JP5635145B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
また、本発明は、タイヤ周方向に延びる周方向溝によりトレッド部がタイヤ幅方向に区画されてトレッド部に形成されたリブである陸部を備えたタイヤであって、陸部の接地面が、少なくともタイヤ幅方向の陸部の断面において、所定の曲率を有する複数の曲線部が滑らかに接続された凸形状に形成され、接地面の中央部を含む中央曲線部の曲率をRc、接地面の端部を含む端曲線部の曲率をReとしたとき、Rc<Reであり、中央曲線部と端曲線部の間に位置する曲線部の曲率が、Rc〜Reの範囲内にあり、Re/Rcが、15〜60の範囲内にあるタイヤである。
本実施形態のタイヤは、車両用(例えば乗用車用)の空気入りタイヤであり、一般的なタイヤ構成部材により周知の構造に形成されている。即ち、タイヤは、一対のビード部と、トレッド部と、ビード部とトレッド部の間に位置する一対のサイドウォール部を備えている。また、タイヤは、一対のビードコアと、一対のビードコアの間に配置されたカーカスと、カーカスの外周側に配置されたベルトと、所定のトレッドパターンを有するトレッドゴムを備えている。
タイヤ1のトレッド部2は、図示のように、タイヤ幅方向Hの中央線CLに関して対称に形成されている。また、タイヤ1は、トレッド部2に形成された、複数の周方向溝10〜12、複数の陸部20〜23、及び、複数の幅方向溝13、14を備えている。複数(図1では3つ)の周方向溝10〜12は、タイヤ周方向Sに延びる主溝であり、中央線CLに位置する中央周方向溝10と、2つの外側周方向溝11、12からなる。
陸部20の接地面30は、図示のように、陸部20のタイヤ幅方向Hの断面において、複数の曲線部31〜33が滑らかに接続された凸形状に形成されている。即ち、接地面30が、複数の曲線部31〜33の境界(図2では点線で示す)で滑らかに湾曲し、接地面30の全体が、滑らかに湾曲する湾曲面をなす。複数の曲線部31〜33は、それぞれ所定の曲率Rc、Re、Rmを有し、円弧状に形成されている。このように、接地面30は、2つ以上(図2では5つ)の曲線部31〜33からなり、接地面30の曲率は、タイヤ幅方向Hの両端部34の間で変化する。
本発明の効果を確認するため、本実施形態のタイヤ1に対応する実施例のタイヤ(実施品Aという)、1つの従来例のタイヤ(従来品という)、及び、3つの比較例のタイヤ(比較品1〜3という)を作製して、それらの性能を評価した。
サイズ:195/65R15(JATMA YEAR BOOK(2012、日本自動車タイヤ協会規格))
周方向溝:3つ(図1参照)、幅10mm、深さ7mm
周方向溝の配置:タイヤ幅方向Hの中央線CLに1つの中央周方向溝10、中央陸部20、21(幅25mm)のタイヤ幅方向Hの外側に2つの外側周方向溝11、12
中央陸部20、21の幅方向溝13:タイヤ周方向Sの幅1mm、深さ7mm、タイヤ周方向Sに間隔を開けて140個
ショルダ陸部22、23の幅方向溝14:タイヤ周方向Sの幅4mm、深さ7mm、タイヤ周方向Sに間隔を開けて70個
各タイヤは、2つの中央陸部20、21の接地面のみが異なるように形成した。
従来品の陸部40は、図示のように、平面状のテーブル部41と、テーブル部41を囲む周辺部42を有する。周辺部42は、テーブル部41と陸部40の端部の間に形成された湾曲面からなる。陸部40の接地面43は、テーブル部41の部分が平面状をなす凸形状に形成されている。テーブル部41のタイヤ幅方向Hの幅をm、陸部40のタイヤ幅方向Hの幅をMとしたとき、mのMに対する比(m/M)は0.5である。テーブル部41のタイヤ周方向Sの幅をl、陸部40のタイヤ周方向Sの幅をLとしたとき、lのLに対する比(l/L)は0.5である。
比較品1では、図4に示すように、陸部50の接地面51が平面状に形成されている。
比較品2では、図5に示すように、陸部60の接地面61が単一の曲率Raに形成されている。曲率Raは、3.3(1/m)である。
