JP5637155B2 - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、三相交流モータを流れる電流が指令電流に一致するように、インバータのスイッチングモードを決定し、当該インバータが、決定されたスイッチングモードにて動作して、そのスイッチングモードに応じた電圧を三相交流モータに印加することにより、三相交流モータの回転を制御するモータ制御装置及びモータ制御方法に関する。
上述したモータ制御装置及びモータ制御方法として、一般的には、三相交流モータの三角波比較PWM制御が知られている。この制御方法は、電流指令値と各相に流れる電流の誤差から各相の指令電圧を算出し、算出される指令電圧と三角波形状のキャリアの大小に基づき、インバータのスイッチングモードを決定するものである。
この三角波比較PWM制御の電流の応答性を改善する技術を開示するものとして、例えば、特許文献1及び特許文献2が知られている。
特許文献1に記載された制御方法では、モータを流れる電流、ロータの磁極位置、及びロータの回転速度に基づき、モータモデルを用いて、インバータの全てのスイッチングモードにおける未来の電流(トルク)を予測する。そして、モータを制御するための電流(トルク)指令値との誤差が最小となる未来の電流(トルク)を生じさせるスイッチングモードを選択し、そのスイッチングモードにてインバータを駆動する。
また、特許文献2では、特許文献1に記載されたモデル予測制御による制御量の予測をより高精度に行うべく、現状のインバータの電圧ベクトル(スイッチングモード)V(n)に基づいて、1制御周期先の予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を算出する。この予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を初期値とし、さらに1制御周期先の予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を、各電圧ベクトルV(n+1)ごとにそれぞれ算出する。そして、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を入力とする評価関数Jによって、指令電流との誤差が最も小さくなるように、1制御周期先の電圧ベクトルV(n+1)を決定する。
特開2008−228419号公報 特開2010−252433号公報
上述した特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、いずれも、インバータの全てのスイッチングモード(全ての電圧ベクトル)に対して、モータに流れるであろう未来の電流を予測し、指令電流との誤差が最小となる電流を生じさせるスイッチングモードを選択するようにしている。
このため、モータを駆動するインバータのスイッチングモードを決定するための演算処理負荷が増大するという問題がある。特に、モータモデルとして、インダクタンスLや、鎖交磁束数φの非線形性や、外乱を考慮した複雑なモデルを構築した場合、この問題はより深刻なものとなる。
さらに、上記の演算処理は、モータの制御周期以内に完了する必要がある。ここで、モータの制御周期は、例えば、上述した三角波比較PWM制御の位相分解能と同等とするためには、数μs程度に設定することが望まれる。このため、上記演算処理をハードウエアにより実現しようとする場合、シリアル処理では時間的に間に合わなくなる虞があるため、多数の演算器によりパラレル処理を行ったり、または、回転速度や電流などの状態量を入力として、スイッチングモードを決定する多次元の状態空間マップ(スイッチングモードのテーブル)を用意したりする必要があり、回路規模が拡大するという問題が生じる。また、演算処理をソフトウエアにより実現しようとする場合には、処理速度に優れた高性能なマイコンなどが必要となり、コストの増加を招くという問題が生じる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、モータを駆動するインバータのスイッチングモードを決定するための演算処理負荷を大幅に低減することが可能なモータ制御装置及びモータ制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のモータ制御装置は、三相交流モータを流れる電流が指令電流に一致するように、インバータのスイッチングモードを決定し、当該インバータが、決定されたスイッチングモードにて動作して、そのスイッチングモードに応じた電圧を三相交流モータに印加することにより、三相交流モータの回転を制御するものであって、
三相交流モータに電圧が印加されないゼロベクトルスイッチングモードにてインバータを動作させた場合に、三相交流モータを流れることが予測される電流を、ゼロベクトル電流として演算するゼロベクトル電流演算手段と、
三相交流モータの回転子の回転軸を原点とし、相互に直交するα軸及びβ軸によって定義されるαβ静止座標系において、指令電流とゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
指令電流とゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であると判定された場合には、ゼロベクトルスイッチングモードをインバータのスイッチングモードとして選択し、許容範囲外であると判定された場合には、αβ静止座標系において、ゼロベクトル電流に対して固定した方向に定められる6つの非ゼロ電流ベクトルの中で、指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードをインバータのスイッチングモードとして選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
上述したように、請求項1に記載のモータ制御装置では、αβ静止座標系において、指令電流とゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であるか否かを判定する。その判定の結果、許容範囲内であれば、ゼロベクトル電流に対応するゼロベクトルスイッチングモードを、インバータのスイッチングモードとして選択する。一方、許容範囲外であれば、指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードをインバータのスイッチングモードとして選択する。
