JP5636314B2 - エステル結合を有するテトラカルボン酸類、それを用いたポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミド、ならびにこれらの製造法 - Google Patents

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本発明は高透明性、高溶解性ポリイミドフィルムを実現する材料およびその製造方法に関する。このポリイミドフィルムは透明導電性フィルム、太陽電池などの透明性と耐熱性を要求される分野で期待されており、透明性、溶媒可溶ポリイミドフィルムを提供せんとするものである。
従来、フィルムとしては、セロファンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルムなど透明なフィルムが主に包装用途などに使用されているが、これらフィルムの可撓性を生かして広く工業製品に使用される白色フィルムも知られている。
例えば、金属板に貼合せた後容器に成形加工するのに有用な二軸配向白色共重合ポリエステルフィルムとして平均粒径が0.1〜2.5μmの白色顔料を含有し、融点が210〜245℃の範囲にある共重合ポリエステルからなり、フィルムの厚さ方向の結晶配向度が0.2〜0.6の範囲としたポリエステルフィルム(特許文献1参照)や、耐熱性、折れ皺に優れた高隠蔽性の白色積層フィルムとして、ポリイミドとポリエステル、さらにフィルム中の分散径が0.03〜5μmである樹脂および/または不活性粒子を主たる構成成分とする層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂からなる層を積層した二軸配向フィルムであって、層を構成する樹脂のTgが層を構成する熱可塑性樹脂のTgよりも高い白色積層フィルム(特許文献2、参照)などが多数提案されている。
近年、電子部品におけるこれらのフィルム使用が拡大してきているが、前記のフィルム素材では高温製造、高温使用における課題が多い。
例えば、照明用反射材、LED実装用プリント配線板などにおいては、主にセラミック基板が用いられ、一部、白色顔料を含有する熱硬化性樹脂をシート状ガラス基材に含浸させたプリプレグと金属箔とを加熱プレス成型して得たリジッド金属張積層板が主に用いられていたが、電子機器は、携帯性などを向上させるために、薄型化・軽量化が進んでいる。それに応じて、使用されるこれらもさらに軽量化、薄型化が求められている。
耐熱性に優れる接着剤あるいは接着性フィルムは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン類との重縮合反応により得られる芳香族ポリイミドあるいは芳香族ポリアミド酸からなる分散液またはフィルムが広く用いられている。しかし、この様な芳香族ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性及び機械特性を有するものの、可視光の吸収が大きく淡黄色から赤褐色に着色し、透明性が低下する。
これはポリイミド鎖における芳香族基を通じた分子内共役および、分子内・分子間電荷移動相互作用によるものである。その対策として酸二無水物とジアミンのどちらか一方あるいは両方に脂肪族モノマーを使用したりフッ素基を導入したりすることで、電荷移動相互作用を妨害し、ポリイミド膜の透明性の問題を克服することが可能である。
しかしながら脂肪族モノマーとして脂肪族ジアミンを用い、酸二無水物と反応させてポリイミド前駆体を重合しようとすると、重合反応初期に塩形成が起こり、重合終了まで長期間を要するか、場合によっては重合反応が全く進行しないという重大な問題が生じことがある(例えば非特許文献1)。またフッ素基の導入はコストの点で不利な場合がある。
一方、ポリイミドが有機溶媒に可溶な場合、基板上等にポリイミドの有機溶媒液(ワニス)を塗布後、熱イミド化温度より十分に低い温度で溶媒を蒸発・乾燥するだけでポリイミドフィルムを得ることができるため、他の部材に対する不良、劣化を低減することが可能である。
ポリイミドの有機溶媒に対する溶解性を高める方策としては、非対称結合や嵩高い置換基の導入、分極率の低いフッ素含有置換基の導入が挙げられる、特に、特許文献3には、嵩高いカルド骨格であるフルオレン構造を有する酸二無水物を用いて高有機溶媒特性の付与に成功している例が開示されている。
特開平05−1790942号公報 特開2004−98442号公報 特開2007−91701号公報
日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会編 新訂最新ポリイミド−基礎と応用− 102頁 ハイパフオーマンス ポリマー(High Performance Polymers),10巻,11頁(1998年) 日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会編 新訂ポリイミド−基礎と応用− 14〜15頁
しかしながら、非対称結合やフッ素基の導入はコストの点で不利である。また、特許文献3に開示されるポリイミドは有機溶媒への溶解性を高めることはできたものの、高透明性までは実現していない。この点についてやや詳しく説明すると、ポリイミドフィルムが高透明性を備えているとされるためには、通常のポリイミドに特徴的な黄色の着色に関連する400nmにおける吸収が少ないこと、具体的には20μm厚のフィルム状態で80%以上の透過率が必要とされる。しかしながら、特許文献3の実施例に開示されるポリイミド材料の20μm換算の透過率は最大でも70%(ジアミンがCHDAである場合)であり、80%には遠く及ばない。したがって、特許文献3に開示されるポリイミドは高透明性という特性を備えているとはいえない。
本発明は、高透明性、高有機溶媒溶解性有する、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜およびフレキシブルプリント配線基板、液晶ディスプレイ用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、感光材料等として有益なフルオレニル基含有ポリエステルイミド、該ポリエステルイミドの前駆体、およびこれらの原料のフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類、ならびにこれらの製造方法を提供することが目的である。
