JP5634982B2 - 改良された結合剤及び変性タクチシティの合成法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はビニル芳香族物質又はその他のラジカル重合性ビニル化合物又は主としてこのようなモノマーから成るモノマー混合物の連続的重合法を用いる重合によって塗料に使用するためのポリマーを製造する方法に関する。特に本発明はポリマーの溶剤不含の製法に関し、それによって改良された加工性、非常に良好な熱安定性、改良された顔料湿潤性及び高い光沢を有する塗料に使用するための結合剤を製造することができる。
従来の技術
塗料に使用するための(メタ)アクリレート−又はビニル芳香族物質−結合剤は、公知技術によれば通常懸濁重合又は溶液重合によって製造される。(メタ)アクリレートとは、アクリル酸及びその誘導体、例えばそのエステル及びメタクリル酸及びその誘導体、例えばそのエステル及び前記成分から成る混合物である。これに対して本発明は、塊状重合法又は特に有利には連続的塊状重合法を詳説する。このような方法は、障害となる溶剤なしに実施することができない。溶剤は、例えば(メタ)アクリレートの重合の間に副反応、例えば連鎖移動反応、不所望な連鎖停止反応又はポリマー類似反応を引き起こす恐れさえある。更に製造条件下で溶剤の取り扱いには安全上の危険性がある。更に溶剤の選択は製造工程によって−例えば必要な反応温度によって−制限され得る。これはまた、例えば高すぎる沸点の溶剤による長すぎる乾燥時間のためにその後の調製及び適用形に悪い影響を及ぼす。反応温度の正確な調節によってポリマーのミクロ構造を変性する必要がある場合には、溶剤の自由な選択は更に制限される。それに加えて、高い温度における(メタ)アクリレート又はビニル芳香族物質の重合により高い割合のいわゆる頭−頭結合が起こることが当業者に公知である。重合鎖中のこのような結合は、ポリマーの熱安定性を著しく減少させ、特に高い残モノマー含量を生じる可能性がある。製造用に使用された溶剤のもう一つの除去は、付加的で望ましくない製造工程を必要とし、製造及び使用のための2種類の異なる溶剤の使用によって環境に負担をかける。
アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はビニル芳香族物質又は主としてこのようなモノマーから成るモノマー混合物の懸濁重合は原則的に公知である。この方法も溶剤不含で行われる。しかし懸濁重合に比してこの方法で大量の水を使用することは大きな欠点である。これによって付加的な方法工程、例えば濾過及び後続の乾燥が必要となる。この乾燥は通常不完全にしか行われない。しかし既に僅かな残留水分でさえ塗料使用においては光学特性、例えば光沢又は顔料分散性が著しく損われる結果となる。
懸濁重合は連続的にではなく、バッチ法によってのみ行うことができる。このような方法は、連続的重合に比して柔軟かつ効果的に実施することが難しい。その他の重合法に比して懸濁重合のもう一つの欠点は、多数の助剤、例えば分配剤、乳化剤、消泡剤又はその他の助剤を使用する必要があり、これらが後処理後にも最終生成物中に含有されていることである。これらの助剤は塗料中で不純物として、例えば光沢値を減少させ、顔料の分散性を悪化させ又は有機溶剤中に不溶性の分散剤の洗浄除去が不十分であることにより斑点を生じる恐れがある。極性コモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、アミノ官能性又はヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートの共重合性が極めて限定的であることも欠点である。各々のモノマー混合物に対するこれらのモノマーの割合は、その水溶性のために厳しく制限する必要がある。懸濁重合のもう一つの大きな欠点は、必要とされる反応温度である。このような方法は、非常に僅かな温度ウィンドウで実施可能であるにすきない。100℃より上の温度は、使用した水のために原則的に調節が非常に難しい。圧力及び100℃より上の温度下における理論的な実施は、このような条件下で水相中でのモノマーの更に改善された溶解性によって推奨に値しない。これに対して低すぎる温度では、懸濁重合は非常に緩慢又は不完全にしか行われず、工程に適合した粒度の調節が極めて困難である。塗料に使用するための結合剤としての懸濁ポリマーの製造例は、DE0190433に記載されている。
塊状重合に対する懸濁重合のもう一つの欠点は、エネルギーバランスシートである。約50%の水相の加熱及び重合後に必要なこの水相の冷却には、エネルギー及び時間がかかる。
攪拌釜又は容器中における非連続的塊状重合は、原則的にはモノマーの不完全な反応しか起こさず、それによって高い残留モノマー分が生じ、これは再び塗料特性を損なうものであるか又は調製する前に費用をかけて除去する必要がある。
