JP5042942B2 - スラスト軸受の組立方法 - Google Patents

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この発明は、自動車、産業機械用オートマチックトランスミッション(A/T)等に使用されるスラスト軸受の組立方法に関する。
シェル型のスラスト軸受は、軌道輪および保持器付きころを非分離に組み合わせて構成される(例えば特許文献1)。前記保持器付きころは、環状の保持器の円周方向複数箇所に設けられた各ポケット内に、ころを抜け止め状態に保持してなる。前記軌道輪は、前記ころが転接する環状の正面板部と、この正面板部の外周縁または内周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部を有する。軌道輪の前記鍔部の先端の周方向複数箇所には、保持器の周縁に係合可能な抜け止め突起が設けられ、これにより軌道輪と保持器付きころとが非分離に組み合わされる。
従来、このシェル型のスラスト軸受の組立は、以下の手順で行なっている。先ず、軌道輪鍔部の先端の円周方向複数箇所に設けられた抜け止め突起の一部から、保持器付きころを傾けてその一部を軌道輪内に挿入する。次に、軌道輪鍔部の先端の他の周方向部分から保持器付きころの他の一部を軌道輪内に挿入する。最後に、保持器付きころの残った部分を、軌道輪鍔部の先端の抜け止め突起の他の部分から、保持器を変形させながら駆動輪内に挿入する。
特開平10−159842号公報
しかし、上記した従来のシェル型のスラスト軸受の組立方法では、人手の作業により保持器や軌道輪を変形させて組み立てるため、保持器が塑性変形する場合があり、塑性変形した部分に加わる負荷で軸受寿命が短くなるという問題がある。
また、保持器および軌道輪の剛性が高い場合には、保持器や軌道輪の変形が難しくなるので、軌道輪鍔部の先端の抜け止め突起の破損や保持器の欠損が発生し、やはり軸受寿命が短くなるという問題がある。
また、手作業であることから、作業者の習熟度によっては、前記抜け止め突起の破損や、保持器や軌道輪の変形が起こり、不良品の発生の要因となる。
この発明の目的は、保持器および軌道輪に傷や変形を生じさせることなく、かつ作業者の習熟度に左右されることなく組み立てることができるスラスト軸受の組立方法を提供することである。
この発明のスラスト軸受の組立方法は、環状の保持器の円周方向複数箇所に軸方向に開口して設けられた各ポケット内にころを抜け止め状態に保持した保持器付きころと、上記ころが転接する環状の正面板部およびこの正面板部の外周縁または内周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部を有しかつこの鍔部の先端から突出し保持器の周縁に係合可能な抜け止め突起を有する軌道輪とを有するスラスト軸受において、
上記軌道輪に対して上記保持器付きころを組み込むスラスト軸受の組立方法であって、前記軌道輪を載せる載置面を有しこの載置面における前記軌道輪の鍔部に対応する箇所が凹む形状である台座と加圧治具とを準備し、前記台座に前記軌道輪を鍔部を上向きとして載せて、冷間で前記台座上の軌道輪の鍔部を前記加圧治具で上方から押し付けることで、前記軌道輪の前記鍔部を正面板部に対して開く方向に弾性変形させ、この開き状態で、前記保持器付きころを、前記抜け止め突起を通過させて正面板部に接する状態に組み込むことを特徴とする。台座の載置面は、軌道輪の鍔部に対応する箇所に近づくに従って次第に大きく凹む形状が好ましく、例えば円錐面とする。
この組立方法によると、軌道輪を、その鍔部に対応する箇所が凹む形状の台座で受け、加圧治具で押し付けるため、軌道輪の鍔部の拡開が可能となり、保持器および軌道輪に傷や変形を発生させないで組み立てることができる。軌道輪の鍔部を拡開させるため、保持器を変形させて組み立てる必要がなく、組立不良の発生原因となっていた保持器の塑性変形の問題が解消される。軌道輪を拡開させるが、上記形状の台座を用いて拡開させるため、常に弾性変形の範囲内での拡開とできて、組立後の変形による寿命への影響がない。また、上記形状の台座および加圧治具を用いるため、作業者の習熟を要することなく、誰でもが適正に組み立てることができる。
特に、台座の載置面を円錐面とした場合は、この台座で受けることにより、加圧治具の押し付けによって生じる軌道輪の正面板部への荷重が一様に掛かる。そのため、鍔部の拡開が全周に渡って均等に行われ、軌道輪が局部的に大きく変形して塑性変形を生じることが回避される。
この発明において、前記加圧治具の押し付けによる前記鍔部の弾性変形の程度を、抜け止め突起に対する保持器付きころの押し込みが、この押し込みによって生じる軌道輪の弾性変形、および抜け止め突起と保持器間の摩擦による抵抗に抗して可能な程度としても良い。
鍔部を大きく拡開させると、抜け止め突起に接することなく保持器付きころを組み込むことができるが、軌道輪を塑性変形させる恐れがある。鍔部をあまり大きく拡開させることなく、抜け止め突起と保持器付きころとの接触で、押し込みが可能な程度の挿入抵抗が生じる拡開の程度とすれば、保持器付きころの組み込みが可能で、かつ軌道輪の塑性変形を防止することができる。