このように、請求項1に記載のモータ制御装置によれば、ゼロベクトル電流だけを算出すれば、指令電流に最も近い電流を三相交流モータに通電可能なインバータのスイッチングモードを決定することができる。換言すれば、インバータのスイッチングモードを決定するために、非ゼロベクトル電流の算出は全く不要であるため、従来に比較して、演算処理負荷を大幅に低減することができる。
なお、αβ静止座標系では、インバータの6つの非ゼロベクトルスイッチングモードにより印加される電圧に応じて、それぞれ三相交流モータに流れる電流のベクトルが、ゼロベクトル電流を基準として固定した方向に定められる。このため、それら非ゼロベクトル電流の値そのものが算出されていなくても、指令電流を同じ座標系にプロットした場合に、指令電流と最も近くなる電流のベクトルを判別することができる。従って、指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルを選択する際にも、非ゼロベクトル電流を算出する必要はない。
請求項2に記載したように、許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、許容範囲を、非ゼロ電流ベクトルの大きさの半分の値に設定しても良い。
非ゼロ電流ベクトルの大きさは、インバータを介して三相交流モータに印加される電圧の大きさに応じて変化する。従って、三相交流モータに印加される電圧の大きさを検出等により取得することで、非ゼロ電流ベクトルの大きさを精度良く算出することができる。そして、許容範囲を、算出した非ゼロ電流ベクトルの大きさの半分の値に設定することにより、ゼロベクトル電流と、非ゼロベクトル電流とのいずれが指令電流に近いかを高精度に判定することが可能になる。
また、請求項3に記載したように、許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルの中間点から伸びる垂線と、ゼロベクトル電流と指令電流とを結んだ直線との交点までの、ゼロベクトル電流からの距離を求め、この距離を許容範囲として設定しても良い。このようにして許容範囲を設定することにより、指令電流が、非ゼロ電流ベクトルから離れた位置に存在する場合であっても、指令電流は、ゼロベクトル電流と非ゼロベクトル電流とのいずれに近いかの判定を誤りなく行うことが可能になる。
また、請求項4に記載したように、許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、許容範囲の値を増加もしくは減少させたときに、実際に三相交流モータを流れる電流と指令電流との誤差の大きさを検出し、その誤差の大きさが所定値以下となるまで、許容範囲の値を調整することにより、許容範囲の値を決定しても良い。このように、実際の制御結果に基づいて許容範囲の値を調節することにより、三相交流モータに印加される電圧の変動に限らず、例えば、温度、モータ回転数、鎖交磁束などの変化に起因して、非ゼロ電流ベクトルの大きさが変化した場合であっても、許容範囲の値を適切な値に調整することが可能となる。
さらに、請求項5に記載したように、許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、非ゼロ電流ベクトルの大きさに影響を与える複数のパラメータの変化に対して、事前に、使用すべき許容範囲を定めてマップとして記憶しておき、複数のパラメータの実際の値が検出されると、その検出値に対応する許容範囲をマップから読み出すことにより、許容範囲の値を決定するようにしても良い。このような構成を採用した場合も、請求項3と同様に、各種の要因で非ゼロ電流ベクトルの大きさが変化した場合であっても、その大きさの変化に対応した適切な許容範囲を設定することが可能となる。
請求項6〜10に記載のモータ制御方法は、それぞれ、上述した請求項1〜5のモータ制御装置と同様の特徴を備えるもので、作用効果については共通するため、説明を省略する。
第1実施形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 インバータのスイッチングモードについて説明するための説明図である。 αβ座標系において、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を原点とする、Δiα軸、Δiβ軸を引いた場合に、電流指令値iα、iβが、第1象限Q1〜第4象限Q4のいずれに属するかの一例を示すグラフである。 電流指令値iα、iβに最も近い電流ベクトルIveckを特定するための手法を説明するための説明図である。 許容範囲rを設定する第3の手法について説明するための説明図である。 図5と同じく、許容範囲rを設定する第3の手法について説明するための説明図である。 第1実施形態のモータ制御装置により実行される、モータ制御のための処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法について、図に基づいて説明する。
本実施形態によるモータ制御装置30の制御対象となるモータ10は、三相(U相、V相、W相)の固定子巻線、及び永久磁石からなる回転子を有する三相交流同期モータである。本実施形態では、特に、同期モータ10として、回転子の内部に永久磁石を埋め込んだ構造を持つ回転界磁形式の同期モータ(IPMSM)を採用している。
図1において、モータ10は、インバータ12を介して電源14に接続されている。インバータ12は、モータ10のU相、V相、W相に対応して、それぞれ対をなしている6個のスイッチング素子(例えば、IGBT)から構成されている。つまり、インバータ12においては、対をなす高電位側及び低電位側のスイッチング素子が、モータ10の各相ごとに設けられ、その高電位側及び低電位側のスイッチング素子同士の接続線が、モータ10の各相に接続されている。なお、各スイッチング素子には、それぞれ並列に保護ダイオードが接続されている。
このインバータ12の各スイッチング素子に対して、モータ制御装置30が操作信号gup、gun、gvp、gvn、gwp、gwnを出力することにより、インバータ12の各スイッチング素子のオンオフ状態が制御される。この結果、インバータ12は種々のスイッチングモードにて動作する。なお、このスイッチングモードは、電圧ベクトルと呼ばれることもある。
