(実施形態1)
以下、図1〜図6を参照して、この発明を適用した電子機器の実施形態1について説明する。
この電子機器は、図1に示すように、写真立てタイプのディスプレイ装置であり、額縁形状の機器ケース1を備えている。この機器ケース1の内部には、入力表示部2が前面側に露呈した状態で組み込まれており、この機器ケース1の背面には、図1および図2に示すように、機器ケース1を卓上などの載置面S上に立て掛けるためのスタンド部材3が設けられている。
入力表示部2は、画像などの情報を表示すると共に、この表示された情報を見ながらタッチ操作するものであり、図示しないが、透明なタッチパネルと表示パネルと重ね合わせた構成になっている。この場合、表示パネルは、画像などの各種の情報を電気光学的に表示するものである。
すなわち、この表示パネルは、液晶表示素子やEL(エレクトロルミネッセンス)表示素子などの平面型の表示素子からなっている。また、透明なタッチパネルは、表示パネルの表面に設けられて表示パネルに表示された情報を見ながらタッチ操作することにより、表示パネルに表示された画像の選択や、その表示された画像の拡大縮小などの画像操作をするように構成されている。
また、この機器ケース1内における上部には、図1および図4に示すように、イメージセンサーユニット4が組み込まれている。このイメージセンサーユニット4は、撮像装置であり、図示しないが、CCD(電荷結合素子)やCMOSなどの撮像素子と、この撮像素子に被写体の像を結像させるためのレンズ部とを備えている。
また、このイメージセンサーユニット4は、図1に示すように、入力表示部2の外周に位置する機器ケース1の上部における縁部に設けられた撮影窓部1aに対応した状態で、図4および図5に示すように、機器ケース1内に設けられたセンサー基板5aに設けられている。このセンサー基板5aは、機器ケース1内に設けられた回路基板5bと電気的に接続されている。この回路基板5bは、機器の回路全体を駆動制御するための電子回路が設けられている。
一方、スタンド部材3は、図1および図2に示すように、機器ケース1を載置面S上に起立させて立て掛けるためのものであり、図3および図4に示すように、機器ケース1の背面に折り畳み可能に設けられている。このスタンド部材3は、図2および図3に示すように、背面側に収納凹部3aが設けられたほぼ帯板状に形成されている。
また、このスタンド部材3は、その一端部(図2では上端部)が機器ケース1の背面におけるほぼ中央部に設けられた支持部6に、支持軸7によって上下方向に回転可能に取り付けられている。このスタンド部材3は、図2に示すように、機器ケース1の下部側に向けて支持軸7を中心に回転して所定角度に開いた際に、図1に示すように、機器ケース1を載置面S上に起立させて立て掛けるように構成されている。
また、このスタンド部材3は、図3〜図5に示すように、機器ケース1の上部側に向けて支持軸7を中心に回転して機器ケース1の背面に接触した状態で閉じた際に、図6に示すように、入力表示部2を上方に向けて機器ケース1を載置面S上に仰向けに寝かせた状態で配置させるように構成されている。
この場合、スタンド部材3は、図4に示すように、機器ケース1の背面に接触した状態で閉じた際に、その先端部(図4では上端部)が機器ケース1の上部から上方に突出するように構成されている。また、このスタンド部材3の収納凹部3a内には、図3〜図5に示すように、リンク部8が折り畳み可能に収納されるように取り付けられている。
このリンク部8は、後述する集光部材である全方位型のミラー部13を、図5に示すように、機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置であるイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と、図4に示すように、機器ケース1の撮影窓部1aから離れた位置であると非画像取込み位置とに移動させるための移動部材である。
すなわち、このリンク部8は、図3〜図5に示すように、スタンド部材3の収納凹部3a内におけるスタンド部材3の先端部(図4では上端部)に第1支持軸9によって上下方向に回転可能に取り付けられたアーム部10と、このアーム部10の先端部(図4では下端部)に第2支持軸11によって上下方向に回転可能に取り付けられた搭載部12とを備えている。
この場合、アーム部10は、図3および図4に示すように、第1支持軸9を中心に回転してスタンド部材3の収納凹部3a内に配置されるように構成されている。また。このアーム部10は、図5に示すように、スタンド部材3が支持軸7を中心に回転して閉じて機器ケース1の背面に接触した状態で、第1支持軸9を中心に時計回りに回転すると、機器ケース1の上端面に配置されると共に、アーム部10の先端部(図5では右端部)が機器ケース1の前面側(図5では右側)に突出するように構成されている。
