、前記生体の一部を圧迫する血圧測定用圧迫帯が知られている。例えば、特許文献1および2に記載されたものがそれである。
特許第3916211号公報 特許第3622730号公報
ところで、生体の血圧測定に際して血圧測定用圧迫帯が巻き付けられる生体の一部たとえば手足は、その長手方向において傾斜しており一様な太さではない場合がほとんどである。また、上記手足は、筋肉が落ちて皮膚が弛んでいる、或いは筋肉質で部分的に盛り上がっている等、人によって様々である。そのような手足に対して上記従来の血圧測定用圧迫帯を巻き付けると、血圧測定用圧迫帯が手足の径が大きい部分にはフィットするが、手足の径の小さい部分との間には隙間が生じてしまう。そのような血圧測定用圧迫帯のフィット性の悪さに起因して、血圧測定用圧迫帯で被圧迫部位の皮膚を挟み込んだり血圧測定用圧迫帯と被圧迫部位とがずれたりして被測定者に痛覚を与えるという問題があった。また、血圧測定用圧迫帯と被圧迫部位との間の隙間に起因して膨張袋に供給する気体量が増え、血圧判定精度に影響を与えるという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、被測定者毎に形状の異なる種々の被圧迫部位に対して十分なフィット性を備える血圧測定用圧迫帯を提供することである。
すなわち、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)膨張可能な膨張袋とその膨張袋の外側に位置するシート状コア部材とを長手状の巻付布の長手方向の少なくとも一部に形成された袋内に備え、生体の血圧測定に際して、その生体の一部と前記シート状コア部材との間に前記膨張袋が位置するように前記生体の一部に巻き付けられた状態で前記膨張袋に気体が供給されることにより、前記生体の一部を圧迫する血圧測定用圧迫帯であって、(b)前記シート状コア部材は、前記長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートから成り、(c)該1軸延伸型合成樹脂シートは、前記長手方向に延伸されて成るものであることにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記合成樹脂シートは、前記長手方向に延伸されて成る高延伸ポリオレフィン系樹脂シートであることにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2にかかる発明において、前記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍となるように前記長手方向に沿った一軸方向に延伸されたものであることにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1つにかかる発明において、前記シート状コア部材は、前記長手方向に交差する方向に連続し、加熱によって前記可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線を有することにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項4にかかる発明において、前記加熱処理線は、前記シート状コア部材の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられていることにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至5のいずれか1つにかかる発明において、円筒状の形状を保持するために、前記シート状コア部材をその外周側で把持する弾性変形可能な円筒状の弾性コア部材を備えていることにある。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項6にかかる発明において、前記弾性コア部材の両端部は、前記長手方向に直交する方向において前記シート状コア部材の幅寸法よりも小さい幅寸法を有し、そのシート状コア部材の幅寸法の中央部に位置することにある。
請求項1にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記シート状コア部材は、前記長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートから成ることから、血圧測定に際して血圧測定用圧迫帯が巻き付けられる生体の一部たとえば手足の一部の太さがその長手方向において変化して一様でない場合であっても、シート状コア部材がその長手方向に曲げられるときに上記手足の形状に沿って塑性変形することにより血圧測定用圧迫帯が被圧迫部位の径の大きい部分および小さい部分共に十分にフィットし易い。例えば、一般的には肩から肘に向かうほど細くなる上腕部に血圧測定用圧迫帯が巻き付けられる場合であっても、シート状コア部材が円錐台状に変形することで血圧測定用圧迫帯がその上腕部に十分にフィットする。よって、被測定者毎に形状の異なる種々の被圧迫部位に対して十分なフィット性を備える血圧測定用圧迫帯を得ることができる。それ故に、血圧測定用圧迫帯と被圧迫部位との間の隙間に起因して膨張袋に供給する気体量が増えて血圧判定精度に影響を与えることを、抑制することができ、また、血圧測定用圧迫帯で被圧迫部位の皮膚を挟み込んだり被圧迫部位と血圧測定用圧迫帯とがずれたりして被測定者に痛覚を与えることを抑制することができる。
また、請求項1にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記1軸延伸型合成樹脂シートは、前記長手方向に延伸されて成るものであることから、血圧測定用圧迫帯が手足等に巻き付けられるときにおいてシート状コア部材が被圧迫部位の形状に沿って自在に変形することができるので、血圧測定用圧迫帯の被圧迫部位へのフィット性を十分に高めることができる。
また、請求項2にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記合成樹脂シートは、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートであることから、血圧測定用圧迫帯が手足等に巻き付けられるときにおいてシート状コア部材が被圧迫部位の形状に沿って自在に変形することができるので、血圧測定用圧迫帯の被圧迫部位へのフィット性を十分に高めることができる。
