JP6622068B2 - 事業評価システムおよび事業評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、事業評価システムに関する。
電力系統に接続する事業者が、他社との関係において市場取引や設備運用を評価する方法として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、「需要想定データ、電源データ、市場データに基づき、電力市場における電力取引を仮想的に実現して、需要および発電コストの値を変動させた複数のパラメータ値セットについて市場取引価格の予測結果を算出し、市場参加者毎に、ポートフォリオに対して、複数の市場取引価格の予測結果を用いて収益リスク計算を実行し、計算結果を表示する事ができる」という記載がある。
特許文献1において、発電コストの算出については、「過去の需要実績に基づく需要想定データと、各市場参加者の発電機データを元に、発電計画を作成し、発電コストを算出する。具体的には需給バランスを満たす発電コストが最小となる発電機運転スケジュールを生成し、限界費用曲線を算出する」、「限界費用曲線を元に、売上中の利益の割合を考慮したアルゴリズムにより、電力市場への入札量と入札価格を決定する」と記載されている。また、市場価格の予測については、「取引による社会厚生(総余剰)最大化問題を線形計画法によって解くことにより、市場取引価格を予測する」と記載されている。
特開2006―331229号公報
系統連系後の運用に関する他社への影響の評価は、特許文献1に示すように市場への入札価格および量の計算と、社会厚生最大化問題の線形計画法による求解により実施できるが、事業の開始や設備計画の時点で、他社の影響や戦略を評価することはできない。
再生可能エネルギー発電事業を計画する事業者が、再生可能電源設備を電力系統に連系するための申請を行い、申請を受け付けた一般電気事業者による評価において、連系先の系統設備の能力不足が顕在化した場合に、該申請を行った事業者のみが、系統設備の増強に必要な費用を請求されるという問題がある。もちろん、その後、該系統設備で便益を受ける新たな再生可能電源事業者が現れた場合、費用の折半がされるが、このような事業者が現れるか否かの情報を得ることが困難なことから、投資回収の見通しが立たず、連系申請して事業をすべきかどうか判断する事が難しい。
また、この問題にする新しい対応策として、予め一般電気事業者が再生可能電源の増設を見込んだ系統設備の増強を検討し、該増設に必要な費用の負担を入札で募り、落札者に対して優先的に連系を許可するという手法が試みとして実施された。しかしながら、このような入札方式では、発電事業者間の連携は図れるが、地域の電力消費事業者との連系は進みづらく、エネルギーの地産地消が進みづらいという問題がある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である事業評価システムは、記憶デバイスと、前記記憶デバイスに接続されるプロセッサと、を備える。前記プロセッサは、電力系統で計測された過去の電力の実績データを取得し、前記電力系統に接続される第一電力設備の使用計画を示す第一電力設備モデルを取得し、前記第一電力設備モデルと前記実績データとに基づいて、前記第一電力設備を電力系統に連系させる場合の、前記電力系統の制約に対する違反を推定し、前記違反に対する対策を示す対策データを生成する。
電力系統に電力設備を連系させる事業計画が、電力系統に与える影響を評価することができる。
実施例1に係る事業評価システムの構成を示す。 系統構成提示画面を示す。 ひな型提供画面を示す。 パラメータ指定ひな型提供画面を示す。 フィルタひな型設定画面を示す。 離散化による情報秘匿化を示す。 高電圧化による情報秘匿化を示す。 開示モデル提示画面を示す。 開示モデル修正画面を示す。 評価処理を示す。 連続潮流計算を示す。 脆弱性データを示す。 変形例の評価処理を示す。 安定化対策量分布を示す。 安定化対策コストと事業計画の抑制量の関係を示す。 実施例2に係る事業評価装置の構成を示す。 実施例3に係る事業評価装置の構成を示す。 実施例4に係る事業評価装置の構成を示す。 実施例5に係る評価処理を示す。 実施例6に係る安定化対策の生成方法を示す。
以下、実施例について図面を用いて説明する。
図1は、実施例1に係る事業評価システムの構成を示す。
本実施例の事業評価システムは、事業評価装置101と、事業評価装置101に接続される端末装置3011とを含む。事業評価装置101は、電力系統に連系する事業を評価する。この事業評価装置は、事業を評価するWebサービスを複数の事業者に提供する。事業評価装置101は、記憶デバイス3001と、CPU3002と、通信インタフェース3003とを含む。記憶デバイス3001は、メモリやディスク等であり、プログラム及びデータを格納する。CPU3002は、記憶デバイス3001に格納されたプログラムに従って処理を実行する。通信インタフェース3003は、通信ネットワークを介して端末装置3011に接続され、CPU3002からの指示に従って、端末装置3011との通信を行う。端末装置3011は例えば、CPU、記憶デバイス、通信インタフェース、ユーザからの入力を受け付ける入力装置、情報を表示する出力装置を含む。
記憶デバイス3001は、プログラム及びデータとして、電力系統に連系する事業の事業計画を示す発電・消費モデルのひな型となる発電・消費モデルひな型と、連系する母線のフィーダーの選択肢を表示する発電・消費ひな型提示手段112と、ユーザが検討中の事業計画に係る潮流計算に必要な発電・消費モデル情報及び連系点情報の入力を受け付ける発電・消費モデル情報入力手段122と、他のユーザにより過去に入力された情報が、他のユーザにより設定された開示条件に基づいて変換された、開示モデルを提示する開示モデル情報提示手段113と、他のユーザが該入力情報を参照する際の秘匿度合いを設定するフィルタひな型とを提示するフィルタひな型提示手段111と、検討中の事業計画に係る発電・消費モデル情報を開示可能な開示モデル情報に変換するための設定値の入力を受け付けるフィルタ情報入力手段121とを、格納する。
なお、記憶デバイス3001内の複数の要素は、複数のコンピュータに分散して配置されていてもよい。記憶デバイス3001内の各部を実現するためのプログラムは、記憶媒体に格納され、記憶媒体から記憶デバイス3001へインストールされてもよい。
ユーザが入力した発電・消費モデル情報と連系点情報は、発電・消費モデル情報データベース131に保存されると供に、フィルタ情報入力手段121から入力されたフィルタ設定情報に基づいて、フィルタ処理手段102により変換される。この変換により生成された開示モデルは、開示モデルデータベース132に保存される。発電・消費モデルは、発電設備の使用状況を示す発電モデル、又は電力消費設備の使用状況を示す消費モデルである。
開示モデルは、他のユーザがWebサービスにアクセスした際、登録済みの事業計画として開示される。ユーザは、開示モデルまたは発電・消費モデルひな型を参考に、自社事業計画を、発電・消費モデル情報として登録することができる。また、ユーザは、登録済みの他社事業計画の一部または全てを自社事業計画の評価用に、修正して登録する事ができてもよい。開示モデル修正情報入力手段123で取り込まれた修正入力内容は、カスタマイズモデルデータベース133に格納される。