本発明者は、以上の問題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、下記の一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類( 酸、酸二無水物、酸誘導体) とジアミン類とを重合して、下記の一般式(4)で表される繰返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体を得、これを環化(イミド化)して製造された下記の一般式(5)で表される繰返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミドが、上記産業分野において有益な材料となることを見出し、以下に示す本発明を完成するに至った。
(i)下記の一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸無水物。
Figure 0005636314
上記式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。
(ii)下記の一般式(2)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸。
Figure 0005636314
上記式中、RおよびRならびにXおよびXは上記の一般式(1)における定義のとおりである。
(iii)下記の一般式(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸誘導体。
Figure 0005636314
上記式中、RおよびRならびにXおよびXは上記の一般式(1)における定義のとおりである。Y〜Yは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素原子1〜12の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲン基を表す。
(iv)GPC測定による重量平均分子量Mwが50×10以上400×10以下であって、下記の一般式(4)で表される反復単位を含有することを特徴とするポリエステルイミド前駆体。
Figure 0005636314
上記式中、RおよびRならびにXおよびXは上記の一般式(1)における定義のとおりである。Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。構造単位Aは2価の芳香族基を表す。Rを含むエステル基およびRを含むエステル基は、それぞれ、アミド基に対してパラ位およびメタ位のいずれであってもよい。
(v)GPC測定による重量平均分子量Mwが50×10以上400×10以下であって、下記の一般式(5)で表される繰り返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミド。
Figure 0005636314
式中、RおよびR、XおよびXならびに構造単位Aは上記の一般式(4)における定義のとおりである。
(vi)上記(i)〜(iii)のいずれかに記載される一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類と、ジアミン類とを溶媒中で重合することを特徴とする上記(iv)に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体の製造方法。
(vii)上記(iv)に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体を、加熱し、または脱水剤を用いて、環化反応によりイミド化することを特徴とする上記(v)に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミドの製造方法。
(viii)上記(i)〜(iii)のいずれかに記載される一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類と、ジアミン類とを溶媒中180℃以上220℃以下で重合することを特徴とする上記(v)に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミドの製造方法。なお、この溶媒は高沸点の有機溶媒であることが好ましい。
本発明のフルオレニル基含有ポリエステルイミドは、高透明性、高有機溶媒溶解性を有する。詳しくは、本発明のフルオレニル基含有ポリエステルイミドの原料である上記の一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類において、嵩高いフルオレン構造を持ち、かつエステル基が直接芳香環と結合していない(かつσ結合を骨格とする基がトリメリット酸とエステル結合をなすことからフルオレニル基とトリメリット酸基との間での電子的な相互作用が十分に抑制される)構造であるために着色の要因である電荷移動相互作用が阻害され高透明性、高有機溶媒溶解性を発現することができる。
実施例1に記載のTMMFの1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1に記載のTMMFのDI/MSスペクトルを示す図である。 実施例1に記載のTMMFの示差走査熱量曲線を示す図である。 実施例2に記載のTMMFとTFMBとからなるポリアミド酸の1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例3に記載のTMMFとTFMBとからなるポリエステルイミドの1H−NMRスペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
本発明によれば、フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類(テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸誘導体)、すなわち後述する一般式(1)〜(3)と、ジアミン類を重合反応させることにより産業上有用なフルオレニル基含有ポリエステルイミドを提供することができる。その原料であるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類(以下、「テトラカルボン酸類」と略記する。)において、嵩高いフルオレン構造をもち、かつエステル基が直接芳香環と結合していない(かつσ結合を骨格とする基がトリメリット酸とエステル結合をなす)構造上の特徴によりフルオレニル基とトリメリット酸基との間での電子的な相互作用が十分に抑制され、ポリエステルイミドとした際に高透明性、高有機溶媒溶解性という従来のポリエステルイミドでは得ることができなかった物性を有する材料が得られる。
1.フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類
