JP5635860B2 - 回転力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、錠の開閉に用いられ手動と電動とのどちらの回転力でも錠に伝達できる回転力伝達装置に関するものである。
従来より、手動と電動とのどちらの回転力でも錠に伝達してデッドボルトを出し入れさせることができる電動サムターンが提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電動サムターン(回転力伝達装置)は、モータにより駆動される電動駆動部と、電動駆動部から伝達された回転力により回転し錠に回転力を伝達する出力部材とで構成されている。
出力部材は、デッドボルトを突出させる施錠位置とデッドボルトを後退させる解錠位置との間で回転自在となっている。特許文献1に記載の出力部材にはハンドルが連結されており、ハンドルを手動で回転させることにより、出力部材を回転させることも可能になっている。
電動駆動部には、出力部材に回転力を伝達するスライダーが設けられている。スライダーは、出力部材に形成されたスライダー移動スペース内に配置される。スライダー移動スペースは、スライダーに設けた当接部が当接する一対の被当接部の間に形成されている。電動駆動部が回転すると、一方の被当接部にスライダーの当接部が当接して出力部材を押し回し、結果的に出力部材は施錠位置と解錠位置との間で回転する。出力部材は錠に回転力を伝達し、錠に設けたデッドボルトを進退させる。
ところで、特許文献1に記載されたスライダーは、電動動作を開始する前に必ず初期位置に位置していなければならない。特許文献1において、この初期位置を原点と呼んでいる。原点に位置するスライダーは、いずれか一方の被当接部に当接している。この状態で、他方の被当接部がスライダーに当接する位置まで出力部材を手動で回転させることにより、手動による施解錠が可能になっている。
電動での施解錠の場合、電動の回転力によりスライダーを回転させ、スライダーに当接している被当接部を押し回すことにより出力部材を施錠位置または解錠位置へ回転させる。スライダーは、出力部材を施錠位置または解錠位置へ回転させた後、逆回転して初期位置である原点に戻る。原点復帰後のスライダーは、他方の被当接部と当接しており、他方の被当接部を押し回すことにより出力部材を施錠位置または解錠位置へ回転させることができる。
特許文献1に記載された電動サムターンでは、スライダーが原点から施錠位置へ回転することにより施錠を行い、その後、スライダーは原点に戻る。解錠時も同様に、スライダーが原点から解錠位置へ回転することにより解錠を行い、その後、スライダーは原点に戻る。
特開2009−203653号公報
上述したように、特許文献1に記載された電動サムターンは、モータの回転力を用いて電動による施解錠を行った場合、常にスライダーを原点の位置に復帰させる原点復帰動作が必要になる。原点復帰動作では、モータが回転するから、原点復帰動作を行うと施解錠以外の余分な電力が必要になる上に、施解錠終了後にも原点復帰動作によるモータ音が残るという問題がある。
本発明は、スライダーの原点復帰動作を必要としない回転力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の回転力伝達装置は、円板状に形成され、電動の回転力が伝達されると回転する回転伝達板と、前記回転伝達板と同軸の円筒状に形成され、回転力が伝達されると回転する出力伝達筒と、前記回転伝達板及び前記出力伝達筒と同軸の円筒状に形成され、前記回転伝達板及び前記出力伝達筒を収納するケースと、前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達し手動の回転力による前記出力伝達筒の回転力を前記回転伝達板に伝達しないクラッチ部とを備え、前記出力伝達筒は、前記ケースに対して2つの規定位置の間で回転し、前記クラッチ部は、前記出力伝達筒の周壁の内外に出入りするように前記周壁に保持され前記周壁の周方向に離れて対をなす可動体、前記ケースの周壁内側面に周方向に離れて形成され前記規定位置を決める溝であって前記可動体が嵌る施錠時待避溝および解錠時待避溝、及び前記回転伝達板の一面に設けられ前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達する伝達体を有し