この発明において、前記加圧治具による前記軌道輪の鍔部の押し付けを、押し付け荷重が設定荷重に達すると止めるものとしても良い。
軌道輪の鍔部の弾性変形の程度と押し付け荷重とは比例するため、押し付け荷重によって鍔部の弾性変形の程度を規制することができる。このため、押し付け荷重が設定荷重に達すると、加圧治具による押し付けを止めるものとすると、軌道輪が弾性変形の範囲を超えて塑性変形するのを回避できる。これにより、作業者の習熟度に左右されることなく、だれでも同じようにスラスト軸受を組み立てることができる。
この発明において、前記加圧治具による前記軌道輪の鍔部の押し付けを、前記加圧治具の押し込みストロークが設定ストロークに達すると止めるものとしても良い。軌道輪の鍔部の弾性変形の程度と押し込みストロークとは所定関係にある。そのため、加圧治具の押し込みストロークが設定ストロークに達すると加圧治具による軌道輪の鍔部の押し付けを止めるものとすると、軌道輪が弾性変形の範囲を超えて塑性変形するのを回避できる。これにより、作業者の習熟度に左右されることなく、だれでも同じようにスラスト軸受を組み立てることができる。
この発明において、前記加圧治具の前記鍔部に対する押し付け面を、鍔部の広げ方向に後退する円錐面としても良い。
加圧治具の押し付け面が円錐面であると、鍔部の拡開変形に前記押し付け面によるガイド作用が加わる。そのため、より円滑に、また全周にわたりより均等に軌道輪の鍔部を拡径変形させることができる。
この発明において、前記軌道輪の鍔部の前記弾性変形時の拡径量を0.25mm〜0.5mmとしても良い。軌道輪の鍔部の好適な拡径量は、軌道輪の抜け止め突起の突出量によっても異なるが、0.25mm〜0.5mmとするのが好ましい。
この発明において、抜け止め突起に対して保持器付きころを押し込む場合の保持器押し込み量を1.1mm〜2.4mmとしても良い。この場合の好適な保持器押し込み量は、保持器の外径寸法や厚さによっても異なるが、1.1mm〜2.4mmとするのが好ましい。
この発明のスラスト軸受の組立方法は、環状の保持器の円周方向複数箇所に軸方向に開口して設けられた各ポケット内にころを抜け止め状態に保持した保持器付きころと、上記ころが転接する環状の正面板部およびこの正面板部の外周縁または内周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部を有しかつこの鍔部の先端から突出し保持器の周縁に係合可能な抜け止め突起を有する軌道輪とを有するスラスト軸受において、上記軌道輪に対して上記保持器付きころを組み込むスラスト軸受の組立方法であって、前記軌道輪を載せる載置面を有しこの載置面における前記軌道輪の鍔部に対応する箇所が凹む形状である台座と加圧治具とを準備し、前記台座に前記軌道輪を鍔部を上向きとして載せて、冷間で前記台座上の軌道輪の鍔部を前記加圧治具で上方から押し付けることで、前記軌道輪の前記鍔部を正面板部に他紙いて開く方向に弾性変形させ、この開き状態で、前記保持器付きころを、前記抜け止め突起を通過させて正面板部に接する状態に組み込むこととしため、保持器および軌道輪に傷や変形を生じさせることなく、かつ作業者の習熟度に左右されることなく組み立てることができる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1は、この実施形態のスラスト軸受の組立方法の概要を示す説明図である。この組立方法が適用されるスラスト軸受1は、1つの軌道輪2と保持器付きころ4とを、非分離に組み合わせて構成された軸受である。このスラスト軸受1は、軌道輪2が鋼板のプレス加工品製の軸受、すなわちシェル型の軸受であるが、シェル型に限らず、この組立方法の適用が可能である。保持器付きころ4は、円周方向複数箇所に軸方向に開口するポケット7を有する環状の保持器5と、この保持器5の各ポケット7内に抜け止め状態に保持される針状のころ6とでなる。この場合の軌道輪2はスラスト軸受1の外輪となるものであって、前記ころ6が転接する環状の正面板部2aと、この正面板部2aの外周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部2bとを有する。軌道輪2の鍔部2bには、その先端から内周側に突出して保持器5の周縁に係合可能な抜け止め突起2cが、円周方向の複数箇所に形成されている。
図1における組立装置11は、前記軌道輪2に前記保持器付きころ4を非分離に組み込む装置であって、台座12とその上方で昇降する加圧治具13とを備える。台座12は、円柱状の台座本体12aの上端中央に嵌合凸部12bを設け、その下端周縁にわたって載置面12cを設けたものである。嵌合凸部12bは、軌道輪2の正面板部2aの内径面が着脱可能に嵌合する。載置面12cは、嵌合凸部12bの下端周縁から前記台座本体12aの上端周縁にわたって形成されている。載置面12cは、鍔部2bを上向きとした姿勢で前記嵌合凸部12bに嵌合した軌道輪2を載せる面であり、軌道輪2の鍔部2bに対応する箇所が凹む形状とされる。具体的には、載置面12cは、前記嵌合凸部12bの下端周縁から台座本体12aの上端周縁にわたって下降傾斜する所定傾斜角度θの円錐面とされている。この場合の傾斜角度θは、例えば4〜8°に設定される。
