JP5635255B2 - スラスト軸受の組立方法および組立装置 - Google Patents

スラスト軸受の組立方法および組立装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5635255B2
JP5635255B2 JP2009260841A JP2009260841A JP5635255B2 JP 5635255 B2 JP5635255 B2 JP 5635255B2 JP 2009260841 A JP2009260841 A JP 2009260841A JP 2009260841 A JP2009260841 A JP 2009260841A JP 5635255 B2 JP5635255 B2 JP 5635255B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
washer
staking
support base
stakings
robot arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009260841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011106542A (ja
Inventor
晴彦 山田
晴彦 山田
健 張
健 張
泰幸 湯浅
泰幸 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2009260841A priority Critical patent/JP5635255B2/ja
Publication of JP2011106542A publication Critical patent/JP2011106542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5635255B2 publication Critical patent/JP5635255B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

この発明は、非分離型スラスト軸受の組立方法および組立装置に関する。
対向する一対の軌道盤と、軌道盤間に配置される保持器と、保持器に設けられたポケットに転動可能に保持される転動体と、からなるスラスト軸受について、軸受の部品同士を係合させたいわゆる非分離型のものが知られている。
特許文献1および図2のように、この種の非分離型のスラスト軸受10では、一方の軌道盤11の軌道盤本体11aの外径に鍔11bを設けてこの鍔11bの先端から内向きに複数のステーキング11c(鍔をステーキング加工することで形成された円弧形の爪のこと、以下同様。)を軌道盤周方向に等間隔をおいて並列した状態で延出している。
同様に、他方の軌道盤12の軌道盤本体12aの内径に鍔12bを設けてこの鍔12bの先端から外向きに複数のステーキング12cを軌道盤周方向に等間隔をおいて並列した状態で延出している。
そして、これら一方軌道盤11のステーキング11cを保持器13の外径側に、他方軌道盤12のステーキング12cを保持器13の内径側に、それぞれ係合させることで、軌道盤11、12の間に保持器13を組み付けてスラスト軸受10の各部品の分離を防止している。そのため、スラスト軸受10をハウジングやシャフトに組み付ける際の取り扱いが容易となっている。
従来、このような非分離型のスラスト軸受を組み立てる方法として、特許文献2のように、軌道盤を全体的に弾性変形させて保持器を組み付ける方法が知られている。
より詳しくは、まず外径に鍔とステーキングを有する一方軌道盤を、上面が略円錐形の台座に鍔を上向きにして載せる。
ついで軌道盤の上から荷重をかけて軌道盤本体を台座の円錐形に沿うように押し付け、鍔が外側に傾く向きに全体的に弾性変形させる。この状態で転動体を保持した保持器を軌道盤本体に向けて落とし込む。
最後に、軌道盤を荷重から開放して軌道盤本体をフラットな状態に弾性的に復元させることで、保持器を一方軌道盤に組み付ける。
同様に、内径に鍔とステーキングを有する他方軌道盤を、上面が略円錐形に窪んだ台座に鍔を上向きにして載せ、次いで荷重をかけて鍔が内側に傾く向きに軌道盤本体を弾性変形させる。ここに上述したのと同様に、保持器を一方軌道盤に組みつけてなる組み付け体を落とし込み、他方軌道盤の荷重を開放してその軌道盤本体を弾性復元させることで、組み付け体を他方軌道盤に組み付ける。このようにして、スラスト軸受の組立が完成する。