ここで、インバータ12のスイッチングモードについて、図2を参照しつつ説明する。インバータ12のスイッチングモードは、図2に示すように、8種類ある。ただし、スイッチングモードV0とスイッチングモードV7では、モータ10の各相の低電位側のスイッチング素子もしくは高電位側のスイッチング素子のみがオンされる。このため、スイッチングモードV0,V7では、ともに、モータ10にインバータ電圧が印加されない。従って、スイッチングモードV0、V7は、いずれか一方のスイッチングモードのみを使用するようにしても良いし、切換前のインバータ12のスイッチングモードなどに応じて、任意に選択して使用するようにしても良い。なお、スイッチングモードV0とV7を、ゼロベクトルスイッチングモードと呼ぶ。
一方、スイッチングモードV0,V7以外の残りのスイッチングモードV1〜V6では、高電位側と低電位側の双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する。このため、スイッチングモードV1〜V6では、オン状態となるスイッチング素子に応じたベクトルを持った電圧がモータ10に印加され、その印加電圧に応じたベクトルを持った電流がモータ10に流れる。このため、スイッチングモードV1〜V6を総称して、非ゼロベクトルスイッチングモードと呼ぶ。
電源14と並列に、インバータ12への入力電圧を検出する電圧センサ16が設けられている。この電圧センサ16によって検出されたインバータ入力電圧Vdcは、モータ制御装置30に与えられる。さらに、モータ10の回転角(回転子の磁極位置)θを検出する回転角センサ18、及びモータ10の各相(U相、V相、W相)に流れる電流Iu,Iv,Iwを検出する電流センサ20が設けられている。これらの回転角センサ18及び電流センサ20によって検出された検出信号も、モータ制御装置30に与えられる。
次に、モータ制御装置30の内部構成について説明する。このモータ制御装置30は、図1に示す各ブロックによる機能を専用の演算器によって構成することも可能であるし、マイコンにおいて実行される各種のプログラムにより、図1の各ブロックの機能を実現することも可能である。
電流センサ20によって検出されたモータ10の各相の電流検出値Iu,Iv,Iwは、αβ変換部32に入力され、αβ座標におけるα軸電流値iαとβ軸電流値iβに変換される。なお、電流センサ20は、3相すべての電流を検出する必要はなく、少なくとも2相の電流を検出すれば、α軸電流値iαとβ軸電流値iβへの変換を行うことが可能である。
αβ変換部32から出力されるα軸電流値iα及びβ軸電流値iβは、dq変換部34に入力される。このdq変換部34は、回転角センサ18によって検出されるモータ回転角θに基づいて、α軸電流値iα及びβ軸電流値iβを、dq座標におけるd軸電流値id及びq軸電流値iqに変換して、ゼロベクトル電流演算部38に出力する。
ここで、公知のように、dq座標は、例えば、回転子のS極からN極に向かう方向をd軸とし、そのd軸に垂直なq軸によって定義される回転座標であり、αβ座標は、回転子の回転軸を原点として、相互に直交するα軸及びβ軸によって定義される静止座標である。これらdq回転座標とαβ回転座標との間では、モータ回転角θにより、dq回転座標とαβ静止座標との相対的な位相関係が特定できるので、相互に座標変換を行うことができる。
回転角センサ18によって検出されたモータ回転角θは、上述したdq変換部34の他、回転角速度算出部36、及びdq逆変換部40にも入力される。回転角速度算出部36は、モータ回転角θを微分処理して、モータ回転角速度(電気角速度)ωを算出する。
ゼロベクトル電流演算部38は、モータ回転角速度(電気角速度)ω、及び現在のモータ電流を示すd軸電流値id及びq軸電流値iqに基づいて、未来の、すなわち1制御周期先のゼロベクトル電流を算出する。
ここで、ゼロベクトル電流を含め、インバータ12の各スイッチングモードによりモータ10に流れることが予測されるベクトル電流は、下記数式1を離散化することにより得られる数式2により演算することができる。
Figure 0005637155
Figure 0005637155
上記数式1において、id、iqは、それぞれd軸電流、q軸電流であり、Raは巻線抵抗であり、Ld,Lqは、それぞれd軸インダクタンス、q軸インダクタンスであり、vd、vqは、それぞれd軸電圧、q軸電圧であり、ωは、モータ回転角速度(電気角速度)であり、φは鎖交磁束数である。
また、上記数式2において、左辺は、予測電流id(n+1)、iq(n+1)である。右辺第1項は、現在電流id(n)、iq(n)に係数Aを乗じた項であり、主として現在電流に基づいて定まる。右辺第2項は、インバータ電圧vd(n)、vq(n)に係数Bを乗じた項であり、主としてインバータ電圧によって定まる。右辺第3項Fは、モータの速度起電力によって生じる電流を算出するための項である。また、係数A,Bは、巻線抵抗、インダクタンス、モータ回転角速度などからなる係数行列である。このように、予測されるベクトル電流は、主として、現在電流、インバータ電圧によって生じる電流、及びモータの速度起電力によって生じる電流から求めることができる。
ただし、ゼロベクトル電流は、インバータ電圧がゼロであるときの電流であるため、現在電流と、モータの速度起電力による電流とに基づいて演算することができる。従って、ゼロベクトル電流演算部38は、モータの巻線抵抗やインダクタンス、鎖交磁束数等のモータパラメータ、離散時間含む既知の値と、算出したモータ回転角速度(電気角速度)ωと、現在のモータ電流を示すd軸電流値id及びq軸電流値iqとに基づき、下記の数式3に従って、ゼロベクトル電流を算出する。
Figure 0005637155
そして、ゼロベクトル電流演算部38は、算出したゼロベクトル電流id0、iq0をdq逆変換部40に出力する。
電流指令生成部52は、外部から与えられるトルク指令値T(又は、速度指令値)に基づいて、d軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを算出するものである。この電流指令生成部52によって算出されたd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqもdq逆変換部40に出力される。