事業評価装置101は、このようにして設定した自社事業計画および他社事業計画と、既存の電力設備による電力の需給状況の実績をもとに、予め設定された各種条件に対する、実績と事業計画による電力需給を計算し、この電力需給による潮流の分布(潮流断面)を求め、事故の有無を想定した上で、潮流計算手段104で解析し、解析結果に基づいて脆弱性検出手段103で、電圧安定性や電力設備の熱容量等の制約に対する違反が発生する脆弱な部位を抽出し、脆弱性対策決定手段105で当該違反の対策を計算し、対策−コスト換算手段106で対策の対策コストを計算し、計算結果を端末装置3011に表示させることでユーザへ提示する。事業評価装置101は、脆弱性検出手段103の結果や、脆弱性対策決定手段105の結果や、対策−コスト換算手段106の結果等を、端末装置3011に表示させてもよい。
本実施例では、ユーザによる自社事業と呼び、その他のユーザによる事業を他社事業と呼ぶ。事業は例えば、電力設備として再生可能エネルギー発電設備を用いて発電する再生可能エネルギー発電事業や、電力設備により電力を消費する事業等である。事業計画は、事業に用いられる電力設備の使用状況を示す電力設備モデルにより表される。電力設備モデルは、発電・消費モデル、開示モデル、カスタマイズモデルの何れかである。評価対象の事業計画を、評価対象事業計画と呼ぶ。自社事業計画に用いられる電力設備を計画対象設備と呼ぶ。
このように事業評価装置101が登録済みの他社事業計画を提示し、必要に応じてカスタマイズすることで、ユーザは、例えば他社の発電・消費モデル情報を元に、自社の発電・消費モデルを補完的に定義することができる。また、事業評価装置101が発電・消費モデルを解析し、系統影響を評価した結果に基づいて対策コストを算出し提示する事により、ユーザは、対策コストが抑制できるかどうかを評価し、抑制が可能なら、そのような補完的な発電・消費モデルを、計画対象設備の制御システムの仕様として用いる事ができる。ユーザは、このような制御システムを構築し、他の電力系統連系事業と連携することにより、系統への過大な負担を低減することができる。
発電・消費モデルひな型は、計画対象設備の容量で相対化(正規化)した日射量に対する発電量のデータだったり、計画対象設備の容量で相対化した風況(風向、風速、乱流強度)に対する発電量のデータだったり、計画対象設備の容量で相対化した電力消費量の日時に対するデータだったり、計画対象設備の容量で相対化した電力消費量の気温と湿度の組合せに対するデータだったりする。本実施例において、発電量は、発電電力であり、電力消費量は、消費電力である。なお、電力の代わりに、電力量が用いられてもよい。日射量、風況等、気象条件と呼ぶ。気象条件は、再生可能エネルギー発電に影響を与える。
発電モデルは、例えば、再生可能エネルギーによる発電の事業計画を表していてもよいし、地域冷暖房システムのように、エンジンにより電力と熱を生成する事業計画を表していてもよい。消費モデルは、例えば、時刻に応じて消費電力が変化する事業計画を表していてもよいし、気象条件を用いることにより、再生可能エネルギーによる発電電力が余っている時間に消費する事業計画を表していてもよい。
図2は、系統構成提示画面を示す。
まず、発電・消費モデルひな型提示手段112は、系統構成提示画面を端末装置3011に表示させる。この図において、横線は、母線を示し、縦線は、母線に接続された線路を示す。系統構成提示画面は、系統構成の概要201を提示し、接続サブステーション選択用マウスポインタ202を提供して、ユーザに接続先として検討中のサブステーションを連系点(連系位置)として選択させる。サブステーション(接続サブステーションまたは連系サブステーション)ss1〜ss28は例えば、変電所や変圧器等である。発電・消費モデルひな型提示手段112は、選択された連系点の近傍の気象データを元に、次のひな型提供画面において、気象データに対する電力をユーザに設定させる。例えば、発電・消費モデルひな型提示手段112は、計画対象設備がウィンドファームである場合、風速を5区分で示し、その時の発電量想定値を、設備容量に対する相対値で設定させる。
図3は、ひな型提供画面を示す。
次に、発電・消費モデルひな型提示手段112は、ひな型提供画面を端末装置3011に表示させる。ここでのひな型提供画面は、画面タイトル部301に入力内容を示し、縦軸に発電・消費量を横軸に風速をとったグラフを用いてユーザに入力させる例を示しているが、例えばテーブルとして、第一列に風速レンジを表示し、第二列に発電・消費量を入力させる形であっても良い。本実施例のひな型提供画面は、風速や発電・消費電力を表示するテキストボックス304に実績あるいは予め定めた値を示し、グラフ化して示した入力データの編集可能点303を編集用マウスポインタ302で選択して移動させる形態である。なお、発電・消費量の実績データをn区分にするために、n分位などの一般的な方法を用いてもよいし、データを正規分布と仮定してその分散に基づいて分散の実数倍のような方法を用いてもよい。また、ひな型提供画面は、連系点を設定する前または後で、計画対象設備が発電設備であるのか電力消費設備であるのかを示す種別を、ユーザに選択させてもよい。選択結果は、設定した発電・消費量が、系統からの需要量として扱われるか、系統への供給量として扱われるかを決定する。また、ひな型提供画面は、種別を特に指定しなくても、定格値として設定する設備容量を、一定の取り決めに従ってプラスまたはマイナスとして定義する形態としてもよい。この図のひな型提供画面の縦軸をプラス100%からマイナス100%で設定するようにしておくことで、蓄電設備のように消費にも供給にも使える設備に対応する入力ができるようにしておいてもよい。発電・消費モデルは、発電、電力消費、蓄電、放電の何れかを示してもよい。
ひな型提供画面は、例えば計画対象設備がウィンドファームである場合のように、発電・消費量が風速と風向に依存する(風向によっては、障害物の影響で乱流が生じやすくなる場合があり、風車の平均出力の想定を変更せざるを得ない場合などが考えられる)とか、更に乱流強度に依存するといった詳細なモデルを定義できるようにしてもよい。
ユーザは、ひな型提供画面を用いて、気象条件と発電電力の関係を定義することにより、再生可能エネルギー発電の事業計画をモデル化することができる。また、ユーザは、ひな型提供画面を用いて、時刻と消費電力の関係を定義することにより、電力消費の事業計画をモデル化することができる。
図4は、パラメータ指定ひな型提供画面を示す。
例えば、発電・消費モデルひな型提示手段112は、パラメータ指定ひな型提供画面を端末装置3011に表示させる。パラメータ指定ひな型提供画面は、風向を指定するための入力手段401を設け、風向毎に発電量を定義出来るようにしてもよい。
モデルが電力消費量を示す場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、一年を、季節単位、月単位、旬単位あるいは週単位で、例えば4時間や1時間での電力消費量の最大や最小値の想定値を、ひな型提供画面と同様な画面で入力させ、更に曜日毎に、一日の消費量を、1時間毎に24点、あるは30分毎に48点設定させる。パラメータ指定ひな型提供画面は、一日の消費量については、例えば日射量を例えば5区分で設定し、これに対して別々に設定させるなどしてもよい。パラメータ指定ひな型提供画面は、日射量に限らず湿度や降水量や、風速などと、電力消費量を関係付けてもよい。この場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、横軸を時刻、縦軸を消費量の相対値とし、前述の風向の入力手段401に代えて、日射量などをスライダーバーのようなインタフェース等を用いて選択できるようにしておけばよい。
