JP7250459B2 - ポリイミド、ワニス及びポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミド、ワニス及びポリイミドフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド、ポリイミドを含むワニス及びポリイミドフィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイ、有機電界発光(EL)ディスプレイ(OLED)、電子ペーパー等各種画像表示装置の更なる薄型化、軽量化及びフレキシブル化の要求が益々高まっているが、これに対応するために現在、これらの画像表示装置に使用されている重く且つ脆弱な無機ガラス基板をより軽量で柔軟なプラスチック基板に置き換える検討が行われている。画像表示装置の製造工程において、複数の高温プロセスが存在するために、樹脂材料をプラスチック基板に適用するには十分な耐熱性が不可欠である。
現在、ポリフェニレンオキシド、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルスルフォン等の透明スーパーエンジニアリングプラスチックが市販されているが、これらのうち最も耐熱性の高いポリエーテルスルフォンでさえも、上記プラスチック基板に適用するには耐熱性(ガラス転移温度:Tg)が十分ではない。
一方、全芳香族ポリイミドは、現存する樹脂材料の中で最高の耐熱性を有しており、更に最高ランクの難燃性や優れた機械的特性も有するため、現在エレクトロニクス分野を中心に様々な用途の電気絶縁部材に利用されている。
しかしながら、全芳香族ポリイミドは、分子内及び分子間電荷移動相互作用により強く着色している(例えば非特許文献1参照)。そのため、画像表示装置において光源からの光が基板(現行では無色透明なガラス基板)を通過する配置をとる方式、即ち、液晶ディスプレイやボトムエミッション型OLED等の画像表示装置では、従来の全芳香族ポリイミドフィルムをそのままプラスチック基板として使用することは不可である。
上記の問題を解決すると期待される材料として、透明ポリイミドが検討されている。従来の全芳香族ポリイミドでは、モノマーとしてテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの両方に芳香族モノマーを使用するのに対して、これらのモノマーのうちいずれか一方又は両方を脂肪族(耐熱性の観点から通常、脂環式)モノマーとすることで、電荷移動相互作用を妨害して、無色透明なポリイミドフィルムを得ることができる(例えば非特許文献1参照)。具体的には、ジアミンをアミド系溶媒に溶かしおき、この溶液に、ジアミンと等モルのテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に加え、室温で攪拌することで重合させてポリイミド前駆体(ポリアミド酸と称する)を得て、そのワニスを基板上に塗布・乾燥後、350℃以上の高温で熱処理(脱水閉環反応又は熱イミド化反応と称する)する方法である。
しかしながら、脂肪族(通常、脂環式)ジアミンを使用し、これと芳香族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせる系では、ポリアミド酸の重付加反応の際に、アミド系溶媒に不溶な塩が生成して、重付加反応が事実上停止するか、塩が溶解するまでに非常に長い反応時間が必要になるといった問題が生じる(例えば非特許文献2参照)。
一方、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを組み合わせることで、上記のような重合時の問題を回避することができる。工業的に生産されている脂環式テトラカルボン酸二無水物はそれほど多様ではないが、例えば下記式(4)~(9):
Figure 0007250459000001

Figure 0007250459000002

Figure 0007250459000003

Figure 0007250459000004

Figure 0007250459000005

Figure 0007250459000006

で表されるものがある。しかしながら、これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物の多くは、芳香族ジアミンとの重合反応性が不十分であり、十分に高分子量のポリアミド酸がしばしば得られない。
また、プラスチック基板の要求特性として、耐熱性に加え、画像表示装置製造時の熱サイクルに対して寸法変化ができるだけ抑制されていること(以後、熱寸法安定性と称する)も近年重要視されている。プラスチック基板の熱寸法安定性が低い場合、画像表示装置の製造工程における様々な熱サイクルの際に、プラスチック基板が大きく熱膨張-収縮を繰り返すことになり、これにより蓄積された応力が原因で金属層等異種接合界面における接着不良、剥離、透明電極の破断、電子部品の位置ずれ等の不具合が起こるおそれがある。
プラスチック基板の高い熱寸法安定性を広い温度範囲に渡って確保するためには、ガラス転移温度(Tg)をできるだけ高くするのに加え、フィルム面方向(XY方向)の線熱膨張係数(以下CTEと称する)をできるだけゼロに近づければよい。
ポリイミドフィルムのCTEを低減するためには、ポリイミド主鎖がXY方向へ高度に分子配向(以下、面内配向と称する)する必要があり、そのためには、ポリイミド主鎖の直線性が保持される剛直なモノマーを選択する必要がある(例えば非特許文献3参照)。
現在、工業的に生産されている脂環式テトラカルボン酸二無水物の多くは、非直性状の立体構造に由来して、低CTEを有するポリイミドフィルムを与えない。十分な重合反応性に加えて、ポリイミドフィルムとした際に、低熱膨張特性の発現に有利な剛直構造を有する脂環式テトラカルボン酸二無水物は、下記式(9):
Figure 0007250459000007

で表される1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(以下、CBDAと称する)にほぼ限定される(例えば非特許文献4参照)。
例えば、CBDAと下記式(10):
Figure 0007250459000008

で表される2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下TFMBと称する)より得られ、下記式(11):
Figure 0007250459000009

