JP5636470B2 - 船舶推進機の旋回制御装置 - Google Patents

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本発明は、Z型推進装置、L型推進装置やポッド推進装置のような推進機能と舵機能を備えたアジマススラスター等と総称される船舶推進機において、当該船舶推進機を旋回制御するための操舵システムである旋回制御装置に係り、特にACサーボモータによる電気式旋回制御装置に関するものである。
Z型推進装置やポッド推進装置等のアジマススラスターによる旋回では、従来は一般的に油圧旋回装置が使われていた。従来の油圧旋回装置は、油圧ポンプやサーボ弁、サクションフィルター、油タンク等の油圧機器の間が配管で接続された複雑な構成であり、オイル漏れによる汚損等もあり、不具合が生じる度に、修理や、オイルを充填してエアを取り除く等のメンテナンス作業が必要となるため、機器の安定的な運用に支障をきたす場合もあった。
上述したような構成の複雑さやメンテナンス上の煩雑さを回避するため、油圧に替えて電気モータを使用することも考えられる。例えば、下記特許文献1は、アジマススラスタータイプではなく、通常の舵を制御するための技術に関するものであるが、モータを利用した電動式操舵装置の発明を開示している。しかしながら、そのモータはACモータ及びDCモータであり、サーボモータではない。従来、船舶のアジマススラスターの旋回制御用にサーボモータを使用した実例は存在していない。
特開2007−8189号公報
本発明者等は、船舶のアジマススラスターの旋回制御用に、従来は用いられていなかったACサーボモータを利用する着想を得て、鋭意研究開発に務めた結果、従来知られていない新規な発明として(1) アナログ式、及び(2) マスタ・スレーブ通信方式の2種類の旋回制御装置を案出するに至った。
以下にこれらの装置について説明する。
(1) アナログ式
図4に示すように、船舶推進機1は、船舶の底部外面に突出して旋回自在に設けられたケーシング2と、そのケーシング2に設けられ、図示しない主機に連結されて回転駆動されるプロペラ3とを備えている。そして、本例の旋回制御装置は、船舶推進機1の推進方向を任意に設定するために、船舶推進機1を所望の角度だけ旋回させて所望の旋回位置に設定するために利用される。この旋回制御装置を各構成部分ごとに説明する。
操作ハンドル4は、船舶の乗組員が操作することにより、目標となる船舶推進機1の旋回位置を設定するための装置である。操作された操作ハンドル4からは、船舶推進機1の設定しようとする旋回位置を示すハンドル信号が出力される。
一方、船舶推進機1には、船舶推進機1の実際の旋回位置を検出してフィードバック信号を出力する角度センサ5が設けられている。
制御手段である旋回制御基板6では、操作ハンドル4が出力するハンドル信号と、角度センサ5からのフィードバック信号とがA/D変換器7でデジタル化され、両信号の偏差がCPU8で演算される。CPU8には、制御プログラム等が記憶されたROM9と、各種データが読み書きされるRAM10とを備えている。そして、CPU8は算出した偏差に応じてモータ速度指令を算出し、このモータ速度指令をD/A変換器11でアナログ化して外部に出力する。
旋回制御基板6から出力されたアナログのモータ速度指令は、旋回制御基板6の外部に設けられた3基のACサーボアンプ12a,12b,12cにそれぞれ入力される。各ACサーボアンプ12a,12b,12cは、船舶推進機1の回転機構に取り付けられた3台のACサーボモータ15a,15b,15cに、モータ速度指令に対応した制御信号をそれぞれ与えるように接続構成されている。
各ACサーボアンプ12a,12b,12cには、当該ACサーボアンプ12a,12b,12cの異常を旋回制御基板6に通報するアラーム手段としてのアラームスイッチ18が設けられている。ACサーボアンプ12a,12b,12cに異常があった場合には、当該ACサーボアンプ12a,12b,12cのアラームスイッチ18が旋回制御基板6にアラーム(接点信号)を送り、これを受けた旋回制御基板6がサーボON/OFFスイッチ17で当該ACサーボアンプ12a,12b,12cを切り離して制御対象から外す。
