JP5639540B2 - 蓄電池需給計画作成装置および蓄電池需給計画作成方法 - Google Patents
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Description
図1に示すように、小規模系統1は、自然エネルギ発電装置として、太陽光発電装置20および/または風力発電装置21を備えている。また、小規模系統1は、自然エネルギ発電装置の出力が天候によって変動するため、余剰の電力を蓄電し、電力が不足する時間帯に放電して電力供給を行う蓄電池10を備えている。また、小規模系統1内には、電力を消費する負荷30が含まれている。太陽光発電装置20、風力発電装置21、蓄電池10、および負荷30は、配電線を介して相互に接続されている。そして、小規模系統1は、連系点を介して、上位系統2に接続している。なお、図1には、太陽光発電装置20、風力発電装置21、蓄電池10、および負荷30は、それぞれ1台ずつしか明記していないが、2台以上であっても構わない。
蓄電池需給計画作成装置40は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメインメモリによって構成される処理部41と、アプリケーションプログラム等を記憶する記憶部42と、通信部43と、入力部44とを備えている。入力部44は、キーボードやマウス等の入力装置を接続するインタフェースであり、管理者や保守者の操作に基づいて、気象予報情報等の種々の情報の入力を受け付ける機能を有する。また、通信部43は、ネットワーク(不図示)を接続する通信インタフェースであり、処理部41の処理結果を蓄電池10へ出力したり、気象予報情報等の種々の情報を受信したりする機能を有する。ただし、図2は、入力部44を介して気性予報情報を受け付ける場合を表している。
太陽光発電電力推定部110は、入力部44または通信部43を介して気温予測値、日射量予測値等の気象予報情報を取得し、太陽光発電機情報記憶部111に記憶された発電容量、気温や日射量ごとの発電特性を参照して、時間帯ごとの発電電力を推定し、推定結果を推定太陽光発電電力として蓄電池スケジュール作成部140に出力する。
使用電力推定部130は、入力部44または通信部43を介して気温予測値、湿度予測値等の気象予報情報を取得し、負荷情報記憶部131に記憶された気温や湿度ごとの負荷特性を参照して、時間帯ごとの使用電力を推定し、推定結果を推定使用電力として蓄電池スケジュール作成部140に出力する。
まず、目的関数は、
min{Σ(上位系統送受電電力(t)−上位系統送受電計画電力(t))
+α×Σ(Σ蓄電池放電電力(i,t))
+β×Σ(上位系統送受電電力(t)−上位系統送受電計画電力(t))2}
・・式(1)
と設定する。
ただし、min{}は、{}内の値の最小値を算出する関数である。{}内の第1項は、上位系統送受電電力(t)を計画値に近づけるための項である。{}内の第2項は、蓄電池放電電力(i,t)の変化を小さく抑えるための項である。{}内の第3項は、上位系統送受電電力(t)のピーク(最大送受電電力)を小さく抑えるための項である。また、α,βは重み係数であり、目的関数内の各項の優先順位に応じて、適宜設定される。また、iは、i番目の装置を表す。また、tは時間帯を表す。また、上位系統送受電電力(t)の符号は、正のときは小規模系統1が上位系統2へ送電することを表し、負のときは小規模系統1が上位系統2から受電することを表す。また、Σは、装置全体にわたって累積することおよび計画を作成する期間にわたって累積することを表す。
Σ推定太陽光発電電力(i,t)+Σ推定風力発電電力(i,t)
+Σ蓄電池放電電力(i,t)−Σ蓄電池充電電力(i,t)
−Σ推定使用電力(i,t)+上位系統送受電電力(t)=0 ・・式(2)
と設定する。
蓄電池放電下限値(i)≦蓄電池放電電力(i,t)≦蓄電池放電上限値(i)
・・式(3)
蓄電池充電下限値(i)≦蓄電池充電電力(i,t)≦蓄電池充電上限値(i)
・・式(4)
と設定する。
SOC(i,t)=SOC(i,t−1)+η(i)×蓄電池充電電力(i,t)
−蓄電池放電電力(i,t)/μ(i) ・・式(5)
と設定する。
ただし、η(i)は、i番目の蓄電池の充電効率を表す。μ(i)は、i番目の蓄電池の放電効率を表す。
SOC下限値(i)≦SOC(i,t)≦SOC上限値(i) ・・式(6)
と設定する。
SOC(i,t)≧SOC目標値(i,t) ・・式(7)
と設定する。
太陽光発電機情報記憶部111は、各太陽光発電装置20の発電容量、気温や日射量ごとの発電特性を記憶している。
風力発電機情報記憶部121は、各風力発電装置21の発電容量、風速や風向ごとの発電特性を記憶している。
負荷情報記憶部131は、各負荷30の気温や湿度ごとの負荷特性を記憶している。
蓄電池情報記憶部141は、各蓄電池10の充放電効率や最大充放電電力を記憶している。
ステップS301では、太陽光発電電力推定部110は、推定太陽光発電電力を算出する。また、風力発電電力推定部120は、推定風力発電電力を算出する。また、使用電力推定部130は、推定使用電力を算出する。