実開平5−94527号公報 特開2009−156280号公報
この特許文献2の方式では、組立の際に両軌道盤本体を全体的に弾性変形させているため、この弾性変形中に軌道盤に大きな負荷がかかっている。したがって、軌道盤が劣化している可能性があり、軸受寿命が短くなるおそれがある。
また、剛性の弱い保持器が塑性変形する場合がある。この場合、変形した保持器により、転動体がスムーズに回転しなくなり、やがて保持器に引張り応力が発生して損傷するという問題が起こりうる。
また、軌道盤の剛性が高い場合には、弾性変形させにくく、無理に変形させようとして急激に大きな負荷をかけると、ステーキング等が欠損するおそれがある。
そこで、この発明の解決すべき課題は、非分離型のスラスト軸受について、軌道盤をほとんど変形させることなく保持器に負荷をかけることのない組み立て方法および装置を提供することである。
上記した課題を解決するため、発明にかかる非分離型スラスト軸受の組立方法を、以下のステップS1〜S4を含む構成としたのである。
すなわち、前記一方軌道盤を水平に保持し、前記転動体を保持した保持器を水平方向に対し傾斜させ、前記一方軌道盤の軌道盤本体と、前記複数のステーキングから選択されたいくつかのステーキングとの間に斜めから差し込むステップS1(仮組立)と、
前記保持器を上から押圧して、一方軌道盤の残りのステーキングの上から軌道盤本体の側に圧入するステップS2(本組立)と、
前記他方軌道盤を水平に保持し、前記一方軌道盤に保持器を組みつけてなる組み付け体を水平方向に対し傾斜させ、前記他方軌道盤の軌道盤本体と、前記複数のステーキングから選択されたいくつかのステーキングとの間に斜めから差し込むステップS3(仮組立)と、
前記組み付け体を上から押圧して、他方軌道盤の残りのステーキング上から軌道盤本体の側に圧入するステップS4(本組立)と、を含む構成としたのである。
仮組立時の保持器や組み付け体を潜らせた軌道盤のステーキングについてはまったく荷重がかからずしたがって変形もせず、本組立時の保持器や組み付け体を圧入したステーキングについては微少にしか荷重がかからずしたがってこの段階ではほとんど変形しない。
このため、ステーキング等が欠損したり、変形により軸受寿命が短くなったりすることが防止される。また、ほとんど変形させないため、剛性の高い軌道盤についても、容易に適用可能である。
また、上記した課題を解決するため、発明にかかる非分離型スラスト軸受の組立方法を、
前記一方軌道盤および前記他方軌道盤を、それぞれ水平に支持する一方支持台および他方支持台と、
前記一方支持台および他方支持台の間に配置され、互いに接近離反する方向にスライド可能な一対のフィンガーと、各フィンガーから前記スライド方向と直交する方向に突出するピンと、からなる上下反転可能なスライドチャックを備える多関節ロボットアームと、
前記各支持台の上方に昇降可能に配置された押圧機材と、を用いるものとし、
下記のステップS1〜S7を含む構成としたのである。
すなわち、前記多関節ロボットアームを操作して、そのスライドチャックの一対のフィンガーを離反する向きにスライドさせて一対のピンにより保持器を内径から保持するステップS1と、
前記多関節ロボットアームを操作して、スライドチャックに内径保持された保持器を水平から傾斜状態に傾けて前記一方支持台に水平支持された一方軌道盤に対し接近させ、前記一方軌道盤の軌道盤本体と、前記複数のステーキングから選択されたいくつかのステーキングとの間に斜めから差し込むステップS2(仮組立)と、
前記押圧機材により、前記保持器を上から押圧して一方軌道盤の残りのステーキングの上から軌道盤本体の側に圧入して組み付けるステップS3(本組立)と、
前記多関節ロボットアームを操作して、前記一方軌道盤に保持器を組みつけてなる前記一方支持台上に支持される組み付け体を、そのスライドチャックの一対のフィンガーを接近する向きにスライドさせてフィンガーにより外径から保持するステップS4と、
前記多関節ロボットアームを操作して、組み付け体を保持したままそのスライドチャックを上下反転させるステップS5と、
前記多関節ロボットアームを操作して、スライドチャックに外径保持された前記組み付け体を水平から傾斜状態に傾けて前記他方支持台に水平支持された他方軌道盤に対し接近させ、前記他方軌道盤の軌道盤本体と、前記複数のステーキングから選択されたいくつかのステーキングとの間に斜めから差し込むステップS6(仮組立)と、