以上の構成によれば、旋回制御基板6のCPU8内部でハンドル信号とフィードバック信号の偏差が算出され、さらに該偏差からモータ指令信号が演算される。これをアナログ信号に変換して3つの各ACサーボアンプ12a,12b,12cに出力する。
しかしながら、このアナログ情報である同一のモータ指令信号を各ACサーボアンプ12a,12b,12cに与えた場合、その結果各ACサーボアンプ12a,12b,12cが対応する各ACサーボモータ15a,15b,15cに入力される制御信号にオフセットが生じることがある。これは、各ACサーボアンプ12a,12b,12cが有するアナログ信号を処理するためのICや抵抗器等の電子部品は、規格上は同一であっても性能値には各々固有のオフセットがあるため、同一のモータ指令信号を受けた場合であっても、ACサーボモータ15a,15b,15cに出力する制御信号が同一になるとは限らず、その制御信号には電圧のずれを生じることがあるからである。
例えば、旋回制御基板6での偏差が0のとき、旋回制御基板6から各ACサーボアンプ12a,12b,12cには0(V)がモータ速度指令として与えられるが、この時、3台のACサーボアンプ12a,12b,12cのオフセットがすべて異なる場合がある。例えば、第1のACサーボアンプ12aは0(V)、第2のACサーボアンプ12bは+1(mV)、第3のACサーボアンプ12cは−3(mV)などどなる場合があり、この場合には第1のACサーボアンプ12aのACサーボモータ15aは停止、第2のACサーボアンプ12bのACサーボモータ15bは右回転、第3のACサーボアンプ12cのACサーボモータ15cは左回転などとなり、すなわち3台のACサーボモータ15a,15b,15cがそれぞればらばらに動作してしまう。
このようにオフセット値はアナログ入力ごと(ACサーボアンプごと)に異なり、オフセット値の極性の違いや大きさの差異により、特に微少偏差の場合等には目標位置付近で各ACサーボモータの回転速度や回転方向が異なって停止精度が十分にでない場合がある。このように、アナログ方式によれば、オフセットによる悪影響で船舶推進機1を目標の旋回位置に停止させる精度が低下するハンチングという現象を起こしてしまう問題があった。
(2) マスタ・スレーブ通信方式
図5に示すように、船舶推進機1は、船舶の底部外面に突出して旋回自在に設けられたケーシング2と、そのケーシング2に設けられ、図示しない主機に連結されて回転駆動されるプロペラ3とを備えている。そして、本例の旋回制御装置は、船舶推進機1の推進方向を任意に設定するために、船舶推進機1を所望の角度だけ旋回させて所望の旋回位置に設定するために利用される。この旋回制御装置を各構成部分ごとに説明する。
操作ハンドル4は、船舶の乗組員が操作することにより、目標となる船舶推進機1の旋回位置を設定するための装置である。操作された操作ハンドル4からは、船舶推進機1の設定しようとする旋回位置を示すハンドル信号が出力される。
一方、船舶推進機1には、船舶推進機1の実際の旋回位置を検出してフィードバック信号を出力する角度センサ5が設けられている。
制御手段である旋回制御基板16では、操作ハンドル4が出力するハンドル信号と、角度センサからのフィードバック信号とがA/D変換器7でデジタル化され、両信号の偏差がCPU8で演算される。CPU8は、制御プログラム等が記憶されたROM9と、各種データが読み書きされるRAM10とを備えている。そして、CPU8は算出した偏差に応じてモータ速度指令を算出し、このモータ速度指令を通信用ICであるシリアル信号生成部20でデジタル信号化し、ドライバ21を介して例えばRS422等のデジタル通信方式で外部に出力する。