本発明のフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類とは下記の一般式(1)〜(3)で表される化合物であり、一般式(1)のテトラカルボン酸二無水物、一般式(2)のテトラカルボン酸および一般式(3)のテトラカルボン酸誘導体を含む総称である。該テトラカルボン酸類は、一般式(1)〜(3)のテトラカルボン酸類である。
Figure 0005636314
一般式(1)から(3)中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。また、XおよびXは水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトリル基を表す。
一般式(3)中、Y〜Yは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素原子1〜12の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲン基を表す。
2.フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類の製造方法
(1)テトラカルボン酸二無水物
上記の一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物(本発明において、「テトラカルボン酸二無水物」と略称する場合もある。)の製造方法は、特に限定されない。たとえば下記の一般式(6)(R、R、XおよびXの定義は一般式(1)と同様である。)と、トリメリット酸無水物との直接脱水反応による方法、一般式(6)のジアセテートと、トリメリット酸無水物とを高温で脱酢酸反応する方法、一般式(6)と、トリメリット酸ハライドを脱酸剤(塩基)の存在下で反応させる方法(以下、この方法を「酸ハライド法」と称する。)、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤を用いて一般式(6)とトリメット酸無水物とを脱水縮合させる方法、トシルクロライド/N,N−ジメチルホルムアミド/ピリジン混合物を用いてトリメリット酸無水物を活性化して一般式(6)をエステル化する方法等が挙げられる。
Figure 0005636314
トリメリット酸無水物の酸ハライド、例えば無水トリメリット酸クロリドが安価に入手可能であることから、酸ハライド法が好ましい。
一般式(6)の具体的な構造を例示すれば次のようになる。
Figure 0005636314
該エステル化反応に使用可能な溶媒(反応溶媒)は特に限定されないが、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ピコリン、ピリジン、アセトン、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N−メチル−2一ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エ−テル等の非プロトン性溶媒が挙げられる。またこれらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。好ましいのはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、クロロホルム、アセトンなどである。
該エステル化反応は−10〜50℃の温度で行われることが好ましく、より好ましくは0〜30℃で行われる。反応温度が50℃よりも高いと副反応が起こり、収率が低下することが懸念される。
該エステル化の反応時間は1〜48時間とすることが好ましく、より好ましくは2〜5時間である。反応時間が長すぎると酸無水物が加水分解してカルボン酸となることが懸念される。
該エステル化の圧力は特に限定されない。圧力が過度に低い場合には生産性の低下が懸念され、圧力が過度に高い場合には設備費の向上および副生成物の発生が懸念される。したがって、エステル化の圧力は0.1〜1.0MPaとすることが好ましく、0.1〜0.3MPaとすることがより好ましい。
該エステル化反応は、副反応の制御、沈殿の濾過工程を考慮すると、溶質濃度5〜50質量%の範囲で行われることが好ましく、15〜30質量%の範囲で行われることがより好ましい。
該エステル化反応に用いる脱酸剤は特に限定されないが、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の有機3級アミン、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
またエステル化反応により生成した沈殿物は主に脱酸剤に用いた塩酸塩である。例えば溶媒としてアセトニトリルを用いた場合、塩酸塩は溶媒に殆ど溶解するため、生成物を濾過するだけで、塩酸塩をほぼ完全に分離することができる。
通常、残留物を無水酢酸等で再結晶するだけで十分高い純度の目的物のフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物が得られるが、痕跡量の塩酸塩を分離除去するために、該目的物をクロロホルムや酢酸エチル等に再溶解し、有機層を水洗する方法や、沈殿物を単に水洗する方法を用いることも可能である。塩酸塩の除去は洗浄液を例えば1%硝酸銀水溶液を用いて塩化銀の白色沈殿の生成の有無をもって、容易に判断することができる。水洗操作の際、該フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物が一部加水分解を受けて、ジカルボン酸に変化するが、80〜250℃、好ましくは120〜200℃で真空乾燥することにより、テトラカルボン酸二無水物に戻すことができる。
また有機酸の酸無水物を添加して熱処理することにより、テトラカルボン酸二無水物に戻すことも可能である。有機酸の酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられるが、除去の容易さの点で無水酢酸が好適に用いられる。
一般式(1)の再結晶に使用可能な溶媒は特に限定されないが、無水酢酸、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ピコリン、ピリジン、アセトン、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エ−テル等の非プロトン性溶媒や酢酸のようなプロトン性溶媒が挙げられる。またこれらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。精製中の無水物の開環が懸念されることから無水酢酸と一緒に用いることが好ましく、2種類を併用する場合はN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