また、請求項3にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍となるように前記長手方向に沿った一軸方向に延伸されたものであることから、血圧測定用圧迫帯が手足等に巻き付けられるときにおいてシート状コア部材が被圧迫部位の形状に沿って自在に変形することができるので、血圧測定用圧迫帯の被圧迫部位へのフィット性を十分に高めることができる。
また、請求項4にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記シート状コア部材は、前記長手方向に交差する方向に連続し、加熱によって前記可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線を有する。よって、シート状コア部材のうち加熱処理線以外の部分が長手方向に割れることがあっても、その割れの進行が加熱処理線で止まるので、シート状コア部材がその長手方向の割れによって幅方向に分離することが抑制され、そのシート状コア部材の耐久性を高めることができる。
また、請求項5にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記加熱処理線は、前記シート状コア部材の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられている。よって、シート状コア部材のうちの最も長手方向の割れが生じやすい両端縁部の割れが抑制されるので、シート状コア部材の耐久性をさらに高めることができる。
また、請求項6にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、円筒状の形状を保持するために、前記シート状コア部材をその外周側で把持する弾性変形可能な円筒状の弾性コア部材を備えていることから、膨張袋に気体が圧送されるときにおいてその膨張袋の外周側への膨れを抑制することができるので、その膨張袋の内周側に位置する被圧迫部位を確実に圧迫することができる。
また、請求項7にかかる発明の血圧測定用圧迫帯によれば、前記弾性コア部材の両端部は、前記長手方向に直交する方向において前記シート状コア部材の幅寸法よりも小さい幅寸法を有し、そのシート状コア部材の幅寸法の中央部に位置することから、シート状コア部材が例えば円錐台状に変形するとき等に弾性コア部材がそのシート状コア部材の変形を阻害することが抑制される。
上記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン―塩化ビニル共重合体、エチレン―プロピレン―ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
上記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、重量平均分子量が10万未満の場合には、脆くなり、延伸性が低下したり、十分な機械的強度又は耐クリープ性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを得ることができにくくなり、逆に、50万を超えると、溶融粘度が高くなり、熱溶融成形加工性が低下し、均一なシートが得られにくくなるので、10万〜50万が好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量はゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値である。
また、上記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス(以下、MI)はフィルム成形性が優れている0.1〜20(g/10分)が好ましく、より好ましくは0.2〜10(g/10分)である。尚、MIとは、JIS K 7210に規定されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す指標である。更に、高密度ポリエチレン樹脂の場合は、密度は小さくなると延伸しても機械的強度が向上しなくなるので、0.94g/cm以上が好ましい。
上記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートとしては、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸された可塑性を有するものが好ましい。
この場合は、ポリオレフィン系樹脂としては極限粘度[η]3.5dl/g未満の高密度ポリエチレン樹脂が好ましく、ガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカアルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、珪酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭素繊維、カーボンブラック等の無機機充填材を添加するのが好ましい。
延伸前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、逆に、薄過ぎると、延伸後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、形状保持性が低下するので、0.2〜5.0mmが望ましい。
上記延伸された高延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、延伸倍率は5倍以上であって、可塑性を有していればよいが、10〜40倍が好ましい。又、延伸方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、ロール一軸延伸法、ゾーン一軸延伸法等の一軸延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