入力されたデータは、第一のデータである時期(季節、月、旬、週)単位の電力の最大値と、第二のデータである時刻(例えば1時間や30分)単位の電力の平均値、または時刻と日射量(または湿度、降水量、風速など)の組合せに対する相対出力、として設定される。パラメータ指定ひな型提供画面は、第一のデータ及び第二のデータ共に100%が設備の定格を示すように、これらの入力内容を組み合わせて使用する。
例えば、メガソーラの設置を検討している場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、時期(季節、月、旬、週など)毎の日射量毎に、一日の時刻に対する発電量の変化のモデルを定義すればよい。ウィンドファームの設置を検討している場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、各風向に対し、風速に対する発電量のモデルを定義すればよい。計画対象設備が、石油化学などのプラントの余剰として生成されていた水素ガスを、再生可能エネルギー発電などの余剰電力を用いて生成するPowerToGas(以下、P2G)設備である場合、ユーザは、再生可能エネルギーに余剰が生じそうな時間にP2G設備が稼働するように、電力消費モデルを設定する事が考えられる。この場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、時期毎の日射量毎に一日の電力消費(稼働パターン)をモデルとして定義すればよい。また、パラメータ指定ひな型提供画面は、風速に対する電力消費モデルとして定義して、これらを組み合わせてもよい。
このような再生可能エネルギーの余剰電力を蓄える設備としては、VirtualPowerPlantのような複数エネルギー消費設備を連系させたDemandResponce対応システムなどもある。欧州北部のように太陽光よりも風車が再生可能エネルギーの多くの割合を占める場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、風況と時刻に対する電力消費量のモデルを定義すればよい。
予め値の組合せが予測できる風向と風速の組合せや、時期と時刻の組合せなどの場合、パラメータ指定ひな型提供画面は、前述のように入力される電力消費量のスケールの最大値の組合せを、定格出力と対応付けることができる。しかし、P2G設備の例で示した日射量と風速の組合せのように、予め値を設定できない組合せにおいて、パラメータ指定ひな型提供画面は、時期に対する電力消費量設定スケールの最大値と時刻に対する電力消費量設定スケールの最大値との組合せに対して、更に風速に対する電力消費設定スケールの最大値を組み合せた場合、これらのすべてが電力消費量設定スケールの最大値となる組合せを定格とすると、平均消費量が小さくなり過ぎる可能性がある。そこで、パラメータ指定ひな型提供画面は、例えば、各スケール最大値を組合せた時の値を定格の70%に設定する等、任意の出力に設定してもよい。
図5は、フィルタひな型設定画面を示す。
フィルタひな型提示手段111は、フィルタひな型設定画面を端末装置3011に表示させる。フィルタひな型設定画面は、発電・消費モデル情報をより秘匿度合いの高い情報に変換するための、設定値の入力を支援し、発電・消費モデル情報として入力された設定データに対するフィルタ処理の仕様を、ユーザに設定させる。フィルタひな型設定画面は、時期と時刻や、風向と風速のように2つ以上の条件を組み合わせた条件に対して、発電・消費量を設定した場合、時期や風向などについては、「変更なし」と「低解像度化」を選択肢と用意する。フィルタひな型設定画面は、風速や時刻などに対しては、「変更なし」、「低解像度化」、「非開示」の選択を可能とする。この図は、時期に対する解像度を3段階とする例を示す。これを1段階とすれば、季節にはよらず年間平均で、時刻に対する発電・消費電力の想定値が開示される。時刻に対する解像度も24区分を6区分とすれば、4時間ごとの発電・消費電力の想定値と出来る。
図6は、離散化による情報秘匿化を示す。
この図において、左側のグラフは、気象条件に対する発電量であり、発電・消費モデルを示す。右側のグラフは、発電・消費モデルを秘匿化して得られた開示モデルを示す。フィルタひな型提示手段111は、発電・消費電力に関しても同様に、設定データの値を離散化してもよい。これ以外に、設定データに対して例えば1000等、適当な位で四捨五入すると云った方法もある。横軸と縦軸の秘匿化を別々に行うことから、解像度変更した横軸に対して縦軸の値を決める際は、離散化や四捨五入した値に対して、設定された補完方法(ゼロ次ホールド(階段状)や1次ホールド(直線補完)、またはスプライン補完等)の選択を出来るようにしておいてもよい。
図7は、高電圧化による情報秘匿化を示す。
この図において、左側は、系統構成提示画面で指定された連系点の位置であり、発電・消費モデルの設備の連系点を示す。右側は、発電・消費モデルの設備の連系点の位置を秘匿化して得られた開示モデルの設備の連系点を示す。連系点の秘匿化において、フィルタひな型設定画面は、系統構成提示画面で指定されたサブステーションに対し、その上位の電圧階層の変電所を列挙した非図示のリストボックス等から上位階層の変電所を、ユーザに選択させてもよい。フィルタひな型設定画面は、単に電圧だけ示し、選択結果に応じ、対応するサブステーションに繋がる当該電圧階層の変電所を選択するようにしてもよい。フィルタひな型提示手段111のインタフェースに対して入力された情報は、フィルタ情報入力手段121で取り込まれる。フィルタ処理手段102は、取り込まれた情報に基づいて、発電・消費モデル情報データベース131のフィルタ処理を実施し、結果を開示モデルとして開示モデルデータベース132に格納する。
フィルタ処理手段102は、これらの情報秘匿化を用いて、入力される設定データの情報量を減少させることで、開示モデルを作成することができる。
図8は、開示モデル提示画面を示す。
開示モデル情報提示手段113は、開示モデル提示画面を端末装置3011に表示させる。この図に示すように、開示モデル提示画面は、開示モデルデータベース132に登録済みの開示情報を、地図上に、開示モデルの連系サブステーションに紐付いたアイコン(901、902、903、904)のような手段(これ以外に、タグのような形で事業計画の識別番号を示してもよい)で表示する。ユーザによるアイコンへのダブルクリックなどの操作に対しては、ひな型提供画面やパラメータ指定ひな型提供画面のようなインタフェースで開示モデル情報を表示する。この図の開示モデル提示画面は、発電事業を○で示し、消費事業を▽で示し、その両方の機能を持つ事業を、上側が半円で下側が三角形の図形で示す。
次に開示モデル修正情報入力手段123について説明する。連系サブステーションの修正には、ツリービューなどを用いて、開示接続先より下位電圧のサブステーションを参照できるようにしておき、ユーザによるツリービューのリーフの選択に応じて、選択されたサブステーションを、評価対象他社事業計画の連系点として記憶する。
図9は、開示モデル修正画面を示す。