(2)テトラカルボン酸
一般式(2)で表される該フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸の製造方法は、特に限定されない。例えば、一般式(2)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸(本発明において、「テトラカルボン酸」と略称する場合もある。)は、一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物の加水分解により容易に製造できる。具体的には、該フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物、例えば、9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリット酸エステルのテトラカルボン酸二無水物をアセトニトリル等の水溶性溶媒に溶解し、これを、室温〜100℃に保持したpH7〜10の希アルカリ水溶液に攪拌しながら滴下する。生成した沈殿を濾別・水洗し、これをアセトニトリル等の水溶性溶媒に再溶解し、室温〜100℃に保持したpH3〜7の希酸性水溶液に攪拌しながら滴下する。生成した沈殿を濾別・水洗し、40〜100℃で真空乾燥することで目的の9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリット酸エステルのテトラカルボン酸が得られる。
(3)テトラカルボン酸誘導体
一般式(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸誘導体の製造方法は、特に限定されない。例えば、一般式(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸誘導体(本発明において、「テトラカルボン酸誘導体」と略称する場合もある。)は、一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物から容易に製造できる。具体的には、該フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物、例えば、9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリット酸エステルのテトラカルボン酸二無水物に過剰量の脱水アルコール類を加えて1〜12時間加熱還流することで定量的に9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリト酸エステルのテトラカルボン酸のジアルキルエステル、すなわち、フルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸のジアルキルエステルが得られる。該脱水アルコールとしては、該エステル化反応後の留去のしやすさの点からメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールが好適である。
次いで、得られたフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸のジアルキルエステルに過剰量の塩素化剤を加えて加熱し、カルボン酸部位を塩素化することで重合に供することのできる高純度の9H−フルオレン−9,9−ジメタノール類のトリメリット酸エステルのジカルボン酸ジクロリド、すなわち、本発明に係るテトラカルボン酸誘導体を定量的に製造することができる。
該塩素化反応後の塩素化剤除去が容易であるという点から、塩素化剤として塩化チオニルが好適に用いられる。塩化チオニルで塩素化を行う場合、反応を早めるためにN,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン等の触媒を添加することも可能である。さらに純度を高めるためにフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸のジカルボン酸ジクロリドを無極性溶媒を用いて再結晶することも可能である。再結晶溶媒としてn−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エーテル、クロロホルム等の低極性で不活性な溶媒、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
3.フルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体の製造方法
下記の一般式(4)(R、R、XおよびXの定義は一般式(1)と同じである。Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。構造単位Aは2価の芳香族あるいは脂環族基を表す。Rを含むエステル基およびRを含むエステル基は、それぞれ、アミド基に対してパラ位およびメタ位のいずれであってもよい。)で表される繰返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体(以下、「ポリエステルイミド前駆体」と略称する。)を製造する方法は特に限定されず、公知のポリイミド前駆体の製造方法を適用することができる。
Figure 0005636314
なお、ネガ型感光性ポリイミドを得る場合には、R3の部分に光反応性メタクリロイル基を有する、エステル結合をなす基またはイオン結合をなす基を導入してもよい。それぞれの基を以下に例示する。
Figure 0005636314
公知の方法によりポリエステルイミド前駆体を製造する場合には、アミド結合は、一般式(4)で表されるように、フルオレニル基に繋がるエステル基に対してパラ位をなすカルボニル基を含んで形成される場合とメタ位をなすカルボニル基を含んで形成される場合とが混在する。このため、得られたポリエステルイミド前駆体は、パラ−パラ体、メタ−メタ体およびメタ−パラ体の3種類の混合物として得られる。
ポリエステルイミド前駆体の具体的な製造方法として、次のような方法が例示される。
第一に、ジアミンを脱水した重合溶媒に溶解し、これに実質的に等モルの一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸二無水物の粉末を徐々に添加し、攪拌機を用い、室温で0.5〜100時間攪拌することにより、該ポリエステルイミド前駆体を製造することができる。モノマー濃度は5〜50質量%、好ましくは20〜35質量%とする。