前記押圧機材により、前記組み付け体を上から押圧して他方軌道盤の残りのステーキングの上から軌道盤本体の側に圧入するステップS7(本組立)と、を含む構成としたのである。
上述したのと同様に、仮組立時の保持器や組み付け体を潜らせた軌道盤のステーキングについてはまったく荷重がかからずしたがって変形もせず、本組立時の保持器や組み付け体を圧入したステーキングについては微少にしか荷重がかからずしたがってほとんど変形しない。
そのため、ステーキング等が欠損したり、変形により軸受寿命が短くなったりすることが防止される。また、ほとんど変径させないため、剛性の高い軌道盤についても、容易に適用可能である。
これに加えて、ロボットアームによる組立の自動化が図られる。
また、ロボットアームのスライドチャックが、そのピンで軸受部品の内径を、そのフィンガーで軸受部品の外径を、いずれも保持可能であるため、内径保持時と外径保持時でチャックを交換する必要がなく、作業時間が短縮される。
これを非分離型スラスト軸受の組立装置として見ると、
スラスト軸受の一方軌道盤および他方軌道盤を、それぞれ水平に支持可能な一方支持台および他方支持台と、
前記一方支持台および他方支持台の間に配置され、その先端に設けられたスライドチャックが前記一方支持台および他方支持台の間を往復可能な多関節ロボットアームと、
前記両支持台の上方に昇降可能に配置された押圧機材と、を備える装置であり、
前記多関節ロボットアームのスライドチャックは、
接近離反する方向にそれぞれスライド可能な一対のフィンガーと、
各フィンガーからフィンガーのスライド方向と直交する方向に突出するピンと、を有して、前記一対のフィンガーによりスラスト軸受の保持器を外径から保持可能で、かつ前記一対のピンによりスラスト軸受の保持器を内径から保持可能なスライドチャックであることが理解される。
スラスト軸受の組立方法を以上のように構成したので、仮組立時に部品が変形することが抑制され、本組立時には最小限の弾性変形での組立が可能となってステーキングの欠け、軌道輪および保持器の変形をなくすことが出来るため、軸受寿命が延びる。
非分離型スラスト軸受の組立装置の概略図 非分離型スラスト軸受の拡大断面図 ロボットアームのスライドチャック拡大図 一方支持台の拡大断面図 他方支持台の拡大断面図 一方軌道盤に保持器を組み付ける手順を示す図 一方軌道盤に保持器を組み付ける手順を示す図 一方軌道盤に保持器を組み付ける手順を示す図 他方軌道盤に組み付け体を組み付ける手順を示す図 他方軌道盤に組み付け体を組み付ける手順を示す図 他方軌道盤に組み付け体を組み付ける手順を示す図
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、実施形態の組立装置は、非分離型のスラスト軸受の一対の軌道盤11、12をそれぞれ支持する一対の支持台30、40と、一対の支持台30、40の間に配置された多関節のロボットアーム20と、両支持台の30、40の上方に配置された押圧機材50、60と、からなる。
この組立装置によりロボットアーム20を用いることで自動化された実施形態の組立方法が実施される。
図2に示すように、非分離型のスラスト軸受10は、一対の軌道盤11、12と、保持器13と、複数のころ14と、を有するものである。
その一方の軌道盤11は、ドーナツ型の軌道盤本体11aの外径全周に、円筒形の鍔11bを一体に設け、この鍔11bの先端には内向きに延びる円弧形のステーキング11cを軌道盤周方向に等間隔を置いて複数設けている。
また、その他方の軌道盤12は、ドーナツ型の軌道盤本体12aの内径全周に、円筒形の鍔12bを一体に設け、この鍔12bの先端には外向きに延びる円弧形のステーキング12cを軌道盤周方向に等間隔を置いて複数設けている。
さらに平面視ドーナツ型の保持器13は、金属を折り曲げ加工して形成され、周方向に並列する多数のポケットを有し、このポケットにはころ14を保持されている。
このスラスト軸受10を組み立てると、保持器13の外径側に一方軌道盤11のステーキング11cが係合し、また保持器13の内径側に他方軌道盤12のステーキング12cが係合することで、軌道盤11、12、保持器13、およびころ14が分離しないようになる。
図1に示すように、ロボットアーム20は、両支持台30、40の中間地点に配置されたベース21に、多数のアームを互いに回動可能に連結してなる公知の構造を有する多関節アーム部22の末端が取り付けられている。