、前記伝達体は、前記可動体が前記出力伝達筒の前記周壁の内側に突出している状態において前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達し、前記クラッチ部は、対をなす前記可動体の一方が前記施錠時待避溝に嵌って前記出力伝達筒の前記周壁の内側から後退するかまたは対をなす前記可動体の他方が前記解錠時待避溝に嵌って前記出力伝達筒の前記周壁の内側から後退することにより、前記伝達体が前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達しなくなった場合に前記出力伝達筒を手動の回転力により回転可能にするように構成されていることを特徴とする。
さらに、この回転力伝達装置において、伝達体は、回転伝達板に対して1つの直径方向に進退可能に保持したスライダーと、スライダーの一部を出力伝達筒の周壁内側面に向かって付勢する押出ばねとを備えることが望ましい。
さらに、この回転力伝達装置において、可動体とスライダーとは、当接する部位において、可動体とスライダーとを含む面内で点接触するように弧状に形成されていることが望ましい。
可動体は、円柱状であり中心軸方向が出力伝達筒の回転中心の方向に沿って配置することができる。あるいはまた、可動体は、球体状であってもよい。
施錠時待避溝および解錠時待避溝は、互いの距離が広がるほど深くなるように傾斜した傾斜面を備えることが望ましい。
出力伝達筒は、施錠時待避溝および解錠時待避溝に対応する部位の周壁に、可動体より小さいテスト孔が貫設されていることが望ましい。
本発明は、スライダーの原点復帰動作を必要としないという利点がある。
実施形態を示す分解斜視図である。 同上にモータを結合した状態の斜視図である。 同上にモータを結合した状態でモータ側から見た斜視図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。
本実施形態は、デッドボルトを備えた錠とともに用いられ、錠に回転力を伝達することにより、デッドボルトを出し入れするために用いられる。回転力伝達装置1は、駆動源と接続され、駆動源からの回転力を錠に伝達する。駆動源としては、モータやロータリーソレノイドなどが用いられる。また、回転力伝達装置1は、手動で回転させるためのサムターン(図示せず)とも接続され、サムターンからの回転駆動力もデッドボルトに伝達する。すなわち、本実施形態の回転力伝達装置1は、電動の回転力と手動の回転力との両方をデッドボルトに伝達する機能を備える。
回転力伝達装置1は、図1に示すように、両底面が開放されている円筒状に形成されたケース本体5と、ケース本体5の口軸方向の一面を覆う有底円筒状のカバー6とからなるケース4を備える。ケース4には、駆動源から伝達される回転力により回転する電動回転体としての円板状の回転伝達板2と、回転伝達板2が挿入される有底円筒状の出力伝達筒3とが収納される。出力伝達筒3はサムターンから伝達される手動の回転力で回転する手動回転体であり、錠回転力を伝達する出力回転体としても兼用される。出力伝達筒3における底壁の外側面中央部には、外部出力軸34が突設され、外部出力軸34から錠に対して回転力が伝達される。
本実施形態では、回転伝達板2を回転させる駆動源としてモータを用いる。この場合、モータの回転速度を減速する減速機構は、ケース4の内外どちらに設けてもよい。ケース4外に減速機構を設ける場合は、モータに減速機構を付加したギアードモータを駆動源に用いればよく、ケース4内に減速機構を設ける場合は、たとえば、遊星歯車機構を用いればよい。
回転伝達板2は、図1に示すように、円板状の回転ガイド板21を有し、回転ガイド板21の厚み方向の一面には回転ガイド板21と同軸で外径が回転ガイド板21の外径よりも小さい円板状のスライダー取付部22が一体に形成されている。
スライダー取付部22は、回転ガイド板21の厚み方向の一面において互いに離間して配置された一対の案内突台221を備える。スライダー取付部22の中央部には、両案内突台221の間で矩形状に開口したスライダー保持溝24が設けられている。また、両案内突台221の間には、スライダー保持溝24とスライダー取付部22の外側面とを連通させる一対の案内溝27が形成される。両案内突台221の距離は、案内溝27を設けた部位においてスライダー保持溝24を設けた部位よりも小さくなっている。また、両案内溝27は一直線上に配置され、当該直線に沿う方向においてスライダー保持溝24の中心線と案内溝27の中心線とは一致している。