搭載部12は、アクリル樹脂などの透明な合成樹脂からなり、図3に示すように、全体がほぼ平板状に形成されている。この搭載部12は、図3および図4に示すように、第2支持軸11を中心に回転してスタンド部材3の収納凹部3a内にアーム部10と共に配置されるように構成されている。
また、この搭載部12は、図5に示すように、アーム部10が機器ケース1の上端面に配置されて先端部(図5では右端部)が機器ケース1の前面側に突出した際に、第2支持軸11を中心に時計回りに回転すると、機器ケース1の前面と平行に垂れ下がってイメージセンサーユニット4に対向するように構成されている。
この場合、スタンド部材3の収納凹部3a内における側面には、図4に示すように、アーム部10と搭載部12とがスタンド部材3の収納凹部3a内に収納された際に、搭載部12を係脱可能に係止するストッパー突起3bが設けられている。また、搭載部12は、図5に示すように、機器ケース1の前面と平行に垂れ下がってイメージセンサーユニット4に対向した際に、搭載部12がアーム部10の端部10aに当接することにより、位置規制されるように構成されている。
これにより、リンク部6は、図3および図4に示すように、アーム部10と搭載部12とがスタンド部材3の収納凹部3a内に収納され、また図5に示すように、アーム部10と搭載部12とが収納凹部3a内から引き出されて展開した際に、搭載部12が機器ケース1の前面側(図5では左面側)に位置規制されてイメージセンサーユニット4の前方に配置されるように構成されている。
このリンク部6の搭載部12には、図3〜図5には、集光部材である全方位型のミラー部13が設けられている。この全方位型のミラー部13は、断面形状が双曲線または放物線などの曲線かなる曲面に形成された凸面鏡であり、イメージセンサーユニット4の画像取込み位置に対応して配置された際に、全方位の被写体の像を映してイメージセンサーユニット4に向けて反射するように構成されている。
なお、この電子機器の回路構成は、図示しないが、回路全般を制御するCPU(中央演算処理装置)、入力表示部2を駆動する入力表示駆動部、イメージセンサーユニット4を駆動するためのセンサー駆動部、イメージセンサーユニット4で取り込んだイメージ情報を画像処理する画像処理部、ネットワークに接続されて携帯電話機などの外部機器に情報を送信するための通信部、および音声などの音を電気信号に変換して取り込むマイクロホン部などを備えている。
この場合、画像処理部は、全方位型のミラー部13に映ったほぼ全方位の被写体の像がイメージセンサーユニット4で取り込まれた際に、この取り込まれたイメージ情報である画像がほぼ円形のリング状であるため、イメージセンサーユニット4で取り込んだイメージ情報の画像をほぼ長方形状の画像として作成するためのものである。
次に、この電子機器を使用する場合について説明する。
この電子機器の機器ケース1を卓上などの載置面S上に起立させて立て掛ける場合には、図2に示すように、スタンド部材3を機器ケース1の下部側に向けて所定角度に開く。すなわち、機器ケース1の背面の支持部6に設けられた支持軸7を中心にスタンド部材3を回転させて所定角度に開く。この状態で、機器ケース1の下端部を載置面S上に配置すると、図1および図2に示すように、スタンド部材3によって機器ケース1が載置面S上に起立させて立て掛けられる。
このときには、図3に示すように、スタンド部材3の収納凹部3a内にリンク部8を収納する。すなわち、リング部8の第1支持軸9を中心にアーム部10を回転させてスタンド部材3の収納凹部3a内に配置すると共に、リング部8の第2支持軸11を中心に搭載部12を回転させてスタンド部材3の収納凹部3a内にアーム部10と共に配置する。
これにより、図3および図4に示すように、リンク部8の搭載部12がストッパー突起3bによって係止され、この状態でリンク部8が収納凹部3a内に収納される。このため、リンク部8が邪魔にならずに、スタンド部材3によって機器ケース1を載置面S上に起立させて良好に立て掛けることができる。
この状態では、図1に示すように、入力表示部2の表示パネルに写真などの画像を表示し、この表示された画像を見ながら透明なタッチパネルをタッチ操作することにより、表示パネルに表示された画像の選択や、その表示された画像の拡大縮小などの画像操作を行い、その表示された画像などの情報を使用者が見ることができる。
また、この状態では、イメージセンサーユニット4によって使用者を撮影すると共に、マイクロホン部によって使用者の音声を取り込み、イメージセンサーユニット4で撮影した画像データおよびマイクロホン部で取り込んだ音声データを通信部によって送信することにより、テレビ電話として使用することができる。
