JP5638125B2 - 関連情報作成方法および関連情報作成装置 - Google Patents
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Description
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による関連情報作成装置の構成を示すブロック図である。図1において、実施の形態1の関連情報作成装置1は、データ関連定義に基づいて、データ関連情報を自動的に作成する装置である。
データ関連定義とは、分散管理されている実データがリレーショナル(関連)に対応付けられた状態で格納されたデータ集合(データベース又はファイルシステム)における、データ同士の関連を定義したデータである。
また、データ関連情報は、上記データ集合で相互に関連するデータが設定された情報である。例えば、ナビゲーション処理の経路誘導で利用する複数のデータ(道路名称、交差点名、道路形状、案内音声、交差点画像等)についてのデータ関連情報を参照することにより、これらのデータが、地図データベースの地図データを構成する相互に関連したデータとして認識されて、地図データベースから芋づる式に取得することができる。
データ関連定義入力部2は、データ関連定義記憶部2aからデータ関連定義を入力する構成部である。例えば、不図示の外部装置から指示されたデータ関連定義を、データ関連定義記憶部2aを検索して取得する。なお、データ関連定義記憶部2aには、データ集合記憶部6のデータ集合に関するデータ関連定義が記憶される。
データ関連定義解析部3は、データ関連定義の内容、すなわちデータ関連定義に定義されているデータ同士の関連を解析する構成部である。
また、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4に作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された格納方法の出力先に格納する構成部である。
データ関連情報記憶部5aは、データ関連情報作成部4に作成されたデータ関連情報を格納する記憶部である。
データアクセスプログラムは、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータを、外部記憶装置9のデータ集合から取得するためのプログラムである。
また、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータとしては、例えば、図1で示したデータ関連定義、データ関連情報及びデータ集合がある。つまり、外部記憶装置9は、データ関連定義記憶部2a、データ関連情報記憶部5a及びデータ集合記憶部6として機能する。
なお、外部記憶装置9は、上記情報処理装置に搭載されたハードディスク装置(HDD)、ドライブ装置で再生可能なCDやDVDなどの外部記憶メディア、所定の入出力インタフェースを介してデータ読み書きが可能なUSB(Universal Serial Bus)メモリ等に構築することができる。
図3は、実施の形態1におけるデータ関連情報の作成処理の概要を示すフローチャートである。先ず、データ関連定義入力部2は、不図示の外部装置(例えば、実施の形態2で後述する地図作成装置)から指示されたデータに関するデータ関連定義を、データ関連定義記憶部2aから入力する(ステップST1)。次に、データ関連定義解析部3が、データ関連定義入力部2により取得されたデータ関連定義に定義されているデータ同士の関連を解析する(ステップST2)。
次いで、データ関連情報作成部4は、データ関連定義解析部3によるデータ関連定義の解析結果から特定されたデータ同士の関連に基づいて、データ関連情報出力定義に定義された出力形式で、データ関連情報を作成する(ステップST3)。
続いて、データ関連情報出力部5が、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された格納方法の出力先に格納する(ステップST4)。例えば、データ関連情報を作成する際に参照したデータ集合に組み込んだり、このデータ集合とは別個に設けたデータ集合に出力される。
次に、本発明で扱うデータ集合(データベース)について説明する。
本発明では、関連(リレーション)と呼ばれる構造によって、データ同士が関連付けられたリレーショナルデータベース(以下、RDBと呼ぶ)又はファイルシステムをデータアクセスの対象としている。
図4は、RDBにおけるデータ同士の関連の一例を示す図である。図4に示すように、RDBでは、実データがテーブルごとに管理されており、各テーブルでは、カラムごとにデータが格納される。また、テーブル間は共通キーによって互いに関連付けられている。
例えば、Table1(テーブル名“Table1”のテーブルデータ)とTable2(テーブル名“Table2”のテーブルデータ)とでは、Key欄のデータ“aa”と“bb”を共通キーとして互いに関連付けられている。