で表される繰り返し単位を有するポリイミドは、高い透明性と比較的低いCTEを示すことが知られている(例えば非特許文献5参照)。しかしながら、このポリイミドは有機溶媒に不溶でそれ自身は溶液加工性を持たないため、通常の製膜方法即ち、アミド系溶媒中でポリアミド酸を重合後、得られたポリアミド酸の溶液をキャスト製膜しておき、これを330℃以上の高温で熱イミド化する方法(二段階法)でのみ、製膜可能である。
しかしながら、上記のように脂環構造を有するポリイミドでは、熱イミド化温度が高すぎると、しばしばフィルムが着色するため、透明性を確保するという観点から、より低温で製膜することが好ましい。もし、ポリイミド自身が溶媒に高い溶解性を示す場合は、ポリイミドワニスを基板上に塗布し、熱イミド化温度よりずっと低い温度、例えば、200~250℃で乾燥して溶媒を蒸発させるだけで、ポリイミドフィルムが得られるため、フィルムが着色するリスクを低減することができる。
ポリイミド自身が高い溶媒溶解性を有する場合、更なる利点がある。即ち、重付加反応により得られた高分子量のポリアミド酸の溶液に、例えば無水酢酸とピリジンの混合物からなる過剰量の脱水閉環試薬(以下、化学イミド化剤と称する)を滴下して室温で攪拌することで、均一溶液中でイミド化を完結する化学イミド化法を適用することができる。反応後、混合溶液を大量の貧溶媒中に滴下してポリイミドをとして析出させ、これを濾過、洗浄及び乾燥して単離したポリイミドの繊維状粉末を溶媒に再溶解して、ポリイミドワニスとし、これを基板上に塗布・乾燥することで、ポリイミドフィルムのCTEを熱イミド化した場合よりも低減する技術が開示されている(例えば非特許文献6参照)。
上記のように、ポリイミド主鎖の高い直線性を維持したまま、溶液加工性を付与することができれば、従来の二段階法で作製したものよりも高い透明性及び低いCTEを有するポリイミドフィルムが得られると期待される。しかしながら、元来溶媒に不溶なポリイミドに溶媒溶解性を付与するためには、一般にポリイミドの分子構造中に大きく折れ曲がった構造単位や嵩高い側鎖を導入して、分子間力を大幅に低減する必要がある(例えば非特許文献7参照)。しかしながらこの方法は、好ましくない影響、即ち、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)の低下やCTEの増大を招くため、従来の分子設計指針に従う限り、ポリイミドの高い物理的耐熱性(高いTg)、優れた熱寸法安定性(低いCTE)及び優れた溶液加工性を同時に実現することは原理的に極めて難しい。
優れた溶液加工性、即ち、室温で高固形分濃度の安定なワニスを与え、温和な条件で塗工・乾燥するだけで、高い耐熱性、優れた透明性及び良好な熱寸法安定性を示すポリイミドを得ることができれば、当該技術分野において従来にない極めて有益な材料、特にプラスチック基板材料を提供しうるが、そのような樹脂材料は知られていない。
Progress in Polymer Science,26,259-335(2001). High Performance Polymers,19,175-193(2007) Macromolecules,29,7897-7909(1996). High Performance Polymers,15,47-64(2003). Polymer International,63,486-500(2014). Eur.Polym.J.,49,3657-3672(2013).
本発明は、優れた溶液加工性、高い物理的耐熱性(高いTg)、優れた透明性及び良好な寸法安定性を兼ね備えたポリイミドを提供することを目的とする。また、本発明は、上記ポリイミドを含むワニス、及び、上記ポリイミドを含む耐熱性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の繰り返し単位を有するポリイミドが、優れた溶液加工性、高い耐熱性、優れた透明性及び良好な寸法安定性を同時に実現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下に示すものである。
[1]下記式(1)で表される第一の繰り返し単位及び下記式(2)で表される第二の繰り返し単位を含有する、ポリイミド。
Figure 0007250459000010

Figure 0007250459000011

[式(1)及び(2)中、Xは2価の基を示し、前記ポリイミド中の前記Xの少なくとも一部が下記式(3)で表される含フッ素基である。]
Figure 0007250459000012

[2]前記ポリイミド中の前記Xのうち、50mol%以上が前記含フッ素基である、[1]に記載のポリイミド。
[3]前記第一の繰り返し単位の含有率が、前記第一の繰り返し単位及び前記第二の繰り返し単位の合計量を基準として、40~95mol%である、[1]又は[2]に記載のポリイミド。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のポリイミドと、溶媒と、を含有し、前記ポリイミドの含有率が5質量%以上である、ワニス。
[5][1]~[3]のいずれかに記載のポリイミドを含む、ポリイミドフィルム。
[6]100~200℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30ppm/K以下であり、ガラス転移温度が300℃以上であり、波長400nmの光に対する光透過率が70%以上である、[5]に記載のポリイミドフィルム。
本発明によれば、優れた溶液加工性、高い物理的耐熱性(高いTg)、優れた透明性及び良好な寸法安定性を兼ね備えたポリイミドが提供される。また、本発明は、上記ポリイミドを含むワニス、及び、上記ポリイミドを含む耐熱性フィルムが提供される。
実施例1のポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るポリイミドは、下記式(1)で表される第一の繰り返し単位及び下記式(2)で表される第二の繰り返し単位を含有する。
Figure 0007250459000013