一軸延伸する際に10〜40倍と高度に延伸する場合は、一軸延伸を複数回繰り返す多段一軸延伸する方法が好ましい。多段一軸延伸を行う場合の延伸回数は2〜20回が好ましく、より好ましくは3〜15回、更に好ましくは4〜10回である。又、ロール一軸延伸法により多段延伸を行う場合には、繰出ピンチロール、引取ピンチロール及びこれらのロール間に一定速度で回転する少なくとも1つの、好ましくは複数の接触ロールを設置することが望ましい。このような接触ロールを設置することにより、均一延伸性が高められ、安定な延伸成形を行うことができる。
上記接触ロールは、ピンチされることなく、ポリオレフィン系樹脂シートに摩擦力を与えることにより一軸延伸を行う。又、接触ロールは繰出ロール及び/又は引取ロールに対し、ギア、チェーン、プーリー、ベルト若しくはこれらの組み合わせからなる連結部材により連結されていてもよい。
一軸延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
上記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性を向上させるために、その高延伸ポリオレフィン系樹脂シートをポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールしてもよい。アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールするのが好ましい。
アニールとは生産ライン中で熱処理を行うことであり、アニールする際に、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸され、張力がかかっていないか、非常に小さい状態では収縮するので、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行うことが好ましく、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。即ち、アニールされた高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さが、アニール前の高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールするのが好ましい。
従って、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側のポリオレフィン系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒータ、加熱板、温水等で加熱する方法があげられる。アニールする時間は、特に限定されず、延伸されたポリオレフィン系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜60分であり、更に好ましくは1〜20分である。
また、上記とは異なる好ましい高延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸された高延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
上記圧延前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、圧延工程において、ポリオレフィン系樹脂シートを圧延ロールで押しつぶすのに大きな加圧力や引取力が必要となり、圧延ロールの撓みなどにより幅方向に均一な圧延が困難となることがある、逆に、薄過ぎると、圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、均一な圧延が困難となるだけでなく、圧延ロール同士が接触して圧延ロールの寿命が短くなることがあるので、0.2〜5.0mmが望ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂シートは、先ず、最初に圧延倍率5倍以上に圧延されるが、圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
圧延ロールによりポリオレフィン系樹脂シートに負荷される加圧力(線圧)が小さ過ぎると所定の圧延倍率を得ることが出来なくなることがあり、逆に大き過ぎると圧延ロールの撓みが生じるだけでなく、圧延ロールと原反シートとの間ですべりが生じ易くなり、均一な圧延が困難となることがあるので、加圧力は100MPa〜3000MPaが好ましく、より好ましくは300MPa〜1000MPaである。
上記圧延倍率は、圧延倍率が5倍未満の場合には、後で行われる一軸延伸時のネッキングを抑制する効果が得られなかったり、高倍率一軸延伸を行うことができなかったり、一軸延伸工程に負担がかかることになるので、5倍以上であり、好ましくは7倍以上である。圧延倍率に特に上限はないが、圧延倍率が高いほど圧延設備に負荷がかかるので10倍以下が好ましい。尚、圧延倍率は(ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)/(圧延後ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)で定義されるが、圧延の前後においてポリオレフィン系樹脂シートの幅は殆ど変化しないので、(ポリオレフィン系樹脂シートの厚み)/(圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚み)であってもよい。
圧延されたポリオレフィン系樹脂シートは、次に、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸される。一軸延伸方法は、特に限定されず、前述の一軸延伸方法が採用されればよい。又、一軸延伸倍率は、総延伸倍率が10〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、総延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、一軸延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、1.3倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、更に好ましくは1.8倍以上である。又、上限は特に限定されるものではないが、4倍以下が好ましく、より好ましくは3.5倍以下である。尚、総延伸倍率は圧延倍率と一軸延伸倍率を乗じた数値である。