dq逆変換部40は、回転角センサ18によって検出されるモータ回転角θに基づいて、入力されたdq座標上の電流値を、αβ座標上の電流値に逆変換するものである。具体的には、dq逆変換部40は、dq座標上のゼロベクトル電流id0,iq0を、αβ座標上のゼロベクトル電流iα0、iβ0に逆変換するとともに、dq座標上の電流指令値id、iqを、αβ座標上の電流指令値iα、iβに逆変換する。そして、dq逆変換部40は、これらのαβ座標上のゼロベクトル電流iα0,iβ0及び電流指令値iα、iβを判定部42に出力する。
判定部42は、図3に示すように、αβ座標上のゼロベクトル電流iα0,iβ0と電流指令値iα、iβとの差分Δrを算出する。そして、この差分Δrと、許容範囲設定部44によって設定された許容範囲rとを比較する。その比較結果は、選択部46に出力される。なお、許容範囲設定部44における許容範囲rの設定方法に関しては、後に詳細に説明する。
選択部46は、判定部42から差分Δrが許容範囲rより小さいとの判定結果を取得した場合、インバータ12を動作させるスイッチングモードとして、ゼロベクトルスイッチングモードV0を選択して、インバータ12の操作部50に出力する。この場合、ゼロベクトル電流id0,iq0に対応するゼロベクトルスイッチングモードによりインバータ12を動作させれば、電流指令値iα、iβに近い電流をモータ10に流すことができると考えられるためである。
一方、選択部46は、判定部42から、差分Δrが許容範囲r以上との判定結果を取得した場合、インバータ12を動作させるスイッチングモードとして、非ゼロベクトルスイッチングモードVkを選択すべく、非ゼロベクトル特定部48に対して、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルを特定するよう指示する。以下に、非ゼロベクトル特定部48における、非ゼロ電流ベクトルを特定する手法について、図3及び図4を参照しつつ説明する。なお、非ゼロベクトル特定部48は、判定部42及び選択部46を介して、αβ座標上のゼロベクトル電流iα0,iβ0と、電流指令値iα、iβとを取得済みであるとする。もちろん、非ゼロベクトル特定部48は、dq逆変換部40から直接、ゼロベクトル電流iα0,iβ0と、電流指令値iα、iβとを取得するようにしても良い。
図3は、αβ座標系において、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を原点とする、Δiα軸、Δiβ軸を引いた場合に、電流指令値iα、iβが、第1象限Q1〜第4象限Q4のいずれに属するかを示したものである。この図3に示すように、非ゼロベクトル特定部48は、まず、電流指令値iα、iβが、第1象限Q1〜第4象限Q4のいずれに属するかを判定する象限判定を行う。具体的には、電流指令値iα、iβからゼロベクトル電流iα0、iβ0を減算し、その減算結果のα軸電流値及びβ軸電流値の符合から、電流指令値iα、iβがいずれの象限に属するかを判定する。なお、図3には、電流指令値iα、iβが、第1象限Q1に属する例を示している。
続いて、非ゼロベクトル特定部48は、電流指令値iα、iβが属する象限を通る非ゼロ電流ベクトルIvec1〜6の中から、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckを選択する。
ここで、図4に示すように、αβ座標系においては、インバータ12の6つの非ゼロベクトルスイッチングモードV1〜V6によりモータ10に印加される電圧に応じて、それぞれモータ10に流れる非ゼロ電流ベクトルIvec1〜6が、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を基準として固定した方向に定められる。このため、各スイッチングモードV1〜V6により、それぞれモータ10に流れる非ゼロベクトル電流の値そのものが算出されていなくても、電流指令値iα、iβに最も近くなる非ゼロ電流ベクトルIveckを特定することができる。
図4に示す例においては、電流指令値iα、iβは第1象限にあり、その第1象限を通る非ゼロ電流ベクトルは、Ivec1及びIvec2の2つである。電流指令値iα、iβが、それらの電流ベクトルIvec1、Ivec2のいずれに近いかは、例えば、電流指令値iα、iβが、非ゼロ電流ベクトルIvec1とIvec2とのちょうど中間を通る直線(y1=0.577x)よりも上にあるか下にあるかにより判定することができる。図4に示す例では、電流指令値iα、iβが、直線(y1=0.577x)よりも上にあるので、最も近い非ゼロ電流ベクトルはIvec1であると特定することができる。なお、電流指令値iα、iβが他の象限に属する場合も、上述したのと同様の手順で、最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckを特定することができる。
上記した非ゼロ電流ベクトルIveckの特定方法は、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqが等しいSPMSM(表面永久磁石型同期モータ)や、IPMSM(埋込永久磁石型同期モータ)のうち、LdとLqが近い値を持つものなどに特に有効な方法である。これは、LdとLqとが等しいか、もしくは近似している場合、非ゼロ電流ベクトルIvec1〜6が、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を基準として、60度の位相差を持った固定した方向に定められるためである。
このようにして、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckが特定されると、非ゼロベクトル特定部48は、その特定した非ゼロ電流ベクトルIveckを選択部46に出力する。選択部46では、非ゼロベクトル特定部48から取得した非ゼロ電流ベクトルIveckに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードVkを、インバータ12を動作させるスイッチングモードとして、操作部50に出力する。
操作部50は、入力されたスイッチングモードV0又はVkに従い、そのスイッチングモードV0又はVkにてインバータ12を動作させるべく、操作信号を生成してインバータ12に出力する。