開示モデル修正情報入力手段123は、ひな型提供画面やパラメータ指定ひな型提供画面のようなインタフェースで開示可能情報をマウス操作などで適宜修正出来る開示モデル修正画面を、端末装置3011に表示させ、修正結果を評価対象他社事業計画のモデルとして記憶する。開示モデル修正画面は、この図に示すように、横軸に対して刻み幅の拡大・縮小用のインタフェース801を設け、この操作により、横軸の分割を増減できるようにしてもよい。分割数を増加させた場合、開示モデル修正情報入力手段123は、新たに追加される設定点の初期値について、分割数増加の前のデータから内挿した値を用いるなどの方法で自動的に決めてもよい。開示モデル修正情報入力手段123は、開示モデルの修正結果を評価対象のカスタマイズモデルとして、カスタマイズモデルデータベース133に格納する。
評価対象開示モデル選択手段124は、前述の開示モデル提示画面の地図上に開示モデルを、その連系サブステーションに紐付いたアイコン(901、902、903、904)のような手段で表示し、アイコンの右クリックに対して、選択/選択解除のメニュー905を表示し、評価対象他社事業計画とするかどうかの入力を受け付ける。評価対象開示モデル選択手段124は、カスタマイズモデルデータベース133に格納されたカスタマイズモデルを、自動的に評価対象他社事業計画としてもよいし、別途選択できるようにしておいてもよい。評価対象他社事業計画は、開示モデル提示画面の地図上で一目でわかるように、例えば904のように表示形式を変更するなどしてもよい。
事業評価装置101は、ここまで説明した発電・消費モデル情報の入力や、開示モデルを生成するためのフィルタひな型の設定、開示モデル修正情報入力、評価対象他社事業計画の選択等に対し、実施内容を明確に切替えるためのメニューを用意してもよいし、画面遷移を予め設定して、モードが変わるようにしてもよい。例えば、事業評価装置101は、基本画面(ポータル画面)を、前述の系統構成提示画面または開示モデル提示画面のような形とし、サブステーションを右クリックすると、新規に事業計画の登録を開始し、「発電・消費・両者」のいずれかをユーザに選択させた後、前述のひな型提供画面やパラメータ指定ひな型提供画面のような画面に遷移して、発電あるいは電力消費のモデル情報をユーザに入力させる。ひな型提供画面やパラメータ指定ひな型提供画面、あるいは開示モデル修正画面には、「保存」「戻る」「キャンセル」のようなボタンを示していないが、そのようなボタンを付けてもよい。他社事業計画を含む既登録の事業計画は、前述の開示モデル提示画面のようにアイコン等で表示される。このアイコンへのダブルクリックに対し、ダブルクリックされたアイコンが他社事業計画である場合、開示モデル情報提示手段113が開示モデル情報を表示し、開示モデル修正情報入力手段123が修正結果を取得する。ダブルクリックされたアイコンが自社事業計画である場合、「発電・消費モデルの修正」か「開示モデルの修正」かを選択させた後、選択された処理が前者であれば、発電・消費モデルひな型提示手段112は、発電・消費モデル情報データベース131を確認し、当該事業者で当該サブステーションへ登録された事業計画があれば、この情報を取得して、ひな型提供画面やパラメータ指定ひな型提供画面のような形で表示する。選択された処理が後者であれば、他社事業計画のモデルであるので、開示モデル修正情報入力手段123は、開示モデルデータベースまたはカスタマイズモデルデータベースから情報を取得して、開示モデル修正画面のような形で表示する。ユーザは、編集用マウスポインタ302で編集可能点303を動かす事で、カスタマイズデータを定義する。また、ユーザは、必要に応じ、拡大・縮小用インタフェース801を用いて横軸刻み幅を拡大・縮小してもよい。
これにより、事業評価装置101は、発電・消費モデルと、開示モデルと、カスタマイズモデルとの少なくとも何れか一つを、評価対象事業計画として設定する。
図10は、評価処理を示す。
脆弱性検出手段103は、この図に示す流れで、評価対象事業計画を評価する。
まず、脆弱性検出手段103は、系統データデータベース134から、系統構成や、発電(供給)実績や、負荷(需要)実績や、送配電線路の特性データ等の系統データを取得する(ステップ1002)。発電実績及び負荷実績を実績データと呼ぶ。実績データは、時系列データであり、例えば、1時間毎に計測された電力を1年間に亘って示す。
次に脆弱性検出手段103は、時期および時刻のループ(ステップ1010〜ステップ1011)を実行する。ここで脆弱性検出手段103は、時期(季節、月、旬、週など)と時刻(1日の中の、1時間や30分毎の時刻)の全ての組み合わせで表される複数の時間帯を重複なく設定し、設定された複数の時間帯の中から一つの時間帯を対象時間帯として順次選択する。その対象時間帯を、この図ではRT=Tn〜Tn+1と表す。
次に脆弱性検出手段103は、対象時間帯における既存設備による負荷量および発電量の実績データに基づき、複数の評価対象の潮流断面を決定する(ステップ1012)。例えば、ユーザが設定した発電・消費モデルの連系点に対して、そこから所定範囲RMにある母線の内、負荷、発電機、又は所定範囲外の母線との接続を有する母線を境界母線と呼ぶ事にする。脆弱性検出手段103は、境界母線に接続された発電設備による発電量や、境界母線に接続された負荷での電力消費量や、境界母線に接続された所定範囲外の母線から送変電設備を通じて流入・流出する電力の、当該時間帯RT内の時系列の実績データを用い、各境界母線に対して流入または流出する電力(流入流出電力)の当該時間帯RT内での最大値と最小値を算出する。その後、脆弱性検出手段103は、各境界母線について、流入流出電力の実績データを、例えば10区分等、所定のNP個の区分に離散化して、全境界母線の離散化された流入流出電力の組み合わせである潮流断面ベクトルTVを、評価対象の潮流断面として決定する。例えば脆弱性検出手段103は、境界母線の数をNBBとし、流入流出電力をNP個に分割した場合、NP^NBB個の潮流断面を、評価対象の潮流断面として決定できる。その後、脆弱性検出手段103は、計算量の削減の観点から、例えば、対象時間帯内のNP^NBB個の潮流断面の実績データについてヒストグラムを作成し、頻度の多いものから所定の数を残したり、頻度の少ない断面については、区分を粗く設定するなどしたりしてもよい。潮流断面の発生頻度は、安定化対策コストを利用率も考慮して評価する場合にも用いる。更に脆弱性検出手段103は、潮流断面の一定時間での遷移を考慮して、NP^(2*NBB)個の潮流断面を決定してもよい。たとえば、電力用コンデンサのように静定時間を考慮する必要があるが価格が低い安定化対策設備と、半導体デバイスを用いた高速応答可能だが高価な安定化対策とを混在させたい場合、脆弱性検出手段103は、このような形で実績データのヒストグラムをとるとよい。ただし、実績データが、電力用コンデンサなどの静定時間より短い時間間隔で記録されている場合に限る。この場合、静定時間をTSとすると、脆弱性検出手段103は、有る状態iから時間TS内に状態jに遷移した回数を計数しヒストグラムを作成する。