また、この電子機器を使用しないときには、スタンド部材3を折り畳んで、セキュリティモードにセットし、図6に示すように、入力表示部2を上方に向けて卓上などの載置面S上に仰向けに寝かして配置することができる。このときには、図3および図4に示すように、機器ケース1の背面に設けられた支持部6の支持軸7を中心にスタンド部材3を機器ケース1の上部側に向けて回転させて機器ケース1の背面に接触した状態で閉じる。
この場合には、図4に示すように、スタンド部材3の先端部(図4では上端部)が機器ケース1の上部から突出する。この状態で、図5に示すように、リンク部8をスタンド部材3の収納凹部3a内から引き出して展開する。すなわち、スタンド部材3が支持軸7を中心に回転して閉じて機器ケース1の背面に接触した状態で、リンク部8の第1支持軸9を中心にリンク部8のアーム部10を時計回りに回転させて、機器ケース1の上端面に配置し、このアーム部10の先端部(図5では右端部)を機器ケース1の前面側に突出させる。
この状態で、図5に示すように、リンク部8の第2支持軸11を中心にリンク部8の搭載部12を時計回りに回転させて、機器ケース1の前面と平行に垂らしてイメージセンサーユニット4に対向させる。このときには、搭載部12がアーム部10の端部10aに当接して位置規制されると共に、この搭載部12に設けられた全方位型のミラー部13が機器ケース1の撮影窓部1aに対向する。
これにより、ミラー部13がイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に配置される。この状態では、図5に示すように、ミラー部13に全方位の被写体の像が映り、このミラー部13に映った全方位の被写体の像がイメージセンサーユニット4に向けて反射される。このため、イメージセンサーユニット4がミラー部13に映った全方位の被写体の像を取込むことができるので、監視カメラとしてほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この後、イメージセンサーユニット4によって撮影した画像を画像処理部でほぼ長方形状の画像に処理し、この処理した画像を通信部によって使用者の携帯電話機に送信することにより、使用者が機器ケース1から離れていても、機器ケース1の周辺の状況を知ることができるので、部屋に侵入者が居るか否かを監視することができる。
このように、この電子機器によれば、機器ケース1と、この機器ケース1に設けられたイメージセンサーユニット4と、全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて反射する全方位型のミラー部13と、このミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とに移動させる移動部材であるスタンド部材3のリンク部8とを備えた構成であるから、折り畳み式の電子機器に限らず、平板状の電子機器においても、この電子機器の機器ケース1に設けられたイメージセンサーユニット4を監視カメラとして使用して、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
すなわち、この電子機器では、スタンド部材3のリンク部8によってミラー部13をイメージセンサーユニット4の非画像取込み位置に移動させた際に、イメージセンサーユニット4によって通常の撮影をすることができるほか、リンク部8によって全方位型のミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に移動させた際に、ミラー部13に映ったほぼ全方位の被写体の撮影をすることができる。これにより、イメージセンサーユニット4を監視カメラとして使用して、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この場合、機器ケース1は、画像情報を電気光学的に表示する入力表示部2を備えており、イメージセンサーユニット4は、入力表示部2の外周に位置する機器ケース1の縁部に組み込まれていることにより、イメージセンサーユニット4が入力表示部2の邪魔にならず、入力表示部2に画像などの情報を表示させた状態で、入力表示部2の前方の被写体をイメージセンサーユニット4によって撮影することができる。これにより、テレビカメラなどとして良好に使用することができる。
また、機器ケース1の背面には、この機器ケース1を載置面S上に起立させて立て掛けるためのスタンド部材3が折り畳み可能に設けられているので、折り畳み式の電子機器に限らず、機器ケース1が額縁形状に形成された電子機器においても、スタンド部材3によって機器ケース1を載置面S上に起立させて立て掛けることができ、これにより入力表示部2に表示された画像などの情報を良好に見ることができる。