このように、本実施形態では、ゼロベクトル電流iα0,iβ0と電流指令値iα、iβとの差分Δrが許容範囲r内であれば、ゼロベクトル電流iα0、iβ0に対応するゼロベクトルスイッチングモードV0を、インバータ12のスイッチングモードとして選択する。一方、許容範囲r外であれば、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードVkをインバータのスイッチングモードとして選択する。
従って、本実施形態では、非ゼロベクトル電流の値を算出することは必要ではなく、ゼロベクトル電流iα0、iβ0の値だけを算出すれば、電流指令値iα、iβに最も近い電流をモータ10に通電可能なインバータ12のスイッチングモードを決定することができる。このように、インバータ12のスイッチングモードを決定するために、非ゼロベクトル電流の算出は全く不要であるため、従来に比較して、未来電流を予測し、インバータ12のスイッチングモードを決定するための演算処理負荷を大幅に低減することができる。
本実施形態では、上述したように、ゼロベクトル電流iα0,iβ0と電流指令値iα、iβとの差分Δrと許容範囲rとの比較結果に応じて、インバータ12のスイッチングモードを、ゼロベクトルスイッチングモードV0と非ゼロベクトルスイッチングモードVkとの間で切り換えている。このため、許容範囲rを如何に設定するかは、本実施形態においては、重要な技術的事項となる。そのため、以下に、許容範囲rの設定手法について詳しく説明する。
許容範囲rを設定するための第1の手法は、予め電流指令値id*、iq*(iα*、iβ*)と、実際の電流値id、iq(iα、iβ)との誤差が許容誤差内に収まるように、実験的に許容範囲rを一定値として決定するというものである。
ただし、許容範囲rを一定値に定めた場合、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と非ゼロベクトル電流iαk、iβkの内、常に電流指令値iα、iβに近い方を精度良く選定することは必ずしも期待できない。なぜならば、図4に示したような、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさは、例えばインバータ入力電圧Vdcの変動の影響を受けて変化するためである。具体的には、例えば、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさが大きくなり、電流指令値iα、iβが、実際のところ、非ゼロベクトル電流iαk、iβkよりもゼロベクトル電流iα0、iβ0に近い場合であっても、差分Δrが一定値として設定された許容範囲rを越える事態が発生したり、逆に、非ゼロ電流ベクトルの大きさが小さくなり、電流指令値iα、iβが、ゼロベクトル電流iα0、iβ0よりも非ゼロベクトル電流iαk、iβkに近い場合でありながら、差分Δrが許容範囲r内となる事態などが発生ししたりすることが考えられる。
なお、電流指令値iα、iβに対して、1番目ではなく2番目に近い電流ベクトル(ゼロベクトル電流を含む)が選択され、それに対応したスイッチングモードにてインバータ12が動作した場合であっても、電流指令値id、iqと実際の電流値id、iqとの誤差が多少大きくなるだけであり、制御自体は十分に成立する。
許容範囲を設定するための第2の手法は、電流指令値id、iqと実際の電流値id、iqとの誤差を小さくするため、インバータ入力電圧Vdcに基づいて、非ゼロベクトルの大きさを算出(予測)し、許容範囲rを、その算出値の半分の値に設定するというものである。
上述したように、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさは、インバータ入力電圧Vdcの大きさに応じて変化する。従って、インバータ入力電圧Vdcの大きさを検出することで、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさを精度良く算出(予測)することができる。そして、許容範囲rを、算出した非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさの半分の値に設定することにより、第1の手法に比較して、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と、非ゼロベクトル電流iαk、iβkとのいずれが電流指令値iα、iβに近いかを判定する精度を高めることが可能になる。
なお、非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するには、例えば、図1に示すように、許容範囲設定部44が、インバータ12の入力電圧Vdcを取り込み、αβ変換及びdq変換を行なって、dq座標におけるインバータ電圧vd、vqを得た上で、上記した数式1の右辺第2項の計算を行えば良い。数式1の右辺第2項は、インバータ電圧vd,vqにより生じる電流、すなわち、非ゼロ電流ベクトルの大きさを示すものだからである。
また、上述したSPMSMや、LdとLqが近い値を持つIPMSMなどは、数式1の右辺第2項の計算を用いて非ゼロ電流ベクトルの大きさを求める方法を用いずに、検出したインバータ入力電圧Vdcに係数を乗じるだけで非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出することも可能である。具体的には、例えば検出したインバータ入力電圧Vdcから図2に示したスイッチングモード(電圧ベクトル)V1のみを得て、この電圧ベクトルV1のα軸成分に1/Ld(若しくは1/Lq)や離散時間含む既知の値を乗ずることで算出できる。これは、各電圧ベクトルV1〜V6に対応する非ゼロ電流ベクトルの大きさは同じであるため電圧ベクトル一つ分の非ゼロ電流ベクトルの大きさがわかればよい、αβ座標系上における電圧ベクトルV1のβ軸成分は0であり、α軸成分にインバータ入力電圧Vdcの全成分が反映されている、及び、αβ座標系とdq座標系の違いは静止座標系か回転座標系かの違いだけであるため、両座標系における非ゼロ電流ベクトルの大きさは変わらない、という理由に基づくものである。