旋回制御基板16から出力されたデジタルのモータ速度指令は、旋回制御基板16の外部に設けられた3台のACサーボアンプ22a,22b,22cのうち、ACサーボアンプ22a(マスタ)のみに入力される。残りの2台のACサーボアンプはACサーボアンプ22b(スレーブ1)及びACサーボアンプ22c(スレーブ2)であり、ACサーボアンプ22a(マスタ)と同期をとってACサーボアンプ22a(マスタ)から通信でモータ速度指令の転送を受け、これによって3台のACサーボアンプ22a,22b,22cは対応する各ACサーボモータ15a,15b,15cに制御信号を送って制御を行なう。
各ACサーボアンプ22a,22b,22cには、当該ACサーボアンプ22a,22b,22cの異常を旋回制御基板16に通報するアラーム手段としてのアラームスイッチ18が設けられている。ACサーボアンプ22a,22b,22cに異常があった場合には、当該ACサーボアンプ22a,22b,22cのアラームスイッチ18が旋回制御基板16にアラーム(接点信号)を送り、これを受けた旋回制御基板16は異常があったACサーボアンプを切り離して制御対象から外す。
以上の構成によれば、旋回制御基板16のCPU8内部でハンドル信号とフィードバック信号の偏差が算出され、さらに該偏差からモータ指令信号が演算される。これをデジタル信号に変換してドライバ21からACサーボアンプ22a(マスタ)にシリアル信号による通信方式で出力する。
旋回制御基板16からモータ速度指令を送られたACサーボアンプ22a(マスタ)は、他の2台のACサーボアンプ22b,22c(スレーブ1、2)との間で同期をとり、対応する3台のACサーボモータ15a,15b,15cにそれぞれ制御信号を与えて制御する。
しかしながら、例えばACサーボアンプ22b(スレーブ1)だけが故障した場合には、その故障したACサーボアンプ22b(スレーブ1)だけを切り離せれば、ACサーボアンプ22a(マスタ)と残りのACサーボアンプ22c(スレーブ2)だけで制御可能であるが、ACサーボアンプ22a(マスタ)が故障した場合には、ACサーボアンプ22a(マスタ)が切り離されてしまうため、故障していないACサーボアンプ22b,22c(スレーブ1及び2)も制御できなくなり、全体として制御不能となってしまうという問題があった。
このように、本発明者等は、ACサーボモータを利用したアジマススラスターの旋回制御装置(アナログ式及びマスタ・スレーブ通信方式)を発明したが、前述した通り、これらの発明にも解決すべき課題があることを見出した。そこで、本発明は、本発明者等による前述した新規な先行発明の課題を解決し、さらに改良された新たな発明を提供するものであり、アジマススラスターを旋回制御するためにACサーボモータを用いた旋回制御装置において、複数台のACサーボモータを1台から当該複数台まで独立して制御可能とすることにより制御不能に陥りにくく、小型から大型の旋回式船舶推進機1にまで広く適用可能であり、さらにアナログ式のようなオフセットの影響もなく高い追従精度が得られる船舶推進機1の旋回制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された船舶推進機の旋回制御装置は、
回転駆動されるプロペラを備え推進方向を任意に設定するために船舶に旋回自在に設けられた船舶推進機を所望の旋回位置に設定する旋回制御装置において、
船舶推進機の旋回位置を設定することにより前記旋回位置を示すハンドル信号を出力する操作ハンドルと、
船舶推進機の旋回位置を検出してフィードバック信号を出力するセンサと、
前記操作ハンドルが出力するハンドル信号と前記センサからのフィードバック信号の偏差を演算し、該偏差に応じてモータ速度指令を演算し、このモータ速度指令を共通のシリアル信号生成部でデジタル信号化し、該シリアル信号生成部に並列に接続された複数のドライバを介してデジタル信号化した前記モータ速度指令を前記複数の対象に対して同時に同一のデジタル信号としてデジタル通信によってそれぞれ送信する制御手段と、
前記制御手段から同時に同一のデジタル信号としてデジタル通信によって送信された前記モータ速度指令をそれぞれ受信し、前記モータ速度指令に応じて制御信号をそれぞれ出力する互いに独立した前記複数のACサーボアンプと、