実施品A(図2参照)では、中央曲線部31の曲率Rcが3.3(1/m)であり、端曲線部32の曲率Reが100(1/m)である。WeのWに対する比(We/W)は0.08であり、WeはWの8%になっている。また、Weは2mmである。
評価結果は従来品を100とした指数で表し、数値が大きいほど性能が高いことを示している。また、ドライ操縦安定性能が高いほど、タイヤのドライ路面における運動性能(ドライ性能)が高い。ウエット操縦安定性能が高く、ハイドロプレーニング発生速度の数値が大きいほど、タイヤのウエット路面における運動性能(ウエット性能)が高い。ハイドロプレーニング発生速度に関しては、数値が大きくなるのに伴い速度が速くなり、数値が大きくなるほど、ハイドロプレーニングが発生し難くなる。
比較品2では、接地面61内でのトレッドゴムの局所的な変形を抑制できるため、ウエット性能が従来品よりも高くなった。従来品では、陸部40の端部におけるトレッドゴムの局所的な変形をより抑制できるため、ドライ性能が比較品2よりも高くなった。
比較品3では、ドライ性能が従来品よりも高くなるものの、ウエット性能が従来品よりも低くなった。これは、接地面71内でトレッドゴムの局所的な変形が生じるためである。
実施品Aでは、各性能を高くする要因が相乗し、かつ、各性能を低くする要因が相殺されて、ドライ性能とウエット性能がともに向上した。
表2に示すように、中央曲線部31の曲率Rcが2.5〜5(1/m)の範囲内にあるときに、ドライ性能とウエット性能が、より高くなり、確実に向上する。また、実施品Aの性能が最も高く、実施品Aの条件が最適であることが分かった。
表3に示すように、端曲線部32の曲率Reが50〜200(1/m)の範囲内にあるときに、ドライ性能とウエット性能が、より高くなり、確実に向上する。また、実施品Aの性能が最も高く、実施品Aの条件が最適であることが分かった。
表4に示すように、WeがWの5〜20%である、即ち、We/Wが0.05〜0.2の範囲内にあるときに、ドライ性能とウエット性能が、より高くなり、確実に向上する。また、実施品Aの性能が最も高く、実施品Aの条件が最適であることが分かった。
Claims (5)
- タイヤ周方向に延びる周方向溝によりトレッド部がタイヤ幅方向に区画されてトレッド部に形成されたブロック列である陸部を備えたタイヤであって、
陸部の接地面が、少なくともタイヤ幅方向の陸部の断面において、所定の曲率を有する複数の曲線部が滑らかに接続された凸形状に形成され、
接地面の中央部を含む中央曲線部の曲率をRc、接地面の端部を含む端曲線部の曲率をReとしたとき、Rc<Reであり、
中央曲線部と端曲線部の間に位置する曲線部の曲率が、Rc〜Reの範囲内にあり、
Re/Rcが、15〜60の範囲内にあるタイヤ。 - タイヤ周方向に延びる周方向溝によりトレッド部がタイヤ幅方向に区画されてトレッド部に形成されたリブである陸部を備えたタイヤであって、
陸部の接地面が、少なくともタイヤ幅方向の陸部の断面において、所定の曲率を有する複数の曲線部が滑らかに接続された凸形状に形成され、
接地面の中央部を含む中央曲線部の曲率をRc、接地面の端部を含む端曲線部の曲率をReとしたとき、Rc<Reであり、
中央曲線部と端曲線部の間に位置する曲線部の曲率が、Rc〜Reの範囲内にあり、
Re/Rcが、15〜60の範囲内にあるタイヤ。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤにおいて、
中央曲線部の曲率Rcが、2.5〜5(1/m)の範囲内にあるタイヤ。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤにおいて、
端曲線部の曲率Reが、50〜200(1/m)の範囲内にあるタイヤ。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤにおいて、
陸部のタイヤ幅方向の幅をW、端曲線部のタイヤ幅方向の幅をWeとしたとき、We/Wが、0.05〜0.2の範囲内にあるタイヤ。
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