また、上記とは異なる好ましい高延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された高延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
上記圧延を含む延伸方法で延伸された高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性を向上させるために、その高延伸ポリオレフィン系樹脂シートをポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって圧延温度以下の温度でアニールしてもよい。アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって、圧延温度以下の温度でアニールするのが好ましい。その他のアニール方法は前述の通りである。
アニールした高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを、更に、40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲でエージングしてもよい。エージングすることによりアニールされたポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性はより優れたものとなる。
エージングとは、生産ライン中連続で処理するものではなく、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートをカット巻回等の一度加工した、枚葉物、巻物等の熱処理を、比較的長い時間(分、時間単位)じっくり寝かせて熱処理することを意味する。エージング温度は、低くなると常温で放置するのと同様になり、高くなると熱変形するので40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲であり、エージング時間は短時間では効果がなく、長時間しすぎても効果が増大することはないので12時間〜7日が好ましい。
高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、薄くなると変形させた後の形状保持性が低下し、厚くなると変形しにくくなると共に積層した場合に違和感が生じるので0.04〜2mmが好ましい。
シート状コア部材は、上述のようにして得られた高延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数積層されて成る積層高延伸ポリオレフィン系樹脂シートであってもよい。この場合には、シート状コア部材は、複数の高延伸ポリオレフィン系樹脂シートが熱融着により相互に積層されるか、或いは複数の高延伸ポリオレフィン系樹脂シートが第2のポリオレフィン系樹脂層を介して相互に積層される。
上記第2のポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層するのであるから、その高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂と同一種類のものが好ましいが、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを熱融着する際に接着剤として作用するのであるから、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂の溶融温度より低い溶融温度のポリオレフィン系樹脂が好ましく、線状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂層を高延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層する方法は従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、第2のポリオレフィン系樹脂層と高延伸ポリオレフィン系樹脂シートを接着剤で接着する方法、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂を溶融押出して積層する方法等が挙げられる。
又、第2のポリオレフィン系樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、薄くなりすぎると接着しにくくなり、厚すぎると高延伸ポリオレフィン系樹脂シートの可塑性が低下するので、一般に5〜150μmであり、好ましくは20〜80μmである。
なお、本明細書において、可塑性とは、外から力を加えると形をかえ、力をとりさってもそのままの形をのこす性質のことである。
生体の上腕に巻き付けられた本発明の一実施例の圧迫帯を備えた自動血圧測定装置の構成を示している。 図1の圧迫帯を平面に展開した状態における外周面を示す図である。 図1の圧迫帯を平面に展開した状態における内周面を示す図である。 図2のIV-IV視断面を概念的に示す圧迫帯の断面図である。 図4のシート状コア部材の平面図である。 相互に組み合わされた円筒状の弾性コア部材およびシート状コア部材を示す斜視図である。 図6の弾性コア部材を平面に展開して示す展開図である。 本発明の他の実施例のシート状コア部材の平面図であって、実施例1の図5に対応する図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、生体の上腕10に巻き付けられた本発明の一実施例の圧迫帯(血圧測定用圧迫帯)12を備えた自動血圧測定装置14の構成を示している。図1に示すように、圧迫帯12の管接続用コネクタ16には主配管18が接続されている。そして、その主配管18には、圧力センサ20、排気制御弁24、および空気ポンプ26がそれぞれ接続されている。