前記各ACサーボアンプからの前記制御信号をそれぞれ受け、各々独立して制御されて駆動されることにより同一の回転方向に同一の回転速度で動作して駆動されることにより船舶推進機1を旋回させる前記複数のACサーボモータと、
を具備することを特徴としている。
また、本発明によれば、請求項1記載の船舶推進機の旋回制御装置において、
前記各ACサーボアンプには、当該ACサーボアンプの異常を前記制御手段にアラーム信号で通報するアラーム手段が設けられており、
前記制御手段はアラーム信号を受信した場合には、当該アラーム信号を出力した前記アラーム手段が設けられた前記ACサーボアンプを前記制御手段から切り離すことを特徴とすることができる。
請求項1に記載された船舶推進機の旋回制御装置によれば、操作ハンドルからのハンドル信号とセンサからのフィードバック信号の偏差に基づいてモータ速度指令を演算し、このモータ速度指令を複数のACサーボアンプに対して同時に同一のデジタル信号としてデジタル通信によって送信するので、複数台のACサーボモータは、1台から全台数まで各々独立して制御可能であるため、仮に一部のACサーボアンプに故障が生じても装置全体としての制御不能には陥りにくい。また、複数のACサーボモータによる制御であるため、小型から大型の旋回式船舶推進機に広く適用可能であり、アナログ式のようなオフセットの影響もなく高い追従精度が得られる。
また、本発明によれば、請求項1記載の船舶推進機の旋回制御装置による効果において、さらに、ACサーボアンプが故障した場合には、当該ACサーボアンプのアラーム手段が異常を制御手段にアラーム信号で通報し、制御手段は異常が通報されたACサーボアンプのみを制御から切り離すことにより、残ったACサーボアンプとこれらに対応するACサーボモータだけで制御を継続することができる。
図1は本発明の一実施形態である船舶推進機の旋回制御装置を示す構成図である。 図2は一実施形態における旋回制御基板での偏差とモータ速度指令の関係を示すグラフを示す図である。 図3は一実施形態における制御動作を示す流れ図である。 図4は本発明者が本発明に先行して発明したアナログ式の旋回制御装置の構成図である。 図5は本発明者が本発明に先行して発明したマスタ・スレーブ通信方式の旋回制御装置の構成図である。
本発明の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である船舶推進機1の旋回制御装置を示す構成図であり、図2は一実施形態における旋回制御基板26での偏差とモータ速度指令の関係を示すグラフ図、図3は一実施形態における制御動作を示す流れ図である。
図1に示すように、船舶推進機1は、船舶の底部外面に突出して旋回自在に設けられたケーシング2と、そのケーシング2に設けられ、図示しない主機に連結されて回転駆動されるプロペラ3とを備えている。そして、本例の旋回制御装置は、船舶推進機1の推進方向を任意に設定するために、船舶推進機1を所望の角度だけ旋回させて所望の旋回位置に設定するために利用される。以下、この旋回制御装置を各構成部分ごとに説明する。
船舶の操舵室に設けられた操作ハンドル4は、船舶の乗組員が操作することにより、目標となる船舶推進機1の旋回位置を設定するための装置である。操作された操作ハンドル4からは、船舶推進機1の設定しようとする旋回位置を示すハンドル信号が出力される。
一方、船舶推進機1には、船舶推進機1の実際の旋回位置を検出してフィードバック信号を出力する角度センサ5が設けられている。
制御手段である旋回制御基板26では、操作ハンドル4が出力するハンドル信号と、センサからのフィードバック信号とがA/D変換器7でデジタル化され、両信号の偏差がCPU8で演算される。
CPU8は、制御プログラムや制御に必要な各種データ、例えば図2に示すように前記偏差とモータ速度指令との関係を示すデータ等が記憶されたROM9aと、必要に応じて各種データが読み書きされるRAM10とを備えている。なお、図2に示すグラフが表すデータにおいて、モータ速度指令はモータ回転数とモータ回転速度を表す信号であり、前記偏差が+−いずれの極性においてもある限度以上に大きくなると、モータの最大能力を越えないように一定に維持されるようになっている(図2のグラフにおいて左右両端の水平部分を参照)。