ここで多関節アーム部22の関節(アーム同士の連結箇所)の数は限定されないが、多いほど細かい動作が可能であるため好ましく、6つ(6軸)以上が特に好ましい。
また、多関節アーム部22の先端にはスライドチャック23が先端側アームの軸心周りに回転可能に取り付けられている。すなわち、スライドチャックは回転により上下反転可能となっている。
このスライドチャック23は、図3に示すように、リニアベアリング等の公知の構成を用いることで、互いに接近離反する方向に直線的にスライド可能に構成されたプレート型の一対のフィンガー23aと、各フィンガー23aからそのスライド方向にほぼ垂直の方向に突出する一対のピン23bと、を有する。
多関節アーム部22の各関節は図示省略のサーボモータ等の公知の駆動機構により回動可能となっており、またスライドチャック23のフィンガー23aも同様に公知の駆動機構によりスライド運動可能となっている。これら駆動機構は図示省略の公知の制御部により制御されている。
これにより、ロボットアーム20のスライドチャック23を一方支持台30および他方支持台40の間を往復移動させることが可能となっている。
また、図4(a)のように、一方軌道盤11を支持する一方支持台30は、テーブル31と、テーブル31の上面に等間隔をおいて立設された4つの支持レバー32と、を有する。
支持レバー32は、互いに接近離反する向き(放射方向)に若干量のスライドが許容されており、かつ互いに接近する向きにばね33で付勢されている。
ここで一方軌道盤11は、この支持レバー32により、その外径側から弾性的に4点支持されている。この支持状態で一方軌道盤11はほぼ水平をなしている。
このような支持レバー32による弾性的な支持により、一方軌道盤11に外部から力が加えられて、その位置がずれ動いた場合でも、その力から解放されるとばね33の力で元の基準位置に復帰するようになっている。
なお一方軌道盤11は、そのステーキング11cが一方支持台30の周方向に所定の配置になるように、位相あわせした状態で支持されている。
さらに、図4(b)のように、他方軌道盤12を支持する他方支持台40は、テーブル41と、テーブル41の上面に等間隔をおいて立設された3つのガイドバー42と、隣接する2つのガイドバー42の間に配置された押えレバー43と、テーブル41の他方軌道盤12の内径側に配置されたホルダ44と、を有する。
各ガイドバー42は、テーブル41に昇降可能に保持されている。その上昇限位置においては、ガイドバー42はテーブル41上面から突出し、下降限位置においては、ガイドバー42はテーブル41内に没入する。
また、側面視L字型の押えレバー43は、テーブルの上面に臨む先端に爪を有し、後端に昇降可能なプッシャ43aが当接し、L字の屈曲部分がテーブルに対して回動可能に支持されている。
そのため、プッシャ43aが上昇すると、押えレバー43はその爪がテーブル41に支持された他方軌道盤12に接近する向きに回動し、プッシャ43aが下降すると、押えレバー43はその爪がテーブル41に支持された他方軌道盤12から離反する向きに回動する。
ホルダ44は、テーブル41上面に固定されるホルダ本体44aと、ホルダ本体44aに係合し、かつ押えレバー43に対向してテーブル41上面をスライド可能なスライダ44bとからなる。ここで、ホルダ本体44aとスライダ44bの間には、ばね45が架け渡されているため、スライダ44bはテーブル41上面をホルダ本体44aから離れる向きに付勢されている。
他方支持台40が他方軌道盤12を支持する際には、ガイドバー42をテーブル41上面から突出させ、3つのガイドバー42間の空間に他方軌道盤12を落とし込む。
このとき、ホルダ44は、他方軌道盤12の内径側にはまり込み、そのばね45による付勢で、他方軌道盤12は、ほぼ水平の状態でホルダ44に内径から弾性的に保持されることになる。
このようにして他方軌道盤12をホルダ44に保持させた後、ガイドバー42をテーブル41内に没入させて作業の邪魔にならないようにする。
なお他方軌道盤12は、そのステーキング12cが他方支持台40の周方向に所定の配置になるように、位相あわせした状態で支持されている。
図1に示すように、両支持台30、40の上方には、押圧機材50、60が昇降可能に配置されており、その下降により両支持台30、40上の部品に上から圧力を加えられるようになっている。