次に脆弱性検出手段103は、過去の気象データの組み合わせを、複数の気象条件として決定する(ステップ1013)。ここで脆弱性検出手段103は、気象データデータベース135を検索し、対象範囲RM内の気象データ計測地点を求め、各地点毎に風速、風向、日射量、降水量、気温、湿度などの一部または全部から成る気象データベクトルの対象時間帯RTの時系列データを取得する。その後、脆弱性検出手段103は、各地点の気象データベクトルの各要素に関して、当該時間帯RTでの最大値と最小値を求め、これらの間を所定区分数NWに分割する。各地点Jの気象データベクトルの長さ(要素数)をNV(J)とすると、脆弱性検出手段103は、全地点の気象データベクトルをつなげた、長さΣ(NV(J))の気象データベクトルWVを生成し、NW^Σ(NV(J))組の気象条件を決定する。脆弱性検出手段103は、当該時間帯RT内での各気象条件が発生した頻度を計数し、発生頻度の高いものから所定個の気象条件のみを評価の対象としてもよい。脆弱性検出手段103は、隣接する頻度の少ない気象条件を、各要素の最大値、平均値、または最小値で表しても良い。
次に脆弱性検出手段103は、このようにして決定した複数の気象条件の中から一つを順次選択し、ステップ1020〜ステップ1021のループ処理を行う。
このループ処理では、まず、脆弱性検出手段103は、ステップ1022で、評価対象事業計画による発電・消費電力を計算する。ここで脆弱性検出手段103は、発電・消費モデル情報データベース131上の当該事業者の発電・消費モデル情報、開示モデルデータベース132上で評価対象として選択されている開示モデル情報、又はカスタマイズモデルデータベース133上で評価対象として選択されているカスタマイズモデル情報を取得し、ステップ1020で選択された気象条件の時の各事業計画による発電量又は消費量を求める。
ここで脆弱性検出手段103は、ステップ1013で決定された気象データベクトルWVを、長さNV(J)ずつに分割することで、地点Jの気象データベクトルを求める。事業Eの連系点情報から、連系点に最も近い地点JEでの気象データベクトルは、ステップ1020で選択された気象データベクトル値WVのうち、Σ(i=1〜JE−1){NV(i)}番目からΣ(i=1〜JE){NV(i)}の部分を切り出したベクトルとなる。ここで、Σ(i=x〜y){f(i)}は、f(i)をi=x〜i=yまで加算する事を表す。ここで、x〜yは連続する整数で、x<yとする。
脆弱性検出手段103は、この気象データベクトル値と、当該事業Eの発電・消費モデル情報、開示モデル情報、またはカスタマイズモデル情報とを用いて、発電電力または消費電力を計算する。ステップ1010で時間帯RTが決定されているので、本ステップ1022で脆弱性検出手段103は、前述のひな型提供画面、パラメータ指定ひな型提供画面、または開示モデル修正画面で入力されたデータから、RTを用いて値を取得し、ステップ1020で決定した気象条件WVと時間帯RTにおける発電・消費電力を決定する。
次に脆弱性検出手段103は、ステップ1012で決定した複数の評価対象の潮流断面の中から一つを順次選択し、ステップ1030〜ステップ1031のループ処理を行う。
脆弱性検出手段103は、複数の評価対象の潮流断面の内、領域RM内の同期発電機以外が接続された母線を、負荷母線とし、領域RM内の同期発電機が接続された母線を、発電機母線とする。潮流計算手段104は、ステップ1030で決定された潮流断面ベクトルTVの内、負荷母線とした母線の負荷(または、電力供給量)に対して、ステップ1022で計算された、事業計画による負荷を加算し、潮流計算を行う(ステップ1032)。ここで、同期発電機とは系統の負荷に対してガバナーなどの調整力を供給する発電機を指す。また、潮流計算は、負荷母線の負荷の比率で負荷を増減させて計算する連続潮流計算を表す。
図11は、連続潮流計算を示す。
この図は紙面の都合上、3次元で示しているが、実際には多次元のベクトル空間を表す。PBm軸1102とPBn軸1103はそれぞれ、負荷母線Bmと負荷母線Bnの有効電力を表す。縦軸1101は、ある母線(BmでもBnでも良いが、それ以外でも良い)の電圧を表す。点1110(図中の○で表された点)は、潮流断面ベクトルTVの一部(各母線の電力と電圧)を表す。連続潮流計算は、たとえば、PBm軸とPBn軸の上の変化の比率を一定に保つ直線1111上で、図中の矢印1113に沿うように負荷を微少量ずつ変更して、潮流計算により各母線の電圧を計算する。直線1111は、点1110から電力超平面(この図ではPBm軸1102とPBn軸1103で張られる平面)に下ろした垂線の足1114(図中の☆で表された点)と原点とを通る直線である。曲線1112は、連続潮流計算による電圧Vの軌跡を表す。例えば、曲面1115が曲線1112を含み、点1110が曲線1112上を動き、曲線1112上で直線1111方向へ突出する先端を通る曲線1116を定義すると、点1110が曲線1116より下側に位置する場合、電圧が不安定であると判定される。
これにより、事業評価装置101は、既存の設備による潮流断面に、新たな事業計画を加えた場合の電圧安定性を計算することができる。
次に潮流計算手段104は、同じ潮流断面ベクトルTVに対し、予め決められた複数の想定事故の一つを順次選択し、ステップ1040〜ステップ1041の想定事故のループ処理を行う。想定事故は、予め設定された事故点及び事故様態で表される。ここで潮流計算手段104は、予め決められた事故点、事故様態に対して、前述の連続潮流計算を実施する(ステップ1042)。
これにより、事業評価装置101は、想定事故の発生時の電圧安定性を計算することができる。
その後、脆弱性検出手段103は、これらの結果に対して、ステップ1033で、脆弱母線の抽出処理を実施する。ここで脆弱性検出手段103は、ステップ1032およびステップ1242で実施した連続潮流計算結果から、事故時の安定度余裕が所定値以下の母線や事故前の安定度余裕が所定値以下、または電圧が所定の電圧範囲を逸脱する母線を抽出する。ここで安定度余裕は、前述の連続潮流計算の図のようにして実施した連続潮流計算の結果、増やすことが可能な負荷と初期の負荷との差を表す。この差は、前述の連続潮流計算の図における差1120である。なお、電圧範囲は、曲線1116で示された電圧の下限だけでなく、電圧の上限を示してもよい。
その後、脆弱性検出手段103は、このようにして抽出した脆弱母線の中から一つを順次選択し、選択された脆弱母線に対してステップ1050〜ステップ1051のループ処理で、安定化に必要な無効電力の評価を行う(ステップ1052)。ここで脆弱性検出手段103は、脆弱母線に対して電圧を指定して潮流計算し、その結果決まる無効電力として決定する。脆弱性検出手段103は、このような抽出結果を脆弱性データとして、脆弱性対策手段105に渡す。
次に脆弱性検出手段103は、ステップ1032で計算した潮流断面ベクトルTVでの送電線、配電線、変圧器、又は遮断器の定格容量から、設備の仕様として予め設定された熱的制限値を超えるものを抽出し、その超過量を計算する(ステップ1034)。脆弱性検出手段103は、このような抽出結果を脆弱性データとして、脆弱性対策手段105に渡す。
図12は、脆弱性データを示す。
脆弱性データ1301は、ステップ1052で抽出された、母線に対して供給すべき無効電力(所要無効電力)を示す。脆弱性データ1302は、ステップ1034で抽出された、線路における連続容量超過分と短時間容量超過分とを示す。