以下では、スライダー取付部22の厚み方向に直交する面内において、両案内溝27を結ぶ方向を案内方向と呼び、案内方向に直交する方向を規制方向と呼ぶ。また、スライダー保持溝24を囲む内周面のうち案内方向の両端面をストップ面25と呼び、スライダー保持溝24を囲む内周面のうち規制方向の両端面をガイド面26と呼ぶ。
スライダー取付部22には、スライダー10が保持される。スライダー10は、一対の脚片11と両脚片11の一端間を一体に連結する中央片12とによりコ字状に形成された本体部13を備える。中央片12において両脚片11を結ぶ方向の中央部には、脚片11の突出向きとは反対向きに突出部14が突出している。突出部14の先端部は、両脚片11と中央片12とを含む平面内において弧状に形成されている。また、中央片12には、脚片11と同じ向きに3個のばね受け突起15が突出している。
スライダー保持溝24内には、一対のスライダー10と両スライダー10間に保持される押出ばね16とが配置される。スライダー10と押出ばね16とは、回転伝達板2の回転力を出力伝達筒3に伝達し、出力伝達筒3の回転力を回転伝達板2に伝達しないクラッチ部における伝達体を構成する。なお、クラッチ部は、この伝達体と後述する可動体32とにより構成される。
スライダー10における両脚片11の外側面間の距離は、スライダー保持溝24の両ガイド面26間の距離にほぼ等しく、両脚片11を結ぶ方向における突出部14の幅寸法は、案内溝27の幅寸法にほぼ等しくなっている。スライダー保持溝24にスライダー10を装着するにあたっては、本体部13の両脚片11と中央片12とをスライダー保持溝24の底面に接触させる。また、各スライダー10の突出部14はそれぞれ案内溝27に嵌め入れられる。
上述したように、両スライダー10の間には押出ばね16が保持される。押出ばね16はコイル状に形成された圧縮ばねであって、各スライダー10のばね受け突起15が押出ばね16の各一端部にそれぞれ挿入される。これにより、両スライダー10は案内方向において互いに離れる向きに付勢され、各スライダー10の中央片12がそれぞれストップ面25に当接する。この状態において、突出部14の先端の位置は回転ガイド板21の外周面に一致する。この状態において、両スライダー10の脚片11は離間しており、突出部14の先端部が案内溝27内に収まる位置まで後退可能になっている。なお、スライダー取付部22を構成する案内突台221の先端面(図1の下面)には、スライダー取付部22の外周縁に沿って突縁部(図示せず)が形成され、他の部位よりもスライダー取付部22の厚み寸法が大きくなっている。この理由は後述する。
出力伝達筒3内には、回転伝達板2が収納される。出力伝達筒3の周壁の内径は、回転伝達板2における回転ガイド板21の外径に等しく、回転伝達板2は、出力伝達筒3の中で出力伝達筒3の周壁の内面に沿って回転可能になっている。回転伝達板2を出力伝達筒3に収納した状態において、回転ガイド板21と出力伝達筒3の底壁との間にスライダー取付部22が位置し、回転ガイド板21と出力伝達筒3の底壁との間に形成される空間においてスライダー10が移動可能になっている。また、上述のようにスライダー取付部22に突縁部を設けることにより、スライダー10が移動する空間に余裕を持たせてスライダー10を滑らかに移動できるようにしてある。
出力伝達筒3の周壁には、出力伝達筒3の底壁の中心を通る1本の直線と交差する2箇所において、それぞれ周方向に離間した一対の挿通孔31が貫設されている。各一対の挿通孔31の距離は、スライダー10に設けた突出部14の幅寸法にほぼ等しく設定されている。
各挿通孔31には、円柱状の可動体32がそれぞれ出力伝達筒3の周壁の厚み方向に移動可能となるように配置される。可動体32は、中心軸を出力伝達筒3に設けた外部出力軸34と平行にして配置されている。また、可動体32は、出力伝達筒3の周壁の厚みよりも大きい直径を有している。
図1に示すように、出力伝達筒3の外側面において底壁と周壁とがなす角部には、底壁の全周に亘って凹んだ段差部33が形成されている。