ステップS302では、蓄電池スケジュール作成部140は、式(1)に示す目的関数を生成する。このとき、例えば、α,βの値を変えて各項の重みを変更したり、上位系統送受電計画電力(t)の値を変更したりして、目的に合致した蓄電池10の制御が行えるようにする。また、目的関数の上位系統送受電計画電力(t)(計画値)は、入力部44を介して取得される。
ステップS304では、蓄電池スケジュール作成部140は、目的関数の演算を実行する。この目的関数の演算には、線形計画法等の最適化計算法を用いるか、またはタブーサーチ等の近似解法を用いることができる。
ステップS305では、蓄電池スケジュール作成部140は、演算結果である運用計画を運用計画情報50として蓄電池10に送信する。
シミュレーションの条件は、小規模系統1内に、太陽光発電装置20、風力発電装置21、および蓄電池10を1台ずつ備え、蓄電池10の充電電力および放電電力を0〜50kW、SOCの上下限値を0〜300kWhとし、また、運用計画の対象期間は、24時間先までとした。そして、シミュレーションのための気象予測値には、過去の一日の気象データを用いた。
その結果、推定太陽光発電電力、推定風力発電電力、推定使用電力それぞれは、図4に示すように求められた。
第1のケースは、蓄電池10を最大限に活用して、上位系統送受電電力および最大送受電電力を小さく抑える場合である。具体的には、式(1)に示す目的関数において、α=0および上位系統送受電計画電力(t)=0と設定した場合である。すなわち、第1のケースの目的関数は、min{Σ上位系統送受電電力(t)+β×Σ上位系統送受電電力(t)2}である。ただし、β=0.2であり、第1項の方が第2項より優先順位が高くなる(第1項を強く抑制する)ようにした。また、制約条件には、前記式(2)〜(6)を用いた。
第2のケースは、蓄電池10を最大限に活用して、上位系統送受電電力をできる限り計画値通りに設定するとともに最大送受電電力を小さく抑える場合である。具体的には、式(1)に示す目的関数において、α=0と設定したものである。すなわち、第2のケースの目的関数は、min{Σ(上位系統送受電電力(t)−上位系統送受電計画電力(t))+β×Σ(上位系統送受電電力(t)−上位系統送受電計画電力(t))2}である。ただし、β=0.2であり、第1項の方が第2項より優先順位が高くなる(第1項を強く抑制する)ようにした。また、上位系統送受電計画電力(t)は、11時〜14時までの時間帯を50kWとし、その他の時間帯を−10kWとした。また、制約条件には、前記式(2)〜(6)を用いた。
第3のケースは、蓄電池10の放電電力の変化を抑えつつ、上位系統送受電電力をできる限り計画値通りに設定するとともに最大送受電電力を小さく抑える場合である。具体的には、式(1)に示す目的関数において、α=5、β=0.2と設定したものであり、第1項、第2項、第3項の順に優先順位が高くなる(第1項を最も強く抑制し、次に第2項を強く抑制する)ようにした。上位系統送受電計画電力(t)は、11時〜14時までの時間帯を50kWとし、その他の時間帯を−10kWとした。また、制約条件には、前記式(2)〜(6)を用いた。ケース3は、蓄電池10の放電電力の変化を抑えることによって、蓄電池の寿命を延ばすことを考慮したものである。
また、調整時のSOCについて図7(b)と図6(b)とを比較すると、図7(b)に示す調整時のSOCの方が、変化幅が小さくなっていることが分かる。以上のことから、調整時には、蓄電池10の放電電力の変化を抑制しても、小規模系統1において、上位系統2との間の送受電電力を計画値に近づけるように制御して最大送受電電力を小さく抑えることができる。
第4のケースは、蓄電池10の目標残電力量(SOC目標値)を設定した上で、蓄電池10の放電電力の変化を抑えつつ、上位系統送受電電力をできる限り計画値通りに設定するとともに最大送受電電力を小さく抑える場合である。具体的には、式(1)に示す目的関数において、α=5、β=0.2と設定したものであり、第1項、第2項、第3項の順に優先順位が高くなる(第1項を最も強く抑制し、次に第2項を強く抑制する)ようにした。上位系統送受電計画電力(t)は、11時〜14時までの時間帯を50kWとし、その他の時間帯を−10kWとした。また、制約条件には、ケース3の場合とは異なって、前記式(2)〜(7)を用いた。そして、式(7)のSOC目標値には、23時を200kWh、その他の時間を0kWhと設定した。このSOC目標値は、23時以降に発電が行われない状況が続いても、しばらくの間は小規模系統1内の使用電力を賄うことを可能とするものである。
また、調整時のSOCについて図8(b)と図6(b)とを比較すると、図8(b)に示す調整時のSOCの方が、変化幅が小さくなっていることが分かる。以上のことから、調整時には、蓄電池10の放電電力を抑制しても、小規模系統1において、上位系統2との間の送受電電力を計画値に近づけるように制御して最大送受電電力を小さく抑えることができる。
2 上位系統
10 蓄電池
20 太陽光発電装置(自然エネルギ発電装置)
21 風力発電装置(自然エネルギ発電装置)
30 負荷
40 蓄電池需給計画作成装置