Figure 0007250459000014
式(1)及び(2)中、Xは2価の基を示し、ポリイミド中のXの少なくとも一部は下記式(3)で表される含フッ素基である。
Figure 0007250459000015
まず、従来のポリイミドに関して説明すると、CBDAとTFMBより得られ、上述の式(11)で表される繰り返し単位を有するポリイミドは、アミド系溶媒中でポリアミド酸を重合後、この溶液を基板上に塗布・乾燥して製膜しておき、これを熱イミド化する工程(二段階法)でのみ製膜できる。ポリイミドのワニスを得る目的で、このポリアミド酸溶液中に化学イミド化剤を加えて室温で攪拌する方法(以下、化学イミド化法と称する)を行うと、生成したポリイミドが一部析出して、反応溶液が不均一となり、透明なポリイミドフィルムを製膜できなくなる。また、ポリアミド酸溶液を180℃以上で加熱・還流してイミド化する工程(以下、溶液還流イミド化法と称する)を行った場合も同様に、反応溶液が不均一となってしまう。このため、式(11)のポリイミドでは、室温で均一なポリイミドワニスを得ることは困難である。これは、式(11)のポリイミドの溶解性が乏しいためである。
これに対して、本実施形態に係るポリイミドは、式(1)で表される第一の繰り返し単位によって、優れた透明性、高い物理的耐熱性(高いTg)及び良好な寸法安定性(低熱膨張特性)が得られている。また、本実施形態に係るポリイミドは、式(2)で表される第二の繰り返し単位によって、ポリイミド主鎖の折れ曲がり構造と嵩高いトリフルオロメチル基とが導入されてポリイミドの分子間力が低下し、溶媒に対する高い溶解性が得られている。
なお、第二の繰り返し単位のような折れ曲がり構造が導入されると、通常は、熱寸法安定性が悪化すると予想される。例えば、上述の式(11)で表される繰り返し単位と第二の繰り返し単位とを組み合わせてポリイミドを形成した場合、第二の繰り返し単位の割合を増加させると、CTEが大きく増加し、熱寸法安定性が著しく悪化してしまう。これに対して、本実施形態では、第一の繰り返し単位と第二の繰り返し単位とを組み合わせることで、CTEの増加を抑制し、熱寸法安定性を維持したまま、優れた溶液加工性が得られている。
第一の繰り返し単位は、式(12)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物(ビノルボルナンテトラカルボン酸二無水物、以下、BNBDAと称する)と、ジアミンと、から形成される繰り返し単位ということができる。
Figure 0007250459000016
第二の繰り返し単位は、式(13)で表される2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(以下、6FDAと称する)と、ジアミンと、から形成される繰り返し単位ということができる。
Figure 0007250459000017
ポリイミド中のXは、2価の官能基ということができる。ポリイミド中にXは複数存在し、Xの少なくとも一部は、上記式(3)で表される含フッ素基である。すなわち、ポリイミドは、式(12)で表される化合物及び式(13)で表される化合物を含むテトラカルボン酸二無水物モノマーと、下記式(14)で表される化合物を含むジアミンモノマーと、の共重合体ということができる。
Figure 0007250459000018
本実施形態では、2価の官能基であるXのうち、50mol%以上が、式(3)で表される含フッ素基であることが好ましい。式(3)で表される含フッ素基の含有率は、Xの合計に対して60mol%以上がより好ましく、70mol%以上が更に好ましい。すなわち、上述のジアミンモノマー中の式(14)で表される化合物の含有率は、ジアミンモノマーの合計に対して50mol%以上が好ましく、60mol%以上がより好ましく、70mol%以上が更に好ましい。
第一の繰り返し単位及び第二の繰り返し単位の含有量比は特に限定されない。第一の繰り返し単位の含有率は、第一の繰り返し単位及び第二の繰り返し単位の合計量を基準として、例えば40mol%以上が好ましく、より好ましくは50mol%以上、更に好ましくは60mol%以上である。第一の繰り返し単位の含有率を大きくすることで、寸法安定性がより良好になる傾向がある。また、第一の繰り返し単位の含有率は、第一の繰り返し単位及び第二の繰り返し単位の合計量を基準として、例えば95mol%以下が好ましく、より好ましくは90mol%以下、更に好ましくは80mol%以下である。第一の繰り返し単位の含有率を小さくすることで、ポリイミドの溶剤可溶性がより向上する傾向がある。
すなわち、上述のテトラカルボン酸二無水物モノマーにおいて、式(12)で表される化合物及び式(13)で表される化合物の合計に対する式(12)で表される化合物の含有率は、40mol%以上が好ましく、50mol%以上がより好ましく、60mol%以上が更に好ましい。また、上記式(12)で表される化合物の含有率は、95mol%以下が好ましく、90mol%以下がより好ましく、80mol%以下が更に好ましい。
ポリイミドは、第一の繰り返し単位及び第二の繰り返し単位を主な構成要素としていることが好ましい。すなわち、上述のテトラカルボン酸二無水物モノマーは、式(12)で表される化合物及び式(13)で表される化合物を主な成分としていることが好ましい。
ポリイミドにおいて、第一の繰り返し単位及び第二の繰り返し単位の合計含有量は、ポリイミドの総量基準で、例えば70質量%以上であってよく、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
上述のテトラカルボン酸二無水物モノマーにおいて、式(12)で表される化合物及び式(13)で表される化合物の合計含有量は、テトラカルボン酸二無水物モノマーの全量基準で、例えば70mol%以上であってよく、好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上である。
本実施形態に係るポリイミドを、濃度0.5質量%のN,N-ジメチルアセトアミド溶液としたとき、当該溶液の30℃における還元粘度は、0.5dL/g以上であることが好ましい。このようなポリイミドは、高い分子量を有しているといえる。上記還元粘度は、0.8dL/g以上であることがより好ましく、1.0dL/g以上であることが更に好ましい。
本実施形態に係るポリイミドの使用可能な形態として、ポリイミド溶液(ワニス)、ポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムと各種基板との積層体、粉末、溶融成型体等が挙げられる。
本実施形態に係るポリイミドで構成されたポリイミドフィルムは、例えば、100~200℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30ppm/K以下である。また、ポリイミドフィルムのガラス転移温度は、例えば300℃以上である。また、ポリイミドフィルムの波長400nmの光に対する光透過率は、例えば70%以上である。このようなポリイミドフィルムは、上述のプラスチック基板等の用途に好適に用いることができる。