また、Table2とTable3(テーブル名“Table3”のテーブルデータ)とは、Table2のSubKey欄のデータとTable3のKey欄のデータが“001”と“002”で共通あり、これを基に互いに関連付けられる。
同様に、Table2とTable4(テーブル名“Table4”のテーブルデータ)とでは、Table2のSubKey欄のデータとTable4のKey欄のデータが“001”と“002”で共通であり、これを基に互いに関連付けられている。
このように、RDBでは、テーブル間に共通キーを設定することにより、テーブル同士のデータの関連付けを行うことができる。例えば、経路誘導に利用されるデータが、Table2のカラムA、Table3のカラムa,c、Table4のカラムy,zにそれぞれ格納されているデータである場合、データ集合へのデータアクセスにおいて、データ関連情報から解析した共通キーを参照することにより、所望のデータ同士のデータ集合における関連が把握され、データ集合から効率的かつ高速に取得できる。
次に、上述のようなデータベースのデータ関連定義の詳細について述べる。
図6は、データ関連定義のデータフォーマットの一例を示す図であり、表形式で表した場合を示している。データ関連定義では、関連付けの順序によって一方のデータが関連元となり、もう一方が関連先となる。データ関連定義のデータフォーマットには、図6に示すように、関連元定義として、関連元データが格納されるテーブルのテーブル名及び関連付けを特定するための共通キーを設定する項目欄が設けられ、関連先定義として、関連先データが格納されるテーブルのテーブル名、共通キー、関連先データである参照データを設定するための項目欄が設けられている。
また、関連先定義の参照データ欄には、関連先の参照データの実データや、データベースから参照データを検索するためのインデックス、データベースにおける参照データの格納場所を示すオフセットが設定される。
なお、図7は、XML(eXtensible Markup Language)形式で図6のデータ関連定義のデータフォーマットを表現した場合を示す図である。表形式のデータ関連定義における参照データ欄の内容は、XML形式のデータ関連定義における参照データタグが示す部分に対応する。参照データタグでは、図7に示すように関連先のテーブルに登録されている複数のデータを設定することが可能である。
図8は、図6のデータ関連定義の一例を示す図であり、図5のデータ同士の関連を定義した場合について示している。図8に示すように、データ関連定義では、関連元データについてテーブル名と共通キーが設定され、関連先データについては、テーブル名、共通キー、参照データが設定される。
図9は、XML形式で図8のデータ関連定義を表現した場合を示す図である。図9に示すように、XML形式で表現することで、関連元と関連先のデータ同士のデータ関連定義が、関連付けの順序に沿って順次まとめられたデータとなる。
また、Table1のカラムBには、属性1、属性2、属性3からなる可変長バイナリデータが格納されている。Table2のカラムbには、属性a、属性b、属性cからなる可変長バイナリデータが格納されている。
図11は、関連先のデータが可変長である場合のデータ関連定義のデータフォーマットの一例を示す図であり、表形式で表現している。図11に示すように、関連先の参照データが可変長データである場合には、可変長データが格納されるカラムのカラム名が“カラム名”の欄に設定され、可変長データの属性の属性名が“属性名”の欄に設定される。
また、図12は、図11のデータ関連定義の一例を示す図であり、図10における関連付けを定義している。図12に示すように、関連先のTable2の参照データは、カラム名がカラムbであり、カンマ区切りで利用する属性a,b,cを定義している。
例えば、関連元でデータ関連情報に利用されるデータ(以下、利用データと呼ぶ)が固定長のデータである場合は、図13に示すように、関連元の利用データを格納する利用データ欄を関連元定義に設ける。利用データ欄には、関連元の利用データのカラム名を定義する。
なお、図14はXML形式で図13のデータ関連定義を表現した場合を示す図である。表形式のデータ関連定義における利用データ欄の内容は、XML形式のデータ関連定義における利用データタグが示す部分に対応する。この利用データタグでは、図14に示すように、関連元のテーブルに登録されている複数のデータを設定することが可能である。
図16は、図15のデータ関連定義をXML形式で表現した場合を示す図である。図16において、表形式のデータ関連定義における利用データ欄のカラム名の項目は、XML形式のデータ関連情報におけるカラム名タグが示す部分に対応しており、表形式のデータ関連定義の関連先定義におけるテーブル名と共通キーの項目は、XML形式のデータ関連情報における関連先定義のテーブル名タグと共通キータグが示す部分に対応する。これらのタグで示されるデータについても、図16に示すように関連元及び関連先の各テーブルに登録されている複数のデータを設定することが可能である。