ポリ(メタ)アクリレートの製造用の多種多様な連続的塊状重合法が多数当業者に公知である。例えばEP0096901には、攪拌釜にスチレン、α−メチルスチレン及びアクリル酸から成るモノマー混合物を連続的に装入し、同時にポリマーを除去することが記載されている。反応温度としては、ポリマーミクロ構造に対する条件の影響又は使用技術的特性の相違を加味せずに、170℃〜300℃の範囲が記載されている。管形反応器が連続的懸濁重合を実施するために非常に重要である。WO9804593には、スチレン、α−メチルスチレン及びアクリル酸からのアクリレート樹脂又はコポリマーの連続的製造が記載されている。重合は180℃〜260℃の温度で行われる。210℃〜246℃の温度範囲における分散剤−又は乳化剤使用のための類似組成のポリマーの製造が、US6476170に記載されている。WO9923119には、100℃〜300℃の重合温度における管形反応器中での接着剤樹脂の製造が特許請求されており、WO2005066216には、130℃より下の温度における溶融接着剤の製造が記載されている。しかしこれらの文書のいずれにも、例えば塗料配合物で、異なる反応温度のポリマーのミクロ構造に対する影響又はその結果として生ずる使用技術的特性に対する影響は記載されていない。同じことがWO9812229に記載されている重合法についても言える。これは、管形反応器の変形、循環反応器にも該当する。特許請求された方法の目的は、成形体の製造用のポリメタクリレートの製造であった。ここに記載された方法は、135℃〜150℃の比較的狭い温度範囲に制限されているが、その際この制限は何らかの形でポリマーミクロ構造に対する影響によって、理由付けされていない。
(メタ)アクリレートの連続的塊状重合用の新世代反応器は、いわゆるテイラー反応器である。この反応器も広い温度範囲で使用可能である。塗料又は接着剤又はシーラント用の結合剤を製造するための相応する方法の前記記載は、WO03031056に記載されているが、その際ここではポリマー鎖のミクロ構造に踏み込んでいない。
反応器の連続的装入用のもう一つは、反応押出機である。WO2007087465には、接着剤使用のためのポリ(メタ)アクリレートの連続的製造法が記載されている。反応押出機は、短い滞留時間で高い変換率を達成することができるという多大な利点を有する。しかし生成物のミクロ構造の的確な調節は、本日までまだ記載されていなかった。
反応押出機は混練機と原則的に非常に似ている。WO2006/034875には、再混合混練反応器中のガラス転移温度より上における連続的塊状重合のための、特にサーモプラスト及びエラストマーのホモ−又は共重合のための方法が記載されている。その際、モノマー、触媒、開始剤等を連続的に反応器に装入し、既に反応させた生成物と再度混合させる。同時に反応させた生成物を連続的に混合混練機から除去する。方法は、例えばMMAの連続的塊状重合に使用することができる。未反応モノマーを残留ガス抜きによって除去し、反応器に再び供給することができる。異なる重合温度及びその生成物のタクチシティに対する影響は検討されていなかった。
WO2007/112901には、特にサーモプラスト及びエラストマーのホモ−又は共重合を実施するための、粘性生成物の処理法が記載されているが、その際90〜98%の変換率が達成される。モノマー、触媒及び/又は開始剤及び/又は連鎖調整剤を再混合した混合混練機又は混練反応器に連続的に供給し、既に反応させた生成物と再度混合させ、反応させた生成物を混合混練機から搬出する。その際、生成物を混練機中で沸点温度まで加熱する。出発物質分を蒸発させ、生成物の発熱を蒸発冷却によって吸収する。この方法は、溶剤なしにか又は非常に僅かな量の溶剤を用いて実施することができる。最適な沸騰温度の調節は、圧力を変化させることによって行う。再混合は、生成物の前以て設定した粘度に達するまで行う。粘度は、出発物質の連続的添加によって維持する。生成物のタクチシティに対する製造温度の影響の相違は記載されていない。
課題
本発明の課題は、塗料配合物用のアクリレート−又はメタクリレート−(以下では(メタ)アクリレート−と略記)をベースとする改良された結合剤を提供することであった。
特に本発明の課題は、顔料の公知技術に比して改良された光沢値及び湿潤特性を有する(メタ)アクリレート−結合剤を提供することであった。更に、結合剤は高い熱安定性−例えば約214℃より上の温度で−を有する必要がある。これは特に僅かな割合の重合鎖中の頭−頭−結合によって保証されねばならない。更に本発明により製造された結合剤及びそれから製造された塗料配合物は、場合により、改良された加工性、例えば減少した溶融物−及び/又は溶液粘度を有する必要がある。
もう一つの課題は、溶剤不含であるか又は10質量%の最高溶剤割合で実施することができ、高い変換率下で又は非常に僅か残留モノマーの割合で実施することができる環境を損なわない方法を提供することであった。もう一つの課題は、結合剤の高い光沢特性に対する要求から、方法が助剤、例えば乳化剤、安定剤又は消泡剤の添加なしに実施することができるようにすることであった。
解決