脆弱性対策手段105は、脆弱性検出手段103により抽出された脆弱性データを用いて、脆弱性対策を決定する。前述のステップ1052、1034で、全ての時間帯RTに対して、脆弱母線とそこで必要な無効電力と、熱的制限を超える送電線や配電線とその超過量が得られているので、同一母線に対する最大の無効電力と、同一送電線や同一配電線に対する最大の超過量とは、自社事業計画と評価対象他社事業計画とを組み合わせた場合に必要となる対策の基礎的な量となる。母線に関しては、初期潮流断面で安定度余裕が不足したり、電圧が予め設定された電圧範囲に収まらなかったりする場合、脆弱性対策手段105は、電力用コンデンサやシャントリアクトルを対策として選択する。また、事故時に安定度余裕が不足する場合、脆弱性対策手段105は、FACTS(Flexible Alternating Current Transmission Systems)機器を対策として選択する。
送電線や配電線等の設備の熱容量に問題がある場合で、その区間に2回線が設置されている場合、脆弱性対策手段105は、その区間を一つ上のグレードの設備に変更する。また、問題の区間に1回線しか引かれていない場合に、その区間を2回線に変更するなど、条件に対する対策を示すテーブルを予め定義しておくことにより、脆弱性対策手段105は、このテーブルに基づいて対策を決定する。
対策−コスト換算手段106は、脆弱性対策決定手段105で決定した対策を設備単価と工事単価等の換算情報に基づき、コスト換算する。結果表示手段125は、このコストを端末装置3011に表示させる。このようにすることで、事業計画による系統への影響、必要な増強コストを把握する事が出来る。対策−コスト換算手段106は、脆弱性データを端末装置3011に表示させてもよいし、コストを端末装置3011に表示させてもよい。
図13は、変形例の評価処理を示す。
また、前述の評価処理に、ステップ1222〜ステップ1231のような手順が追加されてもよい。ステップ1022とステップ1031の間の処理、ステップ1222とステップ1231の間の処理の夫々は、前述のステップ1032〜ステップ1034と同様である。
脆弱性検出手段103は、このような評価処理を行うことにより、自社事業計画を入れた場合の計算結果(ステップ1022〜ステップ1031)と、自社事業計画を含まない場合の計算結果(ステップ1222〜ステップ1231)とを得ることができる。
脆弱性対策決定手段105と対策−コスト換算手段106は、このような2つの計算結果の夫々に対して対策コストを計算し、結果表示手段125を用いてこれらの対策コストの差を端末装置3011に表示させるようにしても良い。このようにすることで、自社事業単独の系統への影響を把握することができる。
又、事業評価装置101は、前述のステップ1222〜ステップ1231のような処理を、評価対象他社事業計画がない条件でも実施し、これの対策コストと、自社事業計画を含まないケースの対策コストと比較して、端末装置3011に表示させてもよいし、自社事業計画を含むケースの対策コストと比較して、端末装置3011に表示させてもよい。このようにすることで、現時点で系統が持つ脆弱性に対する対策コストと、評価対象他社事業計画が実施された場合のコスト、更に自社事業計画の実施によるコストを把握できる。
前述したように、潮流断面や気象条件の発生時間のヒストグラムを使う場合、脆弱性検出手段103は、潮流断面と気象条件を組み合わせて決まるステップ1032の潮流断面の発生頻度または発生時間は、次の式(1)により求められる。ここで、Pr(X)はヒストグラムの面積が1となるように正規化した場合のXの発生頻度を表す。
時間帯RTの幅×Pr(潮流断面)×Pr(気象条件) … (1)
この結果を、ステップ1030〜ステップ1031から得られる脆弱母線の所要無効電力や熱的制限値に紐付けておくことで、脆弱性対策決定手段105は、各母線、各送電線、各配電線、各変圧器、各遮断器、その他の系統機器に対して、安定化対策量(所要無効電力や熱的制限の超過量)を昇順にならべ、発生時間を幅とした棒グラフを、安定化対策量分布として作成する。
図14は、安定化対策量分布を示す。
脆弱性対策決定手段105は、累積発生時間が予め設定された累積発生時間閾値(ここではSS%と表すことにする)以下になる範囲1401内の安定化対策量の最大値を求め、これに基づいて対策を決定する。累積発生時間は、全時間のうち、安定化対策量が当該累積発生時間に対応する安定化対策量以下になる時間の割合を示し、%累積発生時間とも呼ばれる。なお、これ以上の対策が必要になるケースにおいて、脆弱性対策決定手段105は、想定中の事業計画による発電や電力消費を停止または抑制することを、対策として決定し、自社事業計画の発電・消費モデルに基づいて、決定された対策を示す発電・消費モデルを生成する。
対策−コスト換算手段106は、決定された対策に基づいて、安定化対策コストを決定し、結果表示手段125により安定化対策コストを、端末装置3011に表示させる。この時、前述の安定化対策量分布の図に示した矢印1403で示した当該対策が有効なケースの累積発生時間(または累積発生頻度)を対策と合わせて表示させてもよい。
対策−コスト換算手段106は、累積発生時間(または累積発生頻度)の閾値SSの値を変更しながら、脆弱性対策決定手段105を用いて対策を決定し、安定化対策コストを決定する。これにより、ユーザは、累積発生時間(または累積発生頻度)に大きな変化がないにも関わらず、安定化対策コストが大きく変化するケースなどを通じて、極端に発生頻度が低い条件での運用を停止した場合に、系統設備の安定化対策コストがどう変わってくるか把握する事が出来、系統増強に支出すべき費用と、発電・消費の抑制とのトレードオフを知ることが可能となる。これにより、ユーザは、十分な効果がある安定化対策量を知ることができる。なお、対策−コスト換算手段106は、抑制部分1402に対応する発電量または消費量をコストに換算し、このコストを端末装置3011に表示させてもよい。なお、発電量について、対策−コスト換算手段106は、発電・消費モデルでの定義内容と、潮流断面ベクトルTVの決定に用いられた時間帯及び気象条件とから計算された発電量を、電力単価と乗算することなどにより、発電量を費用に換算する。電力消費量についても、対策−コスト換算手段106は、発電量と同様に電力消費量を計算し、電力消費量から当該事業者により設定された計算で稼働率などを計算し、この稼働率を利益に換算して評価すればよい。なお、発電・消費モデルひな型提示手段112は、消費電力−売上換算式または換算テーブルを、発電・消費モデルとして登録できるようにしておいてもよい。
前述の評価処理において脆弱性検出手段103は、ある時間帯RTとある気象条件WVに対して、ある潮流断面TVを決めている。これを時間帯・気象・潮流条件と呼ぶ事にする。脆弱性検出手段103は、これに対して、ステップ1030〜1031により、故障も想定した連続潮流計算をおこなって、脆弱な母線や熱的制限を超える線路を抽出し、各部に対して必要な無効電力所要量(ステップ1050〜1051)と熱的制限の超過量を計算する(ステップ1034)。脆弱性検出手段103は、この結果を対策が必要な部位(母線、線路)の組合せ(対策要部位組合せ)毎にグループ化して、発生頻度を計数する。ここで脆弱性検出手段103は、前述の式(1)のようにして、時期・気象・潮流条件毎に、その発生時間を求め、発生頻度の代わりに、時間を集計してもよい。なお、このグルーピングでは、第一の対策要部位組合せが部位A,B,C,Dを含み、第二の対策要部位組合せがA,Bを含む場合、脆弱性検出手段103は、第二の対策要部位組合せを第一の対策要部位組合せに集約してもよい。すなわち、ある対策要部位組合せに含まれる部位が全て、別の対策要部位組合せに含まれる場合、前者を後者に併合して考えてもよい。