図18は、共通キーが可変長である場合のデータ関連定義のフォーマットの一例を示す図であり、表形式で表現した場合を示している。図18に示すように、関連元及び関連先の共通キーが可変長である場合には、関連元定義及び関連先定義の双方の共通キーに“カラム名”及び“属性名”を設定する項目が設けられる。
また、図19は、図18のデータ関連定義の一例を示す図であり、図17における関連付けを定義している。図19に示すように、関連元の共通キーとしてカラムB及び属性1が設定され、関連先の共通キーとしてカラムb及び属性aが設定される。
データ関連情報作成部4は、データ関連定義解析部3によるデータ関連定義の解析結果から特定されたデータ同士の関連に基づいて、データ関連情報出力定義に定義された出力形態で、データ関連情報を作成する。
図20は、データ関連情報のデータフォーマットの一例を示す図である。図20に示すように、データ関連情報には、関連元のデータ(データ1、データ2、・・・、データn)とこれらに対応する関連先のデータがそれぞれ設定される。
図21は、データ関連情報の作成手順を説明する図であり、図8のデータ関連定義の解析結果を用いて作成されたデータ関連情報を示している。
データ関連情報作成部4は、図21に示すように、データ関連定義解析部3により特定されたデータ同士の関連付けの順序に従って、所定のカラムに関連先のデータを順次格納してデータ関連情報を作成する。図21では、破線の矢印で示すように、Table1に関連するTable2のカラムAのデータ、Table2に関連するTable3のカラムa,cのデータ、及びTable2に関連するTable4のカラムy,zのデータの順で、隣接するカラムに逐次格納される。
このように、データ関連情報において、関連先データを関連付け順序に応じて格納しておくことで、データ関連情報を解析すれば、データ同士の関連付け順序を容易に把握することができる。
図22は、データ関連情報のデータフォーマットとデータ関連情報定義の一例を示す図であり、関連先のデータが固定長である場合を示している。図22に示すデータ関連情報定義とは、データ関連情報における各カラム(図22の1列目、2列目、3列目、4列目)に対して格納すべき関連先データを定義した情報である。データ関連情報作成部4は、データ関連情報定義に定義されたカラムとデータとの対応関係に基づいて、関連先データをカラムに順次格納してデータ関連情報を作成する。
なお、関連先データが可変長である場合には、図23に示すように関連先データを特定するためのテーブル名及びカラム名に加え、可変長データの属性を示す属性名がデータ関連情報定義に設定される。
また、図25に示すように、関連先データのインデックス、すなわちデータ集合において関連先の実データを識別するインデックスを格納してもよい。インデックスを格納することで、実データを格納する場合に比べてアクセス速度は劣るが、データ関連情報と地図DBとで実データを二重管理する必要がないため、データサイズの増加を抑制することができる。
さらに、図26に示すように、関連先データのオフセットをデータ関連情報に格納してもよい。なお、関連先データのオフセットとは、データ集合における関連先データの先頭もしくは先頭から特定の構成要素(データ項目)までの距離を示す値である。
オフセット値を示すことにより、インデックスの場合と同様に、データ関連情報と地図DBとで実データを二重管理する必要がないため、データサイズの増加を抑制することができる。また、可変長バイナリデータをデシリアライズした場合に所望の属性値に対して高速にアクセスすることが可能となる。
図27は、各種のアプリケーションにより実現される機能ごとに作成されたデータ関連情報の利用形態の概要を示す図である。カーナビゲーション装置等の情報処理装置(図2に示した情報処理装置)は、様々なアプリケーションプログラムを使用して各種の機能(経路探索や地図表示等)を実行する。この情報処理装置に対して、関連情報作成装置1により作成された機能ごとのデータ関連情報を登録する。例えば、図27に示すように、機能Aに対応するデータ関連情報A、機能Bに対応するデータ関連情報B、及び機能Cに対応するデータ関連情報Cが、データ関連情報記憶部5aに記憶される。
図28は、データ定義情報の一例を示す図である。図28において、データ定義情報には、データ関連情報で関連が規定されたデータが格納されるテーブル(図24〜図26)のカラムに対する属性名、データ型(整数値Int、浮動小数点型float,double、文字列型String、日付型Date等)が含まれる。
データ定義情報は、例えば、データ関連情報ごとにデータアクセスプログラムに設定しておく。データアクセス部14は、データ定義情報を参照して所望のデータの格納形態(所望のデータの地図DBにおける格納形態)を特定して地図DBにデータアクセスする。
図29は、実施の形態1による関連情報作成装置の他の構成を示すブロック図である。図29において、関連情報作成装置1Aでは、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ集合記憶部6’のデータ集合に組み込んで管理する。