CPU8は、算出した前記偏差とROM9aに格納した図2に示すようなデータを利用し、ROM9aの制御プログラムに従ってモータ速度指令を算出する。そして、このモータ速度指令は通信用ICであるシリアル信号生成部20(SIO)でデジタル信号化され、シリアル信号生成部20(SIO)に並列に接続された3つのドライバ21a,21b,21cを介して、RS422のデジタル通信方式で外部の3つのACサーボアンプ32a,32b,32cにそれぞれに出力される。
旋回制御基板26から出力されたデジタルのモータ速度指令は、旋回制御基板26の外部に設けられた3台のACサーボアンプ32a,32b,32cにそれぞれ入力されるが、これら3台のACサーボアンプ32a,32b,32cは互いに独立したアンプであって、モータ速度指令の送信を受け、これによって3台のACサーボアンプ32a,32b,32cは対応する各ACサーボモータ15a,15b,15cにそれぞれ制御信号を送って制御を行なう。
各ACサーボアンプ32a,32b,32cには、当該ACサーボアンプ32a,32b,32cの異常を旋回制御基板26に通報するアラーム手段としてのアラームスイッチ18が設けられている。ACサーボアンプ32a,32b,32cに異常があった場合には、当該ACサーボアンプ32a,32b,32cのアラームスイッチ18が旋回制御基板26にアラーム(接点信号)を送り、これを受けた旋回制御基板26は、各ACサーボアンプ32a,32b,32cごとに対応して設けられたサーボON/OFFスイッチ17を操作することにより、異常を通報してきたACサーボアンプ32a,32b,32cのみを通信系から切り離して制御対象から外す。
次に、以上の構成における作用を図1及び図3を参照して説明する。
図3に示す本例の電気式旋回制御においては、まず旋回制御基板26のCPU8内部でハンドル信号とフィードバック信号の偏差が算出される(S1)。さらに偏差とモータ速度信号との関係を表すデータと、算出した前記偏差から、モータ指令信号が演算される(S2)。これをデジタル信号に変換してRS422の各ドライバ21a,21b,21cから対応する各ACサーボアンプ32a,32b,32cにデジタルのモータ速度指令を送信する(S3)。
本例はアナログ制御ではなく、デジタルのモータ速度指令をACサーボアンプ32a,32b,32cに与えてACサーボモータ15a,15b,15cを制御するデジタル制御方式であるため、3台のACサーボモータ15a,15b,15cはばらばらに動作することはなく、同一の回転方向に同一の回転速度で動作して船舶推進機1を旋回させることができる。すなわちオフセットによる悪影響は存在せず、高い精度で船舶推進機1を目標の旋回位置に停止させることができ、目標値(所望の旋回位置)付近でハンチングを起こすことはない。一具体例を挙げれば、本発明者の先行発明であるアナログ制御の場合では目標値付近でハンチングし、位置決め誤差が収束しないが、本例によれば位置決め誤差は大きくみても±0.1度以内、ほとんど計測誤差の範囲内であり、誤差0といえる程度である。本例におけるこのような効果は、推進力が作用する方向自体を設定して保持する必要があるために回転方向の位置制御に高い精度が要求されるアジマススラスター等の船舶推進機1において、特に有利である。
アナログ制御においては、特に微少偏差の場合等に目標位置付近で各ACサーボモータの回転速度や回転方向が異なって停止精度が十分にでない場合があったが、複数のACサーボモータ15a,15b,15cをそれぞれ独立してデジタル制御する本例によれば、ハンチングは確実に防止され、精密な回転位置制御が達成される。