加圧治具13は、台座12に載せた軌道輪2の鍔部2bを上方から押し付けて、軌道輪2の鍔部2bを正面板部2aに対して開く方向に弾性変形させる治具である。この加圧治具13は、円柱状の治具本体13aの下端周縁に、軌道輪2の鍔部2bを押し付ける鍔部押付け部13bを下向きに突出して設けたものである。
図1は、前記組立装置11を用いてスラスト軸受1を組み立て終わった状態を示すが、加圧治具13で軌道輪2の鍔部2bを押し付ける前には、保持器付きころ4は、その保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cに係合した状態で、軌道輪2の上に載せられる。この組み込み前の保持器付きころ4が加圧治具13と干渉しないように、加圧治具13における治具本体13aの下端と鍔部押付け部13bで囲まれる空間は、保持器付きころ4を収容可能な保持器付きころ収容空間13cとされる。
上記組立装置11を用いたスラスト軸受1の組立では、冷間で、つまり常温で、台座12上の軌道輪2の鍔部2bを加圧治具13で上方から押し付けることで、軌道輪2の鍔部2bを正面板部2aに対して開く方向に弾性変形させ、この開き状態で、保持器付きころ4を軌道輪2の抜け止め突起2cを通過させて、正面板部2aに接する状態に組み込む。
図2ないし図6は、この実施形態の具体的な構成例を示す。図2に示すように、組立装置11は、台座12および加圧治具13のほか、加圧治具13を上方から押さえる押さえ治具14を備える。押さえ治具14は、加圧治具13の上端面に押し当てられる治具本体14aと、この治具本体14aの下端中央から垂直下方に延びるガイドロッド14bとを有する。ガイドロッド14bは、加圧治具13および台座12の軸心に貫通して設けられたロッド挿通孔15,16に挿通される。
この押さえ治具14の治具本体14aに、上方から図示しない荷重印加手段によって所定の押し付け荷重を印加することで、台座12と加圧治具13の軸心が揃えられた状態で、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの拡開変形が行なわれる。なお、図2においても、スラスト軸受1を組み立て終わった状態を示す。
図4に平面図で示すように、軌道輪2の抜け止め突起2cは、鍔部2bの周方向の等配位置(ここでは90°間隔)に局部的な加締により形成されている。この加締は、いわゆるステーキングとされている。また、鍔部2bには、円周方向の複数箇所に、この鍔部2bを全幅に渡って除去した分断部2dが設けられている。分断部2dは、例えば、隣合う各抜け止め突起2cの間に配置される。
図3に断面図で示すように、保持器付きころ4のリング状の保持器5は、M形保持器とされており、その内外の周縁に各々二重の折り返し状態とされて軸方向に延びる円筒状部5aが形成されている。各ポケット7間の柱部5bは、幅方向両端の正面板部5baと、これらの正面板部5baから前記円筒状部5aが延びる軸方向へ斜めに続く傾斜部5bcと、中央の突出板部5bbとでなる台形状に形成され、保持器全体の断面形状が略M形とされている。柱部5bの正面板部5baは、ポケット7に挿入されるころ5の軸心に対して軌道輪正面板部2a側に位置し、突出板部5bbはころ6の軸心に対して前記軌道輪正面板部2aから離反する側に位置する。図3および図5のように、前記正面板部5baには、ころ6が軌道輪正面板部2a側に脱落するのを防止するころ脱落防止部5cがポケット7内に突出して形成されている。また、前記突出板部5bbには、ころ6が軌道輪正面板部2aから離反する側に脱落するのを防止するころ脱落防止部5dがポケット7内に突出して形成されている。これにより、ころ6は、保持器5の両面側への抜け止めがなされている。
図6は、具体的構成のスラスト軸受1の組立手順を示す。先ず、図6(A)のように、台座12に軌道輪2をその鍔部2bが上向きとなる姿勢で載せ、その上に保持器付きころ4を、その保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cに係合した状態で載せる。
このセット状態で、押さえ治具14(図2)に所定の押し付け荷重を印加して、冷間で、図6(B)のように加圧治具13の鍔部押付け部13bを台座12上の軌道輪2の鍔部2bに押し付ける。このとき、軌道輪2の鍔部2bの押し付けは、前記押し付け荷重が設定荷重に達すると止めるようにし、軌道輪2が弾性変形の範囲を超えて塑性変形しないようにする。これにより、軌道輪2の鍔部2bを、正面板部2aに対して開く方向に弾性変形させ、この拡開状態で、保持器付きころ4を、軌道輪2の抜け止め突起2cを通過させて正面板部2aに接する状態に組み込む。このとき、軌道輪2の正面板部2aは、円錐面とされた台座12の載置面12cに沿って載置される。なお、軌道輪2の鍔部2bの好適な拡径量は、軌道輪2の抜け止め突起2cの突出量によっても異なるが、0.25mm〜0.5mmとするのが好ましい。