圧力センサ20は、圧迫帯12に設けられ、管接続用コネクタ16を介して主配管18に連通された後述の膨張袋30(図4参照)内の圧力を検出し、その圧力を表す圧力信号SPを出力する。排気制御弁24は、その流通断面積が調節されることにより、主配管18およびそれに連通させられた例えば膨張袋30内の空気を徐速排気あるいは急速排気させる。空気ポンプ26は、電動式のものであり、その作動時には主配管18を介してそれに連通させられた膨張袋30内へ空気を圧送する。
電子制御装置32は、CPU34、RAM36、およびROM38などを含む所謂マイクロコンピュータである。この電子制御装置32は、CPU34がRAM36の記憶機能を利用しつつ予めROM38に記憶されたプログラムにしたがって入力信号を処理し、排気制御弁24および空気ポンプ26をそれぞれ制御する。
電子制御装置32には、起動押釦スイッチ40から血圧測定開始の合図となる起動信号SSが供給される。また、電子制御装置32には、圧力センサ20から出力される圧力信号SPのうち、ローパスフィルタ42により弁別された圧迫帯12の圧迫圧を表すカフ圧信号SKが、A/D変換器44を介して供給され、また、圧力センサ20から出力される圧力信号SPのうち、バンドパスフィルタ46により弁別された生体の心拍に同期して発生する圧力振動である脈波信号SMが、A/D変換器44を介して供給される。
電子制御装置32は、血圧測定の起動信号SSが供給されると、圧迫帯12の膨張袋30を急速昇圧させるために圧縮空気(気体)をその膨張袋30に供給する。そして、電子制御装置32は、その膨張袋30内の圧力が予め最高血圧値よりも十分に高く設定された目標昇圧値に到達すると、膨張袋30内の圧力上昇を停止させ、その膨張袋30内の空気を徐々に排気させることにより略一定の速度で緩やかに膨張袋30内の圧力を降圧させる。自動血圧測定装置14は、膨張袋30内の圧力が緩やかに降圧させられる期間において、良く知られたオシロメトリック法により血圧値を決定する。そして、電子制御装置32は、上記決定された血圧値を表示器48に表示させ、圧迫帯12による上腕10への圧迫を解除するために膨張袋30内の空気の急速排気を行い、血圧測定を終了させる。
図2は、圧迫帯12を平面に展開した状態における外周面を示す図であり、図3は、圧迫帯12を平面に展開した状態における内周面を示す図である。図4は、図2のIV-IV視断面を概念的に示す圧迫帯12の断面図である。なお、図4に示す縦の点線は、縫製による縫い目を表している。これら図2乃至図4に示すように、圧迫帯12は、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂により裏面が相互にラミネートされた合成樹脂繊維製の外周側布50および内周側布52が、それらの外周縁部において縫製、接着、或いは高周波溶着などによって相互に接合されることにより、長手状且つ袋状に構成された巻付布54を備えている。これら外周側布50および内周側布52は可塑性を有して屈曲可能であり且つ比較的伸縮不能な素材から成る。なお、巻付布54は、天然繊維あるいは合成樹脂繊維等で編まれた織布の他にも、例えば、不織布、またはポリ塩化ビニルシートやナイロンシートなどの合成樹脂シートから成るものであってもよい。
また、圧迫帯12は、図2乃至図4に点線で示す巻付布54の幅方向の縫い目56よりも右側に位置する巻付布54の長手方向の一端部の袋58内に収容され、たとえば軟質ポリ塩化ビニルシートや天然或いは合成のゴムシートなどの可撓性シートから袋状に構成された膨張可能な膨張袋30を備えている。膨張袋30は、空気ポンプ26から圧縮空気が供給されることで膨張して上腕10を圧迫する気室を有している。膨張袋30は、それにより圧迫された上腕10内の動脈60(図1参照)の容積変化に応答して発生する圧力振動である脈波を検出するためのものである。また、膨張袋30は、その外周面側に管接続用コネクタ16を備えている。この管接続用コネクタ16は、外周側布50を通して圧迫帯12の外周面に露出されている。
また、圧迫帯12は、巻付布54の他端部の内周面に植設された多数のループ状繊維と、それに係合するように一端部の外周面に植設された弾性変形可能な合成樹脂製の多数の鉤状突起との係合によって、着脱可能に接着する形式の一対のファスナ62および64を備えている。圧迫帯12は、膨張袋30が収容された巻付布54の一端部の外周側にその巻付布54の他端部が重ねられるように円筒状に巻き付けられた状態で上記一対のファスナ62および64が接着されることにより、図1に示すように上腕10に着脱可能に装着されるようになっている。
図4に示すように、圧迫帯12は、その一端部の袋58内に内周側から順に収容された膨張袋30、合成樹脂シート66、シート状コア部材68、および弾性コア部材70を備えている。合成樹脂シート66は、外周側布50と前記長手方向の両側の縫い目56、71との間でシート状コア部材68を閉じこめて、そのシート状コア部材68の移動を抑制するためのものであり、コア飛出防止部材として機能している。
シート状コア部材68は、その長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートが複数積層されて成る。このシート状コア部材68は、長手方向に曲げられることで円筒状や円錐台状に塑性変形する。上記合成樹脂シートは、シート状コア部材68の長手方向に延伸されて成る高延伸ポリエチレン樹脂シート(高延伸ポリオレフィン系樹脂シート)である。以下においてその高延伸ポリエチレン樹脂シートの製造方法を説明する。
先ず、シート成形工程において、重量平均分子量(Mw)33万、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂を同方向二軸混練押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅370mm、厚さ2.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得る。
次いで、圧延工程において、上記得られたポリエチレン樹脂シートを例えば125℃に加熱した圧延成形機を用いて圧延倍率9.5倍程度に圧延し、厚さ0.27mmの圧延ポリエチレン樹脂シートを得る。