上述したように、データ関連情報作成部4は、データ関連定義解析部3によるデータ関連定義の解析結果から特定されたデータ同士の関連に基づいて、データ関連情報出力定義に定義された出力形態で、データ関連情報を作成する。さらに、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された出力先の記憶部に格納する。
関連情報作成装置1Aは、データ関連情報出力定義に定義された出力先の記憶部が、データ集合記憶部6’のデータ集合であった場合の構成に相当する。
図30は、実施の形態1におけるデータ関連情報の作成処理の詳細を示すフローチャートである。図30中の右側に記載されたデータ関連情報の作成処理(図3に相当するフローチャート)のうち、ステップST3及びステップST4が、データ関連情報出力定義を参照する処理に相当する。
ステップST3のデータ関連情報の作成処理では、図30中の左側に破線で囲んで示す各処理が実行され、ステップST4のデータ関連情報の出力処理では、図30中の左側に破線で囲んで示す各処理が実行される。
先ず、データ関連情報作成部4は、データ関連定義解析部3によるデータ関連定義の解析結果を入力すると、自装置に予め設定されていたデータ関連情報出力定義を読み込む(ステップST3−1)。
図31に示すように、出力情報タグが示す部分には、出力情報を定義するデータを複数設定することができる。また、出力情報を定義するデータを特定するため、出力情報タグの子要素である出力形式タグには、テーブル名タグ及び属性名タグが設けられている。テーブル名タグには、データ関連定義に設定された関連先及び関連元のテーブルを示すテーブル名が定義され、属性名には関連先もしくは関連元のデータが格納されたカラム名(可変長のデータである場合は属性名)が定義される。
データ関連情報出力定義において、出力情報は、データ関連情報に含めて出力するデータ項目ごとに設けられる。つまり、出力形式タグが示す部分には、関連先もしくは関連元データの実データをデータ関連情報に設定するか、関連先もしくは関連元データの実データのインデックスをデータ関連情報に設定するか、関連先もしくは関連元データの実データのオフセット値をデータ関連情報に設定するかが定義される。
例えば、出力形式タグにおいて数値“1”が定義されていれば、データ関連情報作成部4は、データ集合記憶部6又はデータ集合記憶部6’のデータ集合を参照して実データを取得してデータ関連情報を作成する(ステップST3a−3)。
出力形式タグで数値“2”が定義されていれば、データ関連情報作成部4は、データ集合記憶部6又はデータ集合記憶部6’のデータ集合を参照して実データのインデックスを取得してデータ関連情報を作成する(ステップST3b−3)。
出力形式タグで数値“3”が定義されていれば、データ関連情報作成部4は、データ集合記憶部6又はデータ集合記憶部6’のデータ集合を参照して実データのオフセット値を取得してデータ関連情報を作成する(ステップST3c−3)。
例えば、格納方法タグに数値“1”が設定されていると、参照先として利用したデータ集合とは別個に設けられたデータ集合が格納先となる。この場合、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4によって作成されたデータ関連情報を、参照先として利用したデータ集合とは別個に設けられたデータ集合、すなわちデータ関連情報記憶部5aのデータ集合に格納する(ステップST4a)。この場合、図1で示した関連情報作成装置1の構成に相当する。
一方、格納方法タグに数値“2”が設定されていると、参照先として利用したデータ集合が格納先となる。この場合には、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、参照先として利用したデータ集合記憶部6’のデータ集合に格納する(ステップST4b)。すなわち、図29で示した関連情報作成装置1Aの構成に相当する。
図32は、この発明の実施の形態2による地図作成装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2の地図作成装置15は、ベース地図データを用いて、ナビゲーション処理で利用される地図データを作成する装置であり、上記実施の形態1の図2に示したハードウェア構成を有する情報処理装置である。その機能構成としては、図32に示すように、関連情報作成部1a、データ関連情報記憶部5a、地図DB記憶部6a、ベース地図記憶部6b及び地図作成実行部13aを備える。
また、関連情報作成部1aは、上記実施の形態1で示した関連情報作成装置1と同様にデータ関連情報を作成する構成部であり、データ関連定義入力部2、データ関連定義記憶部2a、データ関連定義解析部3、データ関連情報作成部4及びデータ関連情報出力部5を備えている。
データ関連定義解析部3は、データ関連定義入力部2により取得されたデータ関連定義に定義されているデータ同士の関連を解析する構成部である。