次に、図6(C)のように、加圧治具13に印加されていた荷重を解除すると、鍔部2bが開く方向に弾性変形していた軌道輪2が元の形状に復元して、軌道輪2の抜け止め突起2cが保持器5に係合した状態となる。すなわち、軌道輪2と保持器付きころ4が非分離に組み合わされる。
このような組立方法でスラスト軸受1を組み立てることにより、保持器5および軌道輪2に傷や変形を生じさせることなく、かつ作業者の習熟度に左右されることなく組み立てることができ、保持器を変形させて組み立てる従来例の場合のような組立不良の発生を無くすことができる。
この実施形態では、軌道輪2を載せる台座12の載置面12cを所定の傾斜角度θ(例えば8°)とした円錐面としているので、加圧治具13の押し付けにより鍔部2bが開く方向に弾性変形するとき、軌道輪2の正面板部2aが前記載置面12cに沿う形で受け止められる。その結果、軌道輪2の鍔部2bの拡開変形が弾性変形の範囲内で行われることになり、組立後のスラスト軸受1の寿命に前記拡開変形の影響が及ぶことがない。
また、加圧治具13の押し付け荷重が設定荷重に達すると、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの押し付けを止めるようにしているので、作業者の習熟度に左右されることなく、だれでも同じようにスラスト軸受1を組み立てることができる。
図7は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、図1〜図6に示した実施形態のスラスト軸受の組立方法において、加圧治具13の治具本体13aに、押し込みロッド18(図7(C))を挿通させる押し込みロッド挿通孔17を設けている。これにより、加圧治具13の押し付けによる軌道輪2の鍔部2bの弾性変形と、前記押し込みロッド17による保持器付きころ4の押し込みとで、軌道輪2に保持器付きころ4を組み込む。加圧治具13の前記押し込みロッド挿通孔17は、軌道輪2および保持器付きころ4を台座12の上にセットした状態で、軌道輪2の上に載せられる保持器付きころ4における保持器4の配置部相当位置に設けられる。また、台座12の円錐面とされた載置面12cの傾斜角度θは、先の実施形態の場合よりも小さく(例えば4°に)設定されている。さらに、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bへの押し付け荷重も、先の実施形態の場合よりも小さく設定されている。
この実施形態の場合も、図7(A)のように、台座12の上に鍔部2bが上向きとなる姿勢で軌道輪2を載せ、さらにその上に保持器付きころ4を、その保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cと係合した状態で載せる。
次に、図7(B)のように、冷間で、軌道輪2の鍔部2bを加圧治具13で上方から押し付けることで、軌道輪2の鍔部2bを正面板部2aが前記載置面12cに沿うまで開く方向に弾性変形させる。この弾性変形は先の実施形態の場合に比べて程度が低いので、保持器付きころ4の保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cに若干係合した状態にあるが、その係合度合いは、保持器付きころ4を押し込み可能な程度である。
次に、図7(C)のように、加圧治具13の押し込みロッド挿通孔17に押し込みロッド18を挿通し、この押し込みロッド18で保持器付きころ4の保持器5を、軌道輪2の抜け止め突起2cを通過するまで押し込むことにより、保持器付きころ4を軌道輪2の正面板部2aに接する状態に組み込む。この場合の好適な保持器押し込み量は、保持器5の外径寸法や厚さによっても異なるが、1.1mm〜2.4mmとするのが好ましい。
この後、押し込みロッド18による押し込み、および加圧治具13による押し付けを解除し、軌道輪2を弾性変形状態から復元させることで、その抜け止め突起2cが保持器付きころ4の保持器5に係合する状態にする。
この実施形態のように、保持器付きころ4を押し込みロッド18で押し込むようにした場合、軌道輪2の鍔部cの拡開の程度が小さくても組み込みが可能となる。そのため、軌道輪2の塑性変形がより一層確実に回避できる。
図8ないし図11は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の組立方法が適用されるスラスト軸1Aは、図9に示すように、軌道輪3の内径側に鍔部3bを有するものである。このスラスト軸1Aは、1つの軌道輪3と保持器付きころ4を非分離に組み合わせて構成されるシェル型のスラスト軸受である点、および保持器付きころ4の構成については、図1〜図6の実施形態と同じである。