これらの課題は、(メタ)アクリレートを高い変換率で溶剤不含で重合させることができ、原則として既に公知技術とみなすことができる特別な連続的塊状重合法の修正使用によって解決された。懸濁重合に対する塊状重合法の利点は、助剤、例えば乳化剤、安定剤、消泡剤又はその他の懸濁助剤の添加なしに製造することができる生成物の高い純度である。もう一つの利点は、生成物の水分不含性である。懸濁重合を用いて製造した結合剤は、屡塗料中で光沢の減少及び時として分散性の減少も認められる。この作用は、ポリマーミクロ構造に起因するのではなく、方法によるポリマーの残湿分に起因するものである。懸濁重合に対する塊状重合のもう一つの利点は、親水性コモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、アミノ−又はヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートの任意の量の使用である。溶液重合に対する利点は、重合工程又は一次生成物における揮発性成分がないか又はその割合が非常に僅かであるにすぎないことである。バッチ法における塊状重合に対する本発明の利点は、達成可能な著しく高い変換率、従って最終生成物における残留モノマーの少ない割合である。更に、より高い製造速度及び工程パラメーターのより広い変更可能性が挙げられる。
本発明の解決法の特別な態様は、その都度の生成物又はその都度の使用に対する要求に応じて重合温度の個々の選択が可能であることである。製造される結合剤の顔料の光沢、熱安定性、分散−又は湿潤特性及び結合剤又は塗料配合物の加工性に関する特性は、意外にも組成、分子量、分子量分布、官能性及び末端基によってのみ左右されるのではなく、特にポリマー鎖のミクロ構造によっても左右される。ミクロ構造とは、この場合にタクチシティ及びポリマーの鎖中の頭−頭−結合の割合である。フリーラジカル製造したポリ(メタ)アクリレートはモノマー組成に応じてシンジオタクチック及びアタクチック部分(トライアド(Triad))の間のコポリマー(イソタクチックトライアドのごく僅かな割合を有する)である。特に大きなシンジオタクチック割合を有するポリメタクリレートは、工業的使用の方法、例えば特に低い温度におけるアニオン重合又は立体選択性触媒を用いる金属開始基移動重合(GTP)を使用して製造することができるにすぎない。これに対して高級アイソタクチックポリマーは後者方法でのみ辛うじて製造することができる。重合に対する立体選択的影響を与える第三の方法は、光学活性試薬の形で錯化剤を重合溶液に添加することである。これに関しては例えばEP1611162を参照にされたい。しかしこの方法は種々の欠点を有する:一つには溶液重合でのみ有効に使用することができるにすぎないことであり、もう一つには、添加剤が更なる重合成分となることであり、これは費用をかけて除去せねばならないか又は最終生成物の光学的特性を損なうものである。
95%より多いトライアド純度を有するポリマーの製造及び正確な特性確認は、例えばFrauenrathその他(Macromolecules、2001、34巻、14頁)に記載されている。高級アイソタクチックPMMAは、例えば50℃又は60℃より下のガラス転移温度を有する。これに対して高シンジオタクチックPMMAは130℃より著しく上のガラス転移温度を有する。しかし熱特性にともなって肉眼的ポリマー特性も変わる。
当業者に公知のように、タクチシティの変化によってガラス転移温度又は−晶状ポリマーの稀な場合には−溶融温度が影響される。更に熱特性と共にポリマーの肉眼的特性も変化する。ガラス転移温度は鎖フレキシビリティーの指数と見なすことができる。これに特性、例えば溶融物粘度又は溶液挙動も左右され、従って材料の溶液粘度も左右される。ミクロ構造の変化、特にポリマー鎖のタクチシティの変化によって、様相、例えばポリマーの加工性−例えば溶剤中での配合性、塗料の乾燥速度又は塗料の温度安定性又は耐候性−を調節することは当業者には明らかなことである。例えばポリプロピレンの結晶度及び立体配座並びに熱特性に対するタクチシティの大きな影響は、Seymourその他(Paintinda、28(8)、19−28頁、1973)に詳説されている。
塗膜の最小層厚は表面上のポリマーの自己組織化及び鎖フレキシビリティーに左右されることも公知である。被覆のこの重要な観点も各々のポリマーのタクチシティに起因する。それに関してPMMA被覆を用いた詳細な試験は、Grohensその他(Mat.Res.Soc.Symp.629巻、FF1.7.1−FF1.7.7、2001)に詳説されている。
意外にも、タクチシティで他のポリマーに対する相溶性及び無機表面との相互作用が変えられることを見出した。この原因の一つは、例えば異なるタクチシティを用いて変えたポリマーの極性であろう。異なるタクチシティを有するポリマーのもう一つの利点は、ポリマーのミクロ構造−特にタクチシティ−が界面での相互作用に対する影響を有することである。これは一つには種々の支持体、例えば金属、セラミック又はコンクリートへの接着に関する。特に金属表面、例えば亜鉛又は鋼に対して本発明により製造した結合剤を用いて著しく改良された接着特性が実証された。しかしポリマー組成に応じて、相応する作用は他の表面−例えばセラミック、プラスチック又はコンクリート−に対しても期待される。