脆弱性検出手段103は、対策要部位組合せの発生頻度や発生時間順に、安定化対策量のデータをソートし、予め指定した%累積発生頻度、または%累積発生時間までの領域に含まれる対策要部位組合せを対象として選択する。
選択された対策要部位組合せは、多数の時期・気象・潮流条件に対する対策が含まれるため、一つの対策要部位組合せの中で、組合せを構成する各部位に対する無効電力や超過量の順に時期・気象・潮流条件をソートし、その累積発生時間(または累積発生頻度)が所定値以上なるように時期・気象・潮流条件を選択(例えば、前述の安定化対策量分布における領域1402)し、その中で最大の無効電力や超過量を安定化対策量として決定するようにしてもよい。このようにすることで、脆弱性検出手段103は、対策が必要となり易い設備の組み合わせに限定して、対策を決定する事ができる。
また、自社の発電・消費モデル情報を入力されない状態でも、事業評価装置101は、設備を連系するサブステーションの登録と、評価対象他社事業計画の開示モデルの選択と、開示モデルの修正情報の入力とだけで解析してもよい。脆弱性検出手段103は、前述の変形例の評価処理のステップ1022からステップ1031を実施しないようにした上で、累積発生時間閾値(SS値)を設定した際の安定化対策コストと、前述の安定化対策量分布の領域1402に含まれる状況の年間発生時間と、そのような状況の潮流状態と、風況や日射量等の気象条件と、時間帯とにおける、評価対象他社事業計画の発電並びに電力消費の計画量とを合わせて端末装置3011に表示させても良い。このようにするとユーザは、評価対象他社事業計画の当該時間帯における風況や日射量に対する計画発電量や計画消費量の内、抑制が必要な量である抑制量と、安定化対策コストとの関係を知ることができる。
図15は、安定化対策コストと事業計画の抑制量の関係を示す。
安定化対策コストと事業計画の抑制量が、線1501のような関係を持っている場合、若干抑制しただけで、大幅に安定化対策コストを抑制できるが、線1502のような関係を持っている場合、大きな安定化対策コストがかかるか、事業計画の値に対して大きな抑制量が必要なことが分かる。この場合、ユーザは、安定化対策コストと抑制量の最適点を見つけることができる。対策−コスト換算手段106は、このような安定化対策コストと事業計画の抑制量との関係を表示してもよい。このような状況下で、ユーザは、前述のP2G事業を行うことで、発電事業者の余剰電力をローカルに吸収するような発電・消費モデルを定義し、このカーブの変化を確認し、発電・消費モデルの調整を行えば、送電設備増強の代わりとして、再生可能電力が発電地域で余剰となる状況でだけ電力をガス化するような事業の採算性や、系統増強抑制効果や、どの再生可能電力事業者とアライアンスすればよいのか等を具体的に検討できる。
図16は、実施例2に係る事業評価装置の構成を示す。
実施例1と比較すると、本実施例の事業評価装置101bは、フィルタひな形提示手段111、フィルタ情報入力手段121、フィルタ処理手段102、開示モデルデータベース132、開示モデル情報提示手段113、開示モデル修正情報入力手段124、カスタマイズモデルデータベース133を持たない。事業評価装置が、クライアントサーバ型やスタンドアロン型のプログラムとして実現される場合、他社情報の秘匿が不要となるためこのような構成でも事業計画の系統影響評価ができる。本実施例の事業評価装置101bの各部の構成や各機能の基本的な処理は、実施例1と同様であるが、ユーザは、自社事業計画の発電・消費モデル情報以外に、他者事業計画の発電・消費モデルも必要に応じ想定して定義する。このような構成の事業評価装置101bは、事業を計画する事業者ではなく、銀行や行政、コンサルタント会社などの仲介機能を果たす事業者に利用されることで、実施例1と同様の効果が得られる。例えば、地域内の発電事業者と電力消費事業者を連携させ、エネルギーの地産地消を促進することができる。また、ユーザが事業を計画する事業者である場合、同業者や異業種と、電力流通での協業を考える場合、他者の戦略を踏まえた自社の戦略の検討が出来る。
図17は、実施例3に係る事業評価装置の構成を示す。
本実施例の事業評価装置101cは、フィルタ処理された他社の発電・消費モデル情報を参照するが、カスタマイズしない。実施例1と比較すると、本実施例の事業評価装置101cは、カスタマイズモデルデータベース133や開示モデル修正情報入力手段123を持たない。これにより、本実施例の事業評価装置101は、事業計画の秘匿性を守りつつ、入力されたモデル情報が持つ最高の精度での評価を可能にする。
図18は、実施例4に係る事業評価装置の構成を示す。
実施例1と比較すると、本実施例の事業評価装置101dは、フィルタひな形提示手段111やフィルタ情報入力手段121、フィルタ処理手段102、開示モデルデータベース132を持たない。また、事業評価装置101dは、開示モデル情報提示手段113の代わりに発電・消費モデル情報提示手段1813を持つ。発電・消費モデル情報提示手段は、開示モデル情報提示手段113と同様の機能を有するが、開示モデルデータベース132上のデータではなく、発電・消費モデル情報データベース131上のデータを参照する。この構成によれば、ユーザは、事業連携を簡易に検討することが可能となる。
実施例1乃至4の何れかの事業評価装置は、入力された自社の発電・消費モデル情報、他社の開示モデル、カスタマイズモデル、または発電・消費モデル情報の内、評価対象として選択されたもの、または全ての中から、重複なく組み合せ、系統設備増強が最も少なくなる組合せを見つけ、その組合せを端末装置3011に表示させる機能を含んでもよい。
図19は、実施例5に係る評価処理を示す。
本実施例の評価処理におけるステップ1001〜ステップ1020までの処理は、実施例1の評価処理と同様である。本実施例の評価処理は、実施例1の評価処理における気象条件のループ(ステップ1020〜ステップ1021)の中に、事業グループのループ(ステップ1920〜ステップ1921)を含む。ここで脆弱性検出手段103は、他社事業計画および自社事業計画の組み合わせを複数の事業グループとして決定し、複数の事業グループの一つを順次選択し(ステップ1920)、選択された事業グループに対して安定化対策コストを計算する。更に対策−コスト換算手段106は、実施例1のステップ1003と同様に各事業グループでの安定化対策コストの評価を実施し、各事業グループの事業計画数で割ることにより各事業計画の対策コストを計算し、又は各事業計画の総電力消費量あるいは総電力発生量に比例するよう重み付けすることにより各事業計画の対策コストを計算し、自社の対策コストが最も低くなる事業グループを決定し、この事業グループおよび結果をユーザに表示する(ステップ1903)。このような方法により、ユーザは、協業相手となるべき事業計画の組み合わせ候補を知ることができる。
本実施例の事業評価装置は、自社事業計画の発電・消費モデルおよび、評価対象他社事業計画の発電・消費モデルを用いて、系統増強を抑制する発電・消費モデル情報を生成する。
本実施例の脆弱性対策決定手段105は、実施例1の安定化対策量分布と同様にして、設備毎に安定化対策量を昇順にソートした場合、各設備の安定化対策量の最大値や、平均値や、安定化対策量分布に設定された累積発生時間閾値(または累積発生時間頻度)SS%に対して、それ以下の領域1401の中での安定化対策量の最大値を検出する。対策−コスト換算手段106は、安定化対策量の最大値等を用いて安定化対策コストを計算し、安定化対策が必要となっている母線や送配電設備(線路や変圧器、遮断器など)を安定化対策コストの降順にならべ、安定化対策コストの大きい方から順に所定個の対策要設備の電圧または潮流についての安定化対策を生成する。