次いで、延伸工程において、上記得られた圧延ポリエチレン樹脂シートを例えば110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置にて1.82倍程度に多段延伸し、総延伸倍率17倍、幅280mm、厚さ0.19mmの高延伸ポリエチレン樹脂シートを得る。
次いで、熱処理工程において、上記得られた高延伸ポリエチレン樹脂シートを、ピンチロールが設置されて例えば125℃に設定されているライン長19.25mの熱風加熱槽に供給し、入口速度2.75m/minおよび出口速度2.75m/minに設定して7分間1次アニールを行う。続いて、上記と同様にして2次アニールを行って、アニールされた高延伸ポリエチレン樹脂シートを得る。続いて、上記アニールされた高延伸ポリエチレン樹脂シートを60℃の恒温槽に供給し、24時間エージングして、シート状コア部材68に使用される高延伸ポリエチレン樹脂シートを得る。
なお、上記のようにして最終的に得られた複数の高延伸ポリエチレン樹脂シートは、必要に応じて線状低密度ポリエチレン樹脂の接着剤層を介して相互に積層されることで所定の厚さのシート状コア部材68とされる。このようなシート状コア部材68は、1軸方向すなわち長手方向に延伸加工されることで長手方向に整列する分子配列とされることにより前述の可塑性が得られるとされている。同時に、このように加工されたシート状コア部材68はその長手方向に進行する所定幅(たとえば数mm幅)の亀裂が生じやすい欠点がある。
図5は、図4のシート状コア部材68の平面図である。図5に示すように、シート状コア部材68は、その長手方向すなわち矢印aで示す延伸方向に直交する方向に連続し、加熱によって可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線72を有している。上記加熱は、加熱処理線72に対応するシート状コア部材68の一部を、その分子配列をランダムとする温度たとえばそれを構成する合成樹脂シートの融点以上の温度にするために、例えば加熱された金属をシート状コア部材68に当接させることで行われる。加熱処理線72は、シート状コア部材68の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられている他、シート状コア部材68の長手方向において上記両端縁部の加熱処理線72間に複数本(本実施例では10本)設けられている。これにより、シート状コア部材68のうち各加熱処理線72間で長手方向の割れが生じることがあっても、その割れの進行が加熱処理線72で止まるので、シート状コア部材68がその長手方向の割れによって幅方向に分離することが抑制される。なお、前記管接続用コネクタ16を通すコネクタ穴74の開口縁にも加熱処理が施されている。
また、各加熱処理線72の前記長手方向の長さは、各加熱処理線72間における熱処理が施されない部分の前記長手方向の長さに比べて十分に小さくなるように構成されている。これにより、シート状コア部材68の長手方向の曲げにおいてそのシート状コア部材68が塑性変形され易く構成される。
図4に戻って、弾性コア部材70は、シート状コア部材68が長手方向に曲げられた際の円筒状の形状を保持するために、そのシート状コア部材68をその外周側で把持する弾性変形可能な部材であり、外力が加えられない状態では、相互に組み合わされた弾性コア部材70およびシート状コア部材68の斜視図である図6に示すように長手方向に曲がった円筒状となる。
図7は、図6の弾性コア部材70を平面に展開して示す展開図である。図7に示すように、弾性コア部材70の長手方向において、弾性コア部材70のうち前記管接続用コネクタ16を通すコネクタ穴76に対応する部分は、その弾性コア部材70の両端部と比べて幅方向の寸法が大きく形成されている。上記コネクタ穴76に対応する部分の幅寸法L1は、図5に示すシート状コア部材68の幅寸法L1と同じである。そして、弾性コア部材70の両端部は、図5に示すシート状コア部材68の幅寸法L1よりも小さい幅寸法L2を有し、図6に示すように、シート状コア部材68の幅寸法L1の中央部に位置している。
上記のように構成される圧迫帯12は、自動血圧測定装置14による血圧測定開始に先立って、被圧迫部位たとえば上腕10に巻き付けられる。この際、巻付布54内のシート状コア部材68は、その長手方向において曲げられて上腕10の外周面の形状に沿って塑性変形する。上腕10がその長手方向において変化して一様でない場合であっても、シート状コア部材68は上腕10との間に隙間無く巻き付けられる。例えば、上腕10が肩から肘に向かうほど細くなるときは、シート状コア部材68が円錐台状に変形することで圧迫帯12がその上腕10に十分にフィットさせられる。これにより、自動血圧測定装置14による血圧測定が開始されて膨張袋30に圧縮空気が供給された場合には、膨張袋30の外周側への膨張がシート状コア部材68により好適に抑制され、上腕10が膨張袋30により確実に圧迫される。
本実施例の圧迫帯(血圧測定用圧迫帯)12によれば、シート状コア部材68は、その長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートから成ることから、血圧測定に際して圧迫帯12が巻き付けられる生体の上腕10の太さがその長手方向において変化して一様でない場合であっても、シート状コア部材68がその長手方向に曲げられるときに上記上腕10の形状に沿って塑性変形することにより圧迫帯12が被圧迫部位の径の大きい部分および小さい部分共に十分にフィットし易い。例えば、一般的には肩から肘に向かうほど細くなる上腕10に圧迫帯12が巻き付けられる場合、シート状コア部材68が円錐台状に変形することで圧迫帯12がその上腕10に十分にフィットする。よって、被測定者毎に形状の異なる種々の被圧迫部位に対して十分なフィット性を備える圧迫帯12を得ることができる。