この場合、スタンド部材3には、集光部材であるミラー部13を移動させるための移動部材であるリンク部8が設けられていることにより、このリンク部8によってミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とのいずれかに確実に且つ良好に移動させることができる。
すなわち、この移動部材であるリンク部8は、スタンド部材3に折り畳み可能に取り付けられた構成であるから、スタンド部材3によって機器ケース1を載置面S上に起立させて立て掛ける際に、リンク部8をコンパクトに収納することができる。また、このリンク部8は、展開した際に先端部である搭載部12が機器ケース1の前面側に移動してイメージセンサーユニット4の前方の画像取込み位置、つまり機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置に配置される構成であるから、搭載部12をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とに容易に且つ良好に移動させることができる。
この場合、リンク部8の先端部である搭載部12には、集光部材である全方位型のミラー部13が設けられているので、ミラー部13を紛失することがなく、リンク部8を展開させて搭載部12を機器ケース1の前面側に移動させた際に、この搭載部12に設けられたミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置、つまり機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置に確実に且つ正確に移動させて配置することができる。
また、ミラー部13は、全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて反射するものであるから、リンク部8によってイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に移動した際に、ミラー部13が機器ケース1の前面側に配置され、この状態でミラー部13によって機器ケース1の前面側の周囲におけるほぼ全方位の被写体の像を確実に且つ良好に映してイメージセンサーユニット4に向けて反射させることができ、これによりイメージセンサーユニット4によってほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
(実施形態2)
次に、図7および図8を参照して、この発明を適用した電子機器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図6に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子機器は、図7および図8に示すように、全方位型の集光部材として、全方位型のレンズ部20を用いた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、この全方位型のレンズ部20は、図7および図8に示すように、ほぼ半球形状に形成された魚眼レンズなどの平凸レンズ、両凸レンズ、メニスカス凸レンズなどの単レンズ、またはこの単レンズと焦点距離補正や収差補正などの補正をするため補正レンズとを組み合わせた複合レンズである。なお、図7および図8では、魚眼レンズなどの単レンズを用いた場合を示している。
このレンズ部20は、図7および図8に示すように、スタンド部材3に取り付けられたリンク部8の搭載部12に設けられ、イメージセンサーユニット4の画像取込み位置、つまり機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置に配置された際に、機器ケース1の前方に向けて突出して露出し、この状態で機器ケース1の前面側における全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて結像させるように構成されている。
このような電子機器を使用する場合には、実施形態1と同様、スタンド部材3の収納凹部3a内にリンク部8を収納し、この状態でスタンド部材3を機器ケース1の下部側に向けて所定角度に開き、この所定角度に開いたスタンド部材3によって機器ケース1を卓上などの載置面S上に起立させて立て掛けることができる。
この場合にも、入力表示部2の表示パネルに写真などの画像を表示し、この表示された画像を見ながら透明なタッチパネルをタッチ操作することにより、表示パネルに表示された画像の選択や、その表示された画像の拡大縮小などの画像操作を行い、その表示された画像などの情報を使用者が見ることができる。
また、この状態では、イメージセンサーユニット4によって使用者の画像を撮影すると共に、マイクロホン部によって使用者の音声を取り込み、イメージセンサーユニット4で撮影した画像データおよびマイクロホン部で取り込んだ音声データを通信部によって送信することにより、テレビ電話として使用することができる。