ベース地図記憶部6bは、地図DBの地図データの作成に利用されるデータを記憶する記憶部である。なお、ベース地図記憶部6bに記憶されるデータ(以下、ベース地図データと呼ぶ)は、地図DBの地図データを構成する大元になるデータであり、例えば図33を用いて後述する幾何要素及び位相要素のデータが挙げられる。
図33は、地図DBの構成を示す図である。図33に示すように、地図DBには、基本要素として、図形形状を示す要素(幾何要素)と、データ同士の繋がりであるネットワークを示す要素(位相要素)がそれぞれ関連付けられた地図データとして登録されている。幾何要素は、点を表すポイント、線を表すポリライン、面を表すポリゴンで構成される地図データである。また、位相要素は、ノード、リンクで構成される地図データである。この他、地図データには、道路及び地名の名称データ、経路誘導時の案内音声に利用される音声データ、アイコン等で表示される特徴的な場所を示すPOI(Point of Interest)データが含まれる。
ここでは、実施の形態2による地図作成装置15をナビゲーション装置に適用した場合において、ナビゲーションアプリケーションの代表的な機能である経路誘導で利用される地図の作成処理について述べる。
図34は、経路誘導で利用する地図の作成の概要を説明するための図である。経路誘導では、経路探索処理によって、図34に示すようなノード列(ノード1〜4)とリンク列(リンク1〜3)とが、経路情報として地図DBから取得され、運転者による車両の移動に伴って適切な経路が案内される。
経路誘導に必要な情報には、通行ポイントを示す名称、これを運転者向けに発話する音声、特徴的な場所を示すPOI、運転者に通行箇所を視覚的に表示するための背景地図、その他、交差点画像、交通情報などがある。なお、ナビゲーション処理において、経路誘導のように複数の情報が利用される機能としては、地図表示及び経路探索が挙げられる。地図表示には、背景地図、地点の名称、POIなどが必要であり、経路探索には、道路ネットワーク及び交通情報などが必要である。
次に、地図作成実行部13aは、ベース地図記憶部6bから読み出したベース地図データを用いて、幾何要素、位相要素、名称データ、音声データ、及びPOIデータの各種の地図データを関連付けて、地図DBに登録する地図データを作成する。なお、経路誘導は、経路探索後に得られた経路を表す道路ネットワーク(ノード、リンク)に対する名称、音声、地図などを利用して実施される。この他、標識(案内板)、分岐地点の画像なども経路誘導時に利用される。このような地図データを用いて表示処理を行うことにより、例えば、図34に示すように、背景地図上に経路探索の結果として得られた経路、及びその経路に従って出発地から目的地まで案内を行うための案内情報(案内音声、POI)が、表示装置10及び不図示のスピーカから提供される。
同様に、ノード1,2の各ポイントデータ(緯度経度)が格納された背景地図テーブルは、ノード1,2のポイントデータのIDとして、ノード番号001,002がそれぞれ付与されており、このIDを共通キーとしてノードテーブルと背景地図テーブルの各データ同士が関連付けられている。
音声データがバイナリ形式で格納された音声テーブルは、音声ID“00a1”の音声データが、名称テーブルの名称“A交差点”に関連しており、音声ID“00a2”の音声データが、名称テーブルの名称“B交差点”に関連している。これら音声ID“00a1”及び音声ID“00a2”が共通キーとなって名称テーブルと音声テーブルが関連付けられている。
関連情報作成部1aでは、データ関連定義入力部2が、地図作成装置15から指示された地図データに関するデータ関連定義を、データ関連定義記憶部2aから入力する。
次に、データ関連定義解析部3が、データ関連定義に定義されている地図データを構成するデータ同士の関連を解析する。
次いで、データ関連情報作成部4は、データ関連定義を解析して特定されたデータ同士の関連に基づいて、データ関連情報出力定義に定義されている出力形式で、データ関連情報を作成する。これにより、図37に示すようなデータ関連情報が作成される。なお、図37に示す例は、名称“A交差点”、音声データ“0010100”、ポイントデータ“(135.12,35.01)等のようにデータの実データが格納される場合を示している。
図38は、データ関連情報を地図DB内に格納した場合の地図作成装置の構成を示す図である。図38に示す地図作成装置15Aは、データ関連情報出力部5が、地図DB記憶部6a’として物理的にデータ関連情報を地図DB内に格納する。このようにすることにより、一つの地図DBに対する接続のみでデータ関連情報及び地図データを構成する各データ(背景地図、名称など)へのアクセスが可能である。
このように構成することで、地図DBの地図データを構成する相互に関連したデータが設定されたデータ関連情報を必要に応じて作成することができるので、データ関連情報に基づいて地図DBから所望の地図データを効率的かつ高速に取得することができる。