ケース4を構成するケース本体5は、上述のように両底面が開口する円筒状であって、その内径は出力伝達筒3の外径と略等しくなっている。また、ケース4を構成するカバー6は、上述のように有底円筒状であって、その外径が出力伝達筒3の内径と略等しくなっている。ケース本体5の周壁のうち一方の底面(図1の上側の開口面)を囲む部位には、一対のカバー取付溝51が設けられている。両カバー取付溝51は、ケース本体5の中心を通る1本の直線上に配置される。また、ケース本体5の他方の底面(図1の下側の開口面)を囲む部位には、当該開口面の全周に亘ってケース本体5の周壁の内側に向かって延びる規制片52が設けられている。
一方、カバー6の周壁の外側面には、カバーの中心を通る1本の直線上に配置した一対の腕部61が延びており、腕部61の先端部には、カバー取付溝51に嵌め込まれる取付片62が突設されている。また、カバー6の中心部には、駆動源の出力軸が挿通される軸挿通孔63が貫設されている。
出力伝達筒3の段差部33は、ケース本体5の規制片52に嵌合し、ケース本体5に対する出力伝達筒3の回転中心が決められる。すなわち、出力伝達筒3はケース4に対して同軸になるように位置が決められる。
ところで、ケース本体5の周壁内周面には、施錠時待避溝53(図4参照)および解錠時待避溝54が2個ずつ形成されている。両施錠時待避溝53は、ケース本体5の中心を通る1本の直線上に位置し、両解錠時待避溝54は、ケース本体5の中心を通る他の1本の直線上に位置する。すなわち、ケース本体5の周方向において、施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とは交互に並ぶ。また、各1個の施錠時待避溝53および解錠時待避溝54は対になっており、ケース本体5の中心から対である施錠時待避溝53および解錠時待避溝54の底を見込む直線がなす角度は、各対において等しくなっている。
ところで、施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とは、それぞれケース本体5の周方向に沿って深さが増加する傾斜面を有しており、施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とでは、ケース本体5の周方向における傾斜面の向きが逆向きになっている。対をなす施錠時待避溝53および解錠時待避溝54は、傾斜面側が隣り合うように配置される。さらに、対をなす施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とから等距離である平面に対して、施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とは面対称に形成されている。
また、ケース本体5の周方向において対をなす施錠時待避溝53と解錠時待避溝54との最小距離は、出力伝達筒3の周方向において対をなす挿通孔31の最大距離よりも大きくなるように設定されている。一方、施錠時待避溝53と解錠時待避溝54とにおいて上記傾斜面以外の内側面の曲率は、可動体32の外側面の曲率とほぼ等しくなるように形成されている。
施錠時待避溝53の深さは、2個の施錠時待避溝53の底にそれぞれ可動体32を嵌めた状態において、両可動体32間の距離が回転伝達板2に保持されているスライダー10の突出部14の先端間の距離にほぼ等しくなるように設定されている。解錠時待避溝54の深さも同様である。
図2および図3は回転力伝達装置1の使用例を示しており、カバー6の外面には駆動源であるモータ7を取り付けている。上述したように、カバー6の外径はケース本体5の内径よりも小さいから、ケース本体5の周壁内側面とカバー6の外周面との間には腕部61により分離された一対の間隙が形成される。この間隙は、手動で操作されるサムターン(図示せず)の一部が挿入される連結用孔41として用いられる。連結用孔41からは出力伝達筒3の開口側の端縁が露出し、出力伝達筒3の露出部位には、出力伝達筒3にサムターンを結合するための結合溝35が形成される。したがって、出力伝達筒3には、サムターンから手動の回転力を伝達することが可能となる。サムターンが回転する角度範囲は、各連結用孔41の範囲内に規制される。この回転角度は、たとえば90°に規制される。