実施形態の組立装置の構成は以上であり、次に、この組立装置を用いた組立方法について図5および図6を参照して説明する。実施形態の組立方法は、下記のステップS1〜S7よりなる。
まずステップS1として、ロボットアーム20を制御部で操作して、そのスライドチャック23の一対のフィンガー23aを離反する向きにスライドさせることで、一対のピン23bによりころ14を保持した保持器13を内径から保持しておく。
なお、この組立装置には、ロボットアーム20に保持器13を供給するための供給テーブル等の供給部を別途設置してもよい。
つぎに、ステップS2として、このロボットアーム20を制御部で操作して、保持器13を水平から傾斜状態に傾けて、一方支持台30に水平支持された一方軌道盤11に対して接近させる。
そして、図5(a)のように、一方軌道盤11の軌道盤本体11aと全体のステーキング11cのうちから選択された複数のステーキング11c(全体のステーキング11cの数がn個なら、選択されたステーキング11cの数はn−1個以下。以下同様。)との間に斜めから差し込んで仮組込みをおこなう。
ここで差し込みの方向、位置等は、位相あわせして一方支持台30に支持された一方軌道盤11との関係で、できるだけ保持器13等がステーキング11cに干渉しないように適宜調整されるものとする。可能であるならば、1つのステーキング11cを残してあとのすべてのステーキング11cと軌道盤本体11aとの間に保持器13を差し込んでおくことが好ましい。
続いて、ロボットアーム20を制御部で操作して、そのスライドチャック23の一対のフィンガー23aを接近する向きにスライドさせ、ピン23bによる保持器13の内径保持を解除する。
ここで、ステップS2において、ロボットアーム20のスライドチャック23が一方軌道盤11を押して、その位置がずれ動いた場合であっても、スライドチャック23が保持器13から離れると支持レバー32がばね33の作用で元の位置に復帰するため、次のステップにおける組み付け体の芯出しが容易となっている。
さらにステップS3として、図5(b)のように、押圧機材50を下降させて、一方軌道盤11に仮組み込みした保持器13を上から押圧し、残りのステーキング11cの上から軌道盤本体11aの側に圧入して本組みをおこなう。
このようにして、図5(c)のように、一方軌道盤11に保持器13を組み付けた組み付け体が完成する。
ステップS4として、ロボットアーム20を制御部で操作して、一方支持台30上に支持される組み付け体を、そのスライドチャック23の一対のフィンガー23aを接近する向きにスライドさせ、このフィンガー23aにより今度は外径から保持する。
ステップS5として、組み付け体を外径から保持したロボットアーム20を制御部で操作して、組み付け体を保持したままそのスライドチャック23を多関節アーム部22に対して回動させて上下反転させる。
これにより、組み付け体の上下も反転し、組み付け体をさらに他方軌道盤12に組み付ける作業をおこなうこれ以降のステップに速やかに移行することができる。
同様に、スライドチャック23が、保持器13の内径および外径のいずれも保持できるようになっているため、チャック交換の必要がなく、以降のステップに速やかに移行することができる。
ステップS6として、ロボットアーム20を制御部で操作して、組み付け体を水平から傾斜状態に傾けて他方支持台40に水平支持された他方軌道盤12に対し接近させる。
そして、図6(a)のように、他方軌道盤12の軌道盤本体12aと全体のステーキング12cから選択された複数のステーキング12cとの間に斜めから差し込んで仮組み込みを行う。
このとき、押えレバー43を回動させて、組み付け体の保持器13の上から爪を係合させておくと、組み付け体は他方軌道盤12から外れないように押えられるため、作業が確実に行われる。
また差し込み方向、位置等は、位相あわせして他方支持台40に支持された他方軌道盤12との関係で、できるだけ保持器等がステーキング12cに干渉しないように適宜調整されるものとする。可能であるならば、1つのステーキング12cを残してあとのすべてのステーキング12cと軌道盤本体12aとの間に組み付け体を差し込んでおくことが好ましい。
続いて、ロボットアーム20を制御部で操作して、そのスライドチャック23の一対のフィンガー23aを離反する向きにスライドさせ、組み付け体の外径保持を解除する。
最後に、ステップS7として、図6(b)のように、押圧機材60を下降させて、他方軌道盤12に仮組み込みした組み付け体を上から押圧し、残りのステーキング12cの上から軌道盤本体12aの側に圧入して本組みをおこなう。