第二に、一般式(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸誘導体の一つのジエステルジクロリド(一般式(3)において、XおよびXのいずれか一方がアルコキシ基、他方が塩素原子等のハロゲン原子であり、XおよびXのいずれか一方がアルコキシ基、他方が塩素原子等のハロゲン原子である場合に相当するものであって、以下、「テトラカルボン酸のジエステルジクロリド」と略称する。)とジアミンより公知の方法に従って低温溶液重合することによっても製造が可能である(非特許文献2参照。)。
具体的には、まずジアミンを重合溶媒に溶解した後、この溶液に脱酸剤として所要量のピリジンまたはトリエチルアミン等の3級アミン類を添加する。次にこの溶液にジアミンと実質的に等モル量の一般式(3)で表されるテトラカルボン酸のジエステルジクロリドを徐々に漆加し、攪拌機を用い、氷浴中ないし室温で0.5〜72時間攪拌することにより、ポリエステルイミド前駆体を製造することができる。モノマー濃度は5〜50質量%、好ましくは20〜35質量%である。
同様な重合反応は界面重合法でも行うことが可能である。すなわち、脱酸剤として塩基を溶解した水溶液にジアミンを溶解する。一方、トルエンやシクロヘキサン等の水に溶解しない無極性有機溶媒に一般式(3)で表されるテトラカルボン酸ジエステルジクロリドを溶解する。次いでこれら2つの溶液を混合し、攪拌機で激しく攪拌することによりポリエステルイミド前駆体を得ることも可能である。ジアミンとテトラカルボン酸ジエステルジクロリドの仕込量は等モルでなくてもよい。
第三に、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸誘導体の一つのジエステルヒドロキシド(一般式(3)において、XおよびXのいずれか一方がアルコキシ基、他方が水酸基であり、XおよびXのいずれか一方がアルコキシ基、他方が水酸基である場合に相当する。)と等モルのジアミンより、ピリジンの存在下、縮合剤としてジアミンと等モルの亜リン酸トリフェニルを用いて、直接重合してポリエステルイミド前駆体を製造することも可能である。また、縮合剤としてN,N一ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いても同様に直接重合可能である。
第四に、ポリエステルイミド前駆体は、公知の方法(例えば、非特許文献3)に従って、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物または一般式(3)で表されるジエステルジクロリドと、ジアミンのジシリル化物とを、前記と同様に低温溶液重合して得ることも可能である。
以下、好ましい具体例として、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて、ポリエステルイミド前駆体を製造する方法について述べる。
まずジアミンを重合溶媒に溶解し、これに一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に漆加し、攪拌機を用い、0〜100℃、好ましくは5〜40℃で、0.5〜100時間、好ましくは20〜30時間攪拌する。モノマー濃度は5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%である。このモノマー濃度範囲で重合することにより均一で高重合度のポリエステルイミド前駆体溶液を得ることができる。ポリエステルイミドの膜靭性の観点からポリエステルイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが好ましい。前記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリエステルイミド前駆体の重合度が充分高くならず、最終的に得られるポリエステルイミド膜が脆弱になることが懸念される。ジアミンとして脂環族ジアミンを用いた場合、前記範囲より高濃度のモノマー濃度では、形成された塩が溶解、消失するまでにより長い重合時間を必要とし、生産性の低下を招く恐れがある。
ポリエステルイミドまたはその前駆体の原料であるジアミン類は、ポリエステルイミド前駆体の重合反応性、ポリエステルイミドの要求特性を著しく損なわない範囲であれば、
特に限定されない。
芳香族ジアミンとしては、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、3,5−ジアミノベンヅトリフルオリド、2,5−ジアミノペンヅトリフルオリド、3,3’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルキル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジフェニル−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4一アミノテトラフルオロフエノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビナフチルアミン、o−、m−、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノジユレン、ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジアルキル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジメトキ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノペンズアニリド等が例示できる。これらを2種以上併用することもできる。
好ましい芳香族ジアミンは2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等である。
重合反応に使用される溶媒は、原料モノマーであるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類とジアミン類とが溶解できればよいので、その種類は特に限定されないが、プロトン性溶媒が好ましい。貝体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N一ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、∂−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフエノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が好ましく採用される。さらに、その他の一般的な有機溶剤、すなわちフェノール、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルプ、ブチルセロソルプ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルプアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒等も使用できる。