この例の場合の軌道輪3は、スラスト軸受1Aの内輪となるものであって、保持器付きころ4のころ6が転接する環状の正面板部3aと、この正面板部3aの内周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部3bとを有する。軌道輪3の鍔部3bには、その先端から外周側に突出して保持器5の周縁に係合可能な抜け止め突起3cが形成されている。軌道輪3の抜け止め突起3cは、図10に平面図で示すように、鍔部3bの周方向の等配位置(ここでは90°間隔)に局部的な加締により形成されている。また、軌道輪3の鍔部3bの円周方向複数箇所に、鍔部3bを全幅に渡って除去した分断部3dが設けられている。
図8に示すように、組立装置11は、図2の場合と同様に台座12および加圧治具13のほか、加圧治具13を上方から押さえる押さえ治具14を備える。加圧治具13は、その治具本体13aの下端周縁が、軌道輪2の鍔部2bを上方から押し付ける鍔部押付け部13bとされている。
台座12の載置面12cは、軸心に向けて所定角度θで下降傾斜するすり鉢状の円錐面とされている。なお、載置面2cの外周縁は、軌道輪2の外径面が係脱可能な段面に形成されている。その他の構成は図2の組立装置11の場合と同様である。なお、図8においても、スラスト軸受1Aを組み立て終わった状態を示す。
図11は、この場合のスラスト軸受1Aの組立手順を示す。先ず、図11(A)のように、台座12に軌道輪3をその鍔部3bが上向きとなる姿勢で載せ、その上に保持器付きころ4を、その保持器5が軌道輪3の抜け止め突起3cに係合した状態で載せる。
このセット状態で、冷間で、押さえ治具14(図8)に所定の押し付け荷重を印加して、図11(B)のように加圧治具13の鍔部押付け部13bを台座12上の軌道輪3の鍔部3bに押し付ける。軌道輪3の鍔部3bの押し付けは、前記押し付け荷重が設定荷重に達すると止める。これにより、軌道輪3の鍔部3bを、正面板部3aに対して開く方向に弾性変形させ、この拡開状態で、保持器付きころ4を、軌道輪3の抜け止め突起3cを通過させて正面板部3aに接する状態に組み込む。このとき、軌道輪3の正面板部3aは、円錐面とされた台座12の載置面12cに沿って載置される。
次に、図11(C)のように、加圧治具13に負荷されていた押し付け荷重を解除すると、鍔部3bが開く方向に弾性変形していた軌道輪3が元の形状に復元して、軌道輪3の抜け止め突起3cが保持器5に係合した状態となる。すなわち、軌道輪3と保持器付きころ4が非分離に組み合わされる。
この実施形態の場合も、保持器5および軌道輪3に傷や変形を生じさせることなく、かつ作業者の習熟度に左右されることなくスラスト軸受1Aを組み立てることができ、保持器を変形させて組み立てる従来例の場合に見られるような組立不良の発生を無くすことができる。
図12ないし図14は、この発明のさらに他の実施形態を示す。図12は、スラスト軸受1の組立前の状態を示すが、同図では保持器付きころは省略されている。この実施形態の組立方法が適用されるスラスト軸受1は、図1〜図6に示した実施形態の場合と略同様である。ただし、その軌道輪2の鍔部2bの先端には、図14に平面図で示すように、周方向の等配位置(ここでは120°間隔)に局部的に、軸方向に突出する突片2baが形成されている。この実施形態に用いる組立装置11は、図2の組立装置11において、加圧治具13における円柱状の治具本体13aの下端の鍔部押付け部13bの内周側に、軌道輪2の鍔部2bの前記突片2baを収容する複数の突片収容凹部13eが周方向の等配位置に設けられている。
なお、この実施形態では、図7の実施形態と同様に、押し込みロッド18(図7(C))を挿通させる押し込みロッド挿通孔17が、図13のように治具本体13aの周方向の複数箇所に設けられている。なお、図13は、加圧治具13の治具本体13aを下側から見た平面図である。したがって、この実施形態では、加圧治具13の押し付けによる軌道輪鍔部2bの弾性変形の程度を、抜け止め突起2cに対して保持器付きころ4を押し込み可能な程度としている。すなわち、台座12の載置面12cとなる円錐面の傾斜角度θは、図2の組立装置11の場合より小さく(例えば4°に)設定されている。
この実施形態の組立方法が適用されるスラスト軸受1の軌道輪2では、図14にその平面図を示すように、抜け止め突起2cは周方向の前記突片2baから離れた等配位置(ここでは120°間隔)に局部的な加締により形成されている。台座12の載置面12cには、台座12に載せられた前記軌道輪2の抜け止め突起2cに対応する位置に、局部的な凹所19が設けられている。その他の構成は、図1〜図6に示す実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合、台座12の載置面12cにおける、台座12に載せた軌道輪2の抜け止め突起2cに対応する位置に局部的な凹所19を設けているので、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの押し付けで、鍔部2bの周方向位置のうち抜け止め突起2cの形成位置の拡径量が他部よりも大きくなることが可能である。すなわち、その分だけ、小さい押し付け荷重で、保持器付きころ4の押し込みが可能な程度まで、鍔部2bを拡径変形させることができる。