しかしもう一つには、特に顔料又は塗料材料中に含有される添加物の分散が影響を受ける。ラッカー中の結合剤による顔料の湿潤の質は、塗膜の被覆の色の強度及び品質にとって極めて重要である。その際、顔料及び結合剤の相互作用は、特にポリマー鎖の相互作用性又は官能性の基の位置により決められる。例えばシンジオタクチックトライアドでは3個の相互作用をする基が熱動力学的に有利には相互に空間的に近くに運ばれ、これはアイソタクチック単位において高すぎる不利な鎖応力を生じることになるであろうと考えられる。もう一つの相互作用の立体効果も推定される。従って本発明による重合法を用いて初めて、出来る限り簡単かつフレキシブルに調節可能である重合法を用いて、被覆される支持体とマトリックス中で分散される顔料の特別な組合せに関しても最適であるように、結合剤を製造することが可能である。もう一つの特徴は、完成した塗料配合物の粘度である。例えばラッカー中の無機顔料の配合では粘度が著しい影響を受けることは当業者に公知である。この作用は、結合剤と顔料との相互作用に起因し、色添加物の表面湿潤の質の指数である。本発明により製造した結合剤を使用する場合には意外にも、このような配合物の初期粘度は、相応する懸濁重合体を有する標準配合物に比して僅かであり、従って有利である。従って本発明によるポリマーを用いて迅速かつ有効な顔料分散が可能である。
ラッカー品質のもう一つの特徴は光沢である。光沢が、塗料マトリックス中の水−又は溶剤含量に強い影響をうけることは既に説明されている。しかし更に、ミクロ構造もラッカーの光沢値で測定可能な多大な影響を引き起こしうることが確認された。ポリマー組成に応じて、より少ないシンジオタクチック分を有するポリマーが、80℃で製造した標準とみなされる懸濁重合体に比してより良好な光沢値を示すことが実証された。
従ってこの方法を用いて、使用技術的に重要な肉眼的特性に関して特定目的に合わせてポリマーを製造することが可能である。(メタ)アクリレートの重合における立体制御用のこれまで公知の方法は全て非常に費用がかかり、付加的な成分、例えば特別な開始剤又は錯化剤の添加をベースとしている。従って重合工程中のポリマータクチシティに影響を与える簡単な方法は、技術的に非常に重要であろう。意外にもこの問題を解決するために、重合温度の変化及び開始剤/調節剤の選択的適用によって、系に付加的な成分、例えば錯化剤を添加する必要なしに、ポリマーのタクチシティを限定的ではあるがそれにもかかわらず技術的に非常に有利な範囲で変化させることができることを見出した。更に、これに関して−既に記載した理由から−塊状重合が最適であることを確認した。
更に、メチル基より大きなアルキル基を有するモノマーで−例えばMMA−タクチシティの重合温度による依存性は、種々のミクロ構造の比較においてなお大きな影響を有し得ることが容易に推論される。同じことが特に立体的種々の要求の多い基を有するモノマーから成るコポリマーにも言える。本発明による方法のもう一つの利点は、問題なく連続的重合法に転用することができることである。
本発明のもう一つの態様は、214℃までの、有利には230℃までの、極めて特に有利には250℃までの熱安定性を有する(メタ)アクリレートをベースとする結合剤の製造である。記載温度での熱安定性は、熱重量分析(TGA)で2質量%より少ない質量損失を意味する。高い温度での重合は特にいわゆる頭−頭−結合の生成に有利である。ポリ(メタ)アクリレートの場合には2個の四級炭素原子が相互に結合しているポリマー鎖中のこの結合は、150℃より上の温度で熱安定性を示し、破断で鎖の解重合が開始し得る。これによって製造収率が減少し及びポリマー中の残留モノマー含量が増加する結果となる。更にこのような生成物は不安定な結合によって貯蔵安定性又は耐候性の減少を示す。
高い重合温度におけるポリ(メタ)アクリレート中の頭−頭−結合の生成は、塊状重合でみられる現象だけではなく、相応する温度で製造した溶液重合体でも起こり得る。本発明では、頭−頭−結合の問題、従って熱安定性の減少の問題を、重合終了後に生成物を熱により後処理するようにして解決した。120℃より上、有利には160℃より上、特に有利には180℃より上で、1ミリバール〜800ミリバール、有利には5ミリバール〜400ミリバール、特に有利には10ミリバール〜100ミリバールの内圧で、生成物中に含有される揮発性成分、例えば残留モノマー又は場合により使用した溶剤を除去するだけでなく、頭−頭−結合も開き、それによって該当する重合鎖を安定化又は解重合させ、生じる低分子化合物を除去する。こうして再び得たモノマーを場合により重合工程に戻すことができる。このような処置はこれまで記載した全ての方法、例えば反応性押出、テイラー−又は管形反応器及び混練機技術で後続の方法工程、例えばフラッシュガス抜き又は(第2)ガス抜き押出機によって難なく補充することができる。代わりに、連続操業の反応器の最後の帯域を相応する温度及び場合により減圧下で操作することができる。これは例えば押出機等の最後の帯域であってよい。