<ポリイミドの製造方法>
本実施形態に係るポリイミドは、式(12)で表される化合物(BNBDA)及び式(13)で表される化合物(6FDA)を含むテトラカルボン酸二無水物モノマーと、式(14)で表される化合物(TFMB)を含むジアミンモノマーと、の共重合によって得ることができる。
本実施形態に係るポリイミドは、溶媒溶解性に優れるため、イミド化方法の制約がなく、二段階法に加え、化学イミド化法、溶液還流イミド化法等の方法も適用可能である。二段階法及び化学イミド化法では、第一段階として、テトラカルボン酸二無水物モノマーとジアミンモノマーとの共重合によりポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を形成する。以下に、まず、ポリイミド前駆体の製造方法について説明する。
ポリイミド前駆体の製造方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、以下に例示する方法により得られる。
まず、ジアミンモノマーを溶媒に溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物モノマーの粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラー又はマグネチックスターラーを用い、0~100℃(好ましくは20~60℃)で0.5~100時間(好ましくは1~100時間)撹拌する。重合反応の際、モノマー濃度(反応溶液中のジアミンモノマー及びテトラカルボン酸二無水物モノマーの合計量)は、5~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。このようなモノマー濃度とすることで、より均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液が得られやすくなる。なお、ポリイミド前駆体の重合度が増加しすぎて、反応溶液が撹拌しにくくなった場合は、適宜、溶媒(好ましくは同一溶媒)で希釈することもできる。
ポリイミド前駆体を重合する際の反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、TFMBと他の芳香族ジアミンを併用して共重合することができる。その際使用可能な芳香族ジアミンとしては特に限定されないが、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノキシレン、2,4-ジアミノデュレン、4,4’-メチレンジアニリン、4,4’-メチレンビス(3-メチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(3-エチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2-メチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2-エチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(3,5-ジメチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(3,5-ジエチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODAと称する)、3,4’-オキシジアニリン(3,4’-ODAと称する)、3,3’-オキシジアニリン、2,4’-オキシジアニリン、2,2’-オキシジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、o-トリジン、m-トリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p-ターフェニレンジアミン等が例として挙げられる。これらを2種類以上組み合わせて使用することもできる。
ポリイミド前駆体を重合する際の反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、TFMBと他の脂肪族ジアミンを併用して共重合することができる。その際使用可能な脂肪族ジアミンとしては特に特に限定されないが、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3-エチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3,5-ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3,5-ジエチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス-1,4-シクロヘキサンジアミン、シス-1,4-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8-ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3-ジアミノアダマンタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-プロパンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン等が挙げられる。これらを2種類以上組み合わせて使用することもできる。
要求特性の観点から、本実施形態では、全ジアミンモノマーのうち、TFMBの含有率は50mol%以上が好ましく、より好ましくは60mol%以上、更に好ましくは70mol%以上である。
ポリイミド前駆体を重合する際の反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、BNBDA及び6FDAの他に、脂肪族テトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。使用可能な脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらを2種類以上組み合わせて使用することもできる。
その際、BNBDA及び6FDA以外の脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有率は、全テトラカルボン酸二無水物モノマーのうち、0~30mol%の範囲であることが好ましい。