図39は、この発明の実施の形態3によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3のナビゲーション装置16は、実施の形態2の地図作成装置15により作成された地図データを用いて、ナビゲーション処理を実行する。また、ナビゲーション装置16は、地図データが格納される地図DB及びデータ関連情報が格納されるデータ関連情報記憶部5aを地図作成装置15との間で共有する。なお、図39において、地図作成装置15により予め作成された地図データが利用されるので、ベース地図記憶部6bの記載を省略している。
ナビ機能実行部13bは、地図DBから取得された地図データ及び位置検出部17により検出された現在位置に基づいて、ナビゲーション処理の各種の機能を実行する構成部である。ナビ機能実行部13bに利用される地図データは、データアクセス部14aによって地図DBから取得される。
なお、図39において、図2、図32と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
図40は、実施の形態3のナビゲーション装置によるアプリケーション処理の流れを示すフローチャートである。
ナビ機能実行部13bが、所定の機能を実現するためのナビゲーションアプリケーションの実行を開始する。ここで、上記所定の機能に利用する地図データを、地図DBから取得する必要が生じた場合、ナビ機能実行部13bからの指示によって、データアクセス部14aが、データ関連情報記憶部5aから、上記所定の機能に対応するデータ関連情報を読み込む(ステップST1A)。
次に、データアクセス部14aは、ステップST1Aにて読み込んだデータ関連情報について、上記所定の機能の処理に必要なデータが、地図DBにおけるどのテーブルに存在する属性であるかを判断(解析)する(ステップST2A)。
続いて、データアクセス部14aは、データ関連情報の解析結果に基づいて、地図DBにおける上記所定の機能で利用される地図データを構成するデータ同士の関連から、関連先にある所望のデータにアクセスして、その実データを取得する(ステップST3A)。
ナビ機能実行部13bは、このようにしてデータアクセス部14aに取得された地図データを用いて、ナビゲーションアプリケーション処理を実行する(ステップST4A)。
図2に示した情報処理装置のCPU7が、例えば、経路誘導機能に関するアプリケーションを実行すると、ナビ機能実行部13bにおける、経路誘導機能の処理を行う経路誘導機能部13b−1として動作する。同様に、CPU7が、地図表示機能に関するアプリケーションを実行すると、ナビ機能実行部13bにおける、地図表示機能の処理を行う地図表示機能部13b−2として動作し、経路探索機能に関するアプリケーションを実行すると、ナビ機能実行部13bにおける、経路探索機能の処理を行う経路探索機能部13b−3として動作する。
このとき、データアクセス部14aが、データ関連情報の構成が定義されたデータ定義情報に基づいて、経路誘導機能に対応する経路誘導関連情報を解析する。ここでは、経路誘導に必要な地図データを構成するデータが、地図DBにおける各種のテーブル(図41中の背景地図テーブル、名称テーブル、道路ネットワークテーブル、音声テーブル、POIテーブル等)のいずれに存在する属性であるかが解析される。この解析の結果を参照して、データアクセス部14aは、経路誘導機能で利用される地図データを構成するデータ同士の関連から、地図DB記憶部6aの地図DBにデータアクセスして、所望の地図データを構成するデータの実データを取得する。
図43は、ナビゲーションアプリケーションで実現される機能ごとに作成されたデータ関連情報の他の利用形態の概要を示す図であり、図42のようにデータ関連情報を含む地図DBをナビゲーション装置の一部として利用する形態について示している。図43に示すように、地図DB記憶部6Aにおいてデータ関連情報を地図DB内に物理的に格納することで、データアクセス部14aは、一つの地図DBに対する接続のみでデータ関連情報や各地図データ(背景地図、名称など)へのアクセスが可能となる。すなわち、地図DB記憶部6Aに対するデータアクセス用コネクションが一つで済むため、図41で示した利用形態に比べて、高速なデータアクセスが可能である。
図44は、この発明の実施の形態4によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図44において、実施の形態4のナビゲーション装置16Bは、実施の形態2で示した地図作成装置と同様に動作する地図作成部15aを備え、地図作成部15aにより作成された地図データを用いて、ナビゲーション処理を実行する。また、地図データは、地図DB記憶部6aの地図DBに格納され、地図作成部15aにより作成されたデータ関連情報は、データ関連情報記憶部5aに格納される。なお、図44では、ベース地図記憶部6bの記載を省略している。また、図2、図32、図39と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