一般式(4)で表される繰返し単位を有するポリエステルイミド前駆体は、一般式(1)〜(3)で表されるテトラカルボン酸類とジアミン類とを重合して得た重合体のカルボン酸基を、必要に応じて変性して得ることができる。
該ポリエステルイミド前駆体は、そのGPC測定による重量平均分子量Mwが50×10〜400×10、好ましくは150×10〜400×10である。重量平均分子量が50×10未満であるとポリエステルイミド膜の靭性が著しく低下する恐れがある。
ポリエステルイミド前駆体の重合体溶液は、必要ならば、希釈して、次工程のポリエステルイミドの製造に供される。ポリエステルイミド前駆体の重合体溶液を大量の水やメタノール等の貧溶媒中に滴下し、得られた析出物を濾過・乾燥することにより、粉末として単離することもできる。
4.フルオレニル基含有ポリエステルイミドの製造方法
下記の一般式(5)(R、R、XおよびXの定義は一般式(1)と同じである。Rおよび構造単位Aの定義は一般式(4)と同じである。)は2価の芳香族あるいは脂環族基を表す。)で表される繰返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミドのGPC測定による重量平均分子量はMwが50×10〜400×10である。Mwが50×10未満であるとポリエステルイミド膜の靭性が著しく低下する恐れがある。
Figure 0005636314
該ポリエステルイミドを製造する方法は特に限定されず、上記の一般式(4)にて示されるポリイミド前駆体を環化反応(イミド化反応)する公知の方法により製造することができる。該環化反応は、ポリエステルイミド前駆体をフィルムまたは塗膜にしても、粉末または成型体にしても、また溶液にしても実施可能である。
まず、フルオレニル基含有ポリエステルイミド膜を製造する方法について述べる。
本発明のフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体溶液(ワニス)をピリジンやトリエチルアミン等の3級アミン存在下、無水酢酸などの脱水剤を含有する溶液に浸漬することによって可能である。ピリジンはポリエステルイミド前駆体1ユニットに対し2mol倍〜50mol倍、好ましくは10mol倍〜40mol倍である。無水酢酸はポリエステルイミド前駆体1ユニットに対し2mol倍〜50mol倍、好ましくは10mol倍〜30mol倍である。
温度は0〜70℃、好ましくは10〜30℃である。70℃以下で脱水環化を行うことでポリエステルイミド前駆体の解重合を抑えることができ、最終的に得られるポリエステルイミド膜は破断しないより可撓性のある膜となる。
また、本発明のポリエステルイミド前駆体溶液(ワニス)をそのまま、または同一の溶媒で適度に希釈した後、150〜200℃に加熱することにより、本発明のポリエステルイミド溶液(ワニス)を容易に製造することができる。この際、環化反応の副生成物である水等を共沸留去するために、トルエンやキシレン等を添加しても差し支えない。また触媒としてγ−ピコリン等の塩基を添加することができる。
得られたワニスを大量の水やメタノール等の貧溶媒中に滴下・濾過し、ポリエステルイ
ミドを粉末として単離することもできる。またポリエステルイミド粉末を前記重合溶媒に再溶解してポリエステルイミドワニスとすることができる。
該ポリエステルイミドワニスを基板に塗布し、40〜400℃、好ましくは100〜200℃で真空乾燥することによってもポリエステルイミド膜を形成することができる。
また、前記ポリエステルイミド粉末を200〜450℃、好ましくは250〜430℃で加熱圧縮することによりポリエステルイミド成型体を製造することができる。
ポリエステルイミドおよびポリエステルイミド前駆体には、必要に応じて酸化安定剤、フイラー、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤および増感剤等の添加物を加えることができる。
該環化反応は、化学処理に代えて、熱処理でも可能である。本発明のフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体溶液(ワニス)を、ガラス、鋼、アルミニウム、シリコン等の基板上に流延し、オーブン中40〜180℃、好ましくは50〜150℃で乾燥する。得られたポリエステルイミド前駆体膜を基板上で真空中、窒素等の不満性ガス中、あるいは空気中、200〜350℃、好ましくは250〜300℃で加熱して、環化反応によりポリエステルイミド膜を基板上に製造する。該加熱温度が250℃以下であるとイミド化の環化反応が不完全となることが懸念される。また350℃超であると生成したポリエステルイミド膜が着色したり一部熱分解したりするおそれがある。
本発明のポリエステルイミド前駆体の溶液にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドやトリフルオロ無水酢酸等の脱水剤を添加・攪拌して0〜100℃、好ましくは0〜60℃で反応させることにより、ポリエステルイミドの異性体であるポリイソイミドが生成する。該ポリイソイミド化は、前記脱水剤を含有する溶液中にポリエステルイミド前駆体膜を浸漬することによっても可能である。ポリイソイミド溶液(ワニス)を前記と同様な手順で製膜した後、250〜350℃、好ましくは270〜350℃で熱処理することにより、ポリエステルイミドに容易に変換することができる。
上記の一般式(5)で示されるポリエステルイミドは、上記の一般式(4)で示されるポリエステルイミド前駆体を用いて得てもよいが、他の方法により得てもよい。そのような他の方法の一例として、上記の一般式(1)から(3)に示されるテトラカルボン酸類(一種でもよいし、二種以上からなる混合体でもよい。)とジアミン類とを高沸点の有機溶媒中で180℃以上220℃以下の範囲で加熱して、テトラカルボン酸類とジアミン類との重合によるポリアミド酸の生成およびそのイミド化を一段階で行う方法が挙げられる。この高温溶液重合法では、イミド化の際に生成する水分を除去するために、ニトロベンゼン、ベンゾイトリルなどの芳香族溶媒や、フェノール、m−クレゾール、p−クロロフェノールのようなフェノール系溶媒を用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例により貝体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における、テトラカルボン酸類、ポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミドの構造の特定、およびそれらの物性測定は、次の方法により行った。