このようにして、図6(c)に示すようなスラスト軸受10の組立がロボットアーム20等を用いることで速やかに完了する。組み立てられたスラスト軸受10は、ふたたびスライドチャック23により保持されるなどして次の工程へと送られる。
なお、この組立装置には、スラスト軸受10の各部品の欠陥を検査する検査部と、欠陥部品等を廃棄する廃棄部と、を配置し、これら検査部および廃棄部にロボットアームにより欠陥部品等を運べるようにして、検査および廃棄も自動で行えるようにしてもよい。
この組立方法においては、保持器13や組み付け体を潜らせた軌道盤11、12の大部分のステーキング11c、12cについてはまったく荷重がかからずしたがって変形もしないことになる。
加えて、保持器13や組み付け体を圧入したわずかな(例えば1つの)ステーキング11c、12cについても、微少にしか荷重がかからずしたがってほとんど変形しないことになる。
したがって、ステーキング11c、12c等が欠損したり、変形により軸受寿命が短くなったりすることが防止される。また、軸受部品をほとんど変形させることがないため、剛性の高い軌道盤についても、容易にこの方法を適用可能である。
上述のような、組立を人手により行ってもよいことは無論である。
実施形態の組立装置の要素を排した、実施形態の組立方法は、下記のようにステップS1〜S4よりなることが容易に理解できる。
すなわち、ステップS1として、一方軌道盤11を水平に保持し、ころ14を保持した保持器13を水平方向に対し傾斜させ、一方軌道盤11の軌道盤本体11aと全体から選択された複数のステーキング11cとの間に斜めから差し込む。
つぎに、ステップS2として、保持器13を上から押圧して一方軌道盤11の残りのステーキング11cの上から軌道盤本体11aの側に圧入して組み付け体とする。
さらに、ステップS3として、他方軌道盤12を水平に保持し、組み付け体を水平方向に対し傾斜させ、他方軌道盤12の軌道盤本体12aと全体から選択された複数のステーキング12cとの間に斜めから差し込む。
最後に、ステップS4として、組み付け体を上から押圧して他方軌道盤12の残りのステーキング12c上から軌道盤本体12aの側に圧入する。
なお、一方支持台30および他方支持台40の構造は、実施形態に限定されず、要は軌道盤11、12が水平に保持されればよい。押圧機材50、60についても同様に、構造は限定されず、要は保持器13や組み付け体を上から押圧できればよい。
また、ロボットアーム20のスライドチャック23を上下反転可能とする構成は、上記した多関節アーム部22の軸心周りの回動に限定されない。
10 スラスト軸受
11 一方軌道盤
11a 軌道盤本体
11b 鍔
11c ステーキング
12 他方軌道盤
12a 軌道盤本体
12b 鍔
12c ステーキング
13 保持器
14 ころ
20 ロボットアーム
21 ベース
22 多関節アーム部
23 スライドチャック
23a フィンガー
23b ピン
30 一方支持台
31 テーブル
32 支持レバー
33 ばね
40 他方支持台
41 テーブル
42 ガイドバー
43 押えレバー
43a プッシャ
44 ホルダ
44a ホルダ本体
44b スライダ
45 ばね
50、60 押圧機材

Claims (2)

  1. 軌道盤本体の外径側に鍔と鍔の先端から内側に向く等間隔に配置された複数のステーキングとを有する一方軌道盤と、
    前記一方軌道盤に対向し、軌道盤本体の内径側に鍔と鍔の先端から外側に向く等間隔に配置された複数のステーキングとを有する他方軌道盤と、
    周方向に並列する複数のポケットを有し、外径側に前記一方軌道盤のステーキングが係合し、内径側に前記他方軌道盤のステーキングが係合することで両軌道盤間に組み付けられる保持器と、
    前記保持器の各ポケットに両軌道盤間を転動可能に保持される複数の転動体と、を備えるスラスト軸受を組み立てる方法であって、
    その組み立てる方法に、
    前記一方軌道盤および前記他方軌道盤を、それぞれ水平に支持する一方支持台および他方支持台と、
    前記一方支持台および他方支持台の間に配置され、互いに接近離反する方向にスライド可能な一対のフィンガーと、各フィンガーから前記スライド方向と直交する方向に突出するピンと、からなる上下反転可能なスライドチャックを備える多関節ロボットアームと、