また、ポリイミド前駆体を重合する際の反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、BNBDA及び6FDAの他に、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。使用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、ハイドロキノンビス(トリメリテートアンハイドライド)、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。
要求特性の観点から、本実施形態では、全テトラカルボン酸二無水物モノマーのうち、BNBDA及び6FDAの合計含有率は70mol%以上が好ましく、より好ましくは80mol%以上、更に好ましくは90mol%以上である。
ポリイミド前駆体を重合する際の溶媒は、モノマー及び生成するポリイミド前駆体を溶解し、これらと反応しなければよく、特に限定されない。使用可能な溶媒として例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン(以下、NMPと称する)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒、スルホラン、ジメチルスルホキシド等のスルホン系溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m-クレゾール、p-クレゾール等のフェノール系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、ポリイミド前駆体を重合する際、全テトラカルボン酸二無水物モノマーと全ジアミンモノマーの仕込み比(モル比)は、通常、全テトラカルボン酸二無水物モノマー:全ジアミンモノマー=0.9:1~1:0.9の範囲であるが、ポリイミド前駆体の重合度をできるだけ高くするという観点から0.95:1~1:0.95の範囲であることがより好ましい。
ポリイミドフィルムの靭性及び前駆体ワニスのハンドリングの観点から、ポリイミド前駆体の固有粘度は、好ましくは0.3~10.0dL/gの範囲であり、0.5~5.0dL/gの範囲であることがより好ましい。
ポリイミド前駆体の溶液を、大量の水やメタノール等の貧溶媒中に滴下して析出させ、これを濾過、洗浄及び乾燥し、ポリイミド前駆体を粉末として単離することもできる。
本実施形態に係るポリイミドは、上記の方法で得られたポリイミド前駆体の脱水閉環反応(イミド化反応)により、製造することができる。本実施形態に係るポリイミドの使用可能な形態として、ポリイミド溶液(ワニス)、ポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムと各種基板との積層体、粉末、溶融成型体等が挙げられる。
まず熱イミド化反応を経由するポリイミドの製膜方法について説明する。ポリイミド前駆体の溶液を無機ガラス、銅、アルミニウム、ステンレス又はシリコン製の基板上に流延し、熱風循環乾燥器中40~150℃(好ましくは50~120℃)で乾燥し、ポリイミド前駆体フィルムを形成する。これを基板上で真空中又は窒素等の不活性ガス雰囲気中、200~400℃(好ましくは250~350℃)で加熱し熱イミド化反応させることで、ポリイミドフィルムが得られる。熱イミド化反応は真空中又は不活性ガス中で行うことが望ましいが、光学特性等の要求特性を損なわない温度範囲であれば、空気中でイミド化してもよい。
本実施形態に係るポリイミドは、優れた溶媒溶解性を有するため、まずポリイミド前駆体の溶液をそのまま、あるいは同一の溶媒で適度に希釈した後、溶媒の沸点にもよるが、例えば150~200℃に加熱・還流することで、均一なポリイミドワニスを得ることができる。この際、イミド化反応の副生成物である水を共沸留去するために、トルエンやキシレン等を添加してもよい。またイミド化触媒としてγ-ピコリン、1-エチルピペリジン等の塩基を添加することもできる。更に、得られた均一なポリイミドワニスを水やメタノール等の貧溶媒中に滴下して析出させ、濾過、洗浄及び乾燥してポリイミドを粉末として単離することもできる。また得られたポリイミド粉末を所望する溶媒に再溶解してもよい。
本実施形態に係るポリイミドは、優れた溶媒溶解性を有するため、テトラカルボン酸二無水物モノマーとジアミンモノマーとを溶媒中、高温で反応させることにより、ポリイミド前駆体段階で反応を止めることなしに、一段階で重合する方法(ワンポット重合又は溶液還流イミド化法と称する)により均一なポリイミドワニスを得ることができる。この際、反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常150~250℃の範囲である。その際、上記と同様な共沸剤やイミド化触媒を使用することができる。
上記のワンポット重合又は溶液還流イミド化の際に使用可能な溶媒は特に限定さないが、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等の非プロトン性溶媒が挙げられ、これらのうち、γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒やNMP等のアミド系溶媒が特に好適に用いられる。
本実施形態では、ポリイミドワニスを基板上に塗布し、40~400℃、好ましくは100~350℃で乾燥するによっても、ポリイミドフィルムを形成することができる。
本実施形態に係るポリイミドは、優れた溶媒溶解性を有しているため、ポリイミド前駆体ワニスを同一溶媒で適宜希釈し、攪拌しながら塩基及び脱水縮合剤の混合物からなる脱水環化剤(化学イミド化剤)をゆっくりと添加し、20~100℃で2~24時間撹拌することで、反応溶液の均一性を確保しながらイミド化(以下化学イミド化と称する)を完結することができる。
化学イミド化剤中の塩基としては有機3級アミンが使用可能であり、特に限定されないが、例えばピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が用いられる。毒性やコストの観点からピリジンが好適に使用される。
化学イミド化剤中の脱水縮合剤としては、特に限定されず、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸等の酸無水物が使用可能であるが、除去の容易さや経済性の観点から無水酢酸が好適に用いられる。
化学イミド化剤中の脱水縮合剤と塩基の混合比は特に限定されず、脱水縮合剤の質量を1とすると、塩基の質量は、例えば0.1~5の範囲であってよく、好ましくは0.3~2の範囲である。
化学イミド化剤は、その中に含まれる脱水縮合剤がポリイミド前駆体中のカルボキシル基量、すなわち理論脱水量(モル)の、1~20倍量の範囲になるように添加してよい。化学イミド化剤の添加量が少ない程、イミド化反応速度が低下するため、イミド化の完結に長時間を要することになる。一方、化学イミド化剤の添加量が多すぎると、反応溶液中の溶媒が溶解力を失い、反応溶液の均一性が保持できなくなる恐れがある。この観点から、脱水縮合剤は理論脱水量(モル)の3~10倍量の範囲であることが好ましい。