41 処理部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
50 運用計画情報
110 太陽光発電電力推定部(発電電力推定部)
111 太陽光発電機情報記憶部
120 風力発電電力推定部(発電電力推定部)
121 風力発電機情報記憶部
130 使用電力推定部
131 負荷情報記憶部
140 蓄電池スケジュール作成部
141 蓄電池情報記憶部
Claims (8)
- 上位系統と連系点で接続され、自然エネルギ発電装置、蓄電池、および電力を消費する負荷が配電線を介して相互に接続される小規模系統に設置される蓄電池需給計画作成装置であって、
気象予報情報と計画値とを取得する入力部と、
気象情報と発電電力との関係を示す前記自然エネルギ発電装置の発電特性、気象情報と使用電力との関係を示す前記負荷の負荷特性を記憶する記憶部と、
前記自然エネルギ発電装置の発電電力を前記発電特性および前記気象予報情報を用いて推定する発電電力推定部と、
前記負荷の使用電力を前記負荷特性および前記気象予報情報を用いて推定する使用電力推定部と、
前記発電電力と前記蓄電池の充放電電力と前記使用電力と前記上位系統および前記小規模系統の間の送受電電力とを変数とする需給バランスの関係、および前記蓄電池のSOC(State of Charge)の上下限値を制約条件とし、前記送受電電力から前記計画値を減算する項と前記送受電電力から前記計画値を減算した値の2乗の項とを加算する目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する蓄電池スケジュール作成部と
を備えることを特徴とする蓄電池需給計画作成装置。
なお、前記送受電電力の符号は、前記小規模系統から前記上位系統へ送電する場合を正とする。 - 前記蓄電池スケジュール作成部は、前記目的関数に前記蓄電池の放電電力を変数として加えて新たな目的関数を生成し、前記新たな目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池需給計画作成装置。 - 前記蓄電池スケジュール作成部は、前記入力部を介して取得した前記蓄電池のSOC目標値を前記制約条件に加えて、前記新たな目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の蓄電池需給計画作成装置。 - 前記蓄電池スケジュール作成部は、前記入力部を介して取得した前記蓄電池のSOC目標値を前記制約条件に加えて、前記目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池需給計画作成装置。 - 上位系統と連系点で接続され、自然エネルギ発電装置、蓄電池、および電力を消費する負荷が配電線を介して相互に接続される小規模系統に設置される蓄電池需給計画作成装置の蓄電池需給計画作成方法であって、
前記蓄電池需給計画作成装置は、
気象予報情報と計画値とを取得する入力部と、
気象情報と発電電力との関係を示す前記自然エネルギ発電装置の発電特性、気象情報と使用電力との関係を示す前記負荷の負荷特性を記憶する記憶部と、
を備え、
前記自然エネルギ発電装置の発電電力を前記発電特性および前記気象予報情報を用いて推定する発電電力推定ステップと、
前記負荷の使用電力を前記負荷特性および前記気象予報情報を用いて推定する使用電力推定ステップと、
前記発電電力と前記蓄電池の充放電電力と前記使用電力と前記上位系統および前記小規模系統の間の送受電電力とを変数とする需給バランスの関係、および前記蓄電池のSOC(State of Charge)の上下限値を制約条件とし、前記送受電電力から前記計画値を減算する項と前記送受電電力から前記計画値を減算した値の2乗の項とを加算する目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する蓄電池スケジュール作成ステップと
を実行することを特徴とする蓄電池需給計画作成方法。
なお、前記送受電電力の符号は、前記小規模系統から前記上位系統へ送電する場合を正とする。 - 前記蓄電池スケジュール作成ステップでは、前記目的関数に前記蓄電池の放電電力を変数として加えて新たな目的関数を生成し、前記新たな目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項5に記載の蓄電池需給計画作成方法。 - 前記蓄電池スケジュール作成ステップでは、前記入力部を介して取得した前記蓄電池のSOC目標値を前記制約条件に加えて、前記新たな目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項6に記載の蓄電池需給計画作成方法。 - 前記蓄電池スケジュール作成ステップでは、前記入力部を介して取得した前記蓄電池のSOC目標値を前記制約条件に加えて、前記目的関数の値を最小化する演算処理を実行し、前記蓄電池の運用計画情報を作成する
ことを特徴とする請求項5に記載の蓄電池需給計画作成方法。
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