<1H−NMRスペクトル>
テトラカルボン酸類、ポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミドの分子構造を確認するために、NMR分光光度計(日本電子(株)、JNM−ECS400)を用いて、ジメチルスルホキシド−D6中で各構造の1H−プロトンNMRスペクトルを測定した。
<DI/MSスペクトル>
テトラカルボン酸類の分子量を確認するために、ガスクロマトグラフ質量分析計((株)島津製作所、GCMS−QP2010)を用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
<示差走査熱量分析(融点および融解曲線)>
テトラカルボン酸類の融点および融解曲線は、示差走査熱量分析装置((株)リガク、Thermoplus DSC8230)を用いて、窒素雰囲気中、昇温速度10℃/分で測定した。
<重量平均分子量Mw>
ポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミドの重量平均分子量を確認するために、ゲルパーミエーションクロマトグラム:GPC(日本分光(株)、Ic−2000)を用いて、次の条件で測定した。
カラム:Shodex GPC KD−806M +Shodex GPC KD−806M (計2本、いずれも昭和電工(株)製)、
溶離液:ジメチルホルムアミド(10mMの臭化リチウム+10mMリン酸)、
流量:0.6mL/min、
検出器:RI(示差屈折計)、
カラム温度:40℃。
校正曲線はポリエチレンオキサイド(ジーエルサイエンスジーエル(株)製)を使用しMwを算出した。
<ガラス転移温度:Tg>
温度変調示差走査熱量計(TA instruments、DSC2910型)を用いて、昇温速度2℃/分における変調温度に同期するシグナル(RevHeatFlow)と変調温度に同期しないシグナル(NonRevHeatFlow)の差から生じるピークからポリエステルイミドのガラス転移温度を求めた。
<光透過率(透明性)>
紫外可視分光光度計(日本分光社(株)、UV−1700)を用いて、ポリエステルイミド膜の400nmにおける光透過率を測定した。下記のランベルト−ベールの法則を用いて膜厚を補正した透過率I/Iとした。透過率が高い程、ポリエステルイミド膜の透明性が良好であることを意味する。
ランベールトベールの式:log(I/I)=αL
:透過前の光の強度
:透過後の光の強度
α:吸光係数
L:フィルムの膜厚
フィルム膜厚Lが20μmの場合における(またはLが20μm換算での)透過率が80%以上であるときに、そのフィルムは高透明性を備えるといえる。
(実施例1)
無水トリメリット酸クロライド22g(102mmol)とアセトニトリル63g(無水トリメリット酸クロライドの3.0重量倍)とを、還流冷却器、温度測定管および攪拌機を備えた500mlのガラス製反応容器に窒素雰囲気下仕込み、溶解して内温を10℃に冷却した。ついで、アセトニトリル30g(9H−フルオレン−9,9−ジメタノールの3.0重量倍)およびピリジン10g(無水トリメリット酸クロライドの1.2mol倍)からなる液体に9H−フルオレン−9,9−ジメタノール10g(44mmol)を溶解し、得られた溶液を、反応容器内のアセトニトリル溶液に内温を15℃以下に保ちながら15分かけて滴下ロートを用いて滴下した。滴下終了後、内温15℃〜25℃で2時間攪拌して得られた反応液中の固体生成物を濾過し、この固形物を酢酸35g、アセトニトリル15gの混合液で洗浄し更に5mmHgの減圧下、100℃で1時間乾燥して白色固体を得た。
この白色固体23gを酢酸85g、無水酢酸6g、DMF110gの混合体に添加し加熱溶解(120℃)したのち再結晶し、析出した結晶を濾過して、酢酸35g、無水酢酸15gの混合液で洗浄した。洗浄した結晶を5mmHgの減圧下、130℃で2時間乾燥して下記式(7)の構造を有する((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン)ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(本発明において、「TMMF」と略称される場合もある。)を15g、HPLC面百値97.1%で得た。無水トリメリット酸クロライド基準の収率は59%であった。
Figure 0005636314
得られたTMMFの1H−NMRスペクトル、DI/MSスペクトル、示差走査熱量曲線(DSC)を図1〜3にそれぞれ示した。
(実施例2)
<9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリト酸エステルのテトラカルボン酸二無水物を用いたポリエステルイミド前駆体の製造>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中で、2,2’−ビス(トリフロオロメチル)−4,4−ジアミノビフェニル(本発明において、「TFMB」と略称される場合もある。)3mmolをN,N−ジメチルアセトアミド6.3gに溶解し、得られた溶液に式(7)で表される(9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン)ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(TMMF)3mmolを除々に加え、室温で30時間攪拌しながら重合反応を行い、透明で粘稠なポリエステルイミド前駆体溶液を得た。このポリエステルイミド前駆体溶液にN,N−ジメチルアセトアミドを追加し、ポリエステルイミド前駆体の溶液中の質量濃度を20質量%にした。得られたポリエステルイミド前駆体のGPC測定による重量平均分子量は159×10であった。また、1H−NMRスペクトルを図4に示した。このNMRスペクトルから、得られたポリエステルイミド前駆体は、RおよびRがいずれもメチレン基であり、X、XおよびRはいずれも水素であることが確認された。
(実施例3)
<9H−フルオレン−9,9−ジメタノールのトリメリト酸エステルのテトラカルボン酸二無水物を用いたポリエステルイミドの製造>