また、データ関連情報を所定の作成条件に応じて適宜作成できることから、データ関連情報を予め作成しおく時間的なコストが不要であり、各種の機能に応じたデータ関連情報を保管しておくHDDなどのデータサイズコストを抑えることができる。
例えば、“所定の縮尺”に関してはデフォルトの表示縮尺を優先する作成条件がある。この作成条件では、デフォルトの表示縮尺で相互に関連する地図データをデータ関連情報に設定する。
また、“地域”に関しては国、州、市区町村の指定した場所を優先する条件がある。この作成条件では、例えば、指定した場所に関して相互に関連する地図データをデータ関連情報に設定する。
“位置”に関してはITS(Intelligent Transport Systems)スポット(安全支援スポットは優先度の高いポイントとする)、自車位置周辺、経路探索の条件ポイント(目的地や出発地、経由地等)、予め指定した場所を優先する条件がある。
この作成条件では、例えば、ITSスポット及びその周辺に関して相互に関連する地図データをデータ関連情報に設定する。なお、道路に設置された路側通信機から交通情報が発信される場所をITSスポットといい、これに対応したナビゲーション装置では、受信した交通情報をナビゲーション画面上に表示することができる。
“道路種別”に関しては、道路種別が上位に位置するレイヤ、つまり重要度の高い道路(国道、高速道路)の地図データ及びその周辺の地図データから優先的にデータ関連情報を作成する。
例えば、道路種別が上位のレイヤである高速道路あるいは国道は、様々な地域に跨って各種の地図データ(背景地図や名称、音声、POI)が相互に関連する可能性がある。このため、重要度の高い高速道路や国道から、データ関連情報を作成する。
さらに、データ関連情報の作成条件が指定されていない場合において、ナビゲーション装置の地図表示機能では、自車位置周辺の地図データからデータ関連情報を作成する。
なお、データ関連情報の作成条件は、ナビゲーションの仕様に基づいて予め所定の条件を設定しておき、自動的にデータ関連情報を作成してもよい。
(1)現在位置周辺に関するデータ関連情報の作成
図46は、現在位置周辺に関するデータ関連情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。先ず、地図作成実行部13aが、CPU使用率(例えば、CPUの所定の時間あたりの使用割合)をモニタして、CPU処理負荷が少ないCPU7の空き状況であるか否かを判定する(ステップST1B)。例えば、モニタしたCPU使用率を、データ関連情報の作成を許容する所定のCPU使用率範囲を規定する閾値と比較して、その比較結果から、データ関連情報を作成すべきか否かが判定される。
一方、データ関連情報を作成すべきCPU空き状況であると判定した場合(ステップST1B;YES)、地図作成実行部13aは、ナビ機能実行部13bに指示して、位置検出部17に自車の現在位置を検出させる(ステップST2B)。位置検出部17に検出された自車の現在位置は、地図作成実行部13aから関連情報作成部1aへ出力される。
ナビゲーション装置における地図データは、地図DBにおいて全ての地図領域を複数に分割した領域単位(メッシュ又はタイルと呼ばれる)で管理されている。ここでは、自車の現在位置が属する分割領域に関するデータ関連情報が作成される。
例えば、自車の現在位置を含むメッシュから順番に関連元データを取得し、これに対応する関連先データを地図DBから取得してデータ関連情報を作成する。さらに、現在位置周辺のメッシュについても同様に関連元及び関連先データを取得して、データ関連情報を作成する。
欧州などで使用されるナビゲーション装置では、自国以外に車両が走向可能な複数国の地図DBを具備している場合がある。この場合、実施の形態4によるナビゲーション装置では、各国の地図DBに関するデータ関連定義を設けておき、自車が位置する国に応じたデータ関連情報からデータ関連情報を作成する。
図47は、自国に関するデータ関連情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。先ず、地図作成実行部13aが、CPU使用率(例えば、CPUの所定の時間あたりの使用割合)をモニタして、CPU処理負荷が少ないCPU7の空き状況であるか否かを判定する(ステップST1C)。この判定の詳細は、図46と同様である。
一方、データ関連情報を作成すべきCPU空き状況であると判定した場合(ステップST1C;YES)、地図作成実行部13aは、ナビ機能実行部13bに指示して、自車が現在走行している国を示す情報を取得し、関連情報作成部1aへ通知する。関連情報作成部1aのデータ関連定義入力部2は、地図作成実行部13aから通知された国に対応するデータ関連定義をデータ関連定義記憶部2aから読み込む(ステップST2C)。以降では、ユーザの自国に車両が位置していた場合を例に挙げて説明する。
次に、データ関連定義解析部3が、データ関連定義入力部2によって取得されたデータ関連定義に定義されているデータ同士の関連を解析する(ステップST3C)。