図3に示す本例の電気式旋回制御において、ACサーボアンプ32a,32b,32cに異常があった場合(S4〜S6においてYES)には、当該ACサーボアンプ32a,32b,32cのアラームスイッチ18が旋回制御基板26にアラーム(接点信号)を送り、これを受けた旋回制御基板26は、各ACサーボアンプ32a,32b,32cごとに対応して設けられたサーボON/OFFスイッチ17を操作することにより、異常を通報してきたACサーボアンプ32a,32b,32cのみを通信系から切り離して制御対象から外す(S7〜S9)。異常がない場合は、S1からの制御手順を繰り返すこととなる。
このように、本例によれば、個々のACサーボアンプ32a,32b,32cはそれぞれ対応するACサーボモータ15a,15b,15cをそれぞれ独立して制御しているので、1基が故障しても全体として制御不能になるようなことはない。例えば、3台のACサーボモータ15a,15b,15cで運転している最中に、第1のACサーボモータ15aで故障が発生して第1のACサーボアンプ32aがアラームを発生すると、旋回制御基板26は第1のACサーボアンプ32aによる第1のACサーボモータ15aの運転をOFFとし、第1のACサーボモータ15aをフリーの状態(第1のACサーボモータ32aを切り離した状態)とする。ここで、第2及び第3のACサーボモータ15b,15cは正常であるため、通常のサーボ運転を継続する。このように、不具合が発生した場合は、不具合要因のみを切り離して正常なモータのみで運転を続行することができる。
また、本例の電気式旋回制御において採用したACサーボモータは、周波数を変えてモータに与える電流値を制御し、トルクを制御することができるので、ある電流値(例えば10A)を限界としておけば、これに対応してトルクにもリミットがかかるため、これ以上の力が逆方向に加わっても船舶推進機1はこれ以上のトルクを発生して回転することはなく、外力に従って回るので機械の破損を防止することができる。すなわち、油圧におけるリリーフ機能と同様の機能をトルクリミット制御で達成することができる。
また、本例の電気式旋回制御では複数のACサーボモータを使用しているので、一部のモータが故障その他で使用不能になっても、残りのモータで運転を続行でき、船舶運航上安全である。また、仮に1台のACサーボモータで必要な出力を得ようとすると相当の大きさになってしまうが、本例のように複数台(例えば本例のように3台程度)のモータに必要な出力を分担させた方が装置構成上無理がない。
1…船舶推進機
3…プロペラ
4…操作ハンドル
5…角度センサ
15a〜c…ACサーボモータ
17…サーボON/OFFスイッチ
18…アラーム手段としてのアラームスイッチ
21a〜c…ドライバ
26…制御手段としての旋回制御基板
32a〜c…ACサーボアンプ

Claims (1)

  1. 回転駆動されるプロペラを備え推進方向を任意に設定するために船舶に旋回自在に設けられた船舶推進機を所望の旋回位置に設定する旋回制御装置において、
    船舶推進機の旋回位置を設定することにより前記旋回位置を示すハンドル信号を出力する操作ハンドルと、
    船舶推進機の旋回位置を検出してフィードバック信号を出力するセンサと、
    前記操作ハンドルが出力するハンドル信号と前記センサからのフィードバック信号の偏差を演算し、該偏差に応じてモータ速度指令を演算し、このモータ速度指令を共通のシリアル信号生成部でデジタル信号化し、該シリアル信号生成部に並列に接続された複数のドライバを介してデジタル信号化した前記モータ速度指令を前記複数の対象に対して同時に同一のデジタル信号としてデジタル通信によってそれぞれ送信する制御手段と、
    前記制御手段から同時に同一のデジタル信号としてデジタル通信によって送信された前記モータ速度指令をそれぞれ受信し、前記モータ速度指令に応じて制御信号をそれぞれ出力する互いに独立した前記複数のACサーボアンプと、
    前記各ACサーボアンプからの前記制御信号をそれぞれ受け、各々独立して制御されて駆動されることにより同一の回転方向に同一の回転速度で動作して船舶推進機を旋回させる前記複数のACサーボモータと、
    を具備することを特徴とする船舶推進機の旋回制御装置。
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