化学イミド化反応の完結は、化学イミド化後の反応溶液からポリイミドを粉末として単離したものを重水素化溶媒に溶解してH-NMRスペクトルを測定し、ポリイミド前駆体由来のアミド基(NHCO)のプロトンピークやカルボキシル基(COOH)のプロトンピークの完全な消失より確認することができる。またポリイミド薄膜を作製するか、ポリイミド粉末を用いてKBr法により赤外線吸収スペクトルを測定し、例えばポリイミド前駆体由来のアミドC=O伸縮振動吸収帯の完全な消失とイミドC=O伸縮振動吸収帯の出現からも化学イミド化の完結を確認することができる。
化学イミド化剤を添加して得られた均一なポリイミドワニスをそのまま製膜工程に使用することもできるが、再沈殿・洗浄・再溶解操作を行い、化学イミド化剤をあらかじめ除去したワニスを用いてもよい。その場合、化学イミド化反応終了後、反応溶液を適宜同一溶媒で希釈し、大量の沈殿例えば水、メタノール、エタノール、プロパノールやこれらの混合溶液中にゆっくりと滴下してポリイミドを析出させ、濾過、洗浄及び乾燥してポリイミド粉末として単離し、これを5~40質量%の固形分濃度で溶媒に再溶解してポリイミドワニスを得ることができる。再溶解にはポリイミド前駆体の重合溶媒と同一なものが使用可能である。本実施形態に係るポリイミドの粉末は溶解性が高いため、室温で再溶解可能であるが、場合によっては40~200℃で1分~12時間加熱してもよい。
ポリイミド前駆体溶液中にN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミドやトリフルオロ無水酢酸等の脱水試薬を添加・撹拌して0~100℃、好ましくは0~60℃で反応させることにより、ポリイミドの異性体であるポリイソイミドへ変換することができる。ポリイソイミドはポリイミドよりも溶媒溶解性に優れるため、固形分濃を高くするのに適している。ポリイソイミドワニスを上記と同様な手順で製膜した後、250~450℃、好ましくは270~400℃で熱処理することにより、熱力学的により安定なポリイミドへ容易に変換することができる。
上記のように得られたポリイミド粉末を200~450℃、好ましくは250~400℃で加熱圧縮することでポリイミドの成型体を作製することもできる。
ポリイミドフィルムの要求特性を損なわない範囲で、上記のようにして得られたポリイミド前駆体ワニス又はポリイミドワニスに無機フィラー、接着促進剤、剥離剤、難燃剤、紫外線安定剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、架橋剤、重合開始剤、感光剤等各種添加剤を添加してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における物性値は、以下の方法により測定した。
〔物性評価〕
<赤外線吸収スペクトル>
フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製FT-IR4100)を用い、透過法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定した。
H-NMRスペクトル>
日本電子社製NMR分光光度計(ECP400)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)を溶媒として、ポリイミドのH-NMRスペクトルを測定した。
<固有粘度>
ポリイミドの粉末をN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、又はポリイミド前駆体ワニスを希釈して0.5質量%のDMAc溶液とし、オストワルド粘度計を用いて30℃で還元粘度(ηred)を測定した。この値は実質的に固有粘度と見なすことができ、この値が高い程分子量が高いことを表す。
<ゲル浸透クロマトグラフィー>
ポリイミドのポリスチレン換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶出溶媒とし、1mL/分の溶出速度でGPCカラム(Shodex,KF-806L)及び紫外-可視検出器(検出波長:300nm、Jasco,UV-2075)を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィー(Jasco,LC-2000 Plus HPLC system)により測定した。
<ガラス転移温度(T)>
ネッチジャパン社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失エネルギー曲線のピーク温度からポリイミドフィルム(膜厚約20μm)のガラス転移温度(T)を求めた。Tが高いほど、物理的耐熱性が高いことを表す。
<線熱膨張係数(CTE)>
ネッチジャパン社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100~200℃の範囲での平均値としてポリイミドフィルム(膜厚約20μm)のCTEを求めた。この値が低い程、熱寸法安定性に優れていることを表す。
<5%重量減少温度(T )>
ネッチジャパン社製熱重量分析装置(TG-DTA2000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミドフィルム(膜厚約20μm)の初期重量が5%減少した時の温度を測定した。T の値が高いほど、熱安定性が高いことを表す。
<機械的特性(弾性率、破断伸び、破断強度)>
A&D社製引張試験機(テンシロンUTM-2)を用いて、ポリイミド試験片(3mm×30mm×膜厚約20μm)について引張試験(延伸速度:8mm/分)を実施し、応力―歪曲線の初期の勾配から弾性率(E)を、フィルムが破断時の伸びから破断伸び(ε)、破断時の応力から破断強度(σ)を求めた。破断伸びが高いほどフィルムの靭性が高いことを意味する。
<ポリイミドフィルムの透明性:光透過率、黄色度指数、ヘイズ>
ポリイミドフィルムの透明性は以下の光学特性から評価した。日本分光社製紫外-可視分光光度計(V-530)を用いて波長200~800nmの範囲でポリイミドフィルム(膜厚約20μm)の光透過率曲線を測定し、波長400nmにおける光透過率を求めた。またこのスペクトルを基に、日本分光社製色彩計算プログラムを用い、ASTM E313規格に基づいて黄色度指数(YI値)を求めた。更に、日本電色工業社製ヘイズメーター(NDH4000)を用い、JIS K7361-1及びJIS K7136規格に基づき、全光線透過率(Ttot)及び濁度(ヘイズ)を求めた。
[実施例1](BNBDA(70);6FDA(30)/TFMB共重合体) ( )内はmol%を表す。