また、この電子機器を使用しないときには、実施形態1と同様、スタンド部材3を折り畳んで、セキュリティモードにセットし、入力表示部2を上方に向けて卓上などの載置面S上に仰向けに寝かして配置することができる。このときには、図8に示すように、機器ケース1の背面に設けられた支持部6の支持軸7を中心にスタンド部材3を機器ケース1の上部側に向けて回転させて機器ケース1の背面に接触した状態で閉じる。
この状態で、リンク部8をスタンド部材3の収納凹部3a内から引き出して展開する。すなわち、スタンド部材3が支持軸7を中心に回転して閉じて機器ケース1の背面に接触した状態で、リンク部8の第1支持軸9を中心にリンク部8のアーム部10を時計回りに回転させて、機器ケース1の上端面に配置し、このアーム部10の先端部(図8では右端部)を機器ケース1の前面側に突出させる。
この後、図8に示すように、リンク部8の第2支持軸11を中心にリンク部8の搭載部12を時計回りに回転させて、機器ケース1の前面と平行に垂らしてイメージセンサーユニット4に対向させる。このときには、搭載部12がアーム部10の端部10aに当接して位置規制されると共に、この搭載部12に設けられた全方位型のレンズ部20が機器ケース1の撮影窓部1aに対向する。
これにより、レンズ部20がイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に配置され、このレンズ部20によって機器ケース1の前面側に位置する全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて結像するので、イメージセンサーユニット4によって監視カメラとしてほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この場合には、イメージセンサーユニット4によって撮影した画像は、ほぼ円形状であるため、画像処理部でほぼ長方形状の画像に処理され、この処理した画像が通信部によって使用者の携帯電話機に送信される。これにより、使用者が機器ケース1から離れていても、機器ケース1の周辺の状況を知ることができるので、部屋に侵入者が居るか否かを監視することができる。
このように、この電子機器においても、実施形態1とほぼ同様の作用効果がある。すなわち、この電子機器においても、スタンド部材3に設けられた移動部材であるリンク部8によって全方位型のレンズ部20をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置に移動させることができる。このため、スタンド部材3のリンク部8によって全方位型のレンズ部20をイメージセンサーユニット4の非画像取込み位置に移動させた際に、イメージセンサーユニット4によって通常の撮影をすることができる。
また、この電子機器では、リンク部8によって全方位型のレンズ部20をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に移動させた際に、このレンズ部20によって機器ケース1の前面側におけるほぼ全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に結像させることにより、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。これにより、イメージセンサーユニット4を監視カメラとして使用して、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この場合、レンズ部20は、全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて結像するものであるから、リンク部8によってイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に移動した際に、レンズ部20が機器ケース1の前面側に突出して露出し、この状態でレンズ部20によって機器ケース1の前面側に位置するほぼ全方位の被写体の像を確実に且つ良好にイメージセンサーユニット4に取り込むことができ、これにより実施形態1の全方位型のミラー部13よりも広い範囲の被写体を撮影することができる。
なお、上述した実施形態1、2では、リンク部8をスタンド部材3に折り畳み可能に設けた場合について述べたが、必ずしもリンク部8をスタンド部材3に設ける必要はなく、例えば機器ケース1の背面に直接リンク部8を折り畳み可能に設け、このリンク部8の搭載部12に全方位型のミラー部13または全方位型のレンズ部20を設けた構成でも良い。
(実施形態3)