それ故に、圧迫帯12と被圧迫部位との間の隙間に起因して膨張袋30に供給する気体量が増えて血圧判定精度に影響を与えることを、抑制することができ、また、圧迫帯12で被圧迫部位の皮膚を挟み込んだり圧迫帯12と被圧迫部位とがずれたりして被測定者に痛覚を与えることを抑制することができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、シート状コア部材68を構成する合成樹脂シートは、前記長手方向に延伸されて成る高延伸ポリオレフィン系樹脂シートであることから、圧迫帯12が上腕10に巻き付けられるときにおいてシート状コア部材68が被圧迫部位の形状に沿って自在に変形することができるので、圧迫帯12の被圧迫部位へのフィット性を十分に高めることができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、前記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、重量平均分子量が33万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率9.5倍に圧延された後、総延伸倍率が17.29倍となるように前記長手方向に沿った一軸方向に延伸されたものであることから、圧迫帯12が上腕10に巻き付けられるときにおいてシート状コア部材68が被圧迫部位の形状に沿って自在に変形することができるので、圧迫帯12の被圧迫部位へのフィット性を十分に高めることができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、シート状コア部材68は、その長手方向に直交する方向に連続し、加熱によって可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線72を有する。よって、シート状コア部材68のうち加熱処理線72以外の部分が長手方向に割れることがあっても、その割れの進行が加熱処理線72で止まるので、シート状コア部材68がその長手方向の割れによって幅方向に分離することが抑制され、そのシート状コア部材68の耐久性を高めることができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、加熱処理線72は、シート状コア部材68の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられている。よって、シート状コア部材68のうちの最も長手方向の割れが生じやすい両端縁部の割れが抑制されるので、シート状コア部材68の耐久性をさらに高めることができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、円筒状に曲げられたシート状コア部材68の形状を保持するために、そのシート状コア部材68をその外周側で把持する弾性変形可能な円筒状の弾性コア部材70を備えていることから、膨張袋30に気体が圧送されるときにおいてその膨張袋30の外周側への膨れを抑制することができるので、その膨張袋30の内周側に位置する被圧迫部位を確実に圧迫することができる。
また、本実施例の圧迫帯12によれば、弾性コア部材70の両端部は、前記長手方向に直交する幅方向においてシート状コア部材68の幅寸法L1よりも小さい幅寸法L2を有し、そのシート状コア部材68の幅寸法L1の中央部に位置することから、シート状コア部材68が例えば円錐台状に変形するとき等に弾性コア部材70がそのシート状コア部材68の変形を阻害することが抑制される。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、実施例相互に重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の他の実施例のシート状コア部材80の平面図である。本実施例のシート状コア部材80は、実施例1のシート状コア部材68と同様に、矢印aで示す長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型の合成樹脂シートが複数積層されて成る。上記合成樹脂シートは、シート状コア部材68の長手方向に延伸されて成る高延伸ポリエチレン樹脂シート(高延伸ポリオレフィン系樹脂シート)であり、その製造方法は前述の実施例で述べたとおりである。なお、本実施例の圧迫帯(血圧測定用圧迫帯)は、図示を省略するが、実施例1の圧迫帯12と比較して、シート状コア部材68に代えてシート状コア部材80が備えられている他は同様の構成である。
図8に示すように、シート状コア部材80は、その長手方向に交差する方向に連続し、加熱によって前記可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線84を有している。加熱処理線84は、シート状コア部材80の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられている他、上記両端縁部の加熱処理線84間において複数本(本実施例では8本)設けられている。上記両端縁部間の加熱処理線84は、シート状コア部材80の長手方向の中央部に設けられたものはその長手方向に直交する幅方向に連続して設けられている。そして、その長手方向の中央部から両端部側に向かうほど、加熱処理線84と幅方向との交差角度が大きくされている。これにより、シート状コア部材80が円錐台状に曲成される際に各加熱処理線84がその円錐台の母線あるいはその近くを通るようになり、そのシート状コア部材80が円錐台状に曲がり易くなる。したがって、好適には、図8のシート状コア部材80の下側に対応する圧迫帯の幅方向の側部が、上腕10の肩側に位置するようにして、圧迫帯が上腕10に巻き付けられる。なお、前記管接続用コネクタ16を通すコネクタ穴74の開口縁にも加熱処理が施されている。
また、各加熱処理線84の長手方向の長さは、各加熱処理線84間における熱処理が施されない部分の長手方向の長さに比べて十分に小さくなるように構成されている。これにより、シート状コア部材80の長手方向の曲げにおいてそのシート状コア部材80が塑性変形され易く構成される。