窒素導入管、撹拌装置、ディーン-スタークトラップ付コンデンサーを備えたセパラブル三口フラスコにTFMB1.6012g(5mmol)を入れ、十分に脱水したγ-ブチロラクトン(GBL)を3.0mLを加え、100℃に温めて溶解した後、トルエン20mL及び1-エチルピペリジン(25mmol)を加えた。この溶液に6FDA粉末0.6665g(1.5mmol)及びBNBDA1.1561g(3.5mmol)を加えて昇温していき、適宜GBLを追加しながら、窒素雰囲気中200℃で4時間反応させ、均一で粘稠なポリイミドワニスを得た。ポリイミドの固有粘度は1.06dL/gであった。また、得られたポリイミドのGPC測定を行ったところ、Mn=3.15×10、Mw=7.00×10、Mw/Mn=2.23であった。このポリイミドワニスは、22.5質量%の高い固形分濃度でも密閉容器中室温で均一性を保持していた。単離したポリイミド粉末を重水素化ジメチルスルホオキシドに溶解してH-NMRスペクトルを測定したところ、化学イミド化反応が完結していることが確認された。
上記のワンポット重合により得られたポリイミドワニスをガラス基板に塗布し、熱風乾燥器中80℃で2時間乾燥し、次いで真空中150℃、200℃で各30分、250℃で1時間乾燥させた。次いで基板から剥がして更に真空中300℃で1時間熱処理を行い、膜厚20~28μmの柔軟なポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムのTは322℃であり、高い耐熱性を示した。また線熱膨張係数は26.9ppm/Kであり、低熱膨張特性を有していた。また5%重量減少温度(T )は窒素中で477℃であった。全光線透過率は90.2%、波長400nmにおける光透過率は82.2%、黄色度指数2.8、ヘイズ1.7%であり、優れた透明性を有していた。また、このポリイミドフィルムの機械的特性を評価したところ、引張弾性率3.68GPa、破断強度114MPa、破断伸び6.9%(最大値9.9%)であり、可撓性を有していた。膜物性評価結果を表1にまとめる。また、ポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
上記のようにしてワンポット重合して得られたポリイミドのワニスを同一溶媒で適度に希釈後、メタノールに滴下して析出させ、洗浄及び乾燥して粉末として単離し、シクロペンタノンに再溶解したところ、固形分濃度10質量%の室温で安定なワニスが得られた。
[実施例2](BNBDA(60);6FDA(40)/TFMB共重合体)
テトラカルボン酸二無水物モノマーの含有率(即ち、共重合組成)をBNBDA60mol%、6FDA40mol%に変更したこと以外は、実施例1に記載した方法と同様にして、重合、製膜及び膜物性評価を行った。物性値を表1にまとめる。なお、得られたポリイミドの固有粘度は1.34dL/gであった。また、得られたポリイミドのGPC測定を行ったところ、Mn=3.95×10、Mw=9.05×10、Mw/Mn=2.29であった。
実施例2のポリイミドは、実施例1と比較して、屈曲構造の6FDA含有率を増加したにもかかわらず、CTEの増加(即ち熱寸法安定性の悪化)は見られず、23.8ppm/Kと依然として低いCTEを有していた。またこのポリイミドは、その他の特性についても、実施例1のポリイミドと同様に良好な特性を維持していた。
[実施例3](BNBDA(70);6FDA(30)/TFMB(80);4,4’-ODA(20)共重合体)
ジアミンモノマーを、TFMB80mol%及び4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODA)20mol%(ジアミンモノマーの合計は5mmol)に変更したこと以外は、実施例1に記載した方法と同様にして、重合、製膜及び膜物性評価を行った。物性値を表1にまとめる。なお、得られたポリイミドの固有粘度は1.24dL/gであった。また、得られたポリイミドのGPC測定を行ったところ、Mn=3.24×10、Mw=8.16×10、Mw/Mn=2.52であった。
実施例3のポリイミドは、ジアミンに屈曲性の4,4’-ODAを使用したにもかかわらず、低いCTE(26.0ppm/K)を維持していた。また、その他の物性値についても、実施例1及び2のポリイミドと同様に優れた特性を示した。
[実施例4](BNBDA(70);6FDA(30)/TFMB(80);3,4’-ODA(20)共重合体)
4,4’-ODA(20mol%)の代わりに3,4’-オキシジアニリン(3,4’-ODA)20mol%を用いたこと以外は、実施例3に記載した方法と同様にして、重合、製膜及び膜物性評価を行った。物性値を表1にまとめる。得られたポリイミドの固有粘度は1.65dL/gであった。またGPC測定を行ったところ、Mn=3.13×10、Mw=9.34×10、Mw/Mn=2.98であった。
実施例4のポリイミドは、ジアミンに屈曲性の3,4’-ODAを使用したにもかかわらず、低いCTE(24.4ppm/K)を維持していた。また、その他の物性値についても、実施例1~3のポリイミドと同様に優れた特性を示した。
[実施例5](BNBDA(75);6FDA(25)/TFMB共重合体)
テトラカルボン酸二無水物モノマーの含有率(即ち、共重合組成)をBNBDA75mol%、6FDA25mol%に変更し、トルエンを添加しなかったこと以外は、実施例1に記載した方法と同様にして、重合、製膜及び膜物性評価を行った。物性値を表1にまとめる。なお、得られたポリイミドの固有粘度は1.05dL/gであった。
実施例5のポリイミドは、CTEが25.2ppm/Kと低い値を示し、その他の特性についても実施例1のポリイミドと同様に良好な特性を維持していた。
[実施例6](BNBDA(50);6FDA(50)/TFMB共重合体)
テトラカルボン酸二無水物モノマーの含有率(即ち、共重合組成)をBNBDA50mol%、6FDA50mol%に変更し、トルエンを添加しなかったこと以外は、実施例1に記載した方法と同様にして、重合、製膜及び膜物性評価を行った。物性値を表1にまとめる。なお、得られたポリイミドの固有粘度は1.14dL/gであった。
実施例6のポリイミドは、屈曲構造の6FDA含有率を50mol%まで増加したにもかかわらず、CTEの増加(即ち熱寸法安定性の悪化)は見られず、25.5ppm/Kと依然として低いCTEを有していた。また、6FDA含有率の増加により、最大破断伸びが47.5%まで向上し、膜靱性の大幅な向上が見られた。その他の特性についても、実施例1のポリイミドと同様の良好な特性が維持された。
[比較例1]
テトラカルボン酸二無水物モノマーとして芳香族のピロメリット酸二無水物、ジアミンモノマーとしてTFMBを用い、NMP中でポリアミド酸を重合し、二段階法でポリイミドフィルムを作製した。このポリイミドフィルムは非常に高いTg(400℃)及び極めて低いCTE(-4.7ppm/K)を示したが、強く着色しており、400nmにおける光透過率(T400)は0%であった。
[比較例2]
下記式(4):
Figure 0007250459000019