図20は、実施例6に係る安定化対策の生成方法を示す。
この図は、母線Bxの電圧安定性の対策コストがかかっている場合を示す。また、この図は、対象となるケース2010をP−Vカーブ上に示す。また、この図は、実施例1の連続潮流計算の図と同様、P軸が2軸である例を示す。本実施例の潮流計算手段104は、PBm軸2002、PBn軸2003にそれぞれ平行な、電力超平面上の線2011、2021上で、矢印2013、2023のように連続潮流計算を実施することで、電力Py(=PBm、PBn、…)に対する母線Bxの電圧VBxを示す電圧特性カーブ2012、2022を求める。点2010が、曲面2025上を動き、曲線2026より下側に位置する場合、電圧が不安定であると判定される。
脆弱性対策決定手段105は、ΔVBx/ΔPyが大きい母線yを、対策となる事業計画を入れるべき候補とする。安定化対策量として必要となる発電量又は電力消費量は、電圧制約を満たすために必要な有効電力とする。また電圧を上げたい場合、母線Bxの電力Pxを減らすと(ΔVBx/ΔPy)が小さくなるので、脆弱性対策決定手段105は、(ΔVBx/ΔPy)の絶対値が一定値より大きいという条件下で、Pyの削減量を決めても良い。電圧対策を有効電力で実施した場合、潮流が変わるため、潮流計算手段104は、対策を実施した場合の潮流で熱的な制限について再計算し、それでも超過がある場合、脆弱性対策決定手段105は、その線路の負荷側の母線に超過分に対応する供給を設定する。
通常、ケース毎に対策が異なるため、脆弱性対策決定手段105は、安定化対策が必要な全てのケースについて、このような計算を行い、対策が必要な母線毎に、時間帯と気象条件に対する発電・消費量を決める。この際、同一の時間帯及び気象条件の組合せに対して、いくつかの潮流状態をとり得る。例えば、ある時間帯のある気象条件での潮流状態がNX個あった時、脆弱性対策決定手段105は、気象条件に対する発電量または消費量のNX本のベクトルの相関を求める。脆弱性対策決定手段105は、この相関を一定の基準に照らして無相関に近いと判定した場合、この時間帯及び気象条件での対策を削除する。一定の基準に照らして相関がある場合は、例えば、脆弱性対策決定手段105は、潮流状態の発生頻度の重みを考慮して平均した気象条件に対する発電電力又は消費電力ベクトルを、対策後の事業計画の発電・消費モデル情報として決定する。気象条件に対する発電量または消費量のベクトルの代りに、時間帯に対する発電量または消費量のベクトルとしてもよい。これにより、事業評価装置は、事業評価装置のWebサービスあるいはプログラムに登録されていない事業計画で、補完関係を持てる可能性がある事業者の発電あるいは電力消費特性を決定できる。
また特定の母線や特定の線路を対象に系統増強を抑制する発電・消費モデルを生成する場合は、該母線または該線路への対策が必要となる時刻・気象・潮流条件の全てのケースについて、またはそのような対策が必要となる時刻・気象・潮流条件の発生時間が全体の一定割合を占める時刻・気象・潮流条件において、前述のようにして対策となる発電・消費モデルを決定してもよい。
以上の実施例によれば、事業評価システムは、電力系統に連系する発電設備を用いる発電事業者や、電力系統に連系する電力消費設備を用いる電力消費事業者等の間の連携を支援することができる。また、日時や気象条件に対して設定された様々な事業計画が、現状の電力系統の制約に与える影響をコストで評価できるため、ユーザは、導入する設備の規模や位置の選定や、ローカルで連携すると有利になる複数の事業計画の組合せの選定が可能となる。また、複数の発電事業者や電力消費事業者が、各社の事業機密を保ったまま、開示可能な範囲で、事業計画を共有し、事業者間の連携によって系統連系に伴う系統設備増設コストを抑制する事業計画を決めることができ、その効果を評価することができる。
本発明の表現のための用語について説明する。記憶デバイスは、記憶デバイス3001であってもよい。プロセッサは、CPU3002であってもよい。表示装置は、端末装置3011であってもよい。対策データは、安定化対策量であってもよいし、安定化対策量の対策のコストであってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲を上記構成に限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。
101、101b、101c、101d…事業評価装置、 3001…記憶デバイス、 3002…CPU、 3003…通信インタフェース、 3011…端末装置

Claims (4)

  1. 記憶デバイスと、
    前記記憶デバイスに接続されるプロセッサと、
    を備え、
    前記プロセッサは、
    電力系統で計測された過去の電力の実績データを取得し、
    前記電力系統に接続される第一電力設備の使用計画を示す第一電力設備モデルを取得し、
    前記第一電力設備モデルと前記実績データとに基づいて、前記第一電力設備を電力系統に連系させる場合の、前記電力系統の制約に対する違反を推定し、
    前記違反に対する対策を示す対策データを生成し、
    前記プロセッサは、
    複数の時間帯を設定し、
    複数の気象条件を設定し、
    前記第一電力設備モデルに基づいて、各時間帯での各気象条件における前記第一電力設備の各電力を計算し、
    前記実績データに基づいて、複数の潮流断面を設定し、
    各潮流断面と前記計算された各電力とを用いて、予め設定された事故時の連続潮流計算を行うことで、前記違反を推定する、
    事業評価システム。
  2. 前記プロセッサは、前記電力系統の中から、前記違反が発生する設備を抽出し、
    前記対策データは、前記抽出された設備の安定化に必要な無効電力と、前記抽出された設備に対して予め設定された熱的制限値からの超過量との、少なくとも一つを含む、
    請求項に記載の事業評価システム。
  3. 前記プロセッサは、前記対策データを表示装置に表示させる、
    請求項1又は2に記載の事業評価システム。
  4. コンピュータにより実行される事業評価方法であって、
    電力系統で計測された過去の電力の実績データを取得し、
    前記電力系統に接続される第一電力設備の使用計画を示す第一電力設備モデルを取得し、
    前記第一電力設備モデルと前記実績データとに基づいて、前記第一電力設備を電力系統に連系させる場合の、前記電力系統の制約に対する違反を推定し、
    前記違反に対する対策を示す対策データを生成する、
    ことを備え、
    更に、複数の時間帯を設定し、
    複数の気象条件を設定し、
    前記第一電力設備モデルに基づいて、各時間帯での各気象条件における前記第一電力設備の各電力を計算し、
    前記実績データに基づいて、複数の潮流断面を設定し、
    各潮流断面と前記計算された各電力とを用いて、予め設定された事故時の連続潮流計算を行うことで、前記違反を推定する、
    ことを備える事業評価方法。
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