図15は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図12ないし図14に示す実施形態において、台座12の載置面12cにおける局部的な凹所19に接触検出器20の接触子21を臨ませたものである。接触検出器20の接触子21は、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの押し付けにより、軌道輪2の正面板部2aが前記載置面12cに沿うまで弾性変形した状態で、正面板部2aを検出できるように配置される。このように接触検出器20を設けることで、接触検出器20の検出信号から、加圧治具13の押し込みストロークが設定ストロークに達したことを判定して、加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの押し付けを止めるようにしている。その他の構成は図12ないし図14に示す実施形態の場合と同様である。
この実施形態によると、加圧治具13の押し込みストロークが設定ストロークに達すると,加圧治具13による軌道輪2の鍔部2bの押し付けが自動的に止められるので、軌道輪2が弾性変形の範囲を超えて塑性変形するのを回避できる。これにより、作業者の習熟度に左右されることなく、だれでも同じようにスラスト軸受1を組み立てることができる。
図16ないし図18は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、図12ないし図14に示す実施形態の組立装置11において、加圧治具13における治具本体13aの下端周縁の鍔部押付け部13bの、軌道輪2の鍔部2bに対する押し付け面13baが、鍔部2bの広げ方向に後退する円錐面とされている。なお、図16においても、スラスト軸受1を組み立て終わった状態を示す。
この実施形態の組立方法が適用されるスラスト軸受1の軌道輪2では、図17にその平面図を示すように、抜け止め突起2cは周方向の等配位置(ここでは120°間隔)に局部的な加締により形成されている。また、軌道輪2の正面板部2aは、鍔部2bに続く外周部位が薄肉部2aaとされている。その他の構成は、図12に示す実施形態の場合と略同様である。
図18は、この実施形態の組立方法の手順を示す。先ず、図18(A)のように、台座12に軌道輪2をその鍔部2bが上向きとなる姿勢で載せ、その上に保持器付きころ4を、その保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cに係合した状態で載せる。
このセット状態で、冷間で、押さえ治具14(図16)に所定の押し付け荷重を印加して、図18(B)のように加圧治具13の鍔部押付け部13bを台座12上の軌道輪2の鍔部2bに押し付ける。軌道輪2の鍔部2bの押し付けは、前記押し付け荷重が設定荷重に達すると止める。このとき、加圧治具13の鍔部押付け部13bの鍔部2bに対する押し付け面13baは、鍔部2bの広げ方向に後退する円錐面とされているので、鍔部2bの拡径変形には押し付け面13baのガイド作用が加わる。その結果、より安定して、保持器付きころ4の押し込みが可能な程度まで、軌道輪2の鍔部2bを拡径変形させることができる。また、この実施形態の場合、軌道輪2の正面板部2aの鍔部2bに続く外周部位が薄肉部2aaとされているので、この点からも鍔部2bの拡径変形が容易となる。そのため、台座12の載置面12cの傾斜角度θもより小さくできる。この場合、鍔部2bの拡径変形の程度が低く、保持器付きころ4の保持器5が軌道輪2の抜け止め突起2cに若干係合した状態にあるが、その係合度合いは、保持器付きころ4を押し込み可能な程度である。
次に、図18(C)のように、加圧治具13の押し込みロッド挿通孔17に押し込みロッド18を挿通し、この押し込みロッド18で保持器付きころ4の保持器5を、保持器付きころ4が軌道輪2の抜け止め突起2cを通過するまで押し込むことにより、保持器付きころ4を軌道輪2の正面板部2aに接する状態に組み込む。
この後、図18(D)のように、押し込みロッド18による押し込み、および加圧治具13による押し付けを解除し、軌道輪2を弾性変形状態から復元させることで、その抜け止め突起2cが保持器付きころ4の保持器5に係合した状態となる。すなわち、軌道輪2と保持器付きころ4が非分離に組み合わされる。
図19は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、図16〜図18に示す実施形態の組立装置11において、加圧治具13における鍔部押付け部13bの外周面の、台座12に載せられた前記軌道輪2の抜け止め突起2cに対応する位置に、局部的な凹部22が設けられている。その他の構成は、図16〜図18に示す実施形態の場合と略同様である。なお、図19においても、スラスト軸受1を組み立て終わった状態を示す。