次に、図9〜図11を参照して、この発明を適用した電子機器の実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図6に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子機器は、集光部材である全方位型のミラー部13を移動させるための移動部材として、スライド部材25を用いた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
このスライド部材25は、アクリル樹脂などの透明な合成樹脂からなり、図9に示すように、イメージセンサーユニット4が組み込まれた箇所に位置する機器ケース1の上部の縁部にスライド可能に取り付けられている。すなわち、このスライド部材25は、図10および図11に示すように、機器ケース1の縁部を表裏面方向に挟む形状に形成され、機器ケース1の前面側に位置する内面に支持突起部25aが設けられ、この支持突起部25aが機器ケース1の縁部における前面に設けられたガイド溝26内を移動するように構成されている。
この場合、機器ケース1のガイド溝26は、図9に示すように、機器ケース1の前面において、イメージセンサーユニット4が組み込まれた箇所と、この箇所から離れた箇所との間に、機器ケース1の上辺部に沿って設けられている。これにより、スライド部材25は、支持突起部25aが機器ケース1のガイド溝26に沿って移動することにより、イメージセンサーユニット4が対応する撮影窓部1aの位置と、この位置から離れて撮影窓部1aを開放する位置とに移動するように構成されている。
また、このスライド部材25における機器ケース1の前面側に位置する内面には、図10および図11に示すように、全方位型のミラー部13が設けられている。このミラー部13も、実施形態1と同様、断面形状が双曲線または放物線などの曲線からなる曲面に形成された凸面鏡であり、イメージセンサーユニット4の画像取込み位置に配置された際に、全方位の被写体の像を映してイメージセンサーユニット4に向けて反射するように構成されている。
この場合、スライド部材25の支持突起部25aは、その突出長さがミラー部13を機器ケース1の撮影窓部1aからその垂直方向に所定距離だけ離す程度の長さに形成されている。なお、この機器ケース1の背面には、実施形態1と同様、スタンド部材(図示せず)が取り付けられている。このスタンド部材は、機器ケース1を卓上などの載置面S上に起立させて立て掛けるためのものであり、このスタンド部材には、実施形態1のリンク部8が設けられていない構成になっている。
このような電子機器を使用する場合には、図9〜図11に示すように、スタンド部材3によって機器ケース1を卓上などの載置面S上に起立させて立て掛ける。この状態で、スライド部材25の支持突起部25aを機器ケース1のガイド溝26に沿ってスライドさせることにより、スライド部材25を機器ケース1の撮影窓部1aから離れる方向に移動させて撮影窓部1aを開放する。
この状態では、実施形態1と同様、イメージセンサーユニット4によって使用者の画像を撮影すると共に、マイクロホン部によって使用者の音声を取り込み、イメージセンサーユニット4で撮影した画像データおよびマイクロホン部で取り込んだ音声データを通信部によって送信することにより、テレビ電話として使用することができる。
また、このときにも、入力表示部2の表示パネルに写真などの画像を表示し、この表示された画像を見ながら透明なタッチパネルをタッチ操作することにより、表示パネルに表示された画像の選択や、その表示された画像の拡大縮小などの画像操作を行い、その表示された画像などの情報を使用者が見ることができる。
また、この電子機器を使用しないときには、スタンド部材3を折り畳んで、セキュリティモードにセットし、入力表示部2を上方に向けて卓上などの載置面S上に仰向けに寝かして配置する。この状態で、スライド部材25の支持突起部25aを機器ケース1のガイド溝26に沿ってスライドさせることにより、スライド部材25を機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置に移動させる。
すると、このスライド部材25に設けられた全方位型のミラー部13が機器ケース1の撮影窓部1aに対向する。これにより、実施形態1と同様、ミラー部13がイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に配置される。この状態では、実施形態1と同様、ミラー部13によって全方位の被写体の像を映してイメージセンサーユニット4に向けて反射するので、イメージセンサーユニット4によって監視カメラとしてほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この場合にも、イメージセンサーユニット4によって撮影した画像は、画像処理部で長方形状の画像に処理され、この処理した画像が通信部によって使用者の携帯電話機に送信される。これにより、使用者が機器ケース1から離れていても、機器ケース1の周辺の状況を知ることができるので、部屋に侵入者が居るか否かを監視することができる。