    前記各支持台の上方に昇降可能に配置された押圧機材と、を用い、
    前記多関節ロボットアームを操作して、そのスライドチャックの一対のフィンガーを離反する向きにスライドさせて一対のピンにより保持器を内径から保持するステップS1と、
    前記多関節ロボットアームを操作して、スライドチャックに内径保持された保持器を水平から傾斜状態に傾けて前記一方支持台に水平支持された一方軌道盤に対し接近させ、前記一方軌道盤の軌道盤本体と、前記等間隔に配置された複数のステーキングの総ステーキング数から1を減じた数以下でかつ可能な限り多く選択されたいくつかのステーキングとの間に、できるだけ前記保持器が前記ステーキングに干渉しないように位相あわせされたうえで、斜めから差し込むステップS2と、
    前記押圧機材により、前記保持器を上から押圧して一方軌道盤の残りのステーキングの上から軌道盤本体の側に圧入して組み付けるステップS3と、
    前記多関節ロボットアームを操作して、前記一方軌道盤に保持器を組みつけてなる前記一方支持台上に支持される組み付け体を、そのスライドチャックの一対のフィンガーを接近する向きにスライドさせてフィンガーにより外径から保持するステップS4と、
    前記多関節ロボットアームを操作して、組み付け体を保持したままそのスライドチャックを上下反転させるステップS5と、
    前記多関節ロボットアームを操作して、スライドチャックに外径保持された前記組み付け体を水平から傾斜状態に傾けて前記他方支持台に水平支持された他方軌道盤に対し接近させ、前記他方軌道盤の軌道盤本体と、前記等間隔に配置された複数のステーキングの総ステーキングから1を減じた数以下でかつ可能な限り多く選択されたいくつかのステーキングとの間に、できるだけ前記保持器が前記ステーキングに干渉しないように位相あわせされたうえで、斜めから差し込むステップS6と、
    前記押圧機材により、前記組み付け体を上から押圧して他方軌道盤の残りのステーキングの上から軌道盤本体の側に圧入するステップS7と、を含むスラスト軸受の組立方法。
  2. 軌道盤本体の外径側に鍔と鍔の先端から内側に向く等間隔に配置された複数のステーキングとを有する一方軌道盤と、
    前記一方軌道盤に対向し、軌道盤本体の内径側に鍔と鍔の先端から外側に向く等間隔に配置された複数のステーキングとを有する他方軌道盤と、
    周方向に並列する複数のポケットを有し、外径側に前記一方軌道盤のステーキングが係合し、内径側に前記他方軌道盤のステーキングが係合することで両軌道盤間に組み付けられる保持器と、
    前記保持器の各ポケットに両軌道盤間を転動可能に保持される複数の転動体と、を備えるスラスト軸受を組み立てる装置であって、
    スラスト軸受の一方軌道盤および他方軌道盤を、それぞれ水平に支持可能な一方支持台および他方支持台と、
    前記一方支持台および他方支持台の間に配置され、その先端に設けられたスライドチャックが前記一方支持台および他方支持台の間を往復可能な多関節ロボットアームと、
    前記両支持台の上方に昇降可能に配置された押圧機材と、を備え、
    前記多関節ロボットアームのスライドチャックは、
    接近離反する方向にそれぞれスライド可能な一対のフィンガーと、
    各フィンガーからフィンガーのスライド方向と直交する方向に突出するピンと、を有し、前記一対のフィンガーによりスラスト軸受の保持器を外径から保持可能で、かつ前記一対のピンによりスラスト軸受の保持器を内径から保持可能であり、
    前記多関節ロボットアームは、そのスライドチャックに保持された保持器を、前記一方支持台に保持された一方軌道盤および前記他方支持台に保持された他方軌道盤に対して、前記軌道盤本体と前記等間隔に配置された複数のステーキングの総ステーキングから1を減じた数以下でかつ可能な限り多く選択されたいくつかのステーキングとの間に、できるだけ前記ステーキングに干渉しないように位相あわせされたうえで、斜めから差し込めるようになっている、スラスト軸受の組立装置。