以下、図4から図8を用いて動作を説明する。上述したように、出力伝達筒3に設けた外部出力軸34が錠に連結されるから、出力伝達筒3の回転位置に応じてデッドボルトが出し入れされることになる。以下では、図4(a)などに示すように可動体32が施錠時待避溝53に嵌っているときの出力伝達筒3の回転位置をデッドボルトが錠から突出した施錠位置とする。また、図4(c)などに示すように可動体32が解錠時待避溝54に嵌っているときの出力伝達筒3の回転位置をデッドボルトが錠側に後退した解錠位置とする。図4に示す向きでは、出力伝達筒3が、図4(a)などに示す施錠位置から時計回りに所定角度回転すると解錠位置になり、図4(c)などに示す解錠位置から時計回りに所定角度回転すると施錠位置になる。
まず、モータ7を用いて電動のみで施解錠を行う場合について、図4を用いて説明する。すなわち、駆動源からの回転力を回転伝達板2に伝達することにより、錠の施解錠を行う場合ついて説明する。なお、以下では、ケース本体5が定位置に固定されている状態として説明する。いま、図4(a)のように出力伝達筒3が施錠位置であるとする。この施錠位置から電動で解錠する場合、回転伝達板2を反時計回りに回転させる回転力を与える。回転伝達板2が反時計回りに回転すると、スライダー10の突出部14が対をなす一方の可動体32に当接する。この可動体32は、ケース本体5の内周面により移動が規制されることにより出力伝達筒3の内側に突出しているから、スライダー10の突出部14に押される。その結果、回転伝達板2の回転に伴って出力伝達筒3も反時計回りに回転する。したがって、図4(a)の施錠位置から回転伝達板2を反時計周りに回転させることにより、図4(b)の位置を経て、図4(c)に示す解錠位置に到達させることができる。
一方、図4(c)に示す解錠位置から電動で施錠する場合、回転伝達板2を時計回りに回転させる回転力を与える。この回転力によって、施錠位置から解錠した場合とは逆の動作になり、図4(b)の位置を経て、図4(a)に示す施錠位置に到達させることができる。
図4に示すように電動で施解錠を行う場合、施錠位置から解錠位置への動作と、解錠位置から施錠位置への動作とが可逆になっている。すなわち、回転伝達板2は、スライダー10の突出部14が施錠時待避溝53に対向する位置と解錠時待避溝54に対向する位置との間で正逆に回転する。電動の場合の駆動源は、上記両位置の角度範囲で回転伝達板2を回転させるように構成される。
次に、電動で施錠した後に、手動で解錠する場合について、図5を用いて説明する。電動による施錠位置は、図5(a)に示すように、図4(a)に示した施錠位置と同じであって、スライダー10の突出部14は、施錠時待避溝53に対向している。すなわち、スライダー10の突出部14の先端と施錠時待避溝53の底との間に対をなす一方の可動体32が位置する状態であり、この可動体32は出力伝達筒3の周壁内側面の内側には突出していない。そのため、図5(a)に示す施錠位置から出力伝達筒3を反時計周りに回転させることが可能になっている。
したがって、施錠位置では、出力伝達筒3を反時計周りに回転させる回転力をサムターン(図示せず)から手動で与えることにより、図5(b)の位置を経て図5(c)の位置に到達させることができる。図5(c)の位置では、対をなす他方の可動体32が解錠時待避溝54に嵌るから、出力伝達筒3は回転できなくなり、この位置で停止する。すなわち、電動で施錠した後に、出力伝達筒3を手動で解錠位置まで回転させることができる。
電動で解錠した後に、手動で施錠する場合は図6の動作になる。電動による解錠位置は、図6(a)に示すように、図4(c)に示した解錠位置と同じであって、スライダー10の突出部14は、解錠時待避溝54に対向している。したがって、図5(a)に示した施錠位置と同様に、スライダー10の突出部14の先端と解錠時待避溝54の底との間に対をなす一方の可動体32が位置し、この可動体32は出力伝達筒3の周壁内側面の内側には突出しない。つまり、この解錠位置では、出力伝達筒3を時計周りに回転させることが可能になっている。
したがって、解錠位置では、出力伝達筒3を時計回りに回転させる回転力をサムターンから手動で与えることにより、図6(b)の位置を経て図6(c)に示す位置に到達させることができる。図6(c)の位置では、対をなす他方の可動体32が施錠時待避溝53に嵌って、出力伝達筒3の回転を禁止する。このように、電動で解錠した後には、出力伝達筒3を手動で施錠位置まで回転させることができる。