ただし、上述した第2の手法でも、電流指令値iα、iβが、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と、非ゼロベクトル電流iαk、iβkとのいずれに近いかの判定を誤る場合がある。この点に関して、図5を用いて具体的に説明する。
第2の手法では、許容誤差rを、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさの半分の値に設定している。このため、電流指令値iα、iβが、いずれかの非ゼロ電流ベクトルIvec1〜6の近傍に存在する場合には、電流指令値iα、iβがゼロベクトル電流iα0、iβ0と、非ゼロベクトル電流iαk、iβkとのいずれに近いかを精度良く判定することができる。
ここで、電流指令値iα、iβが、非ゼロ電流ベクトルIvec1〜6の近傍ではなく、例えば図5に示すように、非ゼロ電流ベクトルIvec1とIvec2との間であって、非ゼロ電流ベクトルIvec2に近い側に存在する場合について考える。この場合、電流指令値iα、iβが、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と、非ゼロベクトル電流iα2、iβ2とのいずれに近いかを精度良く判定するためには、非ゼロ電流ベクトルIvec2の中間点から伸びる垂線(非ゼロ電流ベクトルIvec2に対して垂直な線)を基準として判定する必要がある。
しかしながら、第2の手法では、許容範囲rを、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさの半分の値に設定しているので、上述した判定が、図5に示されるように、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を中心とする円弧を基準としてなされることになる。図5に示されるように、非ゼロ電流ベクトルIvec2の中点から伸びる垂線と、ゼロベクトル電流iα0、iβ0を中心とする円弧とは、非ゼロ電流ベクトルIvec2から遠ざかるほど、その差が大きくなる。そのため、電流指令値iα、iβが非ゼロ電流ベクトル電流Ivec2から離れた位置に存在する場合、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と非ゼロベクトル電流iα2、iβ2とのいずれに近いかの判定を誤る可能性が高くなる。
そこで、許容範囲を設定するための第3の手法は、図6に示すように、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と電流指令値iα、iβとを結んだ直線Aと電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckのベクトル中間点から伸びる垂線Bとの交点までの、ゼロベクトル電流iα0、iβ0からの距離を許容範囲rとして設定するというものである。
なお、dq逆変換部40により算出された、αβ座標上のゼロベクトル電流iα0,iβ0及び電流指令値iα、iβを許容範囲設定部44にも出力するようにすることで、許容範囲設定部44は、直線Aを求めることができる。また、非ゼロベクトル特定部48による、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckの特定結果を許容範囲設定部44に与えることにより、許容範囲設定部44において、垂線Bを定めることが可能である。
このようにして許容範囲rを設定することで、図6に示すように、電流指令値iα、iβが、非ゼロ電流ベクトルIveckから離れた位置に存在する場合であっても、電流指令値iα、iβが、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と非ゼロベクトル電流iα2、iβ2とのいずれに近いかの判定を誤りなく行うことが可能になる。そのため、ゼロベクトル電流iα0、iβ0と、非ゼロベクトル電流iαk、iβkとのいずれが電流指令値iα、iβに近いかを、第2の手法よりもさらに高精度に判定することができる。
なお、具体的な許容範囲rの算出方法は省略するが、上記直線A式は、原点であるゼロベクトル電流iα0、iβ0と電流指令値iα、iβとの2点を通る直線として求めることができ、垂線Bの直線式は、例えば図6の場合、1、2、√3の直角三角形の1辺が非ゼロ電流ベクトルIvec2であることを活用することで求めることができる。そして、2つの直線式AとBが求まれば、その交点、すなわち許容範囲rを算出することは容易なことである。また、図6の例に限らず電流指令値iα、iβが他の象限に属する場合も、上述したのと同様の手順で、許容範囲rを求めることができる。
次に、許容範囲rを設定するための第4の手法は、許容範囲rの値を増加もしくは減少させたときに、実際にモータ10を流れる電流id、iqと電流指令値id、iqとの誤差の大きさを検出し、その誤差の大きさが所定値以下となるまで、許容範囲rの値を調整するというものである。
ここで、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさは、インバータ電圧Vdcの変動によってのみ変化する訳ではなく、例えば、モータ温度、モータ回転数、鎖交磁束などの変化にも起因して変化する。その点、上記第4の手法のように、実際の制御結果に基づいて許容範囲rの値を調節すれば、モータ10に印加される電圧の変動に限らず、他の要因によって非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさが変化した場合であっても、許容範囲rの値を適切な値に調整することが可能となる。
なお、第4の手法を適用する場合、許容範囲rの値を調整するタイミングとしては、例えば、実際にモータ10を流れる電流id、iqと電流指令値id、iqとの誤差の大きさを監視しておき、その誤差の大きさが予め定めた所定値以上となったときに実施すれば良い。また、許容範囲rの値の調整に際しては、許容範囲rを増加もしくは減少させたときの誤差の大きさの変化の傾向を見て、誤差が大きくなるようであれば、許容範囲rが逆に変化するように調整を行えば良い。