この実施形態では、加圧治具13における鍔部押付け部13bの外周面において、軌道輪2の抜け止め突起2cに対応する位置に局部的な凹部22が設けられているので、加圧治具13の押し付けによる鍔部2bの拡径変形において、鍔部押付け部13bが鍔部2bの内周側に変形し易くなる。その結果、押し付け荷重および載置面12cの傾斜角度θをより小さくできる。
図20および図21は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、加圧治具13として、内輪となる軌道輪3の鍔部3bを内径側へ絞り込む可動の絞り込み機構29を有するものを用いている。
この絞り込み機構29は、加圧治具13の鍔部押付け部13bが、絞り込みレバー19の先端部から下方へ突出する突片として形成されている。絞り込みレバー19は、加圧治具13の中心回りに複数個(図示の例では3個)配置され、それぞれ加圧治具13の半径方向に延びている。これら各絞り込みレバー19は、加圧治具13の治具本体13Aの下面に放射状に設けられた溝28内に配置され、半径方向に直交する水平な支点軸24の回りに上下回動自在に支持されている。また、治具本体13Aには、各絞り込みレバー19に対して、絞り込みレバー位置調整ねじ26および絞り込みレバー押し付けプランジャ27が設けられている。絞り込みレバー位置調整ねじ26は、絞り込みレバー19の上面に
係合して鍔部押付け部13b側の上昇端を規制するねじであり、ねじ込み量によって軌道輪の鍔部との位地関係の調整が可能とされる。絞り込みレバー押し付けプランジャ27は、絞り込みレバー19の上面を押し付けて絞り込みレバー19の鍔部押付け部13b側端を上方へ回動付勢する手段である。台座12には、加圧治具13の絞り込みレバー19の内端が当接する絞り込み量調整部材31が設けられている。絞り込み量調整部材31は、台座12の中心に形成されたねじ孔30に外周が螺合する中空ねじ軸からなり、その内径孔がロッド挿通孔16となり、加圧治具13側のガイドロッド14bが昇降自在に嵌合する。絞り込み量調整部材31は、上端が台座12の上面よりも突出しており、台座12のねじ孔30に対するねじ込み量の調整により、その突出高さが調整可能である。
内輪側の軌道輪3の場合、前記実施形態(図8〜図11に示す実施形態)のように、加圧治具13を軌動輪3の鍔部3bに押し当て、垂直に押し付けるだけでは、鍔部3bが狙ったように内径側へ倒れない場合がある。しかし、図20,21の実施形態の場合、軌道輪3bの鍔部3bの抜け止め突起3bに垂直に荷重を掛けながら鍔部3bを内径側に絞り込んでいる。そのため、冷間での押し当てによっても、軌道輪3の鍔部3の倒れが確実となる。
具体的には、加圧治具3に取付けられた支点軸24が、治具13の下降による加圧と同時に垂直に下降し、絞り込みレバー19の先端部からなる鍔部押付け部13bが軌道輪3の鍔部2bに係合する。この後、絞り込み量調整部材31に絞り込みレバー19の内側端部当たり、治具13が下降を続けることで、支点軸24を中心として絞り込みレバー19が回動し、絞り込みレバー19の先端の鍔部押付け部13bが、軌道輪3の鍔部3bを内径側へ絞り込む。なお、絞り込みレバー19は、絞り込み量調整部材31に当たっていない状態では、絞り込みレバー押し付けプランジャ27で回動付勢され、かつ絞り込みレバー位置調整ねじ26に当たることで、一定の揺動角度を保持している。
図22は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の組立方法が適用されるスラスト軸1Bは、図22(C)に示すように、内外輪となる2つの軌道輪2,3と保持器付きころ4を非分離に組み合わせて構成される三位一体のシェル型のスラスト軸受である。この実施形態では、図1〜図6の実施形態の組立方法で組み立てたスラスト軸受1(軌道輪2+保持器付きころ4)を、図8に示す組立装置11を用いて、内輪となる軌道輪3に組み込むことにより、2つの軌道輪2,3と保持器付きころ4とが非分離に組み合わさったスラスト軸受1Bに組み立てるものである。
具体的には、先ず、図22(A)のように、図8に示す組立装置11の台座12に内輪となる軌道輪3をその鍔部3bが上向きとなる姿勢で載せ、その上に図1〜図6の実施形態の組立方法で組み立てたスラスト軸受1を、その保持器5が軌道輪3の抜け止め突起3cに係合した状態で載せる。
このセット状態で、押さえ治具14(図8)に所定の押し付け荷重を印加して、図22(B)のように加圧治具13の鍔部押付け部13bを台座12上の軌道輪3の鍔部3bに押し付ける。これにより、軌道輪3の鍔部3bを、正面板部3aに対して開く方向に弾性変形させ、この拡開状態で、スラスト軸受1(外輪となる軌道輪2+保持器付きころ4)を、軌道輪3の抜け止め突起3cを通過させ、正面板部3aに接する状態に組み込む。
次に、図22(C)のように、加圧治具13に負荷されていた押し付け荷重を解除すると、鍔部3bが開く方向に弾性変形していた軌道輪3が元の形状に復元して、軌道輪3の抜け止め突起3cが保持器5に係合した状態となる。すなわち、軌道輪3とスラスト軸受1(軌道輪2+保持器付きころ4)が非分離に組み合わさって、2つの軌道輪2,3と保持通器付きころ4とからなるスラスト軸受1Bが組み立てられる。