図5に示した動作は可逆であり、施錠位置からサムターンを反時計回りに回転させて解錠した場合に、解錠位置からサムターンを時計回りに回転させて施錠することができる。また、図6に示した動作も可逆であり、解錠位置からサムターンを時計回りに回転させて施錠した場合に、施錠位置からサムターンを反時計回りに回転させて施錠することができる。
上述したように、スライダー10と押出ばね16とからなる伝達体は、回転伝達板2の一面側に設けられており、可動体32が出力伝達筒3の周壁の内側に突出している状態において回転伝達板2の回転力を出力伝達筒3に伝達する。また、対をなす可動体32の一方が施錠時待避溝53または解錠時待避溝54に嵌ることにより出力伝達筒3の周壁の内側から後退しスライダー10から回転伝達板2の回転力を伝達できなくなったときに出力伝達筒3を手動の回転力により回転可能にする。
電動で解錠して手動で施錠した後に、電動で解錠する場合について、図7を用いて説明する。電動で解錠して手動で施錠したときの出力伝達筒3の位置は、図7(a)のように、図6(c)に示した位置であり、回転伝達板2は電動での解錠位置であるのに対して、出力伝達筒3は対になる一方の可動体32が施錠時待避溝53に嵌った状態になっている。
この状態では、駆動源からの回転力を回転伝達板2に伝達して回転伝達板2を回転させても、回転伝達板2から出力伝達筒3に回転力を伝達することができない。ここで、出力伝達筒3が施錠位置であることは、錠において施解錠の状態として別途の手段によって検出されるから、回転伝達板2と出力伝達筒3との位置が不一致であることを検出することができる。そこで、回転伝達板2と出力伝達筒3との位置が不一致であることが検出された場合には、まず、回転伝達板2を図7(b)の位置まで回転させる。以後は、図4を用いて説明したように、回転伝達板2を時計回りに回転させることにより解錠することができる。
なお、図7(a)から図7(b)の位置に回転伝達板2を回転させるにあたり、時計回りに回転させる場合と反時計回りに回転させる場合とが考えられる。時計回りに回転させる場合には、スライダー10が押出ばね16により進退可能であることを利用し、スライダー10が可動体32を乗り越えて施錠位置に復帰させる。この構成の場合は、回転伝達板2が回転する角度範囲を図4に示した動作と同じ範囲とすることができる。一方、反時計回りに回転させる場合には、回転伝達板2を解錠位置に移動させる際に1回転させることになるから、特例として回転伝達板2が回転する角度範囲を変更することになるが、回転伝達板2を同じ向きに回転させるので、動作が滑らかになる。
電動で施錠して手動で解錠した後に、電動で施錠する場合は、図8に示す動作になる。電動で施錠して手動で解錠したときの出力伝達筒3の位置は、図8(a)のように、図5(c)に示した位置であり、回転伝達板2は電動での施錠位置であるのに対して、出力電圧筒3は対になる一方の可動体32が解錠時待避溝54に嵌った状態になっている。要するに、回転伝達板2の位置と出力伝達筒3の位置とが不一致になっている。そこで、図7に示した動作と同様に、回転伝達板2を図8(b)の位置まで回転させる。その後は、図4を用いて説明したように、回転伝達板2を反時計回りに回転させることにより施錠することができる。
図4を用いて説明したように、電動による施解錠を行った場合でも原点復帰動作が不要であり、原点復帰動作のために、余分な電力を消費したり、騒音が発生したりすることがない。
ところで、ケース本体5の周壁には、施錠時待避溝53および解錠時待避溝54に対応する部位においてそれぞれ可動体32の軸方向の長さ寸法よりも狭い幅のスリット状に形成されたテスト孔55(図1参照)を設けることが望ましい。テスト孔55は、ケース本体5の周壁の内外に貫通するように形成され、テスト孔55を通して治具(図示せず)の挿入が可能になっている。治具によって施錠時待避溝53および解錠時待避溝54に可動体32が嵌らないようにすれば、スライダー10の突出部14が常に対をなす可動体32の間に位置することになり、回転伝達板2と出力伝達筒3とを一体にして連続回転させることができる。これにより、回転力伝達装置1のトルクや回転速度の特性測定が可能となる。