JP2009260841A 2009-11-16 2009-11-16 スラスト軸受の組立方法および組立装置 Active JP5635255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009260841A JP5635255B2 (ja) 2009-11-16 2009-11-16 スラスト軸受の組立方法および組立装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009260841A JP5635255B2 (ja) 2009-11-16 2009-11-16 スラスト軸受の組立方法および組立装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011106542A JP2011106542A (ja) 2011-06-02
JP5635255B2 true JP5635255B2 (ja) 2014-12-03

Family

ID=44230246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009260841A Active JP5635255B2 (ja) 2009-11-16 2009-11-16 スラスト軸受の組立方法および組立装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5635255B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019112852A1 (de) * 2019-05-16 2020-11-19 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verfahren und Vorrichtung zur Montage eines Wälzlagers

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09324817A (ja) * 1996-06-04 1997-12-16 Ntn Corp スラストころ軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011106542A (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101919263B1 (ko) 볼 베어링의 볼 배열 방법 및 볼 배열 장치, 그리고 그 볼 배열 방법으로 제조한 볼 베어링
JP6026340B2 (ja) 組付装置及び制御方法
JP4992654B2 (ja) チャック装置
JP5746440B2 (ja) 作業装置及び制御方法
JP6011001B2 (ja) 材料試験機
JP5635255B2 (ja) スラスト軸受の組立方法および組立装置
JP4517759B2 (ja) ころ軸受用保持器の製造方法
JP2007024110A (ja) 円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器
JP5915854B2 (ja) 軸受組付治具
WO2018190296A1 (ja) スラストころ軸受の組立方法および組立装置
KR102653264B1 (ko) 로드락 장치 및 기판 정렬 방법
JP2011027231A (ja) Cvtベルト組立装置およびcvtベルトの組立方法
JP6895300B2 (ja) スラストころ軸受の組立方法および組立装置
JP6901135B2 (ja) スラストニードルベアリング組立装置
JP5042804B2 (ja) スラスト軸受の組立方法
JP2006090410A (ja) ころ軸受用保持器の組立装置及び組立方法
JP3866546B2 (ja) 転動体装填装置
JP2015194193A (ja) 軸受の製造方法および製造装置
JP2007102198A (ja) 位置決め装置
EP0339630A1 (en) Rotary support device and method of producing same
JP7135877B2 (ja) リング状弾性部材の組付装置及び組付方法
CN210435658U (zh) 压装支撑装置及压装系统
CN107877128A (zh) 压力安装机构、转盘机构及自动化生产线
JP5042942B2 (ja) スラスト軸受の組立方法
JP5703786B2 (ja) 転がり軸受の組立方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5635255

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250