重合されるモノマーは、(メタ)アクリレート、例えばC原子1〜40個を有する直鎖、枝分かれ又は脂環式アルコールのアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート;アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジル(メタ)アクリレート又はフェニル(メタ)アクリレート(これらは非置換又は各々1〜4個置換されたアリール基を有していてよい);その他の芳香族の置換された(メタ)アクリレート、例えばナフチル(メタ)アクリレート;C原子5〜80個を有するエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート又はその混合物、例えばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシ(メ)エトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシ−プロピルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート及びポリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレートの群から選択する。モノマー選択は、各々ヒドロキシ官能性化及び/又はアミノ官能性化及び/又はメルカプト官能性化及び/又はオレフィン性官能性化及び/又はカルボキシル官能性化アクリレート又はメタクリレート、例えばアリルメタクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレートを含むこともできる。前に記載した(メタ)アクリレートの他に、重合される配合物は、前記(メタ)アクリレートと共重合可能であるか又はホモ重合可能であるその他の不飽和モノマーを有してもよい。これには、特に1−アルケン、例えば1−ヘキセン、1−ヘプテン、枝分かれアルケン、例えばビニルシクロヘキサン、3,3−ジメチル−1−プロペン、3−メチル−1−ジイソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、アクリルニトリル、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、スチレン、ビニル基にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環に1個以上のアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;複素環式化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール、ビニルオキサゾール及びイソプレニルエーテル;マレイン酸誘導体、例えば無水マレイン酸、マレインイミド、メチルマレインイミド、シクロヘキシルマレインイミド及びジエン、例えばジビニルベンゼン並びに各々ヒドロキシ官能化された及び/又はアミノ官能化された及び/又はメルカプト官能化された及び/又はオレフィン性官能化された化合物が含まれる。更にこのコポリマーは、置換基中にヒドロキシ−及び/又はアミノ−及び/又はメルカプト官能性及び/又はオレフィン性官能性を有するように製造することもできる。このようなモノマーは、例えばビニルピペリジン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、水素添加ビニルチアゾール及び水素添加ビニルオキサゾールである。
通常モノマー相に添加される重合開始剤としては、通常使用されるラジカル開始剤、特にペルオキシド及びアゾ化合物が使用される。場合により異なる開始剤の混合物を使用することが有利である。使用量は通常モノマー相に対して0.1〜5質量%である。有利にはアゾ化合物、例えばアゾビスイソ酪酸ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(WAKO(登録商標)V40)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル(WAKO(登録商標)V30)又はペルエステル、例えばt−ブチルペルオクトエート、ジ(t−ブチル)ペルオキシド(DTBP)、ジ(t−アミル)ペルオキシド(DTAP)、t−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキシル)カーボネート(TBPEHC)及びその他の高い温度で分解するペルオキシドがラジカル開始剤として使用される。好適な開始剤のその他の例は、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、モノクロロベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、p−エチルベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート又はアゾビス−(2,4−ジメチル)−バレロニトリルである。