で表されるテトラカルボン酸二無水物(BTA)とTFMBより、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中でポリアミド酸の重合を行った。しかしながらポリアミド酸の還元粘度は0.12dL/gと非常に低い値であった。このポリアミド酸溶液を用いてキャスト製膜を試みたが、クラックが入り製膜困難であった。
[比較例3]
DMAc中、CBDAとTFMBを等モル重付加反応させて還元粘度1.65dL/gのポリアミド酸を得た。これをキャスト製膜し、熱イミド化を経てポリイミドフィルムを得た。このフィルムのT400は83%であり、優れた透明性を有していた。また、高い耐熱性(T=356℃)及び低熱膨張特性(CTE=20.7ppm/K)も示したが、DMAcやNMP等の非プロトン性溶媒に不溶であり、溶液加工性は有していなかった。また、化学イミド化や溶液還流イミド化を試みたが、どちらの方法においても反応溶液が不均一化し、均一なポリイミドワニスを得ることは困難であった。
[比較例4]
DMAc中、6FDAとTFMBを室温で等モル重付加反応させて還元粘度2.48dL/gのポリアミド酸を得た。この系は均一状態を保持したまま化学イミド化することが可能であった。化学イミド化後に単離されたポリイミド粉末はDMAcやNMP等の有機溶媒に非常によく溶け、優れた溶液加工性を有していた。ポリイミドワニスからキャスト製膜して得られたポリイミドフィルムは殆ど着色がなく、T400は83.5%であり、優れた透明性を有していた。また、高い耐熱性(T=324℃)を示したが、CTEは52.9ppm/Kと高い値であり、低熱膨張特性を有していなかった。
[比較例5]
NMP中、CBDA(80mol%)、6FDA(20mol%)、TFMB(100mol%)の組成で共重合を行い、ポリアミド酸を得た後、溶液還流イミド化法を適用したところ、均一状態を保持したままイミド化が可能であり、還元粘度1.68dL/gのポリイミドが得られた。ポリイミドワニスからキャスト製膜して得られたポリイミドフィルムは殆ど着色がなく、T400は85.2%であり、優れた透明性を有していた。また、高い耐熱性(T=342℃)を示したが、CTEは48.6ppm/Kと高い値であり、低熱膨張特性を有していなかった。
Figure 0007250459000020

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される第一の繰り返し単位及び下記式(2)で表される第二の繰り返し単位を含有する、ポリイミド。
    Figure 0007250459000021

    Figure 0007250459000022

    [式(1)及び(2)中、Xは2価の基を示し、前記ポリイミド中の前記Xのうち70mol%以上が下記式(3)で表される含フッ素基である。]
    Figure 0007250459000023
  2. 前記第一の繰り返し単位の含有率が、前記第一の繰り返し単位及び前記第二の繰り返し単位の合計量を基準として、40~95mol%である、請求項に記載のポリイミド。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイミドと、溶媒と、を含有し、
    前記ポリイミドの含有率が5質量%以上である、ワニス。
  4. 請求項1又は2に記載のポリイミドを含む、ポリイミドフィルム。
  5. 100~200℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30ppm/K以下であり、
    ガラス転移温度が300℃以上であり、
    波長400nmの光に対する光透過率が70%以上である、請求項に記載のポリイミドフィルム。
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