実施例2により得られたポリエステルイミド前駆体の質量濃度が20質量%である溶液にピリジン30mmolを徐々に加え、続いて無水酢酸20mmolを除々に加え、室温で24時間攪拌しながら化学イミド化反応を行い微黄色のポリエステルイミド溶液を得た。このポリエステルイミド溶液をホモジナイザーで攪拌された1Lのメタノール中に滴下を行い、得られた析出物をろ過・乾燥することにより粉末化した。この粉末を200℃の真空乾燥機で5時間乾燥することにより、ポリエステルイミド1.86gを得た。得られたポリエステルイミド前駆体のGPC測定による重量平均分子量は179×10であった。
得られたポリエステルイミドの粉末にN,N−ジメチルアセトアミドを加えてポリエステルイミドの20質量%溶液に調整した。この溶液をバーコーターを用いてガラス基板に塗布し、60℃で1時間、150℃で1時間、250℃で2時間真空乾燥を行い、膜厚25〜35μmの可撓性のあるポリエステルイミド膜を得た。該ポリエステルイミド膜の1H−NMRスペクトルを図5に示した。
得られた膜は180℃折り曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。
膜物性は、ガラス転移温度(Tg)が188℃、20μmに補正した400nmにおける透過率(T)は81%であった。いずれも特許文献3の実施例に開示される、エステル結合が芳香環で結合したフルオレン含有酸二無水物とTFMBとをモノマーとするポリイミドから得られるフィルムの20μm厚換算の透過率(44%)、およびこのポリイミドにおいてジアミンが脂環ジアミンCHDAである場合のフィルムの20μm厚換算の透過率(70%)に比べて、透明性が高いポリイミド得られた。また試験管に各種溶媒を1mL入れ、実施例3のポリエステルイミド膜20mgを入れ、溶解性を試験した。加熱が必要な場合、テトラヒドロフランは60℃、その他は100℃に加熱した。表1に結果を示した。各種有機溶媒に対し高い溶解性を示した。
Figure 0005636314
表1における略号および記号の意味は次のとおりである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
++:室温で速やかに溶解
+:加熱溶解後、室温に冷却しても均一性保持
±:加熱溶解後、室温に冷却すると沈殿生成またはゲル化
−:不溶
本発明のポリエステルイミドは高透明性、高有機溶媒溶解性を有するため、各種デバイスにおけるディスプレイ材料、LED部材や太陽電池部材等に利用できる。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(1)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸無水物。
    Figure 0005636314
    上記式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。
  2. 下記の一般式(2)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸。
    Figure 0005636314
    上記式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。
  3. 下記の一般式(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸誘導体。
    Figure 0005636314
    上記式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。Y〜Yは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素原子1〜12の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲン基を表す。
  4. GPC測定による重量平均分子量Mwが50×10以上400×10以下であって、下記の一般式(4)で表される反復単位を含有することを特徴とするポリエステルイミド前駆体。
    Figure 0005636314
    上記式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。構造単位Aは2価の芳香族基を表す。Rを含むエステル基およびRを含むエステル基は、それぞれ、アミド基に対してパラ位およびメタ位のいずれであってもよい。
  5. GPC測定による重量平均分子量Mwが50×10以上400×10以下であって、下記の一般式(5)で表される繰り返し単位を有するフルオレニル基含有ポリエステルイミド。
    Figure 0005636314
    式中、RおよびRは、同一または互いに異なっており、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12の脂環族基を表し、アルキル基または脂環族基を構成する一つ以上の水素がハロゲン原子で置換されていてもよい。XおよびXは、同一または互いに異なっており、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基またはニトリル基を表す。構造単位Aは2価の芳香族基を表す。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載される一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類と、ジアミン類とを溶媒中で重合することを特徴とする請求項4に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体の製造方法。
  7. 請求項4に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミド前駆体を、加熱し、または脱水剤を用いて、環化反応によりイミド化することを特徴とする請求項5に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミドの製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載される一般式(1)〜(3)で表されるフルオレニル基およびエステル基を含有するテトラカルボン酸類とジアミン類とを、溶媒中180℃以上220℃以下で重合することを特徴とする請求項5に記載されるフルオレニル基含有ポリエステルイミドの製造方法。
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