生成したポリマーの分子量を調節するために、モノマー相に通常8質量%までの1種以上の自体公知の連鎖調整剤を添加することができる。例えば、メルカプタン、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン又はメルカプトエタノール;チオグリコール酸又はチオグリコール酸エステル、例えばチオグリコール酸イソオクチルエステル又はチオグリコール酸ラウリルエステル;脂肪族塩素化合物;エノールエーテル又は二量体のα−メチルスチレンが挙げられる。枝分かれポリマーを製造する必要がある場合には、モノマー相は約1質量%までの多官能性モノマー、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート又はジビニルベンゼンを含有することができる。
連続的に操業する反応器中の粘度を最適に調節するために、系に場合により10質量%までの溶剤又は可塑剤を添加することができる。特に高い溶融粘度では反応溶液の最適な混合を確実にするような添加物が必要であろう。有利にはモノマー混合物に最高5質量%添加する。重合は溶剤又は可塑剤の添加なしに実施するのが特に有利である。使用可能な添加物には制限はない。これは例えばアセテート、脂肪族物質、芳香族物質又はポリエステル又はフタレートであってよい。
本発明によるポリマーを製造するための有利な方法は、連続的操業の混練機技術である。会社一覧の連続塊状重合用のこのような再混合混練反応器は、WO2006/034875又はWO2007/112901に記載されている。重合はポリマーのガラス転移温度より上で実施する。その際、モノマー、触媒、開始剤等を連続的に反応器に供給し、既に反応した生成物と再度混合させる。同時に反応させた生成物は連続的に混合混練機から除去する。未反応モノマーは残ガス抜き機により除去し、反応器に再び戻すことができる。同時にこの残ガス抜き機中でポリマーの熱による後処理を行う。
本発明により製造した生成物には広い使用分野がある。有利には(メタ)アクリレートをベースとする塊状重合体は、例えば金属−、プラスチック−、セラミック−又は木材表面の被覆に使用される。塗料に関する例は、本発明によるポリマーの建造物着色、船舶−又はコンテナー着色中の結合剤としての使用である。同じくポリマーは道路標識、床被覆、印刷インキ、ヒートシールラッカー、反応性溶融接着剤、接着材料又はシーラント中に使用することができる。
次に実施例につき本発明を詳説するが、本発明はそれに限定されるものではない。
実施例
ポリマーのタクチシティの測定
製造したポリマーのタクチシティ測定は、1H−核共鳴スペクトロスコピーを用いて行う。イソ−、ヘテロ−及びシンジオタクチックトライアド中のポリメタクリレートのメチルシグナルはプロトンスペクトルで0.87、1.02及び1.21ppmで共鳴を示す(標準としてテトラメチルシランを有するジュウテロクロロホルム、50℃)。これらのピークの積分によりトライアド頻度が得られる。
ラッカーの金属接着の測定
鋼鉄−又は亜鉛表面への結合剤の金属接着は、DIN EN ISO2409により格子切断試験を用いて検査した。その際、結果の評価は0(特に良好な接着像)から5(接着せず)の値で行う。表中に二つの値を記載する:最初の値は、切断実施後の光学的評価である。2番目の値は、接着ベルトを用いる付加的な規格に相応する試験による評価である。
光沢値の測定
光沢値は、DIN67630により測定する。測定角はその都度記載する。
動的粘度の測定
動的粘度の測定は、DIN EN ISO53018により行う。
ガラス転移温度の測定
ガラス転移温度の測定は、DIN EN ISO11357−1により動的示差熱分析(DSC)を用いて行う。
熱重量分析測定
熱重量分析測定は、DIN EN ISO11358により行う。
実施例1、配合物1
連続的塊状重合
メチルメタクリレート20質量%、n−ブチルメタクリレート80質量%、Degussa社の開始剤TBPEHC0.4質量%及びエチルヘキシルチオグリコレート(TGEH)0.4質量%を、例えばWO2006/034875に記載されているように、List社の再混合混練反応器に連続的に供給し、同時に反応したポリマーを連続的に反応器から搬出する。反応器中の内部温度は140℃である。平均滞留時間は約30分間である。ポリマー溶融物は反応器のすぐ後でList社のフラッシュ−ガス抜き機に供給し、そこで温度180℃で残りの未反応モノマーをポリマーから除去し、熱に不安定な頭−頭−結合を解裂させる。反応器とフラッシュガス抜き機の間でTGA測定用の試料を取出すことができる。