続いて、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された格納方法の出力先に格納する(ステップST5C)。
データ関連情報の更新は、例えば、元データとなる地図DBの地図データが更新されたタイミングで自動的に実施される、つまり地図データが更新されたことを契機として実施される。
図48は、データ関連情報の更新処理を示すフローチャートである。
地図DBの内容が更新されると、地図作成実行部13aは、地図DBの更新箇所を関連情報作成部1aへ通知する。関連情報作成部1aのデータ関連定義入力部2は、地図作成実行部13aから通知された更新箇所に対応するデータ関連定義をデータ関連定義記憶部2aから読み込む(ステップST1D)。次に、データ関連定義解析部3は、データ関連定義入力部2によって取得されたデータ関連定義に定義されている地図データ同士の関連を解析する(ステップST2D)。
続いて、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された格納方法の出力先に格納する(ステップST4D)。このように地図DBとは別個にデータ関連定義を外部定義し、地図データとデータ関連情報とを別々に管理することで、データ関連情報の更新を柔軟に行うことができる。例えば、地図DBで更新があった箇所のみが反映されるようにデータ関連情報を更新できる。
ナビゲーション装置で実行されるアプリケーションが変更される等してナビゲーション装置の機能が変更されると、変更後の機能を実現するアプリケーション処理で利用されるデータも変更される。この場合、当該アプリケーション処理で利用されるデータベースのデータ関連定義自体が更新される。
図49は、データ関連定義の更新に伴うデータ関連情報の作成処理を示すフローチャートである。ナビゲーション装置に新たな機能が追加されると、新たな機能に応じてデータ関連定義の更新を実施する(ステップST1E)。ここでは、表形式もしくはXML形式で表現されたデータ関連定義において、新たに追加された機能に関するデータの関連付けが定義される。なお、データ関連定義の更新は、データ関連情報作成者により実施される。ナビゲーション装置の場合には、ナビゲーション用地図を提供するナビサプライヤーが実施する。
次いで、データ関連情報作成部4は、データ関連定義解析部3によるデータ関連定義の解析結果に基づいて、データ関連情報出力定義に定義された出力形式で、データ関連情報を更新する(ステップST4E)。
続いて、データ関連情報出力部5は、データ関連情報作成部4により作成されたデータ関連情報を、データ関連情報出力定義に定義された格納方法の出力先に格納する(ステップST5E)。
Claims (6)
- 関連情報作成装置が、
入力部で、データ集合における関連元データと関連先データとの関連付けを定義したデータ関連定義を入力し、
解析部で、入力した前記データ関連定義に定義された前記関連付けを解析し、
作成部で、前記関連付けの解析結果に基づいて、ナビゲーション装置によって経路誘導機能、地図表示機能または経路探索機能を含む機能を実行する際に、前記データ集合から取得すべき前記関連元データと相互に関連する前記関連先データとを特定する、前記関連先データのインデックスまたは前記関連先データの前記データ集合における格納位置が設定されたデータ関連情報を、前記ナビゲーション装置によって実行される機能ごとに作成する関連情報作成方法。 - 前記データ集合におけるデータは、地図データであることを特徴とする請求項1記載の関連情報作成方法。
- データ集合における関連元データと関連先データとの関連付けを定義したデータ関連定義を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記データ関連定義に定義された前記関連付けを解析する解析部と、
前記解析部による関連付けの解析結果に基づいて、ナビゲーション装置によって経路誘導機能、地図表示機能または経路探索機能を含む機能を実行する際に、前記データ集合から取得すべき前記関連元データと相互に関連する前記関連先データとを特定する、前記関連先データのインデックスまたは前記関連先データの前記データ集合における格納位置が設定されたデータ関連情報を、前記ナビゲーション装置によって実行される機能ごとに作成する作成部
とを備えた関連情報作成装置。 - 前記作成部に作成されたデータ関連情報を、当該データ関連情報を参照して前記相互に関連するデータが取得される前記データ集合とは別に設けられたデータ集合に格納する出力部を備えたことを特徴とする請求項3記載の関連情報作成装置。
- 前記作成部に作成されたデータ関連情報を、当該データ関連情報を参照して前記相互に関連するデータが取得される前記データ集合に格納する出力部を備えたことを特徴とする請求項3記載の関連情報作成装置。
- 前記データ集合におけるデータは、地図データであることを特徴とする請求項3記載の関連情報作成装置。
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