最後に、許容範囲rを設定するための第5の手法は、非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさに影響を与える複数のパラメータ(例えば、上述したインバータ電圧、モータ温度、モータ回転数、鎖交磁束数など)の変化に対して、事前に、使用すべき許容範囲rを定めてマップとして記憶しておく。そして、対象とする複数のパラメータに関して、センサ等を用いて実際のパラメータ値を検出し、その検出したパラメータ値に対応する許容範囲rをマップから読み出すというものである。このような構成を採用した場合も、上述した第4の手法と同様に、各種の要因で非ゼロ電流ベクトルIveckの大きさが変化した場合であっても、その大きさの変化に対応した適切な許容範囲rを設定することが可能となる。
次に、上述したモータ制御装置30において実行されるモータ制御のための処理の流れについて、図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、図7のフローチャートに示す処理は、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS100において、電流センサ20から、U相及びW相の電流検出値Iu,Iwを入力し、回転角センサ18からモータ回転角θを入力する。さらに、モータ回転角θからモータ回転角速度(電気角速度)ωを算出する。
続くステップS110では、入力された電流検出値Iu、Iwを、αβ座標におけるα軸電流値iαとβ軸電流値iβに変換する。さらに、ステップS120において、α軸電流値iα及びβ軸電流値iβを、モータ回転角θに基づき、dq座標におけるd軸電流値id及びq軸電流値iqに変換する。
ステップS130では、モータの巻線抵抗やインダクタンス、鎖交磁束数等のモータパラメータ、離散時間含む既知の値と、算出したモータ回転角速度(電気角速度)ωと、現在のモータ電流を示すd軸電流値id及びq軸電流値iqとに基づいて、上記数式3を用いて、ゼロベクトル電流id0、iq0を算出する。そして、ステップS140において、dq座標上のゼロベクトル電流id0,iq0を、αβ座標上のゼロベクトル電流iα0、iβ0に逆変換するとともに、dq座標上の電流指令値id、iqを、αβ座標上の電流指令値iα、iβに逆変換する。
ステップS150では、αβ座標系において、ゼロベクトル電流iα0,iβ0と、電流指令値iα、iβとの差分Δrを算出する。そして、ステップS160において、この差分Δrが、上述したいずれかの手法により設定される許容範囲rより小さいか否かが判定される。ステップS160の判定処理において、差分Δrが許容範囲rより小さいと判定された場合、ステップS170をスキップして、ステップS180に進み、インバータ12の最適なスイッチングモードとして、ゼロベクトルスイッチングモードV0を出力する。一方、ステップS160の判定処理において、差分Δrは許容範囲r以上と判定された場合、ステップS170の処理に進む。
ステップS170では、αβ座標上において、電流指令値iα、iβに最も近い非ゼロ電流ベクトルIveckを特定することにより、その非ゼロ電流ベクトルIveckに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードVkを特定する。そして、ステップS180において、インバータ12の最適なスイッチングモードとして、非ゼロベクトルスイッチングモードVkを出力する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法について、図8を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態によるモータ制御装置と同様の構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
上述した第1実施形態によるモータ制御装置30では、インバータ12の入力電圧を検出するための電圧センサ16を設け、この電圧センサ16によって検出される入力電圧を許容範囲設定部44に与えるように構成されていた。
しかしながら、例えば図8に示すように、インバータ12に比較的大容量のコンデンサ17を接続するなどして、インバータ12への入力電圧の大きさを略一定に保つように構成した場合、インバータ12への入力電圧Vdcを考慮する必要がなくなる。従って、この場合、図8に示すように、電圧センサ16を削減することができる。
なお、図8に示す構成を採用した場合、インバータ12への入力電圧Vdcの変動を考慮する必要がないので、許容範囲設定部44は、第1実施形態に於いて説明した、第1、第4、第5の手法、あるいは、インバータ入力電圧Vdcの検出を省略してVdcが一定とみなした場合の第2、第3の手法のいずれかにより、許容範囲rを設定すれば良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した第1実施形態〜第2実施形態では、1周期制御先の最適スイッチングモードを決定するものとして説明したが、例えば特許文献2に記載のように、2周期制御先の最適スイッチングモードを決定する際にも、本発明は適用可能なものである。
また、予測電流演算部で用いる、予測式に含まれる巻線抵抗値やインダクタンス値等のモータパラメータや離散時間の値などを動的に変化させるように構成しても良い。
10…三相交流モータ、12…インバータ、14…電源、16…電圧センサ、18…回転角センサ、20…電流センサ、30…モータ制御装置、32…αβ変換部、34…dq変換部、36…回転角速度算出部、38…ゼロベクトル電流演算部、40…dq逆変換部、42…判定部、44…許容範囲設定部、46…選択部、48…非ゼロベクトル特定部、50…操作部、52…電流指令生成部

Claims (10)

  1. 三相交流モータを流れる電流が指令電流に一致するように、インバータのスイッチングモードを決定し、当該インバータが、決定されたスイッチングモードにて動作して、そのスイッチングモードに応じた電圧を前記三相交流モータに印加することにより、前記三相交流モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
    前記三相交流モータに電圧が印加されないゼロベクトルスイッチングモードにて前記インバータを動作させた場合に、前記三相交流モータを流れることが予測される電流を、ゼロベクトル電流として演算するゼロベクトル電流演算手段と、