本実施例の圧迫帯(血圧測定用圧迫帯)によれば、シート状コア部材80は、その長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートから成ることから、血圧測定に際して圧迫帯が巻き付けられる生体の上腕10の太さがその長手方向において変化して一様でない場合であっても、シート状コア部材80がその長手方向に曲げられるときに上記上腕10の形状に沿って塑性変形することにより圧迫帯が被圧迫部位の径の大きい部分および小さい部分共に十分にフィットし易い。例えば、一般的には肩から肘に向かうほど細くなる上腕10に圧迫帯が巻き付けられる場合、シート状コア部材80が円錐台状に変形することで圧迫帯がその上腕10に十分にフィットする。よって、実施例1と同様に、被測定者毎に形状の異なる種々の被圧迫部位に対して十分なフィット性を備える圧迫帯を得ることができる。それ故に、圧迫帯と被圧迫部位との間の隙間に起因して膨張袋30に供給する気体量が増えて血圧判定精度に影響を与えることを、抑制することができ、また、圧迫帯で被圧迫部位の皮膚を挟み込んだり圧迫帯と被圧迫部位とがずれたりして被測定者に痛覚を与えることを抑制することができる。
また、本実施例の圧迫帯によれば、シート状コア部材80の加熱処理線84は、シート状コア部材80の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられている他、上記両端縁部の加熱処理線84間において複数本設けられている。それら両端縁部間の加熱処理線84は、シート状コア部材80の長手方向の中央部に設けられたものはその長手方向に直交する幅方向に連続して設けられている。そして、その長手方向の中央部から両端部側に向かうほど、加熱処理線84と幅方向との交差角度が大きくされている。よって、シート状コア部材80が円錐台状に曲成される際に各加熱処理線84がその円錐台の母線あるいはその近くを通るようになり、シート状コア部材80が円錐台状に塑性変形され易くなるので、シート状コア部材80が上腕10の形状に沿って塑性変形し易くなる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、実施例1および2において、シート状コア部材68、80は、重量平均分子量が33万のポリエチレン樹脂シートが圧延倍率9.5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が17.29倍となるように長手方向に沿った一軸方向に延伸された高延伸ポリエチレン樹脂シートから成るものであったが、必ずしも上記圧延倍率で圧延されて上記総延伸倍率となるように延伸された高延伸ポリエチレン樹脂シートが使われる必要はない。長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有するものであれば、一応の効果は得られる。たとえば、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸された可塑性を有するものが使われてもよい。または、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸された可塑性を有するものが使われてもよい。または、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された可塑性を有するものが使われてもよい。
また、シート状コア部材68、80は、合成樹脂シートが複数積層されて成るものであったが、たとえば1枚の合成樹脂シートから構成されてもよい。
また、実施例1および実施例2において、膨張袋30は1つに限らず、2つ以上設けられてもよい。
また、実施例1の圧迫帯12および実施例2の圧迫帯は、自動血圧測定装置14に限らず、その他の公知の血圧測定装置に用いられ得る。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
30:膨張袋
68,80:シート状コア部材
54:巻付布
58:袋
10:上腕(生体の一部)
12:圧迫帯(血圧測定用圧迫帯)
72,84:加熱処理線
70:弾性コア部材
L1:シート状コア部材の幅寸法
L2:弾性コア部材の両端部の幅寸法

Claims (7)

  1. 膨張可能な膨張袋と該膨張袋の外側に位置するシート状コア部材とを長手状の巻付布の長手方向の少なくとも一部に形成された袋内に備え、生体の血圧測定に際して、該生体の一部と前記シート状コア部材との間に前記膨張袋が位置するように該生体の一部に巻き付けられた状態で該膨張袋に気体が供給されることにより、該生体の一部を圧迫する血圧測定用圧迫帯であって、
    前記シート状コア部材は、前記長手方向の曲げにおいて塑性変形可能な可塑性を有する1軸延伸型合成樹脂シートから成り、
    該1軸延伸型合成樹脂シートは、前記長手方向に延伸されて成るものである
    ことを特徴とする血圧測定用圧迫帯。
  2. 前記合成樹脂シートは、高延伸ポリオレフィン系樹脂シートであることを特徴とする請求項1の血圧測定用圧迫帯。
  3. 前記高延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍となるように前記長手方向に沿った一軸方向に延伸されたものであることを特徴とする請求項2の血圧測定用圧迫帯。
  4. 前記シート状コア部材は、前記長手方向に交差する方向に連続し、加熱によって前記可塑性が消失されると同時に耐割れ性が付与された複数本の加熱処理線を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の血圧測定用圧迫帯。
  5. 前記加熱処理線は、前記シート状コア部材の長手方向の両端縁部に沿ってそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4の血圧測定用圧迫帯。
  6. 円筒状の形状を保持するために、前記シート状コア部材をその外周側で把持する弾性変形可能な円筒状の弾性コア部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの血圧測定用圧迫帯。
  7. 前記弾性コア部材の両端部は、前記長手方向に直交する方向において前記シート状コア部材の幅寸法よりも小さい幅寸法を有し、該シート状コア部材の幅寸法の中央部に位置することを特徴とする請求項6の血圧測定用圧迫帯。
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