実施例2、配合物1
実施例1と同様に行うが、0.5%TBPEHCを120℃の反応温度で用いる。
参考例1、配合物1
溶液重合
n−ブチルメタクリレート80%(364g)及びメチルメタクリレート20%(91g)を混合してモノマー主溶液にする。モノマー主溶液91g及びn−ブチルアセテート140gを葉状攪拌機、還流冷却器及び窒素不活性化を有する2L二重壁反応器に装入する。TGEH0.3gをn−ブチルアセテート5gに溶解させ、反応器に添加する。攪拌下で混合物を内部温度60℃に加熱する。n−ブチルアセテート5g中に溶解させたPergan GmbH社のPeroxan PND0.55gを添加した。発熱反応後に残留モノマー主溶液をTGEH1.2g及びPeroxan PND2.2gと一緒に3時間以内に内部温度60℃で添加する。添加終了後に、n−ブチルアセテート100g中のPeroxan PND1.4gを用いて後開始させる。後反応時間は3時間である。引き続き約40℃に冷却し、その際n−ブチルアセテート240gで希釈する。
参考例2、配合物2
参考例1と同様に行うが、ただ開始剤として全量2.73gのPergan GmbH社のPeroxan POだけを用いて内部温度90℃で行う。
参考例3、配合物1
参考例1と同様に行うが、ただ開始剤として全量1.83gのDegussa社の開始剤TBPB、調節剤として全量0.91gのTGEHを用いて内部温度120℃で行う。
参考例4、配合物1
塊状重合
n−ブチルメタクリレート720g、メチルメタクリレート180g、TGEH3.6g及びTBPEHC3.6gをビーカー中で混合し、攪拌下で30分間均質化する。混合物を2枚のガラス板(20*20cm)及び厚さ6mmのプラスチック細紐から成る型に入れる。細紐は、板相互の一定の間隔が保たれかつ型の密閉に留意して2枚のガラス板の間に取り付ける。型はクリップによってしっかり結合させる。充填した型を80℃で3時間炉中に入れる。引き続き型を炉から取出し、室温に冷却し、ポリマー板を型から取出す。
参考例5、配合物1
参考例4と同様に行うが、TGEH2.3g、PerganGmbH社のPerxan LP4.7gを用いて、炉温度120℃で行う。
参考例6、配合物1
懸濁重合
攪拌機及び還流冷却器を装備した加熱冷却ジャケットを有する5L重合容器中に完全脱塩水3200mlを入れ、攪拌機を300rpmの回転数に調節し、外部温度40℃に加熱する。ポリアクリル酸の13%水溶液200g及び硫酸水素カリウム0.5gを添加し、攪拌により分散させる。ビーカー中でn−ブチルメタクリレート1280g(80%)、メチルメタクリレート320g(20%)、Peroxan LP7.5g及びTGEH4gを混合し、攪拌下で均質化する。モノマー主溶液を反応器にポンプで汲みいれる。内部温度を85℃に調節する。熱発生が中止すると重合は終了する。バッチを冷却する。吸引濾過器によって母液をポリマー粒子と分離し、完全脱塩水で徹底的に洗浄し、乾燥箱中で85℃で乾燥させる。
Figure 0005634982
実施例2(本発明による製造)並びに参考例3(溶解重合)及び5(塊状でのバッチ法)により、ポリマータクチシティが重合温度にのみ左右され、各々の重合法のその他の要因には左右されないことが示される。既に記載したように、バッチ法の塊状重合の生成物及び連続的塊状重合法の生成物は互いに良好に匹敵するものである。実施例1、2及び3並びに参考例5、6及び7により、本発明による方法は非常に広い温度範囲で−従って非常に異なるタクチシティを有するポリマーを製造するために−使用することができることが示される。
実施例3、配合物2
実施例1と同様にして行うが、しかし反応器に添加される混合物はn−ブチルメタクリレート65%、メチルメタクリレート34%、メタクリル酸1%、TBPEHC0.5%及びDr.Spiess Chemische Fabrik GmbH社のチオグリコール酸0.3%から成る。
参考例7、配合物2
参考例4と同様にして行うが、しかしn−ブチルメタクリレート585g、メチルメタクリレート306g及びメタクリル酸9gをモノマーとして、Peroxan PND2.5g及びチオグリコール酸3gを用いて38℃で行う。
参考例8、配合物2
参考例6と同様にして、しかしメチルメタクリレート510g、n−ブチルメタクリレート975g、メタクリル酸15g、Peroxan LP7.5g及びDr.Spiess Chemische Fabrik GmbH社のラウリルメルカプタン12gを用いる。
結合剤−顔料比1:0.5を有する着色ラッカーの製造
溶剤としてSolvesso100中の40%結合剤溶液を顔料として二酸化チタン(1対0.5で顔料配合)と一緒に手で前以て混合する。この混合物中にステアタイト球を装入し、容器を閉じ、24時間回転台上を動かす。分散工程終了後、塗料を篩に注ぎ、濾液の動的粘度を測定する。光沢測定は厚さ200μmを有する乾燥させたドクター付着物に対して行う。種々の下地上の接着は格子切断試験を用いて規格により調べる。