このように、この電子機器によれば、機器ケース1と、この機器ケース1に設けられたイメージセンサーユニット4と、全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて反射する全方位型のミラー部13と、このミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とに移動させるスライド部材25とを備えた構成であるから、折り畳み式の電子機器に限らず、平板状に形成された電子機器においても、イメージセンサーユニット4を監視カメラとして使用して、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
すなわち、この電子機器では、スライド部材25によってミラー部13をイメージセンサーユニット4の非画像取込み位置に移動させた際に、イメージセンサーユニット4によって通常の撮影をすることができるほか、スライド部材25によって全方位型のミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に移動させた際に、ミラー部13によってほぼ全方位の被写体の撮影をすることができる。これにより、イメージセンサーユニット4を監視カメラとして使用して、ほぼ全方位の被写体を撮影することができる。
この場合、スライド部材25は、イメージセンサーユニット4が位置する箇所の機器ケース1の縁部を挟み付けた状態で、支持突起部25aが機器ケース1のガイド溝26に沿ってイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とに移動する構成であるから、スライド部材25の構造が簡単で、スライド部材25をスライドさせるだけの簡単な操作で、ミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置と非画像取込み位置とに容易に且つ正確に移動させることができる。
このため、折り畳み式の電子機器に限らず、機器ケース1が額縁形状に形成された写真立てタイプの電子機器にも、簡単に且つ良好に適用することができると共に、スライド部材25にミラー部13が設けられていることにより、ミラー部13を紛失することがなく、いつでも良好にミラー部13をイメージセンサーユニット4の画像取込み位置に配置することができ、これにより全方位の被写体を撮影することができる。
なお、上述した実施形態3では、全方位型の集光部材として、全方位型のミラー部13を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば実施形態2に用いた全方位型のレンズ部20を用いても良い。このレンズ部20も、ほぼ半球形状に形成された魚眼レンズなどの平凸レンズ、両凸レンズ、メニスカス凸レンズなどの単レンズ、またはこの単レンズと焦点距離補正や収差補正などの補正をするため補正レンズとを組み合わせた複合レンズである。
この場合にも、レンズ部20は、イメージセンサーユニット4の画像取込み位置、つまり機器ケース1の撮影窓部1aに対応する位置に配置された際に、機器ケース1の前面側における全方位の被写体の像をイメージセンサーユニット4に向けて結像させるように構成されていれば良い。このように構成すれば、実施形態3と同様の作用効果があるほか、全方位型のレンズ部20によって実施形態3よりも広い範囲の被写体を撮影することができるほか、機器ケース1をスタンド部材によって卓上などの載置面S上に立て掛けた状態でも、イメージセンサーユニット4によって監視カメラとして使用することができる。
また、上述した実施形態1〜3およびその変形例では、全方位型のミラー部13および全方位型のレンズ部20をリンク部8の搭載部12またはスライド部材25に固定させて設けた場合について述べたが、これに限らず、全方位型のミラー部13および全方位型のレンズ部20をリンク部8の搭載部12またはスライド部材25に着脱可能に取り付け、用途に応じて交換できるように構成しても良い。
また、上述した実施形態1〜3およびその変形例では、表示部として入力表示部2を用いた場合について述べたが、必ずしも入力表示部2である必要はなく、例えば透明なタッチパネルを有していない表示パネルからなる表示部であっても良い。
さらに、上述した実施形態1〜3およびその変形例では、写真立てタイプのディスプレイ装置である電子機器に適用した場合について述べたが、必ずしも写真立てタイプの電子機器である必要はなく、例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末機(PDA)、携帯電話機などの折り畳み式の各種の電子機器にも広く適用することができる。