この発明の第1の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法の概要を示す説明図である。 同組立方法に用いる組立装置の具体例を示す断面図である。 同組立方法が適用されるスラスト軸受の要部拡大断面図である。 同スラスト軸受における軌道輪の平面図である。 同スラスト軸受における保持器付きころの要部拡大平面図である。 同組立方法の手順を示す説明図である。 この発明の他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法の手順を示す説明図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 同組立方法が適用されるスラスト軸受の要部拡大断面図である。 同スラスト軸受における軌道輪の平面図である。 同組立方法の手順を示す説明図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 同組立方法に用いる組立装置における加圧治具を下側から見た平面図である。 同組立方法が適用されるスラスト軸受における軌道輪の平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 同組立方法が適用されるスラスト軸受における軌道輪の平面図である。 同組立方法の手順を示す説明図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法に用いる組立装置の断面図である。 同組立装置の下面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるスラスト軸受の組立方法の手順を示す説明図である。
符号の説明
1,1A,1B…スラスト軸受
2,3…軌道輪
2a,3a…正面板部
2b,3b…鍔部
2c,3c…抜け止め突起
4…保持器付きころ
5…保持器
6…ころ
7…ポケット
11…組立装置
12…台座
12c…載置面
13…加圧治具
13b…鍔部押付け部
13ba…押し付け面
17…押し込みロッド挿通孔
18…押し込みロッド

Claims (8)

  1. 環状の保持器の円周方向複数箇所に軸方向に開口して設けられた各ポケット内にころを抜け止め状態に保持した保持器付きころと、上記ころが転接する環状の正面板部およびこの正面板部の外周縁または内周縁から軸方向に突出する円筒状の鍔部を有しかつこの鍔部の先端から突出し保持器の周縁に係合可能な抜け止め突起を有する軌道輪とを有するスラスト軸受において、上記軌道輪に対して上記保持器付きころを組み込むスラスト軸受の組立方法であって、
    前記軌道輪を載せる載置面を有しこの載置面における前記軌道輪の鍔部に対応する箇所が凹む形状である台座と加圧治具とを準備し、前記台座に前記軌道輪を鍔部を上向きとして載せて、冷間で前記台座上の軌道輪の鍔部を前記加圧治具で上方から押し付けることで、前記軌道輪の前記鍔部を正面板部に対して開く方向に弾性変形させ、この開き状態で、前記保持器付きころを、前記抜け止め突起を通過させて正面板部に接する状態に組み込むことを特徴とするスラスト軸受の組立方法。
  2. 請求項1において、前記加圧治具の押し付けによる前記鍔部の弾性変形の程度を、抜け止め突起に対する保持器付きころの押し込みが、この押し込みによって生じる軌道輪の弾性変形、および抜け止め突起と保持器間の摩擦による抵抗に抗して可能な程度とするスラスト軸受の組立方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記台座の前記載置面を円錐面とするスラスト軸受の組立方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記加圧治具による前記軌道輪の鍔部の押し付けを、押し付け荷重が設定荷重に達すると止めるスラスト軸受の組立方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記加圧治具による前記軌道輪の鍔部の押し付けを、前記加圧治具の押し込みストロークが設定ストロークに達すると止めるスラスト軸受の組立方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記加圧治具の前記鍔部に対する押し付け面を、鍔部の広げ方向に後退する円錐面とするスラスト軸受の組立方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記軌道輪の鍔部の前記弾性変形時の拡径量を0.25mm〜0.5mmとするスラスト軸受の組立方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、抜け止め突起に対して保持器付きころを押し込む場合の保持器押し込み量を1.1mm〜2.4mmとするスラスト軸受の組立方法。
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