Figure 0005634982
懸濁重合により製造した結合剤(参考例8)と比較して本発明により高い温度(140℃)で製造した同じ組成のポリマー(実施例3)を有する配合物は、著しく改善された光沢値及び改善された金属接着性−特に工業的に非常に重要な亜鉛下地に対して−を示す。光沢値に関して、作用は−非常に低い温度で製造した塊状重合体(参考例7)との比較から明らかなように−特にポリマーのタクチシティに起因する。懸濁重合体(参考例7)の僅かに悪い光沢値はより硬い(即ちより高いシンジオタクチック割合)塊状重合体(参考例8)に対しても、残水分及び懸濁重合に必要とされた添加物が更に光沢の減少の原因であることを示す。
金属接着に関しては、作用は異なるタクチシティ(特に参考例7との亜鉛接着の比較を参照)及び懸濁重合体中に含有される助剤(特に亜鉛表面への参考例8を用いて製造した配合物の非接着性を参照)から成る組合せである。更に、本発明により製造した実施例2からの結合剤を含有する配合物は、予期されたように、一番僅かな動的粘度、従って最良の加工性を示す。
個々の塗料配合物の耐候性を相互に比較することができるように、各々の測定規格により被覆した試験物体を下記のように屋外暴露した:連続サイクルで試料を各々8時間20℃でUV光を照射し、引き続き60℃で4時間水浸した。被覆は前記方法により二酸化チタンの添加なしに行う。
Figure 0005634982
光沢損失及び金属接着に対する接着値の比較から、異なる結合剤が匹敵する耐候性を有することが示される。
Figure 0005634982
DSC測定を用いてガラス転移温度Tgの各々のタクチシティに対する依存性を明らかにすることができる。特に実施例3及び参考例8からのポリマーの比較から、−同じポリマー組成で−5℃より多いガラス転移温度の差が明らかである。この差はタクチシティ−従って重合温度−にのみ起因するものである。
本発明により製造した実施例3からの材料−各々ガス抜き工程の前及びその後に−の熱重量分析(TGA測定)から、ポリマーの熱安定性の著しい改善が示される。熱により後処理した試料は、214℃の温度まで懸濁重合体(参考例8)及びバッチ法で製造した塊状重合体(参考例7)に匹敵する熱安定性を示す。
本発明により、著しく高い反応温度にも拘わらず、確立された製法を用いて製造したポリマーに匹敵する熱安定性又は耐候性を有する結合剤を製造することもできる。この特性はポリマー中の比較的僅かな頭−頭−結合に起因するものであろう。

Claims (7)

  1. 顔料用の良好な分散特性、良好な光沢及び高い熱安定性を有する(メタ)アクリレートをベースとする結合剤の製法において、
    該方法が混練機中における連続的塊状重合法であること、
    反応温度を20℃〜250℃の間で自由に調節可能であること、
    結合剤を専らモノマー及び開始剤並びに場合により連鎖移動反応試薬及び最高10質量%の溶剤から成るモノマー混合物から製造すること、
    好適な反応温度の調節によってポリマーのタクチシティに影響を与えること、ここで、シンジオタクチックトライアドの割合は懸濁重合を用いて製造した同じ組成のポリマーにおけるより小さい、並びに
    反応器に後続した装置中で160℃より高い反応温度で熱により後処理することによって214℃まで結合剤の熱安定性を改善すること
    を特徴とする結合剤の製法。
  2. 反応温度が100℃より上であること、並びにモノマーが専らメタクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステルであることを特徴とする、請求項1に記載の結合剤の製法。
  3. 請求項1又は2に記載した重合法により製造した塗料用の(メタ)アクリレートをベースとする結合剤であって、
    専らメタクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステルから成る結合剤が214℃までの熱安定性を有すること、
    ガラス転移温度が、懸濁重合を用いて80℃で製造した同じ組成のポリマーにおけるより2℃だけ低いこと、
    シンジオタクチックトライアドの割合が懸濁重合を用いて製造した同じ組成のポリマーにおけるより小さいこと
    を特徴とする結合剤。
  4. 請求項3に記載の結合剤を金属表面、プラスチック表面、セラミック表面又は木材表面の被覆用の塗料配合物において用いる使用。
  5. 請求項3に記載の結合剤を船舶用インキ、コンテナ用インキ、印刷インキ又は建造物用インキにおいて用いる使用。
  6. 請求項3に記載の結合剤を道路標識又は床被覆において用いる使用。
  7. 請求項3に記載の結合剤を反応性溶融接着剤、ヒートシールラッカー、接着剤又はシーラントにおいて用いる使用。
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