なお、上述の実施形態では、可動体32が円柱状である例を示したが、可動体32は球状などの他の形状であってもよい。また、上述のように、スライダー10に設けた突出部14の先端部の断面形状は弧状であり、スライダー10は押出ばね16により付勢されている。したがって、スライダー10が可動体32に当接している状態において回転伝達板2に大きな回転力が作用したとしても、スライダー10の突出部14は可動体32を乗り越えることができる。すなわち、スライダー10と押出ばね16と可動体32とはトルクリミッタとして機能する。
なお、本実施形態では、手動回転体として兼用されている出力伝達筒3により手動の回転力を伝達しているが、手動回転体を用いることなく、外部出力軸34に手動の回転力を伝達するなどの構成により手動の回転力を出力伝達筒3に伝達する形態であってもよい。
1 回転力伝達装置
10 スライダー(クラッチ部)
16 押出ばね(クラッチ部)
2 回転伝達板(電動回転体)
3 出力伝達筒(出力回転体、手動回転体)
32 可動体(クラッチ部)
4 ケース
53 施錠時待避溝
54 解錠時待避溝
55 テスト孔

Claims (7)

  1. 円板状に形成され、電動の回転力が伝達されると回転する回転伝達板と、
    前記回転伝達板と同軸の円筒状に形成され、回転力が伝達されると回転する出力伝達筒と、
    前記回転伝達板及び前記出力伝達筒と同軸の円筒状に形成され、前記回転伝達板及び前記出力伝達筒を収納するケースと、
    前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達し手動の回転力による前記出力伝達筒の回転力を前記回転伝達板に伝達しないクラッチ部と
    を備え、
    前記出力伝達筒は、前記ケースに対して2つの規定位置の間で回転し、
    前記クラッチ部は、前記出力伝達筒の周壁の内外に出入りするように前記周壁に保持され前記周壁の周方向に離れて対をなす可動体、前記ケースの周壁内側面に周方向に離れて形成され前記規定位置を決める溝であって前記可動体が嵌る施錠時待避溝および解錠時待避溝、及び前記回転伝達板の一面に設けられ前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達する伝達体を有し、
    前記伝達体は、前記可動体が前記出力伝達筒の前記周壁の内側に突出している状態において前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達し、
    前記クラッチ部は、対をなす前記可動体の一方が前記施錠時待避溝に嵌って前記出力伝達筒の前記周壁の内側から後退するかまたは対をなす前記可動体の他方が前記解錠時待避溝に嵌って前記出力伝達筒の前記周壁の内側から後退することにより、前記伝達体が前記回転伝達板の回転力を前記出力伝達筒に伝達しなくなった場合に前記出力伝達筒を手動の回転力により回転可能にするように構成されている
    ことを特徴とする回転力伝達装置。
  2. 前記伝達体は、前記回転伝達板に対して1つの直径方向に進退可能に保持したスライダーと、前記スライダーの一部を前記出力伝達筒の周壁内側面に向かって付勢する押出ばねとを備えることを特徴とする請求項1記載の回転力伝達装置。
  3. 前記可動体と前記スライダーとは、当接する部位において、前記可動体と前記スライダーとを含む面内で点接触するように弧状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の回転力伝達装置。
  4. 前記可動体は、円柱状であり中心軸方向が前記出力伝達筒の回転中心の方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の回転力伝達装置。
  5. 前記可動体は、球体状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の回転力伝達装置。
  6. 前記施錠時待避溝および前記解錠時待避溝は、互いの距離が広がるほど深くなるように傾斜した傾斜面を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の回転力伝達装置。
  7. 前記出力伝達筒は、前記施錠時待避溝および前記解錠時待避溝に対応する部位の周壁に、前記可動体より小さいテスト孔が貫設されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の回転力伝達装置
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