    前記三相交流モータの回転子の回転軸を原点とし、相互に直交するα軸及びβ軸によって定義されるαβ静止座標系において、前記指令電流と前記ゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
    前記指令電流と前記ゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であると判定された場合には、前記ゼロベクトルスイッチングモードを前記インバータのスイッチングモードとして選択し、許容範囲外であると判定された場合には、前記αβ静止座標系において、前記ゼロベクトル電流に対して固定した方向に定められる6つの非ゼロ電流ベクトルの中で、前記指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードを前記インバータのスイッチングモードとして選択する選択手段と、を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、前記三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、前記許容範囲を、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさの半分の値に設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、前記三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、前記指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルの中間点から伸びる垂線と前記ゼロベクトル電流と前記指令電流とを結んだ直線との交点までの、前記ゼロベクトル電流からの距離を求め、この距離を許容範囲として設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、前記許容範囲の値を増加もしくは減少させたときに、実際に前記三相交流モータを流れる電流と前記指令電流との誤差の大きさを検出し、その誤差の大きさが所定値以下となるまで、前記許容範囲の値を調整することにより、前記許容範囲の値を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 前記許容範囲の値を定める設定手段を備え、当該設定手段は、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさに影響を与える複数のパラメータの変化に対して、事前に、使用すべき許容範囲を定めてマップとして記憶しておき、前記複数のパラメータの実際の値が検出されると、その検出値に対応する許容範囲を前記マップから読み出すことにより、前記許容範囲の値を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 三相交流モータを流れる電流が指令電流に一致するように、インバータのスイッチングモードを決定し、当該インバータが、決定されたスイッチングモードにて動作して、そのスイッチングモードに応じた電圧を前記三相交流モータに印加することにより、前記三相交流モータの回転を制御するモータ制御方法であって、
    前記三相交流モータに電圧が印加されないゼロベクトルスイッチングモードにて前記インバータを動作させた場合に、前記三相交流モータを流れることが予測される電流を、ゼロベクトル電流として演算するゼロベクトル電流演算ステップと、
    前記三相交流モータの回転子の回転軸を原点とし、相互に直交するα軸及びβ軸によって定義されるαβ静止座標系において、前記指令電流と前記ゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記指令電流と前記ゼロベクトル電流との差分が許容範囲内であると判定された場合には、前記インバータのスイッチングモードとして、前記ゼロベクトルスイッチングモードを選択し、許容範囲以上であると判定された場合には、前記αβ静止座標系において、前記ゼロベクトル電流に対して固定した方向に定められる6つの非ゼロ電流ベクトルの中で、前記指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルに対応する非ゼロベクトルスイッチングモードを選択する選択ステップと、を備えることを特徴とするモータ制御方法。
  7. 前記許容範囲の値を定める設定ステップを備え、当該設定ステップでは、前記三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、前記許容範囲を、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさの半分の値に設定することを特徴とする請求項6に記載のモータ制御方法。
  8. 前記許容範囲の値を定める設定ステップを備え、当該設定ステップでは、前記三相交流モータに印加される電圧の大きさを用いて、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさを算出するとともに、前記指令電流に最も近い非ゼロ電流ベクトルの中間点から伸びる垂線と前記ゼロベクトル電流と前記指令電流とを結んだ直線との交点までの、前記ゼロベクトル電流からの距離を求め、この距離を許容範囲として設定することを特徴とする請求項6に記載のモータ制御方法。
  9. 前記許容範囲の値を定める設定ステップを備え、当該設定ステップでは、前記許容範囲の値を増加もしくは減少させたときに、実際に前記三相交流モータを流れる電流と前記指令電流との誤差の大きさを検出し、その誤差の大きさが所定値以下となるまで、前記許容範囲の値を調整することにより、前記許容範囲の値を決定することを特徴とする請求項6に記載のモータ制御方法。
  10. 前記許容範囲の値を定める設定ステップを備え、当該設定ステップでは、前記非ゼロ電流ベクトルの大きさに影響を与える複数のパラメータの変化に対して、事前に、使用すべき許容範囲を定めてマップとして記憶しておき、前記複数のパラメータの実際の値が検出されると、その検出値に対応する許容範囲を前記マップから読み出すことにより、前記許容範囲の値を決定することを特徴とする請求項6に記載のモータ制御方法。
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